JP2006344522A - Meaの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 触媒層の細孔の閉塞および電解質の劣化が抑制されたMEAの製造方法を提供する。
【解決手段】 電解質、電極触媒および溶媒からなる触媒スラリーをガス拡散層の片面に塗布する段階(i)、前記触媒スラリーと固体高分子電解質膜とが接するように、前記ガス拡散層で前記固体高分子電解質膜を挟持して積層体を形成する段階(ii)、前記積層体をガス透過性板材で挟持して、前記積層体の積層方向に荷重をかけながら、前記触媒スラリーを固化する段階(iii)、ならびに前記積層体から前記ガス透過性板材を剥がす段階(iv)を含むことを特徴とするMEAの製造方法。
【選択図】 図3
【解決手段】 電解質、電極触媒および溶媒からなる触媒スラリーをガス拡散層の片面に塗布する段階(i)、前記触媒スラリーと固体高分子電解質膜とが接するように、前記ガス拡散層で前記固体高分子電解質膜を挟持して積層体を形成する段階(ii)、前記積層体をガス透過性板材で挟持して、前記積層体の積層方向に荷重をかけながら、前記触媒スラリーを固化する段階(iii)、ならびに前記積層体から前記ガス透過性板材を剥がす段階(iv)を含むことを特徴とするMEAの製造方法。
【選択図】 図3
Description
本発明は固体高分子型燃料電池用のMEAの製造方法に関する。
固体高分子型燃料電池の膜電極接合体(以下、MEAと記載する)は一般的に、ガス拡散層、触媒層、固体高分子電解質膜、触媒層、およびガス拡散層がこの順序で積層された構造を有している。そして、MEAの片面に燃料ガス供給溝を備えた燃料極側セパレーター、反対側の面に酸化剤ガス供給溝を備えた酸化剤極側セパレーターを配置することにより固体高分子型燃料電池となる。
従来のMEAの製造方法は一般的に電解質、電極触媒および溶媒からなる触媒スラリーをガス拡散層の片面に塗布する段階、触媒スラリーを固化することでガス拡散層上に触媒層を形成してガス拡散電極を形成する段階、および触媒層と固体高分子電解質膜とが接するようにガス拡散電極で固体高分子電解質膜を挟持してホットプレスする段階からなる(例えば特許文献1を参照)。特許文献1では、ガス拡散層と触媒層とからなる電極で電解質膜を挟んだサンドイッチ構造を形成して145〜155℃、5〜10MPaでホットプレスすることが好ましいとしている。
特開平7−249418号公報(段落番号0028)
従来の方法では触媒層と固体高分子電解質膜とを均一に接着するために高温、高圧でホットプレスを行わなくてはならず、触媒層の細孔が閉塞したり、固体高分子電解質膜や触媒層に含まれる電解質が劣化したりするという問題があった。触媒層の細孔が閉塞すると、触媒層中に燃料ガスまたは酸化剤ガスが導入されない箇所が生じるため発電効率が低下し、電解質が劣化するとプロトンの伝導性が低下するため発電効率が低下する。
本発明では、触媒層の細孔の閉塞および電解質の劣化が抑制されたMEAの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者等はガス拡散層上に触媒スラリーを塗布した後、触媒スラリーを固化せずに、スラリーの状態で固体高分子電解質膜と接合することにより、上記課題を解決できることを見出し本発明を完成させた。すなわち、本発明は電解質、電極触媒および溶媒からなる触媒スラリーをガス拡散層の片面に塗布する段階(i)、前記触媒スラリーと固体高分子電解質膜とが接するように、前記ガス拡散層で前記固体高分子電解質膜を挟持して積層体を形成する段階(ii)、前記積層体をガス透過性板材で挟持して、前記積層体の積層方向に荷重をかけながら、前記触媒スラリーを固化する段階(iii)、ならびに前記積層体から前記ガス透過性板材を剥がす段階(iv)を含むことを特徴とするMEAの製造方法により上記課題を解決する。
本発明により触媒層の細孔の閉塞および電解質の劣化が抑制されたMEAを製造することができる。
本発明の第一は、図1の工程図に示すように、電解質、電極触媒および溶媒からなる触媒スラリーをガス拡散層の片面に塗布する段階(i)、前記触媒スラリーと固体高分子電解質膜とが接するように、前記触媒スラリーを塗布した前記ガス拡散層で前記固体高分子電解質膜を挟持して積層体を形成する段階(ii)、前記積層体をガス透過性板材で挟持して、前記積層体の積層方向に荷重をかけながら、前記触媒スラリーを固化する段階(iii)、ならびに前記積層体から前記ガス透過性板材を剥がす段階(iv)を含むことを特徴とするMEAの製造方法である。
従来のMEAの製造方法を示した図2と本発明のMEAの製造方法を示した図1とを比較すると、本発明では段階(ii)として、触媒スラリーを固化して触媒層を形成せずに触媒スラリーのままで固体高分子電解質膜と接合していることがわかる。これにより、本発明では触媒スラリーを固化して触媒層を形成した後に固体高分子電解質膜と接合する従来の方法よりも低い圧力で、MEAを製造することができ、触媒層の細孔の閉塞および電解質の劣化を抑制することができる。これは、触媒スラリーは触媒層よりも柔軟であるため、低い圧力でも固体高分子電解質膜の全面と均一に接着することができるためである。
触媒層を軟化し転写を行う発明として、特開2003−331863号公報の請求項1に開示されているような、転写基材に触媒層を形成して、触媒層に溶媒が残留している状態で電解質膜に触媒層を転写する膜触媒層接合体の製造方法が知られている。しかし、特開2003−331863号公報の製造方法では触媒層に含まれる溶媒の含有量が不均一となる場合があり、部分的に触媒層が基材に残る転写不良が発生したり、触媒層と電解質膜の界面の密着が不十分な部分が生じたりするおそれがある。
本発明のMEAの製造方法はガス透過性板材を利用することでガス拡散層上に直接触媒スラリーを塗布して固体高分子電解質膜と接合することができるため、前記公報のように、高温、高圧でホットプレスする必要がなく、触媒層の細孔の閉塞や電解質の劣化を抑制することができる。
[段階(i)]
本段階では一対のガス拡散層を用意し、電解質、電極触媒および溶媒からなる触媒スラリーを各ガス拡散層の片面に塗布する。
本段階では一対のガス拡散層を用意し、電解質、電極触媒および溶媒からなる触媒スラリーを各ガス拡散層の片面に塗布する。
触媒スラリーとしては特に限定されず、溶媒に、触媒金属を担持したカーボン担体または白金黒と、電解質とを混合したものなど、従来公知のものを適宜用いることができる。
前記触媒金属としては例えば、白金、またはアルミニウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、ガリウム、ジルコニウム、モリブデン、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、バナジウム、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、チタン、および鉛よりなる群から選択される少なくとも1種と白金との合金が好ましく挙げられ、前記カーボン担体としてはケッチェンブラック(登録商標)およびバルカン(登録商標)などが好ましく挙げられる。
電解質としては例えば、デュポン株式会社製NAFION(登録商標)、旭硝子株式会社製FLEMION(登録商標)、旭化成ケミカルズ株式会社製ACIPLEX(登録商標)およびザ・ダウ・ケミカル・コンパニー製DOWEX(登録商標)、エンジニアリングプラスチック、またはその共重合体に酸基を導入したものなどが好ましく挙げられる。
触媒スラリーに含まれる溶媒については段階(iii)の項に記載する。触媒スラリーには撥水性高分子などの各種添加剤が含まれていてもよい。
触媒金属を担持したカーボン担体または白金黒と、電解質、および各種添加剤などの触媒スラリーの構成要素の比は目的に応じて適宜決定することができる。触媒スラリーの塗布厚は特に限定されず、目的に応じて適宜決定することができる。
ガス拡散層としては特に限定されず、100〜300μmの厚みを有するカーボンペーパーもしくはカーボンクロス、またはこれらを基材として片面に緻密な細孔を有するカーボン層を積層したものなどが挙げられる。カーボンペーパーまたはカーボンクロスにカーボン層を積層したものは保湿性に優れる。カーボン層が積層されたものを用いる場合には、カーボン層上に触媒スラリーを塗布することが好ましい。
触媒スラリーをガス拡散層の片面に塗布する方法としては特に限定されないが、スプレー法、ダイコーター法、ドクターブレード法、グラビアコート、スクリーン印刷またはインクジェット印刷などが好ましく挙げられる。
[段階(ii)]
本段階では、上述の段階(i)で得た触媒スラリーを片面に塗布したガス拡散層を用いて、触媒スラリーと固体高分子電解質膜とが接するように、一対の前記ガス拡散層で固体高分子電解質膜を挟持して積層体を作製する。
本段階では、上述の段階(i)で得た触媒スラリーを片面に塗布したガス拡散層を用いて、触媒スラリーと固体高分子電解質膜とが接するように、一対の前記ガス拡散層で固体高分子電解質膜を挟持して積層体を作製する。
固体高分子電解質膜としては、特に限定されず公知のものを用いることができるが、高いプロトン伝導性を有するものが好ましい。高いプロトン伝導性を有する固体高分子電解質膜としては、スルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体などのフッ素系固体高分子電解質膜、またはエンジニアリングプラスチックに酸基を導入したもの、リン酸などの無機酸を炭化水素系高分子化合物にドープさせたもの、一部がプロトン伝導性の官能基で置換された有機/無機ハイブリッドポリマー、もしくは高分子マトリックスにリン酸溶液や硫酸溶液を含浸させたプロトン伝導体などの炭化水素系の固体高分子電解質膜が好ましく挙げられ、より好ましくは炭化水素系の固体高分子電解質膜である。炭化水素系の固体高分子電解質膜は原価効率に優れる。
スルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体としては、デュポン株式会社製NAFION(登録商標)、旭硝子株式会社製FLEMION(登録商標)、旭化成ケミカルズ株式会社製ACIPLEX(登録商標)およびザ・ダウ・ケミカル・コンパニー製DOWEX(登録商標)などが挙げられる。
上述の炭化水素系固体高分子電解質膜の中では特にエンジニアリングプラスチックにスルホン酸基などの酸基を導入したものが好ましく、例えばスルホン化ポリフェニレン誘導体、スルホン化ポリエーテルエーテルケトン、アルキルスルホン化ポリベンズイミダゾール、アルキルスルホン化ポリベンズイミダゾール、アルキルホスホン化ポリベンズイミダゾール、スルホン化ポリエーテルスルホンなどが好ましく挙げられる。エンジニアリングプラスチックに酸基を導入したものは強度および耐熱性に優れるため好ましい。
固体高分子電解質膜の膜厚は得られる燃料電池の特性を考慮して適宜決定することができる。
[段階(iii)]
本段階では、上述の段階(ii)で得た積層体をガス透過性板材で挟持して、積層方向に荷重をかけながら、触媒スラリーを固化する。
本段階では、上述の段階(ii)で得た積層体をガス透過性板材で挟持して、積層方向に荷重をかけながら、触媒スラリーを固化する。
段階(iii)において積層体にかける荷重は、0.5〜4MPaであることが好ましく、より好ましくは0.5〜2.5MPa、更に好ましくは0.5〜1MPaである。荷重が4MPa以下であると、触媒層の細孔の閉塞を効果的に抑制することができる。
段階(iii)において加熱処理を行うと触媒スラリー中の溶媒の気化が促進されるため、製造時間の短縮を図ることができるが、段階(iii)において加熱処理を行う場合には、電解質の軟化温度未満の温度条件下で行うことが好ましい。従来では触媒層と固体高分子電解質膜との接着性を向上させるために高温でホットプレスを行っており、触媒層の細孔が閉塞したり、電解質が劣化したりする原因の一つとなっていた。本発明では、上述したように、触媒スラリーに柔軟性があるため、段階(iii)を電解質の軟化温度未満の温度条件下で行っても触媒層と固体高分子電解質膜との接着性が低下するおそれは少ない。本発明でいう軟化温度とはガラス転移点温度を指し、例えばTMA法やDSC法により求めることができる。
段階(iii)は触媒スラリーの溶媒の沸点未満の温度条件下で行うことが好ましい。加熱処理を溶媒の沸点以上の温度で行うと、溶媒が突沸して触媒層の膜厚が不均一となるおそれがある。また、段階(iii)を溶媒の沸点未満の温度条件下で行った後で、乾燥工程(iii’)として溶媒の沸点以上、電解質の軟化温度未満の温度条件下で加熱処理を行うと、製造時間を更に短縮することができる。この場合、段階(iii)から段階(iii’)への移行は、沸点以上に加熱しても溶媒が突沸できない程度にまで気化した時点で行うことが望ましい。また、段階(iii’)として沸点以上、電解質の軟化温度未満の温度条件下で加熱処理する方法の他に減圧処理を行う方法もある。
触媒スラリーの溶媒として沸点が100℃以下のものを用いると、電解質に過度の熱負荷をかけずに触媒スラリーを固化、乾燥させることができるため好ましい。
沸点が100℃以下の溶媒としては、アルコール、水、またはアルコールと水との混合物が好ましい。アルコールとしてはメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、sec−ブタノール、およびtert−ブタノールなどが好ましく挙げられ、より好ましくはエタノールまたはイソプロパノールである。これらは、電解質および電極触媒との非反応性、分散性、および揮発性に優れる。
図3に示すようにガス透過性板材2は、触媒スラリー21に含まれていた溶媒が気化したもの200を通過させうる構造を有している。図3において符号3はプレスの一部を示し、符号10は固体高分子電解質膜を示し、符号30aは燃料極側ガス拡散層を示し、符号30bは酸化剤極側ガス拡散層を示す。
ガス透過性板材は、貴金属、セラミックス、ガラスもしくは樹脂からなるか、または、ガス拡散層との接触部位に貴金属、セラミックス、ガラスもしくは樹脂を配置した卑金属からなることが好ましい。これにより、金属イオンが溶出して電解質などが劣化することを抑制することができる。
前記貴金属としては白金、金、銀、およびイリジウムからなる群より選択される少なくとも一種などが好ましい。前記セラミックスとしてはアルミナ、ジルコニア、マグネシア、ベリリア、トリア、ウラニア、シリカ、チタニア、チタン酸バリウム、およびチタン酸ストロンチウムなどの酸化物系セラミックス、ならびに窒化ケイ素、炭化ケイ素、窒化ホウ素、炭化ジルコニウム、およびダイアモンドなどの非酸化物系セラミックスからなる群より選択される少なくとも一種などが好ましい。前記ガラスとしてはソーダ石灰ガラス、ホウケイ酸ガラス、鉛ガラス、石英ガラス、および無アルカリガラスからなる群より選択される少なくとも一種などが好ましい。前記樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリプロピレン(PP)、またはポリエチレン(PE)が好ましい。これらは軟化温度が高いため、工程(iii)または工程(iii’)において軟化せず、ガス透過性板材による面圧が良好に保持され、工程(iii)または工程(iii’)で固体高分子電解質膜が収縮することを抑制することができる。
ガス透過性板材は溶媒の通過を迅速に行うことができるように、多孔質構造を有していることが望ましい。多孔質構造の平均孔径は、ガス拡散層の厚みの半分以下であることが好ましい。多孔質構造の平均孔径がガス拡散層の厚みの半分超であると、ガス拡散層がガス透過性板材の孔中に陥没するおそれがある。ガス透過性板材の空孔率は30〜97%が好ましく、より好ましくは80〜95%である。空孔率が30%未満であると気化した溶媒の拡散性が悪く、触媒スラリーの固化に時間がかかるおそれがあり、空孔率が97%超であると、ガス透過性板材の剛性が低下するおそれがある。
[段階(iv)]
本段階では、積層体の両面に配置されたガス透過性板材を剥がす。
本段階では、積層体の両面に配置されたガス透過性板材を剥がす。
ガス透過性板材は燃料電池の構成要素ではないため、燃料電池を製造するための後工程に進む前にMEAから剥離する必要がある。
本発明の第二は、上述の方法により製造されたことを特徴とするMEAである。
本発明のMEAは、触媒層の有する細孔の閉塞と電解質の劣化が抑制されているため、触媒層のガス拡散性と、固体高分子電解質膜のプロトン伝導性とに優れる。
図4に本発明のMEAの構造を例示する。本発明のMEA1は、燃料極側ガス拡散層30a、燃料極側触媒層20a、固体高分子電解質膜10、酸化剤極側触媒層20b、および酸化剤極側ガス拡散層30bがこの順序で積層された構造を有している。
本発明は図4に限定されず、燃料極触媒層20aと燃料極側ガス拡散層30aとの間、または酸化剤極側ガス拡散層30bと酸化剤極触媒層20bとの間に多孔質膜を挟んだ構造など、目的に応じて他の要素を含むこともできる。各構成要素の膜厚や、材質などは目的に応じて従来公知の技術を適用することができる。
本発明の第三は、上述のMEAを含むことを特徴とする固体子分子型燃料電池である。
図5に固体高分子型燃料電池2の断面概略図の一例を示す。上述したように、MEA1の片面に燃料ガス供給溝40aを備えた燃料極側セパレーター50a、反対側の面に酸化剤ガス供給溝40bを備えた酸化剤極側セパレーター50bを配置することにより固体高分子型燃料電池2を得ることができる。各セパレーターの配置方法は、従来公知の技術を用いることができる。
本発明のMEAを適用しうる固体高分子型燃料電池は図5に示すように燃料ガス供給溝40aを備えた燃料極側セパレーター50a、燃料極側ガス拡散層30a、燃料極触媒層20a、固体高分子電解質膜10、酸化剤極触媒層20b、酸化剤極側ガス拡散層30b、および酸化剤ガス供給溝40bを備えた酸化剤極側セパレーター50bがこの順序で積層されていることが好ましい。
本発明は図5に限定されず、燃料極触媒層20aと燃料極側ガス拡散層30aとの間または、酸化剤極側ガス拡散層30bと酸化剤極触媒層20bとの間に多孔質膜を挟んだ構造など、目的に応じて他の要素を含むこともできる。各構成要素の膜厚や、材質などは目的に応じて従来公知の技術を適用することができる。
上述したように、本発明のMEAは触媒層の細孔の閉塞と電解質の劣化が抑制されているため、本発明のMEAを固体高分子型燃料電池に含むことにより、電池の発電効率が向上する。
次に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、これらの実施例は何ら本発明を制限するものではない。
(実施例1)
前準備として、ガス拡散層としてカーボン層付きカーボンペーパー(ジャパンゴアテックス株式会社製、CFP300)を純水に浸けて洗浄した後、乾燥炉にて80℃で乾燥した。
前準備として、ガス拡散層としてカーボン層付きカーボンペーパー(ジャパンゴアテックス株式会社製、CFP300)を純水に浸けて洗浄した後、乾燥炉にて80℃で乾燥した。
白金担持カーボン(田中貴金属株式会社製、TEC10E50E)10g、パーフルオロスルホン酸電解質溶液(デュポン株式会社製、NAFION 5%溶液)100g、純水100g、およびイソプロパノール100gを混合し、これらを均一に分散させて触媒スラリーとした。
前記触媒スラリーを、スプレー型の塗布装置を用いて前記カーボン層上に霧化塗布した。次に、触媒スラリーが塗布された面と固体高分子電解質膜(デュポン株式会社製、Nafion 117)とが接するように固体高分子電解質膜をカーボンペーパーで挟持して積層体を形成した。次に、積層体をステンレスからなる発泡金属(三菱マテリアル株式会社製、平均孔径50μm、空孔率80%、で挟持し、40℃で積層方向に1.5MPaの荷重を1時間かけて、触媒スラリーを固化して触媒層を形成してから、70℃に加熱し乾燥を行った。次に、積層体から発泡金属を剥がしてMEAを作製した。
(比較例1)
前準備として、ガス拡散層としてカーボン層付きカーボンペーパー(ジャパンゴアテックス株式会社製、CFP300)を純水に浸けて洗浄した後、乾燥炉にて80℃で乾燥した。
前準備として、ガス拡散層としてカーボン層付きカーボンペーパー(ジャパンゴアテックス株式会社製、CFP300)を純水に浸けて洗浄した後、乾燥炉にて80℃で乾燥した。
白金担持カーボン(田中貴金属株式会社製、TEC10E50E)10g、パーフルオロスルホン酸電解質溶液(デュポン株式会社製、NAFION 5%溶液)100g、純水100g、およびイソプロパノール100gを混合し、これらを均一に分散させて触媒スラリーとした。
前記触媒スラリーを、スプレー型の塗布装置を用いてカーボンペーパーのカーボン層上に霧化塗布した。次に、触媒スラリーを40℃で60分乾燥してカーボンペーパー上に触媒層を形成した。次に、触媒層が形成された面と固体高分子電解質膜(デュポン株式会社製、Nafion 117)とが接するように固体高分子電解質膜をカーボンペーパーで挟持して積層体を形成した。次に、積層体に140℃で積層方向に3MPaの荷重を30分かけて、MEAを作製した。
実施例1および比較例2で得られたガス拡散電極を用いてセル電池を作製し初期性能を測定した結果を図6に示す。
セル電池は、有効触媒面積30cm2であり、セルは外側よりエンドプレート、絶縁プレート、集電プレート、セパレータを対になるよう積層してなり、両端のエンドプレートをMEAに3MPaの圧力がかかるようボルトを用いて締結した。
またアノードには相対湿度70%の水素ガスを、カソードには相対湿度60%の空気を流し、1.2A/cm2の負荷を取り、発電評価を実施した。
1 膜電極接合体、
2 ガス透過性板材、
3 プレス、
10 固体高分子電解質膜、
20a 燃料極側触媒層、
20b 酸化剤極側触媒層、
21 触媒スラリー、
30a 燃料極側ガス拡散層、
30b 酸化剤極側ガス拡散層、
40a 燃料ガス供給溝、
40b 酸化剤ガス供給溝、
50a 燃料極側セパレーター、
50b 酸化剤極側セパレーター、
200 気化した溶媒。
2 ガス透過性板材、
3 プレス、
10 固体高分子電解質膜、
20a 燃料極側触媒層、
20b 酸化剤極側触媒層、
21 触媒スラリー、
30a 燃料極側ガス拡散層、
30b 酸化剤極側ガス拡散層、
40a 燃料ガス供給溝、
40b 酸化剤ガス供給溝、
50a 燃料極側セパレーター、
50b 酸化剤極側セパレーター、
200 気化した溶媒。
Claims (12)
- 電解質、電極触媒および溶媒からなる触媒スラリーをガス拡散層の片面に塗布する段階(i)、
前記触媒スラリーと固体高分子電解質膜とが接するように、前記ガス拡散層で前記固体高分子電解質膜を挟持して積層体を形成する段階(ii)、
前記積層体をガス透過性板材で挟持して、前記積層体の積層方向に荷重をかけながら、前記触媒スラリーを固化する段階(iii)、ならびに
前記積層体から前記ガス透過性板材を剥がす段階(iv)を含むことを特徴とするMEAの製造方法。 - 前記荷重が0.5〜4MPaであることを特徴とする請求項1に記載のMEAの製造方法。
- 前記段階(iii)における前記触媒スラリーの固化は前記電解質の軟化温度未満での加熱処理により行われることを特徴とする請求項1または2に記載のMEAの製造方法。
- 前記段階(iii)と前記段階(iv)との間に、乾燥段階(iii’)をさらに含み、
前記段階(iii’)が前記溶媒の沸点以上電解質の軟化温度未満の温度条件下で行われることを特徴とする請求項3に記載のMEAの製造方法。 - 前記溶媒の沸点が100℃以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のMEAの製造方法。
- 前記溶媒が、アルコール、水、またはアルコールと水との混合物であることを特徴とする請求項5に記載のMEAの製造方法。
- 前記溶媒に前記アルコールが含まれる場合、
前記アルコールがエタノールまたはイソプロパノールであることを特徴とする請求項6に記載のMEAの製造方法。 - 前記ガス透過性板材が、貴金属、樹脂、ガラスもしくはセラミックスからなるか、または、ガス拡散層との接触部位に貴金属、樹脂、ガラスもしくはセラミックスを配置した卑金属からなることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のMEAの製造方法。
- 前記ガス透過性板材に前記樹脂が含まれる場合、
前記樹脂が、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレン、またはポリエチレンであることを特徴とする請求項8に記載のMEAの製造方法。 - 前記ガス透過性板材は多孔質構造を有しており、前記多孔質構造の平均孔径は、前記ガス拡散層の厚みの半分以下であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかMEAの製造方法。
- 請求項1〜10のいずれかに記載の方法により製造されたことを特徴とするMEA。
- 請求項11に記載のMEAを含むことを特徴とする固体高分子型燃料電池。
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JP2005169915A Pending JP2006344522A (ja) | 2005-06-09 | 2005-06-09 | Meaの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2006344522A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US11552318B2 (en) | 2020-11-30 | 2023-01-10 | Hyundai Motor Company | Method of manufacturing electricity-generating assembly |
-
2005
- 2005-06-09 JP JP2005169915A patent/JP2006344522A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US11552318B2 (en) | 2020-11-30 | 2023-01-10 | Hyundai Motor Company | Method of manufacturing electricity-generating assembly |
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