JP2006339170A - インバータ装置及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】素子の端子にかかるストレスを小さくすることができ、かつ、大型のヒートシンクを用いても支障のないインバータ装置及びその製造方法を提供する。
【解決手段】インバータ回路を構成する複数のスイッチング素子Uがプリント基板6の表側に配置され、各スイッチング素子Uの端子Tがプリント基板6の裏面側で半田付けされると共に、各スイッチング素子Uがヒートシンクに取り付けられるインバータ装置において、ヒートシンクは各スイッチング素子Uが取り付けられる第1のヒートシンク9と、この第1のヒートシンク9に結合され、複数の放熱フィン72〜79を有する第2のヒートシンク7とを備える。その製造方法は、複数のスイッチング素子を第1のヒートシンク9に装着するステップと、各スイッチング素子Uの端子Tとプリント基板6とを半田付けするステップと、第1のヒートシンク9に第2のヒートシンク7を結合するステップとを備える。
【選択図】 図3
【解決手段】インバータ回路を構成する複数のスイッチング素子Uがプリント基板6の表側に配置され、各スイッチング素子Uの端子Tがプリント基板6の裏面側で半田付けされると共に、各スイッチング素子Uがヒートシンクに取り付けられるインバータ装置において、ヒートシンクは各スイッチング素子Uが取り付けられる第1のヒートシンク9と、この第1のヒートシンク9に結合され、複数の放熱フィン72〜79を有する第2のヒートシンク7とを備える。その製造方法は、複数のスイッチング素子を第1のヒートシンク9に装着するステップと、各スイッチング素子Uの端子Tとプリント基板6とを半田付けするステップと、第1のヒートシンク9に第2のヒートシンク7を結合するステップとを備える。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、空気調和機の圧縮機を駆動するのに好適なインバータ装置及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
スプリット型の空気調和機は、被空調室に設けられる室内ユニットと、建屋外部に据付られる室外ユニットとから構成され、各ユニット間を冷媒配管や電気配線を介して接続される。このうち、室外ユニットには室外側熱交換器、圧縮機、四方弁などの弁類、送風機及びこれらを電気的に制御する電気制御部品を収容する電気部品箱などが設けられている。そして、近時、冷凍サイクル制御として圧縮機の周波数制御が一般的となってきている。そのためにインバータ装置が用いられる。
【0003】
この種のインバータ装置には、3相交流電動機を駆動するための6個の半導体スイッチング素子を1つのパッケージに組み込んだものが多用されている。バッケージから導出された各スイッチング素子の端子はプリント基板に半田付けされる。その後、パッケージの1つの面、すなわち、各スイッチング素子の放熱面にヒートシンクがねじによって結合される。この場合、スイッチング素子の放熱面は略同一平面上に揃えられるためヒートシンクとの結合は良好で、放熱効率も高い(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
しかしながら、パッケージ組み込み型の半導体スイッチング素子では、個々の素子の変更や回路の変更ができない等、汎用性に劣るという問題があり、インバータ装置を構成する6個の半導体スイッチング素子を個別に使用することが望ましいケースもある。このような6個の半導体スイッチング素子を使用する場合において、各半導体スイッチング素子を個別にプリント基板に半田付けした後、これらの素子の各放熱面にヒートシンクを結合する製造方法を採用した場合、素子間の厚みのばらつきや、半田付け時の素子の移動等によって、全ての素子の放熱面が同一平面上に揃わないことがあり得る。そのため、個々の素子をそれぞれ別個のヒートシンクへねじ止めする方法を採用しなければ、半導体スイッチング素子とヒートシンクとの密着性が不十分になるおそれがあった。一方、ヒートシンクとの密着性を良くするように強くねじ止めすると、半田付けによって固定された素子が位置ずれを起こし、半導体スイッチング素子の端子部分にストレスがかかり続け、半田が破断するなどの問題を生じる。
【0005】
また、他の製造方法として半導体スイッチング素子をプリント基板のスルーホールに挿入した状態でヒートシンクに固定した後で半田付けを行うことが考えられる。この場合、半導体スイッチング素子の端子はプリント基板の端子板に挿入されているだけのフリーの状態にあるため、半導体スイッチング素子のサイズに製造公差レベルの違いがあったとしても、ヒートシンクと半導体スイッチング素子とを確実に密着させることができる。
【0006】
【特許文献1】
特許第3322778号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、半導体スイッチング素子をヒートシンクに固定した後で半田付けを行う方法を採用した場合、図7に示すように、半田槽40に一次噴流41と二次噴流42とを生じさせ、半導体スイッチング素子101、他の電気部品102〜104…の各端子がスルーホールに差込まれたプリント基板100をB矢印方向に通過させることになる。この結果、プリント基板100の下面に突出した端子とプリント基板100のスルーホールとの間で半田付けが行われる。
【0008】
上述したインバータ装置では、半導体スイッチング素子101からの大きな発熱を外部に十分に放熱し得るようにかなり大型のヒートシンク110が使用される。このため、半田付け時には、大型のヒートシンク110の重量が各素子の端子部にかかり、端子が曲がってしまい、正常な半田付けができなくなるという問題がある。また、図7中に一点鎖線で示すように、ヒートシンク110の放熱端がプリント基板100よりも下方に延出する形状になることがある。従って、半田付けの際には、ヒートシンク110が噴流半田に触れてしまい、ヒートシンク110の下端部分に半田が付着し、放熱性能を低下させることがある。
【0009】
また、ヒートシンク110は通常アルミニウム製であるため、その下端部が噴流半田に触れると、この部分から熱交換が行われ、ヒートシンク110を介して、半田槽40の熱が奪われてしまい、半田槽40内の半田の温度が低下し、半田付け性能が低下してしまうという問題もあった。
【0010】
本発明は上記の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、半導体スイッチング素子の放熱のために大きなヒートシンクが必要な場合でも半田付け工程において、半導体スイッチング素子の端子にかかるストレスをつ小さくすることができるインバータ装置及びその製造方法を提供することにある。
【0011】
本発明の他の目的は、複数の半導体スイッチング素子を冷却するために、プリント基板の下面にまで放熱端が延出する大型のヒートシンクを用いることがあっても、半田付け工程で半田が付着することを防ぐと共に、ヒートシンクの放熱性能を維持することのできるインバータ装置及びその製造方法を提供することにある。
【0012】
本発明のもう一つ他の目的は、大型のヒートシンクを用いる場合でも、半田槽内の半田の温度低下を未然に防止することのできるインバータ装置及びその製造方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1に係る発明は、インバータ回路を構成する複数のスイッチング素子がプリント基板の表側に配置され、各スイッチング素子の端子がプリント基板の裏面側で半田付けされると共に、各スイッチング素子がヒートシンクに取り付けられるインバータ装置において、
ヒートシンクは各スイッチング素子が取り付けられる第1のヒートシンクと、この第1のヒートシンクに結合され、複数の放熱フィンを有する第2のヒートシンクとを備えたことを特徴とする。
【0014】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載のインバータ装置において、第1のヒートシンクは、プリント基板の表面側に収まる大きさを有し、第2のヒートシンクは少なくとも一部がプリント基板の裏面側に延出していることを特徴とする。
【0015】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2記載のインバータ装置の製造方法において、
複数のスイッチング素子を第1のヒートシンクに装着するステップと、
各スイッチング素子の端子とプリント基板とを半田付けするステップと、
第1のヒートシンクに第2のヒートシンクを結合するステップと、
を備え、各ステップの処理を順次に実行することを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。図1は本発明に係るインバータ装置の主回路の概略構成を、これに接続される関連要素と併せて示した回路図である。同図において、3相交流電源1に全波整流型の整流器2が接続され、この整流器2から全波整流された脈流が出力される。この脈流が平滑コンデンサ3によって平滑され、直流がインバータ主回路4に供給される。インバータ主回路4はそれぞれがIGBTである6個のスイッチング素子U,V,W,X,Y,Zが3相ブリッジ接続されている。このうち、スイッチング素子UとX、VとY、WとZが直列接続され、これらの直列接続回路が並列接続され、その両端に直流電圧が印加される。また、スイッチング素子UとX、VとY、WとZの各相互接続点が電動機5の入力端子に接続されている。
【0017】
本実施形態はインバータ主回路4を構成するスイッチング素子UとX、VとY、WとZをそれぞれ対にして単一のサブヒートシンクに締め付け固定するものである。図2はプリント基板6に実装されるスイッチング素子U,X,V,Y,W,Zを固定板で保持すると同時に、ヒートシンクに密着させる状態を、整流器2の実装状態と併せて示した斜視図であり、図3は図2中に一点鎖線で示したA−A矢視断面図である。
【0018】
これら各図において、整流器2及びスイッチング素子U,X,V,Y,W,Zの被冷却面が同一平面上に位置するように、それぞれの端子を挿入するスルーホールがプリント基板6に形成されている。整流器2及びスイッチング素子U,X,V,Y,W,Zは、第1のヒートシンクとしての板状のサブヒートシンク9と固定板10とに挟まれてねじ30により一体的に組立てられ、さらに、それぞれの端子Tがプリント基板6のスルーホールに半田付けされる。なお、サブヒートシンク9は、プリント基板の表面側の上部に位置し、裏面側に延出する部分はなく、プリント基板の表面側に収まる大きさとなっている。そして、固定板10がねじ31によってプリント基板6に固定され、サブヒートシンク9の背面に第2のヒートシンクとしてのメインヒートシンク7がねじ33によって結合される。
【0019】
ここで、固定板10は、素子の配列方向に細長く形成された基部11と、この基部11をその長手方向の両端で、プリント基板6上に橋架する一対の脚部12と、この脚部12のプリント基板6の素子取付面に当接する足部13と、基部11の一側方(下方)に互いに離隔して延設され、連結部を介して、基部に連結された3個の素子押さえ部15及び整流器押さえ部17とを備え、これらが1枚の金属板で一体的に折り曲げ成形加工されたものでなっており、足部13にはプリント基板6の裏面から挿入されるねじ31により固定するためのねじ孔が形成されている。また、素子押さえ部15及び整流器押さえ部17はそれぞれねじ用貫通孔を備え、ここにねじ30を通してサブヒートシンク9のねじ孔にねじ込みされる。
【0020】
一方、メインヒートシンク7はサブヒートシンク9に連結されるもので、サブヒートシンク9に密着させる取付胴部71と、その裏側の放熱フィン72〜79とを備え、このうち放熱フイン77,78,79はプリント基板6の裏面側、すなわち、プリント基板6の下部に延出するような外形々状を有している。
【0021】
図4は固定板10の詳細な構成を示す斜視図であり、(a)はスイッチング素子U,X,V,Y,W,Z及び整流器2が取り付けられ、メインヒートシンク7と対向する背面側を示し、(b)はメインヒートシンク7が位置する側とは反対の正面側を示している。ここで、固定板10は上側部に補強のための折り曲げ部11aを有する基部11の両端に脚部12が一体的に形成され、さらに、基部11の下側部に3個の素子押さえ部15及び整流器押さえ部17が一体的に形成されている。このうち、脚部12はその下端に足部13を備え、この足部13にはプリント基板6に固定するためのねじ孔13aが設けられている。素子押さえ部15は2つのスイッチング素子、例えば、W,Zを所定の間隔を持って同時に押さえ得るように幅広に、すなわち、横幅Aに形成され、その上端部が横幅の狭い、すなわち、横幅がB(<<A)に形成された連結部14を介して、基部11に連結されている。
【0022】
この場合、連結部14は基部11から斜め下方に傾斜して延出し、かつ、その先端部が略鉛直に下方に折り曲げられた形状を有し、素子押さえ部15は基部11と平行にして、素子の表面の形状に合わせて段差を付けて折り曲げ加工されている。また、連結部14の近傍で、横幅方向の中心部にねじ用貫通孔16が設けられている。このねじ用貫通孔16は、素子押さえ部15によって固定される一対のスイッチング素子の間の隙間に位置している。ここで、連結部14の横幅Bを狭くした理由は、一対のスイッチング素子、例えば、W,Zの厚みが異なる場合でも、これらのスイッチング素子W,Zの両方に、ねじによる締め付け力が作用するような捻れを起こさせ、スイッチング素子W,Zの両方の厚さが他より厚かったり、薄かったりしたときに曲がりを生じさせることにある。
【0023】
さらに、素子押さえ部15の下端部はスイッチング素子U,X,V,Y,W,Zの形名表示部Nの見分けができるように、この形名表示部Nを避けて押さえる端部形状を有している。整流器2を押さえるための整流器押さえ部17も、素子押さえ部15と略同様に形成され、整流器2は、その中央上部に設けられている固定用孔を貫通するねじによって、整流器押さえ部17を介して固定される。
【0024】
次に、図5を用いて整流器2及びスイッチング素子U,X,V,Y,W,Zをプリント基板へ装着する手順、すなわち、製造方法を説明する。先ず、(a)に示すように、整流器2及びスイッチング素子U,X,V,Y,W,Zが所定の位置に位置決めされ、かつ、垂直に揃えられるように、図6に斜視図で示すような位置合わせ冶具20を用いる。この位置合わせ冶具20は両端部に位置決め突起22が、その中間部に複数の位置決め突起23がそれぞれ形成され、これらの位置決め突起間が、整流器嵌挿部2S、素子嵌挿部US,XS,VS,YS,WS,ZSになっている。この状態でサブヒートシンク9を位置合わせ冶具20に嵌め込んで、整流器2及びスイッチング素子U,X,V,Y,W,Zとサブヒートシンク9とが各素子の放熱面がサブヒートシンク9の平坦面に向かい合わせとなるように位置合わせが行われる。
【0025】
次に、(b)に示すように、固定板10を所定の位置に位置決めし、サブヒートシンク9と固定板10の素子押さえ部15及び整流器押さえ部17とで挟み込んだ状態で、固定板10側からねじ30を通してサブヒートシンク9にねじ止めする。これによって、サブヒートシンク9、整流器2及びスイッチング素子U,X,V,Y,W,Z及び固定板10の一体化が図られる。この状態で位置合わせ冶具20を取り外す。なお、位置合わせ冶具20は(b)の状態から下方斜めに引き抜くことができる形状になっている。その後、図5(c)に示すように、ねじ止めにより一体化された固定板10、サブヒートシンク9、整流器2及びスイッチング素子U,X,V,Y,W,Zは、サブヒートシンク9が外側を向く方向で整流器2及びスイッチング素子U,X,V,Y,W,Z(ここではスイッチング素子Xのみを示す)の各端子をプリント基板6に形成された所定のスルーホールの表面側から挿入する。この際、各素子の端子Tの先端はスルーホールを通ってプリント基板6の裏面側に突出する。すなわち、プリント基板6の表面に各種電気部品が配置され、プリント基板6の裏面に各電気部品の端子がスルーホールを介して突出し、この裏面が半田取付け面となる。
【0026】
次に、(d)に示すように、プリント基板6のスルーホールに整流器2及びスイッチング素子U,X,V,Y,W,Zの各端子が差し込まれ、固定板10がプリント基板6の表面に搭載されたままで、一次噴流と二次噴流とを生じさせた半田槽40上をB矢印方向に通過させる。この結果、プリント基板6の下面に突出した端子とプリント基板6のスルーホールとの間で半田付けがなされる。次に、(e)に示すように、ねじ31をプリント基板6の下面から表面に向けて通し、固定板10の足部13のねじ孔13aにねじ込んで、固定板10をプリント基板6に固定する。従って、半田付けする際には小さなサブヒートシンク9を取り付けた状態にあるため、各素子や素子の端子に大きなストレスがかかることなく半田付けできる。
【0027】
なお、固定板10の足部13とプリント基板6とを固定するねじ31を半田付けの後に行うのは、ねじ31の頭部分に半田が付着し、ねじ溝に半田が入り込み、修理の際に取り外しが困難になることを防止するためである。しかしながら、予めねじ31の頭部のねじ溝部分に半田付着防止塗料(フラックス)を塗布しておき、半田が付着しないようにしておけば、固定板10とプリント基板6とねじ31にて固定した後でも半田付けが可能となる。この場合、プリント基板6とサブヒートシンク9、整流器2及びスイッチング素子U,X,V,Y,W,Zのすべての位置が固定された状態で半田付けが行われることとなり、すべての部品を確実に所定位置に固定することができる。
【0028】
最後に、(f)に示すように、メインヒートシンク7の胴部をサブヒートシンク9の板面に押し当て、メインヒートシンク7に設けたねじ用貫通孔に、その外側からねじ33を通して、サブヒートシンク9に形成されたねじ孔にねじ込んでメインヒートシンク7をサブヒートシンク9に連結する。サブヒートシンク9とメインヒートシンク7の各々の結合面は略同一寸法で、平面に形成されている。なお、メインヒートシンク7は幅方向の複数箇所でねじ33によるねじ止めが行われる。この際、サブヒートシンク9とメインヒートシンク7はそれぞれアルミニウムなどの放熱性の高い金属板材で形成されているため、各ヒートシンクの結合面は極めて高い平面度を持たせることができる。したがって、ねじ33による連結によって両者間では高い熱伝達性能を得ることができ、整流器2及びスイッチング素子U,X,V,Y,W,Zはサブヒートシンク9を介してメインヒートシンク7で良好に放熱することができる。なお、サブヒートシンク9はメインヒートシンク7よりも大きさが小さく、その重量も軽くなっている。
【0029】
このように、図5(a)〜(f)を用いて説明した方法によって、図3に断面図で示したインバータ装置が製造される。この場合、メインヒートシンク7の放熱端がプリント基板6の裏面まで延出するような大型の形状であっても、半田付けの工程で半田が付着することを防ぐことにより、ヒートシンクの放熱性能を維持することができ、しかも、延出部が半田槽内の噴流に接触することがないので、半田槽内の半田の温度低下させることもなくなる。なお、サブヒートシンク9は平板状にしているが、プリント基板6の表面の範囲にフィンを設けてもよい。
【0030】
【発明の効果】
以上の説明によって明らかなように、本発明によれば、複数の半導体スイッチング素子を冷却するために、大型のヒートシンクが必要な装置においても、ヒートシンクを第1のヒートシンクと第2のヒートシンクの2つに分けることで、半田付け時に素子にストレスがかかったり、ヒートシンクとの密着性を低下させたりすることがなく放熱性のよいインバータ装置を得ることができる。また、プリント基板の下面にまで放熱端が延出する大型のヒートシンクを用いることがあっても、半田付けの工程で半田が付着することを防ぐと共に、ヒートシンクの放熱性能を維持することができ、さらに、半田槽内の半田の温度低下を未然に防止することができるという効果も得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るインバータ装置の主回路の概略構成を、これに接続される関連要素と併せて示した回路図。
【図2】プリント基板に実装されるスイッチング素子を固定板で保持すると同時に、ヒートシンクに密着させる状態を、整流器の実装状態と併せて示した斜視図。
【図3】図2中に一点鎖線で示したA−A矢視断面図。
【図4】図2に示した固定板の詳細な構成を示す斜視図。
【図5】図2に示した整流器及びスイッチング素子をプリント基板へ装着する手順を説明するための工程図。
【図6】図2に示した整流器及びスイッチング素子をプリント基板へ装着する際に使用する位置合わせ冶具の構成を示す斜視図。
【図7】プリント基板のスルーホールとこれにに挿入した端子とを半田付けする半田槽の一般的な構成を説明するための説明図。
【符号の説明】
4 インバータ主回路
6 プリント基板
7 メインヒートシンク
9 サブヒートシンク
10 固定板
11 基部
12 脚部
13 足部
30,31,33 ねじ
72〜79 放熱フィン
U,V,W,X,Y,Z スイッチング素子
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、空気調和機の圧縮機を駆動するのに好適なインバータ装置及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
スプリット型の空気調和機は、被空調室に設けられる室内ユニットと、建屋外部に据付られる室外ユニットとから構成され、各ユニット間を冷媒配管や電気配線を介して接続される。このうち、室外ユニットには室外側熱交換器、圧縮機、四方弁などの弁類、送風機及びこれらを電気的に制御する電気制御部品を収容する電気部品箱などが設けられている。そして、近時、冷凍サイクル制御として圧縮機の周波数制御が一般的となってきている。そのためにインバータ装置が用いられる。
【0003】
この種のインバータ装置には、3相交流電動機を駆動するための6個の半導体スイッチング素子を1つのパッケージに組み込んだものが多用されている。バッケージから導出された各スイッチング素子の端子はプリント基板に半田付けされる。その後、パッケージの1つの面、すなわち、各スイッチング素子の放熱面にヒートシンクがねじによって結合される。この場合、スイッチング素子の放熱面は略同一平面上に揃えられるためヒートシンクとの結合は良好で、放熱効率も高い(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
しかしながら、パッケージ組み込み型の半導体スイッチング素子では、個々の素子の変更や回路の変更ができない等、汎用性に劣るという問題があり、インバータ装置を構成する6個の半導体スイッチング素子を個別に使用することが望ましいケースもある。このような6個の半導体スイッチング素子を使用する場合において、各半導体スイッチング素子を個別にプリント基板に半田付けした後、これらの素子の各放熱面にヒートシンクを結合する製造方法を採用した場合、素子間の厚みのばらつきや、半田付け時の素子の移動等によって、全ての素子の放熱面が同一平面上に揃わないことがあり得る。そのため、個々の素子をそれぞれ別個のヒートシンクへねじ止めする方法を採用しなければ、半導体スイッチング素子とヒートシンクとの密着性が不十分になるおそれがあった。一方、ヒートシンクとの密着性を良くするように強くねじ止めすると、半田付けによって固定された素子が位置ずれを起こし、半導体スイッチング素子の端子部分にストレスがかかり続け、半田が破断するなどの問題を生じる。
【0005】
また、他の製造方法として半導体スイッチング素子をプリント基板のスルーホールに挿入した状態でヒートシンクに固定した後で半田付けを行うことが考えられる。この場合、半導体スイッチング素子の端子はプリント基板の端子板に挿入されているだけのフリーの状態にあるため、半導体スイッチング素子のサイズに製造公差レベルの違いがあったとしても、ヒートシンクと半導体スイッチング素子とを確実に密着させることができる。
【0006】
【特許文献1】
特許第3322778号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、半導体スイッチング素子をヒートシンクに固定した後で半田付けを行う方法を採用した場合、図7に示すように、半田槽40に一次噴流41と二次噴流42とを生じさせ、半導体スイッチング素子101、他の電気部品102〜104…の各端子がスルーホールに差込まれたプリント基板100をB矢印方向に通過させることになる。この結果、プリント基板100の下面に突出した端子とプリント基板100のスルーホールとの間で半田付けが行われる。
【0008】
上述したインバータ装置では、半導体スイッチング素子101からの大きな発熱を外部に十分に放熱し得るようにかなり大型のヒートシンク110が使用される。このため、半田付け時には、大型のヒートシンク110の重量が各素子の端子部にかかり、端子が曲がってしまい、正常な半田付けができなくなるという問題がある。また、図7中に一点鎖線で示すように、ヒートシンク110の放熱端がプリント基板100よりも下方に延出する形状になることがある。従って、半田付けの際には、ヒートシンク110が噴流半田に触れてしまい、ヒートシンク110の下端部分に半田が付着し、放熱性能を低下させることがある。
【0009】
また、ヒートシンク110は通常アルミニウム製であるため、その下端部が噴流半田に触れると、この部分から熱交換が行われ、ヒートシンク110を介して、半田槽40の熱が奪われてしまい、半田槽40内の半田の温度が低下し、半田付け性能が低下してしまうという問題もあった。
【0010】
本発明は上記の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、半導体スイッチング素子の放熱のために大きなヒートシンクが必要な場合でも半田付け工程において、半導体スイッチング素子の端子にかかるストレスをつ小さくすることができるインバータ装置及びその製造方法を提供することにある。
【0011】
本発明の他の目的は、複数の半導体スイッチング素子を冷却するために、プリント基板の下面にまで放熱端が延出する大型のヒートシンクを用いることがあっても、半田付け工程で半田が付着することを防ぐと共に、ヒートシンクの放熱性能を維持することのできるインバータ装置及びその製造方法を提供することにある。
【0012】
本発明のもう一つ他の目的は、大型のヒートシンクを用いる場合でも、半田槽内の半田の温度低下を未然に防止することのできるインバータ装置及びその製造方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1に係る発明は、インバータ回路を構成する複数のスイッチング素子がプリント基板の表側に配置され、各スイッチング素子の端子がプリント基板の裏面側で半田付けされると共に、各スイッチング素子がヒートシンクに取り付けられるインバータ装置において、
ヒートシンクは各スイッチング素子が取り付けられる第1のヒートシンクと、この第1のヒートシンクに結合され、複数の放熱フィンを有する第2のヒートシンクとを備えたことを特徴とする。
【0014】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載のインバータ装置において、第1のヒートシンクは、プリント基板の表面側に収まる大きさを有し、第2のヒートシンクは少なくとも一部がプリント基板の裏面側に延出していることを特徴とする。
【0015】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2記載のインバータ装置の製造方法において、
複数のスイッチング素子を第1のヒートシンクに装着するステップと、
各スイッチング素子の端子とプリント基板とを半田付けするステップと、
第1のヒートシンクに第2のヒートシンクを結合するステップと、
を備え、各ステップの処理を順次に実行することを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。図1は本発明に係るインバータ装置の主回路の概略構成を、これに接続される関連要素と併せて示した回路図である。同図において、3相交流電源1に全波整流型の整流器2が接続され、この整流器2から全波整流された脈流が出力される。この脈流が平滑コンデンサ3によって平滑され、直流がインバータ主回路4に供給される。インバータ主回路4はそれぞれがIGBTである6個のスイッチング素子U,V,W,X,Y,Zが3相ブリッジ接続されている。このうち、スイッチング素子UとX、VとY、WとZが直列接続され、これらの直列接続回路が並列接続され、その両端に直流電圧が印加される。また、スイッチング素子UとX、VとY、WとZの各相互接続点が電動機5の入力端子に接続されている。
【0017】
本実施形態はインバータ主回路4を構成するスイッチング素子UとX、VとY、WとZをそれぞれ対にして単一のサブヒートシンクに締め付け固定するものである。図2はプリント基板6に実装されるスイッチング素子U,X,V,Y,W,Zを固定板で保持すると同時に、ヒートシンクに密着させる状態を、整流器2の実装状態と併せて示した斜視図であり、図3は図2中に一点鎖線で示したA−A矢視断面図である。
【0018】
これら各図において、整流器2及びスイッチング素子U,X,V,Y,W,Zの被冷却面が同一平面上に位置するように、それぞれの端子を挿入するスルーホールがプリント基板6に形成されている。整流器2及びスイッチング素子U,X,V,Y,W,Zは、第1のヒートシンクとしての板状のサブヒートシンク9と固定板10とに挟まれてねじ30により一体的に組立てられ、さらに、それぞれの端子Tがプリント基板6のスルーホールに半田付けされる。なお、サブヒートシンク9は、プリント基板の表面側の上部に位置し、裏面側に延出する部分はなく、プリント基板の表面側に収まる大きさとなっている。そして、固定板10がねじ31によってプリント基板6に固定され、サブヒートシンク9の背面に第2のヒートシンクとしてのメインヒートシンク7がねじ33によって結合される。
【0019】
ここで、固定板10は、素子の配列方向に細長く形成された基部11と、この基部11をその長手方向の両端で、プリント基板6上に橋架する一対の脚部12と、この脚部12のプリント基板6の素子取付面に当接する足部13と、基部11の一側方(下方)に互いに離隔して延設され、連結部を介して、基部に連結された3個の素子押さえ部15及び整流器押さえ部17とを備え、これらが1枚の金属板で一体的に折り曲げ成形加工されたものでなっており、足部13にはプリント基板6の裏面から挿入されるねじ31により固定するためのねじ孔が形成されている。また、素子押さえ部15及び整流器押さえ部17はそれぞれねじ用貫通孔を備え、ここにねじ30を通してサブヒートシンク9のねじ孔にねじ込みされる。
【0020】
一方、メインヒートシンク7はサブヒートシンク9に連結されるもので、サブヒートシンク9に密着させる取付胴部71と、その裏側の放熱フィン72〜79とを備え、このうち放熱フイン77,78,79はプリント基板6の裏面側、すなわち、プリント基板6の下部に延出するような外形々状を有している。
【0021】
図4は固定板10の詳細な構成を示す斜視図であり、(a)はスイッチング素子U,X,V,Y,W,Z及び整流器2が取り付けられ、メインヒートシンク7と対向する背面側を示し、(b)はメインヒートシンク7が位置する側とは反対の正面側を示している。ここで、固定板10は上側部に補強のための折り曲げ部11aを有する基部11の両端に脚部12が一体的に形成され、さらに、基部11の下側部に3個の素子押さえ部15及び整流器押さえ部17が一体的に形成されている。このうち、脚部12はその下端に足部13を備え、この足部13にはプリント基板6に固定するためのねじ孔13aが設けられている。素子押さえ部15は2つのスイッチング素子、例えば、W,Zを所定の間隔を持って同時に押さえ得るように幅広に、すなわち、横幅Aに形成され、その上端部が横幅の狭い、すなわち、横幅がB(<<A)に形成された連結部14を介して、基部11に連結されている。
【0022】
この場合、連結部14は基部11から斜め下方に傾斜して延出し、かつ、その先端部が略鉛直に下方に折り曲げられた形状を有し、素子押さえ部15は基部11と平行にして、素子の表面の形状に合わせて段差を付けて折り曲げ加工されている。また、連結部14の近傍で、横幅方向の中心部にねじ用貫通孔16が設けられている。このねじ用貫通孔16は、素子押さえ部15によって固定される一対のスイッチング素子の間の隙間に位置している。ここで、連結部14の横幅Bを狭くした理由は、一対のスイッチング素子、例えば、W,Zの厚みが異なる場合でも、これらのスイッチング素子W,Zの両方に、ねじによる締め付け力が作用するような捻れを起こさせ、スイッチング素子W,Zの両方の厚さが他より厚かったり、薄かったりしたときに曲がりを生じさせることにある。
【0023】
さらに、素子押さえ部15の下端部はスイッチング素子U,X,V,Y,W,Zの形名表示部Nの見分けができるように、この形名表示部Nを避けて押さえる端部形状を有している。整流器2を押さえるための整流器押さえ部17も、素子押さえ部15と略同様に形成され、整流器2は、その中央上部に設けられている固定用孔を貫通するねじによって、整流器押さえ部17を介して固定される。
【0024】
次に、図5を用いて整流器2及びスイッチング素子U,X,V,Y,W,Zをプリント基板へ装着する手順、すなわち、製造方法を説明する。先ず、(a)に示すように、整流器2及びスイッチング素子U,X,V,Y,W,Zが所定の位置に位置決めされ、かつ、垂直に揃えられるように、図6に斜視図で示すような位置合わせ冶具20を用いる。この位置合わせ冶具20は両端部に位置決め突起22が、その中間部に複数の位置決め突起23がそれぞれ形成され、これらの位置決め突起間が、整流器嵌挿部2S、素子嵌挿部US,XS,VS,YS,WS,ZSになっている。この状態でサブヒートシンク9を位置合わせ冶具20に嵌め込んで、整流器2及びスイッチング素子U,X,V,Y,W,Zとサブヒートシンク9とが各素子の放熱面がサブヒートシンク9の平坦面に向かい合わせとなるように位置合わせが行われる。
【0025】
次に、(b)に示すように、固定板10を所定の位置に位置決めし、サブヒートシンク9と固定板10の素子押さえ部15及び整流器押さえ部17とで挟み込んだ状態で、固定板10側からねじ30を通してサブヒートシンク9にねじ止めする。これによって、サブヒートシンク9、整流器2及びスイッチング素子U,X,V,Y,W,Z及び固定板10の一体化が図られる。この状態で位置合わせ冶具20を取り外す。なお、位置合わせ冶具20は(b)の状態から下方斜めに引き抜くことができる形状になっている。その後、図5(c)に示すように、ねじ止めにより一体化された固定板10、サブヒートシンク9、整流器2及びスイッチング素子U,X,V,Y,W,Zは、サブヒートシンク9が外側を向く方向で整流器2及びスイッチング素子U,X,V,Y,W,Z(ここではスイッチング素子Xのみを示す)の各端子をプリント基板6に形成された所定のスルーホールの表面側から挿入する。この際、各素子の端子Tの先端はスルーホールを通ってプリント基板6の裏面側に突出する。すなわち、プリント基板6の表面に各種電気部品が配置され、プリント基板6の裏面に各電気部品の端子がスルーホールを介して突出し、この裏面が半田取付け面となる。
【0026】
次に、(d)に示すように、プリント基板6のスルーホールに整流器2及びスイッチング素子U,X,V,Y,W,Zの各端子が差し込まれ、固定板10がプリント基板6の表面に搭載されたままで、一次噴流と二次噴流とを生じさせた半田槽40上をB矢印方向に通過させる。この結果、プリント基板6の下面に突出した端子とプリント基板6のスルーホールとの間で半田付けがなされる。次に、(e)に示すように、ねじ31をプリント基板6の下面から表面に向けて通し、固定板10の足部13のねじ孔13aにねじ込んで、固定板10をプリント基板6に固定する。従って、半田付けする際には小さなサブヒートシンク9を取り付けた状態にあるため、各素子や素子の端子に大きなストレスがかかることなく半田付けできる。
【0027】
なお、固定板10の足部13とプリント基板6とを固定するねじ31を半田付けの後に行うのは、ねじ31の頭部分に半田が付着し、ねじ溝に半田が入り込み、修理の際に取り外しが困難になることを防止するためである。しかしながら、予めねじ31の頭部のねじ溝部分に半田付着防止塗料(フラックス)を塗布しておき、半田が付着しないようにしておけば、固定板10とプリント基板6とねじ31にて固定した後でも半田付けが可能となる。この場合、プリント基板6とサブヒートシンク9、整流器2及びスイッチング素子U,X,V,Y,W,Zのすべての位置が固定された状態で半田付けが行われることとなり、すべての部品を確実に所定位置に固定することができる。
【0028】
最後に、(f)に示すように、メインヒートシンク7の胴部をサブヒートシンク9の板面に押し当て、メインヒートシンク7に設けたねじ用貫通孔に、その外側からねじ33を通して、サブヒートシンク9に形成されたねじ孔にねじ込んでメインヒートシンク7をサブヒートシンク9に連結する。サブヒートシンク9とメインヒートシンク7の各々の結合面は略同一寸法で、平面に形成されている。なお、メインヒートシンク7は幅方向の複数箇所でねじ33によるねじ止めが行われる。この際、サブヒートシンク9とメインヒートシンク7はそれぞれアルミニウムなどの放熱性の高い金属板材で形成されているため、各ヒートシンクの結合面は極めて高い平面度を持たせることができる。したがって、ねじ33による連結によって両者間では高い熱伝達性能を得ることができ、整流器2及びスイッチング素子U,X,V,Y,W,Zはサブヒートシンク9を介してメインヒートシンク7で良好に放熱することができる。なお、サブヒートシンク9はメインヒートシンク7よりも大きさが小さく、その重量も軽くなっている。
【0029】
このように、図5(a)〜(f)を用いて説明した方法によって、図3に断面図で示したインバータ装置が製造される。この場合、メインヒートシンク7の放熱端がプリント基板6の裏面まで延出するような大型の形状であっても、半田付けの工程で半田が付着することを防ぐことにより、ヒートシンクの放熱性能を維持することができ、しかも、延出部が半田槽内の噴流に接触することがないので、半田槽内の半田の温度低下させることもなくなる。なお、サブヒートシンク9は平板状にしているが、プリント基板6の表面の範囲にフィンを設けてもよい。
【0030】
【発明の効果】
以上の説明によって明らかなように、本発明によれば、複数の半導体スイッチング素子を冷却するために、大型のヒートシンクが必要な装置においても、ヒートシンクを第1のヒートシンクと第2のヒートシンクの2つに分けることで、半田付け時に素子にストレスがかかったり、ヒートシンクとの密着性を低下させたりすることがなく放熱性のよいインバータ装置を得ることができる。また、プリント基板の下面にまで放熱端が延出する大型のヒートシンクを用いることがあっても、半田付けの工程で半田が付着することを防ぐと共に、ヒートシンクの放熱性能を維持することができ、さらに、半田槽内の半田の温度低下を未然に防止することができるという効果も得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るインバータ装置の主回路の概略構成を、これに接続される関連要素と併せて示した回路図。
【図2】プリント基板に実装されるスイッチング素子を固定板で保持すると同時に、ヒートシンクに密着させる状態を、整流器の実装状態と併せて示した斜視図。
【図3】図2中に一点鎖線で示したA−A矢視断面図。
【図4】図2に示した固定板の詳細な構成を示す斜視図。
【図5】図2に示した整流器及びスイッチング素子をプリント基板へ装着する手順を説明するための工程図。
【図6】図2に示した整流器及びスイッチング素子をプリント基板へ装着する際に使用する位置合わせ冶具の構成を示す斜視図。
【図7】プリント基板のスルーホールとこれにに挿入した端子とを半田付けする半田槽の一般的な構成を説明するための説明図。
【符号の説明】
4 インバータ主回路
6 プリント基板
7 メインヒートシンク
9 サブヒートシンク
10 固定板
11 基部
12 脚部
13 足部
30,31,33 ねじ
72〜79 放熱フィン
U,V,W,X,Y,Z スイッチング素子
Claims (3)
- インバータ回路を構成する複数のスイッチング素子がプリント基板の表側に配置され、前記各スイッチング素子の端子が前記プリント基板の裏面側で半田付けされると共に、前記各スイッチング素子がヒートシンクに取り付けられるインバータ装置において、
前記ヒートシンクは前記各スイッチング素子が取り付けられる第1のヒートシンクと、この第1のヒートシンクに結合され、複数の放熱フィンを有する第2のヒートシンクとを備えたことを特徴とするインバータ装置。 - 前記第1のヒートシンクは、前記プリント基板の表面側に収まる大きさを有し、前記第2のヒートシンクは少なくとも一部が前記プリント基板の裏面側に延出していることを特徴とする請求項1に記載のインバータ装置。
- 請求項1又は2記載のインバータ装置の製造方法において、
前記複数のスイッチング素子を前記第1のヒートシンクに装着するステップと、
前記各スイッチング素子の端子と前記プリント基板とを半田付けするステップと、
前記第1のヒートシンクに前記第2のヒートシンクを結合するステップと、
を備え、前記各ステップの処理を順次に実行することを特徴とするインバータ装置の製造方法。
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