JP2006339517A - 薄膜トランジスタおよび液晶表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】信頼性を向上できる薄膜トランジスタを提供する。
【解決手段】活性層5のソース領域7およびドレイン領域8の長手方向の中央部から両端部に向けてコンタクトホール13a,13b,13c,13d,13eの間隔を徐々に狭くする。通電時の活性層5の放熱量が長手方向の中央部より両端部のほうが小さい。活性層5の長手方向の中央部での放熱性が両端部での放熱性より良くなる。活性層5のチャネル領域に電流が流れて自己発熱したときに、チャネル領域の長手方向の中央部での局所的な温度上昇を抑制できる。通電時の自己発熱をチャネル領域全体に亘って平均化できる。
【選択図】図1
【解決手段】活性層5のソース領域7およびドレイン領域8の長手方向の中央部から両端部に向けてコンタクトホール13a,13b,13c,13d,13eの間隔を徐々に狭くする。通電時の活性層5の放熱量が長手方向の中央部より両端部のほうが小さい。活性層5の長手方向の中央部での放熱性が両端部での放熱性より良くなる。活性層5のチャネル領域に電流が流れて自己発熱したときに、チャネル領域の長手方向の中央部での局所的な温度上昇を抑制できる。通電時の自己発熱をチャネル領域全体に亘って平均化できる。
【選択図】図1
Description
本発明は、半導体層を有する薄膜トランジスタおよび液晶表示装置に関する。
従来、この種の液晶表示装置に用いられる薄膜トランジスタとしては、ガラス基板上に非晶質半導体薄膜を堆積させてから、この非晶質半導体薄膜をエキシマレーザ光などのエネルギビームを照射して溶融結晶化させてパターニングして多結晶半導体薄膜の半導体層とする。次いで、この半導体層を含むガラス基板上にゲート絶縁膜を形成してから、このゲート絶縁膜上に金属膜を形成してパターニングしてゲート電極とする。
この後、このゲート電極をマスクとしてp型またはn型の不純物を高濃度に注入し、半導体層の両側をソース領域およびドレイン領域とし、これらソース領域およびドレイン領域間の半導体層をチャネル領域とする。さらに、これらソース領域およびドレイン領域中の不純物を活性化してから、ゲート電極を含むゲート絶縁膜上に層間絶縁膜を形成する。
次いで、この層間絶縁膜にレジストを形成してからパターニングして、ソース領域およびドレイン領域に導通したコンタクトホールを形成する。さらに、層間絶縁膜上のレジストを剥離してから、コンタクトホールを含む層間絶縁膜上に金属膜を形成してパターニングして、ソース領域に電気的に接続されたソース電極と、ドレイン領域に電気的に接続されたドレイン電極とを形成した構成が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2004−246284号公報
しかしながら、上述の薄膜トランジスタでは、この薄膜トランジスタの特性および性能を向上させるために、この薄膜トランジスタに流す電流を上げると、この薄膜トランジスタの自己発熱によってチャネル領域の温度上昇が大きく、特にチャネル領域の長手方向の中央部などに局部的な温度上昇が発生しやすい。このため、薄膜トランジスタの特性の劣化や信頼性が低下するおそれがあるという問題を有している。
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、信頼性を向上できる薄膜トランジスタおよび液晶表示装置を提供することを目的とする。
本発明は、長手状のチャネル領域と、このチャネル領域の長手方向の両側に設けられ互いに絶縁され前記チャネル領域の長手方向に沿った長手方向を有するソース領域およびドレイン領域を有する半導体層と、この半導体層の前記チャネル領域に離間対向して設けられたゲート電極と、このゲート電極の両側に位置して前記半導体層のソース領域およびドレイン領域に連通しこれらソース領域およびドレイン領域の長手方向の中央部より両端部の通電時の放熱量を小さくさせる複数の連通部と、これら複数の連通部に設けられ前記半導体層のソース領域およびドレイン領域に電気的に接続され互いに絶縁されたソース電極およびドレイン電極とを具備したものである。
そして、長手状のチャネル領域の長手方向の両側にこのチャネル領域の長手方向に沿った長手方向を有するソース領域およびドレイン領域を互いに絶縁させて設けて半導体層とする。この半導体層のチャネル領域に離間対向してゲート電極を設ける。このゲート電極の両側に位置し半導体層のソース領域およびドレイン領域に連通した連通部を、ソース領域およびドレイン領域の長手方向の中央部より両端部の通電時の放熱量を小さくさせる構成とする。
本発明によれば、半導体層のソース領域およびドレイン領域の長手方向の中央部より両端部の通電時の放熱量を複数の連通部にて小さくさせることにより、半導体層のチャネル領域の長手方向の中央部での放熱量が両端部より大きくなるから、これら連通部に設けたソース電極とドレイン電極との間を通電させた場合に、半導体層のチャネル領域の長手方向の中央部での局所的な温度上昇を抑制できるので、信頼性を向上できる。
以下、本発明の液晶表示装置の第1の実施の形態の構成を図1ないし図2を参照して説明する。
図1ないし図2において、1は液晶表示装置としての液晶表示素子である。この液晶表示素子1は、画像表示が可能な平面表示装置であって、略矩形平板状のアレイ基板2を備えている。このアレイ基板2は、略透明な矩形平板状の絶縁基板としての透光性基板であるガラス基板3を備えている。このガラス基板3の一主面である表面上には、図示しないアンダーコート層が積層されている。
そして、このアンダーコート層上には、スイッチング素子としての逆導電型の複数の薄膜トランジスタ(TFT)4がマトリクス状に設けられている。そして、これら薄膜トランジスタ4は、アンダーコート層上に積層されて設けられた半導体層としての細長矩形状の活性層5を備えている。この活性層5は、非晶質半導体薄膜としてのアモルファスシリコン(a−Si)薄膜のレーザアニールによる溶融結晶化にて設けられた多結晶半導体薄膜としてのポリシリコン(p−Si)薄膜にて構成されている。
さらに、この活性層5の幅方向の中央部には、この活性層5の長手方向に沿ってチャネル領域6が設けられている。このチャネル領域6は、活性層5の長手方向に沿った長手方向を有する細長矩形状に形成されている。また、このチャネル領域6の両側には、ソース領域7およびドレイン領域8が設けられている。これらソース領域7およびドレイン領域8は、互いに電気的に絶縁されてチャネル領域6の幅方向の両側に一体的に接続されている。そして、これらソース領域7およびドレイン領域8は、チャネル領域6の長手方向に沿った長手方向を有する細長矩形状に形成されている。
また、活性層5を含むアンダーコート層上には、ゲート絶縁膜9が積層されて設けられている。そして、このゲート絶縁膜9上の活性層5のチャネル領域6に対向する位置には、ゲート電極11が積層されて設けられている。このゲート電極11は、活性層5のチャネル領域6上に離間対向して設けられている。さらに、このゲート電極11は、ソース領域7およびドレイン領域8がこのゲート電極11を挟んで対峙するように構成されている。また、このゲート電極11は、チャネル領域6の幅寸法に略等しい幅寸法を有するとともに、このチャネル領域6の長手寸法より大きな長手寸法を有する細長矩形状に設けられている。
そして、このゲート電極11は、チャネル領域6の長手方向に長手方向を沿わせた状態で、このチャネル領域6上に設けられている。さらに、各薄膜トランジスタ4のゲート電極11は、ガラス基板3の幅方向である横方向に沿って配線された図示しない走査線にて互いに電気的に接続されている。すなわち、これらゲート電極11は、これらゲート電極11同士が走査線を介して配線接続されている。
さらに、このゲート電極11を含むゲート絶縁膜9上には、保護膜である層間絶縁膜12が積層されて設けられている。そして、この層間絶縁膜12およびゲート絶縁膜9には、これら層間絶縁膜12およびゲート絶縁膜9のそれぞれを貫通して薄膜トランジスタ4のソース領域7およびドレイン領域8を導通させる導通部としてのスルーホールである複数のコンタクトホール13a,13b,13c,13d,13eが開口されて設けられている。
そして、図1に示すように、これらコンタクトホール13a,13b,13c,13d,13eは、平面視でそれぞれの大きさが等しい断面円形状に形成されている。また、これらコンタクトホール13a,13b,13c,13d,13eは、平面視でゲート電極11の両側に位置するソース領域7あるいはドレイン領域8上に設けられており、これらソース領域7あるいはドレイン領域8に連通している。また、これらコンタクトホール13a,13b,13c,13d,13eは、ソース領域7およびドレイン領域8それぞれの長手方向に沿って離間されて複数、例えば9個ずつ並設されている。そして、これらコンタクトホール13a,13b,13c,13d,13eのそれぞれは、ゲート電極11の両側縁から等間隔に離間された位置に設けられている。また、これらコンタクトホール13a,13b,13c,13d,13eのそれぞれは、ソース領域7およびドレイン領域8の幅方向の中央部に設けられている。
さらに、これらコンタクトホール13a,13b,13c,13d,13eは、ソース領域7およびドレイン領域8の長手方向の中央部から、これらソース領域7およびドレイン領域8の長手方向の端縁部分である両端部に向けて、徐々に間隔が狭められて設けられている。すなわち、これらコンタクトホール13a,13b,13c,13d,13eは、ソース領域7およびドレイン領域8の長手方向の中央部より、これらソース領域7およびドレイン領域8の長手方向の両端部の通電時の放熱量を小さくさせるように構成されている。
具体的に、これらコンタクトホール13a,13b,13c,13d,13eは、ソース領域7およびドレイン領域8の長手方向の中央部に位置するコンタクトホール13aとこのコンタクトホール13aの長手方向の両端側である外側に位置する各コンタクトホール13bそれぞれとの間の間隔d1よりも、これらコンタクトホール13bとこれらコンタクトホール13bの外側に位置するコンタクトホール13cそれぞれとの間の間隔d2が広くなるように形成されている。
また、これらコンタクトホール13bとコンタクトホール13cとの間の間隔d2よりも、これらコンタクトホール13cとこれらコンタクトホール13cの外側に位置するコンタクトホール13dそれぞれとの間の間隔d3が広く形成されている。したがって、これらコンタクトホール13a,13b,13cは、ソース領域7およびドレイン領域8の長手方向の中央部に位置するコンタクトホール13a,13b間の間隔d1よりも、これらソース領域7およびドレイン領域8の長手方向の両端部に位置するコンタクトホール13b,13c間の間隔d2が狭く配置されている。さらに、これらコンタクトホール13cとコンタクトホール13dとの間の間隔d3よりも、これらコンタクトホール13dとこれらコンタクトホール13dの外側に位置するコンタクトホール13eそれぞれとの間の間隔d4が広く形成されている。
したがって、これらコンタクトホール13a,13b,13c,13d,13eは、これらコンタクトホール13a,13b,13c,13d,13e間の距離である間隔がソース領域7およびドレイン領域8の長手方向の中央部から両端部に向けて間隔d1>間隔d2>間隔d3>間隔d4となるように配置されている。したがって、これらコンタクトホール13a,13b,13c,13d,13eは、ソース領域7およびドレイン領域8それぞれの長手方向の中央部での単位面積当たりの個数よりも、これらソース領域7およびドレイン領域8それぞれの長手方向の両端部での単位面積当たりの個数が多くなるように設けられている。よって、これらコンタクトホール13a,13b,13c,13d,13eは、ソース領域7およびドレイン領域8の長手方向の両端部から中央部に向けて通電時の放熱量が大きくなり温度上昇が小さくなるように設けられている。
そして、ソース領域7に連通した各コンタクトホール13a,13b,13c,13d,13eのそれぞれを含む層間絶縁膜12上には、ソース電極14が積層されて設けられている。このソース電極14は、ソース領域7に連通した各コンタクトホール13a,13b,13c,13d,13eを介して活性層5のソース領域7に電気的に接続されている。ここで、各薄膜トランジスタ4のソース電極14は、ガラス基板3の長手方向である縦方向に沿って配線された図示しない信号線にて互いに電気的に接続されている。すなわち、これらソース電極14は、これらソース電極14同士が信号線を介して配線接続されている。よって、各薄膜トランジスタ4は、これら薄膜トランジスタ4のゲート電極11同士およびソース電極14同士が電気的に接続されてトランジスタ回路15を構成している。
また、活性層5のドレイン領域8に連通した各コンタクトホール13a,13b,13c,13d,13eのそれぞれを含む層間絶縁膜12上には、ドレイン電極16が積層されて設けられている。このドレイン電極16は、各コンタクトホール13a,13b,13c,13d,13eを介して活性層5のドレイン領域8に電気的に接続されている。さらに、これらソース電極14およびドレイン電極16は、ゲート電極11より幅方向の両側に位置して互いに絶縁されている。
さらに、これらソース電極14およびドレイン電極16を含む層間絶縁膜12上の全面には、保護膜であるパッシベーション膜17が積層されている。このパッシベーション膜17には、このパッシベーション膜17を貫通してドレイン電極16に導通した導通部としてのスルーホールであるコンタクトホール18が開口されて設けられている。また、このコンタクトホール18を含むパッシベーション膜17上には、透明導電膜としてのITO膜にて構成された画素電極19が積層されている。この画素電極19は、コンタクトホール18を介してドレイン電極16に電気的に接続されている。また、この画素電極19を含むパッシベーション膜17上の全面には、ポリイミドの配向処理にて構成された配向膜21が積層されて設けられている。
一方、アレイ基板2に対向して矩形平板状の対向基板31が配設されている。この対向基板31は、略透明な矩形平板状の絶縁基板としての透光性基板であるガラス基板32を備えている。このガラス基板32のアレイ基板2に対向した側の一主面には、カラーフィルタ層33が積層されて設けられている。さらに、このカラーフィルタ層33を含むガラス基板32上には、透明導電膜としてのITO膜にて構成された対向電極34が積層されて設けられている。また、この対向電極34上には、ラビング処理されたポリイミド(PI)にて構成された配向膜35が積層されて設けられている。そして、この配向膜35とアレイ基板2の配向膜21との間には、液晶組成物36が注入されて封止されて光変調層として液晶層37が介在されて設けられている。
次に、上記第1の実施の形態の液晶表示素子の製造方法について説明する。
まず、図3に示すように、ガラス基板3上にアンダーコート層を積層させて堆積させてから、このアンダーコート層上にアモルファスシリコン膜41を積層させて堆積させる。
次いで、図4に示すように、このアモルファスシリコン膜41にエキシマレーザ光などのエネルギビームを照射して、このアモルファスシリコン膜41を溶融結晶化してポリシリコン膜42にしてからパターニングする。
次いで、図5に示すように、このパターニング後のポリシリコン膜42を含むアンダーコート層上にゲート絶縁膜9を積層させて堆積させる。
この後、このゲート絶縁膜9上に金属膜を形成してからパターニングしてポリシリコン膜42の幅方向の中央部上にゲート電極11を設けてから、図6に示すように、このゲート電極11をマスクとしてp型またはn型の不純物をポリシリコン膜42の両側に高濃度に注入してドープしてソース領域7およびドレイン領域8を形成する。
このとき、ポリシリコン膜42のソース領域7およびドレイン領域8との間の領域がチャネル領域6となり、このポリシリコン膜42が活性層5となる。
次いで、この活性層5のソース領域7およびドレイン領域8に注入した不純物をアニールにて活性化させてから、ゲート電極11を含むゲート絶縁膜9上に層間絶縁膜12を積層させて堆積させる。
この後、この層間絶縁膜12のコンタクトホール13a,13b,13c,13d,13eを設ける部分以外上の全面に図示しないレジストを形成してから、図7に示すように、この層間絶縁膜12およびゲート絶縁膜9をパターニングして活性層5のソース領域7およびドレイン領域8に連通したコンタクトホール13a,13b,13c,13d,13eをそれぞれ開口させる。
次いで、この層間絶縁膜12上のレジストを剥離してから、図8に示すように、これらコンタクトホール13a,13b,13c,13d,13eを含む層間絶縁膜12上にソース電極14およびドレイン電極16を形成して薄膜トランジスタ4とする。
この後、これらソース電極14およびドレイン電極16を含む層間絶縁膜12上にパッシベーション膜17を積層させて堆積させてから、このパッシベーション膜17をパターニングしてドレイン電極16に連通したコンタクトホール18を開口させる。
次いで、このコンタクトホール18を含むパッシベーション膜17上に画素電極19を積層させて堆積させてから、この画素電極19を含むパッシベーション膜17上に配向膜21を積層させて堆積させる。
さらに、この配向膜21に対向基板31の配向膜35を対向させて、この対向基板31とアレイ基板2とを貼り合わせてから、これらアレイ基板2の配向膜21と対向基板31の配向膜35との間に液晶組成物36を注入して液晶層37を介在させて液晶表示素子1とする。
ここで、活性層5のソース領域7およびドレイン領域8それぞれの長手方向の中央部のみにコンタクトホール13aを設け、これらコンタクトホール13aを介してソース電極14およびドレイン電極16を活性層5のソース領域7およびドレイン領域8のそれぞれに電気的に接続させた比較例となる薄膜トランジスタ4の場合には、この薄膜トランジスタ4の特性や性能を向上させるために、この薄膜トランジスタ4に流す電流を多くした場合には、この薄膜トランジスタ4の自己発熱によってチャネル領域6での温度上昇が大きく、このチャネル領域6での局部的な温度上昇、特にチャネル領域6の長手方向の中央部での温度上昇が発生しやすい。このため、この薄膜トランジスタ4の閾値特性の劣化や信頼性の低下が生じてしまう場合がある。
そこで、上述した第1の実施の形態のように、活性層5のソース領域7およびドレイン領域8の長手方向の中央部から、これらソース領域7およびドレイン領域8の長手方向の両端部に向けて、コンタクトホール13a,13b,13c,13d,13e間の間隔が徐々に狭くなるように構成した。すなわち、これらコンタクトホール13a,13b,13c,13d,13e間の間隔がソース領域7およびドレイン領域8の長手方向の中央部から両端部に向けて間隔d1>間隔d2>間隔d3>間隔d4となるように配置した。
この結果、ソース電極14およびドレイン電極16間の通電時の活性層5の放熱量が、この活性層5のソース領域7およびドレイン領域8の長手方向の中央部よりも、この活性層5のソース領域7およびドレイン領域8の長手方向の両端部のほうが小さくなる。すなわち、この活性層5の長手方向の中央部での放熱性が、この活性層5の長手方向の両端部での放熱性より良くなる。
したがって、活性層5のチャネル領域6の長手方向の中央部での放熱量が、このチャネル領域6の長手方向の両端部の放熱量より大きくなるから、ソース電極14とドレイン電極16との間に同じ電流値の電流を流して通電させた場合に、この活性層5のチャネル領域6に電流が流れて自己発熱したときに、このチャネル領域6の長手方向の中央部での局所的な温度上昇を抑えることができる。よって、このチャネル領域6の局部的な温度上昇を防止しつつ、このチャネル領域6の通電時の自己発熱を、このチャネル領域6全体にわたって平均的にできる。このため、薄膜トランジスタ4の閾値特性の劣化や信頼性の低下を抑制できるので、この薄膜トランジスタ4の信頼性を向上できる。
さらに、コンタクトホール13a,13b,13c,13d,13eを形成するときのマスクパターンを変えるだけでこれらコンタクトホール13a,13b,13c,13d,13eの配置や形状を変えることができるから、薄膜トランジスタ4の製造工程数を増やすことなく、自己発熱による局部的な温度上昇を抑制できるので、薄膜トランジスタ4を製造性良く製造できるとともに信頼性を向上できる。
具体的に、図14に示すように、活性層5のソース領域7およびドレイン領域8それぞれの長手方向の中央部のみにコンタクトホール13aを設け、これらコンタクトホール13aを介してソース電極14およびドレイン電極16をソース領域7およびドレイン領域8に電気的に接続させた比較例となる薄膜トランジスタ4と、上記第1の実施の形態での薄膜トランジスタ4とのそれぞれに同じ電流値を流した場合を比較したところ、図9に示すように、流した電流値(I/W)に対して閾値特性(ΔVth)が小さくなるため、この薄膜トランジスタ4の信頼性を向上できることが分かった。
なお、上記第1の実施の形態では、コンタクトホール13a,13b,13c,13d,13e間の間隔をチャネル領域6の長手方向の中央部から両端部に向けて徐々に狭くなるように構成したが、図10に示す第2の実施の形態のように、ソース領域7およびドレイン領域8の長手方向の両端部に位置するコンタクトホール13dのみを、このチャネル領域6の長手方向に沿った長手方向を有する断面長円状にすることもできる。
この場合、これらソース領域7およびドレイン領域8の長手方向の両端部に位置するコンタクトホール13dは、長辺と短辺との比が4対1程度の断面長円状である。さらに、これらコンタクトホール13eは、これらコンタクトホール13d以外のコンタクトホール13a,13b,13cの外径寸法に略等しい外径寸法を有している。すなわち、これらコンタクトホール13dは、ソース領域7およびドレイン領域8の長手方向の中央部に位置するコンタクトホール13aの内径寸法より、これらソース領域7およびドレイン領域8の長手方向に沿って大きな長径寸法を有する細長状に形成されている。そして、コンタクトホール13aは、チャネル領域6の長手方向の中央部から、この長手方向の両端側に向けて離間させた位置のそれぞれに計4個ほど設けられている。
また、これらコンタクトホール13a間の間隔d1と、コンタクトホール13a,13b,13cの間の間隔d2,d3とのそれぞれは、ソース領域7およびドレイン領域8の長手方向に沿って等間隔(d1=d2=d3)に離間されて設けられている。さらに、コンタクトホール13c,13dの間の間隔d4のそれぞれは、コンタクトホール13a,13b,13cの間の間隔d1,d2,d3より小さく(d4<d1=d2=d3)設定されている。
この結果、ソース領域7およびドレイン領域8の長手方向の両端部に位置するコンタクトホール13eを、これらコンタクトホール13e以外の他のコンタクトホール13a,13b,13c,13dよりソース領域7およびドレイン領域8の長手方向に沿って大きい断面長円状に形成したことにより、ソース電極14およびドレイン電極16間の通電時の活性層5の長手方向の中央部の放熱量が、この活性層5の長手方向の両端部の放熱量より大きくなるから、上記第1の実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
ここで、チャネル領域6の長手方向の中央部に位置するコンタクトホール13aは、放熱が小さいので温度上昇を抑制できないから、このコンタクトホール13aの形状を変化できない。これに対し、チャネル領域6の長手方向の両端部での放熱が多く温度上昇が小さいので、このチャネル領域6の長手方向の両端部に位置するコンタクトホール13eを長手方向に沿って長くすることによって、このチャネル領域6の温度上昇を抑制できるとともに、薄膜トランジスタ4のソース電極14およびドレイン電極16間に通電できる電流値を大きくできるから、この薄膜トランジスタ4の閾値特性や性能を向上できる。
また、図11に示す第3の実施の形態のように、チャネル領域6の長手方向の中央部から両端部に向けて、このチャネル領域6の幅方向の周縁部から各コンタクトホール13a,13b,13c,13d,13eまでの距離を徐々に狭くすることもできる。この場合、これらコンタクトホール13a,13b,13c,13d,13eは、ソース領域7およびドレイン領域8の長手方向に沿って間隔d1を介して等間隔に離間されて設けられている。
さらに、これらコンタクトホール13a,13b,13c,13d,13eは、チャネル領域6の長手方向の中央部から、このチャネル領域6の長手方向の両端部に向かうに連れて所定距離、例えば距離W1,W2,W3,W4ずつソース領域7およびドレイン領域8の幅方向に沿って内側にずれた位置に設けられている。ここで、これら距離W1,W2,W3,W4は、W1<W2<W3<W4となるように設定されている。したがって、これらこれらコンタクトホール13a,13b,13c,13d,13eは、チャネル領域6の長手方向の中央部から両端部に向かうに連れて徐々に間隔が大きく内側にずらした位置に設けられている。
そして、これらソース領域7およびドレイン領域8の長手方向の中央部に位置する各コンタクトホール13aは、これらソース領域7およびドレイン領域8の幅方向に沿った最も外側寄りの位置に設けられ、ゲート電極11からの距離が長く設定されている。また、ソース領域7およびドレイン領域8の長手方向の両端部に位置する各コンタクトホール13eは、これらソース領域7およびドレイン領域8の幅方向に沿った最も内側寄りの位置に設けられ、ゲート電極11からの距離が短く設定されている。すなわち、ソース領域7およびドレイン領域8の長手方向の両端部に位置するコンタクトホール13eとゲート電極11との間の間隔が、これらソース領域7およびドレイン領域8の長手方向の中央部に位置するコンタクトホール13aとゲート電極11と間の間隔より小さく構成されている。
ここで、チャネル領域6の長手方向の中央部は放熱量が小さいので温度上昇が大きい。そこで、この温度上昇を防止するために、コンタクトホール13aとゲート電極11との間の距離を長くする必要がある。また、チャネル領域6の長手方向の端部は放熱量が大きいので温度上昇が小さいから、コンタクトホール13eとゲート電極11との間の距離を長くする必要がない。
そこで、チャネル領域6の長手方向の中央部から両端部に向けて、このチャネル領域6の幅方向に沿ったコンタクトホール13a,13b,13c,13d,13e間の距離距離を徐々に狭くすることにより、ソース電極14およびドレイン電極16間の通電時の活性層5の長手方向の中央部の放熱量が、この活性層5の長手方向の両端部の放熱量より大きくなるから、上記第1の実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
さらに、図12に示す第4の実施の形態のように、ソース領域7に導通したコンタクトホール13a,13b,13c,13d,13eをソース領域7の長手方向に沿って偶数個、例えば10個形成するとともに、ドレイン領域8に導通したコンタクトホール13a,13b,13c,13d,13eをドレイン領域8の長手方向に沿って偶数個、例えば10個形成して、これらソース領域7およびドレイン領域8の長手方向の中央部にコンタクトホール13a,13b,13c,13d,13eが位置しないように形成することもできる。
この場合、これらコンタクトホール13a,13b,13c,13d,13eのうち、最も中央寄りに位置するコンタクトホール13aは、ソース領域7およびドレイン領域8の長手方向の中央部から、これらソース領域7およびドレイン領域8の長手方向の両端側に向けて所定間隔離間させた位置に設けられている。したがって、これらコンタクトホール13aは、ソース領域7およびドレイン領域8の長手方向の中央部を除いた位置に設けられている。すなわち、これらコンタクトホール13aは、チャネル領域6の長手方向の中央部でゲート電極11を挟んでこれらコンタクトホール13aが対峙しないように配置されている。よって、ソース領域7およびドレイン領域8の長手方向の中央部には、コンタクトホール13aが配置されていない。さらに、これらコンタクトホール13a以外のコンタクトホール13b,13c,13d,13eは、ソース領域7およびドレイン領域8の長手方向の中央部から、これらソース領域7およびドレイン領域8の長手方向の両端部に向けて、徐々に間隔が狭められている。
具体的に、これらコンタクトホール13a,13b,13c,13d,13eは、コンタクトホール13a間の間隔d1が、これらコンタクトホール13aとコンタクトホール13bとの間の間隔d2より大きく、この間隔d2よりコンタクトホール13bとコンタクトホール13cとの間の間隔d3が大きく、この間隔d3よりコンタクトホール13cとコンタクトホール13dとの間の間隔d4が大きく、この間隔d4よりコンタクトホール13dとコンタクトホール13eとの間の間隔d5大きい。よって、これらコンタクトホール13a,13b,13c,13d,13eは、ソース領域7およびドレイン領域8の長手方向の中央部から両端部に向けて間隔d1>間隔d2>間隔d3>間隔d4>間隔d5となるように配置されている。
この結果、ソース領域7およびドレイン領域8に、これらソース領域7およびドレイン領域8の長手方向に沿わせて偶数個のコンタクトホール13a,13b,13c,13d,13eを形成して、これらコンタクトホール13a,13b,13c,13d,13eがソース領域7およびドレイン領域8の長手方向の中央部に位置しないように配置させたことにより、ソース電極14およびドレイン電極16間の通電時の活性層5の長手方向の中央部の放熱量が、この活性層5の長手方向の両端部の放熱量より大きくなるから、上記第1の実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
さらに、図13に示す第5の実施の形態のように、ソース領域7に連通したコンタクトホール13a,13b,13c,13d,13eと、ドレイン領域8に連通したコンタクトホール13a,13b,13c,13d,13eとを、チャネル領域6の長手方向に向けてずらして、これらコンタクトホール13a,13b,13c,13d,13eがチャネル領域6の幅方向に沿って揃わないようにすることもできる。この場合、これらコンタクトホール13a,13b,13c,13d,13eは、ソース領域7およびドレイン領域8の長手方向に沿って間隔d1を介して等間隔に離間されて設けられている。
さらに、ソース領域7に連通しているコンタクトホール13a,13b,13c,13d,13eのそれぞれは、チャネル領域6の幅方向に沿って、ドレイン領域8に連通しているコンタクトホール13a,13b,13c,13d,13e間の中央部に位置するように配置されている。言い換えると、ゲート電極11を挟んで対峙するソース領域7およびドレイン領域8のそれぞれに設けられているコンタクトホール13a,13b,13c,13d,13eが、互いにずれて配置されている。
この結果、これらソース領域7およびドレイン領域8に設けられているコンタクトホール13a,13b,13c,13d,13eのそれぞれを、チャネル領域6の長手方向に向かうに連れて向けて交互にずらして配置させることにより、ソース電極14およびドレイン電極16間の通電時の活性層5の長手方向の中央部の放熱量が、この活性層5の長手方向の両端部の放熱量より大きくなるから、上記第1の実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
なお、上記各実施の形態では、アレイ基板2と対向基板31の間に光変調層として液晶層37を介挿させた液晶表示素子1について説明したが、例えば光変調層を液晶材料に代えて有機発光材料としてのエレクトロルミネッセンス(Electro Luminescence:EL)材料とした有機自己発光型表示装置、すなわちエレクトロルミネッセンス表示装置などの平面表示装置であっても対応させて用いることができる。
さらに、液晶表示素子1の表示方式を、TN(Twisted Nematic)モード以外の、VA(Vertically Aligned)モードや、IPS(In-Plane Switching)モード、OCB(Optically Compensated Bend)モード、STN(Super Twisted Nematic)モード、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)モード、ST(Stock Time)モード、GH(Guest Host)モード、あるいはECB(Electrically Controlled Birefringence)モードなどにしても対応させて用いることができる。
1 液晶表示装置としての液晶表示素子
2 アレイ基板
4 薄膜トランジスタ
5 半導体層としての活性層
6 チャネル領域
7 ソース領域
8 ドレイン領域
11 ゲート電極
13a,13b,13c,13d,13e 導通部としてのコンタクトホール
14 ソース電極
16 ドレイン電極
31 対向基板
37 液晶層
2 アレイ基板
4 薄膜トランジスタ
5 半導体層としての活性層
6 チャネル領域
7 ソース領域
8 ドレイン領域
11 ゲート電極
13a,13b,13c,13d,13e 導通部としてのコンタクトホール
14 ソース電極
16 ドレイン電極
31 対向基板
37 液晶層
Claims (8)
- 長手状のチャネル領域と、このチャネル領域の長手方向の両側に設けられ互いに絶縁され前記チャネル領域の長手方向に沿った長手方向を有するソース領域およびドレイン領域を有する半導体層と、
この半導体層の前記チャネル領域に離間対向して設けられたゲート電極と、
このゲート電極の両側に位置して前記半導体層のソース領域およびドレイン領域に連通しこれらソース領域およびドレイン領域の長手方向の中央部より両端部の通電時の放熱量を小さくさせる複数の連通部と、
これら複数の連通部に設けられ前記半導体層のソース領域およびドレイン領域に電気的に接続され互いに絶縁されたソース電極およびドレイン電極と
を具備したことを特徴とする薄膜トランジスタ。 - 導通部は、半導体層のソース領域およびドレイン領域の長手方向の中央部に位置する前記導通部間の間隔よりも、これらソース領域およびドレイン領域の長手方向の両端部に位置する前記導電部間の間隔が狭く形成されている
ことを特徴とする請求項1記載の薄膜トランジスタ。 - 導通部は、半導体層のソース領域およびドレイン領域の長手方向の両端部に位置する前記導通部が、これらソース領域およびドレイン領域の長手方向の中央部に位置する導通部より前記長手方向に沿って大きい細長状に形成されている
ことを特徴とする請求項1記載の薄膜トランジスタ。 - 導通部は、半導体層のソース領域およびドレイン領域の長手方向の両端部に位置する前記導電部とゲート電極との間隔が、前記ソース領域およびドレイン領域の長手方向の中央部に位置する前記導通部と前記ゲート電極との間隔より小さく形成されている
ことを特徴とする請求項1記載の薄膜トランジスタ。 - 導通部は、半導体層のソース領域およびドレイン領域の長手方向の中央部を除いた位置に設けられている
ことを特徴とする請求項1記載の薄膜トランジスタ。 - 導通部は、半導体層のソース領域に連通した導通部と、前記半導体層のドレイン領域に連通した導通部とがこれらソース領域およびドレイン領域の長手方向に向けてずれた位置に設けられている
ことを特徴とする請求項1ないし5いずれか記載の薄膜トランジスタ。 - 薄膜トランジスタの半導体層は、非晶質半導体層の溶融結晶化にて設けられた多結晶半導体層である
ことを特徴とする請求項1ないし6いずれか記載の薄膜トランジスタ。 - 請求項1ないし7いずれか記載の複数の薄膜トランジスタを備えたアレイ基板と、
このアレイ基板に対向して配設された対向基板と、
前記アレイ基板と対向基板との間に介在された液晶層と
を具備したことを特徴とする液晶表示装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005164309A JP2006339517A (ja) | 2005-06-03 | 2005-06-03 | 薄膜トランジスタおよび液晶表示装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005164309A JP2006339517A (ja) | 2005-06-03 | 2005-06-03 | 薄膜トランジスタおよび液晶表示装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2006339517A true JP2006339517A (ja) | 2006-12-14 |
Family
ID=37559785
Family Applications (1)
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JP2005164309A Pending JP2006339517A (ja) | 2005-06-03 | 2005-06-03 | 薄膜トランジスタおよび液晶表示装置 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2006339517A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014135436A (ja) * | 2013-01-11 | 2014-07-24 | Toshiba Corp | 半導体装置およびその製造方法 |
-
2005
- 2005-06-03 JP JP2005164309A patent/JP2006339517A/ja active Pending
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