JP2006331352A - Tv配線自動作成方法およびその装置 - Google Patents

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幸弘 浅尾
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Abstract

【課題】複数階からなる集合住宅に敷設されるTV配線経路を効率良く自動作図することができ、さらに、配線経路を立体的に把握することができるようにする。
【解決手段】TV配線に使用される機器、ケーブルそれぞれに、自己の識別情報と、接続元および接続先機器、ケーブルの識別情報と、配置される階を示す階情報とをつながり属性として設定し、TV配線の始端または終端に配置されている機器のつながり属性を参照することにより接続先機器またはケーブルを特定して配線系統図を展開dするとともに、機器およびケーブルに複数の階情報が設定されている場合は、複数の階についてその機器およびケーブルと同じ構成を繰り返し展開し、複数の階情報が設定されていない場合は、その機器およびケーブルを単一階についてのみ展開する。
【選択図】図3

Description

本発明は、ビルや集合住宅等に敷設されるTV配線をCAD(Computer Aided design)を利用して自動的に作成するTV配線自動作成方法およびその装置に関するものである。
今日、テレビ放送はアナログ地上波放送から、高品質な放送を提供することが可能な地上デジタル放送へと移行しつつあり、既に2003年12月には、関東、中京、近畿の3大広域圏で地上波によるデジタル放送が始まり、今後、2006年末までには全国の県庁所在地等の主要都市でデジタル放送の開始が予定され、さらに2011年7月には現在の地上アナログ放送が終了し、地上デジタル放送へ完全に移行することが予定されている。
これに伴い、放送周波数は従来のVHF帯域からUHF帯域に移行することになり、このUHF帯域のデジタル放送を受信するには、地上デジタルテレビ放送用チューナが必要であり、そのチューナに対し、受信した電波を送信するためのアンテナ、ケーブル等の線路図についても修正が必要となっている。
例えば、アナログ放送であれば信号レベルが低くても受信できていたものがデジタル放送に切り換わることによって全く受信できないことも起こり得る。この場合、アンテナの交換やブースタの導入を検討しなければならない。
新たに配線計画を立てる際、手作業による実測誤差や機器の集計誤りを解消する方法としてCADを利用した自動配線方法が従来から知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開平05−035811号公報
上記した従来の自動配線方法によれば、建屋における電気機器の配置を基本レイヤに描き、電気機器を接続するための配線を複数のレイヤに分けて経路毎に示すことができ、配線の種別別合計長さが自動的に得られる。
しかしながら、この自動配線方法を高層階からなる集合住宅に適用しようとすると、高層階の各階について配線経路図を作成しなければならないため配線計画が繁雑になり、また、階層方向の配線経路図を描くことができないため、集合住宅全体の配線系統図を立体的に把握することができないという問題があった。
本発明は以上のような従来の自動配線方法における課題を考慮してなされたものであり、複数階からなるビルや集合住宅に敷設されるTV配線系統図を効率良く自動作成することができ、さらに、TV配線系統を立体的に把握することができるTV配線自動作成方法およびその装置を提供するものである。
本発明に係るTV配線自動作成プログラムは、複数階からなる建物の平面図に描画されたTV配線図から建物全体の配線系統図を作成するためのプログラムであって、TV配線に使用される機器、ケーブルそれぞれに、自己の識別情報と、接続元および接続先機器、ケーブルの識別情報と、配置される階を示す階情報とをつながり属性として設定し、配線系統図作成命令を受けて、上記TV配線の始端または終端に配置されている機器のつながり属性を参照することにより接続先機器またはケーブルを特定して配線系統図を展開するとともに、上記機器およびケーブルに複数の階情報が設定されている場合は、複数の階についてその機器およびケーブルと同じ構成を繰り返し展開し、複数の階情報が設定されていない場合は、その機器およびケーブルを単一階についてのみ展開し、建物の階層方向に順次、配線系統図を展開していく処理をコンピュータに行わせるためのものである。
本発明においてTV配線図とは、複数の平面図に個別にTV配線を描画したものを意味し、配線系統図とは、建物全体のTV配線をツリー構造で系統的に示したものを意味する。従って配線系統図には階層方向に配線される配線も含まれる。
本発明においてプログラムとは、コンピュータによって直接実行可能なもの、およびハードディスクなどにインストールすることによって実行可能となるものの両方を含む概念である。また、インターネット上でインストールされる場合には圧縮、暗号化されたものも含む概念である。
上記TV配線自動作成プログラムでは、上記機器が例えば分岐器のように複数の出力端子を有する場合、それらの複数の出力端子からTV配線系統図を分岐させる。
また、上記TV配線自動作成プログラムでは、オペレータが建物の部屋数に対応して複数の部屋枠を例えば作図ウインドウ内に作図し、立面図作成命令を入力した場合、上記配線系統図における各階の機器、ケーブルをその作図された部屋枠内に割り付ける。
また、上記TV配線自動作成プログラムでは、オペレータが平面図のケーブル端に下向矢印記号を描画し、そのケーブル端に対応して別の平面図のケーブル端に上向矢印記号を描画した場合、両方の階のケーブルをデータ上でリンクさせる。
また、上記TV配線自動作成プログラムでは、部屋の側壁に沿って垂直方向に配線されるケーブルの長さについては、オペレータが予め入力した建物の部屋高さを参照することにより算出する。
また、上記TV配線自動作成プログラムでは、オペレータが上記配線系統図上の任意の機器を指定してレベルチェック命令を入力した場合、その指定した機器について信号レベルの減衰量を計算し出力する。
本発明のTV配線自動作成方法は、複数階からなる建物の平面図に描画されたTV配線図から建物全体の配線系統図を作成する配線系統図作成方法であって、TV配線に使用される機器、ケーブルそれぞれに、自己の識別情報と、接続元および接続先機器、ケーブルの識別情報と、配置される階を示す階情報とをつながり属性として設定し、配線系統図作成命令を受けて、上記TV配線の始端または終端に配置されている機器のつながり属性を参照することにより接続先機器またはケーブルを特定して配線系統図を展開するとともに、上記機器およびケーブルに複数の階情報が設定されている場合は、複数の階についてその機器およびケーブルと同じ構成を繰り返し展開し、複数の階情報が設定されていない場合は、その機器およびケーブルを単一階についてのみ展開し、建物の階層方向に順次、配線系統図を展開していくことを要旨とする。
本発明のTV配線自動作成装置は、複数階からなる建物の平面図に描画されたTV配線図から建物全体の配線系統図を作成する配線系統図作成装置であって、各種命令を入力するとともに、TV配線に使用される機器、ケーブルそれぞれに、自己の識別情報と、接続元および接続先機器、ケーブルの識別情報と、配置される階を示す階情報とをつながり属性として設定する入力部と、この入力部によって設定された上記つながり属性を記憶する記憶部と、上記入力部から系統図作成命令を受けて、上記TV配線の始端または終端に配置されている機器のつながり属性を参照することにより接続先機器またはケーブルを特定して配線系統図を展開するとともに、上記機器およびケーブルに複数の階情報が設定されている場合は、複数の階についてその機器およびケーブルと同じ構成を繰り返し展開し、複数の階情報が設定されていない場合は、その機器およびケーブルを単一階についてのみ展開する制御部と、展開された配線系統図を出力する表示部とを備えてなることを要旨とするものである。
本発明のTV配線自動作成装置において、上記記憶部は、上記入力部によって設定された上記属性を、機器、ケーブルを上記表示部に表示するための図形情報とともに記憶するように構成することができる。
また、上記表示部は、同一の配線構成の階について、上層階からつながっていることを示す上向矢印と、下層階へつながっていることを示す下向矢印とを表示するように構成することができる。
本発明のTV配線自動作成方法および装置によれば、複数階からなるビルや集合住宅の平面図に描かれたTV配線から建物全体のTV配線系統図を効率良く自動作成することができ、さらに、TV配線系統を立体的に把握することができるという長所を有する。
以下、図面に示した実施の形態に基づいて本発明を詳細に説明する。
図1は、本発明に係るTV配線自動作成装置1の基本構成を示したものである。
同図において、入力部2は文字、数値、各種命令を入力するためのものである。
記憶部3にはTV配線自動作成プログラム(以下配線作成プログラムと略称する)が記憶されるようになっている。この配線作成プログラムは、CADソフト(本実施形態ではオートデスク社製AutoCAD Ver.2004以降)のアドオンアプリケーションとして動作するようになっている。
入力部2から建物平面図を作成するための操作が行われると、CADソフトに搭載されている基本コマンドにて建物の平面図が作成され表示部5に表示される。また、入力部2からTV配線を作成するための作図操作が行われると、予め用意された配線用の部品ファイルを利用して平面図上にTV配線に必要なアンプやケーブル等を描くことができ、さらに、TV配線系統図の作成命令が入力されると、平面図上に描かれたTV配線をTV配線系統図に展開するようになっている。
図2は、上記制御部4をCPU6を用いて実現した場合のハードウエア構成を示したものである。
同図において、CPU6にはメモリ7、表示部としてのディスプレイ5、入力部としてのキーボード2、記憶部としてのハードディスク3、CD−ROMドライブ8が接続されている。
また、ハードディスク3には配線作成プログラム3a、CADプログラム3b、OS(オペレーティングシステム)3cが記憶されている。なお、上記配線作成プログラム3aはCD−ROMドライブ8を介してCD−ROM8aからインストールされるようになっている。
なお、入力部としてはキーボードと同等の機能を有するものであれば、画面上の位置をペンで指示するように構成されたタブレット等の入力装置を利用することもできる。
図3は配線作成プログラム3aによる主な処理の流れを示したものである。
同図において処理の流れは、a)機器・値の設定→b)平面図を作図→c)平面図にTV配線を作図→d)TV配線図からTV配線系統図を展開→e)TV配線系統図にてチェック・修正→f)TV配線系統図から立面図を展開となる。
次に、上記a)〜f)の各処理を実行するCPU6の動作についてフローチャートを参照しながら説明する。
以下の説明では既存の4階立てビル内に地上デジタルテレビ放送用のTV配線を引く場合を例に取り説明する。なお、ディスプレイ5の画面上には作図ウインドウ(実際に設計図を作成する領域)が開かれているものとする。
a) 機器・値の設定
図4に示すフローチャートは機器・値の設定処理を示したものである。
オペレータが画面上で環境設定ファイルを開き、キーボード2のテンキーを操作して建物の階数(本実施形態では“4”)、室内高さ、ボックスの高さ、ユニットの高さ、余長等の数値を入力すると、その入力されたデータは環境設定ファイルに設定される(ステップS1)。
次いで、ユーザー環境設定ファイルを開き、機器やケーブルについて設定を行う。例えば、機器として使用するシンボルを選択し、機器番号やレベル(アンプの場合は出力レベル、ケーブルの場合は損失量)等を定義する(ステップS2)。なお、シンボルは予め部品化されており、作図ウインドウ内に貼り付けることができるようになっている。
部品データファイルおよびユーザー環境設定ファイルへの設定が終了すると(ステップS3)、機器・値の設定処理を終了し、さらに追加の設定項目があればステップS1に戻って設定が行われる。
b) 平面図の作成
図5に示すフローチャートは平面図作成処理を示したものである。
オペレータはまずディスプレイ5の作図ウインドウ内に建物の間取り図を作図する。
この作業は従来の建物平面図をCADで作図する方法と同様であり、通り芯(柱や壁などの中心位置を示す線)を垂直および水平方向に描き(ステップS4→S5→S6)、引き続き(ステップS7においてNO)その通り芯を基準として柱を描き(ステップS4→S8→S6)、さらに壁を描く(ステップS4→S9→S6)という操作を行うことにより建物の屋上部分、途中階部分、1階部分の各平面図を順番に作図していく。
作図した各平面図についてはその平面図を領域指定して階数登録メニューで数値を入力することにより階数を決定する。
ただし、ある平面図に対して複数の階の値、例えば“2”、“3”、“4”を入力すると、その平面図は2階〜4階部分に共通の図面として扱われることになる。
c) 平面図にTV配線を作図
図6に示すフローチャートは、上記の手順で作図された平面図上にTV配線を引く処理を示したものである。
同図において、オペレータが作図メニュー9(図7参照)の中にある作図項目として例えばケーブルボタン9fをクリックし、平面図上の一方の点にカーソルを移動させてクリックすると、移動先である他方の点を指定するようにプロンプトが表示され、マウスをドラッグさせるとマウスの移動に連動して直線が引かれる。次いで他方の点を指定してエンターキーを押すことにより線分、すなわちケーブルが描かれる(ステップS10→S11)。
また、ボックスボタン9bをクリックして平面図上の点を指定すると指定した位置にボックスがシンボルで描かれる(ステップS12→S13)。
また、アンプボタン9aをクリックして平面図上の点を指定すると指定した位置にアンプがシンボルで描かれる(ステップS14→S15)。このアンプシンボルは向きを自由に変更することができるようになっている。
また、スプリッタボタン9cをクリックして平面図上の点を指定すると指定した位置に分岐・分配器がシンボルで描かれる(ステップS14→S16)。
また、ユニットボタン9dをクリックして平面図上の点を指定すると指定した位置に、TVチューナからのアンテナケーブルを接続するためのアンテナ端子(壁面に取り付けられる)がシンボルで描かれる(ステップS14→S17)。
上記作図された機器やケーブルは、複数のレイヤーに仕分けされた状態で作図編集されるが(ステップS18)、ディスプレイ5上では基本レイヤーと重ね合わされ一枚の図面として表示される。
次いで、上記方法で描かれた機器やケーブルに対しつながり属性を入力する(ステップS19→S20)。このつながり属性はオペレータによって自由に設定することができるものであり、機器やケーブル等について自己を識別するためのID、接続元となる入力機器ID(または入力ケーブルID)、接続先となる出力機器ID(または出力ケーブルID)、後述する階数情報等を含む。
次いで、矢印ボタン9e(図7参照)をクリックし、異なる階の平面図上の2点を指定すると、(ステップS21→S22→S23)、CPU6はその2点を直線で結ぶ代わりに階上側の点については下向矢印のシンボルを描き、階下側の点については上向矢印のシンボルを描く。これら対向する一対の矢印シンボルは、2点がケーブルで階層方向に結ばれていることを意味している。
また、CPU6は一対の矢印シンボルを描いた際に、上向矢印シンボルのID、その上向矢印シンボルに接続されている機器のIDを取得して下向矢印シンボルのつながり属性に設定し、この逆に下向矢印シンボルのID、その下向矢印シンボルに接続されている機器またはケーブルのIDを取得して上向矢印シンボルのつながり属性に設定するようになっている。
すなわち、CPU6は、ステップS24において上向矢印シンボルが入力された場合は(ステップS24)、階上の下向矢印シンボルとつながっていることを示すリンク処理を行ない(ステップS25)、下向矢印シンボルが入力された場合には(ステップS24)階下の上向矢印シンボルとつながっていることを示すリンク処理を行なう(ステップS25)。
このように平面図上に描画される機器やケーブルはそれぞれつながり属性を持っており、表1にそのデータ構造を示す。
Figure 2006331352
表1においてケーブルは、その図形情報とともにケーブル長さ、自己ID、入力側に接続される入力機器ID、出力側に接続される出力機器ID、開始階数および終了階数等を持っている。
なお、上記開始階数とはそのケーブルの始点となる階を示し、終了階数とはケーブルの終点となる階を示している。例えば開始階数が“4”で終了階数が“3”の場合には4階からケーブルが延設され3階で終了していることを意味する。また、開始階数が“4”で終了階数が“2”の場合にはケーブルが4階→3階→2階まで接続されており、指定された階数分、同一のケーブルのデータが存在していることを意味している。なお、終了階数がない場合は単一階のみにあることを意味する。
なお、階数入力は作図メニュー9の階数入力ボタン9qをクリックすることによって現れる入力欄に数値を入力する。
アンプはその図形情報とともに自己ID、入力側に接続される入力ケーブルID、出力側に接続される出力ケーブルID、別の出力側に接続される出力ケーブルID、開始階数および終了階数等を持っている。ただし、このアンプは、2つの出力端子を持つものであり、端子番号は入力端子については“11”、分岐する第一の出力端子については“21”,第二の出力端子については“31”と決めている。
分岐・分配は図形情報とともに自己ID、入力側に接続される入力ケーブルID、出力側に接続される出力ケーブルID、別の出力側に接続される出力ケーブルID、開始階数および終了階数等を持っている。
ユニットは図形情報とともに自己ID、入力ケーブルID、出力ケーブルID、開始階数および終了階数等を持っている。
ボックスは図形情報とともに自己ID、開始階数および終了階数等を持っている。
矢印は図形情報とともに自己ID、相手側の矢印ID、接続元機器ID(上流側矢印に接続されている機器またはケーブルのID)、接続先機器ID(下流側矢印に接続されている機器またはケーブルのID)、開始階数および終了階数等を持っている。
なお、表1では機器類、ケーブルのデータ構造の違いをわかりやすくするため表形式で表したが、実際のデータ構造はCADで処理される図形データに連続する一連のデータ列である。
表1に示したつながり属性は図面ファイルに設定される。
次いでオペレータは作図ウインドウ内の各平面図について個別に領域指定し、それぞれ階数をキーボード2から入力する(ステップS26)。上述したように一つの平面図が複数階共通である場合には、その複数階分の数値を入力する。
図8〜図10は平面図上に描かれたTV配線を示したものであり、図8は屋上部分の平面図、図9は2〜4階部分の平面図、図10は1階部分の平面図である。
図8において、屋上にテレビジョンアンテナ10が配置され、このテレビジョンアンテナ10の出力側に増幅器11が接続され、この増幅器11の出力はケーブル12aを介して2分配器13に接続され、その2分配器13によって分岐された左系統ケーブル12bはさらに3分配器14aによって3本のケーブル、すなわち第1ケーブル12d〜第3ケーブル12fに分かれている。ただし、第3ケーブル12fについては3分配器14aから真下に配線されるため、平面図には現れない。
各ケーブル12d〜12fの先端には下向矢印Fdがそれぞれ付加され、これら第1〜第3ケーブル12d〜12fは階下のケーブルに接続されることを示している。
また、2分配器13によって分岐された右左系統ケーブル12cについても同様に3分配器14bに接続され、3本のケーブル、すなわち第4ケーブル12g〜第6ケーブル12iが描画されている。
各ケーブル12g〜12iの先端にも下向矢印Fdが付加され、階下のケーブルに接続されることを示している。
次に、図9において、2〜4階部分は共通の平面図Bで示され、その平面図B上にオペレータによって機器、ケーブル等が描かれている。
同図において、左系統のケーブルにおいて下向矢印Fdと対応する位置、すなわち4階401〜403号室には上向矢印Fuが描画され、右系統の下向矢印Fdと対応する404〜406号室にも上向矢印Fuがそれぞれ描画されている。なお、図中の401〜406号室は説明のために付したものであり、ディスプレイ5に表示されない。
次いで、401〜403号室の上向矢印Fdに2分岐器15a〜15cがそれぞれ接続され、401号室については2分岐器15aからケーブル12dと12d′が分岐され、部屋内に配線される分岐ケーブル12d′に複数のアンテナ端子16aが直列に接続されている。
402号(403号)室についても同様に2分岐器15b(15c)からケーブル12eと12e′(12fと12f′)が分岐され、部屋内に配線される分岐ケーブル12e′(12f′)に複数のアンテナ端子16b(16c)が直列に接続されている。
404〜406号室の上向矢印Fdについても401〜403号室の配線と同様のTV配線が描かれている。
なお、右系統の2分岐器15a〜15fには下向矢印Fdがそれぞれ付加され、さらにケーブルが下層階へ接続されていることが示されている。
4階部分に敷設された上記機器、ケーブルの配置は、3階部分および2階部分についても共通である。
図10は1階部分の平面図Cを示したものであり、その平面図C上に機器、ケーブル等が描かれている。
同図において、各部屋には2階のケーブルと接続するための上向矢印Fuが入力されている。各部屋101〜106号室にはアンテナ端子16a〜16fが配置され、例えばアンテナ端子16aは上向矢印Fuから延設されるケーブル12dに接続されている。
図6に戻って説明する。
すべての作図が終了していない場合は(ステップS27においてNO)、ステップS10に戻る。すべての作図が終了する(ステップS27においてYES)。
次いで、オペレータがTV配線図上の任意の機器、ケーブルにカーソルを合わせ、レベル参照ボタン90をクリックすると、機器、ケーブルのつながり属性に設定されているレベル、例えばアンプであればその出力レベルを参照することができるようになっている。
次いでオペレータがOKボタン9SをクリックするとTV配線作図処理を終了する(ステップS30においてYES)。
d) TV配線図からTV配線系統図に展開
図11に示すフローチャートはTV配線図からTV配線系統図への展開処理を示したものである。
同図において、平面図にTV配線が描かれた後、オペレータがブロダイ(ブロック線図)ボタン9g(図7参照)をクリックすることによりTV配線系統図の作成命令を入力すると(ステップS31)、CPU6は図8〜10に示したTV配線図から図12に示すTV配線系統図を展開する(ステップS32)。
詳しくは、CPU6はまずTV配線系統図の始端としてアンプ11のつながり属性を参照することにより、その出力側に接続されているケーブルを探し出す。具体的には、アンプ11のつながり属性に設定されている出力ケーブルIDを検索することにより、該当するIDを持つケーブルを特定し、アンプ11の出力側にその特定されたケーブル12aを縦方向に垂下する状態で描画する。この際、つながり属性に設定されているケーブル長さに基づいてケーブル近傍にケーブル実長を例えば“5m”と表示する。
次に、ケーブル12aのつながり属性を参照することによりそのケーブル12aに接続されている機器を探し出す。
このケーブル12aに設定されている出力機器IDを検索することにより、2分配器13の接続されていることが分かり、ケーブル12aの先端に接続される2分配器13を描画する。
次に2分配器13のつながり属性を参照することによりその2分配器13の出力側に接続されるケーブルを特定する。
2分配器13には二つの端子番号“21”および“31”が設定されており、各端子番号に対応して設定されている出力ケーブルIDを参照することにより、ケーブル12bおよび12cを特定する。
特定されたケーブル12bを、2分配器13から分岐される一方のケーブルとして垂下させ、つながり属性から取得したケーブル長さをそのケーブル近傍に表示する。ケーブル12cについても同様に2分配器13から分岐される他方のケーブルとして垂下させ、つながり属性から取得したケーブル長さをそのケーブル近傍に表示する。
次にケーブル12bの下流側に接続される機器、ケーブルを描画していく。
ケーブル12bの端子番号21に設定されている出力機器IDを参照することにより、3分配器14aが接続されていることがわかるため、ケーブル12bの先端に3分配器14aを描画する。
次に、その3分配器14aのつながり属性を参照することにより、その出力端子には3本のケーブル12d,12e,12fがそれぞれ接続されていることが特定されるため、各ケーブル12d,12e,12fを3分配器14aから垂下する状態で描画する。
なお、各ケーブル12d,12e,12fの階層方向のケーブル長さは、図4のステップS1にて設定された室内高さを参照することによって求めている。
これらのケーブル12d,12e,12fの先端にはそれぞれ下向矢印Fd(図8参照)が付与されているため、下向矢印のつながり属性を参照することにより、その下向矢印Fdにつながる上向矢印Fuを探し出す。
探し出された上向矢印Fuのつながり属性にはその上向矢印Fuに接続されている機器IDが設定されているため、その機器が2分岐器15aであることを特定し、ケーブル12dの先端に描画する。
次に、この2分岐器15aの出力ケーブルIDを参照することによりケーブル12dと12d′とを特定し、それらを表示する。
次に、ケーブル12d′に接続されているアンテナ端子16aを表示する。同様にして4階部分の各部屋について機器、ケーブルを表示する。
このようにして描画された4階部分の上向き矢印Fu、2分配器15a、ケーブル12dおよび12d′、アンテナ端子16aにはそれぞれ開始階数情報(階情報)として“4”、終了階数情報(階情報)として“2”が記憶されている。4階部分の他の部屋についても同様である。
そこで、CPU6は4階部分の機器、ケーブルと同じ構成が3階部分と2階部分に存在すると判断し、4階部分の機器、ケーブルと同じ構成を3階部分、2階部分として階層方向にコピーし、TV配線系統図を展開する。
なお、開始階数情報として“2”、終了階数情報として“4”を記憶させ、下層階側から上層階側に向けてTV配線系統図を展開することもできる。
2階部分までのTV系統図が展開されると、CPU6はケーブル12dの出力機器IDを参照することによりアンテナ端子16aを特定してシンボル表示し、このアンテナ端子16aには終了階数情報が存在していないため、ケーブル12dの終点とする。
このようにして階層方向にTV配線を展開していくことにより建物全体のTV配線系統図が自動的に作成される。
TV配線系統図が作成された状態でキーボード2から終了を指示すると(図11のステップS33参照)、展開処理を終了する。
e) TV配線系統図にてチェック・修正
図13のフローは系統図チェック・修正処理を示したものである。
図12に示したTV配線系統図において例えばPENDのアンテナ端子16fにカーソルを合わせ、レベル参照ボタン9o(図7参照)をクリックすると、配線作成プログラムに記憶されている伝送損失計算式に対し、PINからPENDの経路で選択した機器の信号レベル、ケーブル長さ、ケーブルの損失等の値が代入され、PENDでの信号レベルが計算される。
ここで信号レベルが所定値を満足しており、いわゆるレベル割れを発生していなければ(ステップS40においてNO)、レベル参照ボタン9oのさらに下層の数値表ボタン(図示しない)をクリックすることにより(ステップS41においてYES)、TV配線系統図の上流側から下流側に、系統図上の機器、ケーブルの信号レベルが計算されリスト形式で作成され(ステップS42)、ディスプレイ5に表示される。
また、ステップS40においてレベル割れが発生している場合は、機器を変更したり、ケーブルの種類を変更したり、或いはケーブルの配線位置を変更してケーブル長さを短くする等の修正が必要となる。
そこで、オペレータがTV配線系統図上の例えば変更しようとする機器にポインタを合わせ、機器変更ボタン9n(図7参照)をクリックすると(ステップS43→44)、機器の種類を変更することが可能になり、変更後の機器を設定(更新記憶)する編集処理が行われる(ステップS45)。
また、TV配線系統図上の変更しようとするケーブルにポインタを合わせケーブル変更ボタン9mをクリックすると(ステップS43→46)、ケーブルの種類を変更することが可能になる(ステップS45)。
また、TV配線系統図上の変更しようとするケーブルにポインタを合わせケーブル長変更ボタン9pをクリックすると(ステップS43→47)、ケーブルの配線位置を変更してその長さを短く変更することが可能になる(ステップS45)。
このようにしてTV配線系統図が修正されるとステップS40に戻り、レベル割れの判断に戻る。
ここでオペレータが再計算ボタン9rをクリックすると、CPU6はTV配線系統図における変更した系統について信号レベルの伝送損失を再度計算する。
変更された系統について信号レベルの減衰量が所定値以下であることが確認され(ステップS40においてNO)、オペレータから終了指示が入力されると(ステップS48においてYES)、系統図チェック・修正処理を終了する。
なお、数量表ボタン9iをクリックすると、機器、ケーブルが種類毎に集計され、リスト表示されるようになっている。
また、画面移動ボタン9jは表示範囲を移動するためにあり、属性編集ボタン9kは図面の属性を確認、編集するためにあり、図形削除ボタン9lは作図した図形を削除するためにあり、OKボタン9sは入力を確定するためにあり、キャンセルボタン9tは命令、入力をキャンセルするためにある。
f) TV配線系統図から立面図を展開
このようにしてTV配線系統図が確立した状態で、オペレータが立面図ボタン9h(図7参照)をクリックすると、TV配線系統図から立面図が展開されるようになっている。
図14に示すフローチャートはその立面図展開処理を示したものである。
同図において、オペレータは作図ウインドウ内に、建物の各部屋を長方形に置き換えた格子状の立面図用枠D(図15参照)を描く(ステップS50)。
本実施形態では1階の101号室から4階の406号室まで合計24部屋をマトリクス状に描いている。
次いで立面図ボタン9hをクリックして立面図作成指示を入力すると(ステップS51)、CPU6は、立面図用枠Dの各部屋に収まるように、その室内に配置されている機器、ケーブルを描く(ステップS52)。
CPU6は例えば図12の401号室に描かれた機器、ケーブルを抽出し、図15に描かれた立面図用枠Dの401号室内に縮尺を合わせて割り付ける。
この機器、ケーブルの抽出、割り付け作業を402〜406号室についても行い、階層方向すなわち4階から1階部分まで展開することにより、立面図を作成する。
ステップS53において立面図の編集がなされたかどうかを判断し、例えば部屋表示サイズを拡大または縮小したり、立面図用枠Dの位置を修正する等の編集が行われると、変更後の立面図用枠D内に収まるように機器やケーブルの配置を調整して表示しなおす(ステップS54)。
オペレータが編集終了を指示すると(ステップS55)、立面図展開処理を終了する。
このように立面図を作成すると、従来はTV配線系統図を平面図でしか把握することができなかったが、立体的に把握することができるという利点がある。また、TV配線系統の一部でトラブルが発生した場合に、そのトラブルがどれだけの範囲の部屋に影響するかを瞬時に把握することができ、効率良くメンテナンスすることができるという利点もある。
本発明に係るTV配線自動作成装置の基本構成を示すブロック図である。 図1のハードウエア構成を示すブロック図である。 配線作成プログラム3aによる主な処理の流れを示す説明図である。 機器・値の設定処理を示すフローチャートである。 平面図作成処理を示すフローチャートである。 平面図上にTV配線を引く処理を示すフローチャートである。 作図メニューの内容を示す説明図である。 作図ウインドウ内に作図された屋上部分平面図である。 作図ウインドウ内に作図された2〜4階部分平面図である。 作図ウインドウ内に作図された1階部分平面図である。 TV配線系統図の展開処理を示すフローチャートである。 展開されたTV配線系統図である。 系統図チェック・修正処理を示すフローチャートである。 立面図展開処理を示すフローチャートである。 展開された立面図である。
符号の説明
1 TV配線自動作成装置
2 キーボード(入力装置)
3 ハードディスク(記憶部)
3a 配線作成プログラム
3b CADプログラム
3c OS
4 制御部
5 ディスプレイ(表示部)
6 CPU
7 メモリ
8 CD−ROMドライブ
8a CD−ROM
9 作図メニュー
10 テレビジョンアンテナ
11 増幅器
12a ケーブル
12b ケーブル
12d〜12f 第1〜第3ケーブル
12g〜12i 第4〜第6ケーブル
13 2分配器
14a 3分配器
15a〜15c 2分岐器
16a アンテナ端子
Fd 下向矢印
Fu 上向矢印

Claims (10)

  1. 複数階からなる建物の平面図に描画されたTV配線図から建物全体の配線系統図を作成するためのプログラムであって、
    TV配線に使用される機器、ケーブルそれぞれに、自己の識別情報と、接続元および接続先機器、ケーブルの識別情報と、配置される階を示す階情報とをつながり属性として設定し、
    配線系統図作成命令を受けて、上記TV配線の始端または終端に配置されている機器のつながり属性を参照することにより接続先機器またはケーブルを特定して配線系統図を展開するとともに、上記機器およびケーブルに複数の階情報が設定されている場合は、複数の階についてその機器およびケーブルと同じ構成を繰り返し展開し、複数の階情報が設定されていない場合は、その機器およびケーブルを単一階についてのみ展開し、
    建物の階層方向に順次、配線系統図を展開していく処理をコンピュータに行わせるためのTV配線自動作成プログラム。
  2. 請求項1記載のTV配線自動作成プログラムにおいて、
    上記機器が複数の出力端子を有する場合、複数の出力端子からTV配線系統図を分岐させ展開することを特徴とするもの。
  3. 請求項1または2記載のTV配線自動作成プログラムにおいて、
    建物の部屋数に対応して作図された複数の部屋枠に対し、
    立面図作成命令を受けて、上記配線系統図における各階の機器、ケーブルをその作図された部屋枠内に割り付けることを特徴とするもの。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のTV配線自動作成プログラムにおいて、
    平面図のケーブル端に下向矢印記号が描画され、そのケーブル端に対応して別の平面図のケーブル端に上向矢印記号が描画された際に、両方の階のケーブルをデータ上でリンクさせること特徴とするもの。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のTV配線自動作成プログラムにおいて、
    部屋の側壁に沿って垂直方向に配線されるケーブルの長さを、建物の部屋高さを参照することにより算出することを特徴とするもの。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のTV配線自動作成プログラムにおいて、
    レベルチェック命令を受けて上記配線系統図上の任意の機器について信号レベルの減衰量を計算し出力することを特徴とするもの。
  7. 複数階からなる建物の平面図に描画されたTV配線図から建物全体の配線系統図を作成する配線系統図作成方法であって、
    TV配線に使用される機器、ケーブルそれぞれに、自己の識別情報と、接続元および接続先機器、ケーブルの識別情報と、配置される階を示す階情報とをつながり属性として設定し、
    配線系統図作成命令を受けて、上記TV配線の始端または終端に配置されている機器のつながり属性を参照することにより接続先機器またはケーブルを特定して配線系統図を展開するとともに、上記機器およびケーブルに複数の階情報が設定されている場合は、複数の階についてその機器およびケーブルと同じ構成を繰り返し展開し、複数の階情報が設定されていない場合は、その機器およびケーブルを単一階についてのみ展開し、
    建物の階層方向に順次、配線系統図を展開していくことを特徴とするTV配線自動作成方法。
  8. 複数階からなる建物の平面図に描画されたTV配線図から建物全体の配線系統図を作成する配線系統図作成装置であって、
    各種命令を入力するとともに、TV配線に使用される機器、ケーブルそれぞれに、自己の識別情報と、接続元および接続先機器、ケーブルの識別情報と、配置される階を示す階情報とをつながり属性として設定する入力部と、
    この入力部によって設定された上記つながり属性を記憶する記憶部と、
    上記入力部から系統図作成命令を受けて、上記TV配線の始端または終端に配置されている機器のつながり属性を参照することにより接続先機器またはケーブルを特定して配線系統図を展開するとともに、上記機器およびケーブルに複数の階情報が設定されている場合は、複数の階についてその機器およびケーブルと同じ構成を繰り返し展開し、複数の階情報が設定されていない場合は、その機器およびケーブルを単一階についてのみ展開する制御部と、
    展開された配線系統図を出力する表示部とを備えてなることを特徴とするTV配線自動作成装置。
  9. 上記記憶部は、上記入力部によって設定された上記属性を、機器、ケーブルを上記表示部に表示するための図形情報とともに記憶するように構成されている請求項8記載のTV配線自動作成装置。
  10. 上記表示部は、同一の配線構成の階について、上層階からつながっていることを示す上向矢印と、下層階へつながっていることを示す下向矢印とを表示するように構成されている請求項8または9記載のTV配線自動作成装置。
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