JP2006337812A - パターン形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】液浸リソグラフィに用いる液浸露光用の液体によるレジスト膜への影響を防止して、良好な形状を有する微細パターンを得られるようにする。
【解決手段】基板101上に形成されたレジスト膜102の上に、アルカリに可溶な第1のバリア膜103を形成する。続いて、形成した第1のバリア膜103の上に、アルカリに不溶な第2のバリア膜104を形成する。続いて、第2のバリア膜104上に水よりなる液体105を配した状態で、第2のバリア膜104及び第1のバリア膜103を介してレジスト膜102に露光光106を選択的に照射するパターン露光を行なう。その後、第2のバリア膜104を除去し、さらに、パターン露光が行なわれたレジスト膜102に対して現像を行なって、第1のバリア膜103を除去すると共にレジスト膜102から微細パターンを有するレジストパターン102aを形成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、半導体装置の製造プロセス等において用いられるパターン形成方法に関する。
半導体集積回路の大集積化及び半導体素子のダウンサイジングに伴って、リソグラフィ技術の開発の加速が望まれている。現在のところ、露光光としては、水銀ランプ、KrFエキシマレーザ又はArFエキシマレーザ等を用いる光リソグラフィによりパターン形成が行なわれている。これと共に、より短波長の157nmの波長を持つF2 レーザの使用も検討されているが、露光装置及びレジスト材料における課題が未だ多く残されているため、より短波長の露光光を用いる光リソグラフィの実用化の時期は未だ先になっている。
このような状況から、最近従来の露光光を用いてパターンの一層の微細化を進めるべく、液浸リソグラフィ(immersion lithography)法が提案されている(例えば、非特許文献1を参照。)。
この液浸リソグラフィ法によると、露光装置内における投影レンズとウエハ上のレジスト膜との間の領域が屈折率がn(n>1)である液体で満たされることになるため、露光装置のNA(開口数)の値がn・NAとなるので、レジスト膜の解像性が向上する。
また、近年、液浸リソグラフィ法において、屈折率をさらに高めるべく、液浸露光用の液体に酸性溶液を用いる提案もなされている(例えば、非特許文献2を参照。)。
以下、従来の液浸リソグラフィを用いたパターン形成方法について図9(a)〜図9(d)、図10(a)及び図10(b)を参照しながら説明する。
まず、以下の組成を有するポジ型の化学増幅型レジスト材料を準備する。
ポリ((ノルボルネン−5−メチレン-t-ブチルカルボキシレート)(50mol%)−(無水マレイン酸)(50mol%))(ベースポリマー)…………………………………………………2g
トリフェニルスルフォニウムトリフルオロメタンスルフォン酸(酸発生剤)
……………………………………………………………………………………………0.04g
トリエタノールアミン(クエンチャー)………………………………………0.002g
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(溶媒)……………………20g
次に、図9(a)に示すように、基板1の上に前記の化学増幅型レジスト材料を塗布して、0.35μmの厚さを持つレジスト膜2を形成する。
次に、図9(b)に示すように、例えばスピン塗布法により、レジスト膜2の上に以下の組成を有する、アルカリに可溶なバリア膜形成用材料から、厚さが50nmのバリア膜3を成膜する。
ポリビニールアルコール(ベースポリマー)……………………………………………1g
n−プロピルアルコール(溶媒)………………………………………………………25g
次に、図9(c)に示すように、成膜されたバリア膜3をホットプレートにより120℃の温度下で90秒間加熱する。
次に、図9(d)に示すように、バリア膜3の上に、液浸露光用の液体である水4を配して、NAが0.68であるArFエキシマレーザよりなりマスク6を透過した露光光5を水4及びバリア膜3を介してレジスト膜2に照射して、パターン露光を行なう。
次に、図10(a)に示すように、パターン露光が行なわれたレジスト膜2に対して、ホットプレートにより105℃の温度下で60秒間加熱した後、濃度が2.38wt%のテトラメチルアンモニウムハイドロキサイド現像液により現像を行なうと、図10(b)に示すように、レジスト膜2の未露光部よりなり0.09μmのライン幅を有するレジストパターン2aを得られる。
M. Switkes and M. Rothschild, "Immersion lithography at 157 nm", J. Vac. Sci. Technol., Vol.B19, p.2353 (2001) B. W. Smith, A. Bourov, Y. Fan, L. Zavyalova, N. Lafferty, F. Cropanese, "Approaching the numerical aperture of water - Immersion lithography at 193nm", Proc. SPIE, Vol.5377, p.273 (2004)
ところが、図10(b)に示すように、前記従来のパターン形成方法により得られるレジストパターン2aのパターン形状は不良であった。さらに、残渣2bも見られた。
本願発明者らは、液浸リソグラフィにより得られるレジストパターン2aの形状が不良となる原因を種々検討した結果、以下のような結論を得ている。すなわち、バリア膜3は液浸露光用の水4に対するバリア性が十分ではなく、化学増幅型レジストよりなるレジスト膜2の構成成分とバリア膜3の上に配される水4との干渉によって、レジストパターン2aに形状不良が生じることを突き止めた。レジスト成分と水との干渉には、レジストに含まれる酸発生剤及びクエンチャー等が水4に溶出したり、水4がバリア膜3を通ってレジスト膜2に浸透したりすることが挙げられる。この干渉によって、レジスト自体に所期の性能を得られなくなる。例えば、図10(b)に示す場合には、レジスト膜2における露光領域と未露光領域との界面において、酸発生剤の濃度が低下したと考えられ、得られるレジストパターン2aは、その上部が庇状(T−top状)となるような不良パターンとなる。逆に、上記界面において、露光により発生した酸を失活させるクエンチャーの濃度が低下した場合には、レジストパターン2aの上端部が丸まった不良形状となる。
いずれにしても、形状が不良なレジストパターン2aを用いて被処理膜に対してエッチングを行なうと、被処理膜から得られるパターンの形状も不良になってしまうため、半導体装置の製造プロセスにおける生産性及び歩留まりが低下してしまうという問題が発生する。
前記従来の問題に鑑み、本発明は、液浸リソグラフィに用いる液浸露光用の液体によるレジスト膜への影響を防止して、良好な形状を有する微細パターンを得られるようにすることを目的とする。
本願発明者らは、アルカリに可溶な第1のバリア膜の上に、アルカリに不溶な第2のバリア膜を積層することにより、第1のバリア膜の液浸露光用の液体に対するバリア性を向上することができるという知見を得ている。このように、アルカリに不溶な第2のバリア膜をアルカリに可溶な第1のバリア膜の上に設けると、アルカリに不溶な第2のバリア膜は水溶液に対しても溶解性が極めて低いため、液浸露光用の液体である水溶液とレジスト膜との間が十分に遮断される。すなわち、液浸露光用の液体がレジスト膜に染み込んだり、レジスト膜の構成成分が液浸露光用の液体中に溶出したりすることを第2のバリア膜により防ぐことができる。
その上、アルカリに不溶な第2のバリア膜とレジスト膜との間には、アルカリに可溶な第1のバリア膜を設けているため、第2のバリア膜はレジスト膜と直接に接することがない。アルカリに不溶な第2のバリア膜がレジスト膜と直接に接すると、露光によるパターン形成をスムーズに行なえない等の支障を来たすおそれがある。これは、アルカリに不溶な第2のバリア膜を構成するポリマーは、水酸基又はカルボン酸基等を有するレジスト膜を構成するポリマー骨格と相互作用を生じてミキシングするためである。これに対し、本発明のように、第2のバリア膜とレジスト膜との間に、アルカリに可溶な第1のバリア膜を介在させると、アルカリに可溶な第1のバリア膜を構成するポリマーには水酸基等が置換されているため、第1のバリア膜はその下のレジスト膜ともまたその上のアルカリに不溶な第2のバリア膜ともミキシングすることがない。すなわち、アルカリに可溶な第1のバリア膜によってレジスト膜の表面が保護される結果、第2のバリア膜によるレジスト膜の表面の荒れを防ぐことができる。また、第1のバリア膜はアルカリに可溶であるため、現像時にはレジスト膜上から該第1のバリア膜を容易に除去することができるので、パターン不良やそれに伴う被処理膜に生じる欠陥の発生を防止することができる。
このように、本願発明者らは、アルカリに可溶な第1のバリア膜の上にアルカリに不溶な第2のバリア膜を積層する2層からなるバリア構造が、液浸リソグラフィにおける液体のバリア膜として高いバリア性を有することを初めて見出した。すなわち、アルカリに可溶な第1のバリア膜によってバリア膜自体の除去容易性を維持しつつ、アルカリに不溶な第2のバリア膜によってレジスト膜の構成成分の液浸露光用の液体への溶出又は該液体のレジスト膜への浸透を十分に防ぐことができる。
本発明は、前記の知見に基づいてなされ、レジスト膜の上に形成するバリア膜にレジスト膜の所期の性能を維持できるようにするものであって、具体的には以下の構成によって実現される。
本発明に係る第1のパターン形成方法は、基板の上にレジスト膜を形成する工程と、レジスト膜の上にアルカリに可溶な第1のバリア膜を形成する工程と、第1のバリア膜の上に、アルカリに不溶な第2のバリア膜を形成する工程と、第2のバリア膜の上に液体を配した状態で、第2のバリア膜及び第1のバリア膜を介してレジスト膜に露光光を選択的に照射することによりパターン露光を行なう工程と、第2のバリア膜を除去する工程と、パターン露光が行なわれたレジスト膜に対して現像を行なって、第1のバリア膜を除去すると共にレジスト膜からレジストパターンを形成する工程とを備えていることを特徴とする。
本発明に係る第2のパターン形成方法は、基板の上にレジスト膜を形成する工程と、レジスト膜の上に、アルカリに可溶な第1のバリア膜を形成する工程と、第1のバリア膜の上に、アルカリに不溶な第2のバリア膜を形成する工程と、第2のバリア膜の上に液体を配した状態で、第2のバリア膜及び第1のバリア膜を介してレジスト膜に露光光を選択的に照射することによりパターン露光を行なう工程と、第2のバリア膜を除去する工程と、第1のバリア膜を除去する工程と、第1のバリア膜を除去した後、パターン露光が行なわれたレジスト膜に対して現像を行なうことにより、レジスト膜からレジストパターンを形成する工程とを備えていることを特徴とする。
本発明に係る第3のパターン形成方法は、基板の上にレジスト膜を形成する工程と、レジスト膜の上に、アルカリに可溶な第1のバリア膜を形成する工程と、第1のバリア膜の上に、アルカリに不溶な第2のバリア膜を形成する工程と、第2のバリア膜の上に液体を配した状態で、第2のバリア膜及び第1のバリア膜を介してレジスト膜に露光光を選択的に照射することによりパターン露光を行なう工程と、第1のバリア膜を除去することにより第2のバリア膜を除去する工程、パターン露光が行なわれたレジスト膜に対して現像を行なうことにより、レジスト膜からレジストパターンを形成する工程とを備えていることを特徴とする。
第1〜第3のパターン形成方法によると、レジスト膜の上にアルカリに可溶な第1のバリア膜を形成した後、第1のバリア膜の上にアルカリに不溶な第2のバリア膜を形成する。前述した知見により、アルカリに不溶な第2のバリア膜は水溶液に対しても溶解性が極めて低いため、液浸露光用の液体に水又は水溶液を用いた場合には、第1のバリア膜及び第2のバリア膜の水等に対するバリア性が向上する。このため、液浸露光用の液体によるレジスト膜への影響が防止されて、良好な形状を有する微細パターンを得ることができる。
なお、第1のパターン形成方法においては、第2のバリア膜のみをあらかじめ除去した後、第1のバリア膜を現像と同時に除去する。第2のパターン形成方法においては、第2のバリア膜を除去し、さらに第1のバリア膜を除去した後、パターン露光されたレジスト膜を現像している。また、第3のパターン形成方法においては、現像前にアルカリに可溶な第1のバリア膜を除去することにより、該第1のバリア膜上のアルカリに不溶な第2のバリア膜を第1のバリア膜のリフトオフと同様の作用により除去する。
このように、本発明に係るパターン形成方法において、第1のバリア膜は、現像時に除去しても又は現像前に除去しても良く、いずれにおいてもそれぞれに利点がある。まず、第1のパターン形成方法のように、第1のバリア膜をレジスト膜の現像時に除去すると、レジスト膜の溶解特性をコントロールして向上させることができるという利点がある。言い換えれば、現像時に第1のバリア膜をも同時に除去すると、レジスト膜の溶解特性をある程度は制御することが可能となる。
また、第2及び第3のパターン形成方法のように、現像前に第1のバリア膜を除去すると、その後の現像工程をスムーズに行なうことができる。
ここで、レジスト膜の溶解特性について図11を参照しながら説明する。一般に、溶解特性に優れるとされる場合は、露光量がある閾値(図11の閾値領域)を越えるとに、急激に溶解速度が向上するような場合である(図11の破線グラフA)。露光量に対する溶解速度が急激に変化すればする程、レジスト膜における露光部と未露光部との間で溶解性の差を出しやすくなるため、良好なパターン形成を行ないやすくなる。従って、現像時にバリア膜を除去する場合は、バリア膜を除去する必要がある分だけ、溶解速度が全体に低下するので、図11に示す円Cで囲んだ領域の溶解速度をより平坦なグラフにすることができる。その結果、実際のレジスト膜の溶解特性がグラフBで示すような場合において、露光量が少ない場合の溶解速度を、その少ない露光量にある程度のばらつきがあったとしても、遅い溶解速度で比較的に均等な状態となるように調整することができる。すなわち、レジスト膜の露光部と未露光部との間で溶解性の差が出やすくなるため、良好なパターン形状を得やすくなる。
第1のパターン形成方法において、バリア膜を除去する水溶液には、該バリア膜を溶解する水素イオン指数(pH)を持つ水溶液を用いればよい。例えば、現像液又は希釈現像液等を用いることができる。希釈現像液の希釈の程度は、通常の現像液である濃度2.38%のテトラメチルアンモニウムハイドロキサイド水溶液よりも濃度が低ければ良く、例えば0.001%以上で且つ2%以下であることが好ましい。但し、本発明はこの濃度範囲に限定されない。
第1〜第3のパターン形成方法は、第1のバリア膜を形成する工程と、第2のバリア膜を形成する工程との間に、成膜された第1のバリア膜に対して加熱処理を行なう工程をさらに備えていることが好ましい。
また、第1〜第3のパターン形成方法は、第2のバリア膜を形成する工程と、パターン露光を行なう工程との間に、成膜された第1のバリア膜及び第2のバリア膜に対して加熱処理を行なう工程をさらに備えていることが好ましい。
このように、第1のバリア膜又は第2のバリア膜に対して別々に又は同時に加熱処理を行なうと、第1のバリア膜又は第2のバリア膜の緻密性が増すため、露光時にその上に配される液体に対してより難溶性が増す。なお、各バリア膜の緻密性を過度に増大させることは、該バリア膜の除去容易性が低下するため、適当な温度範囲で加熱する必要がある。例えば、100℃以上且つ150℃以下が好ましい。但し、本発明はこの温度範囲には限られない。
第1〜第3のパターン形成方法において、第1のバリア膜にはアルコール溶媒を用いることができる。
この場合に、アルコール溶媒には、エタノール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール、t−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール又はn−ブチルアルコールを用いることができる。
第1〜第3のパターン形成方法において、第2のバリア膜はフッ素溶剤に可溶であることが好ましい。
この場合に、フッ素溶剤には、1,1,2,3,3,3-ヘキサフルオロ-1-ジエチルアミノプロパン又はトリエチルアミントリスハイドロフルオライドを用いることができる。
第1〜第3のパターン形成方法において、液体には水を用いることができる。
また、第1〜第3のパターン形成方法において、液体には酸性溶液を用いることができる。
この場合に、酸性溶液には硫酸セシウム(Cs2SO4)水溶液又はリン酸(H3PO4)水溶液を用いることができる。
第1〜第3のパターン形成方法において、露光光には、KrFエキシマレーザ光、Xe2 レーザ光、ArFエキシマレーザ光、F2 レーザ光、KrArレーザ光又はAr2 レーザ光を用いることができる。
本発明に係るパターン形成方法によると、レジスト膜と液浸露光用の液体との間に設けるバリア膜のバリア性が向上するため、良好な形状を有する微細パターンを得ることができる。
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係るパターン形成方法について図1(a)〜図1(d)、図2(a)〜図2(c)、図3(a)及び図3(b)を参照しながら説明する。
まず、以下の組成を有するポジ型の化学増幅型レジスト材料を準備する。
ポリ((ノルボルネン−5−メチレン-t-ブチルカルボキシレート)(50mol%)−(無水マレイン酸)(50mol%))(ベースポリマー)…………………………………………………2g
トリフェニルスルフォニウムトリフルオロメタンスルフォン酸(酸発生剤)…………………………………………………………………………………………………………0.04g
トリエタノールアミン(クエンチャー)………………………………………0.002g
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(溶媒)……………………20g
次に、図1(a)に示すように、基板101の上に前記の化学増幅型レジスト材料を塗布して、0.35μmの厚さを持つレジスト膜102を形成する。
次に、図1(b)に示すように、例えばスピン塗布法により、レジスト膜102の上に以下の組成を有する、アルカリに可溶な第1のバリア膜形成用材料から、厚さが50nmの第1のバリア膜103を成膜する。
ポリアクリル酸(ベースポリマー)………………………………………………………1g
n−ブチルアルコール(溶媒)…………………………………………………………25g
次に、図1(c)に示すように、成膜された第1のバリア膜103をホットプレートにより100℃の温度下で60秒間加熱して、第1のバリア膜103の緻密性を向上させる。
次に、図1(d)に示すように、例えばスピン塗布法により、第1のバリア膜103の上に以下の組成を有する、アルカリに不溶で且つフッ素溶剤に可溶な第2のバリア膜形成用材料から、厚さが60nmの第2のバリア膜104を成膜する。
ポリビニールヘキサフルオロイソプロピルアルコール(ベースポリマー)…………1g
n−パーフルオロヘキサン(溶媒)……………………………………………………20g
次に、図2(a)に示すように、成膜された第1のバリア膜103及び第2のバリア膜104をホットプレートにより110℃の温度下で60秒間加熱して、第1のバリア膜103及び第2のバリア膜104の緻密性を向上させる。
次に、図2(b)に示すように、第2のバリア膜104と投影レンズ107との間に、例えばパドル(液盛り)法により、水よりなる液浸露光用の液体105を配して、NAが0.68であるArFエキシマレーザ光であって、マスク(図示せず)を透過した露光光106を、液体105、第2のバリア膜104及び第1のバリア膜103を介してレジスト膜102に照射してパターン露光を行なう。
次に、図2(c)に示すように、パターン露光が行なわれたレジスト膜102に対して、ホットプレートにより105℃の温度下で60秒間加熱する(露光後ベーク)。
次に、図3(a)に示すように、例えば、フッ素溶剤である1,1,2,3,3,3-ヘキサフルオロ-1-ジエチルアミノプロパンにより、第2のバリア膜104を除去する。
次に、濃度が2.38wt%のテトラメチルアンモニウムハイドロキサイド現像液によりバリア膜103を除去すると共に、さらにベークされたレジスト膜102に対して現像を行なうと、図3(b)に示すように、レジスト膜102の未露光部よりなり、0.09μmのライン幅で良好な形状を有するレジストパターン102aを得ることができる。
このように、第1の実施形態によると、アルカリに可溶な第1のバリア膜103の上にアルカリに不溶な第2のバリア膜104を形成している。アルカリに不溶な第2のバリア膜104は水よりなる液体105に対しても溶解しにくいため、パターン露光時における第1のバリア膜103の液体105に対するバリア性が向上する。このため、液体105のレジスト膜102への浸透及びレジスト成分の液体105への溶出が防止されるので、レジスト膜102の所期の特性が維持されて、良好な形状を持つレジストパターン102aを形成することができる。
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態に係るパターン形成方法について図4(a)〜図4(d)、図5(a)〜図5(c)、図6(a)及び図6(b)を参照しながら説明する。
まず、以下の組成を有するポジ型の化学増幅型レジスト材料を準備する。
ポリ((ノルボルネン−5−メチレン-t-ブチルカルボキシレート)(50mol%)−(無水マレイン酸)(50mol%))(ベースポリマー)…………………………………………………2g
トリフェニルスルフォニウムトリフルオロメタンスルフォン酸(酸発生剤)…………………………………………………………………………………………………………0.04g
トリエタノールアミン(クエンチャー)………………………………………0.002g
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(溶媒)……………………20g
次に、図4(a)に示すように、基板201の上に前記の化学増幅型レジスト材料を塗布して、0.35μmの厚さを持つレジスト膜202を形成する。
次に、図4(b)に示すように、例えばスピン塗布法により、レジスト膜202の上に以下の組成を有する、アルカリに可溶な第1のバリア膜形成用材料から、厚さが70nmの第1のバリア膜203を成膜する。
ポリビニールピロリドン(ベースポリマー)……………………………………………1g
t−ブチルアルコール(溶媒)…………………………………………………………20g
次に、図4(c)に示すように、例えばスピン塗布法により、第1のバリア膜203の上に以下の組成を有する、アルカリに不溶で且つフッ素溶剤に可溶な第2のバリア膜形成用材料から、厚さが30nmの第2のバリア膜204を成膜する。
ポリビニールヘキサフルオロイソプロピルアルコール(ベースポリマー)…………1g
n−パーフルオロペンタン………………………………………………………………20g
次に、図4(d)に示すように、成膜された第1のバリア膜203及び第2のバリア膜204をホットプレートにより110℃の温度下で60秒間加熱して、第1のバリア膜203及び第2のバリア膜204の緻密性を向上させる。
次に、図5(a)に示すように、第2のバリア膜204と投影レンズ207との間に、例えばパドル(液盛り)法により水よりなる液浸露光用の液体205を配して、NAが0.68であるArFエキシマレーザ光であって、マスク(図示せず)を透過した露光光206を、液体205、第2のバリア膜204及び第1のバリア膜203を介してレジスト膜202に照射してパターン露光を行なう。
次に、図5(b)に示すように、パターン露光が行なわれたレジスト膜202に対して、ホットプレートにより105℃の温度下で60秒間加熱する(露光後ベーク)。
次に、図5(c)に示すように、例えば、フッ素溶剤であるトリエチルアミントリスハイドロフルオライドにより、第2のバリア膜204を除去する。
次に、図6(a)に示すように、例えば濃度が0.005wt%のテトラメチルアンモニウムハイドロキサイド水溶液(アルカリ性希釈現像液)により第1のバリア膜203を除去する。
次に、ベークされたレジスト膜202に対して、濃度が2.38wt%のテトラメチルアンモニウムハイドロキサイド現像液により現像を行なうと、図6(b)に示すように、レジスト膜202の未露光部よりなり、0.09μmのライン幅で良好な形状を有するレジストパターン202aを得ることができる。
このように、第2の実施形態によると、アルカリに可溶な第1のバリア膜203の上にアルカリに不溶な第2のバリア膜204を形成している。アルカリに不溶な第2のバリア膜204は水よりなる液体205に対しても溶解しにくいため、パターン露光時における第1のバリア膜203の液体205に対するバリア性が向上する。このため、液体205のレジスト膜202への浸透及びレジスト成分の液体205への溶出が防止されるので、レジスト膜202の所期の特性が維持されて、良好な形状を持つレジストパターン202aを形成することができる。
(第3の実施形態)
以下、本発明の第3の実施形態に係るパターン形成方法について図7(a)〜図7(d)及び図8(a)〜図8(d)を参照しながら説明する。
まず、以下の組成を有するポジ型の化学増幅型レジスト材料を準備する。
ポリ((ノルボルネン−5−メチレン-t-ブチルカルボキシレート)(50mol%)−(無水マレイン酸)(50mol%))(ベースポリマー)…………………………………………………2g
トリフェニルスルフォニウムトリフルオロメタンスルフォン酸(酸発生剤)…………………………………………………………………………………………………………0.04g
トリエタノールアミン(クエンチャー)………………………………………0.002g
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(溶媒)……………………20g
次に、図7(a)に示すように、基板301の上に前記の化学増幅型レジスト材料を塗布して、0.35μmの厚さを持つレジスト膜302を形成する。
次に、図7(b)に示すように、例えばスピン塗布法により、レジスト膜302の上に以下の組成を有する、アルカリに可溶な第1のバリア膜形成用材料から、厚さが50nmの第1のバリア膜303を成膜する。
ポリビニールピロリドン(ベースポリマー)……………………………………………1g
sec−ブチルアルコール(溶媒)……………………………………………………20g
次に、図7(c)に示すように、例えばスピン塗布法により、第2のバリア膜303の上に以下の組成を有する、アルカリに不溶な第2のバリア膜形成用材料から、厚さが60nmの第2のバリア膜304を成膜する。
ポリビニールヘキサフルオロイソプロピルアルコール(ベースポリマー)…………1g
sec−パーフルオロペンタン(溶媒)………………………………………………20g
次に、図7(d)に示すように、成膜された第1のバリア膜303及び第2のバリア膜304をホットプレートにより110℃の温度下で60秒間加熱して、第1のバリア膜303及び第2のバリア膜304の緻密性を向上させる。
次に、図8(a)に示すように、第2のバリア膜304と投影レンズ307との間に、例えばパドル(液盛り)法により、水よりなる液浸露光用の液体305を配して、NAが0.68であるArFエキシマレーザ光であって、マスク(図示せず)を透過した露光光306を、液体305、第2のバリア膜304及び第1のバリア膜303を介してレジスト膜302に照射してパターン露光を行なう。
次に、図8(b)に示すように、パターン露光が行なわれたレジスト膜302に対して、ホットプレートにより105℃の温度下で60秒間加熱する(露光後ベーク)。
次に、図8(c)に示すように、例えば濃度が0.005wt%のテトラメチルアンモニウムハイドロキサイド水溶液(アルカリ性希釈現像液)により、第2のバリア膜304及び第1のバリア膜303を除去する。
次に、ベークされたレジスト膜302に対して、濃度が2.38wt%のテトラメチルアンモニウムハイドロキサイド現像液により現像を行なうと、図8(d)に示すように、レジスト膜302の未露光部よりなり、0.09μmのライン幅で良好な形状を有するレジストパターン302aを得ることができる。
このように、第3の実施形態によると、アルカリに可溶な第1のバリア膜303の上にアルカリに不溶な第2のバリア膜304を形成している。アルカリに不溶な第2のバリア膜304は水よりなる液体305に対しても溶解しにくいため、パターン露光時における第1のバリア膜303の液体305に対するバリア性が向上する。このため、液体305のレジスト膜302への浸透及びレジスト成分の液体305への溶出が防止されるので、レジスト膜302の所期の特性が維持されて、良好な形状を持つレジストパターン302aを形成することができる。
その上、第3の実施形態においては、アルカリ性希釈現像液によって第1のバリア膜303を除去する際に、該第1のバリア膜303のリフトオフ作用と同様の作用によってアルカリに不溶な第2のバリア膜304をも容易に除去することができる。
なお、第1〜第3の各実施形態において、第1のバリア膜及び第2のバリア膜の膜厚は、各実施形態に示したように、30nm〜70nm程度が好ましい場合がある。但し、この範囲の膜厚には限られず、その下限値はレジスト膜中の成分が液体に溶出すること又は該液体がレジスト膜中に浸透することを防止できる程度の膜厚であり、また、その上限値は露光光の透過を妨げず且つ容易に除去できる程度の膜厚である。例えば、バリア膜の組成にもよるが、10nm以上且つ100nm程度以下である。
また、第1の実施形態においては、第1のバリア膜の形成後と第2のバリア膜の形成後とに、各バリア膜に対してそれぞれ加熱処理を行ない、第2及び第3の実施形態においては、第2のバリア膜の形成後に一度に加熱処理を行なったが、これらバリア膜に対する加熱処理は必ずしも行なう必要はなく、成膜するバリア膜の組成又はバリア膜の膜厚等により適宜行なえばよい。
また、各実施形態において、液浸リソグラフィ用の液体に水を用いたが、該液体の屈折率を高めるために、硫酸セシウム(Cs2SO4)又はリン酸(H3PO4)の水溶液を用いてもよい。さらには、液体に界面活性剤を添加してもよい。
また、各実施形態において、露光光にArFエキシマレーザ光を用いたが、これに限られず、露光光として、KrFエキシマレーザ光、Xe2 レーザ光、F2 レーザ光、KrArレーザ光又はAr2 レーザ光を用いることができる。
また、各実施形態においては、第2のバリア膜の上に液体を配する方法にパドル法を用いたが、これには限られず、例えば基板ごと液体に漬けるディップ法等を用いてもよい。
また、各実施形態においては、レジスト膜にポジ型の化学増幅型レジストを用いたが、ネガ型の化学増幅型レジストに対しても本発明は適用可能である。また、化学増幅型レジストに限られず、通常のレジストに対しても適用可能である。
本発明に係るパターン形成方法は、レジスト膜と液浸露光用の液体との間に設けるバリア膜のバリア性が向上して、良好な形状を有する微細パターンを得ることができ、半導体装置の製造プロセス等において用いられるパターン形成方法等に有用である。
(a)〜(d)は本発明の第1の実施形態に係るパターン形成方法の各工程を示す断面図である。 (a)〜(c)は本発明の第1の実施形態に係るパターン形成方法の各工程を示す断面図である。 (a)及び(b)は本発明の第1の実施形態に係るパターン形成方法の各工程を示す断面図である。 (a)〜(d)は本発明の第2の実施形態に係るパターン形成方法の各工程を示す断面図である。 (a)〜(c)は本発明の第2の実施形態に係るパターン形成方法の各工程を示す断面図である。 (a)及び(b)は本発明の第2の実施形態に係るパターン形成方法の各工程を示す断面図である。 (a)〜(d)は本発明の第3の実施形態に係るパターン形成方法の各工程を示す断面図である。 (a)〜(d)は本発明の第3の実施形態に係るパターン形成方法の各工程を示す断面図である。 (a)〜(d)は従来のパターン形成方法の各工程を示す断面図である。 (a)及び(b)は従来のパターン形成方法の各工程を示す断面図である。 本発明のパターン形成方法を用いたレジストの溶解性の制御を説明するグラフである。
符号の説明
101 基板
102 レジスト膜
102a レジストパターン
103 第1のバリア膜
104 第2のバリア膜
105 液体
106 露光光
107 投影レンズ
201 基板
202 レジスト膜
202a レジストパターン
203 第1のバリア膜
204 第2のバリア膜
205 液体
206 露光光
207 投影レンズ
301 基板
302 レジスト膜
302a レジストパターン
303 第1のバリア膜
304 第2のバリア膜
305 液体
306 露光光
307 投影レンズ

Claims (13)

  1. 基板の上にレジスト膜を形成する工程と、
    前記レジスト膜の上に、アルカリに可溶な第1のバリア膜を形成する工程と、
    前記第1のバリア膜の上に、アルカリに不溶な第2のバリア膜を形成する工程と、
    前記第2のバリア膜の上に液体を配した状態で、前記第2のバリア膜及び第1のバリア膜を介して前記レジスト膜に露光光を選択的に照射することによりパターン露光を行なう工程と、
    前記第2のバリア膜を除去する工程と、
    パターン露光が行なわれた前記レジスト膜に対して現像を行なって、前記第1のバリア膜を除去すると共に前記レジスト膜からレジストパターンを形成する工程とを備えていることを特徴とするパターン形成方法。
  2. 基板の上にレジスト膜を形成する工程と、
    前記レジスト膜の上に、アルカリに可溶な第1のバリア膜を形成する工程と、
    前記第1のバリア膜の上に、アルカリに不溶な第2のバリア膜を形成する工程と、
    前記第2のバリア膜の上に液体を配した状態で、前記第2のバリア膜及び第1のバリア膜を介して前記レジスト膜に露光光を選択的に照射することによりパターン露光を行なう工程と、
    前記第2のバリア膜を除去する工程と、
    前記第1のバリア膜を除去する工程と、
    前記第1のバリア膜を除去した後、パターン露光が行なわれた前記レジスト膜に対して現像を行なうことにより、前記レジスト膜からレジストパターンを形成する工程とを備えていることを特徴とするパターン形成方法。
  3. 基板の上にレジスト膜を形成する工程と、
    前記レジスト膜の上に、アルカリに可溶な第1のバリア膜を形成する工程と、
    前記第1のバリア膜の上に、アルカリに不溶な第2のバリア膜を形成する工程と、
    前記第2のバリア膜の上に液体を配した状態で、前記第2のバリア膜及び第1のバリア膜を介して前記レジスト膜に露光光を選択的に照射することによりパターン露光を行なう工程と、
    パ前記第1のバリア膜を除去することにより前記第2のバリア膜を除去する工程と、
    パターン露光が行なわれた前記レジスト膜に対して現像を行なうことにより、前記レジスト膜からレジストパターンを形成する工程とを備えていることを特徴とするパターン形成方法。
  4. 前記第1のバリア膜を形成する工程と、前記第2のバリア膜を形成する工程との間に、成膜された前記第1のバリア膜に対して加熱処理を行なう工程をさらに備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
  5. 前記第2のバリア膜を形成する工程と、前記パターン露光を行なう工程との間に、成膜された前記第1のバリア膜及び第2のバリア膜に対して加熱処理を行なう工程をさらに備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
  6. 前記第1のバリア膜は、アルコール溶媒であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
  7. 前記アルコール溶媒は、エタノール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール、t−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール又はn−ブチルアルコールであることを特徴とする請求項6に記載のパターン形成方法。
  8. 前記第2のバリア膜は、フッ素溶剤に可溶であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
  9. 前記フッ素溶剤は、1,1,2,3,3,3-ヘキサフルオロ-1-ジエチルアミノプロパン又はトリエチルアミントリスハイドロフルオライドであることを特徴とする請求項8に記載のパターン形成方法。
  10. 前記液体は水であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
  11. 前記液体は酸性溶液であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
  12. 前記酸性溶液は、硫酸セシウム水溶液又はリン酸水溶液であることを特徴とする請求項11に記載のパターン形成方法。
  13. 前記露光光は、KrFエキシマレーザ光、Xe2 レーザ光、ArFエキシマレーザ光、F2 レーザ光、KrArレーザ光又はAr2 レーザ光であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
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