JP2006343387A - 光学素子及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】確実かつ効率良く光路差付与構造を有する光学面が創生可能となる光学素子の製造方法及び当該製造方法により成形された光学素子を提供する。
【解決手段】プラスチック樹脂中に微粒子を分散させたナノコンポジット素材を光学素子に成形する光学素子の製造方法であって、前記ナノコンポジット素材から、押圧部位に予め所定の曲率を有する予備形状片を成形し、当該予備形状片の前記押圧部位を加熱押圧成形して光路差付与構造を有する光学面を創生する。
【選択図】図1

Description

本発明は、光学素子及びその製造方法に関する。
MO,CD,DVDといった光情報記録媒体(以下、単に媒体ともいう)に対して、情報の読み取りや記録を行うプレーヤー、レコーダー、ドライブといった情報機器には、光ピックアップ装置が備えられている。光ピックアップ装置は、光源から発した所定波長の光を媒体に照射し、反射した光を受光素子で受光する光学素子ユニットを備えており、光学素子ユニットはこれらの光を媒体の反射層や受光素子で集光させるためのレンズ等の光学素子を有している。
光ピックアップ装置の光学素子は、プラスチック樹脂からなるものが多く、安価に作製できる等の点で射出成形により得られることが多い。
ところで、例えば、CD/DVD/BD(HD DVD)プレーヤーのような、複数種の媒体に対して情報の読み書きが可能な情報機器の場合、光ピックアップ装置は、両者の媒体の形状や適用する光の波長の違いに対応した構成とする必要がある。この場合、光学素子ユニットはいずれの媒体に対しても共通とすることがコストやピックアップ特性の観点から好ましい。そこで、例えば、対物光学素子の表面に光路差付与構造等を設けることにより、いずれの媒体にも対応可能な光学素子ユニットとすることが考えられている。
一方、プラスチック樹脂を材料として適用した光学素子ユニットにおいては、ガラスレンズのような光学的安定性を有する物質であることが求められている。例えば、環状オレフィンのような光学的プラスチック物質は、湿度に関して大幅に改善された屈折率の安定性を有するのに対し、温度に対する屈折率の安定性の改良が未だ十分でないのが現状である。
上記のようなプラスチック樹脂からなる光学素子の光学的屈折率の温度変化、また、プラスチックの熱膨張率を抑える方法の1つとして、光学的プラスチック物質に微粒子を分散させたナノコンポジット素材を使用する方法が提案されている。
しかし、前記ナノコンポジット素材は、微粒子(例えば金属製の微粒子)を含んでいるが故に流動性の低下を招き易く、従来のような射出成形による製造方法では、光路差付与構造のような微細構造の転写不良を生じてしまうという問題がある。
これに対し、例えば、特許文献1に示されているように、加熱押圧成形によって光路差付与構造を有するナノコンポジット素材を成形する方法が考えられる。
特開2003−155415号公報
しかしながら、特許文献1に示されているような加熱押圧成形を用いても、光路差付与構造のような微細構造の転写不良は生じてしまい、さらなる製造方法の改良が求められていた。
本発明の課題は、上述の問題を考慮したものであり、光路差付与構造を有する光学面が創生可能となる光学素子の製造方法及び当該製造方法により成形された光学素子を提供することを目的とする。
以上の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、プラスチック樹脂中に微粒子を分散させたナノコンポジット素材を光学素子に成形する光学素子の製造方法であって、
前記ナノコンポジット素材から、押圧部位に予め所定の曲率を有する予備形状片を成形し、当該予備形状片の前記押圧部位を加熱押圧成形して光路差付与構造を有する光学面を創生することを特徴としている。
請求項1に記載の発明によれば、プラスチック樹脂中に微粒子を分散させたナノコンポジット素材を光学素子に成形する光学素子の製造方法において、前記ナノコンポジット素材から、押圧部位に予め所定の曲率を有する予備形状片を成形し、当該予備形状片の前記押圧部位を加熱押圧成形して光路差付与構造を有する光学面を創生するため、予め光学素子の概略形状を有する予備形状片を成形しておき、その後、加熱押圧成形により、押圧部位に光路差付与構造を有する光学面を創生するという微細構造を成形することとなり、2段階で所望の最終形状を成形し、確実に所望の光学素子を成形することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の光学素子の製造方法において、
前記予備形状片を射出成形によって成形することを特徴としている。
請求項2に記載の発明によれば、前記予備形状片を射出成形によって成形するため、予備形状片を成形する際に、作業効率の良い従来と同様の射出成形方法が使用でき、成形装置のコストダウンも図ることができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の光学素子の製造方法において、
前記予備形状片にフランジ部を設けることを特徴としている。
請求項3に記載の発明によれば、前記予備形状片にフランジ部を設けるため、後の加熱押圧成形の際などに位置決めがし易くなり、製品の良品率を向上させることができると共に、作業効率を向上させることができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の光学素子の製造方法において、
前記加熱押圧成形を複数回行って光路差付与構造を有する光学面を創生することを特徴としている。
請求項4に記載の発明によれば、前記加熱押圧成形を複数回行って光路差付与構造を有する光学面を創生するため、ナノコンポジット素材の流動性がかなり低い場合でも、光路差付与構造を有する光学面を含めた微細構造を成形することができ、さらに確実に所望の光学素子を成形することができる。
請求項5に記載の発明は、光学素子において、
請求項1〜4のいずれか一項に記載の光学素子の製造方法により成形されたことを特徴としている。
請求項5に記載の発明によれば、請求項1〜4のいずれか一項に記載の光学素子の製造方法により成形された光学素子であることから、精度の良い光学素子となり、光ピックアップ装置等に対して必要な作用を提供することができる。
本発明によれば、確実かつ効率良く光路差付与構造を有する所望の光学素子を成形することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。ただし、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、発明の範囲は以下の実施形態に限定されるものではない。
本実施形態のナノコンポジット素材は、光学樹脂として用いられるものであり、メタノール滴定試験による疎水化度が50%以上であり、粒子径が1nm以上30nm以下である微粒子をシクロオレフィン系ポリマーに混合して得られるものである。
前記シクロオレフィン系ポリマーとしては、モノマーとしてノルボルネンを用いている日本ゼオン(株)製のゼオネックス、三井化学(株)製のトーパス及びアペル、JSR(株)製のアートンなどが挙げられる。これらのポリマーは、一般的な汎用ポレオレフィンと比較して水分透過率が低く、またガラス転移温度が高いことから熱安定性に優れていることが知られている。ただし、本発明のナノコンポジット素材に用いることができるものとしては、これらの樹脂に限定されるものではない。
前記微粒子としては無機微粒子を用いる。プラスチック樹脂中にナノレベルの微粒子を分散させることにより、アサーマル性、高屈折性、低複屈折性等の効果を得ることができる。
無機微粒子としては、例えば、酸化物微粒子、硫化物微粒子、セレン化物微粒子、テルル化物微粒子、燐化物、複酸化物微粒子、オキソ酸塩微粒子、複塩微粒子、錯塩微粒子等が挙げられる。より具体的には、例えば、シリカ、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウム、酸化イットリウム、酸化ランタン、酸化セリウム、酸化インジウム、酸化錫、酸化鉛、これら酸化物より構成される複酸化物であるニオブ酸リチウム、ニオブ酸カリウム、タンタル酸リチウム等、これら酸化物との組み合わせで形成されるリン酸塩、硫酸塩等、硫化亜鉛、硫化カドミウム、セレン化亜鉛、セレン化カドミウム、等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
また、無機微粒子としては、半導体結晶組成の微粒子も好ましく利用できる。該半導体結晶組成には、特に制限はないが、光学素子として使用する波長領域において吸収、発光、蛍光等が生じないものが望ましい。具体的な組成例としては、例えば、炭素、ケイ素、ゲルマニウム、錫等の周期表第14族元素の単体、リン(黒リン)等の周期表第15族元素の単体、セレン、テルル等の周期表第16族元素の単体、炭化ケイ素(SiC)等の複数の周期表第14族元素からなる化合物、酸化錫(IV)(SnO)、硫化錫(II、IV)(Sn(II)Sn(IV)S)、硫化錫(IV)(SnS)、硫化錫(II)(SnS)、セレン化錫(II)(SnSe)、テルル化錫(II)(SnTe)、硫化鉛(II)(PbS)、セレン化鉛(II)(PbSe)、テルル化鉛(II)(PbTe)等の周期表第14族元素と周期表第16族元素との化合物、窒化ホウ素(BN)、リン化ホウ素(BP)、砒化ホウ素(BAs)、窒化アルミニウム(AlN)、リン化アルミニウム(AlP)、砒化アルミニウム(AlAs)、アンチモン化アルミニウム(AlSb)、窒化ガリウム(GaN)、リン化ガリウム(GaP)、砒化ガリウム(GaAs)、アンチモン化ガリウム(GaSb)、窒化インジウム(InN)、リン化インジウム(InP)、砒化インジウム(InAs)、アンチモン化インジウム(InSb)等の周期表第13族元素と周期表第15族元素との化合物(あるいはIII−V族化合物半導体)、硫化アルミニウム(Al)、セレン化アルミニウム(AlSe)、硫化ガリウム(Ga)、セレン化ガリウム(GaSe)、テルル化ガリウム(GaTe)、酸化インジウム(In)、硫化インジウム(In)、セレン化インジウム(InSe)、テルル化インジウム(InTe)等の周期表第13族元素と周期表第16族元素との化合物、塩化タリウム(I)(TlCl)、臭化タリウム(I)(TlBr)、ヨウ化タリウム(I)(TlI)等の周期表第13族元素と周期表第17族元素との化合物、酸化亜鉛(ZnO)、硫化亜鉛(ZnS)、セレン化亜鉛(ZnSe)、テルル化亜鉛(ZnTe)、酸化カドミウム(CdO)、硫化カドミウム(CdS)、セレン化カドミウム(CdSe)、テルル化カドミウム(CdTe)、硫化水銀(HgS)、セレン化水銀(HgSe)、テルル化水銀(HgTe)等の周期表第12族元素と周期表第16族元素との化合物(あるいはII〜VI族化合物半導体)、硫化砒素(III)(As)、セレン化砒素(III)(AsSe)、テルル化砒素(III)(AsTe)、硫化アンチモン(III)(Sb)、セレン化アンチモン(III)(SbSe)、テルル化アンチモン(III)(SbTe)、硫化ビスマス(III)(Bi)、セレン化ビスマス(III)(BiSe)、テルル化ビスマス(III)(BiTe)等の周期表第15族元素と周期表第16族元素との化合物、酸化銅(I)(CuO)、セレン化銅(I)(CuSe)等の周期表第11族元素と周期表第16族元素との化合物、塩化銅(I)(CuCl)、臭化銅(I)(CuBr)、ヨウ化銅(I)(CuI)、塩化銀(AgCl)、臭化銀(AgBr)等の周期表第11族元素と周期表第17族元素との化合物、酸化ニッケル(II)(NiO)等の周期表第10族元素と周期表第16族元素との化合物、酸化コバルト(II)(CoO)、硫化コバルト(II)(CoS)等の周期表第9族元素と周期表第16族元素との化合物、四酸化三鉄(Fe)、硫化鉄(II)(FeS)等の周期表第8族元素と周期表第16族元素との化合物、酸化マンガン(II)(MnO)等の周期表第7族元素と周期表第16族元素との化合物、硫化モリブデン(IV)(MoS)、酸化タングステン(IV)(WO)等の周期表第6族元素と周期表第16族元素との化合物、酸化バナジウム(II)(VO)、酸化バナジウム(IV)(VO)、酸化タンタル(V)(Ta)等の周期表第5族元素と周期表第16族元素との化合物、酸化チタン(TiO、Ti、Ti、Ti等)等の周期表第4族元素と周期表第16族元素との化合物、硫化マグネシウム(MgS)、セレン化マグネシウム(MgSe)等の周期表第2族元素と周期表第16族元素との化合物、酸化カドミウム(II)クロム(III)(CdCr)、セレン化カドミウム(II)クロム(III)(CdCrSe)、硫化銅(II)クロム(III)(CuCr)、セレン化水銀(II)クロム(III)(HgCrSe)等のカルコゲンスピネル類、バリウムチタネート(BaTiO)等が挙げられる。なお、G.Schmidら;Adv.Mater.,4巻,494頁(1991)に報告されている(BN)75(BF2)1515や、D.Fenskeら;Angew.Chem.Int.Ed.Engl.,29巻,1452頁(1990)に報告されているCu146Se73(トリエチルホスフィン)22のように構造の確定されている半導体クラスターも同様に例示される。
これらの微粒子は、1種類の無機微粒子を用いてもよく、また複数種類の無機微粒子を併用してもよい。また、複合組成の無機微粒子を用いることも可能である。
また、微粒子の粒子径は光学樹脂用途としての透明性を得るためには1nm以上30nm以下であることが必要であり、望ましくは1nm以上20nm以下であり、さらに望ましくは1nm以上10nm以下である。
また、無機微粒子の屈折率としては、1.3以上2.3以下の範囲であることが好ましく、1.5以上1.8以下の範囲であることがより好ましい。
これらの粒子は、それぞれ表面処理をしていてもよく、表面処理方法としては、気相中での処理、ジェットミルで粉砕しながらの処理などが用いることができ、もっとも好ましくは媒体攪拌ミルを用いて表面処理することである。
前記表面処理に用いる表面処理剤は一官能の表面処理剤であり、Si−O−Siの結合を粒子表面との間に形成するものである。具体的には、トリメチルクロロシラン、トリエチルクロロシラン、タートブチルジメチルクロロシラン、トリメチルシリルアルコールヘキサメチルシラザンを用いる事ができる。また、片末端型の反応性のシリコンオイルも好ましく使うことができる。この様なシリコンオイルとしては信越化学工業(株)製X−22−170DXなどがある。また、これらの表面処理剤を混合、または重複して用いても良い。一般的なトリメトキシシランなど反応性の官能基が2つ以上である表面処理剤は、未反応の官能基が必ず残り、凝集の原因となる。
溶媒としては、水、エタノール、メタノール、メトキシエタノール、イソプロピルアルコールなどの各種アルコール類、ベンゼン、トルエン、パラフィン、MEK、ヘキサン、キシレン、シクロへキサンなどの溶媒を、粒子の分散性や安定性、また、表面処理剤の特性に応じて、単独、あるいは二種類以上混合して、使い分けて用いることが可能である。
表面処理装置の媒体攪拌ミルとは、容器内にメディアとしてビーズを充填し、攪拌されているビーズ中に粒子と媒体からなるスラリーを流し込むことによって凝集粒子を砕いて粉砕、分散する工程を有する装置である。また、スラリーとビーズの分離に遠心分離を用いることが特徴である。このような媒体攪拌ミルとしては、アシザワファインテック(株)製 スターミルZRS 寿工業(株)製 ウルトラアペックスミルなどがある。遠心分離によるビーズの分離により、超微粒子を一次粒子に近い粒子径まで粉砕することが可能である。この媒体攪拌ミルで用いるビーズとしては、ガラス、アルミナ、スチール、ダイヤモンド、フリント石などを用いることができるが、東ソー株式会社のジルコニア粉末 TZシリーズが好ましい。また、ビーズの粒子径としては0.03mmから0.3mm程度のものが好ましい。
微粒子の疎水化度は、以下のように求めることができる。
まず、粉体0.2gを50mlの水に添加して、メタノールをビューレットから、粉体全量が懸濁するまで加える。ここで、加えたメタノールの容量をVmlとするとき、次式(1)から疎水化度を求める。
式(1):疎水化度=V/(50+V)×100
上記のナノコンポジット素材に対して、粉体を混練したとき、疎水化度が50%未満では混練した樹脂は白濁しており光学樹脂としての使用に耐えないものであった。これは、粒子と樹脂との界面のの分離によるものと考えられる。したがって、粉体は疎水化度が50%以上である事が必要である。
次に、本実施形態に係るナノコンポジット素材の製造方法について説明する。
ナノコンポジット素材の製造方法としては、まず、火炎法などで作られた粒子に、気相中でシランカップリング剤を噴霧するなどの方法で一次処理する。続いて、上記媒体攪拌ミルを用いて、表面処理剤と共に一次粒子近くまで粉砕を行い、それと共に二次表面処理を行う。一次処理に用いる表面処理剤と二次処理に用いる表面処理剤は同じでも、異なってもよい。これらの操作により、一次粒子に近い状態で表面処理されたスラリーを得ることができる。つづいて、粉体として利用する場合は、減圧下で適切な過熱を行い、溶媒と余分な表面処理剤を取り除く。つづいて、ジェットミルやピンミルで粉砕を行う。これを混ぜ込みたい熱可塑性樹脂とバンバリーミキサーのようなバッチ式混練機、単軸押出機、二軸押出機、連続ミキサーを用いて混練する。スラリー状のまま粒子を直接樹脂に練りこむ場合としては、溶解した樹脂、もしくは、膨潤した樹脂とスラリーをミキサーを用いて混合する。つづいて、用いた溶媒を取り除く。これらの操作により、光学樹脂組成物としてのナノコンポジット素材を得ることができる。
本実施形態によって得られる光学樹脂用粉体は、一次粒子に近い状態で表面処理されており、樹脂中での分散性に優れる。また、粉体として取り出した際も、官能基が一つしかない表面処理剤を用いているために粉砕後の再凝集が起こり難く、混練時の粒子の分散性に優れている。また、一次粒子に近い状態で表面処理されているため、熱履歴を経ても粒子同士が樹脂中で凝集することがなく優れた透明性を保つ。
次に、上記説明したナノコンポジット素材から作製される光学素子の製造方法について説明する。
本発明に係る光学素子は、まず、ナノコンポジット素材(ナノコンポジット素材単独の場合もあれば、ナノコンポジット素材と添加剤との混合物の場合もある)が調製され、次いで、得られた調製物が成形されたものである。
ナノコンポジット素材の成形物は、ナノコンポジット素材を成形して得られる。成形方法としては、ナノコンポジット素材から、押圧部位(後述する加熱押圧成形において押圧する部位を指す)に予め所定の曲率を有する予備形状片を成形した後、当該予備形状片の前記押圧部位を加熱押圧成形することにより光路差付与構造を有する光学面を創生して光学素子の最終的な形状に成形するようになっている。なお、予備形状片を成形する際には、低複屈折性、機械強度、寸法精度等の特性に優れた成形物を得る為には溶融成形が好ましい。溶融成形法としては、例えば、公知のプレス成形、公知の射出成形等が挙げられるが、射出成形が成形性、生産性の観点から好ましい。
また、曲面を有する略レンズ形状の予備形状片を成形する際に、レンズ光軸方向に対して垂直方向に突出するフランジ部を備えるように成形すると良い。当該フランジ部を備えていると、予備形状片を加熱押圧成形する際に、位置決め用に使用することができ、位置決めが容易となり、製品の精度、良品率が向上するという効果を生じる。さらに、光学素子として機器に組み込む際の位置決めとしても有効である。なお、光学素子の予備形状片の形状としては、前記したように曲面を有する略レンズ形状であることが後の作業効率の点から好ましいが、この曲面としては凹凸の両方がある場合、片面が曲面でもう片面が平面である場合、両面曲面である場合、両面曲面でかつ両面の曲率が異なる場合等が考えられる。
予備形状片の成形条件は使用目的、または成形方法により適宜選択されるが、例えば、射出成形におけるナノコンポジット素材(ナノコンポジット素材単独の場合またはナノコンポジット素材と添加物との混合物の場合の両方がある。)の温度は、成形時に適度な流動性をナノコンポジット素材に付与して成形品のヒケやひずみを防止し、ナノコンポジット素材の熱分解によるシルバーストリークの発生を防止し、更に、成形物の黄変を効果的に防止する観点から150℃〜400℃の範囲が好ましく、更に好ましくは200℃〜350℃の範囲であり、特に好ましくは200℃〜330℃の範囲である。
成形物は、球状、棒状、板状、円柱状、筒状など種々の形態で使用することができ、また、低複屈折性、透明性、機械強度、耐熱性、低吸水性に優れる。そのため、本発明に係る光学素子は光学用樹脂レンズとして好適に用いることができ、その他の光学部品としても好適に用いることができる。
次に、予備形状片を加熱押圧成形して最終形状の光学素子を得る際の成形方法について図面を用いて説明する。図1は、本実施形態に係る光学素子の製造方法における加熱押圧成形を実施する成形装置の概略構成図である。ヒータHを内蔵した上型1は、下面に光学転写面1aと、その周囲の周囲面部1bとを有しており、筐体2の上部に取り付けられている。同様にヒータHを内蔵した下型3は、上面に光学転写面3aと、その周囲の周囲面部3bとを有しており、上型1に対向して配置されている。光学転写面1a,3aの表面粗さは、Raで0.3nm以上30nm以下である。
下型3は、駆動部4に取り付けられ、上型1に近接する方向に移動可能に保持されている。駆動部4と、筐体2とは、蛇腹5で連結されている。尚、一対の型部材である上型1と下型3とで成形型を構成する。上型1及び下型3の表面温度は、不図示の温度計で計測できる。
筐体2は、開閉自在な搬入扉2aと搬出扉2bとを有しており、筐体2の内部が成形室となっている。又、筐体2は配管C及びバルブVを介してリザーバータンクTに接続されている。リザーバータンクTは、真空ポンプPにより減圧されるようになっている。バルブVは3ウェイであり、第1の位置に移動したときに、筐体2内とリザーバータンクTとを連通させ、第2の位置に移動したときには、筐体2内と大気とを、0.5ミクロンメッシュのフィルターFを介して連通するようになっている。尚、成形装置全体は、ガラスを張ったフレームに覆われたクリーンルームR内に収容しても良いが、成形装置全体をクリーンルームRで覆うと、ゴミの発生源が増えて除塵の効果が薄くなる。そこで、少なくとも筐体2(或いはそれに加えて不図示の搬送装置)を遮蔽体R1で囲うようにすれば、その内部をクラス1000以下とすることが容易にできる。又、成形装置の周囲は除電されていると好ましい。
なお、離型性に優れた成形型とするため、成形型は、以下のような構成であると良い。
成形型は、金属、ガラス、セラミックス、プラスチック樹脂等いかなる材料から構成されていてもよく、ナノコンポジット素材の種類および硬化条件(温度、活性エネルギー線照射)等を勘案し適宜選定される。得られる光学素子の表面平滑性、成形型の取り扱い性、活性エネルギー線を透過する点からガラスでできた成形型が好ましく用いられる。ガラスとしては、アルカリガラス、石英ガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、フロートガラス、テンパレックス(登録商標)ガラスなどが挙げられる。
成形型を構成するガラスは、その表面が強化処理されたガラスが、成形型の強度の点から好ましい。強化処理されたガラスとしては、熱強化ガラス;硝酸カリウム、硝酸リチウム等で表面イオン置換処理を施したケミカル強化ガラス;ITO,Sn2O3,SIO2,TiO2等の処理を施したガラス等が挙げられ、特にケミカル強化ガラスが好ましく用いられる。また、得られる光学素子の表面平滑性が求められる場合には、研磨を行ったガラスが好ましく用いられる。研磨ガラスとしては、表面平滑度(Ra)が500〜10nmのものが挙げられる。
成形型の表面の正イオン分析は、飛行時間型二次質量イオン分析計(TOF−SIMS)により行い、好ましくは、ION−TOF社製ToF−SIMS−IV装置が用いられる。測定条件は、一次イオンとしてGaを用い、一次イオン加速エネルギー25keV、一次イオン電流0.5pA、パルス幅〜0.7nsec、300μm角走査二次イオン正イオン測定、積算240secで行う。
また、成形型の表面に特定のフッ素含有化合物が存在する。具体的には、成形型の表面、好ましくは成形型のナノコンポジット素材と接する表面を、上記分析装置により正イオン分析を行った結果、次の(1)〜(3)の条件を満たす。
(1)全正イオンの検出強度の合計を1と(正規化)したときに、CF フラグメントイオンの検出強度が0.05以上、好ましくは0.1以上である。このフラグメントイオンの検出強度は大きいほうが好ましい。このフラグメントイオンの検出強度が小さすぎると、初期の離型性が劣る。
(2)CF フラグメントイオンの検出強度を1と(正規化)したときに、C フラグメントイオンおよびC フラグメントイオンの少なくとも一方の検出強度が0.1以上、好ましくは0.4以上、特に好ましくは1以上である。好ましくは、C フラグメントイオンおよびC フラグメントイオンの両方の検出強度が0.1以上、好ましくは0.4以上、特に好ましくは1以上である。これらのフラグメントイオンの検出強度は大きいほうが好ましい。C フラグメントイオンおよびC フラグメントイオンは、光学素子と成形型の離型性に関与し、これらのフラグメントイオンの検出強度が小さすぎると、光学素子の成形型との離型性が劣る。
(3)CF フラグメントイオンの検出強度を1と(正規化)したときに、CFOフラグメントイオンの検出強度が0.1以上、好ましくは0.2以上、特に好ましくは0.4以上である。このフラグメントイオンの検出強度も大きい方が好ましい。CFOフラグメントイオンは、繰り返し離型性に関与し、このフラグメントイオンの検出強度が小さすぎると、繰り返し離型性が低下する。
さらに、成形型は、上記の(1)〜(3)に加え、次の条件(4)を満足するものであることが好ましい。
(4)CF フラグメントイオンの検出強度を1と(正規化)したときに、Cフラグメントイオン、CフラグメントイオンおよびCフラグメントイオンの合計の検出強度が、通常0.05以上、好ましくは0.1以上、特に好ましくは0.2以上である。これらのフラグメントイオンの検出強度の合計は大きい方が好ましい。これらのフラグメントイオンは、繰り返し離型性に関与し、これらのフラグメントイオンの検出強度の合計が小さすぎると、繰り返し離型性が悪化する恐れがある。
このような成形型は、例えば、成形型の表面に、フッ素含有化合物、シリコン系化合物、アルキル系化合物およびこれらの混合物を塗布し、フッ素含有化合物を有する層を形成する方法、真空蒸着、スパッタリング、CVD等による無溶剤処理を行う方法、フッ素含有化合物を真空蒸着、スパッタリング、CVD等により成形型の表面に化学反応させる方法などが挙げられる。このようにして得られる、フッ素含有化合物を有する層あるいは膜の厚さは、通常0.1μm以下、通常は0.01μm以下である。
本実施形態の成形型においては、単に特定のフッ素含有化合物を成形型の表面に存在させればよいのではなく、TOF−SIMS(飛行時間型二次イオン質量分析計)で分析した時の各フラグメントイオンの検出強度が特定の範囲であるように、成形型の表面に存在させることにより、優れた脱型性をもち、かつ、脱型性を長期間維持できることを見出したものである。
ここで用いられるフッ素含有化合物としては、旭硝子社製「サイトップCTL−107M」、ダイキン工業社製「オプツールDSX」などの化合物、すなわち、含フッ素ポリマーが挙げられる。成形型表面にフッ素含有化合物を有する層または膜を形成するに先立ち、成形型表面は、SiO2,ITOなどのスパッタリングなどにより表面を改質したり、界面活性剤を用いた洗浄、フッ酸及びアルカリ溶液を用いた洗浄、炭酸カルシウム、などの無機粒子による研磨などにより、成形型表面を清浄化することにより、成形型とフッ素含有化合物との接着性を向上させてもよい。
フッ素含有化合物を含む組成物の塗布によりフッ素含有化合物を含む層を形成する方法が簡便なので好ましく用いられ、具体的には、成形型の表面に、フッ素含有化合物を含む組成物を塗布し、乾燥することによりフッ素含有化合物を含む層が形成される。塗布方法としては、公知の塗布方法、例えば、スプレー塗装、スピン塗装、浸漬塗装、ロールコート塗装、グラビアコート塗装、カーテンフロー塗装等を用いることができる。
フッ素含有化合物の塗布に用いられる組成物は、フッ素含有化合物の溶液、懸濁液または分散液が挙げられる。この組成物は、通常、溶剤を含有する。溶剤としては、フッ素含有化合物を分散、溶解または懸濁することができれば特に限定されないが、好ましくは、パーフルオロヘキサン、パーフルオロ−1,3−ジメチルシクロヘキサン、ジクロロペンタフルオロプロパン(HCFC−225)等のフッ素系溶媒、エタノール等のアルコールなどを挙げることができる。
この組成物には、フッ素含有化合物の他に、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、カーボン、セメント等の微粉末充填剤、チタン、アルミニウム、ケイ素等のアルコキシド、その他の低分子量ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体等のフッ素樹脂の微粉末等を、硬度調整剤又は増量剤等として添加してもよい。また、公知の架橋剤を加えることにより、硬度調整を行ってもよい。
次に、本実施形態の成形装置を用いて行う光学素子の加熱押圧成形方法について説明する。まず、100リットルのリザーバータンクTを用意し、その内部を真空ポンプPで常に0.01気圧程度に減圧する。次に、成形室の外側で、予備形状片Gの押圧部位を所定の温度まで加熱する。それと並行して、ヒータHにより、上型1と下型3とを加熱する。
予備形状片Gの押圧部位の温度が、所定の温度になるまで、加熱軟化させる。一方、上型1の表面温度が、所定の温度になるまでヒータHを加熱し、かつ下型3の表面温度が、所定の温度になるまでヒータHを加熱する。尚、予備形状片Gの押圧部位の温度と、上型1と下型3の温度については、ナノコンポジット素材の種類等により任意の値を選択できる。
各部が所定の温度になったとき、筐体2の搬入扉2aを開放して、予備形状片Gを下型3の光学転写面(キャビティ)3a上に投入する。その際、前記射出成形において形成されたフランジ部FLを下型3の所定位置に合わせることで容易に押圧部位の位置決めを行うことができる。
投入後、搬入扉2aを閉じて、バルブVを第1の位置へと移動させる。それにより、筐体2における成形室内の雰囲気は、瞬時にリザーバータンクTへと吸引され、真空に近い状態になる。実験では、約0.2秒で成形雰囲気を0.05気圧程度まで減圧でき、そのまま維持することが出来ることがわかった。
かかる状態から、駆動部4を駆動して、下型3を上型1に接近させ、プレスを行う。予備形状片Gを成形型のキャビティに投入してからプレス開始までの時間は0.5秒であった。プレス力のかけ方の一例としては、プレス開始後0.5秒以内に400N(57.5N/mm)を一気にかけて軟化した予備形状片Gを光学転写面1a,3aに一気に押しつけ、プレス開始から1秒後に250N(32.5N/mm)、2秒後に200N(26N/mm)、3秒後に150N(21N/mm)としてプレスが完了する10秒後まで、このプレス力を維持するようにできる。尚、プレス力とプレス時間とは、任意の値を選択できる。本実施形態では、予備形状片の押圧部位が所定の曲率の曲面を有するレンズ形状となっており、加熱押圧成形によって当該レンズ形状の曲面の曲率よりも大きな曲率を与えて光学素子の最終形状になるようにされている。また、光学転写面によって転写される光路差付与構造としては、回折構造、波長選択回折構造(DOE)、位相差付与構造(NPS)等が挙げられる。
その後、駆動部4を駆動して下型3を上型1から引き離す。この時点で、バルブVを第2の位置へと移動させ、筐体2内にフィルターFを介した大気を導入する。実験では、大気導入までにかかる所要時間は1秒程度であることがわかった。続いて搬出扉2bを開放し、不図示の搬出装置により成形された光学素子を取り出す。以上で、成形の1サイクルが完了する。
なお、本実施形態では、1回の加熱押圧成形によって光学素子の曲面の曲率を大きくすると共に光路差付与構造の転写も行っていたが、これに限るものではない。例えば、予備形状片が、押圧部位に予め最終形状の曲率を有するように成形されており、加熱押圧成形により曲率は変化させず、当該押圧部位に光路差付与構造を転写するのみを行うようになっていても良い。さらに、流動性の低いナノコンポジット素材を光学素子に成形する場合には、予備形状片を複数回加熱押圧成形することで最終形状の光学素子にする方法が挙げられる。例えば、3回の加熱押圧成形を行って所望の光学素子を成形する場合、まず、所定の曲率に成形された予備形状片の曲率を、1回目の加熱押圧成形で、ある程度の曲率まで大きくし、2回目の加熱押圧成形で、最終形状の曲率まで大きくする。そして、3回目の加熱押圧成形で、押圧部位に光路差付与構造を転写する。このようにすると、流動性の低い素材でも、光路差付与構造などの微細構造を有する光学素子を確実に成形することができる。なお、回折構造等の光路差付与構造は、ほんの少しの光軸のずれも光学素子の性能に大きく影響するため、光路差付与構造を成形するための加熱押圧成形を複数回に分けて行うことはしないものとする。光学素子の両面に光路差付与構造を有する場合についても同様であり、この場合は1回の加熱押圧成形で、光学素子の両面に同時に光路差付与構造を成形するようにする。また、本実施形態では、加熱押圧成形で回転対称な面を創生したが、これに限るものではなく、光学素子の用途等により加熱押圧成形で回転非対称な面を創生するようになっていても良い。
本発明に係る光学素子は、上記の製造方法により得られるが、光学部品への具体的な適用例としては、以下のようである。
例えば、光学レンズや光学プリズムとしては、カメラの撮像系レンズ;顕微鏡、内視鏡、望遠鏡レンズなどのレンズ;眼鏡レンズなどの全光線透過型レンズ;CD、CD−ROM、WORM(追記型光ディスク)、MO(書き変え可能な光ディスク;光磁気ディスク)、MD(ミニディスク)、DVD(デジタルバーサタイルディスク)などの光ディスクのピックアップレンズ;レーザビームプリンターのfθレンズ、センサー用レンズなどのレーザ走査系レンズ;カメラのファインダー系のプリズムレンズなどが挙げられる。
光ディスク用途としては、CD,CD−ROM,WORM(追記型光ディスク)、MO(書き変え可能な光ディスク;光磁気ディスク)、MD(ミニディスク)、DVD(デジタルバーサタイルディスク)などが挙げられる。その他の光学用途としては、液晶ディスプレイなどの導光板;偏光フィルム、位相差フィルム、光拡散フィルムなどの光学フィルム;光拡散板;光カード;液晶表示素子基板などが挙げられる。
これらの中でも、低複屈折性が要求されるピックアップレンズやレーザ走査系レンズとして好適であり、ピックアップレンズに最も好適に用いられる。
以上のように、本実施形態の光学素子の製造方法によれば、プラスチック樹脂中に微粒子を分散させたナノコンポジット素材を光学素子に成形する光学素子の製造方法において、前記ナノコンポジット素材から、押圧部位に予め所定の曲率を有する予備形状片を成形し、当該予備形状片の前記押圧部位を加熱押圧成形して光路差付与構造を有する光学面を創生するため、予め光学素子の概略形状を有する予備形状片を成形しておき、その後、加熱押圧成形により、押圧部位に光路差付与構造を有する光学面を創生するという微細構造を成形することとなり、2段階で所望の最終形状を成形し、確実に所望の光学素子を成形することができる。
また、本実施形態では、前記予備形状片を射出成形によって成形するため、予備形状片を成形する際に、作業効率の良い従来と同様の射出成形方法が使用でき、成形装置のコストダウンも図ることができる。
さらに、本実施形態では、前記予備形状片にフランジ部を設けるため、後の加熱押圧成形の際などに位置決めがし易くなり、製品の良品率を向上させることができると共に、作業効率を向上させることができる。
また、前記加熱押圧成形を複数回行って光路差付与構造を有する光学面を創生すると、ナノコンポジット素材の流動性がかなり低い場合でも、光路差付与構造を有する光学面を含めた微細構造を成形することができ、さらに確実に所望の光学素子を成形することができる。
以上のような光学素子の製造方法によれば、確実かつ効率良く光路差付与構造を有する所望の光学素子を成形することができる。
さらに、以上のような光学素子の製造方法により成形された光学素子であれば、精度の良い光学素子となり、光ピックアップ装置等に対して必要な作用を提供することができる。
なお、本発明は、前記実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良並びに設計の変更を行っても良い。
本実施形態にかかる光学素子の製造方法を実施する成形装置の概略構成図である。
符号の説明
1 上型
1a 光学転写面
1b 周囲面部
2 筐体
2a 搬入扉
2b 搬出扉
3 下型
3a 光学転写面
3b 周囲面部
5 蛇腹
C 配管
F フィルター
FL フランジ部
G 予備形状片
H ヒータ
P 真空ポンプ
R クリーンルーム
T リザーバータンク
V バルブ

Claims (5)

  1. プラスチック樹脂中に微粒子を分散させたナノコンポジット素材を光学素子に成形する光学素子の製造方法であって、
    前記ナノコンポジット素材から、押圧部位に予め所定の曲率を有する予備形状片を成形し、当該予備形状片の前記押圧部位を加熱押圧成形して光路差付与構造を有する光学面を創生することを特徴とする光学素子の製造方法。
  2. 前記予備形状片を射出成形によって成形することを特徴とする請求項1に記載の光学素子の製造方法。
  3. 前記予備形状片にフランジ部を設けることを特徴とする請求項1又は2に記載の光学素子の製造方法。
  4. 前記加熱押圧成形を複数回行って光路差付与構造を有する光学面を創生することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の光学素子の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の光学素子の製造方法により成形されたことを特徴とする光学素子。
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