JP2006332035A - 燃料電池用セパレータ、その製造方法及びそれを用いた燃料電池 - Google Patents

燃料電池用セパレータ、その製造方法及びそれを用いた燃料電池 Download PDF

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Abstract

【課題】 ガスシ−ル性、導電性及び機械的強度を保持しつつ、薄肉化可能で、厚み精度が高く、信頼性の高い燃料電池用セパレ−タとその製造方法及びそれを用いた燃料電池を提供する。
【解決手段】 導電性粉粒体と熱可塑性樹脂とを含む成形材料を成形してなる燃料電池用セパレ−タ1であって、前記セパレ−タの表面が導電性粉粒体に富み、表面から内部に向かって導電性粉粒体の含有量が連続的又は段階的に傾斜変化していることを特徴とする燃料電池用セパレ−タ、その製造方法及び燃料電池。
【選択図】図3

Description

本発明は、電気自動車用電源、ポータブル電源、非常用電源等に用いる燐酸型燃料電池、ダイレクトメタノ−ル型燃料電池、固体高分子型燃料電池等の燃料電池に用いる燃料電池用セパレータとその製造方法及びそれを用いた燃料電池に関する。
水素と酸素との電気化学反応により得られるエネルギーを電力として取り出す所謂燃料電池は、ポ−タブル機器、自動車等種々の用途に広く使用されると予想されている。この燃料電池は、電解質膜、電極及び少なくとも片面に燃料(水素ガス等)、酸化剤(空気又は酸素)並びにセルを冷却する為の冷媒用流路が形成されたセパレータからなる基本構成単位(以下単セルという)を直列に数十から数百セル積層することにより実用的な電圧を確保するのが一般的である。
従って、これらの燃料電池に用いられるセパレータには、燃料電池の発電効率を高める為、導電性が求められると同時に、ガスシール性を有することが求められている。また、近年、各種用途向けに燃料電池の小型化が要求され、それに伴いセパレータの薄肉化も求められている。更に、上記した如く、実用的な電力を得る為の燃料電池は、通常複数枚のセパレ−タを厚み方向に積層して用いられる為、セパレ−タの機械的強度が要求されると共に、単セル間の接触抵抗を低減する必要から、厚み精度の向上が要求されている。
これまで燃料電池のセパレータとしては、初期にはカーボン粉末を焼成した板材にガスの通路を切削加工した、所謂カーボン粉末焼結型板材が用いられたが、ガスシール性に劣るものであり、板材自体が脆く、切削加工やセル組立作業で欠損し易いために薄肉化にも限界があるものであった。またカーボン粉末を焼成した板材にガスの通路を切削加工することが必要となる為、製造工程が煩雑であった。
そこで近年は、ガスシール性を向上させる為に、導電性材料と樹脂バインダ−とから構成されるモ−ルド成形品の適用が提案されている。かかる樹脂バインダ−としては、フェノ−ル樹脂、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、ポリイミド樹脂、フラン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂が最初に使用され、その後各種の熱可塑性樹脂が使用されつつある。
他方、導電性の向上に関しては、導電性材料の使用量を樹脂バインダ−に対して増加させることにより可能ではあるが限界がある。つまり導電性材料を増加させ過ぎると、セパレータ強度が低下してガスシ−ル性も低下するといった問題がある。逆にセパレ−タ強度を重視した場合には、導電性材料の使用料を減少させることにより可能ではあるが、その場合には、導電性が低下するといった問題があった。
従って、導電性材料は、導電性とセパレ−タ強度とのバランスに基づき、樹脂バインダ−との特定の比率で使用されているのが実情であった。
そこで、導電性を改良する方法として、導電性材料の使用量を調整するのではなく、セパレ−タと電解質膜を挟持した電極との間の接触抵抗を減少させることにより導電性を低下する方法が種々提案されている。
例えば反応ガスの流路構造体と電極との接触部にカ−ボン粒子を介在させる方法(例えば特許文献1参照)、電極部と接触する面の表面粗さを所定範囲にしたセパレータ(例えば特許文献2参照)が挙げられる。またカーボン粒子を内部に比べ外表面に多く含有するようにして、外表面の導電性の向上を図り、内部の強度を向上したセパレータ(例えば特許文献3参照)、黒鉛と樹脂とからなるセパレ−タで、樹脂が当接する電極部との接触面より非接触面に多く含まれるセパレータ(例えば特許文献4参照)等が挙げられる。
しかし、これらの提案により、セパレ−タのガスシ−ル性や導電性の向上ができても、依然として、セパレ−タの薄肉化やその厚み精度を向上させることは困難である。特に、特許文献3に記載の発明では、燃料電池用セパレータの外表面部分と内部部分は組成部材の割合の差が非常に大きいため、得られた燃料電池セパレータが燃料電池スタックに実装運転時に、燃料電池の起動・停止の繰返しにより生じる(加)熱・冷却がセパレータの外表面と内部の熱膨張または収縮の差も大きくなり、セパレータの外表面と内部との界面に層間剥離が起こりやすく、セパレータの信頼性を劣ってしまい、燃料電池の発電特性に悪影響を与えるという問題が発生しやすい。
特開平7−22042号公報 特開平11−297338号公報 特開2000−323150号公報 特開2003−151574号公報
本発明は、ガスシ−ル性、導電性及び機械的強度を保持しつつ、薄肉化可能で厚み精度が高く、信頼性の高い燃料電池用セパレ−タとその製造方法及びそれを用いた燃料電池の提供を目的とするものである。
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、導電性粉粒体の量を内部と表面とで傾斜変化させると、ガスシ−ル性、導電性及び機械的強度を保持することができ、且つ薄肉で厚み精度と信頼性の高い燃料電池用セパレ−タが得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、導電性粉粒体と熱可塑性樹脂とを含む成形材料を成形してなる燃料電池用セパレ−タであって、前記セパレ−タの表面が導電性粉粒体に富み、表面から内部に向かって導電性粉粒体の含有量が連続的又は段階的に傾斜変化していることを特徴とする燃料電池用セパレ−タを提供するものである。また本発明は、導電性粉粒体の含有量の異なる二種類以上の導電性粉粒体を含む熱可塑性樹脂シートを積層し成形することにより燃料電池用セパレータを製造する方法であって、導電性粉粒体の含有量が最も少ない熱可塑性樹脂シート1の両面に、前記樹脂シート1より導電性粉粒体の含有量が多い熱可塑性樹脂シート2を配し、次いで前記樹脂シート2の外面に、前記熱可塑性樹脂シート2より導電性粉粒体の含有量が多い熱可塑性樹脂シート3を配することにより、導電性粉粒体の含有量が段階的に傾斜変化するように積層した多層熱可塑性樹脂シートを作製する第一工程、前記多層熱可塑性樹脂シートを金型内に配置し、加熱溶融し、加圧成形する第二工程を順次実施することを特徴とする燃料電池用セパレータの製造方法を提供するものである。
さらに本発明は、電解質膜の両面に電極が配置され、前記電極がセパレ−タで挟持された単位セルを積層してなる燃料電池であって、前記セパレ−タが、導電性粉粒体と熱可塑性樹脂とを含む成形材料を成形してなるセパレータであって、表面が導電性粉粒体に富み、表面から内部に向かって導電性粉粒体の含有量が連続的又は段階的に傾斜変化しているセパレータであることを特徴とする燃料電池を提供するものである。
本発明の燃料電池用セパレータは、優れたガスシール性、導電性及び機械的強度を保持し、且つ従来になく薄肉で、高い厚み精度を有するものである。また本発明の燃料電池用セパレータの製造方法はこのような燃料電池用セパレータを容易に得ることができるものである。かかる燃料電池用セパレ−タは、ポ−タブル電池、自動車用電源、非常用電源等の燃料電池に有効に用いることができる。
以下本発明を詳細に説明する。
本発明の燃料電池用セパレータは、導電性粉粒体と熱可塑性樹脂とを含む成形材料を成形してなるものであり、表面が導電性粉粒体に富み、表面から内部に向かって導電性粉粒体が連続的又は段階的に傾斜変化しているものである。
本発明で用いる成形材料に含まれる導電性粉粒体としては、例えば炭素材料、金属、金属化合物などの粉粒体等を挙げることができ、これらの導電性粉粒体の1種あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。又、本発明の目的を逸脱しない範囲内で該導電性粉粒体に非導電性粉粒体あるいは半導電性粉粒体を混合して使用してもよい。
非導電性粉粒体としては、例えば炭酸カルシウム、シリカ、カオリン、クレー、タルク、マイカ、ガラスフレーク、ガラスビーズ、ガラスパウダー、ハイドロタルサイト、ウオラストナイト等が挙げられる。
半導電性粉粒体としては、例えば酸化亜鉛、酸化錫、酸化チタン等が挙げられる。
該導電性粉粒体の大きさは、特に制限されないが、導電性と機械的性質の点で平均粒子径が1〜800μmの範囲のものが好ましい。
前記の炭素材料としては、例えば人造黒鉛、天然黒鉛、ガラス状カーボン、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラックなどが挙げられる。これらの炭素材料を単独で、もしくは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの炭素材料の粉粒体の形状に特に制限はなく、箔状、鱗片状、板状、針状、球状、無定形等の何れであってもよい。また、黒鉛を化学処理して得られる膨張黒鉛も使用することができる。導電性を考慮すれば、より少量で高度の導電性を有するセパレータが得られるという点で、人造黒鉛、天然黒鉛、膨張黒鉛が好ましい。
本発明で使用する導電性粉粒体の使用量は、導電性及び機械的性質とのバランスの点で、通常、成形材料中50〜80体積%である。
また前記の金属、金属化合物としては、例えば、アルミニウム、亜鉛、鉄、銅、金、ステンレス、パラジウム、チタンなど、更には、チタン、ジルコニウム、ハフニウム等のホウ化物などが挙げられる。これらの金属、金属化合物を単独で、もしくは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの金属、金属化合物の粉粒体の形状に特に制限はなく、箔状、鱗片状、板状、針状、球状、無定形等の何れであってもよい。更に、これらの金属、金属化合物が非導電性あるいは半導電性材料の粉粒体表面に被覆されたものも使用可能である。
本発明で用いる成形材料に含まれる熱可塑性樹脂としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、シクロオレフィンポリマー、ポリスチレン、シンジオタクティックポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ABS樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、変性ポリフェニレンエーテル、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキシレンテレフタレート、ポリフェニレンスルフィド、ポリチオエーテルサルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルニトリル、ポリアリレート、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、熱可塑性ポリイミド、液晶ポリマー、ポリテトラフルオロエチレン共重合体、ポリビニリデンフルオライドなどのフッ素樹脂、全芳香族ポリエステル、半芳香族ポリエステル、ポリ乳酸、ポリエステル・ポリエステルエラストマー、ポリエステル・ポリエーテルエラストマーなどの熱可塑性エラストマーなどの樹脂が挙げられる。熱可塑性樹脂は、単独でもしくは2種以上を組み合わせて用いることができる。
かかる熱可塑性樹脂は、用いる燃料電池の動作温度に対する耐熱性や耐久性に応じて、適宜選択して用いることができる。例えば、燐酸型燃料電池に用いる場合においては、耐蝕性、耐熱性の点から、ポリフェニレンスルフィド樹脂が好ましく、また固体高分子型燃料電池に用いる場合においては、耐蝕性、機械的強度の点からポリフェニレンスルフィド樹脂やポリプロピレンの如きポリオレフィン樹脂が好ましい。後者の場合、ポリフェニレンスルフィド樹脂は、融点以上に加熱、加圧し賦型する時、樹脂溶融物の導電性粉粒体への親和性が大きく、導電性粉粒体が均一に分散し、セパレータの導電性や機械的強度を高めるので、特に好ましい。
本発明の燃料電池用セパレータは、表面が導電性粉粒体に富み、表面から内部に向かって導電性粉粒体が連続的又は段階的に傾斜変化していることを特徴とするものである。
ここで「表面」とは、導電性粉粒体の体積含有量が最も多い最外層部を意味する。また「内部」とは、表面以外の部分を意味する。
本発明の燃料電池用セパレ−タの表面の導電性粉粒体の含有量は、使用する熱可塑性樹脂の密度により変化するが、セパレータの導電性及び成形材料の取扱性の点で、70〜80体積%であることが好ましい。また燃料電池用セパレ−タの内部の導電性粉粒体の含有量は、薄型燃料電池用セパレ−タとして実用性のある導電性が得られる為には、50〜60体積%であることが好ましい。
燃料電池用セパレータにおいて、かかる表面から内部に向かって導電性粉粒体が連続的又は段階的に変化する傾斜構造を形成するためには、1)導電性粉粒体の含有量が異なる2種類以上の熱可塑性樹脂シートを用いて、導電性粉粒体量の最も少ない熱可塑性樹脂シートの両面に、順次これより導電性粉粒体の多い熱可塑性樹脂シートを積層して得られる多層熱可塑性樹脂シートを成形する方法、2)導電性粉粒体量の少ない熱可塑性樹脂を射出成形し、型を若干開き、導電性粉粒体量の多い熱可塑性樹脂を射出成形する方法、3)導電性粉粒体の含有量が異なる薄い板状材料を接着する方法等が挙げられるが、高い導電性を得ることができ、薄肉化が可能である点で、1)の方法が好ましい。
次に前記1)の方法について説明する。
本発明の燃料電池用セパレータの製造方法は、導電性粉粒体の含有量の異なる二種類以上の導電性粉粒体を含む熱可塑性樹脂シートを積層し成形することにより燃料電池用セパレータを製造する方法であって、導電性粉粒体の含有量が最も少ない熱可塑性樹脂シート1の両面に、前記樹脂シート1より導電性粉粒体の含有量が多い熱可塑性樹脂シート2を配し、次いで前記樹脂シート2の外面に、前記熱可塑性樹脂シート2より導電性粉粒体の含有量が多い熱可塑性樹脂シート3を配することにより、導電性粉粒体の含有量が段階的に傾斜変化するように積層した多層熱可塑性樹脂シートを作製する第一工程と、前記多層熱可塑性樹脂シートを金型内に配置し、加熱溶融し、加圧成形する第二工程からなるものである。
以下第一工程について詳細に説明する。
導電性粉粒体を含む熱可塑性樹脂シートの熱可塑性樹脂としては、前記熱可塑性樹脂を使用することができる。
熱可塑性樹脂シートは1種類の樹脂からなるもののみではなく、2種類以上の樹脂を混合したシ−トや2種類以上の樹脂を層状に形成した複合シートも使用することができる。熱可塑性樹脂シートは、通常押出機中で溶融させた樹脂を所定の厚みのスリット状ダイスを通して押し出し加工することにより得ることができる。
導電性粉粒体を含む熱可塑性樹脂シートとしては、イ)熱可塑性樹脂シートの片面又は両面に、導電性粉粒体を散布し、表面を加熱し樹脂を溶融させて導電性粉粒体を固着したもの、ロ)熱可塑性樹脂シートの片面又は両面に、導電性粉量体を含む塗料を塗布したもの、ハ)導電性粉流体と熱可塑性樹脂とを予め加熱・混練してから、加圧ロールなどの方法で内部に導電性粉粒体を分散させた熱可塑性樹脂シート等が挙げられる。これらのうち、成形品中で、導電性粉粒体の粒子径を保持し、導電性を向上することができる点で、イ)の熱可塑性樹脂シートの片面又は両面に、導電性粉粒体を散布し、表面を加熱し樹脂を溶融させて導電性粉粒体を固着したものが好ましい。
以下熱可塑性樹脂シートの片面又は両面に、導電性粉粒体を散布し、表面を加熱し樹脂を溶融させて導電性粉粒体を固着したものについて説明する。
この場合熱可塑性樹脂シートとして、空隙がシート表面にランダムに存在していることが好ましい。
熱可塑性樹脂シ−トの空隙率は、樹脂シ−トにより多量の導電性粉粒体を付着できる点、導電性粉粒体の樹脂シ−トへの固定が容易になる点、樹脂シ−トおよびシ−ト状成形材料の取扱い性等から、30〜90%が好ましく、更に好ましくは50〜85%である。
熱可塑性樹脂シ−トの空隙の大きさは、使用する導電性粉粒体の大きさを考慮して決定される。即ち、大きい導電性粉粒体を用いる場合は樹脂シ−トの空隙を大きく、小さい導電性粉粒体を用いる場合は樹脂シ−トの空隙を小さくする。
本発明においては、前記の導電性粉粒体の平均粒子径の範囲から、空隙の大きさは10〜800μmであることが好ましく、50〜500μmが特に好ましい。
空隙の大きさが、この範囲にあれば、導電性粉粒体を樹脂シートの上に均一に散布することができ、また、粉粒体が樹脂シートの中から抜け落ちることが少なく、均質なシート状成形材料を得ることができる。
また樹脂シートの厚さは、5〜300μmであることが好ましく、5〜200μmであることが特に好ましい。樹脂シートの厚さが5〜300μmの範囲であれば、厚み精度を保持し易く、且つ最終的に得られるセパレ−タの導電性を確保することができる点で好ましい。より厚い樹脂シ−トを用いると、シ−トを複数枚積層してセパレ−タ形状に成形した時に、炭素粒子同士の接点を充分確保することができず、セパレ−タの導電性が低下する。
本発明に使用する樹脂シートの形態は、合成樹脂のシ−ト、合成繊維の織物、不織布などが挙げられる。これらのうち、取扱い性に優れ、空隙率が高い点で不織布が好ましい。
本発明で使用する不織布とは、繊維同士を化学的方法、機械的方法、又はそれらの組み合わせにより結合や絡み合わせを行った構造物をいうものである。
不織布の繊維は、導電性粉粒体を保持することができれば、その形状に特に制限はないが、一般的には、0.001〜1.0mmの範囲の直径を有する繊維が使用される。
また不織布の厚さは、不織布の目付及び空隙率と導電性粉粒体の粒子径を適切に選定することにより変更することが可能である。最終的に得られるセパレ−タの厚みを2mm以下にできる厚さであることが好ましい。
前記不織布は、いかなる種類の不織布でもよく、例えば接着剤によって接合されたもの、ニードルパンチ等により機械的に接合されたもの、スパンボンドのように直接溶融によって接合されたものがいずれも使用できる。不織布の厚みの均一性の観点から、スパンボンドのように直接溶融によって接合された不織布が好ましい。
不織布を構成する樹脂繊維の種類は特に制限されないが、容易に繊維化することができる点で、熱可塑性樹脂繊維が好ましい。熱可塑性樹脂繊維の熱可塑性樹脂としては、前記樹脂シートの熱可塑性樹脂として例示したものを使用することができる。
また組成の異なる複数の繊維を組み合わせて用いても良い。この場合、繊維の融点が10℃以上、好ましくは30℃以上異なる繊維を組み合わせるのが好ましい。特に、芯部が高融点で、鞘部が低融点の繊維で構成された繊維を用いた不織布が、シ−ト表面に散布した導電性粉粒体をシ−トに付着させる際に、低融点の繊維を溶融させても芯部の高融点繊維の形態が保持でき、不織布の形態を維持させやすく、かつその表面に導電性粉粒体を容易に付着させることができるので好ましい。
さらに不織布として、炭素繊維を含む不織布を用いても良い。炭素繊維を用いることにより、成形時の熱膨張を抑えることができ、また成形品の強度を向上させることができる。かかる炭素繊維としては、ピッチ系炭素繊維、レーヨン系炭素繊維、ポリアクリロニトリル系炭素繊維等を挙げることができ、これらを単独、又は2種以上の混合物として用いることができる。
また導電性粉粒体を含む不織布としては、導電性粉粒体の破砕が少なく、その粒子径が保持され易い点で、前記の少なくとも片面に導電性粉粒体を散布し、固着した不織布、又は内部に導電性粉粒体を分散させた不織布であることが好ましい。
内部に導電性粉粒体を分散させた不織布は、例えば導電性粉粒体と熱可塑性樹脂繊維とを圧縮空気と共にノズルから気体中に噴出させ、熱可塑性樹脂繊維同士又は熱可塑性樹脂と導電性粉粒体とを絡み合わせ、シート状に堆積させることにより得ることができる。
本発明の燃料電池用セパレータの製造方法は、前記のとおり、まず導電性粉粒体量の異なる2種以上の熱可塑性樹脂シートを積層し、多層熱可塑性樹脂シートとするものである。
導電性粉粒体量の異なる熱可塑性樹脂シートは、例えば前記イ)の方法の場合は、次の方法で作成することができる。例えば表面に内部と同じ粒子径の導電性粉粒体を使用する場合、熱可塑性樹脂シートの単位面積あたりの重さ(目付)を調整することにより、所定の導電性粉粒体含有率の熱可塑性樹脂シートを作製する方法、熱可塑性樹脂シートの単位面積あたりの重さが一定の場合、導電性粉粒体の平均粒径を選択することにより所定の導電性粉粒体含有率の熱可塑性樹脂シートを作製する方法が挙げられる。
具体的には、前者の方法では、熱可塑性樹脂シートの目付を小さくすることにより導電性粉粒体の含有量を高くすることができ、後者の方法では平均粒径を大きくすることにより導電性粉粒体の含有量を高くすることができる。
前記二つのうち、いずれかの方法で得られた導電性粉粒体量の異なる熱可塑性樹脂シートを用いることにより、本発明の燃料電池用セパレータに用いる多層熱可塑性樹脂シートを得ることができる。
熱可塑性樹脂シートを積層成形する工程において、表層と内部とで導電性粒子の含有量が異なるセパレータを用いた燃料電池の運転・停止の温度変化に対し表層材料と内部材料の間の剥離、いわゆる層間剥離の危険を低下させるためには、表層と内部との導電性粒子の含有量の差は小さい方が好ましい。表層と内部の導電性粒子の含有量を傾斜させる効果を有効に発揮させ、かつ上記の危険を低減するには、積層する熱可塑性樹脂シート間の導電性粉粒体の含有量の差は、10体積%未満であることが好ましい。
前記導電性粉粒体量の異なる熱可塑性樹脂シートを積層するには、手作業または自動積層機を用いて行うことができる。
前記多層熱可塑性樹脂シートの層は、導電性と強度とのバランスを向上させると共に、導電性粉粒体量の差による各層間の剥離を防止するためには、少なくとも5層以上であることが必要である。
本発明の特徴である多層熱可塑性樹脂シ−ト間における導電性粉粒体量の段階的な傾斜変化は、導電性粉粒体量の異なる樹脂シ−トの種類を増せば増すほど、より段階差が小さくなり、次第に連続的な変化に近づくが、実際上は、導電性粉粒体量の異なる樹脂シ−トの調製、それらの積層等の工程が煩雑になり、最終的な燃料電池用セパレ−タの生産性が著しく悪くなる為、経済性とセパレ−タ性能とのバランスの点から、樹脂シ−トの種類・数が決められる。
更に、本発明の燃料電池用セパレータの製造方法は、上記熱可塑性樹脂に導電性繊維を併用することが好ましい。導電性繊維を併用することにより、導電性粉粒体を保持しつつ、燃料電池用セパレータの導電性及び機械的性質をより向上させることができる。この場合、熱可塑性樹脂及び導電性繊維に導電性粉粒体を保持した熱可塑性樹脂シートが得られるものである。
かかる導電性繊維としては、例えばステンレスなどの各種金属繊維、アクリル繊維を原料とするPAN系炭素繊維、石炭や石油ピッチ、もしくはナフタレン系ピッチを原料とするピッチ系炭素繊維、フェノール樹脂を原料とする炭素繊維、レーヨン系炭素繊維、気相成長法炭素繊維などの各種炭素繊維、ポリアセチレン、ポリフェニレン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリアセンなどの各種導電性高分子の繊維、無機または有機繊維に金属を蒸着またはメッキした繊維などが挙げられる。これらを単独で、もしくは2種以上組み合わせて用いることができる。これらのなかで、耐蝕性の点から炭素繊維が好ましく、さらに導電性を考慮するとピッチ系炭素繊維が特に好ましい。
このピッチ系炭素繊維のなかでも、絡み合いが均一で導電性粉粒体を保持しやすい点から、曲線状の炭素繊維が好ましい。ここで曲線状の炭素繊維とは、一本の繊維のアスペクト比が50以上で直線状炭素繊維に比べて比容積が大きいもの、詳細にはアスペクト比を500に換算して比容積が9cm3/g以上となるものを指す。かかる曲線状の炭素繊維の製法としては、例えば渦流法等が挙げられる。かかる曲線状の炭素繊維の直径は、導電性の点で小さい程好ましく、具体的には直径1μ〜20μの範囲のものが好ましい。また、導電性粉粒体を保持し、導電性に優れるという点から、アスペクト比が10以上のものが50重量%以上あることが好ましい。
本発明の燃料電池用セパレ−タの具体的な製造方法としては、まず第一工程として、異なった量の導電性粉粒体を保持した不織布を多種類形成する。次にそれらの不織布をセパレ−タ形状に合わせた所定の寸法に裁断し、樹脂シートを作製する。次いで導電性粉粒体の含有量が最も少ない樹脂シ−トを、1枚以上中央部に設置して、その両面に、少なくとも1種以上(好ましくは2種以上)の前記樹脂シ−トよりも導電性粉粒体の含有量が多い樹脂シ−トをそれぞれ1枚以上積層して、さらにその両外面に、前記積層された外面の樹脂シートより導電性粉粒体の含有量が多い樹脂シートを1枚以上積層して、各シ−ト間において導電性粉粒体の含有量が段階的に傾斜変化するように積層した多層熱可塑性樹脂シ−トを作製するものである。積層する層は、少なくとも5層であり、さらに前記多層熱可塑性樹脂シートの両外面に、多層熱可塑性樹脂シートの外面の樹脂シートより導電性粉粒体の含有量が多い樹脂シート4を配し、必要により以後得られる樹脂シートの両面に最も外側の樹脂シートより導電性粉粒体の含有量が多い樹脂シートを順次配した、7層以上の多層樹脂シートであることが、各層間の剥離を防止するためには好ましい。
次に本発明の燃料電池用セパレータの製造方法の第二工程は、第一工程で得られた多層熱可塑性樹脂シ−トを金型内に配置し、加熱溶融し、加圧成形するものである。
前記多層熱可塑性樹脂シ−トの加圧成形の方法としては、従来から実施されているプレス成形、スタンパブル成形等が挙げられる。
本発明の燃料電池用セパレータの製造方法により、導電性粉粒体を熱可塑性樹脂マトリックスに高密度に均一に分散させることができるので、導電性粉粒体同士の接触点を充分確保すると共に、熱可塑性樹脂が水平方向の連続層を形成することが可能であるのみならず、導電性粉粒体の含有量が同一の不織布同士を重ね合わせた場合や、導電性粉粒体の含有量が異なる不織布同士をそれぞれ重ね合わせた場合でも、導電性粉粒体が熱可塑性樹脂マトリックス中に均一に分散した状態で、熱可塑性樹脂が積層方向の連続層を形成することが可能となる。
その結果、導電性粉粒体の含有量が、表面を最大量とし、内部中央を向かって、段階的に傾斜変化する多層熱可塑性樹脂シートを作製することができ、この樹脂シートを用いることによって、高度な導電性とガスシ−ル性及び機械的強度を保持し、且つ薄肉で厚み精度の高い燃料電池用セパレータを得ることができる。
本発明で得られるセパレータの厚さ方向の体積抵抗率は200mΩ・cm以下であることが好ましく、100mΩ・cm以下であることが特に好ましい。体積抵抗率が200mΩ・cmを超える場合は導電性能に劣るものとなる。
またセパレータの厚さは、薄肉で小型電池を得る点で、0.02〜2.0mmが好ましく、特に0.1〜1.0mmの範囲が好ましい。
本発明で得られるセパレータのガス透過率は10−3cm/sec・cm・atm以下なる範囲が好ましい。
前記セパレータは、燃料電池の基本構成単位、即ち単セルのみから構成される燃料電池に使用できるのは勿論であるが、かかる単セルを複数積層した燃料電池に使用することができる。
燃料電池は、燃料を改質して得られた水素を主燃料として、この水素が酸素と反応した時の化学エネルギーを電力として取り出す発電方式を利用するものであり、通常この発電を生ぜしめる単セルを直列に複数重ねたスタック構造とし、スタックの両端に設けた集電板で集電することにより形成されるものである。
本発明で得られる燃料電池用セパレータの形状は、特に制限はなく、例えば図2に示すような、ガス又は液体の供給路を片面又は両面に有する形状のものが挙げられ、本発明の製造方法は、かかるいわゆるリブ付き形状を有するセパレータを製造するのに特に好ましい方法である。
また固体高分子型燃料電池セルの構造の一例を図3に示す。燃料電池の基本構成単位である単セル2は、固体高分子電解質膜3、燃料極4、酸化剤極5からなる電解質膜電極接合体6の両面をセパレータ1で挟んだ構造を持つ。また、酸化剤極5側に設置したセパレータの酸化剤極5の反対面に冷却媒体として、水を導入することにより燃料電池から熱を取り出すことができる。このように構成された単セル2を複数、直列に積層したセルスタック7(燃料電池スタック)の一例を図4に示す。
また、本発明で得られる燃料電池用セパレータは、具体的には、ヒドラジン型、直接メタノール型、アルカリ型、固体高分子型、リン酸型等、種々の形式の燃料電池用セパレータとして使用できる。
本発明の燃料電池は、衝撃に対して強くかつ小型化が可能であるため、例えば電気自動車用電源、ポータブル電源、非常用電源等の他、人工衛星、飛行機、宇宙船等各種の移動体用電源として使用できる。
以下、本発明を実施例で説明する。また、文中「部」及び「%」とあるのは、特段の断りがない限り重量基準のものである。
実施例中のガス透過性試験、導電性評価試験、曲げ試験、厚みバラツキ、熱/冷負荷による成形品の層間変化の測定方法、導電性粉粒体の体積%及び評価基準は、以下のとおりである。
[ガス透過性試験]
後記実施例で得られた平板状成形品を試験片とし、JIS K−7126に準拠してガス透過率を測定した。
[導電性評価試験]
後記実施例で得られた平板状成形品から幅50mm、厚み1.00mm、長さ80mmの試験片を切り出し、この試験片について、JIS K−7194−1994に準拠して体積抵抗率を測定した。
[曲げ試験]
後記実施例で得られた平板状成形品から、幅25mm、長さ70mm、厚さ1.00mmの試験片を切り出し、JIS K−6911に準拠して曲げ強さを測定した。
[厚みバラツキ]
後記実施例で得られたリブ付き成形品を試料として、図5(a)のとおり所定の方法で選んだ長さ方向の64カ所(●印)で、当該リブ付き成形品を一定の力で押さえることができるリニアゲ−ジを用いて測定した。
尚、用いたリニアゲ−ジの測定子形状、測定子直径、測定圧力はそれぞれ、円柱状、直径5mm、圧力8ニュ−トンとした。
ここで言う厚みバラツキとは、成形品1枚中の最大厚さと最小厚さとの差を意味し、下式(I)により算出した。
厚みバラツキ=最大厚さ−最小厚さ (I)
この場合の厚さとは、平坦部では片面の平坦部からもう一方の面の平坦部までの厚さを言い、リブ部溝部では、図5(a)における矢印部分の断面図である図5(b)において、リブ部の頂点(8)からもう一方のリブ部の頂点(9)までの厚さを言うものである。
[熱/冷負荷による成形品の層間変化]
後記実施例で得られたリブ付き成形品を試料として、燃料電池スタックに実装し、100回ON/OFF(加熱/冷却)運転した後、セパレータの断面を光学顕微鏡[(株)キーエンス製]により層間の変化を観察した。
[導電性粉粒体の体積%]
後記実施例で得られた成形品を切断し、断面写真を撮るための試料5個を作成した。この試料を、光学顕微鏡[(株)キーエンス製]を用い、各試料の断面の各層画像をコンピューターに取り込んだ後、画像解析ソフト[(株)プラネトン製]で各層の人造黒鉛の占める平均の面積%を測定し、この値から体積%を算出した。
実施例1
導電性粉粒体として人造黒鉛(無定形、平均粒子径150μm)を82部、ポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂繊維(直径10μm)からなる不織布を18部とを形成したシート状成形材料(A)を、同上の人造黒鉛を78部、同上のポリフェニレンスルフィド樹脂繊維からなる不織布を22部とを形成したシート状成形材料(B)を、更に、同上の人造黒鉛を75部、同上のポリフェニレンスルフィド樹脂繊維からなる不織布25部とを形成したシート状成形材料(C)を得た。そして、それぞれの不織布を、多数枚、セパレータ形状に合わせた所定の寸法に裁断した。
次いで、Aを3枚重ねた上に、Bを3枚重ね、更にその上に、Cを3枚重ね、次にその上に、Bを3枚重ねて、最後にその上に、Aを3枚重ねたものを準備し、それを加熱炉中で300℃に加熱し、ポリフェニレンスルフィド樹脂を充分に溶融させ、直ちにプレス成形機に装着された150℃に加熱した金型に供給し、40MPaで加圧することにより賦形し冷却固化させ、図2に示す形状を有する幅15cm、厚さ1.00mm、長さ15cmのリブ付成形品を得た。成形サイクルは30秒であった。他方、前記と同様の操作を行い、幅15cm、厚さ1.00mm、長さ15cmの平板状成形品も別に成形した。この平板状成形品の表面のA層の人造黒鉛の量は、73体積%であった。またB層及びC層の人造黒鉛の量は、それぞれ68体積%、64体積%であった。
該平板状成形品のガス透過率は1.7×10−5 cm/sec・cm・atm、体積抵抗率は6mΩ・cm、曲げ強さは62MPaであり、該リブ付成形品の厚みバラツキは0.009mmであった。
断面写真の目視観察により、セパレータの膨れや層間剥離を認められなかった。
実施例2
不織布の原料として、実施例1と同様の人造黒鉛72部、曲状のメソフェーズピッチ系炭素繊維(直径10μm、長さ3mm)9部、ポリフェニレンスルフィド樹脂繊維(直径10μm)からなる不織布19部とを形成したシート状成形材料Aを、同上の人造黒鉛70部、同上の炭素繊維8部、同上のポリフェニレンスルフィド樹脂繊維からなる不織布22部とを形成したシート状成形材料Bを、更に、同上の人造黒鉛70部、同上の炭素繊維5部、同上にポリフェニレンスルフィド樹脂繊維からなる不織布25部とを形成したシート状成形材料Cを作成した点を除き、実施例1と同様にして、A、B及びCを重ね合わせて成形操作を行い、リブ付成形品及び平板状成形品を作製した。この平板状成形品の表面のA層の人造黒鉛の量は、60体積%であった。またB層及びC層の人造黒鉛の量は、58体積%であった。また、A層、B層及びC層の炭素繊維の量は、それぞれ12、10,6体積%であった。
該平板状成形品のガス透過率は2.6×10−4cm/sec・cm・atm、体積抵抗率は12Ω・cm、曲げ強さは70MPaであり、該リブ付成形品の厚みバラツキは0.012mmであった。
断面写真の目視観察により、セパレータの膨れや層間剥離を認められなかった。
実施例3
不織布の原料として、実施例1と同様の人造黒鉛88部、ポリプロピレン樹脂繊維(直径10μm)12部とを形成したシート状成形材料Aと、同上の人造黒鉛85部、同上のポリプロピレン樹脂繊維15部とを形成したシート状成形材料Bと、更に、同上の人造黒鉛82部、同上のポリプロピレン樹脂繊維18部とを形成したシート状成形材料Cを得た。そして、それぞれの不織布を、多数枚、セパレ−タ形状に合わせた所定の寸法に裁断した。
次いで、Aを3枚重ねた上に、Bを3枚重ね、更にその上に、Cを3枚重ね、次にその上に、Bを3枚重ねて、最後にその上に、Aを3枚重ねたものを準備し、それを加熱炉中で180℃に加熱し、ポリプロピレン樹脂を充分に溶融させ、直ちにプレス成形機に装着された80℃に加熱された金型に供給し、40MPaに加圧することで賦形し冷却固化させ、図2に示す形状を有する幅15cm、厚さ1.00mm、長さ15cmのリブ付成形品を得た。成形サイクルは30秒であった。他方、前記と同様の操作を行い、幅15cm、厚さ1.00mm、長さ15cmの平板状成形品も別に作製した。この平板状成形品の表面のA層の人造黒鉛の量は、75体積%であった。またB層及びC層の人造黒鉛の量は、それぞれ70体積%、63体積%であった。
該平板状成形品のガス透過率は2.5×10-5 cm/sec・cm・atm、体積抵抗率は8mΩ・cm、曲げ強さは46MPaであり、該リブ付成形品の厚みバラツキは0.011mmであった。断面写真の目視観察により、セパレータの膨れや層間剥離を認められなかった。
実施例4
不織布の原料として、実施例1と同様の人造黒鉛78部、曲状のメソフェーズピッチ系炭素繊維(直径10μm、長さ3mm)9部、ポリプロピレン樹脂繊維からなる不織布13部とを形成したシート状成形材料Aを、同上の人造黒鉛78部、同上の炭素繊維7部、同上のポリプロピレン樹脂繊維からなる不織布15部とを形成したシート状成形材料Bを、更に、同上の人造黒鉛76部、同上の炭素繊維5部、ポリプロピレン樹脂繊維からなる不織布19部とを形成したシート状成形材料Cを作成した点を除き、実施例3と同様にして、A、B及びC重ね合わせて、成形操作を行い、リブ付成形品及び平板状成形品を作製した。この平板状成形品の表面のA層の人造黒鉛の量は、59体積%であった。B層及びC層の人造黒鉛の量は、それぞれ59体積%、56体積%であった。また、A層、B層及びC層の炭素繊維の量は、それぞれ14、11,7体積%であった。
該平板状成形品のガス透過率は3.9×10−5cm/sec・cm・atm、体積抵抗率は14mΩ・cm、曲げ強さは56MPaであり、該リブ付成形品の厚みバラツキは0.014mmであった。断面写真の目視観察により、セパレータの膨れや層間剥離を認められなかった。
比較例1
実施例1で用いた人造黒鉛82部、ポリフェニレンスルフィド樹脂繊維からなる不織布18部とを用いて、実施例1と同様にして、シート状成形材料Aを、又、同上の人造黒鉛38部、同上のポリフェニレンスルフィド樹脂繊維からなる不織布62部とを用いて、同様にして、シート状成形材料Dを形成後、多数枚、セパレ−タ寸法に合わせた所定寸法に用意した。
次いで、Aを5枚重ねた上に、Dを5枚重ねて、更にその上にAを5枚重ねたものを準備し、それを実施例1と同様の成形操作を行い、リブ付成形品及び平板状成形品を作製した。
該平板状成形品のガス透過率は、1.9×10−5cm/sec・cm・atm、体積抵抗率は100mΩ・cmを超える物であり、曲げ強さは80MPaであり、該リブ付成形品の厚みバラツキは0.010mmであった。断面写真の目視観察により、セパレータの膨れや層間剥離を認められた。
比較例2
実施例1で用いた人造黒鉛と同様の人造黒鉛80部とポリフェニレンスルフィド樹脂ペレット20部を、2軸押出機中で溶融混練しシート状成形物を得た。該シート状成形物をセパレータ形状に合わせた所定の寸法に裁断した後、プレス成形により実施例1と同様の操作を行い、実施例1と同様のリブ付成形品及び平板状成形品をそれぞれ作製した。
該平板状成形品のガス透過率は8.7×10−6cm/sec・cm・atm、体積抵抗率は100mΩ・cmを越える物であり、曲げ強さ57MPaであり、該リブ付成形品の厚みバラツキは0.108mmであった。断面写真の目視観察により、セパレータの膨れや層間剥離を認められなかった。
Figure 2006332035
註:* 単位:10-5cm3/sec・cm2・atm
** 単位:mΩ・cm
本発明に係わる多種類の熱可塑性樹脂シートを積層した多層樹脂シートの概念図である。 本発明の一実施形態に係わる、リブ付燃料電池用セパレータを示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係わる、燃料電池セル構造を示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係わる、燃料電池スタック構造を示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係わる、厚み測定点を記入したリブ付燃料電池用セパレータの平面図(a)とその断面図(b)である。
符号の説明
1・・・セパレータ
2・・・単セル
3・・・固体高分子電解質膜
4・・・燃料極
5・・・酸化剤極
6・・・電解質膜電極接合体
7・・・燃料電池スタック
8・・・リブ部の頂点
9・・・リブ部の頂点


Claims (10)

  1. 導電性粉粒体と熱可塑性樹脂とを含む成形材料を成形してなる燃料電池用セパレータであって、前記セパレータの表面が導電性粉粒体に富み、表面から内部に向かって導電性粉粒体の含有量が連続的又は段階的に傾斜変化していることを特徴とする燃料電池用セパレータ。
  2. 前記セパレータの表面の導電性粉粒体の含有率が、70〜80体積%である請求項1記載の燃料電池用セパレータ。
  3. 前記セパレータの内部の導電性粉粒体の含有率が、50〜60体積%である請求項1又は2記載の燃料電池用セパレータ。
  4. 導電性粉粒体の含有量の異なる二種類以上の導電性粉粒体を含む熱可塑性樹脂シートを積層し成形することにより燃料電池用セパレータを製造する方法であって、導電性粉粒体の含有量が最も少ない熱可塑性樹脂シート1の両面に、前記樹脂シート1より導電性粉粒体の含有量が多い熱可塑性樹脂シート2を配し、次いで前記樹脂シート2の外面に、前記熱可塑性樹脂シート2より導電性粉粒体の含有量が多い熱可塑性樹脂シート3を配することにより、導電性粉粒体の含有量が段階的に傾斜変化するように積層した多層熱可塑性樹脂シートを作製する第一工程、
    前記多層熱可塑性樹脂シートを金型内に配置し、加熱溶融し、加圧成形する第二工程を順次実施することを特徴とする燃料電池用セパレータの製造方法。
  5. 前記熱可塑性樹脂シート1、熱可塑性樹脂シート2及び熱可塑性樹脂シート3の各シート間の導電性粉粒体の含有量の差が、10体積%以下である請求項4記載の燃料電池用セパレータの製造方法。
  6. 前記熱可塑性樹脂シートが、不織布である請求項4又は5記載の燃料電池用セパレータの製造方法。
  7. 前記熱可塑性樹脂シートが、導電性繊維を含む請求項4〜6のいずれか1項に記載の燃料電池用セパレータの製造方法。
  8. 前記熱可塑性樹脂シート3の外面に、樹脂シート3より導電性粉粒体の含有量が多い熱可塑性樹脂シート4を配し、以後得られる積層樹脂シートの両面に最も外側の樹脂シートより導電性粉粒体の含有量が多い樹脂シートを順次配する請求項4〜7のいずれか1項に記載の燃料電池用セパレータの製造方法。
  9. 前記燃料電池用セパレ−タが、リブ付き燃料電池用セパレ−タである請求項4〜8のいずれか1項に記載の燃料電池用セパレ−タの製造方法。
  10. 電解質膜の両面に電極が配置され、前記電極がセパレ−タで挟持された単位セルを積層してなる燃料電池であって、前記セパレ−タが、導電性粉粒体と熱可塑性樹脂とを含む成形材料を成形してなるセパレータであって、表面が導電性粉粒体に富み、表面から内部に向かって導電性粉粒体の含有量が連続的又は段階的に傾斜変化しているセパレータであることを特徴とする燃料電池。

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