JP2006338837A - ガラス基体へのめっき方法、垂直磁気記録媒体用ディスク基板の製造方法、垂直磁気記録媒体用ディスク基板及び垂直磁気記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 ガラス基板の表面に、少なくとも、フッ化水素酸、フッ化物塩、親水性溶媒、及び水が混合されてなるエッチング液を用いてエッチング処理S2を施した後に、無電解めっきS7により軟磁性めっき膜を形成し、その軟磁性めっき膜に加熱処理S8、ポリッシュ加工S9を施す。
【選択図】 図1
Description
従来、非磁性基板の材料としてはアルミニウム合金が用いられてきたが、ハードディスク装置の大容量化、小型化の進展に対応して磁気ディスクも平坦度が高く、小径、薄形のものが要求され、このような市場要求に対して、従来のアルミニウム合金基板では対応が難しいため、基板材料としてガラスが用いられるようになってきている。
例えば、塩化パラジウムおよび塩化スズ(II)を含む水溶液で処理し、次いで炭酸アルカリ水溶液、炭酸水素アルカリ水溶液、または両者の混合水溶液で処理した後、無電解めっきを行う方法(特許文献1参照)、クロム酸−硫酸混合溶液および硝酸溶液で二段階エッチング処理し、次いで強アルカリ性溶液でエッチングした後、希薄な塩化スズ(II)で増感処理し、さらに銀塩溶液およびパラジウム塩溶液で活性化処理した後、無電解めっきを行う方法(特許文献2参照)、硫酸と重クロム酸カリウムの温液で清浄化した後、塩酸で酸性にした塩化スズ(II)で増感、次いで塩化パラジウムの溶液で活性化した後、無電解めっきを行う方法(特許文献3参照)、アルカリ脱脂し、フッ化水素酸でエッチングした後、塩化スズ(II)の溶液で増感、次いで塩化パラジウムの溶液で活性化した後、無電解めっきを行う方法などが提案されている。
これは、前処理として、ガラス基板をまず十分に脱脂し、続いてエッチングを行ってアンカー効果を高め、エッチング時に生じ基板表面に付着した異物を除去し、表面調整工程を施して基板表面を化学的に均一化し、続いて感受化処理、活性化処理を行った後、無電解Ni−Pめっきを行うものであり、エッチング液としてはフッ化水素酸とフッ化水素カリウムを含む水溶液を用い、表面異物除去には塩酸を用い、表面調整にはナトリウムメトキシドを含む水溶液を用いると好適とされている。
同様に、特許文献5には、ガラス基板表面に、水酸化カリウム溶液によるアルカリ脱脂処理,フッ酸によるエッチング処理,温純水処理,シランカップリング剤処理,塩化パラジウム水溶液によるアクチベーター処理,次亜リン酸ナトリウム水溶液によるアクサレーター処理を順次施した後、無電解Ni−Pめっきを行い、続いて、加熱処理を施すことによる磁気ディスク用ガラス基板への無電解Ni−Pめっき層の形成方法が提案されている。
一方、磁気記録の高密度化を実現する技術として、従来の長手磁気記録方式に代えて、垂直磁気記録方式が注目されつつある。
特に、特許文献6に示されるように、情報を記録する役割を担う磁気記録層の下側に、磁気ヘッドから発生する磁束を通しやすく、かつ飽和磁束密度Bsの高い軟磁性裏打ち層と呼ばれる軟磁性膜を付与した二層垂直磁気記録媒体は、磁気ヘッドの発生磁界強度とその磁界勾配を増加させ、記録分解能を向上させるとともに媒体からの漏洩磁束も増加させうることから、高密度記録が可能な垂直磁気記録媒体として好適であることが知られている。
このような問題を解決するために、無電解めっき法により形成された軟磁性膜を、軟磁性裏打ち層として用いることが提案されている。例えば特許文献7では、非磁性NiPめっき膜が付与されたAl合金ディスク基板上にNiFeP膜をめっき法で作製し、軟磁性裏打ち層として使用することが提案されている。
ここで、軟磁性裏打ち層が磁区構造を形成し、磁壁とよばれる磁化遷移領域が生じると、この磁壁から発生するスパイクノイズと呼ばれるノイズが垂直磁気記録媒体としての性能を劣化させることが知られている。したがって軟磁性裏打ち層としては磁壁の形成が抑制されていることが必要である。
前述のNiFePめっき膜では、磁壁が形成されやすいため、めっき膜上にMnIr合金薄膜をスパッタリング法により形成することで磁壁形成を抑制する必要のあることが、非特許文献3に記載されている。また、前述のCoNiFePめっき膜では、磁場中でめっきを行うことで磁壁形成が抑制されると記載されており、軟磁性NiPめっき膜では、スパイクノイズは発生しないとされている。
また、上述のCoNiFePめっき膜においても、実際の量産工程においては、めっき浴中の基板に均一な磁界を印加することは困難であるうえ、やはり大量生産性を損ねる可能性が高い。さらに、Feを含むめっき膜は、高いBsが得られるため軟磁性裏打ち層としては好適であるが、Feは二価のイオンと三価のイオンが共に安定に存在するため、一般にめっき浴の安定性を確保するのが困難であることが知られており、大量生産性に劣る面がある。
このような課題を解決するため、本出願人は、特願2004−121889「垂直磁気記録媒体用ディスク基板及びそれを用いた垂直磁気記録媒体」において、3at%以上20at%以下のPと、CoとNiの原子数比率(Co/(Co+Ni))で45at%以上のCoを含むCo−Ni−P合金膜からなり、かつその膜厚が0.2μm以上3μm以下である軟磁性下地層を無電解めっき法によりガラス基板上に形成することで、量産性に優れ、かつスパイクノイズが発生しないものとすることについて提案した。
また、非磁性Ni−P合金からなる無電解めっき膜は、既にハードディスク用のAl合金基板に使用されている実績があり、その大量生産のための作製方法やポリッシングによる表面平滑化技術が良く知られている。したがって、ガラス基板においても無電解めっき法により非磁性又は軟磁性のめっき膜を良好な特性の磁気ディスクを得るのに十分な膜厚で、密着性良く且つ十分な平滑性を保持する下地層として形成し、磁気記録媒体のための基板として使用できれば、生産コストの観点から非常に有望である。
すなわち、発明者らの検討によれば、ガラス基板上に、シランカップリング剤処理(例えば、3−アミノプロピルエトキシシラン水溶液への浸漬)、Pd触媒化処理(例えば、塩化パラジウム溶液への浸漬)などを順次施した後、無電解めっき法によりめっき膜を形成する方法を採用する場合には、ガラス基板とシランカップリング剤層の界面の結合力が弱いと、めっき反応中の膜応力により、めっき析出中に膜ふくれが発生したり、膜ふくれには至らぬまでも、次のポリッシュ工程において端面膜剥れや微小膜剥れなどの密着不良が現れることがあることが分かった。
すなわち、強化ガラスに用いられる所謂アモルファス系ガラス表面に、エッチング液を用い、適度な粗さを付与することは技術的に難しい。一般にシリコン基板のエッチング液として用いられるフッ化水素酸系の水溶液や市販のフッ化水素酸/フッ化アンモニウム混合水溶液(バッフアードフッ酸)をガラス基板へ用いると、ガラス基板表面が一様に、均一にエッチングされるため、適度な粗さを付与することは困難であり、むしろ逆に粗さを低下させる作用を示す。また、市販のフッ化水素酸/フッ化アンモニウム混合水溶液(バッファードフッ酸)では、ガラス基板表面にケイフッ化アンモニムの反応生成物が析出してしまい、その後に洗浄しても除去が困難なため、その結果、欠陥として基板表面に残存しやすく、不適当である。
ここで、エッチング液は、フッ化水素酸に加えてそれ以外の無機酸がさらに混合され、無機酸が、硫酸、塩酸、及び硝酸からなる群なら選ばれた少なくとも1種のものからなり、フッ化物塩が、フッ化アンモニウム、フッ化ナトリウム、フッ化水素アンモニウム、及びケイフッ化アンモニウムからなる群から選ばれた少なくとも1種のものからなり、親水性溶媒が、アルコール及びグリコールからなる群から選ばれた少なくとも1種のものからなるものとすることができる。
さらに、本発明の垂直磁気記録媒体用ディスク基板の製造方法は、ディスク状のガラス基板を基体としてその表面に、上述の本発明のめっき方法を用いて、少なくとも、エッチング処理を施した後に、無電解めっきにより軟磁性めっき膜を垂直磁気記録のための軟磁性裏打ち層として利用される軟磁性下地層として形成することを特徴とする。
ここで、エッチング処理を施す前の表面粗さRaが0.5nm以下であるガラス基板の表面にエッチング処理を施して当該ガラス基板の表面粗さRaを30〜200nmとし、無電解めっきにより形成した軟磁性めっき膜の表面にポリッシュ加工を施して表面粗さRaを0.5nm以下とすることにより軟磁性下地層を形成することが、記録密度を高めるために要求される表面粗さを満足させるうえで好ましい。
このような本発明の製造方法により製造される垂直磁気記録媒体用ディスク基板は、エッチング処理を施されてRa30〜200nmの表面粗さを有するディスク状のガラス基板と、ガラス基板上に形成された密着層と、密着層上に形成された触媒層と、触媒層上に無電解めっきにより形成され、ポリッシュ加工を施されてRa0.5nm以下の表面粗さを有する軟磁性めっき膜からなる軟磁性下地層とを備えることを特徴とする。
さらに、本発明の垂直磁気記録媒体は、上述の本発明の垂直磁気記録媒体用ディスク基板上に、少なくとも非磁性シード層、磁気記録層、及び保護層を順次形成し、当該ディスク基板の軟磁性下地層を、当該磁気記録層のための軟磁性裏打ち層の少なくとも一部として利用することを特徴とする。
本発明の垂直磁気記録媒体用ディスク基板の製造方法によれば、本発明のめっき方法を用いてエッチング処理を施した後に無電解めっきにより軟磁性めっき膜を垂直磁気記録のための軟磁性裏打ち層として利用される軟磁性下地層として形成することにより、垂直磁気記録媒体の軟磁性裏打ち層に要求される磁気特性、膜厚、密着性、均一性、平滑性を満足する軟磁性下地層を量産性に優れた無電解めっき法でガラス基板上に形成することができる。
従って、本発明の垂直磁気記録媒体によれば、本発明の製造方法を用いて製造されるディスク基板上に磁気記録層を形成することにより、無電解めっき法でガラス基板上に形成した軟磁性めっき膜からなる軟磁性下地層を軟磁性裏打ち層として利用するので、その厚膜を例えばスパッタリング法で形成するものと比較して量産性に優れ、非常に安価なものとすることができる。
一般的なガラス材料からなる基体としては、例えば、液晶・PDP・FED・EL等のフラットパネルディスプレイ用ガラスや、複写機等の情報機器デバイス用ガラス、その他にも光通信用デバイス、自動車関連、医療関連、建材用ガラス等が挙げられる。
<垂直磁気記録媒体用ディスク基板の実施形態>
図2に示すように、本発明の実施形態の垂直磁気記録媒体用ディスク基板10は、エッチング処理を施されてRa30〜200nmの表面粗さを有するディスク状のガラス基板1と、ガラス基板1上に形成されたシランカップリング剤からなる密着層2と、密着層2上に形成されたPd触媒金属からなる触媒層3と、触媒層3上に無電解めっき法で形成され、ポリッシュ加工を施されてRa0.5nm以下の表面粗さを有する軟磁性めっき膜からなる軟磁性下地層4とを備えてなる。
軟磁性下地層4としては、Co−Ni−P合金、Ni−Fe−P合金、Co−Ni−Fe−P合金、Ni−P合金(P濃度<5at%)などからなる軟磁性めっき膜を採用することができる。
特に、軟磁性下地層4にCo−Ni−P合金を採用する場合には、特願2004−309723「垂直磁気記録媒体用ディスク基板及びそれを用いた垂直磁気記録媒体」にて提案したとおり、軟磁性下地層4は、3at%以上20at%以下のPと、CoとNiの原子数比率(Co/(Co+Ni))で45at%以上のCoを含むCo−Ni−P合金膜からなり、かつその膜厚が0.2μm以上3μm以下であることが望ましい。
さらに、軟磁性下地層4の組成については、P濃度が3at%未満では安定な無電解めっき膜を形成することが困難であり、またP濃度が20at%を超える場合、飽和磁束密度Bs値が低下しすぎて軟磁性裏打ち層としての機能を果たさない。
Co濃度に関しては、CoとNiの原子数比率(Co/(Co+Ni))で45at%未満では飽和磁束密度Bs値が十分に高く維持できないことと、飽和磁歪定数が負で絶対値の大きな値になることから望ましくない。
一方、Co濃度の上限は特に規定されないが、CoとNiの原子数比率(Co/(Co+Ni))で90at%を超えると、CoNi合金は結晶磁気異方性定数の大きなhcp構造を形成し易くなり、保磁力が増大する可能性があることから望ましくない。すなわち、CoとNiの原子数比率(Ni/(Co+Ni))で10at%以上のNiを含有させ、fcc構造を安定に形成しやすい組成にすることが望ましい。
<垂直磁気記録媒体用ディスク基板の製造方法の実施形態>
このような実施形態の垂直磁気記録媒体用ディスク基板10の製造方法は、図1に示すように、ガラス材料からなる基体としてのガラス基板1の表面に、アルカリ脱脂処理S1、エッチング処理S2、ガラス活性化処理S3、シランカップリング剤処理S4、Pd触媒化処理S5、Pd結合化処理S6、無電解めっきS7、加熱処理S8、及びポリッシュ加工S9を順次施す各工程からなる。
以下に、この実施形態の各工程について説明する。
(アルカリ脱脂処理S1)
この実施形態の第1の工程は、ガラス基板1の表面のアルカリ脱脂処理S1である。アルカリ脱脂処理S1は、塩基性無機化合物水溶液による1段階の処理で行ってもよいが、アルカリ性洗剤溶液による処理と、塩基性無機化合物水溶液による処理との2段階で行うことが好ましい。
本工程において用いることができるアルカリ性洗剤は、その溶液が9.0〜11.0のpHを呈するものであり、具体的にはアニオン系界面活性剤などを含む。アルカリ性洗剤の溶液は、1〜10質量%のアルカリ性洗剤を含むことが好ましい。アルカリ性洗剤溶液による処理は、ガラス基板1をアルカリ性洗剤溶液に浸漬することにより行うことが好ましく、必要に応じて洗剤溶液の攪拌、洗剤溶液に対する超音波照射などの手段を併用してもよい。通常の場合、この処理は、20〜70℃の温度において、1〜10分間にわたって実施される。
アルカリ脱脂処理S1を実施することによって、ガラス基板1上に付着していた有機物皮膜やパーティクル類を除去して、ガラス基板1の表面を清浄化することができる。
(エッチング処理S2)
次に、ガラス基板1にエッチング処理S2を施す。本工程は、ガラス基板1の表面に適度で均一な粗さを付与するための工程であり、この課題を解決すべく発明者らはエッチング液組成を検討した結果、フッ化水素酸単独またはフッ化水素酸とその他の無機酸との混合物、フッ化物塩、親水性溶媒、及び水の全てを混合してなるエッチング液を用い、エッチング処理を施すことことで、ガラス基板1の表面に適度で均一な粗さの付与ができることを見出した。
さらに、前記エッチング液の組成濃度は、好ましくはフッ化水素酸が10〜20質量%であり、その他の無機酸が0〜10質量%であり、フッ化物塩が10〜20質量%であり、親水性溶媒が10〜30質量%であり、これらの割合で全てを混合したエッチング水溶液を用いることが好適である。
前記エッチング液組成の中で特に表面均一性へ大きな効果が得られる成分は、親水性溶媒の添加であり、この親水性溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールに代表されるアルコール類やエチレングリコールに代表されるグリコール類が挙げられる。
密着不良を改善するための方策として、ガラス表面活性化処理の適正化によるガラス表面官能基の制御、アニール条件適正化、軟磁性膜用下地バッファ層形成、等種々の方法が検討されるが、本手法は、ガラス基板への粗さ付与によるアンカー効果にてめっき膜の密着性を向上させるものである。
ガラス基板の表面を粗すことは、磁気記録媒体としてさらなる記録密度の向上を図るためには、記録再生特性の観点から本来好ましくないが、しかし2〜3μmの厚膜化めっき膜を形成し、次工程のポリッシュ加工にて、めっき膜表面の粗さ、欠陥等を初期化できる範囲であれば、めっき以前の基板において、ある程度の粗さ付与を施すことは一向に構わないと言える。
(ガラス活性化処理S3)
次に、ガラス活性化処理S3を実施する。このガラス活性化処理S3は、ガラス基板1の表面の官能基を反応性に富むシラノール基(Si−OH)に変性させ、後述するシランカップリング剤との反応に対してガラス基板1の表面を活性化するための処理であり、ガラス基板1を0.001質量%〜1質量%のフッ化水素酸などの希酸水溶液に浸漬することによって実施される。
(シランカップリング剤処理S4)
次に、ガラス活性化処理S3が施されたガラス基板1に対してシランカップリング剤処理S4を施して、ガラス基板1上にシランカップリング剤からなる密着層2を形成する。
本工程において用いることができるシランカップリング剤は、アルキル基上にN置換基(アミノ基)を有するアルキルトリアルコキシシラン類(いわゆる、アミノ系シランカップリング剤)であり、好ましくは以下の一般式で示される構造を有するものを含む。
(CmH2m+1O)3Si(CH2)nNHR (I)
式中、Rは、H、CpH2pNH2、CONH2およびC6H5からなる群から選択され、m,n,pはそれぞれ正の整数を表す。好ましくは、mは1または2であり、nは2〜4の整数であり、およびpは2〜4の整数である。より好ましくは、以下の式(II)〜(IX)の化合物、またはそれら化合物の混合物が用いられる。
[3−アミノプロピルトリメトキシシラン]
(C2H5O)3SiC3H6NH2 (III)
[3−アミノプロピルトリエトキシシラン]
(CH3O)3SiC3H6NHC2H4NH2 (IV)
[N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン]
(C2H5O)3SiC3H6NHC2H4NH2 (V)
[N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン]
(CH3O)3SiC3H6NHC6H5 (VI)
[N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン]
(C2H5O)3SiC3H6NHCONH2 (VII)
[3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン]
(C2H5O)3SiC3H6N=C(C4H9)CH3 (VIII)
[3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチルブチリデン)−
プロピルアミン]
(CH3O)2(CH3)SiC3H6NHC2H4NH2 (IX)
[N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン]
シランカップリング剤は、通常0.1〜4.0質量%の水溶液として用いられる。ただし、水溶性が低いシランカップリング剤(例えば、式(VII)の化合物)の場合には、0.1〜2.0質量%の酢酸を含む酢酸水または水−アルコール(例えば、メタノール、エタノールなど)混合溶媒(さらに酢酸を含んでもよい)に溶解させて用いてもよい。
シランカップリング剤は、以下のスキーム1に示すように、水溶液または水性溶液中の水分によりアルコキシ基が加水分解されてシラノール基を生成し、さらに部分的に縮合してオリゴマー状態となる。この状態において、ガラス活性化処理S2によってガラス基板1の表面上に生成されたシラノール基と水素結合的な強い吸着状態を形成する。
次に、シランカップリング剤からなる密着層2が形成されたガラス基板1に対して、Pd触媒化処理S5を実施する。Pd触媒化処理S5は、密着層2が形成されたガラス基板1を、Pdの二価イオンを含む水溶液に浸漬することにより実施される。Pdの二価イオンを含む化合物としては、塩化パラジウム(PdCl2)などを用いることができる。その塩化パラジウムの水溶液に、NaOH、KOHなどのアルカリ性化合物を添加して、Pdイオンとシランカップリング剤のN−官能基(アミノ基、イミノ基、ウレイド基など)との反応を促進してもよい。好ましくは、PdイオンをPdCl2換算で0.01〜1.0質量%、アルカリ性化合物をKOH換算で0.01〜1.0質量%含む水溶液を用いて、本工程が実施される。通常の場合、この処理は、20〜30℃の温度において、1〜10分間にわたって実施される。
(Pd結合化処理S6)
引き続いて、Pd結合化処理S6を実施する。本工程は、好ましくは、次亜リン酸(H3PO2)の水溶液に対して、触媒層3が形成されたガラス基板1を浸漬することによって行われる。次亜リン酸水溶液で処理することで、Clと錯化合物を形成しているPdからClが解離し、シランカップリング剤のアミノ基と触媒成分としてのPdの間で強固な結合状態が成立する。その際、過剰の遊離Pdが除去される。次亜リン酸の水溶液は、好ましくは0.1〜1.0質量%の次亜リン酸を含む。通常の場合、本工程は、20〜30℃の温度において、1〜5分間にわたって実施される。
(無電解めっきS7)
次に、触媒層3が形成されたガラス基板1に対して、無電解めっきS7を施すことにより、軟磁性下地層4とするための軟磁性めっき膜を形成する。本工程は、ガラス基板1を無電解めっき液に浸漬することによって行われる。その無電解めっき液を変えることにより種々の組成のめっき膜を形成することができる。形成する軟磁性めっき膜の膜厚は、0.2μm以上とすることが軟磁性裏打ち層として必要であり、生産性の観点から3μm以下とすることが望ましい。
(加熱処理S8)
次に、軟磁性めっき膜が形成されたガラス基板1に対して加熱処理S8を施す。本工程においては、スキーム1に示したように、水素結合的な吸着状態にあるガラス基板1の表面のシラノール基と、密着層2を構成するシランカップリング剤のシラノール基とを脱水縮合させ、それらの間に強固な化学結合(共有結合)を形成させ、ガラス基板1と密着層2との間、ひいてはガラス基板1と軟磁性めっき膜からなる軟磁性下地層4との間の密着性を向上させることができる。また、この加熱処理S8により軟磁性下地層4の軟磁気特性を向上させることもできる。
また、本工程は、軟磁性めっき膜の酸化を防止するため、N2、He、Arなどの不活性ガス雰囲気下又は真空中での無酸素状態で行うことが好ましい。
(ポリッシュ加工S9)
次に、無電解めっきS7により形成した軟磁性めっき膜の表面を平滑化して軟磁性下地層4とするためのポリッシュ加工S9を行う。この場合、軟磁性めっき膜の表面を、遊離砥粒を用いたポリッシングにより平滑化することが有効である。ポリッシュ加工は、例えば、発泡ウレタン性のポリッシングパッドを貼った両面研磨盤を用いて、酸化アルミニウムあるいはコロイダルシリカの縣濁液を研磨剤として供給しながら、研磨することによって行うことができる。なお、ポリッシュ加工S9の後に加熱処理を行うことも可能である。
<垂直磁気記録媒体の実施形態>
次に、上述の実施形態の垂直磁気記録媒体用ディスク基板10を用いる本発明の垂直磁気記録媒体の実施形態について説明する。
図示はしてないが、非磁性シード層20、磁気記録層30及び保護層40は、垂直磁気記録媒体用ディスク基板10の他面側にも同様に設けることができる。
非磁性シード層20には、磁気記録層30の結晶配向や結晶粒径等を好ましく制御するための材料を、特に制限なく用いることができる。例えば、磁気記録層30がCoCrPt系合金からなる垂直磁化膜であれば、非磁性シード層20としてはCoCr系合金やTi、あるいはTi系合金、Ruやその合金等を使用することができ、磁気記録層30がCo系合金等とPtあるいはPd等を積層した、いわゆる積層垂直磁化膜である場合には、非磁性シード層20としてPtやPd等を用いることができる。また、非磁性シード層20の上や下に更にプレシード層や中間層等を設けることも、本発明の効果を妨げるものではない。
保護層40としては、例えばカーボンを主体とする薄膜が用いられる。また、そのカーボンを主体とする薄膜と、その上に例えばパーフルオロポリエーテル等の液体潤滑剤を塗布してなる液体潤滑剤層とからなるものとすることもできる。
なお、これらの非磁性シード層20、磁気記録層30、保護層40はスパッタリング法、CVD法、真空蒸着法、めっき法などのいずれの薄膜形成方式でも形成することが可能である。
表1に、以下の実施例で用いる工程および主要条件をまとめて示す。
ガラス基板としてアルミノシリケートボロン系非晶質化学強化ガラス板(Ra=0.25nm)をガラス基板1として用い、以下の(1)〜(9)の工程を順次行って、無電解めっきによりCo−Ni−P合金ならなる軟磁性めっき膜を軟磁性下地層4として形成した。
(1)アルカリ脱脂処理S1として、濃度7.5質量%、温度50℃のKOH水溶液に浸漬して、3分間にわたって処理した。
(2)エッチング処理S2として、濃度12質量%のフッ化水素酸+18質量%のフッ化アンモニウム+12質量%のエチルアルコール+水のエッチング液を調整し、温度20℃で3分間にわたって処理した。
(3)ガラス活性化処理S3として、温度20℃で、濃度1.0質量%のH2SO4水溶液に、3分間浸漬し処理し、引き続き温度20℃で、濃度0.05質量%のHF水溶液に浸漬して、3分間にわたって処理した。
(4)シランカップリング剤処理S4として、濃度1.0質量%、温度20℃の3−アミノプロピルトリエトキシシラン(式(III)の化合物)水溶液に浸漬して、3分間にわたって処理した。
(5)Pd触媒化処理S5として、温度20℃のPdCl2(濃度1.0質量%)+NaOH(濃度0.2質量%)水溶液に浸漬して、3分間にわたって処理した。
(6)Pd結合化処理S6として、濃度1.0質量%、温度20℃のH3PO2水溶液に浸漬して、3分間にわたって処理した。
(7)無電解めっきS7として、次の(a)〜(e)からなるめっき浴組成のめっき液に温度90℃で75分間にわたって浸漬処理し、膜厚3.0μmのCo−Ni−P合金からなる軟磁性めっき膜を軟磁性下地層4とすべく形成した。
(b)金属成分:硫酸コバルト 10g/L
(c)還元剤:次亜リン酸ナトリウム 20g/L
(d)錯化剤:クエン酸ナトリウム 60g/L
(e)緩衝剤:ホウ酸 30g/L
(8)加熱処理S8として、N2ガス雰囲気下、100℃で6時間にわたって加熱処理した。
(9)ポリッシュ加工S9として、発泡ウレタン製のポリッシングパッドを貼った両面研磨盤を用いて、コロイダルシリカの縣濁液を研磨剤として供給しながら、軟磁性めっき膜を1.0μm研磨し、膜厚2.0μmの軟磁性下地層4とした。
〔実施例2〕
実施例1の工程(2)を以下の(2B)に変更したことを除いて、実施例1の手順を繰り返して実施した。
(2B)エッチング処理S2として、濃度12質量%のフッ化水素酸+18質量%のフッ化アンモニウム+12質量%のエチルアルコール+水のエッチング液を調整し、温度20℃で5分間にわたって処理した。
〔実施例3〕
実施例1の工程(2)を以下の(2C)に変更したことを除いて、実施例1の手順を繰り返して実施した。
(2C)エッチング処理S2として、濃度10質量%のフッ化水素酸+15質量%のフッ化アンモニウム+23質量%のエチルアルコール+水のエッチング液を調整し、温度20℃で3分間にわたって処理した。
〔実施例4〕
実施例1の工程(2)を以下の(2D)に変更したことを除いて、実施例1の手順を繰り返して実施した。
(2D)エッチング処理S2として、濃度10質量%のフッ化水素酸+15質量%のフッ化アンモニウム+23質量%のエチルアルコール+水のエッチング液を調整し、温度20℃で5分間にわたって処理した。
〔実施例5〕
実施例1の工程(2)を以下の(2E)に変更したことを除いて、実施例1の手順を繰り返して実施した。
(2E)エッチング処理S2として、濃度11質量%のフッ化水素酸+17質量%のフッ化アンモニウム+5質量%の硫酸+11質量%のエチルアルコール+水のエッチング液を調整し、温度20℃で3分間にわたって処理した。
〔実施例6〕
実施例1の工程(2)を以下の(2F)に変更したことを除いて、実施例1の手順を繰り返して実施した。
(2F)エッチング処理S2として、濃度11質量%のフッ化水素酸+17質量%のフッ化アンモニウム+5質量%の硫酸+11質量%のエチルアルコール+水のエッチング液を調整し、温度20℃で5分間にわたって処理した。
〔比較例1〕
実施例1の工程(2)を省略したこと以外は、実施例1の手順を繰り返して実施した。
〔比較例2〕
実施例1の工程(2)を以下の(2G)に変更したことを除いて、実施例1の手順を繰り返して実施した。
(2G)エッチング処理S2として、濃度1質量%のフッ化水素酸+水のエッチング液を調整し、温度20℃で5分間にわたって処理した。
〔比較例3〕
実施例1の工程(2)を以下の(2H)に変更したことを除いて、実施例1の手順を繰り返して実施した。
(2H)エッチング処理S2として、濃度5質量%のフッ化水素酸+水のエッチング液を調整し、温度20℃で5分間にわたって処理した。
〔比較例4〕
実施例1の工程(2)を以下の(2I)に変更したことを除いて、実施例1の手順を繰り返して実施した。
(2I)エッチング処理S2として、濃度10質量%のフッ化水素酸+水のエッチング液を調整し、温度20℃で5分間にわたって処理した。
〔比較例5〕
実施例1の工程(2)を以下の(2J)に変更したことを除いて、実施例1の手順を繰り返して実施した。
(2J)エッチング処理S2として、濃度0.5質量%のフッ化水素酸+40質量%のフッ化アンモニウム+水(市販商品名:ダイキン工業製BHF1100)のエッチング液を用い、温度20℃で5分間にわたって処理した。
〔比較例6〕
実施例1の工程(2)を以下の(2K)に変更したことを除いて、実施例1の手順を繰り返して実施した。
(2K)エッチング処理S2として、濃度4.8質量%のフッ化水素酸+36質量%のフッ化アンモニウム+水(市販商品名:ダイキン工業製BHF110)のエッチング液を用い、温度20℃で5分間にわたって処理した。
〔比較例7〕
実施例1の工程(2)を以下の(2L)に変更したことを除いて、実施例1の手順を繰り返して実施した。
(2L)エッチング処理S2として、濃度7.2質量%のフッ化水素酸+35質量%のフッ化アンモニウム+水(市販商品名:ダイキン工業製BHF16)のエッチング液を用い、温度20℃で5分間にわたって処理した。
〔比較例8〕
実施例1の工程(2)を以下の(2M)に変更したことを除いて、実施例1の手順を繰り返して実施した。
(2M)エッチング処理S2として、濃度15質量%のフッ化水素酸+20質量%のフッ化アンモニウム+水のエッチング液を調整し、温度20℃で3分間にわたって処理した。
〔比較例9〕
実施例1の工程(2)を以下の(2N)に変更したことを除いて、実施例1の手順を繰り返して実施した。
(2N)エッチング処理S2として、濃度15質量%のフッ化水素酸+20質量%のフッ化アンモニウム+水のエッチング液を調整し、温度20℃で5分間にわたって処理した。
〔比較例10〕
実施例1の工程(2)を以下の(2O)に変更したことを除いて、実施例1の手順を繰り返して実施した。
(2O)エッチング処理S2として、濃度20質量%のフッ化水素酸+30質量%のフッ化アンモニウム+水のエッチング液を調整し、温度20℃で3分間にわたって処理した。
〔比較例11〕
実施例1の工程(2)を以下の(2P)に変更したことを除いて、実施例1の手順を繰り返して実施した。
(2P)エッチング処理S2として、濃度20質量%のフッ化水素酸+30質量%のフッ化アンモニウム+水のエッチング液を調整し、温度20℃で5分間にわたって処理した。
〔比較例12〕
実施例1の工程(2)を以下の(2Q)に変更したことを除いて、実施例1の手順を繰り返して実施した。
(2Q)エッチング処理S2として、濃度12質量%のフッ化水素酸+19質量%のフッ化アンモニウム+6質量%の硫酸+水のエッチング液を調整し、温度20℃で3分間にわたって処理した。
〔比較例13〕
実施例1の工程(2)を以下の(2R)に変更したことを除いて、実施例1の手順を繰り返して実施した。
(2R)エッチング処理S2として、濃度12質量%のフッ化水素酸+19質量%のフッ化アンモニウム+6質量%の硫酸+水のエッチング液を調整し、温度20℃で5分間にわたって処理した。
(評価)
上述の実施例1〜6及び比較例1〜13で得られたCo−Ni−P合金からなるめっき膜が形成された各ガラス基板について、エッチング処理後およびポリッシュ加工後の表面粗さRaを原子間力顕微鏡(AFM)にて測定し、めっき後の外観膨れを光学顕微鏡観察(倍率:×50)で評価し、めっき膜の密着性をクロスカット剥離試験(JIS K 5600−3−4)により、ポリッシュ加工後の基板表面欠陥数を光学式表面欠陥分析装置にて評価した。
これらの測定・評価結果をエッチング処理条件と共に表2にまとめて示す。
一方、比較例1〜13においては、エッチング処理を行わなかったり、行ってもエッチング液組成が不適正な場合には、ガラス基板表面の粗さ付与が不十分となり、その結果アンカー作用が不足してめっき膜の密着性が低下し、めっき中に膨れが発生してしまったり、また膨れまでは至らなくても、次工程のポリッシュ加工で部分的膜剥れや基板端面膜剥れが発生してしまう不具合が発生することとなり(比較例1〜7)、また、エッチング液組成によっては、めっき膜密着性は満足しても、基板表面欠陥数が100個/面以上となり、磁気ディスク用基板としての表面精度・均一性を保持することができなくなる(比較例8〜13)。
以上のとおり、本発明の方法を用いることによって、ガラス基板1上に無電解めっき法により形成するCo−Ni−P合金膜からなる軟磁性下地層4に関して、2.0μmレベルの厚膜化を達成でき、膨れなどの欠陥もなく、かつ十分な密着性に優れた層として得ることができる。さらに、軟磁性下地層4の表面は、用いたガラス基板1の表面粗さ(Ra=0.50nm以下)とほぼ同等レベルの表面粗さを有しており、且つ表面欠陥数も100個/面未満であり、その値は磁気ディスク用基板として要求される表面粗さ・表面品質レベルに十分保持されている。
次に、このようにして作製した垂直磁気記録媒体用ディスク基板を用いて垂直磁気記録媒体を作製するため、上記実施例1〜6で得られた垂直磁気記録媒体用ディスク基板10をスパッタリング装置内に導入し、ランプヒータを用いて基板表面温度が200℃になるように10秒間加熱を行った後、Tiターゲットを用いてTiからなる非磁性シード層20を10nm、引き続きCo70Cr20Pt10ターゲットを用いてCoCrPt合金からなる磁気記録層を30を30nm成膜し、最後にカーボンターゲットを用いてカーボンからなる保護層40を8nm成膜後、真空装置から取り出した。これらのスパッタリング成膜はすべてArガス圧5mTorr下でDCマグネトロンスパッタリング法により行った。その後、パーフルオロポリエーテルからなる液体潤滑材層2nmをディップ法により形成することで、図3に示す垂直磁気記録媒体を得ることができる。
2 密着層
3 触媒層
4 軟磁性下地層
10 垂直磁気記録媒体用ディスク基板
20 非磁性シード層
30 磁気記録層
40 保護層
S1 アルカリ脱脂処理
S2 エッチング処理
S3 ガラス活性化処理
S4 シランカップリング剤処理
S6 Pd触媒化処理
S6 Pd結合化処理
S7 無電解めっき
S8 加熱処理
S9 ポリッシュ加工
Claims (11)
- ガラス材料からなる基体の表面に、少なくとも、フッ化水素酸、フッ化物塩、親水性溶媒、及び水が混合されてなるエッチング液を用いてエッチング処理を施した後に、無電解めっきを施すことを特徴とするガラス基体へのめっき方法。
- 前記エッチング液は、フッ化水素酸に加えてそれ以外の無機酸がさらに混合されてなることを特徴とする請求項1に記載のガラス基体へのめっき方法。
- 前記無機酸が、硫酸、塩酸、及び硝酸からなる群なら選ばれた少なくとも1種のものからなることを特徴とする請求項2に記載のガラス基体へのめっき方法。
- 前記フッ化物塩が、フッ化アンモニウム、フッ化ナトリウム、フッ化水素アンモニウム、及びケイフッ化アンモニウムからなる群から選ばれた少なくとも1種のものからなり、前記親水性溶媒が、アルコール及びグリコールからなる群から選ばれた少なくとも1種のものからなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のガラス基体へのめっき方法。
- 前記エッチング処理を施した前記基体の表面に、ガラス活性化処理、シランカップリング剤処理、Pd触媒化処理、及びPd結合化処理を順次施した後に、前記無電解めっきを施すことを特徴とする請求項4に記載のガラス基体へのめっき方法。
- ディスク状のガラス基板を基体としてその表面に、請求項1〜5のいずれかに記載のめっき方法を用いて、前記エッチング処理を施した後に、前記無電解めっきにより軟磁性めっき膜を垂直磁気記録のための軟磁性裏打ち層として利用される軟磁性下地層として形成することを特徴とする垂直磁気記録媒体用ディスク基板の製造方法。
- 前記エッチング処理を施す前の表面粗さRaが0.5nm以下であるガラス基板の表面に前記エッチング処理を施して当該ガラス基板の表面粗さRaを30〜200nmとし、前記無電解めっきにより形成した軟磁性めっき膜の表面にポリッシュ加工を施して表面粗さRaを0.5nm以下とすることにより前記軟磁性下地層を形成することを特徴とする請求項6に記載の垂直磁気記録媒体用ディスク基板の製造方法。
- 請求項6又は7に記載の製造方法を用いて垂直磁気記録媒体用ディスク基板を製造し、その垂直磁気記録媒体用ディスク基板上に、少なくとも非磁性シード層、磁気記録層、保護層を順次形成し、当該ディスク基板の前記軟磁性下地層を、当該磁気記録層のための軟磁性裏打ち層の少なくとも一部として利用することを特徴とする垂直磁気記録媒体の製造方法。
- エッチング処理を施されてRa30〜200nmの表面粗さを有するディスク状のガラス基板と、
前記ガラス基板上に形成された密着層と、
前記密着層上に形成された触媒層と、
前記触媒層上に無電解めっきにより形成され、ポリッシュ加工を施されてRa0.5nm以下の表面粗さを有する軟磁性めっき膜からなる軟磁性下地層と
を備えることを特徴とする垂直磁気記録媒体用ディスク基板。 - 前記ガラス基板が、化学強化ガラス又は結晶化ガラスからなることを特徴とする請求項9に記載の垂直磁気記録媒体用ディスク基板。
- 請求項9又は10に記載の垂直磁気記録媒体用ディスク基板上に、少なくとも非磁性シード層、磁気記録層、及び保護層を順次形成し、当該ディスク基板の前記軟磁性下地層を、当該磁気記録層のための軟磁性裏打ち層の少なくとも一部として利用することを特徴とする垂直磁気記録媒体。
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