JP2006344997A - 基板処理装置および基板処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ウエハを機械的に授受しつつサセプタを回転可とする。
【解決手段】 処理室11内でウエハ1を保持するサセプタ40と、サセプタ40を回転させる回転ドラム35と、回転ドラム35内で回転しない支持軸26に支持されサセプタ40の下からウエハ1を加熱する加熱ユニット27とを備えており、回転ドラム35と加熱ユニット27とが処理室11を昇降するように構成されており、処理室11内にはウエハ1をサセプタ40に対して昇降させるウエハ昇降装置50が設けられている。
【選択図】 図1
【解決手段】 処理室11内でウエハ1を保持するサセプタ40と、サセプタ40を回転させる回転ドラム35と、回転ドラム35内で回転しない支持軸26に支持されサセプタ40の下からウエハ1を加熱する加熱ユニット27とを備えており、回転ドラム35と加熱ユニット27とが処理室11を昇降するように構成されており、処理室11内にはウエハ1をサセプタ40に対して昇降させるウエハ昇降装置50が設けられている。
【選択図】 図1
Description
本発明は、熱化学反応を利用して被処理基板に所望の処理を施す基板処理技術、特に、サセプタによる被処理基板の授受技術に関し、例えば、半導体装置の製造工程において、半導体ウエハ(以下、ウエハという。)に酸化膜や金属膜を形成する基板処理技術に利用して有効なものに関する。
半導体装置の製造工程において、ウエハに酸化膜や金属膜を形成するのに、枚葉式コールドウオール形CVD装置(以下、枚葉式CVD装置という。)が使用される場合がある。従来のこの種の枚葉式CVD装置として、被処理基板としてのウエハを収容する処理室と、この処理室においてウエハを一枚ずつ保持するサセプタと、サセプタに保持されたウエハを加熱する加熱ユニットと、サセプタに保持されたウエハに処理ガスを供給するガスヘッドと、処理室を排気する排気口とを備えているものがある。
前記した枚葉式CVD装置において、ウエハに形成されるCVD膜の膜厚や膜質を全体にわたって均一に制御するために、例えば、特許第2966025号公報および特開平9−7955号公報においては、ウエハを保持したサセプタを回転させることによってウエハの温度分布を全体にわたって均一に制御するとともに、ウエハに処理ガスを全体にわたって均一に接触させる枚葉式CVD装置が、提案されている。
しかし、前記公報に提案されている枚葉式CVD装置においては、ウエハをサセプタから浮かせることができないため、ウエハの上面を真空吸着保持装置または静電吸着保持装置によって吸着保持してウエハをサセプタに対して上方から授受する必要があり、ウエハをサセプタに対して授受するためのウエハ移載装置の構造が複雑になるばかりでなく、真空吸着保持装置や静電吸着保持装置の性質上、その適用範囲が制限されるという問題点がある。
本発明の目的は、サセプタを回転させることができるとともに、そのサセプタに被処理基板を機械的に授受させることができる基板処理技術を提供することにある。
本発明に係る基板処理装置は、被処理基板が載置されるサセプタと、前記サセプタの下方に配置されて前記サセプタに載置された前記被処理基板を加熱する加熱ユニットとを処理室内に備えており、前記サセプタと前記加熱ユニットとが相対的に回転された状態で前記被処理基板に処理が施される基板処理装置であって、少なくとも前記サセプタが前記処理室内にて昇降するように構成されており、前記処理室には前記被処理基板を少なくとも前記サセプタの一部に対して昇降させる被処理基板昇降装置が設置されていることを特徴とする。
前記した基板処理装置が使用される基板処理方法においては、前記サセプタの下降時に、前記被処理基板昇降装置に前記被処理物を前記サセプタから受渡し、前記サセプタの上昇時に、前記サセプタによって被処理基板が載置された状態で前記被処理基板に処理が施される。
前記した基板処理装置によれば、被処理基板のサセプタに対する授受に際して、被処理基板昇降装置が被処理基板を昇降させることにより、被処理基板の下方に空所(空きスペース)を形成することができるため、その空所に機械式基板移載装置におけるツィーザを挿入することができる。すなわち、ツィーザを被処理基板の下方の空所に挿入することにより、被処理基板をツィーザによって下側から機械的に支持することができるため、被処理基板を機械式基板移載装置によって授受することができる。つまり、被処理基板の授受に構造が複雑な真空吸着保持装置または静電吸着保持装置を使用しなくても済む。
また、前記した基板処理方法によれば、被処理基板に処理が施されるに際しては、サセプタを回転させて被処理基板を回転させることにより、加熱ユニットの加熱による被処理基板上の温度分布は全体にわたって均一になり、また、被処理基板は処理室雰囲気に全体にわたって均一に接触することになる。その結果、被処理基板には全体にわたって均一な処理が施されることになる。
本発明によれば、被処理基板の授受に機械式基板移載装置を使用することができ、他方、被処理基板に処理が施されるに際しては、サセプタで支持した被処理基板を回転させることにより、加熱ユニットの加熱による被処理基板上の温度分布を全体にわたって均一に制御し、被処理基板を処理室雰囲気に全体にわたって均一に接触させることができるため、被処理基板に均一な処理を施すことできる。
以下、本発明の一実施形態である基板処理装置を図面に即して説明する。
図1および図2に示されているように、本発明に係る基板処理装置は、枚葉式CVD装置(枚葉式コールドウオール形CVD装置)として構成されており、被処理基板としてのウエハ(半導体ウエハ)1を処理する処理室11を形成したチャンバ12を備えている。チャンバ12は下側カップ13と上側カップ14とボトムキャップ15とが組み合わされて上下端面がいずれも閉塞した円筒形状に形成されている。
図1および図2に示されているように、本発明に係る基板処理装置は、枚葉式CVD装置(枚葉式コールドウオール形CVD装置)として構成されており、被処理基板としてのウエハ(半導体ウエハ)1を処理する処理室11を形成したチャンバ12を備えている。チャンバ12は下側カップ13と上側カップ14とボトムキャップ15とが組み合わされて上下端面がいずれも閉塞した円筒形状に形成されている。
チャンバ12の下側カップ13の円筒壁の中央部にはゲートバルブ17によって開閉されるウエハ搬入搬出口16が水平方向に横長に開設されており、ウエハ搬入搬出口16は被処理基板であるウエハ1を処理室11に機械式ウエハ移載装置によって搬入搬出し得るように形成されている。すなわち、図1に示されているように、ウエハ1は機械式ウエハ移載装置のツィーザ2によって下から機械的に支持された状態で、ウエハ搬入搬出口16を搬送されて処理室11に対して搬入搬出されるようになっている。
下側カップ13のウエハ搬入搬出口16と対向する壁面におけるウエハ搬入搬出口16よりも若干高い位置には、真空ポンプ等からなる真空排気装置(図示せず)に流体的に接続された排気口18が処理室11に連通するように開設されており、排気口18は真空排気装置によって所定の真空度に排気されるようになっている。
チャンバ12の上側カップ14には処理ガスを供給するガスヘッド20が一体的に組み込まれている。すなわち、上側カップ14の天井壁には複数個のガス導入口21が開設されており、各ガス導入口21には原料ガスやパージガス等の処理ガス3(図3参照)を導入するガス供給装置(図示せず)がガス導入管(図示せず)を介してに流体的に接続されている。上側カップ14と下側カップ13との合わせ面には円板形状に形成されたガス吹出プレート(以下、プレートという。)22がガス導入口21から間隔を置いて水平に嵌入されて固定されており、プレート22には複数個のガス吹出口(以下、吹出口という。)23が全面にわたって均一に配置されて上下を流通させるように開設されている。上側カップ14の内側面とプレート22の上面とが画成する内側空間によってガス溜め24が形成されており、ガス溜め24はガス導入口21に導入された処理ガスを全体的に均等に拡散させて各吹出口23から均等にシャワー状に吹き出させるようになっている。
チャンバ12のボトムキャップ15の中心には挿通孔25が円形に開設されており、挿通孔25の中心線上には円筒形状に形成された支持軸26が処理室11に下方から挿通されている。支持軸26はエアシリンダ装置等が使用された昇降駆動装置(図示せず)によって昇降されるようになっている。また、支持軸26の円筒中空部には不活性ガスとしての窒素ガス4(図3参照)を供給する窒素ガス供給装置(図示せず)が接続されている。
支持軸26の上端には加熱ユニット27が同心に配されて水平に固定されており、加熱ユニット27は支持軸26によって昇降されるようになっている。すなわち、加熱ユニット27はドーナツ形の平板形状に形成された支持板28を備えており、支持板28の内周縁辺部が円筒形状の支持軸26の上端開口に固定されている。支持板28の上面には支柱を兼ねる電極29が複数本、内周辺の複数箇所と外周辺の複数箇所に配置されて垂直に立脚されており、これら電極29の上端間にはヒータ30が架橋されて固定されている。ヒータ30は後記するサセプタ40が保持したウエハ1を全体にわたって均一に加熱するように構成されている。
加熱ユニット27におけるヒータ30の下側には、チタンからなる薄膜が鏡面仕上げされた反射板31が水平に配されて支持板28に立脚された支柱32によって支持されている。反射板31はヒータ30が照射された熱線を垂直方向上向きに効果的に反射するように構成されている。また、支持板28の上には温度センサとしての熱電対33が複数個、適当な間隔を置いて配置されてヒータ30の上方に突き出るように立脚されており、各熱電対33はヒータ30によって加熱されたウエハ1の温度を測定するようにそれぞれ構成されている。ヒータ30および熱電対33の電気配線(図示せず)は加熱ユニット27内から支持板28の開口および支持軸26の中空部内を通して外部の電源やコントローラに接続されている。
ボトムキャップ15の挿通孔25の支持軸26の外側には、支持軸26よりも大径の円筒形状に形成された回転軸34が同心円に配置されて処理室11に下方から挿通されており、回転軸34はエアシリンダ装置等が使用された昇降駆動装置によって支持軸26と共に昇降されるようになっている。回転軸34の上端には回転ドラム35が同心に配されて水平に固定されており、回転ドラム35は回転軸34によって回転されるようになっている。すなわち、回転ドラム35はドーナツ形の平板に形成された回転板36と、円筒形状に形成された回転筒37とを備えており、回転板36の内周縁辺部が円筒形状の回転軸34の上端開口に固定されて、回転板36の上面の外周縁辺部に回転筒37が同心円に固定されている。
図2および図4に詳示されているように、回転ドラム35の回転筒37の上端にはサセプタ40が回転筒37の上端開口を閉塞するように被せられている。サセプタ40は円板形状の中央部材41と円形リング形状の第一周辺部材42および第二周辺部材43とが一枚の円板を構成するように同心円に配置されて、隣接した外周縁辺と内周縁辺とにそれぞれ形成された段付き部が上下で係合されて内側のものが外側のものに支持されるように組み合わて構成されている。
中央部材41は炭化シリコンや窒化アルミニウムが使用されて、外径がウエハ1の外径よりも小径円板形状に形成されている。中央部材41を外側で支持した第一周辺部材42は炭化シリコンや窒化アルミニウムが使用されて、内径が中央部材41の外径と等しく外径がウエハ1の外径よりも大きい円形リング形状に形成されている。第一周辺部材42を外側で支持した第二周辺部材43は石英が使用されて、内径が第一周辺部材42の外径と等しく外径が回転筒37の内径よりも若干大きめの円形リング形状に形成されている。
第一周辺部材42および第二周辺部材43の上面は中央部材41の上面よりもウエハ1の厚さの分だけ若干上げられている。つまり、第一周辺部材42および第二周辺部材43の上面は中央部材41の上面に載せられたウエハ1の上面と一致するようになっている。第一周辺部材42の上面および第二周辺部材43の上面には三本の案内溝44が周方向に等間隔に配置されて放射状に延在するようにそれぞれ没設されており、各案内溝44は後記するウエハ昇降装置50の係合部材53を径方向に摺動自在に挿入し得るように構成されている。
第二周辺部材43には複数個の窒素ガス吹出口45が周方向に等間隔に配置されて上下方向に貫通するように開設されており、各窒素ガス吹出口45は回転ドラム35の内部に支持軸26の筒中空部を通じて供給された窒素ガス4をサセプタ40の上に全周にわたって均等に吹き出すように構成されている。
図2および図4に詳しく示されているように、回転ドラム35の外側には被処理基板としてのウエハ1をサセプタ40および加熱ユニット27に対して昇降させるウエハ昇降装置50が設置されている。すなわち、ウエハ昇降装置50は円形リング形状に形成された昇降リング51を備えており、昇降リング51は回転ドラム35の外周に近接して同心円に配置されている。昇降リング51の上端面には三本の支柱52が周方向に等間隔に配置されて垂直方向上向きに立脚されており、三本の支柱52はウエハ搬入搬出口16におけるウエハ1の搬入搬出作業を妨げない位置にそれぞれ配設されている。つまり、三本の支柱52はウエハ搬入搬出口16に挿入されるウエハ移載装置のツィーザ2に干渉しないようになっている。
各支柱52には各係合部材53が径方向内向きの放射状に延在するようにそれぞれ水平に突設されており、各係合部材53はサセプタ40の各案内溝44に出入り自在に上から嵌入するようになっている。各係合部材53の先端部には係合爪54が薄く形成されており、係合爪54はサセプタ40の中央部材41に載置されたウエハ1の外周縁部下面に下側から係合し得るように設定されている。
昇降リング51の下端面には三本の突合部材55が周方向に等間隔に配置されて垂直方向下向きにそれぞれ垂下されており、これら突合部材55の下端面はチャンバ12の下側カップ13の内周面におけるウエハ搬入搬出口16よりも下側に段形状に形成されたチャンバ側突合部56に突合自在に対向されている。各突合部材55は回転筒37の外周に突設されたガイド57に適当なクリアランスをもってそれぞれ嵌入されることにより、回転ドラム35に対する昇降リング51の周方向を位置決めするとともに、昇降を案内するようになっている。
次に、以上の構成に係る枚葉式CVD装置の作用を説明することにより、本発明の一実施の形態であるCVD膜形成方法を説明する。
図1および図2に示されているように、ウエハ1の搬出時に回転ドラム35および加熱ユニット27が回転軸34および支持軸26によって下限位置に下降されると、ウエハ昇降装置50の突合部材55がチャンバ側突合部56に突合するため、昇降リング51が回転ドラム35に対して上昇する。この昇降リング51の上昇に伴って、昇降リング51に固定された三本の係合部材53がウエハ1を三方から支持してサセプタ40から浮き上がらせる状態になる。
このようにウエハ昇降装置50がウエハ1をサセプタ40の上面から浮き上がらせた状態になると、ウエハ1の下方空間すなわちウエハ1の下面とサセプタ40の上面との間に挿入スペースが形成された状態になるため、ウエハ移載装置のツィーザ2がウエハ搬入搬出口16からウエハ1の挿入スペースに挿入される。この際、三本の係合部材53を支持した各支柱52はウエハ搬入搬出口16に挿入されるウエハ移載装置のツィーザ2に干渉しない。
図2に示されているように、ウエハ1の下方に挿入されたツィーザ2は上昇することによりウエハ1を移載して受け取る。ウエハ1を受け取ったツィーザ2はウエハ搬入搬出口16を後退してウエハ1を処理室11から搬出する。ツィーザ2によってウエハ1を搬出したウエハ移載装置は処理室11の外部の空ウエハカセット等の所定の収納場所(図示せず)にウエハ1を移載する。
その後、ウエハ移載装置は実ウエハカセット等の所定の収納場所(図示せず)から、次回に成膜処理するウエハ1をツィーザ2によって受け取って、ウエハ搬入搬出口16から処理室11に搬入する。図2に示されているように、ツィーザ2はウエハ1を三本の係合部材53の上方においてウエハ1の中心がサセプタ40の中心と一致する位置に搬送する。ウエハ1を所定の位置に搬送すると、ツィーザ2は若干下降することによりウエハ1を三本の係合部材53に移載する。この際、三本の係合部材53は先端部の薄い係合爪54をウエハ1の外縁に下から僅かに係合することにより、ウエハ1の受け取った状態になる。
このようにしてウエハ1をウエハ昇降装置50に受け渡したツィーザ2は、ウエハ搬入搬出口16から処理室11外へ退出する。ツィーザ2が処理室11から退出すると、ウエハ搬入搬出口16はゲートバルブ17によって閉じられる。
図3に示されているように、ゲートバルブ17が閉じられると、回転ドラム35および加熱ユニット27が回転軸34および支持軸26によって処理室11に対して上昇される。回転ドラム35の上昇初期においては、三本の突合部材55がチャンバ側突合部56の上に載った状態になっているため、ウエハ昇降装置50は回転ドラム35の上昇に追従せずに停止した状態になっている。つまり、ウエハ昇降装置50に支持されたウエハ1は回転ドラム35の上昇に伴ってサセプタ40に対して相対的に下降することになる。
図4に示されているように、回転ドラム35の上昇に伴ってウエハ1がサセプタ40の所まで相対的に下降すると、三本の係合部材53は回転ドラム35の上面の案内溝44に嵌入した状態になり、下から支持しているウエハ1をサセプタ40の上に移載する。このウエハ1がサセプタ40に移載された状態において、ウエハ1の上面と、第一周辺部材42の上面、第二周辺部材43の上面および三本の係合部材53の上面とは一致した状態になっている。
図3に示されているように、三本の係合部材53が回転ドラム35の上面の案内溝44に嵌入した後は、ウエハ昇降装置50は回転ドラム35に持ち上げられて一緒に処理室11を上昇して行く。この上昇に伴って、三本の突合部材55はチャンバ側突合部56から離れる。
サセプタ40に移載されたウエハ1はヒータ30によって加熱されるとともに、ヒータ30の温度およびウエハ1の温度が熱電対33によって測定される。そして、ヒータ30の加熱量は熱電対33の測定結果に従ってフィードバック制御される。この際、三本の係合部材53は薄い係合爪54においてウエハ1の外縁に僅かに接触しているだけであるため、ヒータ30の加熱に影響を及ぼすことはなく、ウエハ1の温度分布は係合部材53の存在にかかわらず全体にわたって均一になる。また、最外周の第二周辺部材43は石英によって形成されているため、ウエハ1の熱が外方に逃げる現象が防止される。
回転ドラム35および加熱ユニット27は処理室11を回転軸34および支持軸26によって上昇されて、ウエハ1の上面がプレート22の下面に近接する高さに停止される。
また、排気口18が真空排気装置によって排気されるとともに、回転ドラム35が回転軸34によって回転される。排気口18の排気量および回転ドラム35の回転が安定した時点で、処理ガス3がガス導入口21に導入される。さらに、窒素ガス4が窒素ガス吹出口45からそれぞれ均等に吹き出される。
ガス導入口21に導入された処理ガス3はガス溜め24に作用する排気口18の排気力によってガス溜め24に流入するとともに、径方向外向きに放射状に拡散して、プレート22の各吹出口23からそれぞれが略均等な流れになって、ウエハ1に向かってシャワー状に吹き出す。吹出口23群からシャワー状に吹き出した処理ガス3は排気口18に吸い込まれて排気されて行く。
この際、回転ドラム35に支持されたサセプタ40上のウエハ1は回転しているため、吹出口23群からシャワー状に吹き出した処理ガス3はウエハ1の全面にわたって均等に接触する状態になる。また、ウエハ1の上面とその外側領域のサセプタ40の上面とは一致しているため、処理ガス3の流れは乱れが防止され均一に制御される。ここで、処理ガス3の熱化学反応による成膜レートは処理ガス3のウエハ1に対する接触量に依存するため、処理ガス3がウエハ1の全面にわたって均等に接触すれば、ウエハ1に処理ガス3によって形成されるCVD膜の膜厚分布や膜質分布はウエハ1の全面にわたって均一になる。
また、加熱ユニット27は支持軸26に支持されることにより回転しない状態になっているため、回転ドラム35によって回転されながら加熱ユニット27によって加熱されるウエハ1の温度分布は周方向において均一に制御される。ここで、熱化学反応による成膜レートはウエハ1の温度分布に依存するため、ウエハ1の温度分布が全面にわたって均一であれば、ウエハ1に熱化学反応によって形成されるCVD膜の膜厚分布や膜質分布はウエハ1の全面にわたって均一に制御される。
なお、窒素ガス4が各窒素ガス吹出口45から吹き出されていることにより、回転ドラム35の内部には窒素ガス4が充満した状態になっているため、処理ガス3が回転ドラム35の内部に侵入することは防止される。したがって、回転ドラム35の内部に侵入した処理ガス3によって加熱ユニット27のヒータ30が劣化されたり、処理ガス3が反射板31や熱電対33に付着してそれらの機能が損なわれたりする不具合が発生するのを未然に防止することができる。
以上のようにしてCVD膜がウエハ1の全面にわたって均一に形成されて所定の処理時間が経過すると、図1に示されているように、回転ドラム35および加熱ユニット27は回転軸34および支持軸26によって搬入搬出位置に下降される。下降の途中において、ウエハ昇降装置50の三本の突合部材55がチャンバ側突合部56に突合するため、前述した作動により、ウエハ昇降装置50はウエハ1をサセプタ40の上から浮き上げる。
以降、前述した作業が繰り返されることにより、ウエハ1にCVD膜が枚葉式CVD装置10によって枚葉処理されて行く。
前記実施形態によれば、次の効果が得られる。
(1)ウエハ1を保持したサセプタ40を回転させることにより、処理ガス3をウエハ1の全面にわたって均等に接触させることができるため、処理ガス3によってウエハ1に形成されるCVD膜の膜厚分布や膜質分布を全面にわたって均一に制御することができる。
(2)ウエハ1を保持したサセプタ40を回転させるとともに加熱ユニット27を停止させることにより、サセプタ40によって回転されながら加熱ユニット27によって加熱されるウエハ1の温度分布を周方向において均一に制御することができるため、ウエハ1に熱化学反応によって形成されるCVD膜の膜厚分布や膜質分布をウエハ1の全面にわたって均一に制御することができる。
(3)加熱ユニット27を回転させないことにより、加熱ユニット27の内部にヒータ30や熱電対33を設置することができるとともに、ヒータ30や熱電対33のための電気配線を加熱ユニット27に容易に敷設することができる。
(4)ウエハ1のサセプタ40に対する授受に際して、ウエハ昇降装置50がウエハ1を昇降させてウエハ1の下面とサセプタ40の下面に挿入スペースを形成することにより、その挿入スペースにツィーザ2を挿入することができるため、ウエハ1をツィーザ2によって下側から機械的に支持することができ、ウエハ1を機械式ウエハ移載装置によって授受することができる。
(5)前記(4)により、ウエハ移載装置として構造が複雑な真空吸着保持装置を使用した真空吸着式ウエハ移載装置または静電吸着保持装置を使用した静電吸着式ウエハ移載装置を採用しなくても済むため、枚葉式CVD装置の製造コストを大幅に低減することができ、また、適用範囲が制限されることもなく、常圧CVD装置や減圧CVD装置およびプラズマCVD装置等の基板処理装置全般に適用することができる。ちなみに、真空吸着保持装置は非接触形真空吸着保持装置を含めてウエハの上下面の差圧によってウエハを保持するため、減圧室では使用することができない。また、静電吸着保持装置は静電気を利用してウエハを吸着するため、静電破壊の危惧がある場合には使用することができないし、除電装置や帯電防止装置等が必要になり、その構造や運用が複雑になる。
(6)ウエハ昇降装置50を回転ドラム35の外側に配置して三本の係合部材53の薄い係合爪54をウエハ1の外縁に僅かに係合させてウエハ1を下側から支持することにより、ウエハ昇降装置50の加熱ユニット27の加熱に及ぼす影響を抑止することができるため、ウエハ1の温度分布をウエハ昇降装置50の存在にかかわらず全体にわたって均一に制御することができる。
(7)サセプタ40の最外周の第二周辺部材43を石英によって形成することにより、サセプタ40の上に載置されて加熱ユニット27によって加熱されたウエハ1の熱が外方に逃げるのを防止することができるため、ウエハ1の温度分布を全体にわたって均一に制御することができる。
(8)サセプタ40の外周辺部の上面をサセプタ40上のウエハ1の上面と一致させることにより、処理ガス3の流れが乱れるのを防止することができるため、ウエハ1に処理ガス3によって形成されるCVD膜の膜厚分布や膜質分布をウエハ1の全面にわたって均一に制御することができる。
(9)サセプタ40の最外周の第二周辺部材43に複数個の窒素ガス吹出口45を周方向に等間隔に開設し、サセプタ40を支持した回転ドラム35に窒素ガス4を供給して各窒素ガス吹出口45から吹き出させることにより、処理ガス3が回転ドラム35の内部に侵入するのを防止することができるため、回転ドラム35の内部に侵入した処理ガス3によって加熱ユニット27のヒータ30が劣化されたり、処理ガス3が反射板31や熱電対33に付着してそれらの機能を損なう不具合が発生するのを未然に防止することができる。
(10)ウエハ1のサセプタ40に対する授受に際して、サセプタ40と加熱ユニット27とを両者の距離を保って昇降させることにより、サセプタ40に対する加熱状態を常に一定とすることができるため、温度安定性の向上を図ることができる。
なお、前記実施の形態においては、ウエハ昇降装置50の突合部材55がチャンバ12の下側カップ13の側壁に段状に形成された突合部56に突合されているが、突合部材55は処理室11の底面(ボトムキャップ15の上面)に突合するように構成してもよい。
次に、本発明の実施の形態2を図5〜図10に即して説明する。
本実施の形態2が前記実施の形態1と異なる主な点は、被処理基板としてのウエハをサセプタおよび加熱ユニットに対して昇降させるウエハ昇降装置が回転ドラムの内側に設置されている点である。
すなわち、図5〜図9に示されているように、この内側配置形のウエハ昇降装置60はチャンバ12の底壁上(ボトムキャップ15の上面)に垂直方向上向きに固定された三本の突き上げピン(以下、固定側ピンという。)61を備えており、三本の固定側ピン61はウエハ搬入搬出口16に対するウエハ1の搬入搬出作業を邪魔しない位置に配設されている。つまり、三本の固定側ピン61の配置はウエハ搬入搬出口16に挿入されるウエハ移載装置のツィーザ2に干渉しない位置になっている。
図9に詳示されているように、固定側ピン61はピン部62の長い画鋲形状に形成されており、鍔部63の下面がボトムキャップ15の上面に当接されて垂直方向上向きに立脚されている。ピン部62の外周には座板64が嵌合されており、座板64は鍔部63の上面に載置された状態になっている。ピン部62の長さはウエハのサセプタ上からの突き上げ量に対応するように設定されており、ピン部62の太さは回転ドラム35の回転板36に開設された挿通孔65および加熱ユニット27の筐体27Aに開設された挿通孔66に挿入し得るように設定されている。
回転ドラム35の回転板36に開設された挿通孔(以下、回転側挿通孔という。)65は三個が、回転ドラム35が昇降する位置において三本の固定側ピン61にそれぞれ対向するように配置されている。加熱ユニット27の筐体27Aに開設された挿通孔(以下、固定側挿通孔という。)66は三個が、三本の固定側ピン61にそれぞれ対向するように配置されている。つまり、回転ドラム35が昇降する位置において、三本の固定側ピン61は三個の回転側挿通孔65および三個の固定側挿通孔66をそれぞれ挿通し得るように構成されている。
加熱ユニット27の支持板28には三個のガイド孔68が各固定側挿通孔66にそれぞれ対向するように開設されており、各ガイド孔68にはウエハをサセプタから突き上げる突き上げピン(以下、可動側ピンという。)69のそれぞれが上下方向に摺動自在に嵌入されている。可動側ピン69は大径部と小径部とを有する丸棒形状に形成されており、大径部の下端部には鍔部70が形成されている。鍔部70は固定側挿通孔66の上端部に形成された支持穴67の底面に離着座自在に対向されている。可動側ピン69の上端部の小径部は突上部71を形成しており、突上部71は反射板31、ヒータ30およびサセプタ40を挿通するようになっている。
すなわち、反射板31、ヒータ30およびサセプタ40における三本の可動側ピン69にそれぞれ対向する三箇所には、挿通孔72、73、74が突上部71を挿通し得るように開設されている。図6に示されているように、サセプタ40に開設された三個の挿通孔74はサセプタ40の中央部材41の外周辺部にそれぞれ配置されており、周方向における三個の挿通孔74の配置は三個の固定側ピン61の配置に対向していることから、ウエハ搬入搬出口16に挿入されるウエハ移載装置のツィーザ2に干渉しない位置になっている。
次に、以上の構成に係る枚葉式CVD装置の作用を説明することにより、本発明の一実施の形態であるCVD膜形成方法を説明する。
図5に示されているように、ウエハ1の搬出時に回転ドラム35および加熱ユニット27が回転軸34および支持軸26によって下限位置に下降されると、ウエハ昇降装置60の三本の可動側ピン69は対向する各固定側ピン61にそれぞれ突合することにより、回転ドラム35および加熱ユニット27に対して上昇する。上昇した三本の可動側ピン69はウエハ1を下方から支持してサセプタ40から浮き上がらせる状態になる。
図9(a)に示されているように、ウエハ昇降装置60がウエハ1をサセプタ40の上面から浮き上がらせた状態になると、ウエハ1の下方空間すなわちウエハ1の下面とサセプタ40の上面との間に挿入スペースが形成された状態になるため、ウエハ移載装置のツィーザ2がウエハ搬入搬出口16からウエハ1の挿入スペースに挿入される。この際、図6に示されているように、三本の可動側ピン69はいずれもウエハ搬入搬出口16に挿入されるウエハ移載装置のツィーザ2に干渉しない。
図6に示されているように、ウエハ1の下方に挿入されたツィーザ2は上昇することによりウエハ1を移載して受け取る。ウエハ1を受け取ったツィーザ2はウエハ搬入搬出口16を後退してウエハ1を処理室11から搬出する。ツィーザ2によってウエハ1を搬出したウエハ移載装置は処理室11の外部の空ウエハカセット等の所定の収納場所(図示せず)にウエハ1を移載する。
その後、ウエハ移載装置は実ウエハカセット等の所定の収納場所(図示せず)から次回に成膜処理するウエハ1をツィーザ2によって受け取って、ウエハ搬入搬出口16から処理室11に搬入する。ツィーザ2はウエハ1を三本の可動側ピン69の上方においてウエハ1の中心がサセプタ40の中心と一致する位置に搬送する。ウエハ1を所定の位置に搬送すると、ツィーザ2は若干下降することによりウエハ1を三本の可動側ピン69に移載する。この際、三本の可動側ピン69の先端部は小径に形成されているため、ウエハ1の下面に極僅かに接触することにより、ウエハ1の受け取った状態になる。
このようにしてウエハ1をウエハ昇降装置60に受け渡したツィーザ2は、ウエハ搬入搬出口16から処理室11外へ退出する。ツィーザ2が処理室11から退出すると、ウエハ搬入搬出口16はゲートバルブ17によって閉じられる。
図7に示されているように、ゲートバルブ17が閉じられると、回転ドラム35および加熱ユニット27が回転軸34および支持軸26によって処理室11に対して上昇される。回転ドラム35の上昇の初期において、三本の可動側ピン69は固定側ピン61の上に載った状態になっているため、回転ドラム35の上昇に伴って回転ドラム35に対して相対的に徐々に下降することになる。
図9(b)に示されているように、三本の可動側ピン69が固定側ピン61から離座すると、三本の可動側ピン69はサセプタ40の挿通孔74に引き込まれた状態になり、下から支持しているウエハ1をサセプタ40の上に移載する。このウエハ1がサセプタ40に移載された状態において、三本の可動ピン69はサセプタ40の挿通孔74から下方に抜け出て離れた状態になっている。また、図8に示されているように、ウエハ1の上面と、第一周辺部材42の上面および第二周辺部材43の上面とは一致した状態になっている。
サセプタ40に移載されたウエハ1はヒータ30によって加熱されるとともに、ヒータ30の温度およびウエハ1の温度が熱電対33によって測定される。そして、ヒータ30の加熱量は熱電対33の測定結果に従ってフィードバック制御される。この際、三本の可動側ピン69を挿通するためのサセプタの挿通孔74はウエハ1の外縁で僅かに開口しているだけであるため、ヒータ30の加熱に影響を及ぼすことはなく、ウエハ1の温度分布は三個の挿通孔74の存在にかかわらず全体にわたって均一になる。
図7に示されているように、回転ドラム35および加熱ユニット27は処理室11を回転軸34および支持軸26によって上昇されて、ウエハ1の上面がプレート22の下面に近接する高さに停止される。
排気口18が真空排気装置によって排気されるとともに、回転ドラム35が回転軸34によって回転される。排気口18の排気量および回転ドラム35の回転作動が安定した時点で、処理ガス3がガス導入口21に導入される。ガス導入口21に導入された処理ガス3はガス溜め24に作用する排気口18の排気力によってガス溜め24に流入するとともに、径方向外向きに放射状に拡散して、プレート22の各吹出口23からそれぞれが略均等な流れになって、ウエハ1に向かってシャワー状に吹き出す。吹出口23群からシャワー状に吹き出した処理ガス3は排気口18に吸い込まれて排気されて行く。
この際、回転ドラム35に支持されたサセプタ40上のウエハ1は回転しているため、吹出口23群からシャワー状に吹き出した処理ガス3はウエハ1の全面にわたって均等に接触する状態になる。また、ウエハ1の上面とその外側領域のサセプタ40の上面とは一致しているため、処理ガス3の流れは乱れが防止され均一に制御される。このようにして処理ガス3がウエハ1の全面にわたって均等に接触するため、ウエハ1に処理ガス3によって形成されるCVD膜の膜厚分布や膜質分布はウエハ1の全面にわたって均一になる。
また、加熱ユニット27は支持軸26に支持されることにより回転しない状態になっているため、回転ドラム35によって回転されながら加熱ユニット27によって加熱されるウエハ1の温度分布は周方向において均一に制御される。そして、ウエハ1の温度分布が全面にわたって均一に制御されることにより、ウエハ1に熱化学反応によって形成されるCVD膜の膜厚分布や膜質分布はウエハ1の全面にわたって均一に制御される。
ちなみに、三本の可動側ピン69は加熱ユニット27のガイド孔68および支持穴67に支持されているため、加熱ユニット27と共に停止している。また、固定側ピン61はチャンバ12のボトムキャップ15に固定されているため、停止している。
以上のようにしてCVD膜がウエハ1の全面にわたって均一に形成されて所定の処理時間が経過すると、回転ドラム35の回転が所定の搬入搬出位置に対応する位相で停止される。続いて、図5に示されているように、回転ドラム35および加熱ユニット27は回転軸34および支持軸26によって搬入搬出位置に下降される。下降の途中において、ウエハ昇降装置60の三本の可動側ピン69が固定側ピン61に突合するため、前述した作動により、ウエハ昇降装置60はウエハ1をサセプタ40の上から浮き上げる。
以降、前述した作業が繰り返されることにより、ウエハ1にCVD膜が枚葉式CVD装置10によって枚葉処理されて行く。
以上説明したように、本実施の形態2においては、ウエハ1のサセプタ40の授受に際して、ウエハ昇降装置60がウエハ1を昇降させてウエハ1の下面とサセプタ40の下面に挿入スペースを形成することにより、その挿入スペースにツィーザ2を挿入することができるため、ウエハ1をツィーザ2によって下側から機械的に支持することができる。つまり、本実施の形態2においても、ウエハ1をサセプタ40に機械式ウエハ移載装置によって授受することができる。
また、ウエハ1を保持したサセプタ40を回転させることにより、処理ガス3をウエハ1の全面にわたって均等に接触させることができるため、処理ガス3によってウエハ1に形成されるCVD膜の膜厚分布や膜質分布を全面にわたって均一に制御することができる。
ウエハ1を保持したサセプタ40を回転させるとともに、加熱ユニット27を停止させることにより、サセプタ40によって回転されながら加熱ユニット27によって加熱されるウエハ1の温度分布を周方向において均一に制御することができるため、ウエハ1に熱化学反応によって形成されるCVD膜の膜厚分布や膜質分布をウエハ1の全面にわたって均一に制御することができる。
加熱ユニット27を回転させないことにより、加熱ユニット27の内部にヒータ30や熱電対33を設置することができるとともに、ヒータ30や熱電対33のための電気配線を加熱ユニット27に容易に敷設することができる。
ウエハ1をサセプタ40に対して昇降させるウエハ昇降装置60がサセプタ40の内径側に配置されているため、ウエハ昇降装置60が回転ドラム35の外側に突出するのを回避することができ、処理室11の容積が大きくなるのを防止することができる。
また、ウエハ1のサセプタ40に対する授受に際して、サセプタ40と加熱ユニット27とを両者の距離を保って昇降させることにより、サセプタ40に対する加熱状態を常に一定とすることができるため、温度安定性の向上を図ることができる。
次に、支持軸を固定しつつ回転軸を回転させる回転駆動装置の一実施の形態を図10について説明する。
図10に示されている回転駆動装置は出力軸が中空軸に形成された中空軸電動モータ(以下、モータという。)75を備えており、このモータ75の中空の出力軸が回転ドラム35を回転させる回転軸34として構成されている。モータ75のハウジング75aはエアシリンダ装置等から構築されて一部のみが図示されたエレベータの昇降台76に垂直方向上向きに据え置きされており、昇降台76によって枚葉式CVD装置のチャンバ12に対して昇降されるように構成されている。ハウジング75aの内周面には固定子(ステータ)75bが固定されており、固定子75bの内側にはモータ75の回転子(アーマチュア)75cがエアギャップを設定されて同心円に配置されハウジング75aによって回転自在に支承されている。回転子75cには中空の出力軸である回転軸34が一体回転するように固定されており、回転軸34の中心線上には支持軸26が配置されてハウジング75aに固定されている。
なお、支持軸26の下端開口には支持軸26の中空部すなわち処理室11の内外を流体的に隔絶するためのハーメチックシール77が装着されており、ハーメチックシール77によってヒータ30や熱電対33の電気配線(図示せず)が支持軸26の中空部から引き出されるようになっている。また、回転軸34の外側にはチャンバ12の挿通孔25をシールするためのベローズ78が同心円に配置されており、ベローズ78の上下端はチャンバ12のボトムキャップ15の下面および回転軸34のフランジの上面にそれぞれ締結されている。
以上の構成に係る回転駆動装置によれば、支持軸26を固定しつつ回転軸34を回転させることができるため、支持軸26によって加熱ユニット27を支持するとともに、回転軸34によって回転ドラム35を支持することにより、加熱ユニット27を停止させつつ、サセプタ40すなわちウエハ1を回転させることができる。
次に、本発明の実施の形態3を図11〜図15に即して説明する。
本実施の形態3が前記実施の形態1と異なる主な点は、ウエハ昇降装置が回転ドラムの内側に設置されているとともに、ウエハをサセプタの中央部材を介して昇降させるように構成されており、また、ヒータが分割されている点である。
すなわち、図11〜図14に示されているように、この内側配置形のウエハ昇降装置80は円形リング形状に形成された昇降リング81を備えており、昇降リング81は回転ドラム35の回転板36の上に支持軸26と同心円に配置されている。昇降リング(以下、回転側リングという。)81の下面には複数本(本実施の形態においては三本とする。)の突き上げピン(以下、回転側ピンという。)82が周方向に等間隔に配置されて垂直方向下向きに突設されており、各可動側ピン69は回転板36に回転軸34と同心円上に配置されて垂直方向に開設された各ガイド孔83にそれぞれ摺動自在に嵌入されている。
各可動側ピン69の長さは回転側リング81を水平に突き上げ得るように互いに等しく設定されているとともに、ウエハのサセプタ上からの突き上げ量に対応するように設定されている。各可動側ピン69の下端は処理室11の底面すなわちボトムキャップ15の上面に離着座自在に対向されている。
加熱ユニット27の支持板28には円形リング形状に形成された第二の昇降リング(以下、ヒータ側リングという。)84が支持軸26と同心円に配置されている。ヒータ側リング84の下面には複数本(本実施の形態においては三本とする。)の突き上げピン(以下、ヒータ側ピンという。)85が周方向に等間隔に配置されて垂直方向下向きに突設されており、各ヒータ側ピン85は支持板28に支持軸26と同心円上に配置されて垂直方向に開設された各ガイド孔86にそれぞれ摺動自在に嵌入されている。
各ヒータ側ピン85の長さはヒータ側リング84を水平に突き上げ得るように互いに等しく設定されているとともに、その下端が回転側リング81の上面に適度のエアギャップを置いて対向されている。つまり、各ヒータ側ピン85は回転ドラム35の回転時に回転側リング81に干渉しないようになっている。
ヒータ側リング84の上面には複数本(本実施の形態においては三本とする。)の突き上げピン(以下、突上部という。)87が周方向に等間隔に配置されて垂直方向上向きに突設されており、突上部87の上端は反射板31、ヒータ30およびサセプタ40を挿通してサセプタ40の中央部材41の下面に対向するようになっている。各突上部87の長さは中央部材41を水平に突き上げ得るように互いに等しく設定されているとともに、ヒータ側リング84が支持板28に着座した状態において、その上端が中央部材41の上面に適度のエアギャップを置いて対向するように設定されている。つまり、各突上部87は回転ドラム35の回転時にサセプタ40に干渉しないようになっている。
なお、図示の便宜上、図13においては突上部87の上端がヒータ30の上側に位置しているが、図15(a)に想像線で示されているように、突上部87の上端は加熱ユニット27の加熱効果の観点からはヒータ30および反射板31の下方に位置させることが望ましい。すなわち、突上部87がヒータ30および反射板31の上方に突き出ていると、ヒータ30および反射板31の熱線を遮蔽する虞があるからである。
図15に詳示されているように、本実施の形態においては、加熱ユニット27のヒータ30はサセプタ40の中央部材41に対応する中央ヒータ部材30aと、サセプタ40の第一周辺部材42および第二周辺部材43に対応する周辺ヒータ部材30bとに分割されており、中央ヒータ部材30aと周辺ヒータ部材30bとは出力を独立して制御し得るように構成されている。
次に、以上の構成に係る枚葉式CVD装置の作用を説明することにより、本発明の一実施の形態であるCVD膜形成方法を説明する。
図11に示されているように、ウエハ1の搬出時に回転ドラム35および加熱ユニット27が回転軸34および支持軸26によって下限位置に下降されると、ウエハ昇降装置80の回転側ピン82の下端が処理室11の底面すなわちボトムキャップ15の上面に突合するため、回転側リング81が回転ドラム35および加熱ユニット27に対して相対的に上昇する。上昇した回転側リング81はヒータ側ピン85を突き上げることにより、ヒータ側リング84を持ち上げる。ヒータ側リング84が持ち上げられると、ヒータ側リング84に立脚された三本の突上部87がサセプタ40の中央部材41を下方から支持して第一周辺部材42および第二周辺部材43から浮き上がらせる。この中央部材41にはウエハ1の中央部が載置されているため、ウエハ1は浮き上がった状態になる。
図12に示されているように、ウエハ昇降装置80がウエハ1をサセプタ40の上面から浮き上がらせた状態になると、ウエハ1の下方空間すなわちウエハ1の下面とサセプタ40の上面との間に挿入スペースが形成された状態になるため、ウエハ移載装置のフォーク形のツィーザ2Aがウエハ搬入搬出口16からウエハ1の挿入スペースに挿入される。この際、ウエハ1の中央部がサセプタ40の中央部材41によって支持されているため、ツィーザ2Aとしては図12に示されているようにフォーク形状のものが使用される。すなわち、ツィーザ2Aはウエハ1の中央部の中央部材41と干渉しない状態になる。
図12に示されているように、ウエハ1の下方に挿入されたツィーザ2Aは上昇することによりウエハ1を移載して受け取る。この際、フォーク形状のツィーザ2Aはウエハ1の下面における外周辺部を受ける。ウエハ1を受け取ったツィーザ2Aはウエハ搬入搬出口16を後退してウエハ1を処理室11から搬出する。そして、ツィーザ2Aによってウエハ1を搬出したウエハ移載装置は、処理室11の外部の空ウエハカセット等の所定の収納場所(図示せず)にウエハ1を移載する。
その後、ウエハ移載装置は実ウエハカセット等の所定の収納場所(図示せず)から次回に成膜処理するウエハ1をツィーザ2Aによって受け取って、ウエハ搬入搬出口16から処理室11に搬入する。ツィーザ2Aはウエハ1をサセプタ40の中央部材41の上方においてウエハ1の中心が中央部材41の中心と一致する位置に搬送する。ウエハ1を所定の位置に搬送すると、ツィーザ2Aは若干下降することによりウエハ1を中央部材41に移載する。
ところで、搬入されて来たばかりのウエハ1は低温度の状態になっているため、ウエハ1が移載されると、中央部材41の温度は低下することになる。そして、図15(c)に示されているように、ヒータ30が分割されずに同一出力をもってサセプタ40を全体的に均一に加熱するように構成されている場合には、ウエハ1によって冷却された中央部材41はそのまま下降してヒータ30によって第一周辺部材42および第二周辺部材43と均等に加熱されることになるため、ウエハ1の中央部は中央部材41が冷却された分だけ周辺部よりも低温となり、ウエハ1の温度分布が不均一になる。その結果、ウエハ1に形成されるCVD膜の膜厚分布や膜質分布が不均一になってしまう。
そこで、本実施の形態においては、図15(b)に示されているように、中央部材41が上昇してウエハ1を受け取る際には、分割されたヒータ30の中央ヒータ部材30Aの出力を高めて中央部材41を余分に加熱することにより、中央部材41が低温度のウエハ1を受け取った時に相対的に冷却されて温度が低下するのを防止する。このようにしてウエハ1を受け取った時に中央部材41の温度が低下する現象を防止することにより、図15(a)に示されているように、中央部材41が下降した後に、中央部材41が第一周辺部材42および第二周辺部材43とヒータ30によって均等に加熱される場合であっても、ウエハ1の温度分布は均一になるため、ウエハ1に形成されるCVD膜の膜厚分布や膜質分布は全体にわたって均一になる。
そして、ウエハ1をウエハ昇降装置80に受け渡したツィーザ2は、ウエハ搬入搬出口16から処理室11外へ退出する。ツィーザ2が処理室11から退出すると、ウエハ搬入搬出口16はゲートバルブ17によって閉じられる。
図13に示されているように、ゲートバルブ17が閉じられると、処理室11に対して回転ドラム35および加熱ユニット27が回転軸34および支持軸26によって上昇される。回転ドラム35の上昇の初期において、回転側ピン82が処理室11の底面すなわちボトムキャップ15の上面に突合し、ヒータ側ピン85が回転側リング81の上に載った状態になっているため、回転側リング81の突上部87に支持された中央部材41は回転ドラム35の上昇に伴って回転ドラム35に対して相対的に徐々に下降することになる。
回転側ピン82が処理室11の底面から離座すると、突上部87はサセプタ40の下方に引き込まれた状態になるため、図14に示されているように、中央部材41は第一周辺部材42の内側に嵌入する。この状態において、ウエハ1はサセプタ40の上に完全に移載された状態になり、ウエハ1の上面と、第一周辺部材42の上面および第二周辺部材43の上面とは一致した状態になる。
サセプタ40に移載されたウエハ1はヒータ30によって加熱されるとともに、ヒータ30の温度およびウエハ1の温度が熱電対33によって測定される。そして、ヒータ30の加熱量は熱電対33の測定結果に従ってフィードバック制御される。この際、サセプタ40には突上部87を挿通するための挿通孔が開設されていないため、ウエハ1の温度分布はウエハ昇降装置80の存在にかかわらず全体にわたって均一になる。また、前述した通り、サセプタ40を受け取る際に中央部材41は予熱されているため、ウエハ1を中央部材41にて受け取ったにもかかわらず、ウエハ1の温度分布は全体にわたって均一になる。
回転ドラム35および加熱ユニット27は処理室11を回転軸34および支持軸26によって上昇されて、ウエハ1の上面がプレート22の下面に近接する高さに停止される。また、排気口18が真空排気装置によって排気される。
続いて、回転ドラム35が回転軸34によって回転される。このとき、回転側ピン82は処理室11の底面から離座し、ヒータ側ピン85は回転側リング81から離座しているため、回転ドラム35の回転がウエハ昇降装置80に妨げられることはなく、しかも、加熱ユニット27は停止状態を維持することができる。すなわち、ウエハ昇降装置80においては、回転側リング81が回転ドラム35と共に回転し、ヒータ側リング84が加熱ユニット27と共に停止した状態になっている。
排気口18の排気量および回転ドラム35の回転作動が安定した時点で、処理ガス3がガス導入口21に導入される。ガス導入口21に導入された処理ガス3はガス溜め24に作用する排気口18の排気力によってガス溜め24に流入するとともに、径方向外向きに放射状に拡散して、プレート22の各吹出口23からそれぞれが略均等な流れになって、ウエハ1に向かってシャワー状に吹き出す。吹出口23群からシャワー状に吹き出した処理ガス3は排気口18に吸い込まれて排気されて行く。
この際、回転ドラム35に支持されたサセプタ40上のウエハ1は回転しているため、吹出口23群からシャワー状に吹き出した処理ガス3はウエハ1の全面にわたって均等に接触する状態になる。また、ウエハ1の上面とその外側領域のサセプタ40の上面とは一致しているため、処理ガス3の流れは乱れが防止され均一に制御される。このようにして処理ガス3がウエハ1の全面にわたって均等に接触するため、ウエハ1に処理ガス3によって形成されるCVD膜の膜厚分布や膜質分布はウエハ1の全面にわたって均一になる。
また、加熱ユニット27は支持軸26に支持されることにより回転しない状態になっているため、回転ドラム35によって回転されながら加熱ユニット27によって加熱されるウエハ1の温度分布は周方向において均一に制御される。しかも、サセプタ40には突上部87を挿通するための挿通孔が開設されていないため、かつまた、サセプタ40を受け取る際に中央部材41は予熱されているため、ウエハ1の温度分布は全体にわたって均一に制御される。このようにウエハ1の温度分布が全面にわたって均一に制御されることにより、ウエハ1に熱化学反応によって形成されるCVD膜の膜厚分布や膜質分布はウエハ1の全面にわたって均一に制御される。
以上のようにしてCVD膜がウエハ1の全面にわたって均一に形成されて所定の処理時間が経過すると、図11に示されているように、回転ドラム35および加熱ユニット27は回転軸34および支持軸26によって搬入搬出位置に下降される。下降の途中において、ウエハ昇降装置80の回転側ピン82が処理室11の底面に突合し、ヒータ側ピン85が回転側リング81に突合するため、前述した作動により、ウエハ昇降装置80はウエハ1をサセプタ40の中央部材41の上昇によって浮き上げる。
以降、前述した作業が繰り返されることにより、ウエハ1にCVD膜が枚葉式CVD装置10によって枚葉処理されて行く。
以上説明したように、本実施の形態3においても、ウエハ1を機械式ウエハ移載装置によって授受することができる。また、ウエハ1を保持したサセプタ40を回転させることにより、処理ガス3をウエハ1の全面にわたって均等に接触させることができるため、処理ガス3によってウエハ1に形成されるCVD膜の膜厚分布や膜質分布を全面にわたって均一に制御することができる。さらに、ウエハ1を保持したサセプタ40を回転させるとともに、加熱ユニット27を停止させることにより、サセプタ40によって回転されながら加熱ユニット27によって加熱されるウエハ1の温度分布を周方向において均一に制御することができるため、ウエハ1に熱化学反応によって形成されるCVD膜の膜厚分布や膜質分布をウエハ1の全面にわたって均一に制御することができる。
加熱ユニット27を回転させないことにより、加熱ユニット27の内部にヒータ30や熱電対33を設置することができるとともに、ヒータ30や熱電対33のための電気配線を加熱ユニット27に容易に敷設することができる。
ウエハ1を昇降させるウエハ昇降装置80が回転ドラム35の内径側に配置されているため、ウエハ昇降装置80が回転ドラム35の外側に突出するのを回避することができ、処理室11の容積が大きくなるのを防止することができる。
さらに、サセプタ40には突上部87を挿通するための挿通孔が開設されていないため、ウエハ1の温度分布をウエハ昇降装置80の存在にかかわらず全体にわたって均一に制御することができる。また、サセプタ40を受け取る際に中央部材41は予熱されるため、ウエハ1を中央部材41にて受け取るにもかかわらず、ウエハ1の温度分布を全体にわたって均一に制御することができる。
次に、本発明の実施の形態4を図16および図17に即して説明する。
本実施の形態4は前記実施の形態3に対して、ウエハ昇降装置90が回転側リング81を省略されている代わりに回転ドラム35が加熱ユニット27に対して昇降するように構成されている点が異なっている。
すなわち、図16および図17に示されているように、加熱ユニット27を支持した支持軸26は処理室11に対して昇降するように構成されているとともに、回転ドラム35を支持した回転軸34に対しても独立して昇降するように構成されている。そして、ウエハ昇降装置90の昇降リング94の下面に垂直方向下向きに突設された突上ピン95は加熱ユニット27の支持板28に開設されたガイド孔96を挿通して、その下端が回転ドラム35の底面すなわち回転板36の上面に突合自在に対向されている。昇降リング94の上面に突設された突上部97の上端は反射板31、ヒータ30およびサセプタ40を挿通してサセプタ40の中央部材41の下面に対向するようになっている。つまり、突上ピン95および突上部97は回転ドラム35の回転時に回転ドラム35およびサセプタ40に干渉しないようになっている。
図16に示されているように、ウエハ1の搬出搬入時には、回転ドラム35および加熱ユニット27が回転軸34および支持軸26によって処理室11の搬入搬出位置に下降され、かつ、回転ドラム35が回転軸34によって加熱ユニット27に対して下降される。回転ドラム35が加熱ユニット27に対して下降されると、ウエハ昇降装置90の昇降リング94が回転ドラム35に対して相対的に上昇する。昇降リング94が回転ドラム35に対して上昇すると、昇降リング94に立脚された三本の突上部97がサセプタ40の中央部材41を下方から支持して第一周辺部材42および第二周辺部材43から浮き上がらせる。この中央部材41にはウエハ1の中央部が載置されているため、ウエハ1は浮き上がった状態になる。
図16に示されているように、ウエハ昇降装置90がウエハ1をサセプタ40の上面から浮き上がらせた状態になると、ウエハ1の下方空間すなわちウエハ1の下面とサセプタ40の上面との間に挿入スペースが形成された状態になるため、ウエハ移載装置のフォーク形のツィーザ2Aがウエハ搬入搬出口16からウエハ1の挿入スペースに挿入することができる。つまり、前記した実施の形態3と同様にして、機械式ウエハ移載装置によってウエハ1の授受を実行することができる。
ウエハ1の授受後、図17に示されているように、処理室11に対して回転ドラム35および加熱ユニット27が回転軸34および支持軸26によって上昇され、かつ、回転ドラム35が回転軸34によって加熱ユニット27に対して上昇される。回転ドラム35が加熱ユニット27に対して上昇されると、昇降リング94の突上部97に支持された中央部材41は回転ドラム35に対して下降し、第一周辺部材42の内側に嵌入する。この状態において、ウエハ1はサセプタ40の上に移載された状態になり、ウエハ1の上面と、第一周辺部材42の上面および第二周辺部材43の上面とは一致した状態になる。
その後、前記した実施の形態3と同様に、ウエハ1が回転ドラム35によって回転された状態で、ウエハ1に成膜処理が実施されて、ウエハ1に全体にわたって均一な処理が施される。この際、ウエハ昇降装置90の昇降リング94は加熱ユニット27と共に停止した状態になっており、突上ピン95の下端は回転ドラム35の底面から離座し、突上部97の上端はサセプタ40の下面から離れて回転ドラム35の回転を許容した状態になっている。
以上のようにしてCVD膜がウエハ1の全面にわたって均一に形成されて所定の処理時間が経過すると、図16に示されているように、回転ドラム35および加熱ユニット27は回転軸34および支持軸26によって搬入搬出位置に下降されるとともに、回転ドラム35が加熱ユニット27に対して下降される。回転ドラム35が加熱ユニット27に対して下降されると、前述した作動により、ウエハ昇降装置90はウエハ1をサセプタ40の中央部材41の上昇によって浮き上げる。
以降、前述した作業が繰り返されることにより、ウエハ1にCVD膜が枚葉式CVD装置10によって枚葉処理されて行く。
以上説明したように、本実施の形態4によれば、前記実施の形態3に加えて、回転側リング81や回転側ピン82およびガイド孔83を省略することができるため、摺動部を低減することができるという効果を得ることができる。
なお、本実施の形態4においては、ウエハ昇降装置90が回転ドラム35の加熱ユニット27に対しての昇降によってウエハ1を昇降させるように構成されているため、回転ドラム35および加熱ユニット27の処理室11に対する昇降に連動してウエハ1を自動的に昇降させる実施の形態1、2、3に比べて、回転軸34および支持軸26を昇降させるエレベータの構造が若干複雑になる。
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々に変更が可能であることはいうまでもない。
例えば、温度センサとしては、熱電対を使用するに限らず、他の非接触式温度センサを使用することができるし、省略してもよい。
被処理基板はウエハに限らず、LCD装置の製造工程におけるガラス基板や液晶パネル等の基板であってもよい。
本発明は、枚葉式コールドウオール形CVD装置に限らず、ドライエッチング装置等の基板処理装置全般に適用することができる。
1…ウエハ(被処理基板)、2…ウエハ移載装置のツィーザ、2A…フォーク形のツィーザ、3…処理ガス、4…窒素ガス、10…枚葉式CVD装置(基板処理装置)、11…処理室、12…チャンバ、13…下側カップ、14…上側カップ、15…ボトムキャップ、16…ウエハ搬入搬出口、17…ゲートバルブ、18…排気口、20…ガスヘッド、21…ガス導入口、22…ガス吹出プレート、23…ガス吹出口、24…ガス溜め、25…挿通孔、26…支持軸、27…加熱ユニット、27A…筐体、28…支持板、29…電極、30…ヒータ、30a…中央ヒータ部材、30b…周辺ヒータ部材、31…反射板、32…支柱、33…熱電対、34…回転軸、35…回転ドラム、36…回転板、37…回転筒、40…サセプタ、41…中央部材、42…第一周辺部材、43…第二周辺部材、44…案内溝、45…窒素ガス吹出口、50…ウエハ昇降装置(被処理基板昇降装置)、51…昇降リング、52…支柱、53…係合部材、54…係合爪、55…突合部材、56…チャンバ側突合部、57…ガイド、60…ウエハ昇降装置、61…固定側ピン(突き上げピン)、62…ピン部、63…鍔部、64…座板、65…挿通孔、66…固定側挿通孔、67…支持穴、68…ガイド孔、69…可動側ピン(突き上げピン)、70…鍔部、71…突上部、72、73、74…挿通孔、75…モータ(中空軸電動モータ)、75a…ハウジング、75b…固定子、75c…回転子、76…エレベータの昇降台、77…ハーメチックシール、78…ベローズ、80…ウエハ昇降装置、81…回転側リング(昇降リング)、82…回転側ピン(突き上げピン)、83…ガイド孔、84…ヒータ側リング(第二の昇降リング)、85…ヒータ側ピン(突き上げピン)、86…ガイド孔、87…突上部(突き上げピン)、90…ウエハ昇降装置、94…昇降リング、95…突上ピン、96…ガイド孔、97…突上部(突き上げピン)。
Claims (3)
- 被処理基板が載置されるサセプタと、前記サセプタの下方に配置されて前記サセプタに載置された前記被処理基板を加熱する加熱ユニットとを処理室内に備えており、前記サセプタと前記加熱ユニットとが相対的に回転された状態で前記被処理基板に処理が施される基板処理装置であって、
少なくとも前記サセプタが前記処理室内にて昇降するように構成されており、前記処理室には前記被処理基板を少なくとも前記サセプタの一部に対して昇降させる被処理基板昇降装置が設置されており、
前記サセプタは中央部材と周辺部材とを備えており、前記被処理基板昇降装置が前記サセプタの中央部材を昇降させるように構成されていることを特徴とする基板処理装置。 - 前記加熱ユニットのヒータは前記サセプタの中央部材に対応する中央ヒータ部材と、前記サセプタの周辺部材に対応する周辺ヒータ部材とを備えており、この中央ヒータ部材と周辺ヒータ部材とは出力を独立して制御され、サセプタの中央部材が上昇されている間は中央ヒータ部材の出力を増大させて制御してなるように構成されていることを特徴とする請求項2に記載の基板処理装置。
- 請求項2に記載の基板処理装置が使用される基板処理方法であって、
前記サセプタの下降時に、前記被処理基板昇降装置が前記中央部材を上昇させてこの中央部材に前記被処理基板を載置し、次いで、前記中央部材の上昇を解除して前記被処理基板を前記周辺部材を含む前記サセプタに受渡し、前記サセプタの上昇時に、前記サセプタによって前記被処理基板が載置された状態で前記被処理基板に処理が施されることを特徴とする基板処理方法。
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2006
- 2006-08-30 JP JP2006232974A patent/JP2006344997A/ja active Pending
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