本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて詳細に説明する。図1から図11は発明を実施する形態の一例であって、図中、同一の符号を付した部分は同一物を示す。なお、本発明はこれら実施形態および実施形態中に記載の数値に何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施しうる。なお、実施形態と請求項の関係は次の通りである。
実施形態1は主に請求項1及び7、8などに関する。実施形態2は主に請求項2及び7、8などに関する。実施形態3は主に請求項3及び7、8などに関する。実施形態4は主に請求項4及び7、9などに関する。実施形態5は主に請求項5及び7、9などに関する。実施形態6は主に請求項6及び7、9などに関する。実施形態7は主に請求項7などに関する。
≪実施形態1≫
<実施形態1の概念>本実施形態は、入力される又は出力するデジタル信号のデータレート値をデータレート値取得部で取得し、取得したデータレート値に基づいて第一制御部にて第一モータ部を制御し、制御された回転数で回転する回転ディスクへデジタル信号の書き込み又は読み出しを行う電子機器に関する。
<実施形態1の構成>図1に本実施形態にかかる電子機器の機能ブロック図を例示する。本実施形態に示す電子機器(0100)は、「データレート値取得部」(0101)、「第一制御部」(0102)、「第一モータ部」(0103)、「回転ディスク」(0104)を有する。
<実施形態1の構成の説明>「データレート値取得部」(0101)とは、記録媒体との間でやり取りするデジタル信号のデータレート値を取得する機能を有する。データレート値取得部では、入力されたデジタル信号(0105)又は出力するデジタル信号(0106)を構成する情報の中に含まれるデータレートに関する情報からデータレート値を読み取る。「データレート」とは、単位時間当たりに転送されるデータ数で、音声や動画の圧縮技術における品質や圧縮率を示すときに使われる。「データレート値」とは、デジタル信号が持つデータレートを示す数値情報をいい、10Mbpsなどと表現する。具体的にはデータレート値は、デジタル信号のメタ情報から読み取る。メタ情報には、デジタル信号に関する様々な管理情報が記述されており、データレート値についてもメタ情報に記述されている。
例えば、デジタル放送信号には、映像情報、音声情報のほかにも、放送局のチャンネル信号や番組の解像度情報などのメタ情報が含まれる。なお、本実施形態においては、原則としてデジタル信号がメタ情報などによりデータレートに関する情報を含む場合を想定しているが、デジタル信号のメタ情報にデータレート値が含まれていない場合や、メタ情報そのものを有していない場合には、入力されたデジタル信号の単位時間当たりに転送されるデータ数を測定してデータレート値を計算してもいいし、デジタル信号が、アナログ信号等をMPEG(Moving Picture Experts Grope)等へデジタル変換したものであれば、変換時に設定したデータレート値を用いてもよい。
また、一つのデジタル信号に複数のデータレート値が含まれている場合が考えられる。例えば、デジタル放送信号の場合であれば、一つの放送番組であってもCM中と本編のデータレート値が異なる場合が想定され、それぞれがメタ情報に含まれたデータレート値を有している場合が考えられる。この場合には、一つのデジタル信号から複数のデータレート値を取得することができる。
なお、デジタル信号とは、デジタル放送やインターネットを通じて配信される情報、CD、DVD、MO、MD等の記録媒体に記録されている情報等であって、電子的に記録されうる全ての電子データ類を含む。データレート値取得部の具体例としては、DEMUXなどの多重化されたデータを分離することができる機器が挙げられる。
「第一制御部」(0102)は、データレート値取得部にて取得したデータレート値に基づいて第一モータ部を制御する機能を有する。第一制御部はデータレート値に応じて回転ディスクの回転数を決定し、決定した回転数によって第一モータ部を制御する。データレート値取得部で取得したデータレート値が高い場合には、データ処理量が多いと想定されるため、回転ディスクの回転数は高く設定され、データレート値が低い場合には、データ処理量が少ないと想定されるため、回転ディスクの回転数は低く設定される。なお、記録媒体にハードディスクを用いる場合には、ディスクの回転数を調節することができるハードディスクコントローラが第一制御部に好適である。
「第一モータ部」(0103)は、回転ディスクを駆動する機能を有する。第一モータ部は、決められた回転数で回転ディスクを回転させるために、第一制御部により制御される。なお、記録媒体にハードディスクを用いる場合には、ディスクを回転させるスピンドルモータが第一モータ部に好適である。
「回転ディスク」(0104)とは、光磁気的、磁気的等に記録再生できる媒体であって、モータによって回転可能なディスクをいう。記録媒体にハードディスクを用いる場合には、ハードディスクが有するプラッタと呼ばれるディスクが回転ディスクに好適である。
<実施形態1から3の処理の流れ>図10に実施形態1から3に記載のいずれか一にかかる電子機器の処理の流れを示す。前記電子機器は、回転ディスクをモータにより駆動し記録媒体として利用する電子機器であって、まず、記録媒体との間でやり取りするデジタル信号のデータレート値を取得し(S1001、データレート値取得ステップ)、次に、データレート値取得ステップにて取得したデータレート値に基づいてモータを制御する(S1002、第一制御ステップ)。
<実施形態1の具体例>外部からデジタル信号が電子機器に入力されると、データレート値取得部では、デジタル信号に含まれるメタ情報からデジタル信号のデータレート値を取得する。データレート値取得部にて取得したデータレート値は、第一制御部に伝達される。第一制御部では、伝達されたデータレート値に応じて回転ディスクの回転数を決定し、決定した回転数で第一モータ部を制御する。第一モータ部では、第一制御部にて決定された回転数に基づいて回転ディスクを回転させ、回転ディスクへデジタル信号が書き込まれる。このとき、デジタル信号に含まれるメタ情報も回転ディスクへ書き込まれるため、デジタル信号を出力する場合にはこのメタ情報からデータレート値を取得することができる。
入力されたデジタル信号を出力する場合には、データレート値取得部にてデジタル信号記録時に映像信号や音声信号とともに記録されたメタ情報からデータレート値を取得する。取得したデータレート値は、データレート値取得部から第一制御部へ伝達され、第一制御部ではデータレート値に応じた回転ディスクの回転数を決定する。第一制御部は、決定した回転数に応じて第一モータ部を制御する。第一モータ部では決定された回転数に基づいて回転ディスクを回転させ、回転ディスクからデジタル信号が読み出され、デジタル信号が出力される。なお、デジタル信号の出力先は外部であってもよいし、電子機器自体が映像表示装置や音声出力装置を有して出力してもよい。
なお、デジタル信号のメタ情報にデータレート値が含まれていない場合やメタ情報そのものを有していない場合にデータレート値を測定する場合、又は、データレート値を有している場合であってもデータレート値を取得する前の状態では、データレート値を取得するまでの間はデータレート値に応じた回転の制御をすることができないため、回転ディスクを最大の回転数で回転させておき、データレート値が判明した後にデータレート値に応じた制御を行う。
<実施形態1の効果>本実施形態にかかる電子機器では、入力される又は出力するデジタル信号のデータレート値を取得し、取得したデータレート値に基づいて第一モータ部を制御することによって、不必要に記録媒体を高速回転させることがなく、消費電力の削減、記録媒体の発熱量の低下という優れた効果を奏し得る。
≪実施形態2≫
<実施形態2の概念>本実施形態は、実施形態1にかかる電子機器の機能に加え、第一制御部に第一回転数決定手段を有し、取得したデータレート値と第一回転数決定手段により決定された回転数に基づいて第一制御部にて第一モータ部を制御し、回転ディスクへのデジタル信号の書き込み又は読み出しを行う電子機器に関する。
<実施形態2の構成>図2に本実施形態にかかる電子機器の機能ブロック図を例示する。本実施形態に示す電子機器(0200)の構成は、実施形態1にかかる電子機器の構成中の第一制御部に、「第一回転数決定手段」(0207)を加えた構成となっている。
<実施形態2の構成の説明>「第一回転数決定手段」(0207)とは、データレート値に基づいて回転ディスクの回転数を決定する第一制御部(0202)が有する機能である。第一回転数決定手段では、必要に応じて一つ又は複数の、回転数を決定するためのパラメータを第一制御部に設定しておく(以下、このパラメータを「第一回転数決定パラメータ」という)。「第一回転数決定パラメータ」とは、第一制御部において回転ディスクの回転数を決定するための判断基準となるデータレート値に関連するパラメータであり、第一回転数決定パラメータとデータレート値とを比較して回転ディスクの回転数を決定する。
実施形態2の他の構成については、実施形態1の構成と同様であるため省略する。
<実施形態2の具体例>本実施形態にかかる電子機器の具体例は、実施形態1に係る電子機器における具体例と同様である。ただし、第一制御部が第一回転数決定手段を有することを特徴とする。第一制御部では、第一回転数決定手段により、データレート値取得部にて取得されたデータレート値と、第一回転数決定パラメータと、を比較することにより、回転ディスクの回転数を決定し、第一モータ部(0203)を制御する。
以下にデータレート値が2Mbps、8Mbps、12Mbps、24Mbpsのデジタル信号が入力される可能性がある場合の例を示す。例えば、回転ディスクの回転数に、高速回転モードと低速回転モードの2モードがあると仮定した場合では、第一回転数決定手段には1つの第一回転数決定パラメータを設定することにより、高速回転モードか低速回転モードかのいずれか一方を特定することができる。ここで、仮に第一回転数決定パラメータを10Mbpsとし、入力されたデジタル信号のデータレート値が10Mbpsよりも大きい場合には、高速回転モードと決定し、データレート値が10Mbps以下の場合には、低速回転モードと決定するように設定する。すると、入力されたデジタル信号のデータレート値が12Mbps、24Mbpsのときには高速回転モードと決定し、データレート値が2Mbps、8Mbpsの場合には、低速回転モードと決定することができる。また、回転ディスクの回転数に、上記2モードに加えて、中速回転モードを設定する場合には、同様に第一回転数決定手段には2つの第一回転数決定パラメータを設定することにより回転数を決定することが可能である。
<実施形態2の効果>本実施形態にかかる電子機器では、実施形態1にかかる電子機器の機能に加えて、第一制御部での処理において、第一回転数決定パラメータを設定することによって、よりデータレート値に応じた回転数で第一モータ部を制御することができる。すなわち、第一回転数決定パラメータを複数設定することで、よりきめ細かな回転数制御を行うことが可能となるという優れた効果を奏し得る。
≪実施形態3≫
<実施形態3の概念>本実施形態は、実施形態1又は2に記載のいずれか一にかかる電子機器の機能に加え、第一制御ルール保持手段及び第一制御ルール管理手段を有し、取得したデータレート値と、第一制御ルールと、を参照して決定した回転数に基づいて第一制御部にて第一モータ部を制御し、回転ディスクへのデジタル信号の書き込み又は読み出しを行う電子機器に関する。
<実施形態3の構成>図3に本実施形態にかかる電子機器の機能ブロック図を例示する。本実施形態に示す電子機器(0300)の構成は、実施形態1又は2のいずれか一にかかる電子機器の構成中の第一制御部(0302)に、「第一制御ルール保持手段」(0308)及び「第一制御ルール管理手段」(0309)を加えた構成となっている。
<実施形態3の構成の説明>「第一制御ルール保持手段」(0308)は、第一制御ルールを保持する機能を有する。第一制御ルール保持手段には、一つ又は複数の第一制御ルールを保持する。第一制御部では、第一制御ルール保持手段に保持された第一制御ルールを参照して、回転ディスクの回転数の決定をすることができる。本実施形態では、図4に示すように第一制御ルール保持手段にはテーブルを用いる。「第一制御ルール」とは、第一モータ部を制御するための条件である。
「第一制御ルール管理手段」(0309)とは、第一制御ルール保持手段にて保持されている第一制御ルールを管理する機能を有する。第一制御ルールの管理とは、第一制御ルールの追加、変更、削除を表す。第一制御ルール管理手段を有することにより、入力される又は出力するデジタル信号に応じた設定を変更することができる。第一制御ルール管理手段によって、図4のテーブルを図5のように修正することが可能となる。なお、第一制御ルールの管理は、外部からの入力によって管理されてもいいし、内部において管理してもよい。外部からの入力による場合には、ユーザがルールの変更を入力すると、第一制御ルール管理手段においてルール管理命令へ変換し、ルール管理命令によって第一制御ルール保持手段が保持している第一制御ルールを変更する。また、内部において管理する場合とは、例えば、電子機器内の他の部位の稼働率が高くなった場合には、第一制御ルールを減らして頻繁に回転数を変更させないようにする場合などが想定される。
実施形態3の他の構成については、実施形態1又は2に記載のいずれか一にかかる電子機器の構成と同様であるため省略する。
<実施形態3の具体例>本実施形態に係る電子機器の具体例は、実施形態1又は2に記載のいずれか一に係る電子機器における具体例と同様である。ただし、第一制御部が第一制御ルール保持手段および第一制御ルール管理手段を有することを特徴とする。
第一制御部は、データレート値取得部にて取得されたデータレート値と、第一制御ルール保持手段に保持された第一制御ルールとを照らし合わせることにより、回転ディスクの回転数を決定する。例えば、第一制御ルールが、図4に示す第一制御ルールテーブル1(0410)のように記録されている場合について説明する。実施形態2と同様にデータレート値が2Mbps、8Mbps、12Mbps、24Mbpsのデジタル信号を受信する可能性がある場合の例を示す。データレート値が2Mbpsの場合には、第一制御ルールテーブル1を参照すると、ルール2が適用され、第一制御部は第一モータ部の回転数を5400rpmで制御する。同様に、8Mbps、12Mbpsの場合には、ルール3が適用され、24Mbpsの場合には、ルール4が適用される。
この第一制御ルールテーブルは、第一制御ルール管理手段により、第一制御ルールの変更、追加、削除を行うことができる。例えば、図4の第一制御ルールテーブル1のルール4を削除し、ルール3が適用されるデータレート値を「8Mbps以上」と修正すると、第一制御ルールテーブル1が変更され、図5に示すように第一制御ルールテーブル2(0510)となる。このとき、データレート値が24Mbpsの場合には修正前の第一制御ルールテーブル1では制御ルール4が適用されていたが、修正後の第一制御ルールテーブル2では制御ルール3が適用される。
<実施形態3の効果>本実施形態にかかる電子機器では、実施形態1又は2に記載のいずれか一に係る電子機器の機能に加えて、第一制御部において第一制御ルール保持手段及び第一制御ルール管理手段の機能を有する。これにより、第一制御ルールを詳細に設定し、第一モータ部のよりきめ細かな制御を可能とするとともに、第一制御ルール管理手段にて第一制御ルールを追加、変更、削除することができるため、設定後に入力される又は出力するデジタル信号のデータレート値が一様に変更された場合等であっても第一制御ルールを修正することで対応が可能となるという優れた効果を奏し得る。
≪実施形態4≫
<実施形態4の概念>本実施形態は、実施形態1にかかる電子機器におけるデータレート値取得部に代え、データ量値取得部を有し、取得したデータ量値に基づいて第二制御部にて第二モータ部を制御し、回転ディスクへデジタル信号の書き込み又は読み出しを行う電子機器に関する。
<実施形態4の構成>図6に本実施形態にかかる電子機器の機能ブロック図を例示する。本実施形態に示す電子機器(0600)は、「データ量値取得部」(0601)、「第二制御部」(0602)、「第二モータ部」(0603)、「回転ディスク」(0604)を有する。
<実施形態4の構成の説明>「データ量値取得部」(0601)とは、記録媒体との間でやり取りするデジタル信号のデータ量値を取得する機能を有する。データ量値取得部では、入力されたデジタル信号(0605)又は出力するデジタル信号(0606)の転送量から、デジタル信号のデータ量値を取得する。「データ量」とは、デジタル信号のデータの大きさを表す。「データ量値」とは、デジタル信号が持つデータ量を示す数値情報をいい、10Mbyteなどと表現する。データ量値取得部の具体例としては、CPU等の演算処理装置が挙げられる。
本実施形態では原則として、デジタル信号の入力時のデータ量値は、デジタル信号の転送量によって得られることを想定しているが、デジタル信号を構成する情報の中にデータ量に関する情報が含まれている場合には、デジタル信号に含まれるデータ量に関する情報からデータ量を取得してもよい。また、デジタル信号の出力時には記録されたデジタル信号はデータ量値を有するため、データ量値取得部では原則としてデジタル信号に含まれるデータ量値を取得するが、データ量値が記録されていない場合や不明な場合にはデジタル信号の転送量からデータ量値を測定して取得してもよい。
「第二制御部」(0602)は、データ量値取得部にて取得したデータ量値に基づいて第二モータ部を制御する機能を有する。第二制御部は、データ量値に応じて回転ディスクの回転数を決定し、決定した回転数によって第二モータ部を制御する。データ量値取得部で取得したデータ量値が高い場合には、データ処理量が多いと想定されるため、回転ディスクの回転数は高く設定され、データ量値が低い場合には、データ処理量が少ないと想定されるため、回転ディスクの回転数は低く設定される。なお、記録媒体にハードディスクを用いる場合には、ディスクの回転数を調節することができるハードディスクコントローラが第二制御部に好適である。
「第二モータ部」(0603)は、回転ディスクを駆動する機能を有する。第二モータ部は、決められた回転数で回転ディスクを回転させるために、第二制御部により制御される。なお、記録媒体にハードディスクを用いる場合には、ディスクを回転させるスピンドルモータが第二モータ部に好適である。
実施形態4の他の構成については、実施形態1から3に記載のいずれか一にかかる電子機器の構成と同様であるため省略する。
<実施形態4から6の処理の流れ>図11に実施形態4から6に記載のいずれか一にかかる電子機器の処理の流れを示す。前記電子機器は、回転ディスクをモータにより駆動し記録媒体として利用する電子機器であって、まず、記録媒体との間でやり取りするデジタル信号のデータ量値を取得し(S1101、データ量値取得ステップ)、次に、データ量値取得ステップにて取得したデータ量値に基づいてモータを制御する(S1102、第二制御ステップ)。
<実施形態4の具体例>外部からのデジタル信号が電子機器に入力されると、データ量値取得部にて、デジタル信号の転送量からデジタル信号のデータ量値を測定して取得する。データ量値取得部にて取得したデータ量値は、第二制御部に伝達される。第二制御部では、伝達されたデータ量値に応じて回転ディスクの回転数を決定し、決定した回転数で第二モータ部を制御する。第二モータ部では、第二制御部にて決定された回転数に基づいて回転ディスクを回転させ、回転ディスクへデジタル信号が書き込まれる。このとき、取得したデータ量値も回転ディスクに書き込むと、デジタル信号を出力する場合にはこの書き込んだデータ量値を取得することによって、転送量を再度測定する必要は無くなる。
入力されたデジタル信号を出力する場合には、回転ディスクに記録されたデータ量値をデータ量値取得部にて取得し、データ量値取得部から第二制御部へ取得したデータ量値が伝達される。第二制御部では回転ディスクの回転数を決定し、決定した回転数に応じて第二モータ部を制御する。第二モータ部では決定された回転数に基づいて回転ディスクを回転させ、回転ディスクからデジタル信号が読み出され、デジタル信号が出力される。
<実施形態4の効果>本実施形態にかかる電子機器では、受信される又は出力するデジタル信号のデータ量値に基づいて第二モータ部の回転数を第二制御部で制御することによって、不必要に記録媒体を高速回転させることがなく、消費電力の削減、記録媒体の発熱量の低下という優れた効果を奏し得る。また、本実施形態では、デジタル信号のデータ量に応じてモータの制御を行うので、デジタル信号がデータレート値を有していない場合であっても回転数の制御が可能であるという効果を奏する。
≪実施形態5≫
<実施形態5の概念>本実施形態は、実施形態4にかかる電子機器の機能に加え、第二制御部に第二回転数決定手段を有し、取得したデータ量値と第二回転数決定手段により決定された回転数に基づいて第二制御部にて第二モータ部を制御し、回転ディスクへのデジタル信号の書き込み又は読み出しを行う電子機器に関する。
<実施形態5の構成>図7に本実施形態にかかる電子機器の機能ブロック図を例示する。本実施形態に示す電子機器(0700)の構成は、実施形態4にかかる電子機器の構成中の第二制御部(0702)に、「第二回転数決定手段」(0707)を加えた構成となっている。
<実施形態5の構成の説明>「第二回転数決定手段」(0707)とは、データ量値に基づいて回転ディスクの回転数を決定する第二制御部が有する機能である。第二回転数決定手段では、必要に応じて一つ又は複数の、回転数を決定するためのパラメータを第二制御部に設定しておく(以下、このパラメータを「第二回転数決定パラメータ」という)。「第二回転数決定パラメータ」とは、第二制御部において回転数を決定するための判断基準となるデータ量値と関連するパラメータであり、第二回転数決定パラメータと、データ量値と、を比較して第二モータ部の回転数を決定する。
実施形態5の他の構成については、実施形態1から4に記載のいずれか一にかかる電子機器の構成と同様であるため省略する。
<実施形態5の具体例>本実施形態に係る電子機器の具体例は、実施形態4に係る電子機器における具体例と同様である。ただし、第二制御部が第二回転数決定手段を有することを特徴とする。
第二制御部では、第二回転数決定手段により、データ量値取得部にて取得されたデータ量値と、第二回転数決定パラメータと、を比較することにより、回転ディスクの回転数を決定し、第二モータ部を制御する。
第二回転数決定手段は、実施形態2の第一回転数決定手段におけるパラメータをデータ量値で設定したものであり、機能は第一回転数決定手段と同様であるため省略する。
<実施形態5の効果>本実施形態にかかる電子機器では、実施形態4にかかる電子機器の機能に加えて、第二制御部での処理において、第二回転数決定パラメータを設定することによって、よりデータ量値に即した回転数で第二モータ部を制御することができる。すなわち、第二回転数決定パラメータを複数設定することで、よりきめ細かな回転数制御を行うことが可能となるという優れた効果を奏し得る。
≪実施形態6≫
<実施形態6の概念>本実施形態は、実施形態4又は5に記載のいずれか一にかかる電子機器の機能に加え、第二制御ルール保持手段及び第二制御ルール管理手段を有し、取得したデータ量値と第二制御ルールとを参照して回転ディスクの回転数を決定し、決定した回転数に基づいて第二制御部にて第二モータ部を制御し、回転ディスクへのデジタル信号の書き込み又は読み出しを行う電子機器に関する。
<実施形態6の構成>図8に本実施形態にかかる電子機器の機能ブロック図を例示する。本実施形態に示す電子機器(0800)の構成は、実施形態4又は5に記載のいずれか一にかかる電子機器の構成中の第二制御部(0802)に、「第二制御ルール保持手段」(0808)及び「第二制御ルール管理手段」(0809)を加えた構成となっている。
<実施形態6の構成の説明>「第二制御ルール保持手段」(0808)は、第二制御ルールを保持する機能を有する。第二制御ルール保持手段には、一つ又は複数の第二制御ルールを設定する。第二制御部では、第二制御ルール保持手段に設定された第二制御ルールを参照して、回転ディスクの回転数の決定をすることができる。「第二制御ルール」とは、第二モータ部を制御するための条件である。
「第二制御ルール管理手段」(0809)とは、第二制御ルール保持手段にて保持されている第二制御ルールを管理する機能を有する。第二制御ルールの管理とは、第二制御ルールの追加、変更、削除を表す。第二制御ルール管理手段を有することにより、入力される又は出力するデジタル信号に応じた設定を変更することができる。なお、第二制御ルールの管理は、外部からの入力によって管理されてもいいし、内部において管理してもよい。外部からの入力による場合には、ユーザがルールの変更を入力すると、第二制御ルール管理手段においてルール管理命令へ変換し、ルール管理命令によって第二制御ルール保持手段が保持している第二制御ルールを変更する。また、内部において管理する場合とは、例えば、電子機器内の他の部位の稼働率が高くなった場合には、第二制御ルールを減らして頻繁に回転数を変更させないようにする場合などが想定される。
実施形態6の他の構成については、実施形態1から5に記載のいずれか一にかかる構成と同様であるため省略する。
<実施形態6の具体例>本実施形態に係る電子機器の具体例は、実施形態4又は5に記載のいずれか一に係る電子機器における具体例と同様である。ただし、第二制御部が第二制御ルール保持手段および第二制御ルール管理手段を有することを特徴とする。第二制御ルール保持手段および第二制御ルール管理手段の機能については、実施形態3の第一制御ルール保持手段および第一制御ルール管理手段の機能と同様であるため省略する。
<実施形態6の効果>本実施形態にかかる電子機器では、実施形態4から5に記載のいずれか一に係る電子機器の機能に加えて、第二制御部において第二制御ルール保持手段及び第二制御ルール管理手段の機能を有する。これにより、第二制御ルールを詳細に設定することによって、よりきめ細かな制御を可能とするとともに、第二制御ルール管理手段にて第二制御ルールを追加、変更、削除することができるため、設定後に受信するデジタル信号のデータ量値が一様に大きくなった場合等であっても対応が可能となるという優れた効果を奏し得る。
≪実施形態7≫
<実施形態7の概念>本実施形態は、実施形態1から6に記載のいずれか一または複数にかかる電子機器の機能に加え、制御部にパラメータ取得手段を有し、制御部では取得した一又は複数のパラメータを組み合わせて回転ディスクの回転数を決定し、決定した回転数に基づいてモータ部を制御し、回転ディスクへのデジタル信号の書き込み又は読み出しを行う電子機器に関する。
<実施形態7の構成>図9に本実施形態にかかる電子機器の機能ブロック図を例示する。本実施形態に示す電子機器(0900)の構成は、実施形態1から6に記載のいずれか一にかかる電子機器の構成中の制御部(0902)に、「パラメータ取得手段」(0911)を加えた構成となっている。
<実施形態7の構成の説明>「パラメータ取得手段」(0911)は、実施形態1から6に記載の「データレート値取得部」又は「データ量値取得部」のいずれか一又は二の回転ディスクの回転数を決定するためのパラメータをデジタル信号から取得可能な取得部から、パラメータを取得する機能を有する。パラメータとは、デジタル信号が持つデジタル信号特有の数値である。データレート値およびデータ量値は、このパラメータに含まれる。
「制御部」(0902)は、「第一制御部」又は「第二制御部」であり、さらに、回転ディスクの回転数決定のための一以上のパラメータを取得するパラメータ取得手段を有し、パラメータ取得手段にて取得したパラメータにも基づいて制御を行う機能を有する。制御部は、実施形態1から6に記載の第一制御部又は第二制御部のいずれか一又は複数の機能を組み合わせて、回転ディスクの回転数を決定する。なお、制御部では、パラメータ取得手段によって取得したパラメータ以外の情報に応じてモータ部を制御することもできる。例えば、回転ディスクへの記録時又は再生時に電子機器の他の部位(例えばCPUなど)の稼働率が高い場合には、この稼働率をパラメータの一つとして変換し、回転ディスクの回転数を低く設定することなどが可能である。なお、記録媒体にハードディスクを用いる場合には、ディスクの回転数を調節することができるハードディスクコントローラが制御部に好適である。
なお、本実施形態では、実施形態1から6のいずれか一に記載の「第一モータ部」又は「第二モータ部」を有するが、本実施形態ではこれらをまとめて「モータ部」という。実施形態7の他の構成については、実施形態1から6に記載のいずれか一にかかる電子機器の構成と同様であるため省略する。
<実施形態7の具体例>本実施形態に係る電子機器の具体例は、実施形態1から6に記載のいずれか一に係る電子機器における具体例と同様である。ただし、制御部にパラメータ取得手段を有し、取得した一以上のパラメータにも基づいて回転ディスクの制御を行うことを特徴とする。
外部から入力されるデジタル信号から、実施形態1から6のいずれか一に記載の機能により得られたデータレート値又はデータ量値の一以上のパラメータを、パラメータ取得手段により取得する。制御部では取得したパラメータに応じて、回転ディスクの回転数を決定する。回転数の決定には、実施形態1から6のいずれか一に記載の機能を用いる。また、制御部では、取得したパラメータ以外の数値にも基づいて回転数を決定することも可能である。モータ部は、制御部で決定された回転数に基づいて回転ディスクを回転させ、デジタル信号は回転ディスクへ書き込まれる。
入力されたデジタル信号を出力する場合には、パラメータ取得手段により、デジタル信号から取得可能なパラメータを取得し、取得したパラメータに応じて回転ディスクの回転数を決定する。制御部では、決定した回転数に応じてモータ部を制御する。モータ部では決定された回転数に基づいて回転ディスクを回転させ、回転ディスクからデジタル信号が読み出され、デジタル信号が出力される。
なお、パラメータとして、ここではデータレート値とデータ量値を挙げたが、これ以外の値をパラメータとしてデジタル信号から取得して、回転ディスクの回転数の決定に用いてもよい。
<実施形態7の効果>本実施形態にかかる電子機器では、実施形態1から6のいずれか一にかかる電子機器の機能に加えて、パラメータ取得手段を有し、制御部では、一または複数のパラメータと、取得したパラメータ以外の数値により回転ディスクの回転数を決定することができる。これにより、データレート値とデータ量値の両方に基づいてモータ部の制御を行うことができるため、よりきめ細かな制御が可能となり、不必要に記録媒体を高速回転させることがなく、消費電力の削減が可能となる。また、例えば、デジタル信号が、DVDに記録された映像のように、映像に合わせてデータレート値が変動する可変レートの場合には、メタ情報には平均したデータレート値が記述されているため、パラメータとしてメタ情報に記述されているデータレート値のみを採用すると、実際のデータレート値とはかけ離れた値になってしまう場合がある。このような場合であっても、データ量値を別に取得し、データ量値もパラメータとして採用することにより、よりデータの特性に合ったモータ部の回転数を決定することが可能となり、デジタル信号の記録、再生に悪影響を及ぼすことなく消費電力の削減が可能となる。