JP2006333273A

JP2006333273A - 振動体

Info

Publication number: JP2006333273A
Application number: JP2005156486A
Authority: JP
Inventors: Masaki Miura; 巨樹三浦
Original assignee: Citizen Electronics Co Ltd
Current assignee: Citizen Electronics Co Ltd
Priority date: 2005-05-30
Filing date: 2005-05-30
Publication date: 2006-12-07
Anticipated expiration: 2025-05-30
Also published as: CN1893736A; GB2427095B; GB0610216D0; KR20060125492A; US20060266967A1; JP4592088B2; US7576462B2; GB2427095A

Abstract

【課題】ケースがプラ成形で側壁の肉厚が厚く、重りの質量を確保するのが困難である。
【解決手段】碗形状をしたヨーク２と、ヨーク２の内部に順次積層される板状の磁石３およびトップレート４から構成される磁気回路部１と、磁気回路部１のヨーク２の側壁の内周部とトッププレート４の外周部との間に形成されるギャップｇ内に配置されるボイスコイル５と、磁気回路部１の外方でボイスコイル５を保持する振動板８と、ヨーク２の外周部に固定されたリング状の重り10を備え、磁気回路部１の外側のケース６は金属部材で、筒状側壁部６aとその底部にサスペンション９を一体に成形し、サスペンション９の底部でヨーク２に固定される。ケース６の筒状側壁部６aは薄肉に形成され、重り１０の収納容積を拡大して重りの体積を増加させることができ、振動値の向上が可能である。また、インサートモールドが不要で、部品および実装コストの軽減を図ることができる。
【選択図】図１

Description

本発明は、携帯電話やＰＤＡなどの移動通信機器に組み込まれ、パネルや電話機の筐体等を振動させることにより、着信を知らせる振動体に関する。

従来、携帯電話やＰＤＡなどの移動通信機器には、使用者に着信を知らせるのに、ブザー音やメロディ音を発したり、音を出さずに機器の筐体を振動させるように切り替えて使用するように構成されている。そのために、小型スピーカに類する音響発生用のスピーカと、偏心重りを小型モータで回転させて振動を発生する振動体を合わせて内蔵する構造が取られてきた。しかし、このようにスピーカと振動体との両方を組込むことは機器の小型化や低価格化の上で不利であった。そこで、近年１個のもので音響と振動の両方を発生させる磁気駆動型アクチュエータである多機能振動アクチュエータ（振動体）が用いられるようになっている。（例えば、特許文献１参照）
特開２００３−２５１２７８号（第３、４頁、図１〜図３）

上記した特許文献１に開示されている多機能振動アクチュエータの構造は、図３〜図５で示される。アクチュエータは、１２は筒状側壁部１２aを有するプラスチック樹脂で成形されたケース（振動伝達部）であり、１３は振動板で音響出力用のものであり、ケース１２に周縁部を固着され、ボイスコイル１４が一体化されている。１５は円筒状の永久磁石であり、円筒の軸方向に磁化され、高透磁率材料よりなる円筒型カップ状のヨーク１６の中心部に固着されている。１７はトッププレートで高透磁率材料よりなる磁極片で、永久磁石１５の上面に固着されている。

前記永久磁石１５、トッププレート１７及びヨーク１６で磁気回路部１８を構成する。ヨーク１６にはサスペンション１９が固着されている。サスペンション１９はヨーク１６の外側に向かって延びる複数の腕部を有し、この腕部の外端はケース１２にインサートモールドなどにより固着されている。従って、磁気回路部１８はサスペンション１９の腕状部に弾性的に懸架され、一体となって軸方向に振動することができる。２０は前記ケース１２の上部に取着された上面カバー、２１は下面に取着された背面カバーである。

前記ヨーク１６の外周のリング状の部分は付加質量１６aで、磁気回路部１８の主要部の外側を占め、ここでヨーク１６は全体が鉄やタングステン合金などの高比重の磁性材料により一体的な部材からなっており、可動部となる磁気回路部１８の質量を大きくすることにより、漏洩磁束の発生を抑制できてアクチュエータ全体の厚みを縮小化した上で大きな振動を発生することができる。

前記永久磁石１５が生成する磁束はトッププレート１７の周囲側面とヨーク１６のカップ状の上端付近に集中され、強力な磁界が形成される。この磁気ギャップg内にボイスコイル１４が挿入されており、ボイスコイル１４に音響周波数の信号電流が流れると振動板１３が振動し音響を発する。

図４に示すアクチュエータは、上記した磁気回路部１８を構成するヨーク１６のリング状の部分の付加質量１６a部分を別体の部材として付加質量部材１６bを結合したものである。具体的には、低比重の磁性材料からなる碗形状のヨーク１６の外周部に結合固定された円環板状の付加質量部材１６bが鉄やタングステン合金などの高比重の磁性材料からなっている。

上記したように、付加質量部材１６bとして鉄やタングステン合金などの高比重の磁性材料を使用することにより、図３に示す従来構造の場合と同等の振動の大きさを得るために磁気回路部１８の厚さ方向における可動変位を小さくできるため、その分、アクチュエータ全体が小型化（薄型化）された構成となっている。

図５に示すアクチュエータは、図４で説明した高比重の磁性材料からなる円環状の別体の付加質量１６b部分に代えて、鉄やタングステン合金など高比重の磁性材料からなる重り２２を固定した点が相違している。特に、鉄より高比重の磁性材料であるタングステン合金を用いた場合にはより大きな振動を得ることができる。

上記したアクチュエータは、従来構造の場合と同等の振動の大きさを得るために磁気回路部の厚さ方向における可動変位を小さくできるため、その分、アクチュエータ全体が小型化（薄型化）された構成となっている。

解決しようとする問題点としては、上記した特許文献１に開示したアクチュエータの構造において、プレス加工で形成したサスペンション１９（図６参照）を、筒状側壁部１２aを有するケース（振動伝達部）１２にインサートモールドする場合、ケース１２は、通常、プラスチック成形において、側面方向からの実用強度を確保するために、筒状側壁部１２aの肉厚は所定の厚みを必要とする。そのため重りを収納する容積部分が制限されて、振動体の性能に影響する重りの体積をより大きく確保することができなくなるなどの問題があった。

本発明は、上述の欠点を解消するもので、その目的は、金属材料を使用し、プレス加工でサスペンションをケースと一体成形して、筒状側壁部の肉厚をプラスチックより薄肉にすることにより、重り収納容積を拡大して重りの体積を増加させることを可能にする。そうすることにより、部品コスト、実装コストの低減が実現され、振動値の向上を図ることができる信頼性に優れた、安価な振動体を提供するものである。

上記目的を達成するために、本発明における振動体は、碗形状をしたヨークと、該ヨークの内部に順次積層される板状の磁石およびトップレートから構成される磁気回路部と、該磁気回路部のヨークの側壁の内周部とトッププレートの外周部との間に形成される空隙内に配置されるボイスコイルと、前記磁気回路部の外方でボイスコイルを保持する振動板と、筒状側壁部を有するケースに保持され、前記磁気回路部を保持するサスペンションと、前記ヨークの外周部に固定されたリング状の重りを備えた振動体において、前記ケースを金属部材で形成すると共に、筒状側壁部の底部にサスペンションを一体に成形したことを特徴とするものである。

また、前記ケースを金属部材よりなる薄板で形成することにより、重り収納容積を拡大して重りの体積を増加させることを特徴とするものである。

本発明の振動体は、ケースを金属部材で形成し筒状側壁部の肉厚を従来のプラスチックより薄肉にして、その分、重りを収納する容積を拡大して重りの体積を効果的に増加させることにより、振動値の向上を可能にする。また、金属ケースの筒状側壁部の底部にサスペンションを一体に成形することにより、従来のようにインサートモールド加工はなくなり、部品および実装コスト軽減が実現でき、信頼性に優れた、安価な振動体を提供することができる。

本発明の振動体について、図面に基づいて説明する。

図１、図２は、本発明の実施例に係わり、図１は、振動体の断面図、図２は、振動体を構成するケースの斜視図である。図１、図２において、従来例と同様に、この振動体の磁気回路部１は、略碗形状をしたヨーク２と、該ヨーク２の内部に順次積み重ねられる平板状の磁石３およびトップレート４から構成される。そして、この磁気回路部１と、ヨーク２の側壁の内周部と平板状のトッププレート４の外周部との間に形成される空隙（ギャップ）ｇ内にボイスコイル５を配設する。このボイスコイル５は、エナメル被覆銅線であるコイル巻線を矩形断面を有する環状に巻回した空芯ボイスコイルであり、該ボイスコイル５は前記磁気回路部１の外方で金属部材よりなるケース６の上方において、BSリング７を介して、薄い平板状の振動板８に固定されている。

図２に示すように、前記ケース６は金属部材よりなり、その形状は、金属薄板をプレスで深絞り加工して形成した筒状側壁部６aと、該筒状側壁部６aの底部６bにサスペンション９を一体に曲げ成形する。サスペンション９の形状は、同心の内部リング部と外部リング部と、両リング部を連結する円弧状のアーム部とよりなり、内周リング部で前記磁気回路部１のヨーク２に固定されている。

１０は、内径部１０ａで前記ヨーク２の外周に固定された付加質量としてのリング状の重りであり、該重り１０は、前記金属部材よりなるケース６の筒状側壁部６aの肉厚が、従来のプラスチック成形され樹脂ケースの肉厚に比較して薄く形成できるので、その分、前記重り１０の外周を大きく設定することができ、重りとしての十分な質量を有効に確保することが可能である。

以上述べた構成の振動体の作用・効果について説明する。本発明の振動体は、ケース６の筒状側壁部６aの肉厚を可能な限り薄くできるので、重りとして外周部を大きくして、十分な質量が確保でき振動値の向上が可能である。また、サスペンションをケースと一体成形することにより、インサートモールドなどのプラスチック部品の削減ができ、部品コストおよび実装コストの軽減を図ることができる。従って、簡略化構造により、信頼性に優れた、安価な振動体を提供することが可能である。

本発明の実施例に係わる振動体を断面図である。図１のケースの斜視図である。従来例の振動体の断面図である。従来の他の振動体の断面図である。従来の更に他の振動体の断面図である。図５のサスペンションの斜視図である。

符号の説明

１磁気回路部
２ヨーク
３磁石
４トップレート
５ボイスコイル
６ケース
６ａ筒状側壁部
６ｂ底部
７ BSリング
８振動板
９サスペンション
１０重り
g ギャップ

Claims

碗形状をしたヨークと、該ヨークの内部に順次積層される板状の磁石およびトップレートから構成される磁気回路部と、該磁気回路部のヨークの側壁の内周部とトッププレートの外周部との間に形成される空隙内に配置されるボイスコイルと、前記磁気回路部の外方でボイスコイルを保持する振動板と、筒状側壁部を有するケースに保持され、前記磁気回路部を保持するサスペンションと、前記ヨークの外周部に固定されたリング状の重りを備えた振動体において、前記ケースを金属部材で形成すると共に、筒状側壁部の底部にサスペンションを一体に成形したことを特徴とする振動体。
前記ケースを金属部材よりなる薄板で形成することにより、重り収納容積を拡大して重りの体積を増加させることを特徴とする請求項１記載の振動体。