JP2006335067A - 本の中身の背に付加部材を取り付ける装置 - Google Patents

Abstract

【課題】付加部材を本の中身の背に取り付ける装置を、簡単な構造で、高い信頼性で、間違いなく付加部材を載せるのを保証し、高い処理速度を可能にするように改良する。
【解決手段】搬送装置１３は、本の中身１１の背１１ａから間隔をおいた供給位置１０に供給された背貼り紙２を吸着し、本の中身１１の、予め接着剤が付与された背１１ａ上に載せる吸着台１４ａ，１４ｂを有している。吸着台１４ａ，１４ｂは、共通の揺動軸線１６を中心として揺動して往復運動し、それらの揺動半径は両者がすれ違う時には拡大または縮小されている。
【選択図】図３

Description

本発明は、請求項１の前提項に記載されている、寒冷紗、背貼り紙（HinterKlebepapier）、クーター（Hulse）などのような付加部材を本の中身（Buchblock）の背に取り付ける装置に関する。

無線とじされ、スレッドシーリング処理され(fandengesiegelter)、または糸とじされた、本の中身の形状を安定させるために、寒冷紗片、背貼り紙、および／またはクーターが製本ラインにおいて本の中身の背に貼りつけられる。特許文献１から、間欠的に前に搬送される本の中身が、最初に、背に糊をつけられ、その次の位置で、隙間の広い寒冷紗と背貼り紙材料をあてがわれる製本装置が知られている。寒冷紗と背貼り紙は、ウェブ幅が本の中身の高さに合うように裁断された材料ウェブから、必要な長さに切り取られる。背貼り紙材料ウェブの両方の縁部には、さらに、ヘッドバンドがそれぞれ貼りつけられており、これらのヘッドバンドのキャタピラ状の隆起部が、後で本の中身の天と地の切断面に当接する。寒冷紗および背貼り紙は、本の中身の同一の位置で、本の中身の背に順次載せられ、その際、本の中身の背に対して間隔をおいて供給された背貼り紙が、揺動して往復する吸着台によって搬送される。

サイクル能率の高い製本ラインにおいて、付加部材は別個のステーションにおいて載せられ、本の中身の背の各取り付け工程では、あらかじめ、全面に接着剤が付与される。寒冷紗ステーションと背貼り紙ステーションはその構造が似ており、材料ウェブの巻きをほどいて裁断する装置をそれぞれ備えており、切断された材料片は、本の中身の背に対して間隔をおいた位置に供給され、その位置から、寒冷紗の場合には揺動可能なくわえづめによって、背貼り紙の場合には吸着台によって引き取られ、本の中身の背に載せられる。この際、揺動軸と平行にスライド可能に案内された吸着台のフィンガが天または地に当接することによって、ヘッドバンドを備える背貼り紙は、本の中身に対して揃えられる。クーターステーションでは、管状に形成されたクーターがマガジンにストックされており、そこからその都度一番下にあるクーターが前述の供給位置に送られる。その後、搬送が、背貼り紙ステーションの場合と同様に、揺動して往復する吸着台によって行われる。
独国特許出願公開第２２２０５６７号明細書

供給された付加部材を、往復運動する保持部材によって背に載せるのは、他の機能ステップに比べて時間がかかる工程であり、付加部材を高い信頼性で、間違いなく載せることを考慮すると、取り付けステーションのサイクル能率を決定的に制限するものとなる。

本発明の目的は、請求項１の前提項に記載されている、寒冷紗、背貼り紙、クーターなどのような付加部材を本の中身の背に取り付ける装置を、簡単な構造で、高い信頼性で、間違いなく付加部材を載せるのを保証し、高い処理速度を可能にするように改良することにある。

この目的は、搬送装置が、周期に関して互いに位相をずらして駆動されて往復運動する少なくとも２つの保持部材を有しており、これらの保持部材は、供給位置と本の中身の背の間で、互いにずれた互いに異なる軌道に沿って運動することによって、驚くほど簡単なやり方で達成され、それによって、保持部材の、供給位置と本の中身の背との両方の終端位置がそれぞれ同一でありながら、保持部材は衝突することなく運動することができる。本発明の搬送装置によって、明らかに効率を向上させることができ、しかも、付加部材のためにただ１つの供給装置しか必要ない。保持部材の循環運動は行われず、その結果、空気圧式および電気式の供給ラインおよび制御ラインと簡単に接続することができる。

本発明の有利な実施態様によって、各保持部材が共通の揺動軸を中心として揺動して往復運動し、この際、少なくとも１つの保持部材の揺動半径が両方の保持部材がすれ違う時には拡大または縮小されていることが意図される。本発明による装置の、他の有利な実施態様が他の従属請求項に記載されている。

次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。

図１と図２に示す搬送装置１３は、台９上の供給位置１０に供給された背貼り紙２を、丸み出しされバッキングされ挟み込み手段１２によって保持された、本の中身１１の、接着剤が付与された背１１ａ上に載せる働きをする。

図３から分かるように、背貼り紙２は、ストックロール３ａから引き出されてローラ切断機４によって所定のウェブ幅に裁断され、ストックロール３ｂから引き出され接着剤ノズル５によって接着剤を付与されたヘッドバンド２ｂがウェブの両外縁に沿ってそれぞれ貼りつけられた背貼り用紙２ａからなっている。このウェブは引き出しローラ対６によって所定の長さだけ台９に供給される。そして、カッター切断部において切断止め８に向かって切断を行うカッター７によって、個々の背貼り紙２がこのウェブから切り離される。

そして、背貼り紙２は、往復するように揺動する吸着台１４ａまたは１４ｂによって、台９上の供給位置１０から本の中身１１の背１１ａに搬送され、その上に載せられる。本発明では、共通の揺動軸線１６を中心として揺動する２つの吸着台１４ａおよび１４ｂが設けられており、両方の吸着台１４ａ，１４ｂは、互いに異なる軌道１５ａまたは１５ｂに沿って運動する。

第１の吸着台１４ａは、供給位置１０と本の中身１１の背１１ａの間に拡大された揺動半径を有する第１の軌道１５ａに沿って運動し、一方、第２の吸着台１４ｂは、縮小された揺動半径を備える第２の軌道１５ｂに沿って運動する。それによって、両方の吸着台１４ａ，１４ｂは衝突することなく運動することができ、一方、供給位置１０と本の中身の背１１ａとの両方の終端位置は、両方の吸着台１４ａ，１４ｂについて同一である。吸着台１４ａ，１４ｂは循環運動せず、したがって、例えば、吸着台１４ａ，１４ｂへの空気供給を回転通路なしで行うことができる。

上述の揺動軌道１５ａ，１５ｂを実現するために、吸着台１４ａ，１４ｂは、揺動アーム１７ａ，１７ｂの、半径方向に繰り出すことができる支持部１８に支持されており、放物線状に形成されたカム２１ａまたは２１ｂ上を移動するカムローラ２０が各支持部１８に設けられている。カム２１ａ，２１ｂは、溝カムとして構成することもでき、または、本実施形態におけるように、片側の接触面だけを形成することもできる。スライドロッド１９によって半径方向に繰り出すことができる支持部１８は、詳細には示さないばねによって付勢されている。

両方の吸着台１４ａ，１４ｂの揺動運動はそれぞれ反対向きであり、詳細には示さない単一の駆動手段によって駆動歯車２２を介して搬送装置１３に誘起される。駆動歯車２２は第１の揺動アーム１７ａに対して回転しないように結合されており、一方、第２の揺動アーム１７ｂは、確実運動式の伝動装置（Plusgetribe）として形成された遊星歯車装置２３を介して駆動される。

遊星歯車装置２３は、駆動歯車２２に対して回転しないように結合され、ブリッジ（Steg）として設けられた揺動アーム１７ｂ上の第１の遊星歯車２５ａとかみ合っている歯車２４を第１の歯車として有している。また、第１の遊星歯車２５ａに対して回転しないように結合された第２の遊星歯車２５ｂが、遊星歯車装置２３の第２の歯車、すなわちフレームに対して固定された歯車２６とかみ合っている。それぞれの歯数を適切に選択することによって、駆動伝達比が−１に等しいのに相当する駆動運動が揺動アーム１７ｂに生じさせられる。

本実施形態において、吸着台１４ａ，１４ｂはそれ自体に対して常に平行に運動し、揺動運動の出発点としての台９は水平に配置されている。吸着台１４ａ，１４ｂは、フレームに対して固定されたかさ歯車２７ａと回転方向が同じになるように、かさ歯車装置２７を介して保持された軸２９によってそれぞれ支持されている。支持部１８を繰り出し可能にするために、各かさ歯車装置２７は、互いに回転しないようになっているが軸方向に位置をずらすことができる複数のシャフト２８によって互いに連結されている。

各吸着台１４ａまたは１４ｂは、複数のブロック３０を介して回転方向に動くことができるように軸２９に支持されている。吸着台１４ａ，１４ｂの案内用戻り止め（Fuhrungskulisse）３１内で動く、軸２９に取り付けられたカムローラ３２によって、前述した平行案内が行われる。軸方向へスライドできる残りの自由度は、公知のやり方で、吸着台１４ａ，１４ｂを本の中身１１に揃えるのに利用され、図には、このような軸方向運動のための制御手段は特に示していない。

揺動して往復運動する吸着台１４ａ，１４ｂを備える、本発明の搬送装置１３は、本の中身１１の背１１ａ上にクーター（Hulse）を載せるのにも用いることができる。吸着台１４ａ，１４ｂをくわえづめと取り替えることによって、隙間の広い寒冷紗を処理することができ、この場合、平行案内は必ずしも必要ない。

吸着台が折り返し位置にある状態の背貼り紙・ヘッドバンドステーション１の搬送装置を示す斜視図である。 両吸着台がすれ違っている状態の搬送装置を示す、図１と同様の図である。 背貼り紙・ヘッドバンドステーション１を示す模式的な側面図である。 搬送装置の、図３に示す見方で見た部分平面図である。

符号の説明

１ 背貼り紙・ヘッドバンドステーション
２ 背貼り紙
２ａ 背貼り用紙
２ｂ ヘッドバンド
３ａ，３ｂ ストックロール
４ ローラ切断機
５ 接着剤ノズル
６ 引き出しローラ対
７ カッター
８ 切断止め
９ 台
１０ 供給位置
１１ 本の中身
１１ａ 本の中身の背
１２ 挟み込み手段
１３ 搬送装置
１４ａ，１４ｂ 吸着台
１５ａ，１５ｂ 軌道
１６ 揺動軸線
１７ａ，１７ｂ 揺動アーム
１８ 支持部
１９ スライドロッド
２０，３２ カムローラ
２１ａ，２１ｂ カム
２２ 駆動歯車
２３ 遊星歯車装置
２４，２６ 歯車
２５ａ，２５ｂ 遊星歯車
２７ かさ歯車装置
２７ａ かさ歯車
２８ シャフト
２９ 軸
３０ ブロック
３１ 案内用戻り止め

Claims (10)

1. 寒冷紗、背貼り紙、クーターなどのような付加部材（２）を本の中身の背（１１ａ）に取り付ける装置であって
   前記本の中身の背（１１ａ）から間隔をおいた供給位置（１０）に前記付加部材（２）を供給する供給装置（４〜９）と、
   前記供給位置（１０）と前記本の中身の背（１１ａ）の間を往復運動して、供給された前記付加部材（２）を、予め接着剤が付与された前記本の中身の背（１１ａ）に載せる保持部材（１４ａまたは１４ｂ）を備える搬送装置（１３）と、
   を備える装置において、
   前記搬送装置（１３）は、周期に関して互いに位相をずらして駆動されて往復運動する少なくとも２つの前記保持部材（１４ａ，１４ｂ）を有しており、前記保持部材は、前記供給位置（１０）と前記本の中身の背（１１ａ）の間で互いにずれた互いに異なる軌道（１５ａ，１５ｂ）に沿って運動することを特徴とする装置。
2. 前記各保持部材（１４ａ，１４ｂ）は共通の揺動軸線（１６）を中心として揺動して往復運動し、前記保持部材の少なくとも１つの揺動半径が両方の前記保持部材がすれ違う時には拡大または縮小されている、請求項１に記載の装置。
3. 前記少なくとも１つの保持部材（１４ａ，１４ｂ）の、繰り出すことができる揺動アーム（１７ａ，１７ｂ）を備えている、請求項２に記載の装置。
4. 前記少なくとも１つの保持部材（１４ａ，１４ｂ）の前記揺動アーム（１７ａ，１７ｂ）は、前記保持部材を支持するために設けられたカム（２１ａ，２１ｂ）の区域（１８）によって案内されている、請求項２または３に記載の装置。
5. 前記カム（２１ａ，２１ｂ）は放物線状に形成されている、請求項４に記載の装置。
6. 揺動して往復運動する２つの前記保持部材（１４ａ，１４ｂ）が設けられており、揺動運動中に、第１の前記保持部材（１４ａ）の揺動半径が両方の終端位置（１０，１１ａ）の間で拡大され、一方、第２の前記保持部材（１４ｂ）の揺動半径が縮小される、請求項２から５のいずれか１項に記載の装置。
7. 前記保持部材は、自身に対して常に平行に運動する吸着台（１４ａ，１４ｂ）である、請求項１から６のいずれか１項に記載の装置。
8. 複数の前記保持部材（１４ａ，１４ｂ）は、それぞれ反対方向に運動するように駆動される、請求項１から７のいずれか１項に記載の装置。
9. 複数の前記保持部材（１４ａ，１４ｂ）は単一の駆動手段（２２）によって駆動される、請求項１から８のいずれか１項に記載の装置。
10. 第１の前記保持部材（１４ａ）の駆動運動を、第２の前記保持部材（１４ｂ）の、反対方向の駆動運動に変換する、確実運動式の伝動装置として構成された遊星歯車装置（２３）が設けられている、請求項８または９に記載の装置。

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