JP2011188043A - 光通信システムにおける通信装置およびその干渉計同期制御方法 - Google Patents

光通信システムにおける通信装置およびその干渉計同期制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】干渉計の遅延量同期確立に要する時間を短縮することができる通信装置およびその干渉計同期制御方法を提供する。
【解決手段】光信号を位相変調して情報を伝送する光通信システムにおける通信装置であって、送信元から順次到達した光信号を入力し光信号の位相差に応じた干渉出力光を光検出手段(204,205)へ出力する干渉手段(202)と、光検出手段の検出信号から位相ずれ判定用信号を分離する分離手段(S2102、S2103)と、前記位相ずれ判定用信号に基づいて前記干渉手段の遅延量を調整する遅延調整手段(S2106)と、を有する。
【選択図】図10

Description

本発明は送信側および受信側の双方に光学干渉計を有する光通信システムに係り、特に通信装置およびその干渉計遅延量同期を確立する制御方法に関する。
急激な成長を続けるインターネットは、便利である反面、その安全性に大きな不安を抱えており、通信の秘密保持のために暗号技術の必要性が高まっている。現在一般的に用いられている暗号方式は、DES(Data Encryption Standard)やTriple DESといった秘密鍵暗号と、RSA(Rivest Shamir Adleman)や楕円曲線暗号の様な公開鍵暗号に分類される。しかしこれらは「計算の複雑性」を元にその安全性を保証する暗号通信方法であり、膨大な計算量や暗号解読アルゴリズムの出現によって解読されてしまう危険性を常に孕んでいる。こういった背景の下、量子暗号鍵配付 (QKD) システムは、絶対に盗聴されない暗号鍵配付技術として注目されている。
QKDシステムでは、一般に通信媒体として光子を使用し、その偏光、位相等の量子状態に情報を載せて伝送を行う。伝送路の盗聴者は伝送中の光子をタッピングする等して情報を盗み見るが、ハイゼンベルク(Heisenberg)の不確定性原理により、1度観測されてしまった光子を完全に観測前の量子状態に戻すことは不可能となり、このことによって正規の受信者が検出する受信データの統計値に変化が生じる。この変化を検出することにより受信者は伝送路における盗聴者を検出することができる。
量子暗号鍵配付方法では、送信者と受信者(以下、それぞれAlice(アリス)とBob(ボブ)と称する)で光学干渉計を組織し、各々の光子にAliceおよびBobでそれぞれランダムに位相変調を施す。この変調位相深さの差によって0あるいは1の出力を得、その後、出力データを測定したときの条件の一部分をAliceとBobで照合することによって最終的にAlice-Bob間で同一ビット列を共有することができる。
図11に量子暗号鍵配付に使用される光干渉計の一例を示す。本例は、一方向型の光干渉計であり、AliceおよびBobの双方に1ビット遅延干渉計を設ける。この理由は、隣接ビット間に情報を載せると、盗聴者(以下、Eve(イブ)という。)がローカルオシレータを準備することにより暗号鍵配付の安全性劣化が懸念される為である。なお、1ビット遅延干渉計には、後述するように温度調整手段としての熱電冷却器(TEC:Thermo-Electric Cooler)が設けられている。
Aliceでは、パルス光源(LD)によって発生した光パルス列1001(ΔT間隔)を、1ビット遅延干渉計を用いて遅延量Δtの2連パルス列1002へと変換し、位相変調器Mod(a)によって各々のパルス対の間にφAの位相差を与える様に変調を施すことで送信2連パルス列1003を得る。送信2連パルス列1003が光伝送路を通してBob側へ送信される。後述するBB84プロトコルと呼ばれる最も代表的な量子暗号鍵配付アルゴリズムでは、φAは0、π/2、π、3π/2の4値を採り、各パルス対に対してこの4値をランダムに割り当てる。この為、Alice内には2系統の乱数源RND1およびRND2と、これらの乱数を足し合わせるデジタル−アナログコンバータ(DAC)を設ける。
Bobでは、Aliceから送られてきた光信号に対し、位相変調器Mod(b)によって再びパルス対の間にφBの位相差を与える様に変調を施すことでBob側の2連パルス列1004を生成し、そのパルス対を遅延量Δtの1ビット遅延干渉計を用いて干渉させる。その干渉結果がポートport1あるいはport2にそれぞれパルス列1005あるいは1006として現れ、それぞれ光子検出器PDにより電気信号に変換される。
Bob側の位相変調は0、π/2の2値で行い、この為の乱数源RND3を保有する。現状では、光子検出器の動作速度制限から、システムの繰り返し周波数(1/ΔT)は1GHz程度までの高速化が実現されているものの、この動作速度に対応する1ビット遅延干渉計の遅延量は〜500ps (〜10cm) と非常に長く、安定した特性を得る為には干渉計の温度制御を0.01K単位で行う必要がある。
次に、BB84プロトコルと呼ばれる最も代表的な量子暗号鍵配送アルゴリズムについて簡単に説明する(非特許文献1)。
図12はBB84プロトコルを概念的に示す説明図である。ここでは、送信側のAlice1011と受信側のBob1013とが光伝送路1012で接続され、量子暗号通信を行うものとする。この方法では4通りの量子状態を利用し、Alice1011が乱数源を2つ持ち、一方の乱数1で0あるいは1の暗号鍵データを表し、もう一方の乱数2で乱数1の情報をコーディングする方法を決定する。
具体的には、コヒーレントな2パルス間の位相差を利用して4状態のコーディングを行う量子暗号鍵配付方法において、位相0が暗号鍵“0”、位相πが暗号鍵“1”の組を表すコーディングセット(以下、「X基底」と称する。)と、位相π/2が暗号鍵“0”、位相3π/2が暗号鍵“1”を表すコーディングセット(以下、「Y基底」と称する。)と、の2組の基底を乱数2で選択する。つまり1つの光子に対して、0、π/2、π、3π/2の4通りの変調をランダムに施してBob1013へ送信する。
一方、Bob1013では基底に対応する乱数源(乱数3)を持ち、Alice1011より送られてきた光子に対してデコードを行う。乱数3の値が“0”である場合、光子に対して位相0(X基底)の変調を、“1”である時には位相π/2(Y基底)の変調を施す。ここで光学干渉計出力として得られた乱数を乱数4とする。
Alice1011とBob1013の両者が施した変調の基底が同一である場合(乱数2=乱数3)には、乱数1の値をBob1013は正しく検出することができ(乱数1=乱数4)、異なる場合(乱数2≠乱数3)には乱数1の値に依らずBob1013は乱数4として0/1の値をランダムに得る。
乱数1/2/3は共に1ビット毎に変化する乱数である為、基底が一致する確率と不一致である確率は共に50%となる。ただし、後段の基底照合(Basis Reconciliation)によって基底が不一致となるビットを削除する為、Alice1011とBob1013は乱数1に対応する0/1ビット列を共有することができる。なお、量子暗号鍵配付では、基底不一致ビットを削除する前の乱数データを「生鍵」、基底不一致ビットを削除した後の乱数データを「シフト鍵」あるいは「選別鍵」と呼ぶ。
特開2006−129332号公報 特開2007−020013号公報 特開2009−218744号公報 特開2007−020138号公報
"Quantum Cryptography; Public Key distribution and Coin Tossing" IEEE Int. Conf. on Computers, Systems and Signal Processing, Bangalore, India, December 10-12, 1984, pp.175-179, Bennett, Brassard
図11に例示した光通信システムでは、送信側の非対称光学干渉計(ここでは1ビット遅延干渉計)で分岐された2連光パルス間の位相差に乱数情報をエンコードし、受信側の非対称光学干渉計でこの2連光パルスを干渉させることで位相変調情報を読み取る。ここで、送受信器内の非対称光学干渉計の遅延量の差を厳密に一定量に維持するためには、精密な温度制御(0.01K単位の温度制御)を行う必要があり、干渉結果をモニタしながら温度制御値へのフィードバックを行うことが必須となる。ここで、温度制御値に常にディザを掛ける等の手段で最適制御値を追従し続けることも可能であるが、ディザをかける分、完全に最適値に補償し続けることはできない。
図13は干渉計の制御温度を変更した際に干渉計出力の2つのポートport1およびport2に出力される光強度の変化を示す波形図である。図13において、a点が最も干渉消光比の確保されている温度制御点、b点が最適点から少し温度がずれている点(+Δt)、b’点が最適点から少し温度がずれている点(−Δt)を示す。干渉点をモニタする為に、干渉消光比を測定することは可能であるが、干渉消光比をモニタするだけでは、制御温度が最適点(a点)から+方向にずれているか(b点)、−方向にずれているか(b’点)を判断することはできない。したがって、干渉点を最適点(a点)に復旧する為には、制御温度を+側および−側の両方向に変化させ、そのときの干渉結果の変化を測定することで最適点を探す、といったプロセスが必要となり、最適点をサーチする時間だけ復旧調整に時間がかかることになる。
そこで本発明の目的は、光学干渉計を有する光通信システムにおける干渉計の遅延量同期確立に要する時間を短縮することができる通信装置およびその干渉計同期制御方法を提供することにある。
本発明による通信装置は、光信号を位相変調して情報を伝送する光通信システムにおける通信装置であって、送信元から順次到達した光信号を入力し、前記光信号の位相差に応じた干渉出力光を光検出手段へ出力する非対称干渉手段と、前記光検出手段の検出信号から位相ずれ判定用信号を分離する分離手段と、前記位相ずれ判定用信号に基づいて前記非対称干渉手段の遅延量を調整する遅延調整手段と、を有することを特徴とする。
本発明による干渉計同期制御方法は、光信号を位相変調して情報を伝送する光通信システムにおける通信装置の干渉計同期制御方法であって、非対称干渉計が送信元から順次到達した光信号を入力して前記光信号の位相差に応じた干渉出力光を光検出手段へ出力し、分離手段が前記光検出手段の検出信号から位相ずれ判定用信号を分離し、遅延調整手段が前記位相ずれ判定用信号に基づいて前記非対称干渉計の遅延量を調整する、ことを特徴とする。
本発明によれば、光学干渉計を有する光通信システムにおける干渉計の遅延量同期確立に要する時間を短縮することができる。
本発明の第1実施形態による光通信システムの構成および機能を説明するためのブロック図である。 干渉計の遅延量が所望の値にある場合の動作を説明するための概念的波形図である。 干渉計の遅延量が所望の値からずれている場合の動作を説明するための概念的波形図である。 第1実施形態における干渉計の遅延制御の一例を示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態による光通信システムの構成および機能を説明するためのブロック図である。 第2実施形態における干渉計の遅延制御の一例を示すフローチャートである。 本発明の第3実施形態による光通信システムの構成および機能を説明するためのブロック図である。 第3実施形態における受信側で検出される3値信号とその判定結果の一例を示す説明図である。 第3実施形態における干渉計の遅延制御の一例を示すフローチャートである。 本発明の第4実施形態による光通信システムの構成および機能を説明するためのブロック図である。 量子暗号鍵配付に用いられる一方向型干渉計の一例を示すブロック図である。 一般的なBB84プロトコルの説明図である。 干渉計の制御温度ずれと干渉結果を説明するための概念的波形図である。
以下、量子暗号鍵配付に用いられる一方向型干渉計を一例として、本発明の実施形態による干渉計同期制御方法および装置について詳細に説明する。
1.第1実施形態
本実施形態によれば、基底照合処理で検出された基底不一致ビットに対して誤り率測定を行い、その測定結果を元に光学干渉計の遅延量を調整する。
1.1)構成
図1において、送信側の通信装置であるAlice10と受信側の通信装置であるBob20とは光伝送路30によって接続されている。
Alice10は、光子パルスの生成を行うレーザダイオード(LD)101と、光子パルスを時間分離して2連パルスを出力する非対称光学干渉計102と、非対称光学干渉計102の遅延量を調整するための温度調整器103(ここでは熱電冷却器TEC)と、2つに時間分離した光子パルスに所定の位相差を加える位相変調器104と、レーザダイオード101を駆動するためのクロック源105と、位相変調器104へ乱数を供給する乱数源106とを有する。なお、光伝送路30へ送出する時に光子パルスの強度を1光子/パルス以下に減衰させる光減衰器を設けてもよい。以下、非対称光学干渉計として2入力2出力非対称マッハツェンダ(Mach-Zehnder)干渉計を用いるので、非対称光学干渉計を「マッハツェンダ干渉計と」記す。
さらに、本実施形態では、信号処理を行うプロセッサ107を有し、図示しないメモリに格納されたプログラムを実行することにより、後述するように、Bob20と協働して暗号鍵生成プロセスおよび干渉計同期制御プロセスを実行する。
Bob20は、Alice10から光伝送路30を通して送られた2連光子パルスに再度位相差を与える位相変調器201と、2連光子パルスを合波するマッハツェンダ干渉計202と、マッハツェンダ干渉計202の遅延量を調整するための温度調整器203(ここでは熱電冷却器TEC)と、マッハツェンダ干渉計202の2つの出力ポートport1およびport2にそれぞれ光学的に接続された2つのゲートモード光子検出器204および205と、移動変調器201へ乱数を供給する乱数源206と、を有する。
なお、温度調整器(103、203)は非対称光学干渉計の遅延量調整を行う手段の一例であり、これに限定されるものではない。また、本実施形態では、信号処理を行うプロセッサを有し、図示しないメモリに格納されたプログラムを実行することにより、後述するように、Alice10と協働して暗号鍵生成プロセスおよび干渉計同期制御プロセスを実行する。
1.2)動作
Alice10において、クロック源105から625MHzのクロックを入力することで、レーザダイオード101はクロックに同期した光パルスを生成する。光パルスは、マッハツェンダ干渉計102によって時間分離され2連光パルスに変換される。その後、位相変調器104は、2連光パルスの一方の光位相を乱数源106からの乱数に従って変調することで、2連光パルスの相対位相差(φA)を0、π/2、πおよび3π/2の4通りにランダムに変化させ光伝送路30へと送り出す。2連光パルスは光伝送路30を通してBob20へ到達する。
Bob20の位相変調器201は、到達した2連光パルスの一方の光位相を変調する。ここでの位相変調は、2連光パルスの相対位相差(φB)が0、π/2となるようにランダムに変調を行う。この2連光パルスはマッハツェンダ干渉計202を通ることで合波し、ポートport1およびport2にそれぞれ接続された光子検出器204、205がAlice10とBob20とでそれぞれ施された変調位相に従った干渉結果を検出する。
次に、Alice10のプロセッサ107とBob20のプロセッサ207とで実行され暗号鍵生成プロセスおよび干渉計同期制御プロセスについて説明する。なお、Alice10のプロセッサ107とBob20のプロセッサ207とは、図示しない通常光通信手段により互いに情報をやりとりすることが可能である。
Alice10のプロセッサ107では、フレーム同期処理S1101、基底照合処理S1102、誤り率推定処理S1103、誤り訂正処理S1104、秘匿性増強処理S1105および遅延調整処理S1106がそれぞれ実行される。同様に、Bob20のプロセッサ20では、フレーム同期処理S2101、基底照合処理S2102、誤り率推定処理S2103、誤り訂正処理S2104および秘匿性増強処理S2105がそれぞれ実行される。
まず、フレーム同期処理S1101およびS2101では、Alice−Bob間でビット位置の同期が取れるように、すなわちビット対応の正しい認識が成立するようにフレーム同期を確立する。特に、パルスあたりの光子数が1個以下の光パルスを用いて2連光パルスをAlice10からBob20へ送信する場合、光伝送路30で消失するビットが多く、Alice−Bob間でのビット対応の誤認識が生じやすい。この誤認識によって誤り率が劣化し、暗号鍵の生成が行えなくなる。言い換えれば、鍵生成フローにおいてビット位置の同期確立は大前提であり、同期が確立していないと最終鍵は生成できない。そこで、Alice−Bob間で情報を共有するためには、どのビットが正しく検出され、どのビットが検出されなかったかを双方で特定できなければならない。
フレーム同期を確立する方法は、たとえば特許文献1−3に開示されている。特許文献1あるいは2に開示された方法は、Alice−Bob間の乱数を1ビットずつシフトして誤り率が最小となるビット位置を検出する。また、特許文献3に開示された方法は、送信側の通信装置が送信データを固定長のフレームごとに分割し、各フレームの固定位置にフレームパタンを設けて送信し、受信側の通信装置が受信データのフレームパタンの位置をシフトさせながら照合用データを送信側へ送信し、送信側と受信側で照合用データの誤り率が最小となるようにフレーム同期を決定する。
フレーム同期が確立すると、続いて、基底照合処理S1102およびS2102において、プロセッサ107とプロセッサ207とが基底照合用データおよびその照合結果をやりとりすることで基底照合を行う(図12参照)。Alice10とBob20の両者が施した変調の基底が同一である場合には、Bob20は正しく送信ビットを検出することができ、基底が異なる場合にはBob20は検出ビットの値をランダムに得る。
基底照合処理S1102およびS2102により、Alice/Bobで施した基底変調が一致した基底一致ビットの誤り率と不一致であった基底不一致ビットとが分離されると、誤り率推定処理S1103では、基底一致ビットの誤り率と基底不一致ビットの誤り率とがそれぞれ推定され、基底一致ビットの情報だけが誤り訂正処理S1104へ渡される。誤り訂正処理S1104では、Bob20の誤り訂正処理S2104との間で誤り訂正が実行され、誤り訂正されたビット情報が秘匿性増強処理S1105へ渡される。秘匿性増強処理S1105では、Bob20の秘匿性増強処理S2105との間で秘匿性増強処理が実行され、Alice10とBob20との間で最終的な暗号鍵が共有される。
本実施形態によれば、誤り率推定処理S1103が基底不一致ビットの誤り率情報を遅延調整処理S1106へ渡し、以下に述べるように、マッハツェンダ干渉計102の遅延調整が行われ干渉計同期制御が実行される。なお、ここではAlice10において遅延調整が行われる場合を例示するが、Bob20において同様の遅延調整が行われてもよい。
1.3)非対称干渉計の遅延調整
Alice10のマッハツェンダ干渉計102の遅延量とBob20のマッハツェンダ干渉計202の遅延量とが意図した所定値に制御されている場合について説明する。すなわち、マッハツェンダ干渉計102および202の遅延量をそれぞれΔlAおよびΔlBとし、ΔlAとΔlBとの差Δlがレーザダイオード101からの出力光の半波長の整数倍となっているものとする。
この場合、Alice/Bobで施した基底変調が一致しているビット(Δφ=0、π)に関しては、図2における干渉曲線のa点、b点に示すように干渉消光比が最大となる。これに対して、基底変調が不一致であったビット(Δφ=π/2、3π/2)は、図2における干渉曲線のc点(Δφ=π/2)およびd点(Δφ=3π/2)に相当し、干渉計出力は50:50で両ポートport1、port2に均等に出力され、Aliceで施したデータ変調に関係なくAlice-Bob間で共有した鍵の誤り率は50%となる。
次に、Alice10のマッハツェンダ干渉計102の遅延量とBob20のマッハツェンダ干渉計202の遅延量とが意図した所定値から変位している場合について説明する。すなわち、ΔlAとΔlBとの差Δl’がレーザダイオード101からの出力光の半波長の整数倍からずれているものとする。
この場合、図3に示すように、Alice/Bobで施した基底変調が一致しているビット(Δφ=0、π)に関しては、図3における干渉曲線のa’点、b’点に示すように干渉点が干渉曲線の極点からずれる。これに対して、基底変調が不一致であったビット(Δφ=π/2、3π/2に関しては、Δφ=π/2(図3のc’点)であった光パルスはポートport2への出力が大きくなり、Δφ=3π/2(図3のd’点)であった光パルスはポートport1への出力が大きくなる。
一例をあげると、ΔlとΔl’が光信号の波長の1/20だけずれている場合、位相のずれは18°となり、Δφ=π/2(c’点)であったパルスは約65:35の割合で、Δφ=3π/2(d’点)であったパルスは約35:65の割合で、それぞれポートport1とポートport2に出力される。従って、これらの基底不一致であったパルスの誤り率は65%となる。この誤り率は本来の50%から大きくずれている為、このずれをモニタすることで光学干渉計の遅延量調整を行うことができる。
このように、基底不一致ビットの干渉結果をモニタすることで、干渉曲線の極点ではなく極点から±90°ずれた干渉点をモニタすることとなり、干渉計遅延量の小さな変化を検知することができ、かつ、変化の方向も決定することが出来る。したがって、非対称光学干渉計の遅延量制御をディザをかけることなく精度良く行うことができ、かつ、干渉計遅延量がずれた場合の最適干渉点への復旧を短時間に行うことができる。以下、遅延調整処理S1106の一例を図4を参照しながら説明する。
図4において、プロセッサ107は定期的に基底不一致ビットの誤り率eを計算し(ステップS401)、基底不一致ビット誤り率eが50%±ethの範囲を逸脱しているか否かを判定する(ステップS402)。基底不一致ビット誤り率eが50%±ethの範囲を逸脱していれば(ステップS402:yes)、さらに基底不一致ビット誤り率eが50%を超えているか否かを判定する(ステップS403)。e>50%であれば(ステップS403:yes)、プロセッサ107は、マッハツェンダ干渉計102の温度をプラス方向にΔtだけ上昇させるように制御する(ステップS404)。基底不一致ビット誤り率eが50%以下であれば(ステップS403:no)、プロセッサ107は、マッハツェンダ干渉計102の温度をマイナス方向にΔtだけ減少させるように制御する(ステップS405)。
1.4)効果
本実施形態によれば次の効果が得られる。
一方向型量子暗号システムを構成する際に必要となる非対称光学干渉計の遅延量制御を精度良く行える。その理由は、一般的な誤り率推定では基底一致ビットの誤り率(QBER)を測定するが、QBERは干渉曲線の極点をモニタしている為に干渉計遅延量のずれが検知しにくい。これに対して、本実施形態によれば、基底不一致ビットの誤り率を測定することで干渉計遅延量のずれをより確実に検知することができ、干渉計の遅延量調整に利用できる。具体定期には、上述した例で示したように、基底一致ビットの誤り率は、干渉計遅延量の位相ずれが18°である場合にも0%→2.5%の変化であり光子検出器等で発生するノイズに紛れやすく検出しにくいのに対し、基底不一致ビットの誤り率は同じ位相ずれ量(18°)であっても、50%→65%と大きく変化する。
また、干渉計遅延量がずれた場合の最適干渉点への復旧が短時間で行える、という利点も有する。この理由は、一般的な誤り率推定では基底一致ビットの誤り率(QBER)を測定するが、QBERは干渉曲線の極点をモニタしている為に干渉計遅延量のずれ方向を検知出来ない。これに対して、本実施形態によれば、基底不一致ビットの誤り率を測定することで干渉計遅延量のずれ方向を確実に検知し、復旧の際に行う遅延量制御の方向を決定することができる。具体的には、干渉計遅延量の位相ずれが±18°である場合に、ずれの方向に関わらず基底一致ビットの誤り率は0%→2.5%と変化するのに対し、基底不一致ビットの誤り率は、+18°の位相ずれ量の場合には50%→65%と変化し、−18°の位相ずれ量の場合には50%→35%と変化する。
なお、非対称干渉計としてマッハツェンダ干渉計を例示したが、Michelson干渉計等の別構成の干渉計を利用しても構わない。さらに、本実施例では誤り率推定処理において計算される誤り率を元に干渉計遅延量の制御を行ったが、特許文献1および2に開示されている様に、フレーム同期処理においても同様の誤り率計算を行うので、フレーム同期処理において計算した誤り率を元に干渉計遅延量調整を行うこともできる。
2.第2実施形態
上述した第1実施形態では、基底不一致ビットの誤り率を測定することで干渉計遅延量のずれを検知し、干渉計の遅延調整を行ったが、次に述べるように、基底不一致ビットの誤り率を測定する代わりに、基底不一致ビットの検出数(検出レート)を測定することで同様に干渉計遅延量の調整を行うことができる。
2.1)構成
図5に示すように、基本的には図1に示す機能的構成と同様であるが、基底照合処理S1102が基底不一致ビット検出数を遅延調整処理S1110へ渡し、遅延調整処理S1110が基底不一致ビット検出数に基づいて次のように遅延調整を実行する点が異なっている。したがって、第1実施形態と同様の機能的構成部分には同一の参照番号を付して説明は省略する。
2.2)非対称干渉計の遅延調整
Alice10のマッハツェンダ干渉計102の遅延量とBob20のマッハツェンダ干渉計202の遅延量とが意図した所定値に制御されている場合について説明する。すなわち、マッハツェンダ干渉計102および202の遅延量をそれぞれΔlAおよびΔlBとし、ΔlAとΔlBとの差Δlがレーザダイオード101からの出力光の半波長の整数倍となっているものとする。
この場合、Alice/Bobで施した基底変調が一致しているビット(Δφ=0、π)に関しては、図2における干渉曲線のa点、b点に示すように干渉消光比が最大となる。これに対して、基底変調が不一致であったビット(Δφ=π/2、3π/2)は、図2における干渉曲線のc点(Δφ=π/2)およびd点(Δφ=3π/2)に相当し、干渉計出力は50:50で両ポートport1、port2に均等に出力され、両ポートにおける検出数は同数となる。
次に、Alice10のマッハツェンダ干渉計102の遅延量とBob20のマッハツェンダ干渉計202の遅延量とが意図した所定値から変位している場合について説明する。すなわち、ΔlAとΔlBとの差Δl’がレーザダイオード101からの出力光の半波長の整数倍からずれているものとする。
この場合、図3に示すように、Alice/Bobで施した基底変調が一致しているビット(Δφ=0、π)に関しては、図3における干渉曲線のa’点、b’点に示すように干渉点が干渉曲線の極点からずれる。これに対して、基底変調が不一致であったビット(Δφ=π/2、3π/2に関しては、Δφ=π/2(図3のc’点)であった光パルスはポートport2への出力が大きくなり、Δφ=3π/2(図3のd’点)であった光パルスはポートport1への出力が大きくなる。
一例をあげると、ΔlとΔl’が光信号の波長の1/20だけずれている場合、位相のずれは18°となり、Δφ=π/2(c’点)であったパルスは約65:35の割合で、Δφ=3π/2(d’点)であったパルスは約35:65の割合で、それぞれポートport1とポートport2に出力される。従って、Δφ=π/2(c’点)であったパルスの検出数はポート1 port1では約30%増加し、ポートport2では約30%減少する。この検出数の増減をモニタすることで光学干渉計の遅延量調整を行うことができる。以下、遅延調整処理S1110の一例を図6を参照しながら説明する。
図6において、プロセッサ107は定期的にΔφ=π/2(c’点)であったパルスの単位時間あたりの検出数を各ポートで測定する(ステップS501)。ここでは、ポートport1の検出数をC、ポートport2での検出数をCとする。
続いて、プロセッサ107は、ポートport1の検出数CがC±Cthの範囲を逸脱しているか否かを判定する(ステップS502)。CがC±Cthの範囲を逸脱していれば(ステップS502:yes)、さらにC>Cであるか否かを判定する(ステップS503)。C>Cであれば(ステップS503:yes)、プロセッサ107は、マッハツェンダ干渉計102の温度をプラス方向にΔtだけ上昇させるように制御する(ステップS504)。CがC以下であれば(ステップS503:no)、プロセッサ107は、マッハツェンダ干渉計102の温度をマイナス方向にΔtだけ減少させるように制御する(ステップS505)。
2.3)効果
上述した第2実施形態によれば、第1実施形態と同様に、一方向型量子暗号システムを構成する際に必要となる非対称光学干渉計の遅延量制御を精度良く行うことができ、さらに干渉計遅延量がずれた場合の最適干渉点への復旧を短時間で行うことができる、という効果を奏する。
なお、第2実施形態では、基底不一致ビットの検出数(検出レート)を測定して干渉計遅延量の調整を行う処理をAlice側で行う場合を説明したが、これをBob側で行っても構わない。また、非対称干渉計としてマッハツェンダ干渉計を例示したが、Michelson干渉計等の別構成の干渉計を利用しても構わない。さらに、本実施例ではΔφ=π/2であったビットの検出数を測定したが、Δφ=3π/2であったビットの検出数を測定しても良い。また、各ポートの検出数の多寡を比較して干渉計遅延量の制御を行ったが、各ポートの検出数の変化をモニタして干渉計遅延量の調整を行うこともできる。
3.第3実施形態
本発明は、一般の光通信においてDQPSK(Differential Quadrature Phase Shift Keying)信号を用いた伝送システムに適用することもできる。以下、本発明の第3実施形態として、DQPSK信号を用いた光伝送システムに適用した場合について説明する。
3.1)構成
図7において、送信器70は受信器80と光伝送路90により接続されている。送信器70は、レーザダイオード701とレーザダイオード701から出力された連続光に4値の位相変調を施すQPSK変調器702とを有する。受信器80は、受信した信号を2分岐する光カプラ801と、光カプラ801で分岐された各々の経路に設けられた非対称光学干渉計802および803と、非対称光学干渉計802および803の遅延量調整をそれぞれ行う温度調整器804および805と、光学干渉計802および803の出力ポートにそれぞれ接続された平衡光検出器806および807と、平衡光検出器806および807からの検出信号の多値識別を行う多値識別回路808および809と、信号処理を行うプロセッサ810とを有する。非対称光学干渉計802および803は、信号の1シンボル時間の遅延量に加え、各々0およびπ/2の位相差を有する。
3.2)動作
まず、送信器70において、レーザダイオード701が連続光を出力し、QPSK変調器702が連続光に4値の位相変調を施し光伝送路90へと送り出す。その際、定期的に固定パタンを挿入し、受信器80も事前にこの固定パタンを知っているものとする。
受信器80では、到達した光信号を光カプラ801によって2分岐し、片方を非対称光学干渉計802によって干渉させ、平衡光検出器806によって検出し、多値識別回路808によって信号レベルを識別する。また、2分岐した他方の光信号を非対称光学干渉計803によって干渉させ、平衡光検出器807によって検出し、多値識別回路809によって信号レベルを識別する。
ここで、特許文献4に開示された光学干渉計では2つの非対称光学干渉計の位相要素が+π/4と−π/4であるのに対し、本実施形態では0と+π/2となっている。従って、本実施形態によれば、非対称光学干渉計802および803の遅延量が所望の値に制御されている場合には、平衡光検出器806および807によって検出した後の信号レベルは、図8に示すように、3値となる。
図8に示すように、多値識別回路808は3つの閾値レベルL0、L1、L2を保持し、平衡光検出器806からの検出信号S0を閾値レベルと比較することで検出信号を判定し、後述するように確定判定信号と仮判定信号とに分けてプロセッサ801へ出力する。同様に、多値識別回路809は3つの閾値レベルL0、L1、L2を保持し、平衡光検出器807からの検出信号S1を閾値レベルと比較することで検出信号を判定し、後述するように確定判定信号と仮判定信号とに分けてプロセッサ801へ出力する。これらの判定信号を入力すると、プロセッサ801は固定パタンを利用して温度調整器804および805により非対称光学干渉計802および803の遅延調整を行う。
以下、本実施形態による遅延調整プロセスについて、図8および図9を参照しながら詳細に説明する。図9において、まず、n番目のシンボルと(n+1)番目のシンボルとを干渉させた結果である検出信号レベルS0/S1(以下、単にSと記す。)を入力すると(ステップS901)、多値識別回路808は、その検出信号レベルSが閾値レベルL0以上であるか否かを判定する(ステップS902)。S≧L0であれば(ステップS902:YES)、n番目のシンボルと(n+1)番目のシンボルの位相差Δφが0と判定する(ステップS903)。同様に、多値識別回路809もその検出信号レベルSが閾値レベルL0以上であるか否かを判定し(ステップS902)、S≧L0であれば(ステップS902:YES)、n番目のシンボルと(n+1)番目のシンボルの位相差Δφがπ/2と判定する(ステップS903)。
S<L0であれば(ステップS902:NO)、多値識別回路808は検出信号レベルSが閾値レベルL2より小さいか否かを判定する(ステップS904)。S<L2であれば(ステップS904:YES)、n番目のシンボルと(n+1)番目のシンボルの位相差Δφがπと判定する(ステップS905)。同様に、多値識別回路809もその検出信号レベルSが閾値レベルL2より小さいか否かを判定し(ステップS904)、S<L2であれば(ステップS904:YES)、n番目のシンボルと(n+1)番目のシンボルの位相差Δφが3π/2と判定する(ステップS904:NO)。
S≧L2であれば(ステップS904:NO)、多値識別回路808は検出信号レベルSが閾値レベルL1以上L0未満であるか否かを判定する(ステップS906)。L1≦S<L0であれば、n番目のシンボルと(n+1)番目のシンボルの位相差Δφがπ/2と仮判定する(ステップS907)。同様に、多値識別回路809もその検出信号レベルSが閾値レベルL1以上L0未満であるか否かを判定する(ステップS906)。L1≦S<L0であれば、n番目のシンボルと(n+1)番目のシンボルの位相差Δφが0と仮判定する(ステップS907)。
他方、検出信号レベルSが閾値レベルL2以上L1未満であれば(ステップ906:NO)、n番目のシンボルと(n+1)番目のシンボルの位相差Δφが3π/2と仮判定する(ステップS908)。同様に、多値識別回路809もその検出信号レベルSが閾値レベルL2以上L1未満であれば(ステップS906:NO)、n番目のシンボルと(n+1)番目のシンボルの位相差Δφがπと仮判定する(ステップS908)。これらの仮判定結果は、誤り率計算を行い遅延量制御に利用するが、主信号としては用いない。
こうして位相差Δφが仮判定されると、プロセッサ810は、当該仮判定の対象となったn番目のシンボルと(n+1)番目のシンボルとが定期的に挿入された所定の固定パタンに対応するシンボルであるか否かを判定する(ステップS909)。固定パタンに対応すれば(ステップS909:YES)、プロセッサ810は仮判定結果と固定パタンとの間の誤り率を計算し(ステップS910)、算出された誤り率に基づいて温度調整器804および805を制御し、非対称光学干渉計802および803の遅延量調整をそれぞれ行う(ステップS911)。
非対称光学干渉計802の遅延量が所望の値に制御されている場合、Δφがπ/2でも3π/2でも検出信号レベルは原理的には閾値レベルL1となり、ランダムなノイズによってΔφの仮判定結果がπ/2か3π/2かに定まるので誤り率は50%となる。同様に、非対称光学干渉計803の遅延量が所望の値に制御されている場合、Δφが0でもπでも検出信号レベルは原理的には閾値レベルL1となり、ランダムなノイズによってΔφの仮判定結果が0かπかに定まるので誤り率は50%となる。
これに対して、非対称光学干渉計802の遅延量が所望値0から少しずれて+Δφ0であったとする。この場合、Δφがπ/2であったn番目のシンボルと(n+1)番目のシンボルの検出信号レベルは閾値L1から下側にずれ、Δφが3π/2であったn番目のシンボルと(n+1)番目のシンボルの検出信号レベルは閾値L1から上側にずれる。この為、誤り率は50%より小さくなる。ただし、データである0、1と変調位相の定義付けによっては、誤り率が50%より大きくなるが、ここでは簡単の為に、非対称光学干渉計802の遅延量が所望値0から少しずれて+Δφ0である場合に誤り率が50%より小さくなるように位相が定義づけられているものとする。逆に、非対称光学干渉計802の遅延量が所望値0から少しずれて−Δφ0となれば、誤り率は50%より大きくなる。この誤り率の計算結果を元に、プロセッサ810は非対称光学干渉計802の遅延量調整を行う。非対称光学干渉計803に関しても同様に、誤り率の計算結果を元に遅延量調整を行う。
3.3)効果
上述した第3実施形態によれば、非対称光学干渉計の遅延量制御を精度良く行うことができる。その理由は、干渉計の位相ずれに対して、最も変化の大きい点をモニタして遅延量調整を行っている為である。また、遅延量調整を行う際の調整方向も一意に決定することが出来る。
なお、本実施形態では、DQPSK信号の場合を例示したが、干渉計の遅延量を制御する代わりに、局発光の位相制御を行うことで受信器内の局発光との干渉を行う通常のQPSK伝送システムにも適用可能である。
4.第4実施形態
図1に示す第1実施形態によるシステムでは、Alice側において基底不一致ビットの誤り率を測定し、Alice側の非対称マッハツェンダ干渉計の遅延量を調整する構成を例示したが、同じ機能を図10に示すようにBob側に設けても構わない。
図10において、Bob20のプロセッサ207が遅延調整処理S2106を実行し、温度調整器203の温度制御を実行する。このようにBob側で遅延量を調整しても第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
同様に、図5に示す第2実施形態によるシステムについても、Alice側において基底不一致ビットの検出数を測定し、Alice側の非対称マッハツェンダ干渉計の遅延量を調整する構成を例示したが、同じ機能をBob側に設けても構わない。
5.付記
上述した実施形態の一部あるいは全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、これらに限定されるものではない。
(付記1)
光信号を位相変調して情報を伝送する光通信システムにおける通信装置であって、
送信元から順次到達した光信号を入力し、前記光信号の位相差に応じた干渉出力光を光検出手段へ出力する干渉手段と、
前記光検出手段の検出信号から位相ずれ判定用信号を分離する分離手段と、
前記位相ずれ判定用信号に基づいて前記干渉手段の遅延量を調整する遅延調整手段と、
を有することを特徴とする通信装置。
(付記2)
前記遅延調整手段が、前記位相ずれ判定用信号の誤り率を測定し、前記誤り率と所定の基準値との比較に基づいて前記干渉手段の遅延量を調整することを特徴とする付記1に記載の通信装置。
(付記3)
前記所定の基準値は50%であることを特徴とする付記2に記載の通信装置。
(付記4)
前記位相ずれ判定用信号は、前記光検出手段の検出信号のうち、検出信号値の誤り率が50%となる信号部分であることを特徴とする付記1−3のいずれか1項に記載の通信装置。
(付記5)
前記光信号は送信元において4値の位相変調により変調され、前記位相ずれ判定用信号は、前記干渉手段において干渉させる際の2つの光信号の位相差がπ/2もしくは3π/2であり、前記光検出手段の検出信号の他の信号は前記干渉手段において干渉させる際の2つの光信号の位相差が0もしくはπであることを特徴とする付記1−4のいずれか1項に記載の通信装置。
(付記6)
前記干渉手段が第1干渉手段と第2干渉手段とからなり、前記第1干渉手段において干渉させる際の2つの光信号の位相差と、前記第2干渉手段において干渉させる際の2つの光信号の位相差がπ/2だけ異なることを特徴とする付記1−5のいずれか1項に記載の通信装置。
(付記7)
前記送信元から順次到達した光信号はパルスあたりの光子数が1以下の光子パルス信号であって送信元においてデータ乱数と基底乱数により決定される位相変調により生成されたものであり、
前記送信元から順次到達した光信号を受信側基底乱数により位相変調して前記干渉手段へ出力する位相変調手段をさらに有し、
前記分離手段が前記位相変調手段から出力された光子パルスの検出ビットの一部分を送信元へ返すことで基底照合を行い、基底が不一致であったビット集合を前記位相ずれ判定用信号として用いることを特徴とする付記1−5のいずれか1項に記載の通信装置。
(付記8)
光信号を位相変調して情報を伝送する光通信システムにおける通信装置の干渉計同期制御方法であって、
干渉計が送信元から順次到達した光信号を入力して前記光信号の位相差に応じた干渉出力光を光検出手段へ出力し、
分離手段が前記光検出手段の検出信号から位相ずれ判定用信号を分離し、
遅延調整手段が前記位相ずれ判定用信号に基づいて前記干渉計の遅延量を調整する、
ことを特徴とする干渉計同期制御方法。
(付記9)
前記遅延調整手段が、前記位相ずれ判定用信号の誤り率を測定し、前記誤り率と所定の基準値との比較に基づいて前記干渉計の遅延量を調整することを特徴とする付記8に記載の干渉計同期制御方法。
(付記10)
前記所定の基準値は50%であることを特徴とする付記9に記載の干渉計同期制御方法。
(付記11)
前記位相ずれ判定用信号は、前記光検出手段の検出信号のうち、検出信号値の誤り率が50%となる信号部分であることを特徴とする付記8−10のいずれか1項に記載の干渉計同期制御方法。
(付記12)
前記光信号は送信元において4値の位相変調により変調され、前記位相ずれ判定用信号は、前記干渉計において干渉させる際の2つの光信号の位相差がπ/2もしくは3π/2であり、前記光検出手段の検出信号の他の信号は前記干渉計において干渉させる際の2つの光信号の位相差が0もしくはπであることを特徴とする付記8−11のいずれか1項に記載の干渉計同期制御方法。
(付記13)
前記干渉計が第1干渉計と第2干渉計とからなり、前記第1干渉計において干渉させる際の2つの光信号の位相差と、前記第2干渉計において干渉させる際の2つの光信号の位相差がπ/2だけ異なることを特徴とする付記8−12のいずれか1項に記載の干渉計同期制御方法。
(付記14)
前記送信元から順次到達した光信号はパルスあたりの光子数が1以下の光子パルス信号であって送信元においてデータ乱数と基底乱数により決定される位相変調により生成されたものであり、
前記送信元から順次到達した光信号を受信側基底乱数により位相変調して前記干渉計へ出力する位相変調手段をさらに有し、
前記分離手段が前記位相変調手段から出力された光子パルスの検出ビットの一部分を送信元へ返すことで基底照合を行い、基底が不一致であったビット集合を前記位相ずれ判定用信号として用いることを特徴とする付記8−12のいずれか1項に記載の干渉計同期制御方法。
(付記15)
光信号を位相変調して情報を第1通信装置から第2通信装置へ伝送する光通信システムであって、
前記第1通信装置が、光パルスを出力する光源と前記光パルスの位相を変調する第1位相変調手段とを有し、
前記第2通信装置が、
前記第1通信装置から順次到達した光パルスを入力し、前記光パルスの位相差に応じた干渉出力光を光検出手段へ出力する干渉手段と、
前記光検出手段の検出ビットから位相ずれ判定用ビットを分離する分離手段と、
前記位相ずれ判定用ビットに基づいて前記干渉手段の遅延量を調整する遅延調整手段と、
を有することを特徴とする光通信システム。
(付記16)
前記遅延調整手段が、前記位相ずれ判定用信号の誤り率を測定し、前記誤り率と所定の基準値との比較に基づいて前記干渉手段の遅延量を調整することを特徴とする付記15に記載の光通信システム。
(付記17)
前記所定の基準値は50%であることを特徴とする付記16に記載の光通信システム。
(付記18)
前記位相ずれ判定用信号は、前記光検出手段の検出信号のうち、検出信号値の誤り率が50%となる信号部分であることを特徴とする付記15−17のいずれか1項に記載の光通信システム。
(付記19)
前記光信号は送信元において4値の位相変調により変調され、前記位相ずれ判定用信号は、前記干渉手段において干渉させる際の2つの光信号の位相差がπ/2もしくは3π/2であり、前記光検出手段の検出信号の他の信号は前記干渉手段において干渉させる際の2つの光信号の位相差が0もしくはπであることを特徴とする付記15−18のいずれか1項に記載の光通信システム。
(付記20)
前記干渉手段が第1干渉手段と第2干渉手段とからなり、前記第1干渉手段において干渉させる際の2つの光信号の位相差と、前記第2干渉手段において干渉させる際の2つの光信号の位相差がπ/2だけ異なることを特徴とする付記15−19のいずれか1項に記載の光通信システム。
(付記21)
前記送信元から順次到達した光信号はパルスあたりの光子数が1以下の光子パルス信号であって送信元においてデータ乱数と基底乱数により決定される位相変調により生成されたものであり、
前記送信元から順次到達した光信号を受信側基底乱数により位相変調して前記干渉手段へ出力する位相変調手段をさらに有し、
前記分離手段が前記位相変調手段から出力された光子パルスの検出ビットの一部分を送信元へ返すことで基底照合を行い、基底が不一致であったビット集合を前記位相ずれ判定用信号として用いることを特徴とする付記15−19のいずれか1項に記載の光通信システム。
(付記22)
光信号を位相変調して情報を他の通信装置へ伝送し、他の通信装置との間で共有情報を生成する光通信システムにおける通信装置であって、
光源から順次光パルスを入力し、所定の時間間隔を有する光パルスを生成する干渉手段と、
前記干渉手段から出力した光パルスを位相変調する位相変調手段と、
前記他の通信装置において検出された検出ビットから位相ずれ判定用ビットを分離する分離手段と、
前記位相ずれ判定用ビットに基づいて前記干渉手段の遅延量を調整する遅延調整手段と、
を有することを特徴とする通信装置。
(付記23)
光信号を位相変調して情報を伝送する光通信システムにおける通信装置の干渉計同期制御機能をプログラム制御プロセッサ上で実現するためのプログラムであって、
干渉計が送信元から順次到達した光信号を入力して前記光信号の位相差に応じた干渉出力光を光検出手段へ出力し、
分離手段が前記光検出手段の検出信号から位相ずれ判定用信号を分離し、
遅延調整手段が前記位相ずれ判定用信号に基づいて前記干渉計の遅延量を調整する、
ことを特徴とするプログラム。
本発明は位相変調を利用した光干渉通信システムに利用可能であり、たとえば量子暗号鍵配付システムに適用することができる。
10 Alice(送信側通信装置)
20 Bob(受信側通信装置)
30 光伝送路
70 送信器
80 受信器
90 光伝送路
101 レーザダイオード
102 非対称マッハツェンダ干渉計
103 温度調整器
104 位相変調器
105 クロック源
106 乱数源
107 プロセッサ
201 位相変調器
202 非対称マッハツェンダ干渉計
203 温度調整器
204、205 光検出器
206 乱数源
207 プロセッサ
70 送信器
80 受信器
90 光伝送路
701 レーザダイオード
702 QPSK変調器
801 光カプラ
802、803 非対称マッハツェンダ干渉計
804、805 温度調整器
806、807 平衡光検出器
808、809 多値識別器
810 プロセッサ

Claims (10)

  1. 光信号を位相変調して情報を伝送する光通信システムにおける通信装置であって、
    送信元から順次到達した光信号を入力し、前記光信号の位相差に応じた干渉出力光を光検出手段へ出力する干渉手段と、
    前記光検出手段の検出信号から位相ずれ判定用信号を分離する分離手段と、
    前記位相ずれ判定用信号に基づいて前記干渉手段の遅延量を調整する遅延調整手段と、
    を有することを特徴とする通信装置。
  2. 前記遅延調整手段が、前記位相ずれ判定用信号の誤り率を測定し、前記誤り率と所定の基準値との比較に基づいて前記干渉手段の遅延量を調整することを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
  3. 前記所定の基準値は50%であることを特徴とする請求項2に記載の通信装置。
  4. 前記位相ずれ判定用信号は、前記光検出手段の検出信号のうち、検出信号値の誤り率が50%となる信号部分であることを特徴とする請求項1−3のいずれか1項に記載の通信装置。
  5. 光信号を位相変調して情報を伝送する光通信システムにおける通信装置の干渉計同期制御方法であって、
    干渉計が送信元から順次到達した光信号を入力して前記光信号の位相差に応じた干渉出力光を光検出手段へ出力し、
    分離手段が前記光検出手段の検出信号から位相ずれ判定用信号を分離し、
    遅延調整手段が前記位相ずれ判定用信号に基づいて前記干渉計の遅延量を調整する、
    ことを特徴とする干渉計同期制御方法。
  6. 前記遅延調整手段が、前記位相ずれ判定用信号の誤り率を測定し、前記誤り率と所定の基準値との比較に基づいて前記干渉計の遅延量を調整することを特徴とする請求項5に記載の干渉計同期制御方法。
  7. 前記所定の基準値は50%であることを特徴とする請求項6に記載の干渉計同期制御方法。
  8. 前記位相ずれ判定用信号は、前記光検出手段の検出信号のうち、検出信号値の誤り率が50%となる信号部分であることを特徴とする請求項5−7のいずれか1項に記載の干渉計同期制御方法。
  9. 光信号を位相変調して情報を第1通信装置から第2通信装置へ伝送する光通信システムであって、
    前記第1通信装置が、光パルスを出力する光源と前記光パルスの位相を変調する第1位相変調手段とを有し、
    前記第2通信装置が、
    前記第1通信装置から順次到達した光パルスを入力し、前記光パルスの位相差に応じた干渉出力光を光検出手段へ出力する干渉手段と、
    前記光検出手段の検出ビットから位相ずれ判定用ビットを分離する分離手段と、
    前記位相ずれ判定用ビットに基づいて前記干渉手段の遅延量を調整する遅延調整手段と、
    を有することを特徴とする光通信システム。
  10. 光信号を位相変調して情報を他の通信装置へ伝送し、他の通信装置との間で共有情報を生成する光通信システムにおける通信装置であって、
    光源から順次光パルスを入力し、所定の時間間隔を有する光パルスを生成する干渉手段と、
    前記干渉手段から出力した光パルスを位相変調する位相変調手段と、
    前記他の通信装置において検出された検出ビットから位相ずれ判定用ビットを分離する分離手段と、
    前記位相ずれ判定用ビットに基づいて前記干渉手段の遅延量を調整する遅延調整手段と、
    を有することを特徴とする通信装置。
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