JP2006330423A - 光導波装置及びその製造方法、並びに光情報処理装置 - Google Patents

光導波装置及びその製造方法、並びに光情報処理装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 残渣を小さくすると共に、泡の発生を効果的に防止することができる光導波装置及びその製造方法、並びに光情報処理装置を提供すること。
【解決手段】 クラッド2にコア3が複数並んで配列され、複数のコア3と交差してこれらのコア3を連結する連結コア材部4が設けられ、この連結コア材部4がコア成形時のコア材補給路としても機能している、光導波装置1。コアの形状に対応した第1凹部と、連結コア材部の形状に対応した第2凹部とを有する型を作製する工程と、前記型にコア材を充填し、クラッドを貼り合わせる工程と、クラッドを押圧する工程と、コア材を硬化させながら、第2凹部から第1凹部へ、コア材の硬化時のコア材収縮分に対応するコア材を補給する工程と、コア材の硬化後に前記型からコアを剥離する工程とを有する、光導波装置の製造方法。本発明の光導波装置と、光入射部と、受光部とを有する光情報処理装置。
【選択図】 図1

Description

本発明は、光配線等に好適な光導波装置及びその製造方法、並びに光情報処理装置に関するものである。
現在、LSI(大規模集積回路)等の半導体チップ間の信号伝搬は、全て基板配線を介した電気信号によりなされている。しかし、昨今のMPU高機能化に伴い、チップ間にて必要とされるデータ授受量は著しく増大し、結果として様々な高周波問題が浮上している。それらの代表的なものとして、RC信号遅延、インピーダンスミスマッチ、EMC/EMI、クロストーク等が挙げられる。
上記の問題を解決するため、これまで実装業界などが中心となり、配線配置の最適化や新素材開発などの様々な手法を駆使し、解決に当たってきた。
しかし近年、上記の配線配置の最適化や新素材開発等の効果も物性的限界に阻まれつつあり、今後システムの更なる高機能化を実現するためには、単純な半導体チップの実装を前提としたプリント配線板の構造そのものを見直す必要が生じている。近年、これら諸問題を解決すべく様々な抜本対策が提案されているが、以下にその代表的なものを記す。
・マルチチップモジュール(MCM)化による微細配線結合
高機能チップを、セラミック・シリコンなどの精密実装基板上に実装し、マザーボード(多層プリント基板)上では形成不可能である微細配線結合を実現する。これによって配線の狭ピッチ化が可能となり、バス幅を広げることでデータ授受量が飛躍的に増大する。
・各種半導体チップの封止、一体化による電気配線結合
各種半導体チップをポリイミド樹脂などを用いて二次元的に封止、一体化し、その一体化された基板上にて微細配線結合を行う。これによって配線の狭ピッチ化が可能となり、バス幅を広げることでデータ授受量が飛躍的に増大する。
・半導体チップの三次元結合
各種半導体チップに貫通電極を設け、それぞれを貼り合わせることで積層構造とする。これにより、異種半導体チップ間の結線が物理的に短絡化され、結果として信号遅延などの問題が回避される。但しその一方、積層化による発熱量増加、半導体チップ間の熱応力などの問題が生じる。
さらに、上記のように信号授受の高速化及び大容量化を実現するために、光配線による光伝送結合技術が開発されている(例えば、後記の非特許文献1及び非特許文献2参照。)。光配線は、電子機器間、電子機器内のボード間又はボード内のチップ間など、種々の個所に適用可能である。例えば図19に示すように、チップ間のような短距離間の信号の伝送には、チップが搭載されているプリント配線板50上に光導波路51を形成し、この光導波路51を信号変調されたレーザー光等の光伝送とした光伝送・通信システムを構築することができる。
また、図20に示すように、光導波路51はクラッド52及び53と、これらのクラッド52、53間に挟持されたコア54とからなり、コア54の光入出射部55a、55bの端面は45°ミラー面に形成されている。さらに、クラッド52における光入出射部にはレンズ部56が形成されている。
図20に示すような光導波路51の製造方法を図21を参照して説明する。
まず、図21(a)に示すように、レンズ部56付きのクラッド52に対応した形状を有する上型57a及び下型57bを用い、図21(b)に示すようなクラッド52を射出成形によって作製する。
次に、図21(c)に示すように、コア54の形状に対応した凹部を有する型58にコア材54aを充填する。次いで、図21(d)に示すように、コア材54aが充填された型58上に、上記のようにして作製したレンズ部56付きのクラッド52を貼り合わせ、クラッド52を押圧しながらUV照射することによってコア材54aを硬化させる。そして、図21(e)に示すように、型58を剥がせば、クラッド52とコア54との積層体を得ることができる。
次いで、図21(f)に示すように、上記のようにして作製した積層体と、別途作製したクラッド53とを接合すれば、光導波路51を得ることができる。
日経エレクトロニクス、"光配線との遭遇"2001年12月3日の122頁、123頁、124頁、125頁、図4、図5、図6、図7 NTT R&D, vol.48, no.3, pp.271-280 (1999)
従来例による製造方法では、図21(d)に示すように、コア材54a上にクラッド52を押圧しながらUV照射によってコア材54aを硬化させる。これは、図22(a)に示すように、コア(54−1、54−2、54−3)を複数並んで配列させ、クラッド52をコア材54a上に貼り合わせただけで押圧しないで硬化させたり、或いはクラッド52の押圧が小さい場合、残渣59の厚みが大きくなり、コア54−1に入射した光信号が残渣59を通って隣接する他のコア54−2、54−3に漏れ、信号路としての機能を果たさなくなるためである。即ち、図22(b)に示すように、加圧することで残渣59の厚みを小さくし、隣接するコア54−2、54−3への光信号の漏れを防止する必要があった。
残渣厚と光導波損失の関係は、図23(a)に示すように、光導波路の光導波損失を許容値(樹脂カタログ値)である0.08dB/cm以下に抑えるためには、残渣厚を1.5μm以下に抑えなくてはならない。即ち、図23(b)に示すように、残渣厚1.5μm以下にするためには、32N以上で加圧する必要がある。
しかしながら、一般的にコア材としてエポキシ系などの光学部品用UV硬化樹脂が採用されているが、これらUV硬化樹脂は、硬化時に5〜10%程度の樹脂収縮が起こる(組成調整により、収縮量を抑えることは可能であるが、5%以下は困難。)。これにより、残渣量が少なくなると、コア周辺の樹脂流動が阻害され、コアに泡(ヒケ)が生じることを本発明者が初めて知見した。コアに泡が生じると、この泡が光信号の導波を阻害し、光導波損失が増してしまう。
例えば、図24に示すように、コアの形状に対応した凹部60を有する型58を用い、また粘度40cpsの光導波路用UV硬化樹脂をコア材として用い、この樹脂を型58の凹部60内に10cc供給し、このコア材上にクラッドを貼り合わせ、加圧下でコア材を硬化させた。
そして、このときのクラッドの押圧と、コアに発生した泡の量との関係を測定したところ、図25に示すように、クラッドの押圧量が増すと、コアにおける泡の発生量が増加することが分かった。
ここで、コアに泡が発生するメカニズムを説明する。例えば、図26(a)に示すように、残渣59の厚みが大きい状態でUV照射を行う場合、コア材54aの硬化時に樹脂収縮(例えば10%収縮)が起こり、コアに負圧になった部分が生じるが、この負圧部分に残渣59からコア材54aが供給される。これに対し、図26(b)に示すように、残渣59の厚みが小さい状態でUV照射を行う場合、上記のようにコアに負圧部分が生じても、その負圧部分にコア材54aを供給するだけの量が残渣59には残っておらず、コア材54aの流動性が低下し、その結果コアに泡61が発生すると考えられる。
本発明者は、上述した泡の発生メカニズムを確認するため、図27(a)に示すように、クラッド52の長さを凹部60の長さよりも短くした以外は、上記と同様の条件でクラッドの押圧と、コアに発生した泡の量との関係を測定した。その結果、図27(b)に示すように、どんなにクラッドの押圧を大きくしても泡が発生しなかった。これは、クラッド52により拘束されていない開放部から、樹脂収縮に伴う樹脂不足分が供給されたためと考えられる。
即ち、残渣厚が小さくかつ泡が存在しないような、効果的な光導波を行える光導波路を成形するためには、硬化収縮のない樹脂を開発するなど、非常に対応が困難なことが判明した。
本発明は、上述したような問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、残渣を小さくすると共に、泡の発生を効果的に防止することができる光導波装置の製造方法及びこの製造方法により得られる光導波装置、並びに光情報処理装置を提供することにある。
即ち、本発明は、クラッドにコアが複数並んで配列され、前記コアを通して光が導かれるように構成される光導波装置であって、前記複数のコアと交差してこれらのコアを連結する連結コア材部が設けられ、この連結コア材部がコア成形時のコア材補給路としても機能していることを特徴とする、光導波装置に係るものである。
また、クラッドにコアが複数並んで配列され、前記コアを通して光が導かれるように構成され、前記複数のコアと交差してこれらのコアを連結する連結コア材部が設けられ、この連結コア材部がコア成形時のコア材補給路としても機能している光導波装置を製造するに際し、
前記コアの形状に対応した第1凹部と、前記連結コア材部の形状に対応した第2凹部 とを有する型を作製する工程と、
前記型にコア材を充填し、前記クラッドを貼り合わせる工程と、
前記型に対して前記クラッドを押圧する工程と、
前記コア材を硬化させながら、前記第2凹部から前記第1凹部へ、前記コア材の硬化 時のコア材収縮分に対応するコア材を補給する工程と、
前記コア材の硬化後に前記型から前記コアを剥離する工程と
を有する、光導波装置の製造方法に係るものである。
さらに、光導波装置と、前記光導波装置に光を入射させる光入射部と、前記光導波装置からの出射光を受け入れる受光部とを有する光情報処理装置であって、前記光導波装置が、
クラッドにコアが複数並んで配列され、前記コアを通して光が導かれるように構成さ れる光導波装置であって、前記複数のコアと交差してこれらのコアを連結する連結コア 材部が設けられ、この連結コア材部がコア成形時のコア材補給路としても機能している
ことを特徴とする、光情報処理装置に係るものである。
本発明によれば、前記コア材を硬化させながら、前記連結コア材部の形状に対応した前記第2凹部から前記コアの形状に対応した前記第1凹部へ、前記コア材の硬化時のコア材収縮分に対応するコア材を補給する工程を有するので、前記コアと前記クラッドとの間の残渣を極力薄膜化するために、前記押圧力を大きくしても、硬化された前記コアには従来例のような泡が発生しない。
従って、本発明の光導波装置は、前記コアと前記クラッドとの間の残渣が薄膜化され、かつ前記コアに泡が存在しないので、効果的な光導波を行うことができる。
前記コアは入射した光信号を導波する役割を果たし、前記クラッドは前記コア内に光信号を閉じ込める役割を果たす。前記コアは高い屈折率を持つ材料からなり、前記クラッドは前記コアより低い屈折率の材料で構成されている。
また、前記連結コア材部は、コア成形時のコア材補給路として機能すると共に、光導波装置の強度を向上させる。
本発明の製造方法は、前記第2凹部の周囲に、コア材注入孔を有する第3凹部を連設することが望ましい。これにより得られる本発明に基づく光導波装置は、前記連結コア材部の周囲に、コア材注入孔の痕跡を有する突起部が連設されている。
また、前記第1凹部によって前記コアを成形し、前記第2凹部によって前記連結コア材部を成形すると共に、前記第3凹部によって前記コアの外周に前記コアを保護するための保護壁を成形することが望ましい。これにより得られる本発明に基づく光導波装置は、前記クラッドの前記コアが接合された面側において、前記コアの外周に前記コアを保護するための保護壁が前記突起部として設けられ、前記保護壁と前記連結コア材部とが連設されている。前記保護壁を設けることにより、前記コアに対する防塵作用、防水作用、補強作用などが得られる。
さらに、前記コアと、前記突起部と、前記連結コア材部とが同材質であることが好ましい。
そして、本発明に基づく光導波装置は、この光導波装置の前記コアに光を入射させる光入射部(例えば、レーザー等の発光素子)と、前記コアからの出射光を受け入れる受光部(例えば、フォトダイオード等の受光素子)とから構成した光配線等の光情報処置装置として好適に用いることができる。
また、光配線等の前記光情報処理装置は、その入力側に入力信号を供給する回路素子を設け、その出力側に出力信号を受ける回路素子を設けることにより構成される電子機器に好適に用いることができる。
以下、本発明の好ましい実施の形態を図面を参照して説明する。
第1の実施の形態
図1は、本発明に基づく光導波装置の概略図である。図1(a)は、本発明に基づく光導波装置の概略断面図である。図1(b)は、(a)のA方向から見た概略平面図である。図1(c)は、(b)の一部拡大概略平面図である。なお、(b)及び(c)では、(a)におけるクラッド6を図示省略した。
図1に示すように、本発明に基づく光導波装置1は、クラッド2にコア3が複数並んで配列され、コア3を通して光が導かれるように構成され、複数のコア3と交差してこれらのコア3を連結する連結コア材部4が設けられ、この連結コア材部4がコア成形時のコア材補給路としても機能している。
具体的には、レンズ部5付きのクラッド2と、クラッド2とは別のクラッド6と、これらクラッド2、6間に挟持されたコア3との積層体からなる。また、コア3の光入出射部7a、7bの端面は45°ミラー面に形成されている。
コア3は、図1(c)の矢印方向に入射した光信号を導波する役割を果たし、クラッド2、6はコア3内に光信号を閉じ込める役割を果たす。コア3は高い屈折率を持つ材料からなり、クラッド2、6はコア3より低い屈折率の材料で構成されている。
また、連結コア材部4は、コア成形時のコア材補給路として機能すると共に、光導波装置1の強度を向上させる。
また、連結コア材部4の周囲に、コア材注入孔の痕跡8を有する前記突起部が連設されていることが好ましい。より具体的には、クラッド2のコア3が接合された面側において、コア3の外周にコア3を保護するための保護壁9が前記突起部として設けられ、保護壁9と連結コア材部4とが連設されていることが好ましい。保護壁9を設けることにより、コア3に対する防塵作用、防水作用、補強作用などが得られる。また、保護壁9の幅は、クラッド6との接着性、強度を考慮して適宜選択することができ、例えば0.5mm程度とすることができる。
さらに、コア3と、前記突起部としての保護壁9と、連結コア材部4とが同材質であることが好ましい。
以下に、本発明に基づく光導波装置1の製造方法の一例を図2を参照して説明する。
レンズ部5付きのクラッド2は、例えば、図2(a)及び(b)に示すように、レンズ部5付きのクラッド2に対応した形状を有する上型10a及び下型10bを用い、この上型10a及び下型10bにクラッド材2aを充填して硬化させることにより作製することができる。
次に、図2(c)に示すように、型11にコア材3aを充填する。
ここで、型11は、図2(c)及び図3(a)に示すように、コア3の形状に対応した第1凹部(例えば断面□15μm)13と、連結コア材部4の形状に対応した第2凹部14とを有する。さらに、第2凹部14の周囲に、コア材注入孔(例えば径0.3mm程度)12を有する第3凹部(例えば幅0.5mm程度)15を連設する。なお、コア材注入孔12は、エッチングやドリルなどにより設ければよい。
このような型11を用いることにより、第1凹部13によってコア3を成形し、第2凹部14によって連結コア材部4を成形すると共に、第3凹部15によってコア3の外周にコア3を保護するための保護壁9を成形することができる。
また、コア3と、前記突起部としての保護壁9と、連結コア材部4とが同材質となる。
次いで、図2(d)に示すように、コア材3aが充填された型11上に、上記のようにして作製したレンズ部5付きのクラッド2を貼り合わせる。そして、クラッド2を押圧しながら(例えば、32N以上)かつUV照射することによってコア材3aを硬化させながら、コア材3aの硬化時のコア材収縮分に対応するコア材をコア材注入孔12から注入する。これにより、図3(b)に示すように、第3凹部15及び第2凹部14から第1凹部13へ、コア材3aの硬化時のコア材収縮分に対応するコア材を効果的に補給することができる。このとき、第1凹部13、第2凹部14及び第3凹部15に充填されたコア材3aは部分硬化状態、即ち流動状態なので、補給分のコア材を効果的に第1凹部13へと到達させることができる。
なお、クラッド2を32N以上で押圧すれば、クラッド2とコア3との間の残渣(図示省略)の厚さを1.5μm以下とすることができ、光導波損失を許容値である0.08dB/cm以下に抑えることができる。
そして、図2(e)に示すように、コア材3aの硬化後に型11からコア3を剥離すれば、クラッド2とコア3との積層体16を得ることができる。このとき、前記突起部としての保護壁9にはコア材注入孔の痕跡8が残る。
次いで、図示省略したが、上記のようにして作製した積層体16と、別のクラッド6とを接合する。
以上のようにして、本発明に基づく光導波装置1を作製することができる。
本実施の形態によれば、コア材3aを硬化させながら、連結コア材部4の形状に対応した第2凹部14からコア3の形状に対応した第1凹部13へ、コア材3aの硬化時のコア材収縮分に対応するコア材を補給する工程を有するので、コア3とクラッド2との間の残渣(図示省略)を極力薄膜化するために、前記押圧力を大きくしても(例えば32N以上)、硬化されたコア3には泡が発生せず、良質な光導波装置を得ることができる。
従って、本発明に基づく光導波装置1は、コア3とクラッド2との間の残渣(図示省略)が薄膜化(例えば1.5μm以下)され、かつコア3に泡が存在しないので、コア3における光伝搬の信頼性の向上を図ることができる。
また、連結コア材部4の形状に対応した第2凹部14を設けずに、コア3の形状に対応した第1凹部13にそれぞれ前記コア材注入孔を設けた場合、コアの本数が多いと生産性が低下したり、第1凹部13の幅が狭くて(例えば断面□15μm)コア材注入孔の形成自体が困難であったり、効率的にコア材3aを補給するのが困難である。これに対し、本発明に基づく製造方法は、第3凹部(例えば幅0.5mm程度)15にコア材注入孔(例えば径0.3mm程度)12を設けるので、コア材注入孔12の形成は容易であり、生産性が高い。また、第3凹部15及び第2凹部14から第1凹部13へ、コア材3aの硬化時のコア材収縮分に対応するコア材を補給するので、効率的なコア材3aの補給をすることができ、生産性が高く、良質なコア3を得ることができる。
さらに、コア3に直接機械的加工を行うことなく、コア3の光入出射部7a、7bを傾斜ミラー面、例えば45°ミラー面に形成することができるので、成形時のダメージがなく、表面状態を平滑にすることができ、容易かつ精度良く良質な光導波装置1を成形することができる。
このような光導波装置1は、この光導波装置1のコア3に光を入射させる前記光入射部(例えば、レーザー等の発光素子)と、コア3からの出射光を受け入れる前記受光部(例えば、フォトダイオード等の受光素子)とから構成した光配線等の前記光情報処理装置として好適に用いることができる。
また、光配線等の前記光情報処理装置は、その入力側に入力信号を供給する前記回路素子を設け、その出力側に出力信号を受ける前記回路素子を設けることにより構成される電子機器に好適に用いることができる。
次に、前記連結コア材部により生じる光損失量についてSim解析した。
例えば、図4(a)、(b)に示すように、コア3−1、3−2、3−3を並べて配列し、コア3−1及び3−3には光が入射しないよう光透過率0%の遮光壁17を設け、コア3−2のみに光を入射させ、計測点での光量を測定した。なお、コア3−1、3−2、3−3の幅を5μmとし、互いに隣接するコア間の距離を5μmとし、コア3−2の長さを20μmとした。また、(b)に示すように、連結コア材部4の幅を5μmとした。
解析結果を図5に示す。図5のグラフの縦軸は、光源の光強度を1とした場合の計測点における光強度を示し、横軸は光源から計測点までの距離(μm)を示す。図5から明らかなように、光源からコアに光が注入された時点で(空気とコア端の界面にて)、50%近くが損失し、その後低損失で伝搬され、光強度は約0.46であり、連結コア材部1つ当たり0.3%程度の光損失があることが分かった。但し、グラフ左側の値が低い部分は、光源とコア端の間の部分である。なお、トータルでの光損失が10%程度であれば損失上無視できると考えられ、これを考慮して前記連結コア材部を複数設けることができる。また、連結コア材部の幅は適宜選択可能であるが、太すぎると光損失が大きくなり易く、細すぎるとコア材が通り難くなるので、例えばコアと同等の幅であることが好ましい。
第2の実施の形態
本発明に基づく光導波装置は、この光導波装置の前記コアに光を入射させる前記光入射部(例えば、レーザー等の発光素子)と、前記コアからの出射光を受け入れる前記受光部(例えば、フォトダイオード等の受光素子)とから構成した光配線等の光情報処理装置として好適に用いることができる。
図6は、本発明に基づく光導波装置1と、この光導波装置1のコア3に光を入射させる前記光入射部としてのレーザー等の発光素子19と、コア3からの出射光を受け入れる前記受光部としての受光素子20とを有する、光情報処理装置18の概略図である。
本実施の形態において、45°ミラー面である光入射部7a及び光出射部7bを有するコア3は、図1に示すように、複数個が並んで配列されており、各コア3の光入出射部7a、7bの位置が長さ方向において揃っている。
また、発光素子19は、各コア3の光入射部7aに対応する位置にそれぞれ配置されている。なお、図示省略したが、各発光素子19の間隙には、発光素子19と半導体チップ(図示省略)との間の電気的な接続を行う貫通電極(図示省略)が配置されている。なお、受光素子20においても、上記の発光素子13と同様である。
図6に示す光情報処理装置18では、コア3の並ぶ配列ピッチと同じピッチで、発光素子19や受光素子20が配列することとなる。
この動作メカニズムは、一方の半導体チップ(図示省略)から発信される電気信号が光信号に変換されて、各発光素子19から光信号として出射される。出射された光信号は、レンズ部5によって集束され、コア3の光入射部7aに入射し、45°ミラー面から構成される光入射部7aにおいて反射し、コア3が延伸する導波方向に導波され、他方の45°ミラー面からなる光出射部7bにおいて再び反射してコア3の光出射部7bから出射する。光導波装置1から出射された光信号は、レンズ部5を介して対応する受光素子20に受光されて電気信号に変換され、他方の半導体チップ(図示省略)に電気信号として伝送される(以下、他の実施の形態も同様。)。
なお、上記にコア3の光入出射部7a、7bの位置が長さ方向において揃っている例を挙げて説明したが、これに限らず、例えば、図7〜図9のような構造であってもよい。
図7では、コア3は複数並んで配列されており、また、各コア3の光入出射部7a、7bが、隣接する他のコア3の光入出射部7a、7bに対して長さ方向にずれて形成されている。この場合、発光素子アレイ19aは、各コア3の光入射部7aに対応する位置に配置された複数の発光素子19を備える(これは、受光素子アレイ20aの受光素子20についても同様である。)。
これによれば、各コア3の光入出射部7a、7bが、隣接する他のコア3の光入出射部7a、7bに対して長さ方向にずれて形成されているので、コア3の長さ方向において配列する発光素子19同士のピッチは、上記の長さ方向のズレ量だけの大きさとなる。例えば、隣接するコア3の光入出射部7a、7bを延伸方向において100μmだけずらした場合には、コア3の長さ方向において配列する発光素子19同士のピッチは100μmとなる。これは、受光素子20においても同様である。
また、コア3の配列方向に並ぶ発光素子19のピッチは、複数個のコア3の配列ピッチの合計分だけの大きさとなる。例えば、各コア3が20μmの配列ピッチで配列している場合には、コア3の配列方向に並ぶ発光素子19のピッチは、100μmとなる。
このように、各コア3の光入出射部7a、7bが、隣接する他のコア3の光入出射部7a、7bに対して長さ方向にずれて形成されていることにより、コア3に対応して配置される光素子(発光素子、受光素子を併せて称する。以下、同様。)19、20を二次元的に配置することができ、光素子19、20を100μmピッチ程度で配置しながら、コア3を20μmピッチにまで集積することが可能となっている。
即ち、光素子19、20の距離を光干渉や素子発熱によるクロストークの影響を避けるためのピッチで配列させつつ、コア3の集積度を向上させることが可能となる。
また、コア3を高集積化させつつ、光素子19、20を二次元的に配列することにより、無駄なスペースがなくなり、一素子当たりの基板占有面積を削減することができる。このため、一層のコストダウンを図ることができる。
図8では、各コア3−1、3−2の光入出射部7a、7bは、隣接する他のコア3−1、3−2の光入出射部7a、7bに対して長さ方向にずれて形成されている。即ち、光入出射部7a、7bの位置がずれた2つの第1のコア3−1及び第2のコア3−2を一単位として、繰り返し配列されている。そして、各コア3の長さ方向の一方側において、第1のコア3−1の光入射部7aに対応して配置された発光素子19を複数有する発光素子アレイ19a−1と、第2のコア3−2の光出射部7bに対応して配置された受光素子20を複数有する受光素子アレイ20a−2が配置されている。また、各コア3の長さ方向の他方側において、第1のコア3−1の光出射部7bに対応して配置された受光素子20を複数有する受光素子アレイ20a−1と、第2のコア3−2の光入射部7aに対応して配置された発光素子19を複数有する発光素子アレイ19a−2が配置されている。即ち、この光情報処理装置18では、並列に配置された各コア3−1、3−2に対し、発光素子19及び受光素子20が交互に配置されている。そのため、各コア3−1、3−2は、互いに隣接する他のコア3−2、3−1に対し逆方向に光を導波する。
これによれば、上記した図7のような構造と同等の効果が得られると共に、並列に配置された各コア3−1、3−2に対し、発光素子19及び受光素子20が交互に配置されていることから、例えば、半導体チップの特定の回路に接続する入出力パッドに対応する発光素子19及び受光素子20の位置は、図8(a)のC部に示すように近接配置されていることから、電気配線の長さを短くすることができ、高周波対策が容易になるという効果がある。
図9では、並列に配置された各コア3に対し、発光素子19及び受光素子20が交互に配置されており、各コア3は、互いに隣接する他のコア3に対し逆方向に光を導波する。また、各光素子アレイ19a−1、19a−2、20a−1、20a−2における光素子19、20は、図9(c)に示すように、隣り合う他の光素子19、20に対し、コア3の長さ方向にずれて配置されている。
これによれば、各光素子アレイ19a−1、19a−2、20a−1、20a−2において光素子19、20が直線的に配列している場合に比べて、光素子19、20間のピッチを大きく取ることができることから、上記の図8のような構造の効果を維持しつつ、光素子19、20間の距離を光干渉や素子発熱によるクロストークの影響を避けるためのピッチで配列させることができ、コア3の集積度を向上させることができる。
第3の実施の形態
本発明に基づく光導波装置は、プリント配線板上に直接実装することができるが、この他に、前記光導波装置をソケットに設置して光電複合装置とし、この光電複合装置をプリント配線板上に実装してもよい。
図10は、前記ソケットの概略斜視図である。図10(a)は、前記ソケットの光導波装置が設置される面側から見た概略斜視図であり、図10(b)は、図10(a)の反対の面側から見た概略斜視図である。
図10に示すように、ソケット21には、本発明に基づく光導波装置を位置決めして固定するための、凹凸構造からなる位置決め手段が設けられている。具体的には、前記凹凸構造が、前記光導波装置を嵌め込んでその幅方向を位置決めするための凹部22と、前記光導波装置の長さ方向を位置決めするための突起部23とを有している。また、凹部22の深さは、前記光導波装置の厚さよりも大きい。
また、ソケット21の前記凹凸構造の凸面24には、ソケット21の表及び裏面とを導通するための導通手段、例えばターミナルピン25が設けられている。そして、この凹凸構造の凸面24上に、後述するように、前記発光素子及び/又は前記受光素子が実装されたインターポーザーが固定される。
ソケット21の材質としては絶縁性樹脂であれば、従来公知の材料を用いることができ、例えばガラス入りPES(ポリエチレンスルフィド)樹脂、ガラス入りPET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂等が挙げられる。このようなソケット21の材料は、その種類、絶縁性、信頼性等のデータが既に多く存在し、また扱っているメーカーも多岐に渡る。従って、機能、コスト、信頼性等の全てにおいて受け入れ易い構造物であり、既存のプリント配線板実装プロセスとの融合も図り易い。
図11は、本発明に基づく光導波装置1をソケット21に設置してなる光電複合装置26の概略図である。図11(a)は、光電複合装置26の概略斜視図であり、図11(b)は、図11(a)の分解図である。
図11に示すように、光電複合装置26は、一対のソケット21と、このソケット21に設置された本発明に基づく光導波装置1とを有し、この一対のソケット21間に光導波装置1が架け渡されている。このとき、本発明に基づく光導波装置1は、後述するプリント配線板とは非接触となっているので、半導体チップの放熱により、光導波装置1が破壊されるのを効果的に防止することができる。
また、ソケット21の前記凹凸構造の凸面24上に、半導体チップ27a、27bと、前記発光素子(図示省略。例えばレーザー)及び/又は前記受光素子(図示省略)とが実装されたインターポーザー28が固定されている。
インターポーザー28は、例えば図12に示すように、一方の面側には半導体チップ27が実装されており(図12(a))、他方の面側には光導波装置1に光入射を行うための発光素子アレイ19aと、光導波装置1からの出射光を受けるための受光素子アレイ20aとが実装され、周辺部にはその他の信号配線用の電極(例えば電源配線、DC信号等)31が設けられている(図12(b))。なお、発光素子アレイ19a及び受光素子アレイ20aは、光導波装置1の各光入出射部に対応する位置に配置された複数の発光素子及び受光素子を備える(図示省略)。各発光素子及び受光素子の間隙には、発光素子及び受光素子と半導体チップとの間の電気的接続を行う貫通電極が配置されている(図示省略)。
そして、凹部22に光導波装置1が設置されてなる一対のソケット21と、インターポーザー28とを固定するに際し、インターポーザー28の発光素子アレイ19a及び/又は受光素子アレイ20aが実装された面側をソケット21の凸面24と接するように構成し、またソケット21のターミナルピン25とインターポーザー28のその他の信号配線用の電極31とを電気的に接続するように固定する。
また、上述したように、ソケット21の凹部22の深さを、光導波装置1の厚さよりも大きく形成することにより、図11(a)に示すように、光導波装置1の一方の面29側と、インターポーザー28の発光素子アレイ19a及び/又は受光素子アレイ20aが実装されている面側との間に空間30を形成することができる。
上記したように、ソケット21上に、インターポーザー28を介して半導体チップ27を実装し、及び光導波装置1の一方の面29側と、インターポーザー28の発光素子アレイ19a及び/又は受光素子アレイ20aが実装されている面側との間に空間30を形成することにより、光電複合装置26の使用時に半導体チップ27が発熱しても、この熱によって光導波装置1が破壊されるのを効果的に防ぐことができる。
このような光電複合装置26は、光導波装置1が光配線として用いられる光配線システムを構成することができる。即ち、図13に示すように、この光電複合装置26をプリント配線板32に電気的に接続された状態で固定する。
この動作メカニズムは、一方の半導体チップ27aから発信される電気信号が光信号に変換されて、発光素子アレイ19aの各発光素子(図示省略)からレーザー光による光信号として出射される。出射された光信号は、光導波装置1における対応するレンズ部5によって集束され、コア3の光入射部7aに入射し、コア3が延伸する導波方向に導波され、他方のコア3の光出射部7bから出射する。そして、光導波装置1から出射された光信号は、受光素子アレイ20aの対応する受光素子(図示省略)に受光されて電気信号に変換され、他方の半導体チップ27bに電気信号として伝送される。
このような光電複合装置26によれば、本発明に基づく光導波装置1をソケット21の凹部22に設置された状態でプリント配線板32に電気的に接続することができるので、既存のプリント配線板32の実装構造をそのまま利用できる構造である。従って、プリント配線板32上にソケット21が設置できる領域を設ければ、その他の一般の電気配線は従来通りのプロセスで形成することが可能である。
また、光導波装置1が高温プロセスに弱くても、例えば、プリント配線板32にソケット21を固定し、更にはんだリフロー、アンダーフィル樹脂封止などの高温プロセスを含む、全ての実装プロセスを完了した後、ソケット21の凹部22に光導波装置1を設置することができるので、光導波装置1が高温によるダメージをこうむることなしにその実装を行うことが可能である。
また、プリント配線板32と比較して剛性の高い樹脂によってソケット21を作製でき、このソケット21上で、前記発光素子及び/又は前記受光素子及び光導波装置1間の光結合を行うことができるため、光結合に必要とされる実装精度を容易に確保できる。例えば、現状のモールド技術により、数μmオーダーの組立て精度は確保可能である。従って、光バスの高密度化も可能となる。
さらに、半導体チップ27と、発光素子アレイ19a及び/又は受光素子アレイ20aとを、インターポーザー28を介してその上下面に近接させて設置することができるので、半導体チップ27と、前記発光素子及び/又は前記受光素子との間の配線長を短くすることができる。従って、電気信号のノイズ対策、クロストーク対策も容易となり、光変調速度も向上させることが可能となる。
また、光導波装置1がソケット21の凹部22に設置された状態でプリント配線板32に電気的に接続することができるので、プリント配線板32の高密度配線とその設計の自由度を確保しながら光配線システムを安価かつ高い自由度でプリント配線板32上に展開することが可能となり、プリント配線板32上での高速分散処理、電子機器トータルでの高機能化、及び開発の短TAT(turn around time)化等が期待できる。
ここで、図14は、光電複合装置26をプリント配線板32上に展開した例を示す模式図である。例えば、光導波モジュールを規格化することで、4方向に自在に展開することが可能となる。
第4の実施の形態
本発明に基づく光導波装置と、この光導波装置の前記コアに光を入射させる前記光入射部と、前記コアからの出射光を受け入れる前記受光部とを有する前記光情報処理装置の入力側に入力信号を供給する回路素子を設け、また出力側に出力信号を受ける回路素子を設けることにより、電子機器を構成することができる。この場合、前記光入射部に、パラレル入力信号をシリアル入力信号に変換する変換器がドライバアンプを介して接続され、前記受光部に、シリアル出力信号をパラレル出力信号に変換する変換器がトランスインピーダンスアンプ及びI/V変換アンプを介して接続されているのがよい。
図15は、上記の電子機器としてのコンピュータシステム200の構成を示している。このコンピュータシステム200は、CPU(Central Processing Unit)201と、メモリコントローラとしてのノースブリッジ202と、DRAM(Dynamic Random Access Memory)203と、I/Oコントローラとしてのサウスブリッジ204と、バス205と、ネットワークインタフェース(ネットワークI/F)206と、記憶装置207と、その他の入出力装置(I/O装置)208とを備える。
ノースブリッジ202は、光配線として構成された上記の光情報処理装置210aを介してCPU201に接続されている。また、サウスブリッジ204は、光配線として構成された光情報処理装置210bを介してノースブリッジ202に接続されていると共に、さらに光配線210aを介してCPU201に接続されている。また、DRAM203は、光配線として構成された光情報処理装置210cを介してノースブリッジ202に接続されている。CPU201は、OS(Operating System)及びアプリケーションプログラムに基づいて各部を制御する。ノースブリッジ202は、メモリ203へのアクセスを統括制御する。
バス205は電気配線214を介してサウスブリッジ204に接続されている。また、ネットワークインタフェース206、記憶装置207及びその他のI/O装置208はそれぞれ、バス205に接続されている。記憶装置207は、HDD(Hard Disk Drive)、DVD(Digital Versatile Disk)ドライブ、CD(Compact Disk)ドライブなどである。I/O装置208は、ビデオ入出力装置、シリアルやパラレルのインタフェースなどである。
図16は、図15における光配線として構成された光情報処理装置210a、b、c(但し、図16では光配線210と記載している。)の構成例を示している。この光配線210は、Nチャネル分の光伝送系220−1〜220−Nを有している。光伝送系220−1〜220−Nはそれぞれ、第1の回路から第2の回路に光信号を伝送する第1の伝送系221と、第2の回路から第1の回路に光信号を伝送する第2の伝送系222とからなっている。ここで、図15における光配線210aを考える場合、前記第1の回路とはCPU201を示し、前記第2の回路とはノースブリッジ202を示す。図15における光配線210bを考える場合、前記第1の回路とはノースブリッジ202を示し、前記第2の回路とはサウスブリッジ204を示す。図15における光配線210cを考える場合、前記第1の回路とはDRAM203を示し、前記第2の回路とはノースブリッジ202を示す。また、光配線210は、図8に示すような光導波方向を有するよう構成された例を挙げる。
第1の伝送系221は、パラレル/シリアル変換器(P/S変換器)221a、ドライバアンプ221b、前記発光素子としての半導体レーザー221c、本発明に基づく光導波装置221d、受光素子としてのフォトダイオード221e、トランスインピーダンスアンプ(TIA)221f、I/V変換アンプ(IVA)221g及びシリアル/パラレル変換器(S/P変換器)221hを備えている。この場合、P/S変換器221a、ドライバアンプ221b及び半導体レーザー221cは前記第1の回路側に配置され、フォトダイオード221e、TIA221f、IVA221g及びS/P変換器221hは前記第2の回路側に配置される。また、本発明に基づく光導波装置221dは、上記の各実施の形態で説明したような構造を有しており、半導体レーザー221cから出射された光信号を効果的に入射するよう配置されると共に、光導波装置221dを導波して出射された光信号がフォトダイオード221eに効果的に受光されるよう配置される。
また、第2の伝送系222は、第1の伝送系221と同様に、P/S変換器222a、ドライバアンプ222b、半導体レーザー222c、本発明に基づく光導波装置222d、フォトダイオード222e、TIA222f、IVA222g及びS/P変換器222hを備えている。この場合、P/S変換器222a、ドライバアンプ222b及び半導体レーザー222cは前記第2の回路側に配置され、フォトダイオード222e、TIA222f、IVA222g及びS/P変換器222hは前記第1の回路側に配置される。また、本発明に基づく光導波装置222dは、上記の各実施の形態で説明したような構造を有しており、半導体レーザー222cから出射された光信号を効果的に入射するよう配置されると共に、光導波装置222dを導波して出射された光信号がフォトダイオード222eに効果的に受光されるよう配置される。
ここで、P/S変換器221a、222aはそれぞれ、伝送すべきデータ、例えばb0〜b7の8ビットパラレルデータをシリアルデータに変換する。ドライバアンプ221b、222bはそれぞれ、P/S変換器221a、222aで得られたシリアルデータに基づいて半導体レーザー221c、222cを駆動し、この半導体レーザー221c、222cからシリアルデータに対応した光信号を発生させる。TIA221f、222fはそれぞれ、フォトダイオード221e、222eからの光電変換による電流信号を、後続のIVA221g、222gに供給する際に、インピーダンスマッチングをとる。IVA221g、222gはそれぞれ、TIA221f、222fの出力信号である電流信号を電圧信号に変換する。S/P変換器221h、222hはそれぞれ、IVA221g、222gの出力信号である、伝送されてきたシリアルデータをパラレルデータに変換する。
次に、前記第1の回路から前記第2の回路のデータを伝送する際の動作について説明する。前記第1の回路からの伝送すべき8ビットのパラレルデータがP/S変換器221aでシリアルデータに変換され、このシリアルデータがドライバアンプ221bに供給される。このドライバアンプ221bにより半導体レーザー221cが駆動され、この半導体レーザー221cからシリアルデータに対応した光信号が発生される。そして、この光信号が光導波装置221dを導波し、前記第2の回路側に伝送される。
前記第2の回路側では、光導波装置221dを導波し、出射された光信号がフォトダイオード221eに受光される。このフォトダイオード221eからの光電変換による電流信号が、インピーダンスマッチング用のTIA221fを介してIVA221gに供給され、電圧信号に変換される。そして、このIVA221gの出力信号である、伝送されてきたシリアルデータがS/P変換器221hでパラレルデータに変換され、前記第2の回路へと伝送される。
このようにして、前記第1の回路から前記第2の回路にデータの伝送が行われる。なお、詳細説明は省略するが、前記第2の回路から前記第1の回路にデータを伝送する際の動作についても上記と同様に行われる。図14に示す光配線210では、Nチャネル分の光伝送系220−1〜220−Nを有しているので、Nチャネル分のデータ送受信を平行して行うことができる。
上述したコンピュータシステム200においては、図示しないプリント配線板(マザーボード)上に、電子機器としてのCPU201、ノースブリッジ202、DRAM203、サウスブリッジ204及びバス205等をそれぞれ構成する半導体チップ、及び光配線として構成された光情報処理装置210が実装される。
本実施の形態によれば、電子機器内のチップ間において光配線として構成された前記光情報処理装置を適用しているので、信号授受の高速化及び大容量化を実現することができる。
また、光配線210における光導波装置221d、222dは、本発明に基づく製造方法によって作製されるので、上述した各実施の形態と同様の効果が奏せられる。
従って、本発明に基づく光導波装置221d、222dを用いて構成される電子機器は、安定した光入射及び光出射を行うことができる。
第5の実施の形態
図17は、上記の電子機器としてのゲーム機300の構成を示している。このゲーム機300は、ゲームアプリケーションプログラム等の各種アプリケーションプログラムに基づいて信号処理や内部構成要素の制御を行うメインCPU301と、画像処理を行うグラフィックプロセッサ(GP)302と、インターネット等のネットワークとのインタフェースを行うためのネットワークインタフェース(ネットワークI/F)303と、インタフェース処理を行うIOプロセッサ(IOP)304と、DVDやCD等の光ディスク305の読み出し制御や読み出されたデータのデコードを行う光ディスク制御部306と、メインCPU301に接続されるメインメモリとしてのDRAM307と、IOプロセッサ304が実行する命令やデータを保持するためのIOPメモリ308と、主にオペレーティングシステム用のプログラムが格納されたOS/ROM309と、音声信号処理を行うサウンドプロセッサユニット(SPU)310と圧縮波形データを格納するサウンドバッファ311とを基本構成として備えている。
メインCPU301とネットワークI/F303は、光配線210dにより接続されている。メインCPU301とグラフィックプロセッサ302は、光配線210eにより接続されている。
なお、光配線210d、210eはそれぞれ、上記した図16に示すように構成されており、メインCPU301とネットワークI/F303の間、及びメインCPU301とグラフィックプロセッサ302の間では、光信号によってデータの送受信が行われる。
メインCPU301とIOプロセッサ304は、SBUS314により接続されている。IOプロセッサ304と、光ディスク制御部306、OS/ROM309及びサウンドプロセッサユニット310は、SSBUS315により接続されている。
メインCPU301は、OS/ROM309に格納されたプログラムや、光ディスク305から読み出されてDRAM307にロードされたり、或いは通信ネットワークを介してダウンロードされた、各種のゲームアプリケーションプログラム等を実行する。グラフィックプロセッサ302は、例えばビデオゲームにおけるレンダリング処理等を行い、ビデオ信号をディスプレイに出力する。
IOプロセッサ304には、コントローラ(図示せず)が接続されるコントローラポート321、メモリカード(図示せず)が装填されるメモリカードスロット322、USB接続端子323及びIEEE1394接続端子324が接続されている。これにより、IOプロセッサ304は、コントローラポート321を介して接続されたコントローラ、メモリカードスロット322を介して接続されたメモリカード、USB接続端子323を介して接続された図示しない携帯電話機やパーソナルコンピュータとの間でデータの送受や、プロトコル変換等を行う。
サウンドプロセッサユニット310は、サウンドバッファ311に格納されている圧縮波形データを、メインCPU301からの命令に基づいて所定のサンプリング周波数で再生することなどにより、様々なサウンドを合成し、オーディオ信号をスピーカに出力する。
上述したゲーム機300においては、図示しないプリント配線板(マザーボード)上に、メインCPU301等の基本構成電子部品としての半導体チップ、及び光配線として構成された光情報処理装置210d、210eが実装される。
本実施の形態によれば、電子機器内のチップ間において光配線として構成された前記光情報処理装置を適用しているので、信号授受の高速化及び大容量化を実現することができる。
また、光配線210d、210eにおける前記光導波装置として、上述した本発明に基づく製造方法により作製される光導波装置を適用するので、これを用いて構成される電子機器は、安定した光入射及び光出射を行うことができる。
第6の実施の形態
図18は、上記の電子機器としてのサーバ400の構成を示している。このサーバ400は、CPU401、402と、チップセット403と、ネットワークインタフェース(ネットワークI/F)404と、メモリ405と、PCIブリッジ406と、ルータ407とを基本構成として備えている。
チップセット403には、光配線210f、210gを介してCPU401、402が接続されていると共に、光配線210hを介して、ネットワークI/F404が接続されている。ネットワークI/F404は、ネットワークとのインタフェースを行う。チップセット403は、CPU401、402、ネットワークI/F404、メモリ405及びPCIブリッジ406などを制御する。
なお、光配線210f、210g、120hはそれぞれ、上記した図16に示すように構成されており、CPU401、402とチップセット403の間、及びチップセット403とネットワークI/F404の間では、光信号によってデータの送受信が行われる。
また、チップセット403には、電気配線により、メモリ405、PCIブリッジ406及びルータ407が接続されている。
PCIブリッジ406には、PCIバス414を介して、記憶装置などのPCIデバイス415〜417が接続されている。ルータ407は、例えば、スイッチカード421及びラインカード422〜425から構成されている。ラインカード422〜425は、パケットの前処理を行うプロセッサであり、スイッチカード421はパケットの行き先をアドレスに従い切り替えるスイッチである。
上述したサーバ400においては、図示しないプリント配線板(マザーボード)上に、CPU401、402、チップセット403等の基本構成電子部品としての半導体チップ、及び光配線として構成された光情報処理装置210f、210g、210hが実装される。
本実施の形態によれば、電子機器内のチップ間において光配線として構成された前記光情報処理装置を適用しているので、信号授受の高速化及び大容量化を実現することができる。
また、光配線210f、210g、210hにおける前記光導波装置として、上述した本発明に基づく製造方法により作製される光導波装置を適用するので、これを用いて構成される電子機器は、安定した光入射及び光出射を行うことができる。
以上、本発明を実施の形態について説明したが、上述の例は、本発明の技術的思想に基づき種々に変形が可能である。
例えば、コア材、クラッド材等を硬化させるためにUV照射を行った例を挙げて説明したが、これに限らず、例えば加熱による硬化方法などもある。
また、本発明に基づく製造方法において、前記レンズ部付きの前記クラッドの接合面とは反対側の前記コアの他方の面上に、前記クラッドとは別のクラッドを設ける例を挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、前記別のクラッドを設けなくてもよい。
また、前記レンズ部としては、例えば凸レンズなどを適用することができ、その形状は特に限定されず、球面レンズ、シリンドリカルレンズ等が適用可能である。さらに、前記レンズ部は、前記クラッドとの一体成形でも後付けでもよい。
第1の実施の形態による、本発明に基づく光導波装置の概略図である。 同、本発明に基づく光導波装置の製造方法の一例を工程順に示す概略断面図である。 同、本発明に基づく光導波装置の製造方法に用いることができる型の一例の模式図である。 同、前記連結コア材部により生じる光損失量についてSim解析するのに用いた本発明に基づく光導波装置を比較して示す模式図である。 同、前記連結コア材部により生じる光損失量についてSim解析した結果を示すグラフである。 第2の実施の形態による、本発明に基づく光導波装置を用いて構成した光情報処理装置の概略断面図である。 同、本発明に基づく光導波装置を用いて構成した他の例の光情報処理装置の概略図である。 同、本発明に基づく光導波装置を用いて構成した他の例の光情報処理装置の概略図である。 同、本発明に基づく光導波装置を用いて構成した更に他の例の光情報処理装置の概略図である。 第3の実施の形態による、本発明に基づく光導波装置を設置するソケットの概略斜視図である。 同、前記ソケットに本発明に基づく光導波装置を設置してなる光電複合装置の概略斜視図である。 同、前記ソケットに接合するインターポーザーの概略斜視図である。 同、前記光電複合装置をプリント配線板上に配した概略断面図である。 同、前記光電複合装置の実装構造の一例の概略平面図である。 第4の実施の形態による、本発明に基づく光導波装置を用いて構成された電子機器の一例を示す模式図である。 同、前記電子機器において、光配線として構成された前記光情報処理装置の構成の一例を示す模式図である。 第5の実施の形態による、本発明に基づく光導波装置を用いて構成された電子機器の一例を示す模式図である。 第6の実施の形態による、本発明に基づく光導波装置を用いて構成された電子機器の一例を示す模式図である。 従来例による、光導波路の実装構造を示し概略図である。 同、光導波路の概略断面図である。 同、光導波路の製造方法を工程順に示す概略断面図である。 同、クラッドの押圧と残渣の関係を示す模式図である。 同、残渣厚と光導波損失との関係(a)、押圧と残渣圧との関係(b)を示すグラフである。 同、コアに対応する形状の凹部を有する型の概略図である。 同、クラッドの押圧と、コアに発生する泡の量との関係を示すグラフである。 同、コアに泡が発生するメカニズムを示す模式図である。 同、コアに泡が発生するメカニズムを示す模式図(a)及びグラフ(b)である。
符号の説明
1…光導波装置、2、6…クラッド、2a…クラッド材、3…コア、3a…コア材、
4…連結コア材部、5…レンズ部、7a…光入射部、7b…光出射部、
8…コア材注入孔の痕跡、9…保護壁、11…型、12…コア材注入孔、
13…第1凹部、14…第2凹部、15…第3凹部、16…積層体、
18…光情報処理装置、19…発光素子、19a…発光素子アレイ、20…受光素子、
20a…受光素子アレイ

Claims (11)

  1. クラッドにコアが複数並んで配列され、前記コアを通して光が導かれるように構成される光導波装置であって、前記複数のコアと交差してこれらのコアを連結する連結コア材部が設けられ、この連結コア材部がコア成形時のコア材補給路としても機能していることを特徴とする、光導波装置。
  2. 前記連結コア材部の周囲に、コア材注入孔の痕跡を有する突起部が連設されている、請求項1に記載した光導波装置。
  3. 前記クラッドの前記コアが接合された面側において、前記コアの外周に前記コアを保護するための保護壁が前記突起部として設けられ、前記保護壁と前記連結コア材部とが連設されている、請求項2に記載した光導波装置。
  4. 前記コアと、前記突起部と、前記連結コア材部とが同材質である、請求項2に記載した光導波装置。
  5. クラッドにコアが複数並んで配列され、前記コアを通して光が導かれるように構成され、前記複数のコアと交差してこれらのコアを連結する連結コア材部が設けられ、この連結コア材部がコア成形時のコア材補給路としても機能している光導波装置を製造するに際し、
    前記コアの形状に対応した第1凹部と、前記連結コア材部の形状に対応した第2凹部 とを有する型を作製する工程と、
    前記型にコア材を充填し、前記クラッドを貼り合わせる工程と、
    前記型に対して前記クラッドを押圧する工程と、
    前記コア材を硬化させながら、前記第2凹部から前記第1凹部へ、前記コア材の硬化 時のコア材収縮分に対応するコア材を補給する工程と、
    前記コア材の硬化後に前記型から前記コアを剥離する工程と
    を有する、光導波装置の製造方法。
  6. 前記第2凹部の周囲に、コア材注入孔を有する第3凹部を連設する、請求項5に記載した光導波装置の製造方法。
  7. 前記第1凹部によって前記コアを成形し、前記第2凹部によって前記連結コア材部を成形すると共に、前記第3凹部によって前記コアの外周に前記コアを保護するための保護壁を成形する、請求項6に記載した光導波装置の製造方法。
  8. 光導波装置と、前記光導波装置に光を入射させる光入射部と、前記光導波装置からの出射光を受け入れる受光部とを有する光情報処理装置であって、前記光導波装置が、
    クラッドにコアが複数並んで配列され、前記コアを通して光が導かれるように構成さ れる光導波装置であって、前記複数のコアと交差してこれらのコアを連結する連結コア 材部が設けられ、この連結コア材部がコア成形時のコア材補給路としても機能している
    ことを特徴とする、光情報処理装置。
  9. 前記連結コア材部の周囲に、コア材注入孔の痕跡を有する突起部が連設されている、請求項8に記載した光情報処理装置。
  10. 前記クラッドの前記コアが接合された面側において、前記コアの外周に前記コアを保護するための保護壁が前記突起部として設けられ、前記保護壁と前記連結コア材部とが連設されている、請求項9に記載した光情報処理装置。
  11. 前記コアと、前記突起部と、前記連結コア材部とが同材質である、請求項9に記載した光情報処理装置。
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