JP2006334619A - レーザ加工装置、及び液滴吐出ヘッドのノズル、並びに液滴吐出ヘッドのノズルの形成方法 - Google Patents

レーザ加工装置、及び液滴吐出ヘッドのノズル、並びに液滴吐出ヘッドのノズルの形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 任意の形状の孔をより容易に高品質で形成出来るレーザ加工装置を提供する。
【解決手段】 第一反射ミラー210は、反射面210Aの反対面210Bに圧電体212の一端が接合し、圧電体212の他端は固定部214に固定されており圧電体212を振動させることで、第一反射ミラー210がY軸方向に振動する。第二反射ミラー220は、Y軸方向と直交するX軸方向に変位可能とされており反射面220Aの反対面220Bには、圧電体222の一端が接合し、圧電体222の他端は固定部224に固定されている。第一反射ミラー210はY軸方向にY=ASin(ωt)で振動し、第二反射ミラー220はX軸方向にX=ACos(ωt)で振動する。同期したY軸方向とX軸方向との振動が合成されると、各レーザ光Lは、半径A(振幅A)の円軌道を描き、半径Aの孔が複数同時に形成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、レーザ加工装置、及びこのレーザ加工装置を用いて形成した液滴吐出ヘッドのノズル、並びにこのレーザ加工装置を用いる液滴吐出ヘッドのノズルの形成方法に関する。
図17(A)に示すように、レーザ光源800から射出したレーザ光を、所定の形状に整形するマスク802と結像レンズ系804とを介して、インクジェット記録ヘッドのノズルプレート805に同時に複数のノズル806をあけている。
さて、インクジェット記録ヘッドのインク滴が吐出するノズル806は、ノズル径のバラツキが少なく、かつ、図17(B)に示すように、断面形状がインク吐出側に向かって径が小さくなる略テーパー形状にすることが要求されている。
このような、略テーパー形状(図17(B)では、4段階の階段状)のノズル806を形成する方法としては、次のような方法がある。すなわち、所定のノズル径の孔を所定の深さまで形成した後、スポット径の異なるマスクに変え、ノズル径が若干小さい孔を更に所定深さまで形成する作業を繰り返すことで、略テーパー形状のノズル806が形成される。
しかし、マスクの交換には時間がかかる。また、マスクの交換の際、その都度マスクを精密に位置決めする必要がある。したがって、略テーパー形状のノズルの形成は、高コストである。しかも、図17(B)に示すよりも、例えば、図15に示すように、なだらかな略テーパー形状、すなわち階段数を多くするためには、何度もマスクを交換する必要がある。よって、ノズルの断面形状を、なだらかな略テーパー形状とするほど(階段数を多くするほど)、コストが高くなる。
このため、図18(A)に示すように、楕円形状のパターン904、914が形成された2枚のマスク902,912を、図18(B)に示すように重ね、マスク902とマスク912とをずらし、重なり部分910の面積を変えることで、照射されるレーザ光のスポット径を変化させ、マスクを交換することなく、略テーパー形状のノズルを形成する方法が提案されている。(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、重なり部分910は、必ずしも真円にならない、つまり、このように2枚のマスク912,914の重畳によってスポット形状を変化させる場合、加工形状を常に真円とすることができない。このため、インク滴の吐出方向性に異方性が生じ、インク滴の吐出が不安定になる。また、図18(C)に示すように、マスク902,912には厚みがあるため、結像光化学レンズ系を通した加工面上のベストフォーカス位置が、マスク902とマスク912とで異なってしまう。このため、ノズルの加工品質の劣化を招くといった問題も生じる。
更に、ノズルをテーパー形状とする方法として、以下のような方法も提案されている。
(1) ハーフミラーの角度を変えることによって、レーザ光のエネルギー密度を変化させ、テーパーを形成する方法(例えば、特許文献2参照)。
(2) 光学系に、径が可変な開口絞りを設ける方法(例えば、特許文献3参照)。
(3) 光軸に対して同じ角度で対向する方向に傾いた2枚の平行平板を、逆方向に回転させることで、スポット位置を変える方法(例えば、特許文献4参照)。
(4) マスクを移動させることによって、結像レンズに対する物体位置を制御する方法(例えば、特許文献5参照)。
しかし、より容易で低コストで任意の形状の孔を、高品質で形成することが求められている。
特開平08−099185号公報 特開平06−269969号公報 特開平10−314965号公報 特開2003−237087号公報 特開2003−334674号公報
本発明は、上記問題を解決すべく成されたもので、任意の形状の孔をより容易に高品質で形成することを目的とする。
上記目的を達成するために請求項1に記載のレーザ加工装置は、レーザ光を出射するレーザ光源と、前記レーザ光源と前記レーザ光によって加工される加工面との間に配置され、該レーザ光が透過する所定のパターンが形成されたマスクと、を有し、前記マスクと前記加工面との前記レーザ光との間の光路上に、両側テレセントリック結像光学系と、前記レーザ光を反射し、該レーザ光が前記加工面上を走査するように変位手段によって個別に変位する複数の反射ミラーと、を配設したことを特徴としている。
請求項1に記載のレーザ加工装置は、変位手段によって個別に変位する複数の反射ミラーによって、所定のパターンが形成されたマスクを透過したレーザ光が、加工面上を走査することで、任意の形状の孔を形成する。
なお、レーザ光の光路上に両側テレセントリック結像光学系が配置されているので、反射ミラーが変位し、レーザ光の光路長が変化しても、焦点が常に合っている。(ベストフォーカス位置を保つ)。よって、高品質の孔を形成できる。
また、例えば、孔の形状を変えるのにマスク交換が必要ないので、短時間で異なる形状の孔(例えば、断面が略ターパー形状の孔)を、容易に低コストで形成できる。
請求項2に記載のレーザ加工装置は、請求項1に記載の構成において、前記複数の反射ミラーは、第一反射ミラーと、第二反射ミラーと、を備え、前記変位手段は、前記レーザ光が前記加工面上をY方向に走査するように前記第一反射ミラーを変位させる第一変位手段と、前記レーザ光が前記加工面上を前記Y方向と直交するX方向に走査するように前記第二反射ミラーを変位させる第二変位手段と、を備えることを特徴としている。
請求項2に記載のレーザ加工装置は、レーザ光が加工面上をY方向に走査するように第一変移手段が第一反射ミラーを変位させ、Y方向と直交するX方向に走査するように第一変移手段が第二反射ミラーを変位させる。つまり、加工面上をレーザ光が、X方向、Y方向に任意に走査する。よって、任意の形状の孔が容易に高品質で形成できる。
請求項3に記載のレーザ加工装置は、請求項2に記載のレーザ加工装置の構成において、前記第一変位手段は、前記レーザ光が前記加工面上を、Y方向に、ASin(ωt)で振動するように前記第一反射ミラーを振動させ、前記第二変位手段は、前記レーザ光が前記加工面上を、X方向に、BCos(ωt)で振動するように前記第二反射ミラーを振動させることを特徴としている。
請求項3に記載レーザ加工装置は、レーザ光が加工面上を、Y方向に、ASin(ωt)、X方向に、BCos(ωt)、で同期して振動する。Y方向の振動とX方向の振動とが合成すると楕円軌道となる。よって、楕円形状の孔が容易に高品質で形成できる。
請求項4に記載のレーザ加工装置は、請求項3に記載の構成において、前記レーザ光が前記加工面上を、Y方向の振幅とX方向の振幅とが同じになるように、前記第一変位手段は、前記第一反射ミラーを振動させ、前記第二変位手段は、前記第二反射ミラーを振動させることを特徴としている。
請求項4に記載のレーザ加工装置は、Y方向の振幅とX方向の振幅とが同じになるように、第一変位手段は第一反射ミラーを振動させ、第二変位手段は第二反射ミラーを振動させている。このようにY方向の振幅とX方向の振幅とを同一にすると、真円軌道となる。よって、任意の大きさの真円を容易に高品質で形成できる。
請求項5に記載のレーザ加工装置は、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の構成において、前記変位手段は、電気エネルギーを機械エネルギーに変換する圧電体を用いていることを特徴としている。
請求項5に記載のレーザ加工装置は、電気エネルギーを機械エネルギーに変換する圧電体を用いて反射ミラーを変位させている。圧電体は、高精度に高速で、しかも微小に変位する。また、圧電体は入力する駆動電圧によって、容易に変位を制御できる。したがって、任意の形状の微小な孔を、容易に高精度に高速で形成できる。
請求項6に記載のレーザ加工装置は、請求項1から請求項5のいずれ1項に記載の構成において、前記マスクには、同じ大きさの複数の円形からなるパターンが形成されていることを特徴としている。
請求項6に記載のレーザ加工装置は、マスクに形成された複数の同じ大きさの円形のパターンと同様の配置(相似形)の孔が、同時に高精度で容易に形成できる。
請求項7に記載の液滴吐出ヘッドのノズルは、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のレーザ加工装置で形成されたことを特徴としている。
請求項7に記載の液滴吐出ヘッドのノズルは、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のレーザ加工装置で形成されているので、低コストで高精度に形成されている。すなわち、低コストで吐出特性の良いノズルとなっている。
請求項8に記載の液滴吐出ヘッドのノズルは、請求項7に記載の構成において、前記ノズルは、液滴を吐出する側に向かってノズル径が小さくなっていることを特徴としている。
請求項8に記載の液滴吐出ヘッドのノズルは、液滴を吐出する側に向かってノズル径が小さくなっているので、液滴の吐出特性が良い。しかも、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のレーザ加工装置は、例えば、マスクの交換など煩雑な作業を必要とせずに、ノズル径を容易に変えることができる。つまり、低コストで高精度に、液滴を吐出する側に向かってノズル径を小さく形成されたノズルとなっている。
請求項9に記載の液滴吐出ヘッドのノズルの形成方法は、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のレーザ加工装置を用いて形成することを特徴としている。
請求項9に記載の液滴吐出ヘッドの形成方法は、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のレーザ加工装置を用いて形成するので、低コストで高精度のノズルが形成できる。
請求項10に記載の液滴吐出ヘッドのノズルの形成方法は、請求項9に記載の形成方法において、前記ノズルは、液滴を吐出する側に向かってノズル径を小さく形成することを特徴としている。
請求項10に記載の液滴吐出ヘッドのノズルの形成方法は、液滴を吐出する側に向かってノズル径を小さく形成している。請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のレーザ加工装置は、例えば、マスクの交換など煩雑な作業が必要とせずに、ノズル径を容易に変えることができる。つまり、低コストで高精度に、液滴を吐出する側に向かってノズル径を小さく形成できる。
以上説明したように本発明によれば、任意の形状の孔をより容易に高品質で形成することができる。
まず、本発明の実施形態に係るインクジェット記録ヘッドを備えたインクジェット記録装置についての概要を説明する。
図11に示すように、インクジェット記録装置110には、キャリッジ114が設けられており、キャリッジ114には、インクジェット記録ヘッド112が、ノズル10(図14参照)が記録用紙Pと対向するようにして搭載されている。キャリッジ114は、走査位置信号に基づき主走査機構118によって主走査方向(矢印Xで示す)に移動される。これにより、インクジェット記録ヘッド112は、副走査機構120によって副走査方向(矢印Yで示す)へ搬送される記録用紙Pへ、画像情報に応じてインク滴を吐出することにより、記録用紙Pの全面に画像の記録を行う。
図14に示すようにインクジェット記録ヘッド112は、マトリックス状に配置されたインク滴を吐出するノズル10を備えている。
また、図12と図13とに示すように、各ノズル10に対応し、菱形形状をした圧力室12を備えている。なお、ノズル10と圧力室12とはノズル連通路16で連通されている。更に、図示しないインク供給部から導入されたインクが充填される共通インク流路14を備えている。そして、共通インク流路14の開口部20と圧力室12とが、インク供給路18で連通されている。
圧力室12の上面には振動板34が接着され、振動板34の上面には、略長方形の圧電素子36が接着されている。また、更に圧電素子36の上面にはボール半田40を介して配線基板38が接合されている。
なお、図13(A)に示すように、ノズル10は圧力室12の菱形形状の角部に位置し、インク供給路18はノズル10の位置と対角線上に反対の角部と連通している。
また、圧電素子36は駆動部36Aと電極パット部36Bとで構成されている。電極パット部36Bは圧力室12の領域外に延出した部分で、ボール半田40を介して配線基板38と接続されている。駆動部36Aは圧力室12に相当する領域の上面に配設された部分で、その大きさは圧力室12より若干小さく、圧力室12と略同形状となる。
インクジェット記録ヘッド112は、このような構成により、駆動電圧が圧電素子36の電極パット部36Bに印加されると、圧電素子36の駆動部36Aが撓み変形して、圧力室12のインクを加圧し、ノズル10からインク滴が吐出する。
つぎに、インクジェット記録ヘッド112を製造する製造工程の概要を説明する。
図16(A)(及び、図12、図13も参照)に示すように、ノズル10が形成されるノズルプレート22と、ノズル連通路16と共通インク流路14となる孔が形成されたインクプールプレート24、26と、ノズル連通路16と共通インク流路14の開口部20となる孔が形成されたスループレート28と、インク供給路18となる孔が形成されたインク供給路プレート30と、圧力室12となる孔が形成された圧力室プレート32とを順番に積層し接合する。
ノズルプレート22の材質はポリイミドであり、インクプールプレート24、26、スループレート28、圧力室プレート32の材質はSUSである。また、圧力室12等になる各孔は、エッチング加工等によって形成されている。
つぎに、図4(B)、図4(C)に示すように、ノズルプレート22の表面に撥水コート膜(図示せず)を被覆すると共に、本発明の第一の実施形態のレーザ加工装置200(図1参照)によって、レーザ光Lでノズルプレート22にノズル10をあける。
このとき、図15に示すように、断面形状が吐出方向に向かってノズル径が徐々に小さくなった略テーパー形状(正確には階段状)に加工する。(図15では、ノズル径(半径)がA1からA8へと徐々に小さくなっている)。なお、レーザ加工装置200(図1参照)についての詳細、及びノズル10の略テーパー形状の加工方法についての詳細は後述する。
図4(D)に示すように、ノズル10を形成後に圧力室プレート32に、圧電素子36が接合された振動板34を接着する。
そして、図4(E)、図4(F)に示すように、圧電素子36毎にボール半田40を形成した配線基板38を圧電素子36と接合する。なお、圧電素子36の一方の面には、共通電極が形成されており、圧電素子36と振動板34とは導電性材(熱硬化性エポキシ系接着剤)にて接着接合されることで、圧電素子36と振動板34とが電気的に接続される。また、圧電素子36の他方の面には、個別電極が形成されており、圧電素子36と配線基板38とが電気的に接続される。
つぎに、本発明の第一の実施形態のレーザ加工装置200について説明する。なお、X軸方向とY軸方向とは直交し、加工面となるX−Y平面と直交する方向がZ軸方向である。
図1に示すように、レーザ加工装置200は、レーザ光LをY軸方向に出射するレーザ光源202を備えている。レーザ光源202からY軸方向に出射したレーザ光Lは、レーザ光Lが透過する所定のパターンが形成されたマスク204を透過する。本実施形態では、ノズル10の配置(図15参照)に応じ、複数の円206からなるパターンが形成されている。なお、図1では判りやすくため、パターンを簡略して図示しているが、実際は、図15に示すノズル10の配置に対応している。また、実際より大きく、模式的に図示している。
図1に示すように、このマスク204を透過した複数本のレーザ光Lは、両側テレセントリックレンズ系208を透過する。なお、判り易くするため、図ではレーザ光Lは一本のみ図示している。
なお、両側テレセントリックレンズ系208とは、図6に示すように、画角が限りなく0°に近いことが特徴であり、物体側と像側の双方で主光線が光軸Gと略平行になるレンズ系である。したがって、光路長が若干変化しても加工面上でベストフォーカス位置を保つ(被写体位置の変化による倍率の変動が小さい)。なお、本実施形態の両側テレセントリックレンズ系208の倍率はMとする。
図1に示すように、この両側テレセントリックレンズ系208を透過したレーザ光Lは、第一反射ミラー210でX軸方向に反射したのち、第二反射ミラー220でZ軸方向に反射する。そして、加工面となるX−Y平面上のノズルプレート22に照射される。
さて、図2に示すように、第一反射ミラー210は、Y軸方向に変位可能とされている。また、反射面210Aの反対面210Bには、圧電体212の一端が接合し、圧電体212の他端は固定部214に固定されている。そして、圧電体212をY軸方向に振動させることで、第一反射ミラー210もY軸方向に振動する。
第二反射ミラー220は、Y軸方向と直交するX軸方向に変位可能とされている。また、反射面220Aの反対面220Bには、圧電体222の一端が接合し、圧電体222の他端は固定部224に固定されている。そして、圧電体222をX軸方向に振動させることで、第二反射ミラー220もX軸方向に振動する。
第一反射ミラー210に接合している圧電体212には、ASin(ωt)の駆動電圧波形が入力される(図3(A)参照)。よって、圧電体212は、Y軸方向に、ASin(ωt)で振動する。すなわち、第一反射ミラー210がY軸方向に、ASin(ωt)で振動する。
第二反射ミラー220に接合している圧電体222には、ACos(ωt)の駆動電圧波形が入力される(図3(A)参照)。よって、圧電体222は、X軸方向に、ACos(ωt)で振動する。すなわち、第二反射ミラー220がX軸方向に、ACos(ωt)で振動する。
したがって、Y軸方向とX軸方向との同期した振動が合成されると、図3(B)、図4に示すように、加工面となるX−Y平面上のノズルプレート22状を、各レーザ光Lは、半径A(振幅A)の円軌道を描く。よって、半径Aの孔が複数同時に形成される。なお、図4では判りやすくするため、孔とレーザ光Lは、一つのみ図示している。
なお、レーザ光Lがこのように円軌道を描いても、ノズルプレート22への入射角度(本実施形態の場合は、直交方向(Z軸方向))は常に一定である。また、両側テレセントリックレンズ系208を透過させているので、第一反射ミラー210、第二反射ミラー220が変位することでレーザ光Lの光路長が若干変化しても、ベストフォーカス位置を保っている。よって、高精度にノズル10が形成できる。
また、振幅A(半径A)、及び周期(ωt)の同期は、入力する駆動電圧波形(図3(A)参照)によって、容易に制御できる。
なお、図5に示すように、レーザLは所定の照射面積Rを持っている。そして、レーザLの中心位置Kを中心に半径Aの円軌道を描く。よって、実際のノズル10の半径は、Aより大きなCとなる。しかし、便宜上、振幅Aをノズル10の半径として説明する。
さて、前述したように、ノズル10は、図15に示すように、断面形状がインク滴の吐出方向に向かって徐々にノズル径が小さくなった略テーパー形状をしている。よって、つぎに、このように、断面形状が略テーパー形状のノズル10の形成方法について説明する。
まず、圧電体212,222に振幅A1の駆動電圧波形を入力する。すなわち、圧電体212,222を振幅A1で振動させて、所定の深さまで半径A1の孔を形成する。続いて、圧電体212,222の振幅を振幅A1より若干短い振幅A2で振動させて、更に深くまで半径A2の孔を形成する。このように、徐々に半径(振幅)を小さく(本実施形態では、A1からA8)して、徐々に小さな孔を形成していくことで、図15に示すような、なめらかな略テーパー形状(正確には階段状)のノズル10が形成できる。なお、本実施形態では、半径がA1からA8であったが、更に多くの半径の孔を形成すれば、換言すると階段数を非常に多くすれば、更になめらかなテーパー形状をとなる。
つぎに、本実施形態の作用について説明する。
今まで説明したように、レーザ加工装置200を用いると、圧電体212,222の駆動電圧波形を制御することで、容易に真円を描くことができる。更に、図15に示すような、なめらかな略テーパー形状のノズル10も、圧電体212,222の振幅を変えることで(圧電体212,222に入力する駆動電圧を制御することで)、容易に形成できる。
また、レーザ光Lがノズルプレート22上を走査しても、ノズルプレート22への入射角度(本実施形態の場合は直交方向(Z軸方向))は常に一定であると共に、焦点が常に合っている(光路長が変化しても、ベストフォーカス位置を保つ)。よって、高品質なノズル10が形成できる。
このため、図17に示すような、マスクを交換してテーパー形状を形成する方法と比較し、飛躍的に効率が向上する。あるいは、図18に示すような、複数のマスク902,912を重ね合わせる方法ではできなかった、大きさの異なる真円も、容易に形成可能である。更に、加工面上のベストフォーカス位置も保たれるので、高精度に形成できる。
つまり、このように、高品質の真円の、しかも、断面形状が略テーパー形状のノズル10を、容易に短時間で高精度に低コストで形成できる。
なお、本実施形態では、第一反射ミラー210と第二反射ミラー220とは、入射するレーザ光Lと同方向に振動していたが、これに限定されない。レーザ光Lが加工面上をX軸方向とY軸方向と振動するように、第一反射ミラー210と第二反射ミラー220とが振動するように構成すれば、X軸方向,Y軸方向以外に変位しても良い。また、入射方向と反射方向もX軸、Y軸に沿っている必要はない。
例えば、図19に示すように、反射ミラー500に対して入射角度αで入射し、更に反射ミラー500が任意の方向に振動しても、加工面上をレーザ光LがY軸方向に、ASin(ωt)(及び、X軸方向に、ACos(ωt))で、振動するように構成すれば良い。
また、本実施形態では、断面が略テーパー形状の真円のノズル10を形成する例を説明したが、これに限定されない。
例えば、第一反射ミラー210に接合している圧電体212には、ASin(ωt)の駆動波形を入力し、第二反射ミラー220に接合している圧電体222には、BCos(ωt)の駆動波形を入力すると、楕円形状のノズルが形成できる。(なお、A≠Bである)。
更に、Sin波やCos波以外の駆動電圧を圧電体212,222に入力し、その駆動電圧を制御することで、円形や楕円形に限らず任意の形状のノズルも容易に形成できる。
つぎに、本発明の第二の実施形態のレーザ加工装置300について説明する。
図7と図8とに示すように、第二の実施形態のレーザ加工装置300は、第一反射ミラー210と第二反射ミラー220との間に両側テレセントリックレンズ系208が配設された構成となっている。
このような構成とした場合は、第一反射ミラー210に接合している圧電体212には、ASin(ωt)の駆動波形を入力し、第二反射ミラー220に接合している圧電体222には、(A/M)Cos(ωt)の駆動波形を入力することで、ノズルプレート22上に円軌道を描くことができる。(なお、Mは、前述したように両側テレセントリックレンズ系208の倍率である)。
つぎに、本発明の第三の実施形態のレーザ加工装置400について説明する。
図9と図10とに示すように、第二の実施形態のレーザ加工装置400は、第二反射ミラー220とノズルプレート22との間に両側テレセントリックレンズ系208が配設された構成となっている。
このような構成とした場合は、第一反射ミラー210に接合している圧電体212には、(A/M)Sin(ωt)の駆動波形を入力し、第二反射ミラー220に接合している圧電体222には、(A/M)Cos(ωt)の駆動波形を入力することで、第一の実施形態と同じ半径の円軌道を描くことができる。
なお、第二、第三の実施形態共に、第一の実施形態の作用と同じであるが、第二、第三の実施形態の方が、圧電体212,222の振幅をより小さくできる。つまり、より小さな径のノズルを精度良く形成できる。
尚、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施の形態では、第一反射ミラー210,第二反射ミラー220の二枚を備えていたが、反射ミラーを三枚以上備える構成であっても良い。
また、反射ミラーを変位させる変位手段も圧電体212,212に限定されない。その他の変位手段であっても良い。
また、全ての反射ミラーが変位する必要は無い。最低二枚以上の反射ミラーが変位すれば良い。例えば、第一反射ミラー210と第二反射ミラー220との間に、固定反射ミラーが配設された構成であっても良い。
また、インクジェット記録は、記録用紙P上への文字や画像の記録に限定されるものではない。すなわち、記録媒体は記録用紙Pに限定されるものでなく、また、吐出する液体もインクに限定されるものではない。例えば、高分子フィルムやガラス上にインクを吐出してディスプレイ用カラーフィルターを作成したり、溶接状態の半田を基板上に吐出して部品実装用のバンプを形成するなど、液滴吐出ヘッド全般、及び液滴吐出装置全般に対して、本発明を適用することができる。
更に、加工の対象も、液滴吐出ヘッドのノズル以外であっても良い。例えば、各種プレート(インクプールプレート24、26、スループレート28、圧力室プレート32等)に対して行う圧力室12等となる各孔の形成に利用しても良い。
本発明の第一の実施形態のレーザ加工装置を模式的に示す図ある。 本発明の第一の実施形態のレーザ加工装置を模式的に示す、(A)は上面図であり、(B)は側面図である。 (A)は同期をとって振動する波形を示すグラフであり、(B)はY軸方向とX軸方向との振動が合成されて円運動を示す図である。 レーザ光が半径Aの円軌道を動く様子を模式的に示す図である。 レーザ光が孔を形成する様子を模式的に示す図である。 両側テレセントリックレンズ系を示す図である。 本発明の第二の実施形態のレーザ加工装置を模式的に示す図ある。 本発明の第二の実施形態のレーザ加工装置を模式的に示す、(A)は上面図であり、(B)は側面図である。 本発明の第三の実施形態のレーザ加工装置を模式的に示す図ある。 本発明の第三の実施形態のレーザ加工装置を模式的に示す、(A)は上面図であり、(B)は側面図である。 インクジェット記録装置を模式的に示す部分断面斜視図である。 (A)は、本発明のインクジェット記録ヘッドの内部を示す部分断面斜視図であり、(B)は(A)のX部分の拡大図である。 (A)はインクジェット記録ヘッドの内部を平面視した図であり、(B)は(A)のA−A断面の断面図である。 本発明のインクジェット記録ヘッドのノズルプレートを示す図である。 本発明のインクジェット記録ヘッドのノズルの断面形状を示す図である。 インクジェット記録ヘッドの製造方法の製造工程を、(A)から(F)へと順番に示す説明図である。 (A)は従来のレーザ加工装置を模式的に示す図であり、(B)は従来のレーザ加工装置で形成されたノズルの断面形状を模式的に示す図である。 従来のレーザ加工装置の、(A)はマスクを示し、(B)はマスクの重ね合わせによってノズル径を変える方法を説明する説明図であり、(C)はマスクを重ね合わせた状態の断面図である。 本発明の第一の実施形態のレーザ加工装置の変形例の要部を、模式的に示す図である。
符号の説明
10 ノズル
22 ノズルプレート(加工面)
112 インクジェット記録ヘッド(液滴吐出ヘッド)
200 レーザ加工装置
202 レーザ光源
204 マスク
208 両側テレセントリック結像レンズ系(両側テレセントリック結像光学系)
210 第一反射ミラー
212 圧電体
220 第二反射ミラー
222 圧電体
300 レーザ加工装置
400 レーザ加工装置
L レーザ光

Claims (10)

  1. レーザ光を出射するレーザ光源と、
    前記レーザ光源と前記レーザ光によって加工される加工面との間に配置され、該記レーザ光が透過する所定のパターンが形成されたマスクと、
    を有し、
    前記マスクと前記加工面との間の前記レーザ光の光路上に、
    両側テレセントリック結像光学系と、
    前記レーザ光を反射し、該レーザ光が前記加工面上を走査するように変位手段によって個別に変位する複数の反射ミラーと、
    を配設したことを特徴とするレーザ加工装置。
  2. 前記複数の反射ミラーは、
    第一反射ミラーと、第二反射ミラーと、
    を備え、
    前記変位手段は、
    前記レーザ光が前記加工面上をY方向に走査するように前記第一反射ミラーを変位させる第一変位手段と、
    前記レーザ光が前記加工面上を前記Y方向と直交するX方向に走査するように前記第二反射ミラーを変位させる第二変位手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1に記載のレーザ加工装置。
  3. 前記第一変位手段は、前記レーザ光が前記加工面上を、
    Y方向へ、ASin(ωt)で振動するように前記第一反射ミラーを振動させ、
    前記第二変位手段は、前記レーザ光が前記加工面上を、
    X方向へ、BCos(ωt)で振動するように前記第二反射ミラーを振動させることを特徴とする請求項2に記載のレーザ加工装置。
  4. 前記レーザ光が前記加工面上を、Y方向の振幅とX方向の振幅とが同じになるように、
    前記第一変位手段は、前記第一反射ミラーを振動させ、
    前記第二変位手段は、前記第二反射ミラーを振動させることを特徴とする請求項3に記載のレーザ加工装置。
  5. 前記変位手段は、電気エネルギーを機械エネルギーに変換する圧電体を用いていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のレーザ加工装置。
  6. 前記マスクには、同じ大きさの複数の円形からなるパターンが形成されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のレーザ加工装置。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のレーザ加工装置で形成されたことを特徴とする液滴吐出ヘッドのノズル。
  8. 前記ノズルは、液滴を吐出する側に向かってノズル径が小さくなっていることを特徴とする請求項7に記載の液滴吐出ヘッドのノズル。
  9. 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のレーザ加工装置を用いて形成することを特徴とする液滴吐出ヘッドのノズルの形成方法。
  10. 前記ノズルは、液滴を吐出する側に向かってノズル径を小さく形成することを特徴とする請求項9に記載の液滴吐出ヘッドのノズルの形成方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009073183A (ja) * 2007-08-31 2009-04-09 Canon Inc インクジェット記録ヘッド
JP2013223885A (ja) * 2007-05-03 2013-10-31 Electro Scientific Industries Inc テーパ状のマイクロホールを機械加工するための方法
US20130340220A1 (en) * 2010-10-26 2013-12-26 Toshiba Tec Kabushiki Kaisha Ink-jet head and method of manufacturing the same

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