以下、本発明に係る遊技機について、本発明をスロットマシンに具体化した実施形態に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、スロットマシンの外観構成について示す斜視図である。図1において、スロットマシン1は、その全体を形成するキャビネット2を有しており、このキャビネット2の上面上部にはランプ20が配設されている。また、キャビネット2の前面上部には上部液晶ディスプレイ3が配設され、キャビネット2の前面中央部には表示手段として機能する下部液晶ディスプレイ4が配設されている。
上部液晶ディスプレイ3は、一般に汎用されている液晶ディスプレイから構成されており、ゲーム方法、当選役の種類とその配当、ゲームに関する各種演出等ゲームに関する情報が表示される。下部液晶ディスプレイ4は、所謂、透明液晶ディスプレイから構成されており、図1に示すように、3つの可変表示窓21乃至23、並びに、可変表示窓24乃至26が形成されている。可変表示窓24乃至26は、可変表示窓21乃至23よりも小さく、下部液晶ディスプレイ4における端部(図1においては、右側下端部)に形成されている。
なお、詳細は後述するように、可変表示窓21乃至23は第1ゲームに相当する通常ゲームで用いられ、可変表示窓24乃至26は第2ゲームに相当するボーナスゲームで用いられる。ここで、第2ゲームとは、通常ゲームに付加的に行われる各種ゲームをいうものとし、通常ゲームとは異なる遊技状態により行われるゲーム(例えば、以下に示すボーナスゲーム)も含むものとする。
本実施の形態では、可変表示窓21乃至23上に1本の有効入賞ラインL1が設けられ、可変表示窓24乃至26上に1本の有効入賞ラインL2が設けられている。各可変表示窓21乃至23、並びに、各可変表示窓24乃至26内においては、後述するリールに形成された各種の図柄が上方向から下方向に向かってスクロールしながら変動表示される。また、下部液晶ディスプレイ4には、上部液晶ディスプレイ3と同様に、ゲームに関する各種演出等が表示される。
下部液晶ディスプレイ4の下側には、手前側に突出する操作テーブル5が設けられ、かかる操作テーブル5には、最も左側から両替(CHANGE)ボタン6、払い戻し(CASHOUT)ボタン7、ヘルプ(HELP)ボタン8が配置され、また、ヘルプボタン8の右側には、コイン投入部9、紙幣投入部10が設けられている。また、操作テーブル5の手前側にて左側から、1−BETボタン11、スピン(SPIN/REPEATBET)ボタン12、3−BETボタン13及び5−BETボタン14が配置されている。
両替ボタン6は、ランプ20を点灯させるためのボタンである。払い戻しボタン7は、通常ゲームの終了時に押下されるボタンであり、払い戻しボタン7が押下されると、ゲームにて獲得した遊技媒体としてのコインがコイン払出口15からコイン受け部16に払い戻される。ヘルプボタン8は、ゲームの操作方法等が不明な場合に押下されるボタンであり、ヘルプボタン8が押下されると、上部液晶ディスプレイ3や下部液晶ディスプレイ4に各種のヘルプ情報が表示される。
コイン投入部9には、コインセンサ65が配置され、投入されたコインを検出する。紙幣投入部10には、紙幣センサ66が配置され、投入された紙幣を検出する。1−BETボタン11は、1回押下する毎に1ずつベットされるボタンである。スピンボタン12は、押下されることに基づき現在のベット数又は前回のベット数でゲームを開始すべく、下部液晶ディスプレイ4の各可変表示窓21乃至23にて各図柄の変動表示を開始させるボタンである。なお、スピンボタン12の押下により、賭けることが可能なベット数としては、1、2、3、4、5ベットが存在し得る。
3−BETボタン13は、その押下に基づき3ベットでゲームを開始するためのボタンである。5−BETボタン14は、その押下に基づき5ベットでゲームを開始するためのボタンである。キャビネット2の下部には、コイン払出口15が形成されると共に、コイン払出口15から払い出されたコインを受けるコイン受け部16が設けられている。
下部液晶ディスプレイ4に形成される3つの可変表示窓21乃至23に臨む位置に、第1の可変表示手段としての3つのリールが配設されている。3つのリールのうち、スロットマシン1の正面から見て左側のリールは、下部液晶ディスプレイ4に形成される可変表示窓21に対向しており、中央のリールは、同様に可変表示窓22に対向しており、右側のリールは、同様に可変表示窓23に対向している。
また、3つの可変表示窓24乃至26に臨む位置に、第2の可変表示手段としての3つのリールが配設されている。3つのリールのうち、スロットマシン1の正面から見て左側のリールは、下部液晶ディスプレイ4に形成される可変表示窓24に対向しており、中央のリールは、同様に可変表示窓25に対向しており、右側のリールは、同様に可変表示窓26に対向している。
各可変表示窓21乃至23に対向配置されたリールの外周面には、通常ゲームにおいて使用される、各種の図柄が形成されている。一方、各可変表示窓24乃至26に対向配置されたリールの外周面には、ボーナスゲームにおいて使用される、各種の図柄が形成されている。
ここで、下部液晶ディスプレイ4の各可変表示窓21乃至23、並びに、各可変表示窓24乃至26にてスクロールしながら可変表示される図柄例について図2を用いて説明する。図2は、下部液晶ディスプレイ4の各可変表示窓21乃至23にてスクロールしながら可変表示される図柄列の例を示す図である。図2において、図柄列141は、可変表示窓21にて可変表示される図柄列であり、図柄列142は、可変表示窓22にて可変表示される図柄列であり、図柄列143は、可変表示窓23にて可変表示される図柄列である。
図柄列141及び142は、共に同一図柄の配列を有しており、これらの各図柄列は、トリプルBAR91、チェリー92、ダブルBAR93、セブン94、シングルBAR95及びブランク(図柄が存在していない領域)96が適宜組み合わされて11個の図柄から構成されている。
図柄列143は、図柄列141及び142に含まれる図柄に加えてトリガーシンボル97が1個配列されている点でこれらの図柄列と相違する。トリガーシンボル97は、後述するボーナスゲームに移行するための図柄であり、可変表示窓23における有効入賞ラインL1上で停止表示された場合に遊技状態がボーナスゲームに移行するようになっている。
各リールの周面に各種図柄を形成する際においては、各リールの幅・周長に合致する長尺状のリールシートに11個の図柄を印刷しておき、かかるリールシートを各リールの周面に貼付することにより形成するのが一般的であるが、この方法以外の方法で図柄を形成することは勿論可能である。
なお、各可変表示窓21乃至23においてスクロールされている各図柄列141乃至143が停止表示される場合、3つの図柄が有効入賞ラインL1上に停止表示される。また、各図柄の複数種類の組合せに基づき各種の当選役が予め設定されており、当選役に対応する図柄の組合せが有効入賞ラインL1上で停止した際に、当選役に応じてコインがコイン払出口15から払い出される点については従来のスロットマシンと同様であり、ここではその説明を省略する。
また、各可変表示窓24乃至26においても、図2に示す図柄列がスクロールしながら可変表示される。この場合において、各可変表示窓24乃至26には、例えば、図2に示す図柄列141(又は図柄列142)が可変表示されるものとする。すなわち、各可変表示窓24乃至26において、トリガーシンボル97が出現することはない。
次に、スロットマシン1の制御系に係る構成について図3に基づき説明する。図3は、スロットマシンの制御系を模式的に示すブロック図である。
図3において、スロットマシン1の制御系は、基本的に、制御手段として機能するCPU50及びROM51、RAM52で構成されるマイクロコンピュータ100を核として構成されており、CPU50にはROM51及びRAM52が接続されている。ROM51は、後述するメイン処理、スタート受付処理、抽選処理、通常ゲーム処理、ボーナスゲーム処理などスロットマシン1の制御上必要な処理を行なうための各種のプログラム、データテーブル等が格納されている。RAM52は、CPU50で演算された各種データを一時的に記憶しておくメモリである。
なお、本実施の形態において、スロットマシン1を制御する際に用いられるプログラムやデータ等は、予めROM51やRAM52に格納される場合に限定されるものではなく、適宜変更することが可能である。例えば、同様のプログラムやデータ等をコンパクトフラッシュ(登録商標)等の記憶媒体に格納しておき、このような記憶媒体からROM51等にダウンロードするような構成としても良い。
CPU50には、基準クロックパルスを発生するクロックパルス発生回路53及び分周器54が接続されており、また、乱数を発生する乱数発生器55及び乱数サンプリング回路56が接続されている。乱数サンプリング回路56を介してサンプリングされた乱数は、当選役等の各種の抽選に使用される。さらに、CPU50には、スピンボタン12に付設されるスピンスイッチ58、1−BETボタン11に付設される1−BETスイッチ59、3−BETボタン13に付設される3−BETスイッチ60、5−BETボタン14に付設される5−BETスイッチ61、両替ボタン6に付設される両替(CHANGE)スイッチ62、払い戻しボタン7に付設される払い戻し(CASHOUT)スイッチ63、並びに、ヘルプボタン8に付設されるヘルプ(HELP)スイッチ64が、それぞれ接続されている。CPU50は、各ボタンの押下により各スイッチから出力されるスイッチ信号に基づき、各ボタンに対応する各種の動作を実行すべく制御を行う。
CPU50には、可変表示窓21乃至23に対向配置されるリール220Aの駆動制御を行うモータ駆動回路167A、ステッピングモータ68A及び位置変更検出回路69Aが接続されると共に、可変表示窓24乃至26に対向配置されるリール220Bの駆動制御を行うモータ駆動回路167B、ステッピングモータ68B及び位置変更検出回路69Bが接続されている。両者のモータ駆動回路167、ステッピングモータ68及び位置変更検出回路69は、同様に制御されるため、前者について説明し後者の説明を省略することとする。
CPU50からモータ駆動信号(指令パルス)がモータ駆動回路167Aに出力されると、各ステッピングモータ68Aはモータ駆動回路167Aから出力される励磁信号により回転駆動される。CPU50は、ステッピングモータ68Aの各々に供給した駆動パルス数を計数しており、計数した駆動パルス数に基づいて各リール220Aにおける図柄の回転位置を把握し、停止位置制御などを行う。
位置変更検出回路69Aは、上述のモータ駆動回路167Aより停止制御された後におけるリール220Aの停止位置の変更を検出する。例えば、位置変更検出回路69Aは、実際には入賞態様となる停止図柄の組合せでないにも関わらず、遊技者により強制的に入賞態様となる停止図柄の組合せになるように停止位置が変更された場合などにかかるリール220Aの停止位置の変更を検出する。位置変更検出回路69Aは、例えば、リール220Aの内側部分に所定間隔で取り付けられたフィンを検出することで、リール220Aの停止位置の変更を検出可能に構成されている。
CPU50には、コイン投入部9に配置されるコインセンサ65及び紙幣投入部10に配置される紙幣センサ66が、それぞれ接続されている。コインセンサ65はコイン投入部9から投入されたコインを検出し、CPU50はコインセンサ65から出力されるコイン検出信号に基づき投入されたコイン枚数を演算する。紙幣センサ66は、紙幣投入部10から投入された紙幣の種類・額を検出し、CPU50は紙幣センサ66から出力される紙幣検出信号に基づき紙幣の額と等価なコイン枚数を演算する。
CPU50には、ホッパー駆動回路70を介してホッパー71が接続されている。CPU50から駆動信号がホッパー駆動回路70に出力されると、ホッパー71は、所定枚数のコインをコイン払出口15から払い出す。また、CPU50には、払出完了信号回路72を介してコイン検出部73が接続されている。コイン検出部73は、コイン払出口15の内部に配置されている。コイン払出口15から所定枚数のコインが払い出されたことを検出した場合には、コイン検出部73からコイン払出検出信号が払出完了信号回路72に出力され、これに基づき払出完了信号回路72は、CPU50に対して払出完了信号を出力する。
CPU50には、液晶駆動回路74を介して上部液晶ディスプレイ3や下部液晶ディスプレイ4が接続されており、CPU50により、上部液晶ディスプレイ3や下部液晶ディスプレイ4を制御している。液晶駆動回路74は、図4に示すように、プログラムROM81、画像ROM82、画像制御CPU83、ワークRAM84、VDP(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサ)85及びビデオRAM86などで構成されている。
図4において、プログラムROM81には、上部液晶ディスプレイ3や下部液晶ディスプレイ4での表示に関する画像制御用プログラムや各種選択テーブルが格納されている。画像ROM82には、例えば、上部液晶ディスプレイ3や下部液晶ディスプレイ4で画像を形成するためのドットデータ等が格納されている。画像制御CPU83は、CPU50で設定されたパラメータに基づき、プログラムROM81内に予め記憶された画像制御プログラムに従い、画像ROM82内に予め記憶されたドットデータの中から上部液晶ディスプレイ3や下部液晶ディスプレイ4に表示する画像の決定を行う。ワークRAM84は、画像制御プログラムを画像制御CPU83で実行するときの一時記憶手段として構成される。VDP85は、画像制御CPU83で決定された表示内容に応じた画像データを生成し、上部液晶ディスプレイ3や下部液晶ディスプレイ4に出力する。なお、ビデオRAM86は、VDP85で画像を形成するときの一時記憶手段として構成される。
図3に戻り、スロットマシンの制御系の説明を続ける。CPU50には、LED駆動回路77を介してLED78が接続されている。LED78は、スロットマシン1の前面にて多数配設されて各種の演出を行う際に、CPU50からの駆動信号に基づきLED駆動回路77により点灯制御されるものである。また、音出力回路79及びスピーカ80がCPU50に接続されており、スピーカ80は、音出力回路79からの出力信号に基づき各種演出を行う際に各種の効果音を発生するものである。
CPU50には、ランプ駆動回路75を介してランプ20が接続されている。ランプ20は、スロットマシン1の上面にて配設され(図1参照)、両替ボタン6が押下されると、CPU50からの駆動信号に基づきランプ駆動回路75により点灯制御されるものである。
CPU50には、タッチパネル駆動回路67を介して透明タッチパネル30が接続されている。透明タッチパネル30は、下部液晶ディスプレイ4の画面上に装備されており、タッチパネル駆動回路67を介して、遊技者により接触された部分の座標位置情報を出力し、CPU50によってどこに触れたかを判別できるようになっている。
次に、上記構成を有するスロットマシン1の動作例について説明する。なお、上述のように、本実施の形態に係るスロットマシン1において、可変表示窓21乃至23は通常ゲームで用いられる一方、可変表示窓24乃至26はボーナスゲームで用いられる。
すなわち、通常ゲームにおいて、可変表示窓21乃至23は、キャビネット2内のリール220Aを遊技者に視認させるべく透視状態とされる。一方、可変表示窓24乃至26は、対応する部分に画像データが表示されることでキャビネット2内のリール220Bが遊技者から視認できないようにされる。また、ボーナスゲームにおいて、可変表示窓24乃至26は、キャビネット2内のリール220Bを遊技者に視認させるべく透視状態とされる。一方、可変表示窓21乃至23は、対応する部分に画像データが表示されることでキャビネット2内のリール220Aが遊技者から視認できないようにされる。
まず、スロットマシン1で行われるメイン処理の例について図5に基づき説明する。図5は、メイン処理の一例のフローチャートである。スロットマシン1(より具体的には、CPU50)は、メイン処理を開始すると、まず、スタート受付処理を実行する(ステップ(以下、「S」と略す)11)。この処理は、スピンボタン12の操作、1−BETボタン11の操作、3−BETボタン13の操作又は5−BETボタン14の操作に基づいてスピンスイッチ58、1−BETスイッチ59、3−BETスイッチ60又は5−BETスイッチ61から出力されたスイッチ信号を受け付ける処理である。各スイッチから出力されたスイッチ信号を受け付けた時点で、ゲームが開始される。
スロットマシン1で行われるスタート受付処理について図6に基づき説明する。図6は、スタート受付処理の一例のフローチャートである。図5に示すメイン処理のS11において、CPU50は、まず、所定時間(例えば、15秒)が経過したか否かを判断する(S21)。ここで、所定時間が経過していないと判断した場合には(S21、No)、何も行うことなくS23に進むが、所定時間が経過していると判断した場合には(S21、Yes)、S22において、上部液晶ディスプレイ3や下部液晶ディスプレイ4でデモ演出処理を行った後、S23に進む。なお、このデモ演出処理は、予め定められた演出パターンに従って行われる。
S23において、CPU50は、スピンボタン12の操作、1−BETボタン11の操作、3−BETボタン13の操作又は5−BETボタン14の操作が行われたか否かを判断する。ここで、1−BETボタン11等の操作がなされていないと判断した場合には(S23、No)、S21に戻って、上述した処理を繰り返す。一方、1−BETボタン11等の操作が行われたと判断した場合には(S23、Yes)、上記デモ演出処理の途中であっても、図5に示すメイン処理に戻って、S12の抽選処理に進む。
次に、スロットマシン1で行われる抽選処理(S12)について図7に基づき説明する。図7は、抽選処理の一例のフローチャートである。図5に示すメイン処理のS12において、CPU50は、まず、乱数抽出処理を行う(S31)。この乱数抽出処理は、CPU50が乱数サンプリング回路56を介して1個の乱数をサンプリングする処理である。
乱数抽出処理(S31)において乱数を抽出した後、CPU50は、役判定処理を実行する(S32)。この役判定処理は、S31において抽出した乱数と、予め用意されている、乱数と役(ハズレを含む)との対応関係を記述した抽選テーブルとを比較して、抽出した乱数に対応した役を決定する処理である。
なお、この抽選テーブルは、例えば、乱数値が1〜10までのいずれかであれば役「ボーナスゲーム」、同じく乱数値が11〜40までのいずれかであれば役「オールセブン」、…、乱数値341〜1024までのいずれかであれば役「ハズレ」であることを記述しているテーブルである。なお、上述の役「オールセブン」とは、有効入賞ラインL上に停止した図柄が全て図柄「セブン」である場合である。
役判定処理(S32)に続いて、CPU50は、停止図柄決定処理を実行する(S33)。この停止図柄決定処理は、役判定処理において決定した役が成立するように、有効入賞ラインL1上に停止表示される図柄を、各可変表示窓21乃至23毎に決定する処理である。具体的には、CPU50は、決定した役に応じた図柄の組合せが有効入賞ラインL1上に成立するように停止図柄のコードNo.を決定する。そして、停止図柄決定処理(S33)の終了後、図5に示すメイン処理に戻って、S13の通常ゲーム処理に進む。
次に、スロットマシン1で行われる通常ゲーム処理(S13)について図8に基づき説明する。図8は、通常ゲーム処理の一例のフローチャートである。図5に示すメイン処理のS13において、CPU50は、まず、上記スタート受付処理(S11)にて受け付けられたスピンスイッチ58、1−BETスイッチ59、3−BETスイッチ60又は5−BETスイッチ61から出力されたスイッチ信号に基づいて、キャビネット2内の3つのリール220Aの回転を開始する回転処理を実行する(S41)。この回転処理により可変表示窓21乃至23内にて各図柄のスクロールが行われる。このとき、可変表示窓21乃至23は、透視状態にあるので、各図柄のスクロールを視認することができる。
次に、CPU50は、有効入賞ラインL1上に上記抽選処理(S12)、より詳しくは停止図柄決定処理(S33)において決定した停止図柄を停止させるように、キャビネット2内の3つのリール220Aの回転を停止させる停止制御処理を実行する(S42)。この停止制御処理によって、可変表示窓21乃至23内における各図柄のスクロールが停止される。
次に、CPU50は、停止制御処理(S42)で各可変表示窓21乃至23にて停止表示された図柄の組み合わせに従って、予め設定された配当に相当するコインを払出予定コインに一時的に加算する加算処理を実行する(S43)。なお、この払出予定コインは、RAM52の一定領域に割り当てて格納されている。この加算処理においては、上記役判定処理(S32)において判定された役に従ってコイン等の加算が行われる。なお、かかる加算処理を実行した後、CPU50は、図5に示すメイン処理に戻る。なお、このように通常ゲーム処理を行っている間、可変表示窓24乃至26に対応する位置は演出内容を表示するための表示領域として用いられ、キャビネット2内のリール220Bは遊技者から視認できないようにされている。
図5に戻り、メイン処理の説明を続ける。通常ゲーム処理(S13)を実行した後、CPU50は、ボーナスゲームが成立しているか否かを判定する(S14)。この判定は、図8に示す通常ゲーム処理における停止制御処理(S42)において有効入賞ラインL1上に停止した図柄、或いは、抽選処理(S12)において決定された乱数又は役に基づいて判定される。
ボーナスゲームが成立したと判断する場合には(S14、Yes)、CPU50は、ボーナスゲーム処理を実行する(S15)。ボーナスゲーム処理(S15)において、スロットマシン1は、所定回数(本実施の形態では10回とする)のフリースピンを行うフリーゲームを実行する。すなわち、本実施の形態に係るスロットマシン1において、ボーナスゲームとは、10回のフリースピンが許可されるフリーゲームに相当する。
フリースピンを行うに際しては、遊技者がコインを投入したり、ベットボタンを押したりすることなく、すなわち、コインや蓄積したクレジットを消費することなく、通常ゲーム処理と同様の処理が行われる。従って、ボーナスゲーム中においては、コインやクレジット枚数を消耗することなくコイン又はクレジットの支払いを受けることができるため、遊技者は、コインの獲得又はクレジットの獲得の点で非常に有利になる。
以下、スロットマシン1で行われるボーナスゲーム処理について図9に基づき説明する。図9は、ボーナスゲーム処理の一例のフローチャートである。図5に示すメイン処理のS15において、ボーナスゲーム処理を開始すると、CPU50は、まず、フリースピン処理を行う(S51)。
ここで、ボーナスゲーム処理で実行されるフリースピン処理について図10に基づき説明する。図10に示すように、フリースピン処理を開始すると、CPU50は、遊技者の所定の操作に応じて、図5に示す抽選処理(S12)及び通常ゲーム処理(S13)と同様の処理を実行するため、抽選処理(S12)に相当する抽選処理を行う(S61)。
なお、S61に示す抽選処理は、可変表示部24乃至26で図柄「ブランク」(以下、適宜「ブランク図柄」という)が停止表示される場合に、下部液晶ディスプレイ4における当該ブランク図柄に対応する位置に追加して表示される追加図柄を決定する処理(以下、「追加図柄決定処理」という)を含む点で図7に示す抽選処理(S12)と相違する。
図11は、図10に示すフリースピン処理における抽選処理(S61)の一例のフローチャートである。抽選処理を開始すると、CPU50は、まず、追加図柄決定処理を行う(S71)。この追加図柄決定処理においては、追加図柄を決定するために抽出した乱数と、予め用意されている、乱数と追加図柄との対応関係を記述した追加図柄テーブルとを比較して、抽出した乱数に対応した追加図柄を決定する。
なお、この追加図柄テーブルは、例えば、乱数値が1〜5までのいずれかであれば図柄「セブン」、乱数値が6〜15までのいずれかであれば図柄「トリプルBAR」、乱数値が16〜35までのいずれかであれば図柄「ダブルBAR」、乱数値36〜75までのいずれかであれば図柄「シングルBAR」、乱数値76〜155までのいずれかであれば図柄「チェリー」であることを記述しているテーブルである。
追加図柄決定処理(S71)において追加図柄を決定した後、CPU50は、これに続いてS72の乱数抽出処理に進み、その後、役判定処理(S73)及び停止図柄決定処理(S74)を実行する。なお、かかる乱数抽出処理(S72)、役判定処理(S73)及び停止図柄決定処理(S74)においては、図7に示す抽選処理(S12)と同様の処理を行うため、その説明を省略する。
抽選処理(S61)に続いて、CPU50は、図8に示す通常ゲーム処理における回転処理(S41)に相当する図柄変動表示開始(S62)及び停止制御処理(S42)に相当する図柄変動表示停止(S63)を行う。この図柄変動表示停止において、CPU50は、抽選処理(S61)で決定された図柄を可変表示窓24乃至26のそれぞれに表示させるように可変表示窓24乃至26における各図柄の可変表示を停止させる。
このとき、有効入賞ラインL2上にブランク図柄を停止する場合には、CPU50は、先の追加図柄決定処理(S71)で決定した追加図柄(追加図柄の画像データ)を、下部液晶ディスプレイ4における当該ブランク図柄に対応する位置に表示する。これにより、遊技者は、ブランク図柄上に表示された追加図柄を視認することが可能となる。
次に、CPU50は、各可変表示窓24乃至26のそれぞれに表示された停止図柄が所定の図柄の組み合わせを含む場合には、その組合せに応じて遊技者に払い出すコインの数、又は遊技者の手持ちのクレジット数に新たに加算するクレジットの数を算出する入賞判定処理を行う(S64)。なお、この入賞判定処理を行うタイミングは適宜変更が可能であり、ボーナスゲーム処理を開始した後、次の払出処理(S16)までの間であれば、いかなるタイミングで行うようにしても良い。
入賞判定処理(S64)において、遊技者に払い出すコインの枚数等を算出した後、CPU50は、当該枚数のコインを払出予定コインに一時的に加算する加算処理を実行する(S65)。上記S61からS65の処理が行われると、1回のフリースピン処理が終了したこととなる。
図9に戻り、ボーナスゲーム処理の説明を続ける。上述のような要領でフリースピン処理が終了すると、CPU50は、ボーナスゲーム処理の終了条件であるフリースピン処理の実行回数が規定回数(本実施の形態では10回)に到達したか否かを判定する(S52)。かかる判定の結果、フリースピン処理の実行回数が規定回数に到達していない場合(S52、No)には、CPU50は、フリースピン処理(S51)を再度実行する。一方、規定回数に到達している場合(S52、Yes)には、CPU50は、ボーナスゲーム処理を終了し、メイン処理に戻る。なお、このようにボーナスゲーム処理を行っている間、可変表示窓21乃至23に対応する位置は演出内容を表示するための表示領域として用いられ、キャビネット2内のリール220Aは遊技者から視認できないようにされている。
図5に戻り、メイン処理の説明を続ける。S14において、ボーナスゲームが成立していない場合(S14、No)、並びに、ボーナスゲーム処理(S15)が終了した場合、CPU50は、通常ゲーム処理における加算処理(S43)及びフリースピン処理における加算処理(S65)において払出予定コインに加算された配当数分のコインを一括して射出し、或いは配当数分を遊技者の手持ちのクレジット数に新たに加算する払出処理を行う(S16)。そして、払出処理を行った後、CPU50は、処理をスタート受付処理(S11)に戻し、次のゲーム開始に備える。以上で、メイン処理の説明及びスロットマシンの動作例の説明を終了する。
以下、本実施の形態に係るスロットマシン1の各遊技状態における下部液晶ディスプレイ4の表示画面例について説明する。図12は、初期状態(下部液晶ディスプレイ4に画像データが表示されていない状態)における下部液晶ディスプレイ4の表示画面例を示している。この状態においては、図12に示すように、可変表示窓21乃至23、並びに、可変表示窓24乃至26は、透視状態となっている。このため、遊技者は、可変表示窓21乃至23、並びに、可変表示窓24乃至26を介してキャビネット2内のリール220A及び220B上の図柄を視認することが可能となっている。
スタート受付処理(S11)において、各種スイッチからゲームの開始指示を受け付けると、抽選処理(S12)を経て通常ゲーム処理(S13)に移行する。上述のように、通常ゲーム処理においては、下部液晶ディスプレイ4における可変表示窓24乃至26に対応する位置に演出用の画像データが表示される。図13は、通常ゲーム処理の実行中における下部液晶ディスプレイ4の表示画面例を示している。この状態においては、図13に示すように、可変表示窓21乃至23が透視状態となっている一方、可変表示窓24乃至26が非透視状態となっている。このため、遊技者は、可変表示窓21乃至23を介してキャビネット2内のリール220A上の図柄のみを視認することが可能となっている。
通常ゲーム処理(S13)を実行するうちにボーナスゲームが成立すると(S14のYES)、ボーナスゲーム処理(S15)に移行する。ボーナスゲーム処理においては、下部液晶ディスプレイ4における可変表示窓21乃至23に対応する位置に演出用の画像データが表示される。図14は、ボーナスゲーム処理の実行中における下部液晶ディスプレイ4の表示画面例を示している。この状態においては、図14に示すように、可変表示窓24乃至26が透視状態となっている一方、可変表示窓21乃至23が非透視状態となっている。このため、遊技者は、可変表示窓24乃至26を介してキャビネット2内のリール220B上の図柄のみを視認することが可能となっている。
かかるボーナスゲーム処理(S15)において、図14に示すように、有効入賞ラインL2上にブランク図柄が停止表示する場合、CPU50は、S71の追加図柄決定処理で決定した追加図柄を、下部液晶ディスプレイ4における当該ブランク図柄に対応する位置に表示させる。図15は、ボーナスゲーム処理の実行中において、ブランク図柄上に追加図柄を表示した下部液晶ディスプレイ4の表示画面例を示している。ここでは、追加図柄として図柄「セブン」が決定された場合について示している。この状態においては、図15に示すように、遊技者は、可変表示窓25及び26を介してキャビネット2内のリール220B上の図柄(図柄「セブン」)を視認することができると共に、可変表示窓24のブランク図柄に対応する位置に表示された追加図柄(図柄(セブン))を視認することが可能となっている。
このように本実施の形態に係るスロットマシン1によれば、ボーナスゲーム(サブゲーム)で用いられるリール220Bでブランク図柄を表示する際、CPU50が、下部液晶ディスプレイ4における当該ブランク図柄に対応する位置にいずれかの図柄を表示させることから、遊技者に対して、ブランク図柄に他の図柄が表示されることによる利益を期待させることができるので、ボーナスゲーム(サブゲーム)における遊技の興趣性を高めることが可能となる。
特に、本実施の形態のスロットマシン1において、ボーナスゲームで用いられるリール220Bは、下部液晶ディスプレイ4における表示領域の端部(右側下端部)に配置している。これにより、下部液晶ディスプレイ4のうち、可変表示窓24乃至26が配置されていない表示領域を演出表示に用いることができるため、この演出表示を通じてボーナスゲームにおける遊技の興趣性を更に高めることが可能となる。
また、本実施の形態のスロットマシン1においては、ボーナスゲームで用いられるリール220Bの大きさを、通常ゲームで用いられるリール220Aよりも小さくしている。これにより、遊技者に面する表示領域が限られる状況下において、効率的にスロットマシン1のキャビネット2内の空間を利用することが可能となる。なお、この場合においても、本スロットマシン1は、ボーナスゲームで用いられるリール220Bにおけるブランク図柄に対応する位置に他の図柄を表示させるので、リール220Bを小さくしたことによる弊害を回避しつつ、ボーナスゲームにおける遊技の興趣性を高めることが可能となる。
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものでなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。上記実施の形態において、添付図面に図示されている大きさや形状などについては、これに限定されず、本発明の効果を発揮する範囲内で適宜変更することが可能である。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能である。本発明の変形例を以下に例示する。
例えば、上記実施の形態においては、ボーナスゲーム処理の実行中に可変表示窓224乃至26にブランク図柄が停止表示される際、リール220上の他の図柄を当該ブランク図柄に対応する位置に表示する場合について説明している。しかし、遊技者の興趣性を向上させることを目的として、当該ブランク図柄に対応する位置に表示され得る他の図柄の候補(以下、適宜「図柄候補」という)を下部液晶ディスプレイ4に表示させることは実施の形態として好ましい。
図16は、当該ブランク図柄に対応する位置に表示する図柄候補を表示した場合における下部液晶ディスプレイ4の表示画面例を示している。図16に示す表示画面では、図柄候補として、図柄「セブン」、「トリプルBAR」、「ダブルBAR」及び「チェリー」が表示された場合について示している。図16に示すように、可変表示窓24、25及び26において、有効入賞ラインL2上にそれぞれブランク図柄、図柄「セブン」及び図柄「セブン」が停止表示された状態において、追加図柄として図柄「セブン」が決定されている場合には、フリーゲームにおいて役「オールセブン」が成立することとなる。このようにブランク図柄に対応する位置に表示され得る図柄候補を表示する場合には、遊技者に対して、追加図柄がブランク図柄に対応する位置に表示された場合の利益を予想させることができるので、遊技における興趣性を高めることが可能となる。
また、上記スロットマシン1においては、下部液晶ディスプレイ4に、可変表示窓21乃至23を備えると共に有効入賞ラインL1が設定される一方、可変表示窓24乃至26を備えると共に有効入賞ラインL2が設定されたスロットマシン1について示しているが、可変表示窓の数量及び有効入賞ラインLの本数は任意に設定することが可能である。また、上記実施の形態においては、1個の乱数により可変表示窓21乃至23(可変表示窓24乃至26)の停止図柄を決定する場合について示しているが、可変表示窓21乃至23(可変表示窓24乃至26)のそれぞれについて1個の乱数をサンプリングし、可変表示窓21乃至23毎に停止図柄の決定を行うようにしても良い。
さらに、上記スロットマシン1においては、遊技媒体の一例としてコインを用いて説明しているが、遊技媒体の形態としてはこれに限定されるものではなく、本スロットマシン1で遊技を行うことができればいかなる形態を採っても良い。特に、ゲームにより獲得した遊技媒体の払出しを受ける場合には、獲得した遊技媒体の数量を記録した磁気カードや当該遊技媒体の数量が印刷されたレシートで受けても良い。さらに、払出対象の遊技媒体の数量を本スロットマシン1における情報管理を行うサーバで管理するようにしても良い。
さらに、上記スロットマシン1で行われる抽選(例えば、追加図柄抽選処理や抽選処理で行われる抽選)では、乱数と各追加図柄との対応関係を記述した追加図柄テーブルや、乱数と各入賞態様との対応関係を記述した抽選テーブルを用いる場合について示しているが、抽選の内容についてはこれに限定されるものではなく、適宜変更することが可能である。特に、抽選テーブルの登録内容については、乱数と入賞態様とを一対一に対応付けるようにしても良く、乱数と入賞態様とを複数対一に対応付けるようにしても良い。また、乱数の入賞態様との対応関係でなく、乱数と可変表示窓で可変表示される図柄との対応関係を記述しておき、可変表示窓毎に停止させる図柄を決定するようにしても良い。この場合には、図柄毎に割り当てられたコードNo.を利用することが考えられる。さらに、抽選に用いる乱数をそのまま利用するのではなく、その乱数に所定の演算処理を施すことで得た演算結果に応じて入賞態様を決定するようにしても良い。