JP2006333828A - 植物性ステロール含有乳飲料及び当該乳飲料用乳化剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】保存中も長期間安定に植物性ステロールを乳化することが出来、品質保持性、安定性に優れた植物性ステロール含有乳飲料を通常の乳飲料の製造工程で製造する。
【解決手段】植物性ステロール含有乳飲料中、炭素数12〜14の脂肪酸を構成脂肪酸とするポリグリセリン脂肪酸エステルを含有する。更には、ポリグリセリン脂肪酸エステルが、(1)ポリグリセリンの重合度が3〜8である、(2)重合度と構成脂肪酸から算出する総炭素数が25〜40の範囲内である、の少なくとも1つの条件を満たすものを使用する。更に、有機酸モノグリセリド、ショ糖脂肪酸エステル及びカゼインナトリウムから選ばれる1種又は2種以上を含有する。
【選択図】なし

Description

本発明は、植物性ステロール含有乳飲料に関する。詳細には、保存中も長期間安定に植物性ステロールを乳化することが出来、品質保持性、安定性に優れた植物性ステロール含有乳飲料に関する。
近年、日本でも食生活の西洋化・多様化やライフスタイルの変化などにより、コレステロールの過剰摂取の傾向にあると言われている。食品に含まれるコレステロールの過剰摂取により血中のコレステロールを増加させるため、高脂質血症、動脈硬化、不整脈、心筋梗塞などの心血関連の疾病を誘発する要因となっており、日本に於いても現在このような疾病が増える傾向にある。そこで、体内のコレステロールの吸収を阻害して、血清内のコレステロール値を低下させる物質として、植物性ステロールが注目されている。但し、植物性ステロールは、水及び油のいずれにも溶解しにくいと言う欠点を持っているため、食品に応用することが難しく、食品に応用するべく、水や油に乳化させる方法が検討されている。
たとえば、水性分散液又は懸濁液に植物性ステロールを分散する方法として、植物性ステロールなどの高融点脂質及びモノグリセリドなどの非ステロール乳化剤を含み、非ステロール乳化剤の高融点脂質に対する重量比が1/2未満として、例えば150℃で溶融した高融点脂質と乳化剤との混合する方法(特許文献1)、植物性ステロールと乳化剤を混合し60℃〜200℃で加熱して溶融させ溶融物を精製する溶融段階と、該溶融物を、水性飲料単独に又は乳化剤を含む水性飲料中に混合し水性飲料を生成する混合段階と、該水性飲料混合物を高速攪拌し、植物性ステロールが水性飲料に分散された分散液を得る分散段階と、を含む飲料用植物性ステロールの分散方法(特許文献2)などがある。
また、(A)植物ステロール、(B)グリセリン脂肪酸エステル、有機酸モノグリセリド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル及びレシチンからなる群より選ばれる1種又は2種以上の親油性乳化剤、(C)食用油類、(D)少なくとも1種の親水性のポリグリセリン脂肪酸エステル、および(E)水残部からなり、系全体における乳化剤のHLB値が12以上である請求項1記載の植物ステロール含有水溶性組成物を飲料に添加して、保存安定性に優れた飲料ができると記載されている(特許文献3)。また、水性媒体中に、少なくとも1種の疎水性物質及び/又は融点が約130℃より高い物質、並びに増粘剤を含む、安定で、安定剤を含まない均一懸濁液として、β−シトステロールとキサンタンガムが含まれるスキムヨーグルトが記載されている(特許文献4)。しかし、これらの方法では、ミルクコーヒーやミルクティなどの乳飲料中に植物性ステロールを安定に乳化し、UHT殺菌やレトルト殺菌などを行って長期保存させることは難しかった。
特開平11−146757号公報 特開2002−112747号公報 特開2002−291442号公報 特表2002−505093号公報
本発明は、かかる事情に鑑みて開発されたもので、保存中も長期間安定に植物性ステロールを乳化することが出来、品質保持性、安定性に優れた植物性ステロール含有乳飲料を通常の乳飲料の製造工程で製造することを目的とする。
本発明者らは、上記従来技術の問題点に鑑み鋭意研究を重ねていたところ、乳飲料中、炭素数12〜14の脂肪酸を構成脂肪酸とするポリグリセリン脂肪酸エステルを含有することにより、通常の乳飲料の製造工程で乳飲料を製造でき、植物性ステロールを長期間安定に乳化できることを見いだした。更には、ポリグリセリン脂肪酸エステルが(1)ポリグリセリンの重合度が3〜8である、(2)重合度と構成脂肪酸から算出する総炭素数が25〜40の範囲内である、という(1)と(2)のうち少なくとも一つの条件を満たすものを使用することにより、更に植物性ステロールの乳化安定化効果が高まることを見いだした。
更には、有機酸モノグリセリド、ショ糖脂肪酸エステル及びカゼインナトリウムから選ばれる1種又は2種以上を含有することにより、更に安定な乳化効果を示し、レトルト殺菌などの過酷な殺菌を行っても安定な乳化効果を維持できることを見いだした。
本発明は、以下の態様を有する植物ステロール含有乳飲料に関する;
項1.炭素数12〜14の脂肪酸を構成脂肪酸とするポリグリセリン脂肪酸エステルを含有することを特徴とする植物性ステロール含有乳飲料。
項2.更に、ポリグリセリン脂肪酸エステルが、以下に掲げる(1)〜(2)の少なくとも1つの条件を満たすものを使用する、項1に記載の植物性ステロール含有乳飲料;
(1)ポリグリセリンの重合度が3〜8である。
(2)重合度と構成脂肪酸から算出する総炭素数が25〜40の範囲内である。
項3.乳飲料中に含まれる植物性ステロールが、β−シトステロール、カンペステロール、スチグマステロール、プラシカステロール、シトスタノール、カンペスタノール及びそれらのエステル塩から選ばれる1種又は2種以上である、項1又は2に記載の植物性ステロール含有乳飲料。
項4.更に、有機酸モノグリセリド、ショ糖脂肪酸エステル及びカゼインナトリウムから選ばれる1種又は2種以上を含有する項1乃至3のいずれかに記載の植物性ステロール含有乳飲料。
更に、本発明は以下の態様を有する植物性ステロール含有乳飲料用乳化剤に関する;
項5.炭素数12〜14の脂肪酸を構成脂肪酸とするポリグリセリン脂肪酸エステルを含有することを特徴とする植物性ステロール含有乳飲料用乳化剤。
項6.更に、ポリグリセリン脂肪酸エステルが、以下に掲げる(1)〜(2)の少なくとも1つの条件を満たすものを使用する、項5に記載の植物性ステロール含有乳飲料用乳化剤;
(1)ポリグリセリンの重合度が3〜8である。
(2)重合度と構成脂肪酸から算出する総炭素数が25〜40の範囲内である。
項7.更に、有機酸モノグリセリド、ショ糖脂肪酸エステル及びカゼインナトリウムから選ばれる1種又は2種以上を含有する項6又は項7に記載の植物性ステロール含有乳飲料用乳化剤。
本発明により、保存中も長期間安定に植物性ステロールを乳化することが出来、飲料中に含まれる植物性ステロールのみならず、乳脂肪に由来する油脂分の凝集や沈殿が起こらず、植物性ステロールが安定に乳化した良好な植物性ステロール含有乳飲料を提供できるようになった。
本発明の乳飲料は、植物性ステロールを含み、特定のポリグリセリン脂肪酸エステルを含むことにより、植物性ステロールを長期間安定に乳化した乳飲料に関する。本発明では、最終的に乳飲料中に後述する特定のポリグリセリン脂肪酸エステルが共存する状態であれば長期間安定に乳化する効果を発揮する。
本発明で言う乳飲料としては、例えば、コーヒー乳飲料、カフェオレ、ミルクティ、ミルクココア、ミルクセーキ、スープ、フルーツ乳飲料、卵乳飲料、抹茶入り乳飲料、豆乳入り乳飲料などと言った、乳成分を含有する、pH5.5〜8.0程度の中性や弱酸性の飲料であれば全ての飲料が該当する。乳成分としては、牛乳、生クリーム、全脂粉乳、脱脂粉乳、全脂練乳、脱脂練乳などが挙げられる。乳成分の乳飲料に対する含有量は、通常は、無脂乳固形分で0.8重量%以上、好ましくは、0.8〜10重量%の範囲である。
本発明で使用する植物性ステロールは、大豆、菜種、綿実などの植物油脂から抽出、精製されたものであり、β−シトステロール、カンペステロール、スチグマステロール、プラシカステロール、シトスタノール、カンペスタノール及びそれらのエステル塩から選ばれる1種又は2種以上を主成分とするものを使用することが出来、好ましくは、β−シトステロール、カンペステロールおよびスチグマステロール及びそれらのエステル塩から選ばれる1種又は2種以上を主成分とするものである。
また、本発明では植物性ステロールを固体のまま、若しくは、水やアルコールなどの溶媒に溶解/分散させた液体のいずれの状態でも添加しても良いが、水易溶性となるような加工を施した状態で添加することが好ましい。水易溶性となるような加工の方法としては、通常の方法を使用できるが、例えば、当該植物性ステロールと、グリセリン脂肪酸エステルやポリソルベート等の親油性乳化剤およびデキストリンを練り合わせ混合し篩分別したり、流動層造粒したり、噴霧乾燥したりして、粉末化した植物性ステロールを含有する易溶性の粉末とする方法(例えば、特願2004−085626号に記載の方法)や、植物性ステロールを融点以上の温度に加熱、融解した後、アラビアガム、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステルなどの乳化剤、水及び多価アルコールを含む液と混合し、乳化若しくは可溶化する方法、植物性ステロールと前記乳化剤とを混合した後、融点以上に加熱融解後、水及び多価アルコールを混合し、乳化若しくは可溶化する方法、植物性ステロール、前記乳化剤、水及び多価アルコールを混合した後、融点以上に加熱、融解後、乳化若しくは可溶化する方法などが挙げられるが、これらの方法に限定されない。水易溶性となるような加工を施した製品として、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製のサンステロール[商標]シリーズを挙げることができる。
植物性ステロールの乳飲料に対する添加量として、0.1〜5重量%、好ましくは、0.2〜3重量%、更に好ましくは、0.4〜2重量%を例示することができる。
本発明で使用するポリグリセリン脂肪酸エステルは、炭素数12〜14の脂肪酸を構成脂肪酸とすることを特徴とする。構成脂肪酸として、炭素数12〜14の飽和の直鎖脂肪酸が好ましく、ラウリン酸(炭素数12)、ミリスチン酸(炭素数14)を例示することができ、具体的には、ポリグリセリンラウリン酸エステル、ポリグリセリンミリスチン酸エステルを挙げることが出来る。これらは単独で使用しても良いし、2種類を組み合わせて使用することも可能であるが、更に好ましくは、構成脂肪酸がラウリン酸のものを使用するのが好ましい。
更に、本発明では、ポリグリセリン脂肪酸エステルが、(1)ポリグリセリンの重合度が3〜8である、(2)重合度と構成脂肪酸から算出する総炭素数が25〜40の範囲内である、の(1)と(2)のうち、少なくとも1つの条件を満たすものを使用することが好ましい。更には、(1)と(2)の両方の条件を満たすものを使用することが好ましい。なお、(2)について、総炭素数は、ポリグリセリンの重合度と構成脂肪酸より算出し、例えば、ポリグリセリンの重合度5で構成脂肪酸がラウリン酸(炭素数12)のポリグリセリン脂肪酸エステルの場合、総炭素数は27となる。
前述のグリセリン脂肪酸エステルの乳飲料に対する添加量は、添加する植物性ステロールの濃度や乳飲料の種類、製品の流通状態などによって異なるが、通常、0.005〜2重量%、好ましくは、0.01〜1重量%、より好ましくは、0.05〜1重量%を挙げることができる。これより配合量が少ないと所望の効果が望めず、これを越えるときは、ポリグリセリン脂肪酸エステル特有の風味が強くなり、最終飲食品の風味に影響を与える場合があるからである。
次に、本発明の乳飲料には、前述した特定のポリグリセリン脂肪酸エステルに加えて、有機酸モノグリセリド、ショ糖脂肪酸エステル及びカゼインナトリウムから選ばれる1種又は2種以上を含有する使用するのが好ましい。好ましくは、前述のポリグリセリン脂肪酸エステル、有機酸モノグリセリド、ショ糖脂肪酸エステル及びカゼインナトリウムの全てを含有するのが好ましい。これらを併用することにより、乳飲料中の植物性ステロールの乳化安定効果に補完的に作用し、また、常温流通やホットベンダーなどの高温保存を行う場合にも特に安定化効果が高まる。
本発明で使用する有機酸モノグリセリドとしては、コハク酸モノグリセリド、クエン酸モノグリセリド、ジアセチル酒石酸モノグリセリド、酢酸モノグリセリド、乳酸モノグリセリドなどの有機酸モノグリセリドから選ばれる1種又は2種以上を使用できるが、蒸留モノグリセリド、未蒸留モノグリセリドを使用することが出来る。中でも、コハク酸モノグリセリド及び/又は酢酸モノグリセリドを使用するのが好ましく、更には、コハク酸モノグリセリドを使用するのが好ましい。有機酸モノグリセリドの乳飲料に対する添加量としては0.005〜0.5重量%、好ましくは、0.02〜0.2重量%を挙げることが出来る。
本発明で使用するショ糖脂肪酸エステルとしては、HLBが13以上で、構成脂肪酸は、飽和脂肪酸で、炭素数が16〜22のものが好ましい。炭素数が16〜22の飽和脂肪酸の具体例としては、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキドン酸、ベヘニン酸、リグノセリン酸などが挙げられ、単独でも2種以上の混合物であってもよい。これらの中で特に好ましいのは、パルミチン酸、ステアリン酸である。ショ糖脂肪酸エステルは、常温流通やホットベンダーでの高温保存を行う場合に特に使用することが好ましい。ショ糖脂肪酸エステルの配合量は、乳飲料中の植物性ステロールの濃度や乳飲料種類、製品の流通状態によって異なるが、通常、乳飲料に0.005〜1重量%、好ましくは、0.02〜0.5重量%、を例示することができる。これより配合量が少ないと所望の効果が望めず、これを越えるときは、添加剤特有の風味が強くなり、最終飲食品の風味に影響を与える場合があるからである。
本発明で使用するカゼインナトリウムは、一般的に飲料用の乳化剤や安定剤として使用されているものを使用することができる。カゼインナトリウムの乳飲料に対する添加量は、添加する植物性ステロールの濃度や乳飲料の種類、製品の流通状態によって異なるが、通常、0.01〜1%、好ましくは、0.015〜0.7重量%、より好ましくは、0.05〜0.3重量%を挙げることができる。これより配合量が少ないと所望の効果が望めず、これを越えるときは、カゼインナトリウム特有の風味が強くなり、最終飲食品の風味に影響を与える場合があるからである。
更に、本発明は、前述する特定のグリセリン脂肪酸エステルを含有する植物性ステロール含有乳飲料用乳化剤に関する。本発明では当該乳化剤を単独で乳飲料製造時に添加しても良いし、必要に応じて、有機酸モノグリセリド、ショ糖脂肪酸エステル及びカゼインナトリウムから選ばれる1種又は2種以上と一剤化した乳化剤製剤として添加しても良い。なお、前述の特定のグリセリン脂肪酸エステル、有機酸モノグリセリド、ショ糖脂肪酸エステル、カゼインナトリウムは、商業上入手することができる。
なお、本発明は前述の特定のグリセリン脂肪酸エステルと、必要に応じて、有機酸モノグリセリド、ショ糖脂肪酸エステル及びカゼインナトリウムから選ばれる1種又は2種以上は、最終乳飲料中共存する状態であれば乳化安定効果を発揮するので、当該植物性ステロールの粉末化の際に添加しても良い。
本発明に係る植物性ステロール含有乳飲料は、前述の乳化剤に加えて、必要に応じて、糖類、甘味料、高甘味度甘味料、コーヒー、紅茶、ココア、抹茶、チョコレート、卵黄、卵白等の卵加工品、酸味料、調味料、色素、香料、果汁、ピューレ、保存料、エキス、糊料、pH調整剤、洋酒、ビタミン、その他ミネラル類等を任意に添加することができる。
糖類としては、砂糖、果糖、ブドウ糖、水飴、還元水飴、はちみつ、異性化糖、転化糖、オリゴ糖(イソマルトオリゴ糖、還元キシロオリゴ糖、還元ゲンチオオリゴ糖、キシロオリゴ糖、ゲンチオオリゴ糖、ニゲロオリゴ糖、テアンデオリゴ糖、大豆オリゴ糖等)、トレハロース、糖アルコール(マルチトール、エリスリトール、ソルビトール、パラチニット、キシリトール、ラクチトール等)、砂糖結合水飴(カップリングシュガー)等をあげることができる。
高甘味度甘味料としては、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、スクラロース、アリテーム、ネオテーム、カンゾウ抽出物(グリチルリチン)、サッカリン、サッカリンナトリウム、ステビア抽出物、ステビア末等を挙げることができる。
なお、前述以外の乳化剤として、本発明の効果を損なわず、補完できる範囲内で一般的に用いられているものを使用しても良い。具体的には、ジグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ステアロイル乳酸塩(ナトリウム塩、カルシウム塩)、ユッカ抽出物、サポニン、レシチン、ポリソルベート等を挙げることができる。
また、前述以外の安定剤として、本発明の効果を損なわず、補完できる範囲内で一般的に用いられているものを使用しても良い。具体的には、例えば、キサンタンガム、ネイティブジェランガム、脱アシル型ジェランガム、カラギナン、寒天、ゼラチン、ペクチン、タピオカ澱粉、コーンスターチ等の澱粉、乳清タンパク質、ローカストビーンガム、グァーガム、アラビアガム、グルコマンナン、タラガム、プルラン、タマリンドシードガム、トラガントガム、カラヤガム、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、マクロホモプシスガム、カルボキシメチルセルロース、微結晶セルロース、微小繊維状セルロース、発酵セルロース、大豆多糖類及びデキストリンなどが挙げることができる。
本発明の植物性ステロール含有乳飲料は、乳飲料を充填後、密封・密閉するものであれば特に限定されず、具体的には缶、ビン、紙パック、ペットボトル、ラミネートパック等、種々の保存容器が例示される。
更に、本発明に係る植物性ステロール含有乳飲料の製造方法として、植物性ステロールと、前述した特定のポリグリセリン脂肪酸エステルと、必要に応じて、更に、有機酸モノグリセリド、ショ糖脂肪酸エステル及びカゼインナトリウムから選ばれる1種又は2種以上を含有した状態で、均質化及び加熱殺菌を行うことを特徴とする。
均質化は、一般的な方法を用いることができる。例えば、市販のホモミキサーやホモゲナイザーにて処理する方法を挙げることができるが、2段均質化を行うのが好ましい。均質化条件として、例えば2段均質化を行う場合、60〜80℃で、第一段階 9.8×10Pa(100kgf/cm)、第二段階 4.7×10Pa(50kgf/cm)の計14.7×10Pa(150kgf/cm)を挙げることができる。また、均質化を数回繰り返しても良い。
加熱殺菌は、原材料を混合、均質化の後、容器に充填して密封したのち行うのが一般的である。加熱殺菌条件として、例えば、レトルト殺菌による場合は、121℃で30分間程度、また、原材料を混合後、プレート式熱交換器やチューブラ式熱交換器により加熱殺菌する場合は、低温流通品ならば130℃で2〜5秒程度、ペットボトルや缶等の常温流通品ならば、140℃で15〜60秒程度のUHT殺菌を行う方法、などのいずれの方法によってもよい。このような加熱を行っても、油脂分の凝集や沈殿が起こらず、長期間、植物性ステロールを安定に乳化できる乳飲料が提供できるようになった。
以下に、実験例及び実施例を用いて本発明を更に詳しく説明する。ただし、これらの例は本発明を制限するものではない。なお、実施例中の「部」「%」は、それぞれ「重量部」「重量%」、文中「*」印は、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製を意味する。
実験例1:植物性ステロール含有コーヒー飲料の調製
(1)製法
下記表1及び表2に掲げる処方にて、以下の方法によりコーヒー飲料の調製を行った。
A.コーヒーエキスの抽出
粗挽きしたL値20のコーヒー豆1000gに6倍重量の95℃熱湯を加え、濾過を行い、10分間後得たコーヒーエキスに対して、もう一度先ほどのコーヒー豆を加えて濾過を行い、20℃まで冷却してコーヒーエキスを調製した。
Brixは20℃にて測定し、添加量=(固形分/Brix)×100で計算した。
B.コーヒー乳飲料の調製
下記表1及び表2に掲げる処方の配合にて、水に、脱脂粉乳、全脂粉乳、乳化剤及び植物性ステロール含有粉末組成物を加え、80℃まで加温し10分間攪拌溶解した後、20℃まで冷却し、砂糖溶液、スクラロース、10%重曹溶液及びコーヒーエキスを加え、70℃に加温後、水にて全量補正して、第一段9.8×10Pa(100kgf/cm)、第二段4.7×10Pa(50kgf/cm)の圧力にて均質化した。均質化後、レトルト缶に充填し、室温まで冷却後、123℃20分間レトルト殺菌を行い、缶入りコーヒー乳飲料を調製した。
Figure 2006333828
注1)本実施例で使用する植物性ステロール含有粉末組成物として、植物性ステロール(製品名Corowise、粒子径25μm、純度88%;カーギル社製)60%、ポリグリセリン脂肪酸エステル(サンソフトQ18S、HLB12.0、モノステアリン酸デカグリセリン;太陽化学株式会社製)10%、デキストリン30%の噴霧乾燥品を使用した。
Figure 2006333828
(2)評価
得られた植物性ステロール含有コーヒー乳飲料について、60℃、37℃、25℃でそれぞれ2週間保存した後に開缶して、保存後の植物性ステロール結晶の状態を観察した。表2中の符号の説明として、析出した植物性ステロール結晶量が多い順に+++>++>+>±>−で表す。
(3)結果
表2に示す通り、使用するポリグリセリン脂肪酸エステルのうち、構成脂肪酸にラウリン酸又はミリスチン酸を使用したものが、保存後の植物性ステロール結晶の析出がみられないか、少なく良好であった。更には、構成脂肪酸にラウリン酸を使用し、ポリグリセリンの重合度3〜8の範囲に該当し、総炭素数25〜40のポリグリセリン脂肪酸エステルの範囲に該当するものが更に良好であった。それに対して、ポリグリセリン脂肪酸エステルの構成脂肪酸にパルミチン酸、ステアリン酸を使用したものは、保存中にステロール結晶が析出した。
保存中も長期間安定に植物性ステロールを乳化することが出来、品質保持性、安定性に優れた植物性ステロール含有乳飲料を通常の乳飲料の製造工程で製造できる。

Claims (5)

  1. 炭素数12〜14の脂肪酸を構成脂肪酸とするポリグリセリン脂肪酸エステルを含有することを特徴とする植物性ステロール含有乳飲料。
  2. 更に、ポリグリセリン脂肪酸エステルが、以下に掲げる(1)〜(2)の少なくとも1つの条件を満たすものを使用する、請求項1に記載の植物性ステロール含有乳飲料;
    (1)ポリグリセリンの重合度が3〜8である。
    (2)重合度と構成脂肪酸から算出する総炭素数が25〜40の範囲内である。
  3. 乳飲料中に含まれる植物性ステロールが、β−シトステロール、カンペステロール、スチグマステロール、プラシカステロール、シトスタノール、カンペスタノール及びそれらのエステル塩から選ばれる1種又は2種以上である、請求項1又は2に記載の植物性ステロール含有乳飲料。
  4. 更に、有機酸モノグリセリド、ショ糖脂肪酸エステル及びカゼインナトリウムから選ばれる1種又は2種以上を含有する請求項1乃至3のいずれかに記載の植物性ステロール含有乳飲料。
  5. 炭素数12〜14の脂肪酸を構成脂肪酸とするポリグリセリン脂肪酸エステルを含有することを特徴とする植物性ステロール含有乳飲料用乳化剤。


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