JP2006343128A - ドリル刃の動振れ測定方法 - Google Patents

ドリル刃の動振れ測定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 チャッキングされたドリル刃が高速に回転している場合であってもチャッキング状態の如何によらずその動振れ幅を光学的にしかも確実に検出することのできるドリル刃の動振れ測定方法を提供する。
【解決手段】 複数の受光セルを一方向に所定のピッチで配列したラインセンサと、このラインセンサの複数の受光セルに向けて単色光を投光する光源と、軸方向を受光セルの配列方向と略直角にして単色発散光の光路に位置付けられて回転すると共に、軸方向に移動するドリル刃の径を、ラインセンサの出力を解析して求める演算部を具備し、演算部は、ドリル刃をその軸方向に移動させながら回転させたとき、ドリル刃のエッジがラインセンサの受光面を変位する最大変位幅の計測値からドリル刃がラインセンサを遮光する最大遮光幅の計測値を引いてドリル刃の動振れ幅を求める。
【選択図】 図1

Description

本発明は、その軸心が支持されて高速度に回転駆動されるドリル刃の動振れを光学的に、しかも簡易に検出可能なドリル刃の動振れ測定方法に関する。
近時、プリント回路基板の高密度実装化に伴い、その多層化が図られており、またプリント回路基板にスルーホールを形成して複数の層間を電気的に接続することも行われている。このようなスルーホールは、専ら、例えば直径が50〜100μm程度の微小なドリル刃を用い、このドリル刃を高速回転させてプリント回路基板に所定深さの孔を穿いて形成される。この際、所定径のドリル刃を選択して用いることは勿論のこと、このドリル刃を芯ぶれ(動振れ)のない状態でドリルのチャックに装着し、更にはドリル刃の先端位置を正確に把握して所定の深さまで孔を穿つことが重要である。しかしながらこの種の微小径のドリル刃の径(ドリル刃径)を機械的に計測したり、その芯ぶれ(動振れ)の有無等を機械的に確認したりすることは一般的には非常に困難であり、通常、光学的な計測手段が用いられる(例えば特許文献1,2,3を参照)。
しかしながら特許文献1,2,3に示されるようなドリル刃の光学的な計測手法は、ドリル刃による光の遮光を利用してその遮光幅をラインセンサ等により計測しているだけであり、直径が200μm以下の微小径のドリル刃の径等を正確に計測することが困難であった。
これに対して本発明者は先にフレネル回折を生じた光の回折パターン(強度分布)をハイパボリックセカント関数sech(x)によって近似した近似式を用いて、そのエッジ位置を簡易にしかも高精度に求める手法を提唱した(例えば特許文献4を参照)。また本発明者は、複数の受光セルが一方向に所定ピッチで配列されたラインセンサに向けて単色平行光を発する光源が照射する光路中に位置付けた高速度に回転駆動されるドリル刃等の棒状体の芯ぶれを光学的に、しかも簡易に検出可能とする方法を提唱した(例えば特許文献5を参照)。或いは発明者はラインセンサの出力からその光路中に位置付けられた遮蔽物のエッジ位置を、簡易にしてしかも精度良く検出することのできるエッジ検出装置も提唱している(例えば特許文献6を参照)。
特開2003−170335号公報 特開平7−306020号公報 特開平7−260425号公報 特願2002−345958号 特願2004−36632号 特願2004−36634号
ところでドリル刃は、一般には例えば図4(a)に示したように二つの刃部7aが螺旋状に捲き廻された所謂、二重螺旋構造が取られている。したがって矢視A−A方向から見たドリル刃7の断面形状は、図4(b)に示されるような二つの刃部7aが突出して鍵状に扁平したものとなっている。このような断面形状を有するドリル刃7の動振れを計測すべく上述した特許文献5に示されるようなレーザ放射光(発散光)を利用した芯ぶれ検出装置を適用した場合、ドリル刃7が動振れしていないにもかかわらず動振れがあるものと検出されることがある。
つまり上述した芯ぶれ検出装置は、概略的には図5に示されるように一方向に所定のピッチで配列した複数の受光セルを備えたラインセンサ(受光部)1と、このラインセンサ1の受光面に対峙して設けられて該ラインセンサ1の複数の受光セルの全幅に向けて単色光を投光する点光源2a(例えばレーザダイオード)とを備えて構成される。ちなみにラインセンサ1は、例えば102個の受光セルを85μmのピッチで配列し、長辺8.7mm×短辺0.08mmの受光面を形成したものからなっている。
このように構成された芯ぶれ検出装置において、点光源2aとラインセンサ1との間の光路中の所定位置に配置されたドリル刃7が回転することによって、図5(a)に示したようにドリル刃7の二つの刃部7a(エッジ位置)とラインセンサ1との距離は、不一致となる。したがって、それぞれの刃部7aの拡大率が異なることになる。
より具体的にドリル刃7の二つの刃部7a(エッジ位置)の光軸方向の差をφh、光軸に直角方向の差をφvとすれば、点光源2a近傍側のドリル刃7の刃部7aとラインセンサ1との距離Zは、点光源2aとラインセンサ1との距離をSD、ドリル刃7とラインセンサ1との距離をWDとすれば、
=WD+φh/2
であり、ラインセンサ1の受光面近傍側のドリル刃7とラインセンサ1との距離Zは、
=WD−φh/2
である。すると投光部2近傍側のドリル刃7のエッジにおける拡大率Mおよびラインセンサ1に近い側のドリル刃7のエッジにおける拡大率Mは、それぞれ、
=SD/(SD−Z
=SD/(SD−Z
となる。したがって、ラインセンサ1の受光面上における遮蔽長さ2Dは、
2D=φv/2×M+φv/2×M
になる。よって、センタ位置のずれΔDは、
ΔD=(φv×M+φv×M)/4−φv/2×M
となる。このためドリル刃7のセンタ位置は、真のドリル刃7のセンタ位置からΔDだけずれることになり、正しいセンタ位置を検出することができないという問題がある。
或いは、チャックに装着(チャッキング)されたドリル刃7は、そのチャッキングの状態によって同じ動振れ幅であっても異なった動振れ幅が測定されることがある。これは、恒星の周囲における所定の軌道上を衛星が公転することに相当するドリル刃7の動振れと、衛星の自転に相当するドリル刃7の回転とが同期していることに由来する。例えば図6、図7は、それぞれ同じ動振れ幅であるにもかかわらず、図6に示したようにドリル刃7の公転方向とドリル刃7の断面の長手方向が一致する場合に比べて、ドリル刃7の断面の長手方向が直交する場合は、動振れ幅が小さく測定されてしまう。つまり、同じ動振れ幅であるにもかかわらず検出された最大遮光幅からドリル刃7の径を単純に引いただけでは、ドリル刃7のチャッキングの状態によって動振れ幅が異なって計測されるという問題がある。
本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、その目的は、チャッキングされたドリル刃7が高速に回転している場合であってもチャッキング状態の如何によらずその動振れ幅を光学的にしかも確実に検出することのできるドリル刃7の動振れ測定方法を提供することにある。
上述した目的を達成すべく本発明に係るドリル刃の動振れ測定方法は、複数の受光セルを一方向に所定のピッチで配列したラインセンサと、このラインセンサの上記複数の受光セルに向けて単色光を投光する光源と、軸方向を前記受光セルの配列方向と略直角にして上記単色発散光の光路に位置付けられて回転すると共に、前記軸方向に移動するドリル刃の径を、前記ラインセンサの出力を解析して求める演算部を具備し、
前記演算部は、前記ドリル刃をその軸方向に移動させながら回転させたとき、該ドリル刃のエッジが前記ラインセンサの受光面を変位する最大変位幅の計測値から該ドリル刃がラインセンサを遮光する最大遮光幅の計測値を引いて前記ドリル刃の動振れ幅を求めることを特徴としている。
好ましくは前記演算部は、前記ドリル刃を軸方向に移動させながら回転させたとき、該ドリル刃のエッジが前記ラインセンサの受光面を遮光する幅が最大になったときにおける前記ドリル刃のセンタ位置の変位幅の最大値を求めて前記ドリル刃の動振れ幅とすることが望ましい。
或いは前記演算部は、前記ドリル刃を軸方向に移動させながら回転させたとき、該ドリル刃のエッジが前記ラインセンサの受光面を遮光する幅が最小になったときにおける前記ドリル刃のセンタ位置の変位幅の最大値を求めて前記ドリル刃の動振れ幅としてもよい。
より好ましくは、前記演算部は、前記ドリル刃を軸方向に移動させながら回転させたとき、該ドリル刃のエッジが前記ラインセンサの受光面を遮光する幅が最大になったときおよび最小になったときの前記ドリル刃のセンタ位置の変位幅の最大値を求めて前記ドリル刃の動振れ幅とすることが望ましい。
好ましくは、前記演算部は、前記ドリル刃を軸方向に移動させながら回転させたとき、前記ラインセンサの受光面を遮光する該ドリル刃のエッジが前記ラインセンサの両端にそれぞれ寄ったときのエッジ位置から上記ドリル刃のセンタ位置をそれぞれ求め、そのセンタ位置の差を前記ドリル刃の動振れ幅とすることが望ましい。
ちなみに上述のドリル刃の動振れ測定方法においてセンタ位置の変位幅を常に監視するのではなく、最大遮光幅、最小遮光幅、左右エッジが一番端に寄ったときのセンタ位置だけに着目しているのは、このとき二つの刃部7a(エッジ位置)とラインセンサ1との距離ZL、が等しくなってレーザ放射光であっても拡大率の違いがなくなり、センタ位置が正確に求まるためである。
上述のドリル刃の動振れ測定方法は、例えばラインセンサに向けて光源から放射されるレーザ放射光(発散光)の光路の所定位置に位置付けたドリル刃をその軸方向に移動させながら回転させたとき、ラインセンサの受光面を変位する変位幅および遮光幅を検出してドリル刃の動振れ幅を求める。
また、本発明のドリル刃の動振れ測定方法は、複数の受光セルを一方向に所定のピッチで配列したラインセンサと、このラインセンサの上記複数の受光セルに向けて単色光を投光する光源と、軸方向を前記受光セルの配列方向と略直角にして上記単色発散光の光路における所定の位置に位置付けられて回転するドリル刃の径を、前記ラインセンサの出力を解析して求める演算部を具備し、
前記演算部は、前記ラインセンサの出力を所定時間毎にサンプリングするサンプリング周期よりも長い周期でドリル刃を回転させたときに変化する前記ラインセンサの受光量の変化から該ドリル刃が前記ラインセンサを遮光する幅から得られるドリル刃径の軌跡を計測してドリル刃の形状を類推する。そして前記演算部は、前記ラインセンサに前記ドリル刃が投影されたときの左右エッジ位置の拡大率の違いを求め、求めた拡大率により所定の回転速度で回転する上記ドリル刃のセンタ位置を補正して前記ドリル刃の動振れ幅を求めることを特徴としている。
上述のドリル刃の動振れ測定方法は、前記ラインセンサの出力を所定時間毎にサンプリングするサンプリング周期よりも長い周期で回転するドリル刃の形状を演算部が計測した後、ドリル刃の形状によって二つの刃部(エッジ位置)の異なる拡大率の違いを求めることにより所定の回転速度で回転するドリル刃のセンタ位置が補正され、この補正されたセンタ位置の最大変位幅から動振れ幅が得られる。
或いは本発明のドリル刃の動振れ測定方法は、複数の受光セルを一方向に所定のピッチで配列したラインセンサと、このラインセンサの上記複数の受光セルに向けて単色光を投光する光源と、軸方向を前記受光セルの配列方向と略直角にして上記単色発散光の光路における所定の位置に位置付けられて回転するドリル刃の径を、前記ラインセンサの出力を解析して求める演算部を具備し、
前記演算部は、前記ドリル刃を回転させたときに変化する前記ラインセンサの受光量の変化から該ドリル刃が前記ラインセンサを遮光する幅の最大値および最小値を検出して、これら最大値および最小値のときの前記ドリル刃のセンタ位置の差を2倍して動振れ幅を求めることを特徴としている。
上述のドリル刃の動振れ測定方法は、遮光幅が最大値および最小値のときのセンタ位置の差はドリル刃が90°回転した状態での振れ幅であることから求めた値を2倍して動振れ幅としている。
本発明の請求項1に記載のドリル刃の動振れ測定方法によれば、ドリル刃をその軸方向に移動させながら回転させたとき、該ドリル刃のエッジが前記ラインセンサの受光面を変位する最大変位幅から該ドリル刃がラインセンサを遮光する最大遮光幅を引いて前記ドリル刃の動振れ幅を求めている。このため、本発明のドリル刃の動振れ測定方法は、ドリル刃のチャッキング状態の影響を受けることなく、動振れ幅を精度良く計測することができる。
また、本発明の請求項2に記載のドリル刃の動振れ測定方法によれば、ドリル刃をその軸方向に移動させながら回転させたとき、一回転につき二回、ドリル刃のエッジがラインセンサの受光面を遮光する幅が最大になる点、即ち最大遮光幅のときの左右エッジ位置から、このドリル刃のセンタ位置を求めてセンタ位置の最大変位幅を計測して動振れ幅を求めているので、レーザ放射光であっても正確にセンタ位置が求まり、ドリル刃の動振れ幅を精度良く計測することができる。
次に本発明の請求項3に記載のドリル刃の動振れ測定方法によれば、ドリル刃をその軸方向に移動させながら回転させたとき、一回転につき二回、ドリル刃のエッジがラインセンサの受光面を遮光するが最小になる点、即ち最小遮光幅のときの左右エッジ位置を計測してドリル刃のセンタ位置を求めて、このセンタ位置の最大変位幅から動振れ幅を求めているので、レーザ放射光であっても正確にセンタ位置が求まり、ドリル刃の動振れ幅を精度良く計測することができる。
また本発明の請求項4に記載のドリル刃の動振れ測定方法によれば、ドリル刃をその軸方向に移動させながら回転させたとき、一回転につきそれぞれ二回、ドリル刃のエッジがラインセンサの受光面を遮光する幅が最大および最小になる点、即ち最大遮光幅および最小遮光幅のときのセンタ位置をそれぞれ計測しているので、レーザ放射光であっても正確にセンタ位置が求まり、上述した請求項2および請求項3に記載の発明より更にドリル刃の動振れ幅を速く、かつ精度良く計測することができる。
本発明の請求項5に記載のドリル刃の動振れ測定方法によれば、ドリル刃をその軸方向に移動させながら回転させたとき、前記ラインセンサの受光面を遮光する該ドリル刃のエッジが前記ラインセンサの両端にそれぞれ寄ったときは、ドリル刃の長径が光軸に直角になったときであるという点に着目し、そのときのセンタ位置をそれぞれ求め、そのセンタ位置の差を前記ドリル刃の動振れ幅とすることで、レーザ放射光であっても正確にセンタ位置が求まり、ドリル刃の動振れ幅を精度良く計測することができる。
次いで本発明の請求項6に記載のドリル刃の動振れ測定方法によれば、演算部がラインセンサの出力を所定時間毎にサンプリングするサンプリング周期よりも長い周期でドリル刃を回転させたときに変化するラインセンサの受光量の変化からドリル刃がラインセンサを遮光する幅から得られるドリル刃径の軌跡を計測してドリル刃の形状を類推し、前記ラインセンサに前記ドリル刃が投影されたときの左右エッジ位置の拡大率の違いを求め、求めた拡大率により所定の回転速度で回転する上記ドリル刃のセンタ位置を補正して前記ドリル刃の動振れ幅を求めているので、ドリル刃の動振れ幅を精度良く計測することができる。
また本発明の請求項7に記載のドリル刃の動振れ測定方法によれば、ドリル刃を回転させたときのラインセンサの受光量の変化からドリル刃がラインセンサを遮光する幅の最大値および最小値を計測して、この計測した最大値および最小値からそれぞれ導かれるドリル刃のセンタ位置の差はドリル刃が90°回転したときの振れ幅で、実際の動振れ幅の1/2になることに着目し、この導かれた値を2倍して動振れ幅を求めているので、ドリル刃の動振れ幅を精度良く計測することができる。
以下、本発明のドリル刃の動振れ測定方法の第一の実施形態について添付図面を参照しながら説明する。尚、図1、図2は発明を実施する形態の一例であるが、この図によって本発明が限定されるものではない。また図中、上述した従来のドリル刃の動振れ測定方法と同一の符号を付した部分は同一物を表わし、基本的な構成は従来のものと同様である。
図1は、ドリル刃の動振れ測定に用いられる動振れ検出装置の要部概略構成を示し、図2は、図1の要部概略構成から投光部および受光部近傍を抽出して描いた概略構成図である。
この動振れ検出装置は、概略的には一方向に所定のピッチで配列した複数の受光セルを備えたラインセンサ(受光部)1と、このラインセンサ1の受光面に対峙して設けられて該ラインセンサ1の複数の受光セルの全幅に向けて単色光4を投光する投光部2とを備える。ラインセンサ1は、例えば102個の受光セルを85μmのピッチで配列し、長辺8.7mm×短辺0.08mmの受光面を形成したものからなる。またマイクロコンピュータ等により実現される装置本体3は、前記ラインセンサ1の出力(各受光セルの受光量)を解析することで前記単色光4の光路に位置付けられた遮蔽物(ドリル刃)7の前記受光セルの配設方向におけるドリル刃の動振れ幅を高精度に検出する役割を担う。
ちなみに投光部2は、所定の拡がり角を有する単色光(レーザ光)をそのまま前記ラインセンサ1に向けて投光するレーザダイオード(LD)等の点光源2aを備えて構成される。このような投光部2は、例えば前述したラインセンサ1と共に所定の隙間(空間部)4を形成したコの字状の筐体5に上記隙間を挟んで互いに対峙させて一体に組み込まれて一つのセンシングユニットとして形成される。尚、点光源2aとしてレーザダイオード(LD)を用いた場合、LDは楕円状の強度分布を有するレーザ光を射出するので、このレーザ光の長軸方向がラインセンサ1の長手方向となるように光学系を設定することが望ましい。
一方、装置本体3は、前記ラインセンサ1の出力(各受光セルの受光量)を取り込んで該ラインセンサ1の受光面上における光強度分布を求める入力バッファ3aを備える。また装置本体3は、ドリル刃7の端部(エッジ)の位置、具体的にはラインセンサ1での受光パターンの受光セルの配列方向におけるエッジ位置を検出するエッジ検出部3bを備えている。このエッジ検出部3bは、ドリル刃7の端部(エッジ)において単色光のフレネル回折が生じ、その回折パターンがラインセンサ1の受光面に投影されているとして、その回折パターンの光強度分布を解析してエッジ位置を求めるものである(詳しくは、特許文献5、6等を参照)。また装置本体3は、更に上記エッジ検出部3bの出力を利用し、検査対象物としてのドリル刃7の径(ドリル刃径)を測定するドリル刃径計測部3c、ドリル刃7の動振れを検出する動振れ検出部3d(演算部)およびチャッキングされた検査対象物のドリル刃7の軸方向に制御させる駆動制御部3eを備えて構成される。
一方、ドリル刃7をチャッキングする工作機械本体には、装置本体3の駆動制御部3eの指令を受けて、チャッキングしたドリル刃7を軸方向に移動させる駆動部8を備えている。尚、ドリル刃7を軸方向に移動させるにあたっては、駆動制御部3eおよび駆動部8の駆動によらず、例えば手動で行ってもかまわない。
概略的には上述したように構成される装置に適用される本発明のドリル刃の動振れ測定方法が特徴とするところは、ドリル刃7をその軸方向に移動させながら回転させたとき、該ドリル刃7のエッジがラインセンサ1の受光面を変位する最大変位幅の計測値からドリル刃7がラインセンサ1を遮光する最大遮光幅の計測値を引いてドリル刃の動振れ幅を求める点にある。
このような特徴ある本発明に係るドリル刃の動振れ測定方法についてより詳細に説明する。
ラインセンサ1は、チャッキングされて、その軸方向をラインセンサ1の配列方向と略直角にして投光部2から放射される単色発散光の光路に位置付けられて回転するドリル刃7が遮光する遮光量を検出する。このときドリル刃7が検出する遮光幅は、例えば図8に示すようにドリル刃7が一回転することを一周期としてφhとφvが周期的な変化を繰り返す。これはドリル刃7が前述した図4(a)に示したように二重螺旋構造をもつ刃部7aを有しているため、その断面が図4(b)に示されるような二つの刃部7aが突出した鍵状に扁平した形態になっていることに由来する。
そして装置本体3は、駆動制御部3eから工作機械本体の駆動部8に対して指令を出力してドリル刃7をその軸方向に移動させる。このとき装置本体3のドリル刃径計測部3cは、ドリル刃7によって遮光される遮光量が最大になる最大遮光幅を計測する。具体的にこの最大遮光幅は、駆動部8によってドリル刃7をその軸方向に移動させたとき、図6や図7にそれぞれ示される状態に変化する。この図6および図7は、チャックのセンタ位置にドリル刃7が正しくチャッキングされておらず、それぞれ同じ動振れ幅SWで動振れを生じていることを例示している。
ドリル刃7は、動振れがある場合、前述したように動振れ幅SWを直径とする公転軌道上を回転する。図6は、この公転軌道上を回転するドリル刃7のエッジ部7bが、ドリル刃7の軸方向を鉛直に切った断面の長手方向が公転起動と略直交する方向にあり、図7は、長手方向が公転軌道の接線方向にあるときを示している。
この場合、ドリル刃7が図3(a)に示す状態、即ちドリル刃7の断面の長手方向が光路に対して直交する方向になったとき、ドリル刃7の遮光量の計測値が最大(最大遮光幅Smax)になる。即ち、この最大遮光幅Smaxは、投光部2とラインセンサ1との距離をSD、ドリル刃7とラインセンサ1との距離をWDとすれば、ドリル刃7の直径φhmaxを次式で示される光学系の拡大率Mによって拡大した値に等しい。
拡大率M=SD/(SD−WD)
またドリル刃7によって遮光される遮光領域は、ドリル刃7の回転(動振れ)にともなって、ラインセンサ1の受光面上を変位する。エッジ検出部3bは、この受光面上を変位するドリル刃7のエッジを検出して、その変位幅の最大値(最大変位幅Dmax)を計測する。
そして動振れ検出部3dは、エッジ検出部3bが検出した最大変位幅Dmaxからドリル刃径計測部3cが計測した最大遮光幅Smaxを引いた値を拡大率Mで割ることで動振れ幅SWを得る。つまり、動振れ検出部3dは、
SW=(Dmax−Smax)/M
の演算をすれば、動振れ幅を求めることができる。
かくして本発明のドリル刃の動振れ測定方法によれば、ドリル刃7をその軸方向に移動させながら回転させたとき、該ドリル刃7のエッジがラインセンサ1の受光面を変位する最大変位幅から、ドリル刃7がラインセンサ1を遮光する最大遮光幅を引いて動振れ幅を求めているので、ドリル刃7のチャッキング状態の影響を受けることなく、動振れ幅を精度良く計測することができる。
また動振れ検出部3dは、上述した方法のほかドリル刃7をその軸方向に移動させながら回転させたとき、ドリル刃7のエッジがラインセンサ1の受光面を変位する最大変位幅から導かれるドリル刃7のセンタ位置の振れ幅の最大値を測定することでドリル刃7の動振れ幅を求めてもよい。
この方法は、動振れしながら回転するドリル刃7の径が最大になるのは、ドリル刃7が公転軌道を一回転するうち二回あることを利用している。具体的には、図6のAおよびBの部位にドリル刃7が来たとき、ラインセンサ1が最大遮光幅Dmaxを検出する。この図の状態になるようにドリル刃7をその軸方向に移動させて検出される最大遮光幅になったときにおける両端のエッジ位置の計測値から、そのセンタ位置を求め、このセンタ位置の変位量CDを検出すれば、ドリル刃7の動振れ幅SWを光学系の拡大率M倍した値が得られる。したがって、動振れ検出部3dは、[SW=CD/M]とした演算を施せばドリル刃7の動振れ幅SWを求めることができる。
かくして本発明のドリル刃の動振れ測定方法によれば、ドリル刃7をその軸方向に移動させながら回転させたとき、一回転につき二回、ドリル刃のエッジがラインセンサ1の受光面を遮光する幅が最大になる点、即ち最大遮光幅になったとき、二つの刃部7a(エッジ位置)とラインセンサ1との距離が等しく、ドリル刃7の両端のエッジ位置が正確に求まることから、このドリル刃7のセンタ位置を求めてセンタ位置の最大変位幅を計測して動振れ幅を求めているので、ドリル刃7の動振れ幅を精度良く計測することができる。ちなみにこの最大遮光幅になるのは、図3(a)に示すようにドリル刃7の軸方向を鉛直に切った断面における長手方向が光軸方向に直行したときである。
同様に前記動振れ検出部3dは、ドリル刃7をその軸方向に移動させながら回転させたとき、該ドリル刃7のエッジがラインセンサ1の受光面を遮光するが最小になる点、即ち最小遮光幅になったとき、二つの刃部7a(エッジ位置)とラインセンサ1との距離が等しく、ドリル刃7の左右エッジ位置が正確に求まり、ドリル刃7のセンタ位置の振れ幅の最大値(最大変位幅)を求めてドリル刃7の動振れ幅を求めてもよい。
この最小遮光幅になるのは、図3(b)に示すようにドリル刃7の軸方向を鉛直に切った断面における長手方向が光軸方向にあるときである。
したがって公転軌道上を回転するドリル刃7の径が最小になるのは、ドリル刃7が一回転するうち二回ある。具体的には、図7のAおよびBの部位にドリル刃7が来たとき、ラインセンサ1が最小遮光幅Dminを検出する。この図の状態になるようにドリル刃7をその軸方向に移動させたときに最小遮光幅が検出されたとき、両端のエッジ位置から、そのセンタ位置を求め、このセンタ位置の変位量CDを検出すれば、ドリル刃7の動振れ幅SWを光学系の拡大率M倍した値が得られる。したがって、動振れ検出部3dは、求めるドリル刃7の動振れ幅SWを[SW=CD/M]とした演算を施して求めることができる。
かくして本発明のドリル刃の動振れ測定方法によれば、ドリル刃7をその軸方向に移動させながら回転させたとき、一回転につき二回、ドリル刃7のエッジ(刃部7a)がラインセンサ1の受光面を遮光する幅が最小になる点、即ち最小遮光幅を検出して、そのときのドリル刃7のセンタ位置を求めて、このセンタ位置の最大変位幅から動振れ幅を求めているのでドリル刃7の動振れ幅を精度良く計測することができる。
或いは、上述した最大遮光幅および最小遮光幅をそれぞれ検出して動振れ検出部3dが、そのときのセンタ位置から上述したそれぞれの動振れ幅を求めるようにしてもよい。この場合、ドリル刃7の径が最大(最大遮光幅)および最小(最小遮光幅)になるのは、ドリル刃7が一回転するうち、それぞれ二回ずつの計四回ある。具体的にドリル刃7の径が最大(最大遮光幅)および最小(最小遮光幅)がそれぞれ計測できるのは、図6または図7のA,B,C,Dの各部位である。したがって、より速くドリル刃7の動振れ幅SWを求めることができ、好ましい。
かくして本発明のドリル刃の動振れ測定方法によれば、ドリル刃7をその軸方向に移動させながら回転させたとき、一回転につきそれぞれ四回、ドリル刃7のエッジがラインセンサの受光面を遮光する幅が最大および最小になる点、即ち最大遮光幅および最小遮光幅のときのセンタ位置をそれぞれ計測しているので、上述した方法よりも更にドリル刃7の動振れ幅を速く、かつ精度良く計測することができる。
かくして本発明のドリル刃の動振れ測定方法によれば、ドリル刃7をその軸方向に移動させながら回転させたとき、一回転につきそれぞれ二回、ドリル刃7のエッジがラインセンサ1の受光面の両端に寄るのは、最大遮光幅になったときであることに着目して、このときのセンタ位置をそれぞれ計測すれば、幅の計算がなくなり、上述した方法よりも簡単に計測することができる。
なお最大遮光幅または最小遮光幅のとき、またはドリル刃7のエッジがラインセンサ1の受光面の両端に寄ったときのセンタ位置の変位だけに着目しているのは、このときの二つの刃部(両端のエッジ位置)から受光器までの距離は等しくなって拡大率に違いがなく、正確に両端のエッジ位置が求まるためである。
次に本発明のドリル刃の動振れ測定方法に関する第二の実施形態について説明する。この実施形態が前述した第一の実施形態と異なるところは、ドリル刃7をその軸方向に移動させることなく、ドリル刃7の動振れを測定する点ある。
詳しくはこの第二の実施形態は、ドリル刃7を所定の位置(WD)に位置付けてラインセンサ1の出力を所定時間毎に動振れ検出部3dがサンプリングするサンプリング周期よりも長い周期(低速回転)でドリル刃7を回転させたときに変化するラインセンサ1の受光量の変化からドリル刃7がラインセンサ1を遮光する幅から得られるドリル刃の軌跡を計測してドリルの形状を類推し、前記ラインセンサに前記ドリル刃7が投影されたときの拡大率の違いを求め、この求めた拡大率により所定の回転速度(通常回転)で回転する上記ドリル刃7のセンタ位置を補正して前記ドリル刃7の動振れ幅を測定するものである。
ちなみに動振れ検出部3dがサンプリングするサンプリング周期よりも長い周期(低速回転)とは、サンプリング周期Sに対してドリル刃7が一回転する周期Rが[S≧4R]、好ましくは、[S≧100R]であることが望ましい。
具体的に、ドリル刃7が低速で回転し、図5に示すような位置になったとする。ドリル刃7の二つの刃部7a(エッジ位置)の光軸方向の差をφh、光軸に直角方向の差をφvとすれば、投光部2近傍側のドリル刃7のエッジとラインセンサ1との距離Zは、
=WD+φh/2
であり、ラインセンサ1近傍側のドリル刃7のエッジとラインセンサ1との距離Zは、
=WD−φh/2
である。すると投光部2近傍側のドリル刃7のエッジにおける拡大率Mおよびラインセンサ1に近い側のドリル刃7のエッジにおける拡大率Mは、それぞれ、
=SD/(SD−Z
=SD/(SD−Z
として求めることができる。
また、図5に示す状態のときにラインセンサ1の受光面上における遮蔽長さSLは、
SL=φv/2×M+φv/2×M
であるので、ラインセンサ1の受光面上におけるドリル刃7のセンタ位置のずれΔDは、
ΔD=SL/2−φv×M
となる。よって、ドリル刃7のセンタ位置のずれの値ΔGは、この式を拡大率Mで除して、ΔG=ΔD/Mとして求まる。
このようにしてセンタ位置をΔGで補正して最大振れ幅を得れば、所定の回転速度(通常回転)で回転するドリル刃7の動振れ幅が求まる。
尚、ドリルのスピンドルが空気軸受けで作られている場合、回転速度が上昇すると振れは小さくなり、逆に回転速度が低下すると振れは大きくなる特性を備えている。換言すれば、ドリルのスピンドルは高速回転しないと安定しない。この場合の動振れは、上述したドリル刃のチャッキング状態の他、スピンドルの振れも測定する必要がある。スピンドルの振れについては、通常回転と同じ状態で測定すればよい。
かくして本発明の第二の実施形態に係るドリル刃の動振れ測定方法によれば、ドリル刃7を所定の位置(WD)に位置付け、ラインセンサ1の出力を所定時間毎に動振れ検出部3dがサンプリングするサンプリング周期よりも長い周期(低速回転)でドリル刃7を回転させたとき、ラインセンサ1の受光量の変化(ドリル刃7がラインセンサ1を遮光する幅)を計測して得られるドリル刃の軌跡からドリルの形状を類推し、前記ドリル刃7が前記ラインセンサに投影されたときの拡大率の違いを求め、この求めた拡大率により所定の回転速度(通常回転)で回転する上記ドリル刃7のセンタ位置を補正して前記ドリル刃7の動振れ幅を求めているので、レーザ平行光で測定したドリル刃の動振れ幅と同等の精度で計測することができる。
次に本発明のドリル刃の動振れ測定方法に関する第三の実施形態について説明する。この実施形態も前述した第二の実施形態と同様にドリル刃7をその軸方向に移動させることなく、ドリル刃7の動振れを測定する方法である。
この第三の実施形態は、ドリル刃7を回転させたときに変化する前記ラインセンサの受光量の変化からドリル刃7がラインセンサ1を遮光する幅の最大値および最小値を計測して、この最大値および最小値になったときのドリル刃7のセンタ位置の差を2倍して動振れ幅を求めるものである。
具体的にはドリル刃7がラインセンサ1に到達する光を最も遮光するのは、図5(a)に示すようにドリル刃7の断面の長手方向が、ラインセンサ1と略平行になったときである。一方、ドリル刃7がラインセンサ1に到達する遮光量が最小になるのは、図5(b)に示すようにドリル刃7の断面の長手方向が、ラインセンサ1と略鉛直方向になったときである。つまり、遮光量が最大になるドリル刃7の回転位置と、遮光量が最小になるドリル刃7の回転位置とは、略90°異なる位置にある。つまり、ドリル刃7のチャッキング状態によらず、ドリル刃7の公転起動上のいずれかの位置で遮光量が最大または最小になるところが存在する。したがって、上述したようにしてドリル刃7の径が最大のときのセンタ位置の計測値Cmaxと最小のときのセンタ位置の計測値Cminとの差分[Cmax−Cmin]を2倍すれば、動振れ幅SWを[SW=2×(Cmax−Cmin)]として求めることができる。
かくして本発明の第三の実施形態にかかるドリル刃の動振れ測定方法によれば、ドリル刃を回転させたときのラインセンサの受光量の変化からドリル刃がラインセンサを遮光する幅の最大値および最小値を計測して、この計測した最大値および最小値のときのドリル刃のセンタ位置が動振れ幅の1/2になることに着目し、この導かれた値を2倍しているので動振れ幅を求めているので、ドリル刃の動振れ幅を精度良く計測することが可能である。
尚、本発明のドリル刃の動振れ測定方法は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更することが可能である。
例えば、ドリル刃7をその軸方向に移動させたときに図6のCおよびDの位置にドリル刃7が来たとき、それぞれの遮光幅の計測値は、極小になる。そこで動振れ検出部3dは、Cの位置にドリル刃7が来たときに計測される遮光幅からドリル刃のセンタ位置CLを求め、次いで、Dの位置にドリル刃7が来たときに計測される遮光幅からドリル刃のセンタ位置CRを導く。するとCLとCRの差の最大値から動振れ幅を求めることができる。
或いは、動振れがない状態にチャッキングされたドリル刃を回転させたときの遮光幅やの変化は、ある周期関数になる。この周期関数をドリルの径や種類の違い毎に基準関数として予め保持しておき、計測対象となるドリルを計測したときに得られた遮光幅の変化との差分を求め、センタ位置のずれ、即ち動振れを求めるようにしてもよい。この場合のドリル刃の動振れ測定方法は、より精度の高い動振れ幅を計測することができる等、実用上多大なる効果を奏する。
本発明のドリル刃の動振れ測定方法が適用される検出装置の要部概略構成を示す図。 図1に示す検出装置における投光部および受光部近傍を拡大して描いた構成図。 ドリル刃が回転したとき、ラインセンサに到達する発散光を遮光する様子を示した図。 ドリル刃の外形の一例を示す図。 発散光を利用したドリル刃の動振れ検出装置の測定原理を示す図。 動振れ状態にあるドリル刃を測定したときの測定原理を示す図。 図6とは異なる様態にある動振れしたドリル刃を測定したときの測定原理を示す図。 動振れ状態にあるドリル刃を測定したときにおけるドリル刃の径の検出値およびセンタ位置の振れ(動振れ)の一例を示す図。
符号の説明
1 ラインセンサ
2a 点光源
3 装置本体
3a 入力バッファ
3b エッジ検出部
3c ドリル刃径計測部
3d 動振れ検出部
3e 駆動制御部
4 単色光
7 ドリル刃
8 駆動部

Claims (7)

  1. 複数の受光セルを一方向に所定のピッチで配列したラインセンサと、
    このラインセンサの上記複数の受光セルに向けて単色光を投光する光源と、
    軸方向を前記受光セルの配列方向と略直角にして上記単色発散光の光路に位置付けられて回転すると共に、前記軸方向に移動するドリル刃の径を、前記ラインセンサの出力を解析して求める演算部を具備し、
    前記演算部は、前記ドリル刃をその軸方向に移動させながら回転させたとき、該ドリル刃のエッジが前記ラインセンサの受光面を変位する最大変位幅の計測値から該ドリル刃がラインセンサを遮光する最大遮光幅の計測値を引いて前記ドリル刃の動振れ幅を求めることを特徴とするドリル刃の動振れ測定方法。
  2. 前記演算部は、前記ドリル刃を軸方向に移動させながら回転させたとき、該ドリル刃のエッジが前記ラインセンサの受光面を遮光する幅が最大になったときにおける前記ドリル刃のセンタ位置の変位幅の最大値を求めて前記ドリル刃の動振れ幅とすることを特徴とする請求項1に記載のドリル刃の動振れ測定方法。
  3. 前記演算部は、前記ドリル刃を軸方向に移動させながら回転させたとき、該ドリル刃のエッジが前記ラインセンサの受光面を遮光する幅が最小になったときにおける前記ドリル刃のセンタ位置の変位幅の最大値を求めて前記ドリル刃の動振れ幅とすることを特徴とする請求項1に記載のドリル刃の動振れ測定方法。
  4. 前記演算部は、前記ドリル刃を軸方向に移動させながら回転させたとき、該ドリル刃のエッジが前記ラインセンサの受光面を遮光する幅が最大になったときおよび最小になったときの前記ドリル刃のセンタ位置の変位幅の最大値を求めて前記ドリル刃の動振れ幅とすることを特徴とする請求項1に記載のドリル刃の動振れ測定方法。
  5. 前記演算部は、前記ドリル刃を軸方向に移動させながら回転させたとき、前記ラインセンサの受光面を遮光する該ドリル刃のエッジが前記ラインセンサの両端にそれぞれ寄ったときのエッジ位置から上記ドリル刃のセンタ位置をそれぞれ求め、そのセンタ位置の差を前記ドリル刃の動振れ幅とすることを特徴とする請求項1に記載のドリル刃の動振れ測定方法。
  6. 複数の受光セルを一方向に所定のピッチで配列したラインセンサと、
    このラインセンサの上記複数の受光セルに向けて単色光を投光する光源と、
    軸方向を前記受光セルの配列方向と略直角にして上記単色発散光の光路における所定の位置に位置付けられて回転するドリル刃の径を、前記ラインセンサの出力を解析して求める演算部を具備し、
    前記演算部は、前記ラインセンサの出力を所定時間毎にサンプリングするサンプリング周期よりも長い周期でドリル刃を回転させたときに変化する前記ラインセンサの受光量の変化から該ドリル刃が前記ラインセンサを遮光する幅から得られるドリル刃径の軌跡を計測してドリル刃の形状を類推し、前記ラインセンサに前記ドリル刃が投影されたときの左右エッジ位置の拡大率の違いを求め、求めた拡大率により所定の回転速度で回転する上記ドリル刃のセンタ位置を補正して前記ドリル刃の動振れ幅を求めることを特徴とするドリル刃の動振れ測定方法。
  7. 複数の受光セルを一方向に所定のピッチで配列したラインセンサと、
    このラインセンサの上記複数の受光セルに向けて単色光を投光する光源と、
    軸方向を前記受光セルの配列方向と略直角にして上記単色発散光の光路における所定の位置に位置付けられて回転するドリル刃の径を、前記ラインセンサの出力を解析して求める演算部を具備し、
    前記演算部は、前記ドリル刃を回転させたときに変化する前記ラインセンサの受光量の変化から該ドリル刃が前記ラインセンサを遮光する幅の最大値および最小値を検出して、これら最大値および最小値のときにおける前記ドリル刃のセンタ位置の差を2倍して動振れ幅を求めることを特徴とするドリル刃の動振れ測定方法。
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