JP2006329976A - 蛍光標識体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】アニオン性基を有する親水性重合体から、共有結合を介して分鎖上に伸びた複数のポリエーテル誘導体の一部に、蛍光体が共有結合により結合された構造の蛍光標識体および、該標識体中の親水性重合体に、直接あるいは分鎖上に伸びたポリエーテル誘導体と共有結合された蛍光標識認識物を用いて、免疫測定等の各種測定を行なう。
【選択図】図1
Description
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、多数の蛍光体を導入しても、認識物が変性することなく、蛍光体も消光せずに蛍光強度が増幅される蛍光標識体および該標識体で標識化された蛍光標識認識物を提供することを課題とする。
請求項1に記載の発明は、アニオン性基を有する親水性重合体、ポリエーテル誘導体および蛍光体からなる蛍光標識体であって、前記蛍光体が、ポリエーテル誘導体を介して親水性重合体に結合されていることを特徴とする蛍光標識体である。
また、該蛍光標識体の水溶性が著しく向上し、蛍光標識認識物を変性させることがない。
図1は、本発明の蛍光標識体の構造を模式的に示すものである。符号1は親水性重合体であり、その構造中には、アニオン性基5が導入されている。また、符号2は、親水性重合体1に導入されたアニオン性基以外の親水性置換基である。また、符号3はポリエーテル誘導体であり、一つの親水性重合体1に複数が共有結合を介して分鎖状に結合しており、その一部のポリエーテル誘導体3の末端には、蛍光体4が共有結合を介して結合されている。認識物は、親水性重合体中の官能基に、共有結合を介して、直接結合されている。(図示略)
本発明の蛍光標識体を構成する親水性重合体は、その構造中にアニオン性基などの親水性置換基を有するものであり、好ましくはアクリル酸誘導体またはビニル誘導体等のモノマーを重合したものが用いられる。アクリル酸誘導体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、2−アミノエチルメタクリレート、3−スルホプロピルメタクリレート、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−エチルメタクリル酸グルコシド、N−アクリロキシサクシニミド等が挙げられ、ビニル誘導体としては、例えば、ビニルスルホン酸ナトリウム、N−ビニルジメチルアミン、N−ビニルジエチルアミン、ビニルホスホン酸ジメチル、ビニルホスホン酸ジエチル等が挙げられるが、用いることのできるモノマーは、これらの化合物に限定されない。中でも、アミノ基を有するアクリル酸誘導体またはビニル誘導体と、スルホン酸基またはリン酸基を有するアクリル酸誘導体またはビニル誘導体とからなる親水性重合体が好ましい。またモノマーは、単独で用いても良いし、二種以上を併用しても良い。
また、前記親水性重合体は、分子量が好ましくは5〜500kDa、より好ましくは5〜100kDaのものが用いられる。
ここで、アニオン性基としては、好ましくは、スルホン酸基、リン酸基、またはそれらの塩を用いるが、これら以外にも、例えば、ホスフィン酸基(−phosphinic acid)、スルフィン酸基(−sulfinic acid)、スルフェン酸基(−sulfenic acid)、カルボン酸基、またはそれらの塩等を用いることができる。
本発明の蛍光標識体を構成するポリエーテル誘導体としては、例えば、ポリエチレングリコール誘導体、ポリプロピレングリコール誘導体等を挙げることができる。
これらのポリエーテル誘導体は、例えば、ポリ(エチレングリコール)ビスアミノプロピル、ポリ(プロピレングリコール)ビスアミノプロピルのように、両端にアミノ基等の官能基を有する誘導体を、一端の官能基は親水性重合体と、他方の官能基は蛍光体と反応させることにより、導入されている。
ポリエーテル誘導体は、分子量が好ましくは0.1〜50kDa、より好ましくは10〜30kDaのものが用いられる。
本発明の蛍光標識体を構成する蛍光体としては、例えば、インダセン誘導体、フルオレセイン誘導体、ローダミン誘導体、インドカルボシアニン誘導体およびフラザン誘導体等を挙げることができる。
また、キサンテン色素体、シアニン色素体、クマリン色素体、ポルフィリン色素体、または複合色素体等の蛍光色素を用いることも出来るが、本発明で蛍光体として用いることのできるものは、これらに限定されるものではない。天然に存在する物質(天然由来物質)は、約200nm〜500nmの比較的短い波長で励起され発光する。従って、蛍光測定時に天然由来物質からの蛍光と誤認しないために、約500nmを越える波長、好ましくは約500nm〜900nmのスペクトル範囲の光によって励起される前記蛍光体が用いられる。
本発明の蛍光標識体は、一つの親水性重合体に、複数のポリエーテル誘導体が共有結合により分鎖状に結合しており、その一部のポリエーテル誘導体の末端には、蛍光体が共有結合を介して結合した構造からなる。蛍光体が直接親水性重合体に結合していないため、各蛍光体同士は凝集しにくく、かつ、蛍光標識体は十分な親水性を維持できるため、認識物と結合しても変性しない。
前記蛍光標識体は、各種認識物を蛍光標識できる。ここで、認識物としては、蛋白質、ペプチド、抗体、抗原、ハプテン、受容体、核酸、ヌクレオチド、ヌクレオチド誘導体、天然または合成薬剤、合成オリゴマー、合成ポリマー、ホルモン、リンフォカイン、サイトカイン、トキシン、リガンド、炭水化物、糖、オリゴ糖、多糖等を挙げることができる。
蛍光標識認識物の調製にあたっては、前記蛍光標識体1個あたり、1〜4個の認識物を導入することが好ましい。
本発明の蛍光標識認識物は、従来の免疫測定法に用いられる、抗体等を結合させた各種免疫測定用の固相試薬とともに、免疫測定に用いることができる。これらの試薬は、周知の1ステップ法、ディレイ1ステップ法、2ステップ法等のサンドイッチ法、競合法等に用いられ、免疫反応により、固相上の抗体等との間に免疫複合体を形成した蛍光標識認識物の蛍光強度を測定することで、免疫測定を実施できる。測定できる物質は、前記蛍光標識認識物と反応あるいは相互作用する物質であり、例えば、生体由来の各種抗原、抗体等を挙げることができる。これら抗原、抗体等を含む検体としては、例えば全血、血清、血漿、尿、リンパ液等の体液、便抽出液等を挙げることができる。
(3−スルホプロピルメタクリレートと2−アミノエチルメタクリレート塩酸とからなる親水性重合体の調製)
3−スルホプロピルメタクリレート1.97g、2−アミノエチルメタクリレート塩酸0.33gを100mlのナスフラスコに入れ、これに無水ジメチルホルムアミド25mlを加えて溶解した。次に、反応開始剤としてAIBN163mgを加えて脱気し、アルゴンガスに置換した。65℃に加温したオイルバスにナスフラスコを浸し、3時間反応させた。反応終了後、ナスフラスコに乾燥アセトン150mlを加え、生じた沈殿物をガラスフィルターで濾取した。得られた沈殿物を30〜40℃に加温しながら真空乾燥させ、3−スルホプロピルメタクリレートと2−アミノエチルメタクリレート塩酸とからなる親水性重合体を2.1g得た。
(親水性重合体の調製)
2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸0.58g、N−アクリロキシサクシニミド1.13gを200mlのナスフラスコに入れ、これに無水ジメチルホルムアミド50mlを加えて溶解した。次に、反応開始剤としてAIBN163mgを加えて脱気し、アルゴンガスに置換した。65℃に加温したオイルバスにナスフラスコを浸し、3時間反応させた。反応終了後、ナスフラスコに乾燥酢酸エチル150mlを加え、生じた沈殿物をガラスフィルターで濾取した。得られた沈殿物を30〜40℃に加温しながら真空乾燥させ、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸とN−アクリロキシサクシニミドとからなる親水性重合体を1.3g得た。
ポリエチレングリコール−ビス−3−アミノプロパン(アルドリッチ社製)約4.8g(親水性重合体の約200倍量)の50ml水溶液を調製し、塩酸を用いてpH7〜8に合わせた。この溶液に、上記の2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸とN−アクリロキシサクシニミドとからなる親水性重合体500mg(平均分子量30,000)のジメチルスルホキシド溶液を、撹拌しながら少量ずつ加えた。室温で3時間反応後、スーパーデックス−200(ファルマシア社製;35×600mm、50mM CHES−NaOH pH10緩衝液で平衡化)でゲル濾過し、未反応のポリエチレングリコール−ビス−3−アミノプロパンを取り除いた。目的物を含むフラクションを集め、透析膜を用いて一昼夜透析後、凍結乾燥し、ポリエチレングリコール−ビス−3−アミノプロパンが導入された2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸とN−アクリロキシサクシニミドとからなる親水性重合体を約720mg得た。
次いで、上記のポリエチレングリコール−ビス−3−アミノプロパンが導入された親水性重合体5mgを秤量し、50mMリン酸緩衝液1mlに溶解した。次に、この溶液を攪拌しながら、蛍光体4,4−ジフルオロ−5−(2−チエニル)−4−ボラ−3a,4a−ジアザ−s−インダセン−3−プロピオン酸スクシミニジルエステル(モレキュラープローブス社製、以下、BODIPY−560と略記)2.7mg/200μl乾燥ジメチルスルホキシド溶液を30分かけて少量ずつ添加し、添加終了後約2時間攪拌した。攪拌終了後、純水で平衡化したPD−10カラム(ファルマシア社製)を用いて、未反応のBODIPY−560とジメチルスルホキシドを取り除いた。目的物を含むフラクションを集め、分画分子量1万の限外ろ過器(ミリポア社製;セントリプレップ−10)で1ml程度まで濃縮した。濃縮物を凍結乾燥し、目的物であるBODIPY−560で標識化された蛍光標識体を3.7mg得た。
(親水性重合体の調製)
3−スルホプロピルメタクリレート1.23g、N−アクリロキシサクシニミド0.98gを200mlのナスフラスコに入れ、これに無水ジメチルホルムアミド25mlを加えて溶解した。次に、反応開始剤としてAIBN163mgを加えて脱気し、アルゴンガスに置換した。65℃に加温したオイルバスにナスフラスコを浸し、1時間反応させた。反応終了後、ナスフラスコに乾燥酢酸エチル150mlを加え、生じた沈殿物をガラスフィルターで濾取した。得られた沈殿物を30〜40℃に加温しながら真空乾燥させ、3−スルホプロピルメタクリレートとN−アクリロキシサクシニミドとからなる親水性重合体を1.6g得た。
ポリエチレングリコール−ビス−3−アミノプロパン(アルドリッチ社製)約1.4g(親水性重合体の約200倍量)の50ml水溶液を調製し、塩酸を用いてpH7〜8に合わせた。この溶液に、上記の3−スルホプロピルメタクリレートとN−アクリロキシサクシニミドとからなる親水性重合体100mg(平均分子量45,000)のジメチルスルホキシド溶液を、撹拌しながら少量ずつ加えた。室温で3時間反応後、スーパーデックス−200(ファルマシア社製;35×600mm、50mM CHES−NaOH pH10緩衝液で平衡化)でゲル濾過し、未反応のポリエチレングリコール−ビス−3−アミノプロパンを取り除いた。目的物を含むフラクションを集め、透析膜を用いて一昼夜透析後、凍結乾燥し、ポリエチレングリコール−ビス−3−アミノプロパンが導入された3−スルホプロピルメタクリレートとN−アクリロキシサクシニミドとからなる親水性重合体を約150mg得た。
次いで、上記のポリエチレングリコール−ビス−3−アミノプロパンが導入された親水性重合体5mgを秤量し、1mlの50mMリン酸緩衝液(pH7.0)で溶解した。次に、この溶液を攪拌しながら、蛍光体N−エチル−N−{5−(N″−サクシニミジロキシカルボニル)ペンチル}インドカルボシアニン塩酸塩(同仁化学社製、以下、IC3と略記)0.32mg/200μl乾燥ジメチルスルホキシド溶液を30分かけて少量ずつ添加し、添加終了後約2時間攪拌した。攪拌終了後、純水で平衡化したPD−10カラム(ファルマシア社製)を用いて、未反応のIC3とジメチルスルホキシドを取り除いた。目的物を含むフラクションを集め、分画分子量1万の限外ろ過器(ミリポア社製;セントリプレップ−10)で1ml程度まで濃縮した。濃縮物を凍結乾燥し、目的物であるIC3で標識化された蛍光標識体を3.8mg得た。
(蛍光標識体の調製)
実施例2で用いた、上記のポリエチレングリコール−ビス−3−アミノプロパンが導入された3−スルホプロピルメタクリレートとN−アクリロキシサクシニミドとからなる親水性重合体5mgを秤量し、50mMリン酸緩衝液1mlに溶解した。次に、この溶液を攪拌しながら、BODIPY−560(モレキュラープローブス社)2.7mg/200μl乾燥ジメチルスルホキシド溶液を、30分かけて少量ずつ添加し、添加終了後約2時間攪拌した。攪拌終了後、純水で平衡化したPD−10カラム(ファルマシア社製)を用いて、未反応のBODIPY−560とジメチルスルホキシドを取り除いた。目的物を含むフラクションを集め、分画分子量1万の限外ろ過器(ミリポア社製;セントリプレップ−10)で1ml程度まで濃縮した。濃縮物を凍結乾燥し、目的物であるBODIPY−560で標識化された蛍光標識体を4.5mg得た。
(蛍光標識認識物の調製)
αフェトプロテイン抗体2ml(2mg/ml、pH7 リン酸緩衝液溶液)をPD−10カラム(ファルマシア社製)で100mM炭酸緩衝液pH8.5に置換した。緩衝液を置換後、イミノチオラン117μl(1mg/ml)加え、37℃で1時間撹拌しながら反応させた。反応終了後、限外ろ過器(ザルトリウス社製;分子量30,000カット)で2ml以下まで濃縮した。濃縮後、PD−10カラム(pH6.3、50mMリン酸緩衝液で平衡化)で緩衝液を置換し、イミノチオラン化αフェトプロテイン抗体を得た。
次に、実施例1で調製した蛍光標識体0.9mg(0.06μmol)秤量し、pH7のリン酸緩衝液に溶解した。この中に、GMBS(同仁化学社製)6.2mg/mlジメチルホルムアミド溶液185μlを加えた。暗所で1時間反応後、PD−10カラム(pH6.3、50mMリン酸緩衝液で平衡化)で未反応のGMBSとジメチルホルムアミドを取り除き、GMB化蛍光標識体分画を得た。
上記イミノチオラン化αフェトプロテイン抗体とGMB化蛍光標識体を混和し、暗所で一昼夜反応させた。反応終了後、スーパーデックス200(ファルマシア社製)を用いて、BODIPY−560で蛍光標識化された抗体、すなわち蛍光標識認識物を得た。
[試験例1]
(BODIPY−560で標識化された蛍光標識体の蛍光強度の測定)
実施例1で調製した蛍光標識体1mgを秤量し、50mMリン酸緩衝液(pH7.0)1mlに溶解し、1mg/ml溶液とした。この溶液をさらに1/100希釈し、10μg/mlとした。この溶液を上記緩衝液で3n希釈し、1/2187の濃度のものまでサンプルを調製した。これら希釈サンプルの蛍光強度を、蛍光光度計で励起波長563nm、蛍光波長573nmで測定した。結果を図2に示す。図2のグラフの縦軸は蛍光強度(563/573nmと略記)を示し、横軸はBODIPY−560の濃度を示す。
(IC3で標識化された蛍光標識体の蛍光強度の測定)
実施例2で調製した蛍光標識体1mgを秤量し、50mMリン酸緩衝液(pH7.0)1mlに溶解し、1mg/ml溶液とした。この溶液をさらに1/100希釈し、10μg/mlとした。この溶液を上記緩衝液で3n希釈し、1/2187の濃度のものまでサンプルを調製した。これら希釈サンプルの蛍光強度を、蛍光光度計で励起波長552nm、蛍光波長566nmで測定した。結果を図3に示す。図3のグラフの縦軸は蛍光強度(552/566nmと略記)を示し、横軸はIC3の濃度を示す。
(BODIPY−560単独での蛍光強度の測定)
BODIPY−560を少量のジメチルスルホキシドで溶解し、50mMリン酸緩衝液(pH7.0)で希釈した。さらに、この緩衝液で4n希釈を行い、終濃度として225nM〜0.3nMの濃度のサンプルを調製した。調製したBODIPY−560溶液を、励起波長563nm、蛍光波長573nmで蛍光強度を測定した。結果を図4に示す。図4のグラフの縦軸は蛍光強度(563/573nmと略記)を示し、横軸はBODIPY−560の濃度を示す。
(IC3単独での蛍光強度の測定)
IC3のジメチルホルムアミド溶液を調製し、更に50mMリン酸緩衝液(pH7.0)で3n希釈を行い、終濃度として277nM〜0.126nMの濃度のサンプルを調製した。調製したIC3溶液を、励起波長552nm、蛍光波長566nmで蛍光強度を測定した。結果を図5に示す。図5のグラフの縦軸は蛍光強度(552/566nmと略記)を示し、横軸はIC3の濃度を示す。
(蛍光標識認識物を用いた免疫測定)
実施例4で調製した、蛍光標識認識物を用いて、ELISAによる免疫測定を行った。
前記蛍光標識認識物と認識部位を異にするαフェトプロテイン抗体を固定化した96穴ELISAプレート3枚に、αフェトプロテイン抗原(0〜50ng/ml)を1濃度につき2穴それぞれに50μl加えた。次に、実施例4で調製した蛍光標識認識物をリン酸緩衝液(pH7.0、50mM)で1/10倍希釈し、50μlづつ添加した。添加後、37℃の恒温槽で振盪させながら15分、10分および5分ずつ反応させた。反応終了後、0.01%トライトンX−100を含むトリス−塩酸緩衝液(pH7)で4回洗浄した。洗浄後、エタノール100μlを加え、蛍光プレートリーダー(ARVO−sx、ワラック社製)で蛍光強度を測定した。結果を図6に示す。図6のグラフの縦軸は蛍光強度(ARVO Intensity)を示し、横軸はαフェトプロテイン抗原(AFPと略記)の濃度を示す。
(アルカリ性フォスファターゼ標識抗体の調製とELISAによるαフェトプロテインの測定)
市販のアルカリ性フォスファターゼ(ベーリンガーマンハイム社製)278μl(18mg/ml)を0.1Mリン酸緩衝液で平衡化したPD−10カラム(ファルマシア社製)を用いて緩衝液を置換した。得られたアルカリ性フォスファターゼをビバスピン(ザルトリウス社製、分子量30,000カット)で1mlまで濃縮し、この中にジメチルホルムアミドに溶解したGMBS(同仁化学社)5mg/mlを20μl加えた。室温で1時間反応後、前記と同じPD−10カラムを用いて未反応のGMBSとジメチルホルムアミドを取り除き、GMB化アルカリ性フォスファターゼを得た。
次に、αフェトプロテイン抗体2ml(2mg/ml、pH7リン酸緩衝液溶液)をPD−10カラム(ファルマシア社)で100mM炭酸緩衝液(pH8.5)に置換した。緩衝液を置換後、イミノチオラン117μl(1mg/ml)加え、37℃で1時間撹拌しながら反応させた。反応終了後、限外ろ過器(ザルトリウス社製、分子量30,000カット)で2ml以下まで濃縮した。濃縮後、PD−10カラム(pH6.3、50mMリン酸緩衝液で平衡化)で緩衝液を置換し、イミノチオラン化αフェトプロテイン抗体を得た。
前記GMB化アルカリ性フォスファターゼとイミノチオラン化αフェトプロテイン抗体を混和し、室温で2時間緩やかに撹拌し、反応させた。反応終了後スーパーデックス−200で精製し、アルカリ性フォスファターゼで標識化されたαフェトプロテイン抗体を得た。
Claims (12)
- アニオン性基を有する親水性重合体、ポリエーテル誘導体および蛍光体からなる蛍光標識体であって、
前記蛍光体が、ポリエーテル誘導体を介して親水性重合体に結合されていることを特徴とする蛍光標識体。 - 前記親水性重合体が、アクリル酸誘導体が重合されたものであることを特徴とする請求項1に記載の蛍光標識体。
- 前記親水性重合体が、アクリル酸、メタクリル酸、2−アミノエチルメタクリレート、3−スルホプロピルメタクリレート、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−エチルメタクリル酸グルコシドおよびN−アクリロキシサクシニミドからなる群より任意に選ばれる一種類以上のものが重合されたものであることを特徴とする請求項1に記載の蛍光標識体。
- 前記親水性重合体が、分子量5〜500kDaのものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の蛍光標識体。
- 前記親水性重合体に含まれるアニオン性基が、スルホン酸基、リン酸基、またはそれらの塩のいずれかであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の蛍光標識体。
- 前記ポリエーテル誘導体が、ポリエチレングリコール誘導体であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の蛍光標識体。
- 前記ポリエーテル誘導体が、分子量0.1〜50kDのものであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の蛍光標識体。
- 前記蛍光体の数が1〜90個であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の蛍光標識体。
- 前記蛍光体が、インダセン誘導体、フルオレセイン誘導体、ローダミン誘導体、インドカルボシアニン誘導体およびフラザン誘導体のいずれかであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の蛍光標識体。
- 請求項1〜9のいずれか一項に記載の蛍光標識体によって標識化された蛍光標識認識物。
- 請求項10に記載の蛍光標識認識物を含む免疫測定試薬。
- 請求項10に記載の蛍光標識認識物を用いる免疫測定方法。
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