JP2006342056A - 結晶製造装置、iii族窒化物結晶の製造方法およびその製造方法を用いて製造したiii族窒化物結晶 - Google Patents

結晶製造装置、iii族窒化物結晶の製造方法およびその製造方法を用いて製造したiii族窒化物結晶 Download PDF

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Abstract

【課題】 高価な反応容器を用いることなく、かつ結晶の大きさが小さくなることなく、高性能の発光ダイオードやLD等のデバイスを作製するための実用的な大きさのIII族窒化物結晶を提供する。
【解決手段】 窒素ガスが充填されている第1のガス供給装置120の第1のシリンダー110内の窒素圧力(窒素原料圧力)が反応容器101内の圧力(窒素原料圧力)以上となっていることで、窒素ガスの圧力調整機構(107,108)を介して、反応容器101内の窒素原料圧力を所望の値に設定することが可能となる。このように、III族金属とフラックス(例えばNa)が十分ある状態で、窒素原料である窒素ガスの圧力が制御できることで、継続的なIII族窒化物結晶(GaN結晶)の成長が可能となり、III族窒化物結晶(GaN結晶)を所望の大きさに成長させることが可能となる。
【選択図】図1

Description

本発明は、結晶製造装置、III族窒化物結晶の製造方法およびその製造方法を用いて製造したIII族窒化物結晶に関する。III族窒化物結晶を用いたデバイスは、光ディスク用青色光源や青色発光ダイオード、高温動作の高周波電子デバイス等に応用可能である。
現在、紫〜青〜緑色光源として用いられているInGaAlN系(III族窒化物)デバイスは、そのほとんどがサファイアあるいはSiC基板上にMO−CVD法(有機金属化学気相成長法)やMBE法(分子線結晶成長法)等を用いた結晶成長により作製されている。サファイアやSiCを基板として用いる場合には、III族窒化物との熱膨張係数差や格子定数差が大きいことに起因する結晶欠陥が多くなる。このために、デバイス特性が悪く、例えば発光デバイスの寿命を長くすることが困難であったり、動作電力が大きくなったりするという問題がある。
さらに、サファイア基板の場合には絶縁性であるために、従来の発光デバイスのように基板側からの電極取り出しが不可能であり、結晶成長した窒化物半導体表面側からの電極取り出しが必要となる。その結果、デバイス面積が大きくなり、高コストにつながるという問題がある。また、サファイア基板上に作製したIII族窒化物半導体デバイスは劈開によるチップ分離が困難であり、レーザダイオード(LD)で必要とされる共振器端面を劈開で得ることが容易ではない。このため、現在はドライエッチングによる共振器端面形成や、あるいはサファイア基板を100μm以下の厚さまで研磨した後に、劈開に近い形での共振器端面形成を行なっている。この場合にも、従来のLDのような共振器端面とチップ分離を単一工程で、容易に行なうことが不可能であり、工程の複雑化ひいてはコスト高につながる。
この問題を解決するために、サファイア基板上にIII族窒化物半導体膜を選択横方向成長やその他の工夫を行なうことで、結晶欠陥を低減させることが提案されている。
例えば非特許文献1 (以下、第1の従来技術と称す)には、図3に示すようなレーザダイオード(LD)が示されている。図3のレーザダイオードは、MO−VPE(有機金属気相成長)装置にてサファイア基板1上にGaN低温バッファ層2とGaN層3を順次成長した後に、選択成長用のSiOマスク4を形成する。このSiOマスク4は、別のCVD(化学気相堆積)装置にてSiO膜を堆積した後に、フォトリソグラフィー,エッチング工程を経て形成される。次に、このSiOマスク4上に再度、MO−VPE装置にて20μmの厚さのGaN膜3'を成長することで、横方向にGaNが選択成長し、選択横方向成長を行なわない場合に比較して結晶欠陥を低減させている。さらに、その上層に形成されている変調ドープ歪み超格子層(MD−SLS)5を導入することで、活性層6へ結晶欠陥が延びることを防いでいる。この結果、選択横方向成長および変調ドープ歪み超格子層を用いない場合に比較して、デバイス寿命を長くすることが可能となる。
この第1の従来技術の場合には、サファイア基板上にGaN膜を選択横方向成長しない場合に比べて、結晶欠陥を低減させることが可能となるが、サファイア基板を用いることによる、絶縁性と劈開に関する前述の問題は依然として残っている。さらには、SiOマスク形成工程を挟んで、MO−VPE装置による結晶成長が2回必要となり、工程が複雑化するという問題が新たに生じる。
また、別の方法として、例えば非特許文献2 (以下、第2の従来技術と称す)には、GaN厚膜基板を応用することが提案されている。この第2の従来技術では、前述の第1の従来技術の20μmの選択横方向成長後に、H−VPE(ハイドライド気相成長)装置にて200μmのGaN厚膜を成長し、その後に、この厚膜成長したGaN膜を150μmの厚さになるように、サファイア基板側から研磨することにより、GaN基板を作製する。このGaN基板上にMO−VPE装置を用いて、LDデバイスとして必要な結晶成長を順次行ない、LDデバイスを作製する。この結果、結晶欠陥の問題に加えて、サファイア基板を用いることによる絶縁性と劈開に関する前述の問題点を解決することが可能となる。
しかしながら、第2の従来技術は、第1の従来技術よりもさらに工程が複雑になっており、より一層のコスト高となる。また、第2の従来技術の方法で200μmものGaN厚膜を成長させる場合には、基板であるサファイアとの格子定数差および熱膨張係数差に伴う応力が大きくなり、基板の反りやクラックが生じるという問題が新たに発生する。
この問題を回避するために、特許文献1では、厚膜成長する元の基板(サファイアとスピネル)の厚さを1mm以上とすることが提案されている。このように、厚さ1mm以上の基板を用いることにより、200μmの厚膜のGaN膜を成長させても、基板の反りやクラックを生じさせないようにしている。しかしながら、このように厚い基板は、基板自体のコストが高く、また研磨に多くの時間を費やす必要があり、研磨工程のコストアップにつながる。すなわち、厚い基板を用いる場合には、薄い基板を用いる場合に比べて、コストが高くなる。また、厚い基板を用いる場合には、厚膜のGaN膜を成長した後には基板の反りやクラックが生じないが、研磨の工程で応力緩和し、研磨途中で反りやクラックが発生する。このため、厚い基板を用いても容易に、結晶品質の高いGaN基板を大面積化で作製することはできない。
一方、非特許文献3 (以下、第3の従来技術と称す)には、GaNのバルク結晶を成長させ、それをホモエピタキシャル基板として用いることが提案されている。この技術は、1400〜1700℃の高温、および数10kbarもの超高圧の窒素圧力中で、液体GaからGaNを結晶成長させる手法となっている。この場合には、このバルク成長したGaN基板を用いて、デバイスに必要なIII族窒化物半導体膜を成長することが可能となる。従って、第1および第2の従来技術のように工程を複雑化させることなく、GaN基板を提供できる。
しかしながら、第3の従来技術では、高温,高圧中での結晶成長が必要となり、それに耐えうる反応容器が極めて高価になるという問題がある。加えて、このような成長方法をもってしても、得られる結晶の大きさは高々1cm程度であり、デバイスを実用化するには小さ過ぎるという問題がある。
この高温,高圧中でのGaN結晶成長の問題点を解決する手法として、非特許文献4 (以下、第4の従来技術と称す)には、Naをフラックスとして用いたGaN結晶成長方法が提案されている。この方法は、フラックスとしてのアジ化ナトリウム(NaN)と金属Gaとを原料として、ステンレス製の反応容器(容器内寸法;内径=7.5mm、長さ=100mm)に窒素雰囲気で封入し、その反応容器を600〜800℃の温度で24〜100時間保持することにより、GaN結晶を成長させるものである。この第4の従来技術の場合には、600〜800℃程度の比較的低温での結晶成長が可能であり、容器内圧力も高々100kg/cm程度と第3の従来技術に比較して圧力を低くできる点が特徴である。しかし、この方法の問題点としては、得られる結晶の大きさが1mmに満たない程度に小さい点である。この程度の大きさではデバイスを実用化するには第3の従来技術の場合と同様に小さすぎる。
Japanese Journal of Applied Physics Vol.36 (1997) Part 2, No.12A, L1568-1571. Applied Physics Letters, Vol.73,No.6, P832-834 (1998). Journal of Crystal Growth, Vol.189/190, p.153-158 (1998). Chemistry of Materials Vol.9 (1997) p.413-416. 特開平10−256662号公報
本発明は、第1や第2の従来技術の問題点である工程を複雑化させることなく、第3の従来技術の問題点である高価な反応容器を用いることなく、かつ第3や第4の従来技術の問題点である結晶の大きさが小さくなることなく、高性能の発光ダイオードやLD等のデバイスを作製するための実用的な大きさのIII族窒化物結晶を成長させることの可能な結晶製造装置、III族窒化物結晶の製造方法およびその製造方法を用いて製造したIII族窒化物結晶を提供することを目的としている。
また、本発明は、安定的な窒素原料の供給を可能とし、フラックスの安全性を確保することの可能な結晶製造装置およびIII族窒化物結晶の製造方法を提供することを目的としている。
この発明によれば、結晶製造装置は、反応容器と、第1および第2の保持容器と、第1および第2の分離手段とを備える。反応容器は、少なくともIII族金属とフラックスとを含む混合融液を保持する。第1および第2の保持容器は、窒素原料を保持する。第1の分離手段は、反応容器と第1の保持容器との間に設けられる。第2の分離手段は、第1の保持容器と第2の保持容器との間に設けられる。
好ましくは、第1の保持容器の容積は、第2の保持容器の容積よりも大きい。
また、この発明によれば、III族窒化物結晶の製造方法は、少なくともIII族金属とフラックスとを含む混合融液を保持する反応容器内の圧力を窒素原料を保持する保持容器の圧力以下に設定する工程と、窒素原料をバルブを介して外部から反応容器内へ供給する工程とを備える。
好ましくは、III族窒化物結晶の製造方法は、窒素原料を保持する保持容器の圧力変動により窒素原料の消費量を検知する工程をさらに備える。
好ましくは、III族窒化物結晶の製造方法は、フラックスを気体の状態で結晶成長領域に供給する工程をさらに備える。
さらに、この発明によれば、III族窒化物結晶は、請求項3から請求項5のいずれか1項に記載の製造方法によって製造されたIII族窒化物結晶である。
この発明によれば、反応容器内で、少なくともIII族金属を含む融液とフラックスと窒素原料とを用いてIII族窒化物結晶を成長させる結晶製造装置であって、窒素原料として気体が用いられ、気体の窒素原料の圧力が制御可能となっており、気体の窒素原料は、第1の保持容器または第2の保持容器から反応容器内へ供給される。したがって、第1あるいは第2の従来技術のように複雑な工程を必要とせず、低コストで高品質なIII族窒化物結晶を得ることができる。さらに、1000℃以下と成長温度が低く、100kg/cmG程度と圧力も低い条件下でIII族窒化物の結晶成長が可能となるので、第3の従来技術のように超高圧,超高温に耐えうる高価な反応容器を用いる必要がない。また、窒素原料を供給する際、高精度な圧力制御機能により、安定的な窒素原料の供給が可能となり、結晶成長中の成長速度を安定に保持することが可能となって、継続的に結晶品質の高いIII族窒化物結晶を成長させることができる。従って、実用的な大きさの高品質のIII族窒化物結晶が実現可能となる。
さらに、第1の保持容器と第2の保持容器との間に第2の分離手段が設けられているので、フラックスの第2の保持容器への逆拡散を防ぐことができる。すなわち、通常、フラックスとして用いられる材料は、Naのように活性であり、空気中でも容易に反応を起こすため、安全上問題がある。第2の保持容器へのフラックスの拡散を防ぐことで、窒素原料を交換する際にも、安全上の危険性を回避することが可能となる。
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
本発明は、反応容器内で、少なくともIII族金属を含む融液とフラックスと窒素原料とを用いてIII族窒化物結晶を成長させる結晶成長装置であって、窒素原料として気体が用いられ、気体の窒素原料の圧力が制御可能となっており、気体の窒素原料を反応容器に供給するために第1のガス供給装置が設けられ、第1のガス供給装置は、気体の窒素原料を貯めておくための第1のシリンダーを備えており、該第1のガス供給装置の第1のシリンダー内の窒素原料圧力は、反応容器内の窒素原料圧力以上となっている。
なお、ここで、窒素原料とは、窒素分子、原子状窒素、あるいは窒素を含む化合物から生成された窒素分子や原子状窒素のことである。また、本発明で、フラックスとは、その材料自体が直接化合物を作ることなく、III族窒化物を低温,低圧で成長させることが可能なように作用するもののことであり、フラックスは、III族金属を含む融液に予め溶け込ませておいても、あるいは、気体の状態で結晶成長領域に供給しても良い。
図1は本発明に係る結晶成長装置の構成例を示す図である。図1を参照すると、反応容器101内には、少なくともIII族金属(例えば、Ga)を含む融液、より具体的には、例えば、III族金属(例えば、Ga(ガリウム))とフラックス(例えば、金属NaあるいはNaを含む化合物(アジ化ナトリウムなど))との混合融液102が収容されている。また、反応容器101には、結晶成長可能な温度に制御可能な加熱装置105が具備されている。
また、反応容器101内の気体と融液102の境界領域である気液界面113に接するように、種結晶(例えば、GaN結晶)103が設けられている。
また、本発明において、窒素原料としては窒素ガスが用いられ、窒素ガスを反応容器101内に供給するため、反応容器101の外部には、第1のガス供給装置120が設けられている。ここで、第1のガス供給装置120は、気体の窒素原料を貯めておくための第1のシリンダー110と、第1のバルブ111とにより構成されている。これにより、窒素ガスは、窒素ガスが充填された第1のガス供給装置120の第1のシリンダー110から窒素供給管106を介して、反応容器101外から反応容器101内に供給可能となっている。
ここで、窒素圧力を調整するために、圧力調整機構が窒素供給管106の途中に設けられている。この窒素ガスの圧力調整機構は、圧力センサー107及び圧力調整弁108から構成されており、圧力センサー107で測定された圧力情報がケーブル109を介して圧力調整弁108に伝わり、圧力調整弁108で圧力調整がなされ、反応容器101内の窒素圧力が所望の値に設定されるようになっている。この時、窒素ガスが充填された第1のシリンダー110内の窒素ガス圧力は、III族窒化物(例えばGaN)結晶が、結晶成長する際に生じる反応容器101内の圧力以上になるように、窒素ガスが充填されている。
すなわち、図1の結晶成長装置では、反応容器101の外部には、第1のガス供給装置120が設けられており、第1のガス供給装置120を通じて、気体の窒素原料が反応容器101に供給される。ここで、第1のガス供給装置120と反応容器101との間には、気体の圧力を制御することが可能な圧力調整機構が設けられており、また、第1のガス供給装置120の第1のシリンダー110内には、反応容器101内の窒素原料ガス圧力以上の圧力で、窒素原料ガスが収容されている。従って、窒素原料としての気体は、第1のシリンダー110から供給され、圧力調整機構で窒素原料のガス圧力が調整されて、反応容器101内に供給され、反応容器101内において、融液と窒素原料が反応しIII族窒化物を結晶成長させることが可能となる。
このような構成の結晶成長装置では、結晶成長可能な成長温度、窒素圧力、Na量の条件下において、種結晶103を核としてIII族窒化物結晶(例えばGaN結晶)が成長し、フラックス(例えばNa)を含む融液102と外部から供給される窒素ガスとを原料として、時間経過と共にIII族窒化物結晶の大きさが大きくなっていく。この時、III族窒化物結晶の成長は、気液界面113で主に起こる。
ところで、本発明では、窒素ガスが充填されている第1のガス供給装置120の第1のシリンダー110内の窒素圧力(窒素原料圧力)が反応容器101内の圧力(窒素原料圧力)以上となっていることで、窒素ガスの圧力調整機構(107,108)を介して、反応容器101内の窒素原料圧力を所望の値に設定することが可能となる。このように、III族金属とフラックス(例えばNa)が十分ある状態で、窒素原料である窒素ガスの圧力が制御できることで、継続的なIII族窒化物結晶(GaN結晶)の成長が可能となり、III族窒化物結晶(GaN結晶)を所望の大きさに成長させることが可能となる。
上述の例では、III族窒化物として、GaNを用いているが、それ以外にも、AlN、InN、AlGaN、InGaN、AlInGaN等のIII族窒化物であっても、本発明を適応可能である。また、上述の例では、フラックスとしてNaを用いているが、Na以外にもその材料自体が直接化合物を作ることなく、III族窒化物を成長させる温度、圧力を低減する作用があるものであれば、本発明に適応可能である。
また、図2は本発明に係る結晶成長装置の他の構成例を示す図である。なお、図2において、図1と同様の箇所には同じ符号を付している。
図2の結晶成長装置は、図1の結晶成長装置において、第1のガス供給装置120の他に、さらに、第2のガス供給装置130が反応容器101の外部に設けられている。すなわち、第1のガス供給装置120と反応容器101との間には、反応容器101に供給される気体の窒素原料を貯めておくための第2のガス供給装置130がさらに設けられている。
ここで、第1のガス供給装置120は、窒素ガスが充填された第1のシリンダー110と、第1のバルブ111と、シリンダー連結管114とにより構成されている。また、第2のガス供給装置130は、第2のシリンダー112と、第2のバルブ118と、圧力センサー107と、圧力調整弁108と、ケーブル109と、窒素供給管106とにより構成されている。
そして、第1のガス供給装置120の第1のシリンダー110は、第1のバルブ111とシリンダー連結管114とを介して、第2のガス供給装置130の第2のシリンダー112に窒素ガスを供給可能に接続されている。また、第2のシリンダー112は、第2のバルブ118,圧力調整弁108及び窒素供給管106を介して、反応容器101に窒素を供給可能に接続されている。
また、第2のガス供給装置130の圧力センサー107は、窒素供給管106の圧力を測定し、ケーブル109を介してその圧力情報を圧力調整弁108に伝えるようになっており、この窒素ガスの圧力調整機構により、反応容器101内の圧力を所望の値に設定することができる。この時、窒素ガスが充填された第1のシリンダー110,第2のシリンダー112内の窒素ガス圧力は、III族窒化物結晶(例えばGaN結晶)が結晶成長する際に生じる反応容器101内の圧力以上になるように、第1のシリンダー110,第2のシリンダー112には窒素ガスが充填されている。ここで、第1のシリンダー110よりも第2のシリンダー112の方が窒素ガスの収容量(内容積)は小さくなっている。
このように、図2の結晶成長装置は、図1の結晶成長装置において、反応容器101と第1のガス供給装置120との間に、第2のガス供給装置130がさらに設けられ、第2のガス供給装置130は、反応容器101に供給される気体の窒素原料を貯めておくための第2のシリンダー112を備えており、第2のガス供給装置130の第2のシリンダー112には、第1のガス供給装置120の第1のシリンダー110から気体の窒素原料が充填可能に構成され、少なくともIII族窒化物を結晶成長させる間は、第2のガス供給装置130と第1のガス供給装置120とが分離されており、第2のガス供給装置130の第2のシリンダー112内の窒素原料圧力は、反応容器101内の窒素原料圧力以上となっている。
すなわち、図2の結晶成長装置では、第1のガス供給装置120と反応容器101との間に、第2のガス供給装置130が設けられ、第1のガス供給装置120の第1のシリンダー110には気体の窒素原料が貯えられており、第2のガス供給装置130の第2のシリンダー112には、第1のガス供給装置120の第1のシリンダー110から気体の窒素原料が充填できるようになっており、気体の窒素原料は、反応容器101内に、第2のガス供給装置130の第2のシリンダー112を通じて供給されるようになっている。この際、第2のガス供給装置には、気体の圧力を制御することが可能な圧力調整機構が備わっており、第2のガス供給装置130の第2のシリンダー112内の窒素原料の圧力は、反応容器101内の窒素原料の圧力以上のものとなっている。従って、気体の窒素原料は、反応容器101内に第2のガス供給装置130の第2のシリンダー112から供給可能であり、反応容器101内で、融液102と窒素原料とが反応し、III族窒化物を結晶成長させることができる。
このような構成の図2の結晶成長装置では、結晶成長可能な成長温度、窒素圧力、Na量の条件下において、種結晶103を核としてIII族窒化物結晶(例えばGaN結晶)が成長し、フラックス(例えばNa)を含む融液102と外部から供給される窒素ガスとを原料として、時間経過と共にIII族窒化物結晶の大きさが大きくなっていく。この時、III族窒化物結晶の成長は、気液界面113で主に起こる。
ところで、図2の結晶成長装置では、気体の窒素原料が充填されている第2のシリンダー112内の窒素圧力が、反応容器101内の圧力以上となっていることで、窒素ガスの圧力調整機構を介して、反応容器101内の窒素原料圧力を所望の値に設定することが可能となる。このように、III族金属とフラックス(例えばNa)が十分ある状態で、窒素原料である窒素ガスの圧力が制御できることで、継続的なIII族窒化物結晶(GaN結晶)の成長が可能となり、III族窒化物結晶(GaN結晶)を所望の大きさに成長させることが可能となる。
また、第1のシリンダー110と第2のシリンダー112との間に位置している第1のバルブ111をGaN結晶が成長している間、閉じて、第1のシリンダー110と第2のシリンダー112とを分離することで、危険性の大きいフラックス(Na)が第1のバルブ111よりも上流(第1のシリンダー110側)に拡散することを防ぐことが可能となる。
さらに、第2のシリンダー112の容量は、第1のシリンダー110の容量よりも小さく、前述の圧力調整機能を利用することで、高精度な圧力調整が可能となる。これは、第1のガス供給装置120の第1のシリンダー110よりも、第2のガス供給装置130の第2のシリンダー112の方が内容積が小さいことで、窒素原料の交換頻度を少なくしつつ、高精度な圧力制御,ガス供給制御が可能となる。即ち、第2のガス供給装置130の第2のシリンダー112の内容積が小さくなることで、微小なガスの消費でも圧力変動が顕著になり、圧力制御が可能となるためである。また、第1のシリンダー110の内容積が第2のシリンダー112の内容積より大きいことで、窒素原料ガスの交換頻度を少なくすることが可能となる。
このように、図1または図2の結晶成長装置を用いてIII族窒化物結晶を結晶成長させることができる。結晶成長方法の具体例として、III族金属としてGa、窒素原料として窒素ガス、フラックスとしてNaを用い、反応容器の温度を750℃とし、窒素圧力を100kg/cmGに一定にする。このような条件下でGaN結晶が成長可能である。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明は、第1や第2の従来技術の問題点である工程を複雑化させることなく、第3の従来技術の問題点である高価な反応容器を用いることなく、かつ第3や第4の従来技術の問題点である結晶の大きさが小さくなることなく、高性能の発光ダイオードやLD等のデバイスを作製するための実用的な大きさのIII族窒化物結晶を成長させることの可能な結晶製造装置、III族窒化物結晶の製造方法およびその製造方法を用いて製造したIII族窒化物結晶に適用される。また、本発明は、安定的な窒素原料の供給を可能とし、フラックスの安全性を確保することの可能な結晶製造装置およびIII族窒化物結晶の製造方法に適用される。
本発明に係る結晶成長装置の構成例を示す図である。 本発明に係る結晶成長装置の他の構成例を示す図である。 従来のレーザダイオードを示す図である。
符号の説明
101 反応容器、102 融液、103 種結晶、105 加熱装置、106 窒素供給管、107 圧力センサー、108 圧力調整弁、109 ケーブル、110 第1のシリンダー、111 第1のバルブ、113 気液界面。

Claims (6)

  1. 少なくともIII族金属とフラックスとを含む混合融液を保持する反応容器と、
    前記窒素原料を保持する第1および第2の保持容器と、
    前記反応容器と前記第1の保持容器との間に設けられた第1の分離手段と、
    前記第1の保持容器と前記第2の保持容器との間に設けられた第2の分離手段とを備える結晶製造装置。
  2. 前記第1の保持容器の容積は、前記第2の保持容器の容積よりも大きい、請求項1に記載の結晶製造装置。
  3. 少なくともIII族金属とフラックスとを含む混合融液を保持する反応容器内の圧力を前記窒素原料を保持する保持容器の圧力以下に設定する工程と、
    前記窒素原料をバルブを介して外部から前記反応容器内へ供給する工程とを備えるIII族窒化物結晶の製造方法。
  4. 前記窒素原料を保持する保持容器の圧力変動により前記窒素原料の消費量を検知する工程をさらに備える、請求項3に記載のIII族窒化物結晶の製造方法。
  5. 前記フラックスを気体の状態で結晶成長領域に供給する工程をさらに備える、請求項3または請求項4に記載のIII族窒化物結晶の製造方法。
  6. 請求項3から請求項5のいずれか1項に記載の製造方法によって製造されたIII族窒化物結晶。
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