JP2006337319A - 船体寸法方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本発明は、建造船の基準点、測定点に反射板を設置する第1のステップと、前記基準点、測定点に設置された反射板と三次元測定器とにより前記基準点、測定点の三次元座標を計測してコントロールターミナルに記憶格納させる第2のステップ(S201)と、前記コントロールターミナルに格納した計測データと、建造船の設計データをコンピュータに取り込み、コンピュータで建造船の設計寸法と計測寸法とを比較可能に表示する第3のステップ(S202)とを備えたことを特徴とする。
【選択図】 図5
Description
ここで、船底見透しとは、キールサイトともいい、キールの上下の凹凸を調べることをいう。キールの中心線の凹凸の平均をとってベースラインを設定するために、見透しを行っている。
船底見透し検査方法には、光源法とレーザー光法とがあるが、ここでは正確に測定が可能な光源法について説明する。
まず、この光源法による船底見透し検査方法に用いられる光源装置7および測定用治具9について図12および図13を参照しながら説明する。
光源装置7は、図12に示すように、遮蔽箱71の内部に光源72を収容し、遮蔽箱71の例えば3[mmφ]程度のピンホール73を穿設した構造のものである。
まず、基準点“1"と基準点“9"を置く。基準点“1"は、船尾水槽(APT)の前壁のキール下面である。基準点“9"は、船首水槽(FTP)の後壁のキール下面である。
船体11の船尾側の下部の所定の高さに光源装置7を配置し、かつ、船体11の船底における基準点“1"と基準点“9"とに計測用治具9,9を固定し、調整ナット93を回して所定の高さに調整する。光源装置7の高さを調整し、基準点“9"の計測用治具9、基準点“1"の計測用治具9を介して光源装置7からの火心Lが透ることを目視確認する。
なお、測定用治具9を船底に取り付ける際に、船底が傾いているときには、傾斜調整板96により傾斜がなくなるようにする。
そして、最後に、図14に示すように、水盛15を使用し、各基準点“1"から基準点“9"において、水盛15の一端側の液面を測定用治具9のスリット91の位置に合わせ、水盛15の他端側の液面とキールまでの距離を測定して船底のデフレクション(Deflection=偏差)を求めていた。
そこで、三次元測定装置を使用して三次元座標を測定する方法を使用することが考えられる(特許文献1参照)。
この三次元座標を測定する方法によれば、反射手段を有するスタッフが置かれた測定点の三次元座標を得ることができる。
本発明は、上述した従来の不都合を解消し、簡単にかつ短時間で船舶の船底のデフレクションや船体のその他の寸法を測定できる船体寸法計測方法を提供することを目的とする。
本願請求項2記載の発明では、請求項1記載の船体寸法計測方法において、前記第1のステップは、スイッチでオンオフ制御可能な磁石を備えた筐体に回動可能に固定されたメジャーに対して移動可能に固定された反射板を用いることを特徴とする。
上記目的を達成するために、請求項3記載の船体寸法計測方法は、筐体と、前記筐体の一面に吸着面が露出していて、スイッチでオンオフ制御可能な磁石と、前記筐体の他の面に回動可能に固定されたメジャーと、このメジャーに対して移動可能に固定された反射板とを具備する測定用治具を建造船の基準点、測定点に設置する第1のステップと、前記基準点、測定点に設置された測定用治具の反射板と三次元測定器とにより前記基準点、測定点の三次元座標を計測してコントロールターミナルに記憶格納させる第2のステップと、前記コントロールターミナルに格納した計測データと、建造船の設計データをコンピュータに取り込み、コンピュータで建造船の設計寸法と計測寸法とを比較可能に表示する第3のステップとを備えたことを特徴とする。
この図1において、船体寸法計測システム30は、三次元測定器31と、コントロールターミナル32と、パーソナルコンピュータ33と、プリンター34と、測定用治具35とから構成されている。コントロールターミナル32はパーソナルコンピュータ33に着脱可能になっていて、建造船の基準点や所定の測定点等を測定する際には、三次元測定器31とコントロールターミナル32とを現場に持ち込むことができるようになっている。
この三次元測定器31は、例えば株式会社ソキア製の「三次元測定システム(MONMOS)」を使用すればよい。この三次元測定システム(MONMOS)は、三次元座標を0.1[mm]の精度で水平角、鉛直角、距離の3要素を同時に計測できる装置である。
プリンター34は、パーソナルコンピュータ33からの作図データを基に紙面上に設計値と測定値とが比較可能に表示可能に作図できるようになっている。
また、上記スイッチ35bは、通常は切り状態で、操作部を押圧したときだけ接続される形式のものが望ましい。
図3および図4は、本発明の第1の実施形態に係る船体寸法計測方法を説明するため図である。ここに、図3(a)は本発明の第1の実施形態に係る船体寸法計測方法を説明するため側面図であり、図3(b)は本発明の第1の実施形態に係る船体寸法計測方法を説明するため上面から見た配置図である。図4は、本発明の第1の実施形態に係る船体寸法計測方法において測定用治具を設置する状態を説明するための図である。
これらの図において、従来の同一部材には同一符号を付して説明する。
本発明の第1の実施形態に係る船体寸法計測方法は、次のような工程で実施される。
まず第1の工程としては、ミッドシップ(基準点“4")に、三次元測定器31を設置する。前記三次元測定器31は、実際には、スタンド37の上に設置されて所定の高さに調整される。
ついで、図4に示すように、キールの中心線から図示下側に所定の長さS位置を測定し、水盛15を使用して測定用治具35の反射板35fの位置をメジャー35e上で調整する。
第4の工程としては、第2、第3の工程と同様にして、基準点“9"に設置した測定用治具35の反射板35fを三次元測定器31で測定し、その測定値をコントロールターミナル32に記憶させる。
ここに、図5(a)は本発明の第1の実施形態に係る船体寸法計測方法で得られたデータを処理する動作を説明するためのフローチャートである。図5(b)は、本発明の第1の実施形態に係る船体寸法計測方法を説明するためのフローチャートである。
まず、コントロールターミナル32をパーソナルコンピュータ33に接続する(図5(a)のS101)。
なお、パーソナルコンピュータ33は、CADによる建造船5の設計データを、あらかじめ取り込みハードディスク装置の所定のエリアに格納しておいてあるものとする。
さらに、前記パーソナルコンピュータ33で作図用アプリケーションプログラムを実行し、作図用アプリケーションプログラム内の船底見透し判定処理プログラムを実行することにより、建造船5の船底のデフレクション判定処理を実行する(図5(a)のS104)。この際に、設計データと計測データとが比較可能に表示されるようにプリンター34にプリントアウトさせることができる。これにより、船5の船底の状態が目視確認できる。
このように本発明の第1の実施形態に係る船体寸法計測方法によれば、短時間に正確に建造船5の船底のデフレクションを判定することができる。
図6は本発明の第2の実施形態に係る船体寸法計測方法を説明するための図である。
この図6において、建造船5の船底のキール中心に基準点“1"を置き、ここに例えば測定用治具35を設置する。もちろん、反射板のみをおいてもよい。
また、建造船5の一方の側面よりメジャー41aを垂下させて所定の長さの測定点“2"に反射板40aを配置する。同様に、建造船5の他方の側面よりメジャー41bを垂下させて所定の長さの測定点“3"に反射板40bを配置する。
また、建造船5の甲板の上端部UPa位置であって一方側面側から図示水平方向に棒42aを設置し、その棒42aの内法より一定の距離(例えば100[mm])の点でロープ43aを垂らし、そのロープ43aの末端に錘重44aを設け、この錘重44aを液体を入れた槽45a内に位置させる。また、前記ロープ43aの所定点“4"に反射板46aを配置する。
そして、点“2"と点“3"とにそれぞれ設けた反射板40a,40bの三次元座標を三次元測定器31で測定し、これをコントロールターミナル32に記憶させる。また、基準点“1"の測定用治具35の反射板35fと、測定点“4"に設けた反射板46aおよび測定点“5"に設けた反射板46bとの三次元座標を三次元測定器31で測定し、コントロールターミナル32に記憶させる。
図7は本発明の第3の実施形態に係る船体寸法計測方法を説明するための図であって、船体の全長および垂線間長さを測定するための説明図である。ドック1には、基準点が所定の間隔(例えば10[m]間隔)で碁盤目状に設けられている。
そこで、AP(After Perpendicular=後垂直)を計測する。まず、ドック1の基準点“1"に反射板47を設置して、三次元測定器31にて三次元計測して基準点“1"の三次元座標をコントロールターミナル32に格納しておく。
さらに、AP(基準点“3")に反射板47を設置し、三次元測定器31でAP(基準点“3")の三次元座標を計測し、その計測結果をコントロールターミナル32に格納する。
また、基準点“4"に反射板47を設置し、三次元測定器31で基準点“4"の三次元座標を計測し、その計測結果をコントロールターミナル32に格納する。
これにより、基準点“1"とAPなどとの偏差を求めることができるようになる。
まず、ドック1の碁盤目状に設けられた基準点“5"に反射板47を設置し、この基準点“5"の三次元座標を計測し、これをコントロールターミナル32に格納する。この基準点“5"を基点とする。
次に、ドック1の碁盤目状に設けられた基準点“6"に反射板47を設置し、三次元測定器31で基準点“6"の三次元座標を計測し、その計測結果をコントロールターミナル32に格納する。
また、建造船5の船体11の先端のFP“7"に反射板47を設置し、三次元測定器31でFP“7"の三次元座標を計測し、コントロールターミナル32に格納しておく。
これにより基準点5と他の点“7"や点“8"の偏差が求められることになる。
また、基準点“1"と基準点“5"との間隔は、あらかじめわかっているので、当然、APとFPとの垂直線間長が求められることになる。もちろん、点“4"と点“8の長さも求めることができる。
以上の計測によりコントロールターミナル32に蓄積された計測データは、コントロールターミナル32をパーソナルコンピュータ33に接続し、パーソナルコンピュータ33で作図プログラムを実行することにより、コントロールターミナル32からパーソナルコンピュータ33に転送させる。
パーソナルコンピュータ33に作図プログラムを実行させて作図処理を行わせ、ハードディスク装置に格納されている計測データおよびCADにて設計した図面データを処理し、その作図処理結果をプリンター34に出力させると、図8に示すような図面500がプリンター34より出力する。
このように本発明の第1ないし第3の実施形態に係る船体寸法計測方法を実行すると、簡単かつ正確に船体寸法を得ることができる。
3 盤木
5 船
30 船体寸法計測システム
32 コントロールターミナル
35 測定用治具
35a 筐体
35b スイッチ
35c 磁石
35e メジャー
35f 反射板
Claims (3)
- 建造船の基準点、測定点に反射板を設置する第1のステップと、
前記基準点、測定点に設置された反射板と三次元測定器とにより前記基準点、測定点の三次元座標を計測してコントロールターミナルに記憶格納させる第2のステップと、
前記コントロールターミナルに格納した計測データと、建造船の設計データをコンピュータに取り込み、コンピュータで建造船の設計寸法と計測寸法とを比較可能に表示する第3のステップとを備えたことを特徴とする船体寸法計測方法。 - 前記第1のステップは、スイッチでオンオフ制御可能な磁石を備えた筐体に回動可能に固定されたメジャーに対して移動可能に固定された反射板を用いることを特徴とする請求項1記載の船体寸法計測方法。
- 筐体と、前記筐体の一面に吸着面が露出していて、スイッチでオンオフ制御可能な磁石と、前記筐体の他の面に回動可能に固定されたメジャーと、このメジャーに対して移動可能に固定された反射板とを具備する測定用治具を建造船の基準点、測定点に設置する第1のステップと、
前記基準点、測定点に設置された測定用治具の反射板と三次元測定器とにより前記基準点、測定点の三次元座標を計測してコントロールターミナルに記憶格納させる第2のステップと、
前記コントロールターミナルに格納した計測データと、建造船の設計データをコンピュータに取り込み、コンピュータで建造船の設計寸法と計測寸法とを比較可能に表示する第3のステップとを備えたことを特徴とする船体寸法計測方法。
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