JP2006337131A - コリオリ質量流量計 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】コリオリ質量流量計を構成ししているチューブ1の中心部に配置される励振手段6のコイル部材6aと非振動領域である非振動体10との間に懸垂状にフレキシブルプリント基板13が配置され、チューブ1の振動検出手段4、5のコイル部材4a、5aとフレキシブルプリント基板13とがチューブ1に沿って配置された信号伝送路20、21により接続されている。
【選択図】図1
Description
このような問題を解消するため、本出願人は、先に特願2005-116429号として、内部に流体が流れる振動可能なチューブを分岐手段を介して少なくとも一部に平行な領域を有するように2本、もしくは前記チューブを少なくとも一部に平行な領域を有し、かつ前記平行な領域が相互に接離する方向に振動可能に基台に設けるとともに、前記チューブの前記平行な領域の相対向する位置の少なくとも1箇所にコイル部材とマグネット部材とからなり、前記チューブを接離する方向に振動させる励振手段を設け、また前記チューブの前記平行な領域の相対向する位置の少なくとも2箇所にコイル部材とマグネット部材とからなり、前記チューブの振動による相対距離、または相対速度の変化を検出する振動検出手段を設け、前記振動検出手段からの信号に基づいて前記流体の流量または密度を測定するコリオリ質量流量計において、前記コイル部材に接続されている信号伝送路と同一形態となるように前記マグネット部材にダミー信号伝送路が設けることを提案した。
これによれば、2本のチューブの振動形態に大きな変化をきたすことなく振動の対称性を保持できるため、安定な測定が可能となる反面、ダミー信号伝送路を必要として構造が若干複雑になるという不都合がある。
また、1本のチューブにコイル部材だけ、またはマグネット部材だけを纏めて配置するため、組み立て作業の簡素化が可能となる。
また、信号伝送に関与しないダミー信号伝送路を使用しているため、コイル部材の配置場所や配線方法にかかわりなく、より高い対称性を簡単に実現することができる。
対称性が増すことで、チューブをより安定に振動させることができ、温度変化や外部からの振動に対しても質量流量を安定に測定することができる。
また、懸垂状態で配置される信号伝送路は、それ自体が固有の共振周波数をもち、チューブの振動に対して抵抗分として作用するため、チューブの振動に悪影響を与えるが、ダミー信号伝送路が対称に配置されているため、信号伝送路の振動がダミー信号伝送路の振動により相殺できる。
以上のことから、コリオリ質量流量計の高安定化、高精度化を実現することができる。
図1は、本発明の一実施例を示すものであって、少なくとも一部に平行な領域を有し、かつ平行な領域が相互に接離する方向に振動可能な形態、この実施例ではアーチ状に2本のチューブ1、2を平行、かつ相対向して相互に接離する方向に振動可能にその両端を基台3に固定されている。
このような固定形態を採用することにより、チューブ1、2自体の振動特性を可能な限り維持でき、測定精度の低下を防止することができる。
また、これらチューブ1、2の近傍には中継用の非振動体10が配置されている。
フレキシブルプリント基板13は、非振動体10と励振器6を構成するコイル部材6aとを接続できる長さを有するが、本発明においてはさらにフレキシブルプリント基板13は、励振器6によるチューブ1、2の振動周波数とフレキシブルプリント基板6自体の固有振動数とが高調波関係とならないようにその長さ、幅、材質が選択されている。
これにより、フレキシブルプリント基板13の振動によるチューブ1、2の振動への影響を最小限とすることでき、フレキシブルプリント基板13の振動がチューブ1、2のコリオリの振動に影響するのを抑えて測定精度を向上することができる。
このように懸垂状態の信号伝送路が複数存在することによる問題の他に、特に上流側と下流側の振動検出器付近に懸垂状態の信号伝送路が存在するさらに次のような問題を生じる。
すなわち、一般的なコリオリ質量流量計では、質量流量に比例するコリオリ力による振動は、チューブの両固定端と、チューブの中心点を振動の節とする捩れの振動であり、そのコリオリ振動成分の大きさを検出して、質量流量を求めている。振動を高い精度で検出するため、上下流の2つの振動検出器は、コリオリ振動が大きい腹の領域に設置されるため、腹の領域に懸垂状態の信号伝送路が存在すると、コリオリ振動成分自体が信号伝送路により乱され、また振動検出性能にも悪影響が及ぶため、安定した流量測定ができなくなる。
これに対して本発明によれば、チューブ1の中心部のコリオリ振動の節にのみ、3つのコイル部材4a〜6aと外部との接続を実現する懸垂状態の信号伝送路が存在するため、コリオリの振動による信号伝送路の変位量が可及的に小さく、また伝送路が中心部の1箇所に集約されているため、配線構造の簡素化が可能となる。
図3は、本発明の第2の実施例を示すものであって、励振器6を構成するマグネット部材6bと非振動体10との間に、励振器6のコイル部材6aに接続されているのと略同一仕様のフレキシブルプリント基板13’をダミーとして、同一の形態、つまり対称となるように配置したものである。
また対称性が増すことで、チューブ1、2をより安定に振動させることができ、温度変化や外部からの振動に対しても質量流量を安定に測定することができる。
また、懸垂状態で配置される信号伝送路は、それ自体が固有の共振周波数をもち、チューブ1、2の振動に対して抵抗分として作用してチューブの振動に影響を与えるものの、信号伝送路であるフレキシブルプリント基板13とダミー信号伝送路であるフレキシブルプリント基板13’とが対称性を有するため、それぞれが相殺しあうことになり、コリオリ質量流量計の高安定化、高精度化を実現することができる。
図4は、本発明の第1、第2の実施例のコリオリ質量流量計と、従来のもの、つまりチューブに配置された励振器、2つの振動検出器を構成する各コイル部材と非振動体との間を懸垂状態の配線で接続したコリオリ質量流量計とを、約0℃から約40℃まで温度変化させた場合の零点の偏移量を示すものであって、第1の実施例では最大で0.090%(図4の符号A)、また第2の実施例では最大で0.061%(図4の符号B)であるのに対して、従来のコリオリ質量流量計では最大0.489%(図4の符号C)であった。
このことから、本発明の装置は、温度安定性が大幅に向上していることが確認できる。
本発明の第1の実施例と、先に出願したマグネット部材にもコイル部材の信号伝送路と同様のダミーの伝送路を設けた場合、つまり第2の実施例においてマグネット部材にダミーの伝送路をと設けて、2本のチューブの伝送路の対称性を確保したものとの温度安定性について調査したところ、図5に示したように本発明の第2の実施例では、温度変化時のゼロ点シフト量はΔ0.027%(図5の符号A)であり、また2本のチューブの伝送路の対称性を確保したものではΔ0.038%(図5の符号B)となり、両者ともシフト量は非常に小さく、温度に対する安定性は良好であった。
ところで、コリオリ流量計自体の総合の精度が±1%程度であるから、両者の差は、実用上無視できる程度であり、さらに性能差は圧力影響など、他要因に左右される面が大きい。
したがって、第1の実施例のようにマグネット部材が設けられているチューブへのダミーの信号伝送路の配置を省略しても十分な性能を維持しつつ、部品点数削減、製造工数、調整時間短縮、コスト低減の効果を上げることができ、製品としてのメリットは大きい。
3 基台
4、5 振動検出器
4a、5a コイル部材
4b、5b マグネット部材
6 励振器
6a コイル部材
6b マグネット部材
10 中継用の非振動体
11、12 信号伝送路を構成するリード線構成材
13 フレキシブルプリント基板
13' ダミー信号伝送路を構成するフレキシブルプリント基板
Claims (3)
- 内部に流体が流れる振動可能なチューブを分岐手段を介して少なくとも一部に平行な領域を有するように2本、もしくは前記チューブを少なくとも一部に平行な領域を有し、かつ前記平行な領域が相互に接離する方向に振動可能に基台に設けるとともに、前記チューブの前記平行な領域の相対向する位置の少なくとも1箇所にコイル部材とマグネット部材とからなり、前記チューブを接離する方向に振動させる励振手段を設け、また前記チューブの前記平行な領域の相対向する位置の少なくとも2箇所にコイル部材とマグネット部材とからなり、前記チューブの振動による相対距離、または相対速度の変化を検出する振動検出手段を設け、前記振動検出手段からの信号に基づいて前記流体の流量または密度を測定するコリオリ質量流量計において、
前記振動検出手段及び励振手段を構成するコイル部材が2本の前記チューブの一方に、また前記振動検出手段及び励振手段を構成するマグネット部材が2本の前記チューブの他方に配置されて、
前記励振手段のコイル部材と非振動領域との間に懸垂状にフレキシブルプリント基板が配置され、前記振動検出手段のコイル部材と前記フレキシブルプリント基板とが前記チューブに沿って配置された信号伝送路により接続されているコリオリ質量流量計。 - 内部に流体が流れる振動可能なチューブを分岐手段を介して少なくとも一部に平行な領域を有するように2本、もしくは前記チューブを少なくとも一部に平行な領域を有し、かつ前記平行な領域が相互に接離する方向に振動可能に基台に設けるとともに、前記チューブの前記平行な領域の相対向する位置の少なくとも1箇所にコイル部材とマグネット部材とからなり、前記チューブを接離する方向に振動させる励振手段を設け、また前記チューブの前記平行な領域の相対向する位置の少なくとも2箇所にコイル部材とマグネット部材とからなり、前記チューブの振動による相対距離、または相対速度の変化を検出する振動検出手段を設け、前記振動検出手段からの信号に基づいて前記流体の流量または密度を測定するコリオリ質量流量計において、
前記振動検出手段及び励振手段を構成するコイル部材が2本の前記チューブの一方に、また前記振動検出手段及び励振手段を構成するマグネット部材が2本の前記チューブの他方に配置されて、
フレキシブルプリント基板が前記励振手段のコイル部材と非振動領域との間に懸垂状に配置され、前記フレキシブルプリント基板の固有振動数と前記チューブの振動数とが相違し、かつ前記フレキシブルプリント基板の固有振動数が、前記チューブの振動に対して非高調波の関係にあり、さらに前記チューブの振動数が前記フレキシブルプリント基板の振動数に対して非高調波の関係にあり、
前記振動検出手段のコイル部材と前記フレキシブルプリント基板とが前記チューブに沿って配置された信号伝送路により接続されているコリオリ質量流量計。 - 前記励振手段のマグネット部材と前記非振動領域との間に、前記信号伝送路を形成するフレキシブルプリント基板と同一仕様のフレキシブルプリント基板が、前記信号伝送路のフレキシブルプリント基板と対称となるようにダミーの信号伝送路として配置されている請求項1、または請求項2に記載のコリオリ質量流量計。
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