JP2009204643A - 電気光学装置及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
ぞれの厚さに差を付けることができる薄型かつ軽量な電気光学装置を提供すること。
【解決手段】本発明の電気光学装置の製造方法は、互いに組成が異なる一対のガラス基板
11(厚さL1)及びガラス基板12(厚さL2)上にそれぞれ表示要素を複数形成し、
前記一対のガラス基板11、12を対向配置してガラス基板対10を作製する工程、前記
ガラス基板対10をガラス用エッチング溶液14に浸漬して前記一対のガラス基板11'
、12'の厚さをそれぞれ異なる厚さL1'、L2'に薄くする工程、を含むことを特徴と
する。ガラス基板11、12としては、ソーダライムガラス、ホウ珪酸ガラス、無アルカ
リガラス等から適宜組み合わせて使用することができる。
【選択図】図1
Description
が形成された一対のガラス基板が対向配置された薄型かつ軽量な電気光学装置及びその製
造方法に関する。
、軽量化の要望が大きくなっている。これらの電気光学装置は、ガラス基板上に表示要素
が形成された一対のガラス基板が対向配置された構成を有している。これらの薄型の電気
光学装置を製造する場合、ガラス基板を、化学研磨(ケミカル・ポリッシング。下記特許
文献1参照。)法、機械研磨(メカニカル・ポリッシング。下記特許文献2参照)法もし
くは両方法の組合せ(下記特許文献3参照)によって薄くする方法が採用されている。機
械研磨法は、片側ずつ研磨する必要があるため、工程に負荷がかかる。一方、化学研磨法
は、加工速度が速く、効率が良いため、ガラス基板の薄型加工においては、多く採用され
ている。
液晶表示パネルの場合、厚さが0.3mm以下の製品も供給され始めている。電気光学装
置を薄型化するには使用するガラス基板を薄くすればよいが、ガラス基板の薄型化が進む
に連れてガラス基板の機械的強度が低下するため、単に使用するガラス基板の厚さを薄く
するのみでは歩留まりよく電気光学装置を製造することは困難となる。また、COGやL
SI等の集積回路を実装する為に、端子部分は下基板をむき出しにする構造のものが多く
、ガラス基板が下基板だけになるため、強度が弱くなり端子部でワレ・カケが発生しやす
くなる。そのため、当初から走査線、信号線、スイッチング素子、画素電極等が形成され
る下基板(素子基板)の厚さは厚いものを使用し、カラーフィルタ層等が形成される上基
板(CF基板)の厚さは下基板よりも薄い物を使用する等、一対のガラス基板の厚さに差
をつける工夫を行うことにより、薄型化された電気光学装置が製造されるようになってい
る。
としては、片側のガラス基板の表面にポリプロピレン製の粘着フィルムや、ポリ塩化ビニ
ル製の粘着フィルムを貼り付け、そのまま研磨液に浸漬させるなどの方法が考えられる。
しかしながら、この方法では、最後に粘着フィルムを剥がす必要性があり、化学研磨法の
利点である生産効率を大きく阻害している上に、粘着フィルムを剥がす際にガラス基板を
破損させるなどの問題点がある。
、粘着フィルム等を使用せず、化学研磨法によって容易に一対のガラス基板のそれぞれの
厚さに差を付けることができる薄型かつ軽量な電気光学装置の製造方法及びその製造方法
によって製造された電気光学装置を提供することを目的とする。
れた一対のガラス基板が対向配置された電気光学装置において、前記一対のガラス基板は
互いに厚さ及び組成が異なることを特徴とする。
用エッチング液に浸漬するのみで一対のガラス基板の厚さを互いに異なるものとすること
ができる。そのため、本発明の電気光学装置によれば、それぞれのガラス基板の板厚を異
ならせた薄型かつ軽量な電気光学装置を得ることができる。
ラスであり、他方が無アルカリガラスとすることができる。
ラスよりもガラス用エッチング液に難溶性であると共に、安価である。そのため、係る態
様の電気光学装置においては、短時間で作製することができると共に、安価な電気光学装
置となる。なお、係る態様の電気光学装置においては、アルカリガラスからのアルカリ成
分の溶出が考えられるため、単純マトリクス型の電気光学装置に適用することが望ましい
。
膜又は窒化珪素膜で被覆されていることが好ましい。
で被覆すると、アルカリガラスからのアルカリ成分の溶出を抑制することができるので、
アルカリ成分による電気光学装置への悪影響を抑制することができるようになる。
ラスからなることが好ましい。
イッチング素子が劣化することが少ないため、アクティブマトリクス型の電気光学装置に
最適である。
互いに組成が異なる一対のガラス基板上にそれぞれ表示要素を複数形成し、前記一対の
ガラス基板を対向配置してガラス基板対を作製する工程、
前記ガラス基板対をガラス用エッチング溶液に浸漬して厚さをそれぞれ異なる厚さに薄
くする工程、
前記ガラス基板対をそれぞれの表示要素毎に分断する工程、
を含むことを特徴とする。
異なるものを使用することが必要である。ガラス基板は、組成が異なるとガラス用エッチ
ング溶液に対するエッチング速度が異なる。そこで、本発明の電気光学装置の製造方法に
おいては、互いに組成が異なる一対のガラス基板上にそれぞれ表示要素を複数形成し、前
記一対のガラス基板を対向配置した後、この一対のガラス基板対をガラス用エッチング溶
液中に浸漬するようにしている。そのため、本発明の電気光学装置の製造方法によれば、
容易に一対のガラス基板のそれぞれの厚さを薄くするとともに両ガラス基板の厚さがそれ
ぞれ異なる状態とすることができる。また、本発明の電気光学装置の製造方法によれば、
その後に前記ガラス基板対をそれぞれの表示要素毎に分断しているので、板厚非対称の貼
り合せガラス基板を備えた薄型かつ軽量な電気光学装置が得られる。なお、本発明の電気
光学装置の製造方法によれば、一対のガラス基板のそれぞれの厚さを0.3mm未満とす
ることも容易である。
知のフッ酸を主体とする薬液を使用することができる。このガラス用エッチング溶液の具
体例としては、例えば、フッ酸液、フッ化硫酸液、ケイフッ化水素酸、フッ化アンモニウ
ム、フッ化水素酸などを使用することができる。また、それらを含む水溶液、例えば、フ
ッ化水素酸と硝酸の混合水溶液、フッ化水素酸とフッ化アンモニウムの混合水溶液、フッ
化水素酸とフッ化アンモニウムと硝酸の混合水溶液、フッ化水素酸と水素二フッ化アンモ
ニウムの水溶液、フッ化水素酸と水素二フッ化アンモニウムと硝酸の水溶液などを使用す
ることができる。また、エッチング速度が遅いが、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムな
どの強アルカリ性の薬液を使用することもできる。
濃度及び温度等によって変化するため、適宜実験的に最適な条件を定めればよい。また、
ガラス基板としては、ソーダライムガラス、ホウ珪酸ガラス、無アルカリガラス等から適
宜組み合わせて使用することができる。特にアクティブマトリクス型の電気光学装置とす
る場合には前記一対のガラス基板としてそれぞれ組成が異なる無アルカリガラスを使用す
るとよい。なお、ガラス基板としてソーダライムガラス等のアルカリガラスは、アルカリ
ガラス中のアルカリ成分が溶出してスイッチング素子に悪影響を及ぼす可能性があるため
、単純マトリクス型の電気光学装置に使用した方がよい。また、アルカリガラスの表面を
窒化ケイ素被膜や酸化珪素被膜によって被覆すると、アルカリ成分の溶出を抑制すること
ができるが、工数が増加する。
機EL表示パネル、プラズマディスプレイパネルなど、一対のガラス基板上にそれぞれ表
示要素を形成し、前記一対のガラス基板を対向配置した周知の各種の電気光学装置の製造
方法として適用することができる。
は、本発明の技術思想を具体化するための電気光学装置としての液晶表示装置の製造工程
を例示するものであって、本発明をこの液晶表示装置に特定することを意図するものでは
なく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態のものにも等しく適応し得るものであ
る。
エッチングが進行した状態を示す概略図である。
カリガラスであるE2k(イーグル2000:商品名)ガラス基板を、他方のガラス基板
として旭硝子株式会社製の無アルカリガラスであるAN100(商品名)を採用した。ま
ず、常法により厚さL1=0.3mmの前記一方のガラス基板11にマトリクス状に走査
線、信号線、TFT領域及び画素電極を備える表示領域(図示省略)を複数個形成した。
また、厚さL2=0.3mmの前記他方のガラス基板12にマトリクス状に遮光膜を形成
すると共に、それぞれの表示領域毎にカラーフィルタ層及び対向電極(何れも図示せず)
を形成した。
かつ両ガラス基板11及び12の間に所定間隔が維持された状態となるようにそれぞれの
表示領域毎に周囲をシール材(図示省略)で被覆した。その後、一対になったシート状の
ガラス基板11及び12の周囲を例えばエポキシ樹脂からなる保護用シール材13で被覆
することによりエッチング処理前のシート状のガラス基板対10を作製した。このエッチ
ング処理前のシート状のガラス基板対の全厚さLは、L≒L1+L2=0.6mmである
。
化アンモニウム(NH4F)の1:1混合水溶液を使用した。このエッチング液14の組
成は、フッ化水素酸約15質量%、フッ化アンモニウム約15質量%及び水約70質量%
である。このエッチング液14内に上記エッチング処理前のシート状のガラス基板対10
を30分間浸漬することに第1の実施形態のシート状のガラス基板対10'を作製した。
この第1の実施形態のシート状のガラス基板対10'をエッチング液14内から取り出し
、水洗、乾燥してエッチング後のシート状のガラス基板対10'を得た。その後、シート
状のガラス基板対10'を分断工程で夫々の個片パネルに分断した後、両ガラス基板11
及び12の間にシール材に形成された液晶注入孔より所定量の液晶を注入し、液晶注入孔
を封止(いずれも図示せず)して液晶表示パネルを形成した。
11'の厚さL1'≒0.2mm、他方のガラス基板12'の厚さL2'≒0.1mm、全厚
さL'≒0.3mmとなっていた。また、エッチング処理後の両ガラス基板11'及び12
'の表面状態を観察したところ、両ガラス基板11'及び12'共に表面は十分に平滑であ
り、液晶表示パネルとして良好な表示画質が得られることが確認できた。また、完成状態
で各ガラス基板の組成と、板厚の異なる液晶表示パネルを得ることが可能となった。
濃度、温度等によって変わるため、実験的に設定する必要がある。一般的には、エッチン
グ液14の組成としてはフッ化水素酸が10〜20質量%、フッ化アンモニウムが10〜
20質量%、残余が水からなるものが使用され、また、エッチング液14に浸漬する時間
は30分〜60分程度、エッチング速度は5〜10μm/分となるように設定される。こ
の範囲内であれば、エッチングされたガラス基板の表面が均質にエッチングされるので、
良好な電気光学セルが得られる。エッチング液の温度は常温〜50℃程度とすることが好
ましい。エッチング液14の温度は、低すぎるとエッチング速度が遅くなって所望の厚さ
とするのに時間がかかるようになり、高すぎると腐食性ガスが発生するため、好ましくな
い。
の市販品をそのまま用いた例を示したが、本発明はこれに限らず、以下の表1に示すよう
な組成の無アルカリガラスA〜D、組成は示さなかったがアルカリガラスやホウ珪酸ガラ
ス等も適宜組み合わせて使用し得る。この場合、それぞれのガラスのエッチング速度を実
験的に測定し、必要な厚さが得られるガラスの組合せ及びエッチング時間を適宜定めれば
よい。
どエッチング速度が低下する傾向があり、アルカリガラスはケイ酸が70モル%程度含ま
れているため、最もエッチング速度が遅い。ただし、安価なソーダライムガラス等のアル
カリガラスを使用する必要がある場合、アクティブマトリクス型の電気光学装置とする場
合にはアルカリガラス中のアルカリ成分が溶出してスイッチング素子に悪影響を及ぼす可
能性があるため、単純マトリクス型の電気光学装置の場合に使用するとよい。なお、アル
カリガラスの表面を窒化ケイ素被膜や酸化珪素被膜によって被覆すると、アルカリ成分の
溶出を抑制することができるが、工数が増えるという問題点が生じる。
しかしながら、本発明は、これに限らず、有機EL表示パネル、無機EL表示パネル、プ
ラズマディスプレイパネルなど、一対のガラス基板上にそれぞれ表示要素を形成し、前記
一対のガラス基板を対向配置した周知の各種の電気光学装置に対しても等しく適用可能で
ある。
ス基板対 11、12:エッチング前のガラス基板 11'、12':エッチング後のガラ
ス基板 13:保護用シール材 14:エッチング液
Claims (5)
- ガラス基板上に表示要素が形成された一対のガラス基板が対向配置された電気光学装置
において、前記一対のガラス基板は互いに厚さ及び組成が異なることを特徴とする電気光
学装置。 - 前記一対のガラス基板は、一方がアルカリガラスであり、他方が無アルカリガラスであ
ることを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。 - 前記アルカリガラスの内側表面は、酸化珪素膜又は窒化珪素膜で被覆されていることを
特徴とする請求項2に記載の電気光学装置。 - 前記一対のガラス基板は、共に無アルカリガラスからなることを特徴とする請求項1に
記載の電気光学装置。 - 互いに組成が異なる一対のガラス基板上にそれぞれ表示要素を複数形成し、前記一対の
ガラス基板を対向配置してガラス基板対を作製する工程、
前記ガラス基板対をガラス用エッチング溶液に浸漬して厚さをそれぞれ異なる厚さに薄
くする工程、
前記ガラス基板対をそれぞれの表示要素毎に分断する工程、
を含むことを特徴とする電気光学装置の製造方法。
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