JP2006329660A - 磁気エンコーダ及びこれを用いた転がり軸受装置 - Google Patents

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Yasuhiko Ishii
康彦 石井
Katsura Koyagi
桂 小八木
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Abstract

【課題】 着磁パルサーリングを強固に芯金に固定することができるとともに、サイクルタイムを短縮することができる磁気エンコーダを提供する。
【解決手段】 S極とN極が円周方向に多極着磁されたリング状磁石17と、このリング状磁石17を支持する芯金16とを備えた磁気エンコーダE。前記リング状磁石17の外径側端部が、前記芯金16の端縁にかしめにより固定されている。
【選択図】 図2

Description

本発明は磁気エンコーダ及びこれを用いた転がり軸受装置に関する。さらに詳しくは、回転体の回転速度や回転数等を検出するのに用いられる磁気エンコーダ及びこれを用いた転がり軸受装置に関する。
車両においてアンチロックブレーキシステム(ABS)やトラクションコントロールシステム(TCS)を制御するためには、前記車両の車輪の回転速度を検出する必要がある。このため、例えば前記車輪を車両の懸架装置に対して回転自在に支持する転がり軸受装置の外輪部材(固定軌道輪)の一端に嵌め込まれたカバーにセンサを取り付け、このセンサによって前記転がり軸受装置の内輪部材(回転軌道輪)に固定された着磁パルサーリングを検知することで、車輪の回転速度を検出することが行われている。そして、前記着磁パルサーリングは、一般に、内輪部材の外周面に固定される断面略L字状の芯金に接着剤で取り付けられている(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−349331号公報
しかしながら、接着剤を用いて着磁パルサーリングを芯金に固着する場合、温度変化や湿分の浸入等による経年劣化により前記接着剤の接着力が低下し、着磁パルサーリングが芯金表面から離れたり、場合によっては芯金から剥がれ落ちたりする惧れがある。そうなると、車輪の回転速度を正確に検出できなくなるか、又は全く検出できなくなり、前述した車両制御に支障をきたすことになる。また、接着剤を用いる場合、当該接着剤が硬化するまで芯金と着磁パルサーリングを静置しておく必要があり、この硬化待ちの時間が無駄であった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、着磁パルサーリングを強固に芯金に固定することができるとともに、サイクルタイムを短縮することができる磁気エンコーダ及びこれを用いた転がり軸受装置を提供することを目的としている。
本発明の磁気エンコーダは、S極とN極が円周方向に多極着磁されたリング状磁石と、このリング状磁石を支持する芯金とを備えた磁気エンコーダであって、前記リング状磁石の端部が、前記芯金の端縁にかしめにより固定されていることを特徴としている。
また、本発明の転がり軸受装置は、固定軌道輪及び回転軌道輪と、これら両軌道輪間に転動自在に配設される転動体とを備えた転がり軸受を有し、前記回転軌道輪の回転を検出するセンサが組み込まれた転がり軸受装置であって、前述した磁気エンコーダが、前記回転軌道輪と一体回転可能に取り付けられていることを特徴としている。
本発明の磁気エンコーダ及びこれを用いた転がり軸受装置では、磁気エンコーダを構成するリング状磁石の端部が芯金の端縁にかしめにより固定されているので、従来の接着剤による固定とは異なり経年変化により固定がゆるくなることがなく、長期に亘り確実にリング状磁石を芯金に固定することができる。その結果、リング状磁石が芯金から剥がれる等の惧れがなく、安定して回転速度等を検出することができる。また、接着剤を使用しないので、当該接着剤の硬化待ちの時間がなくなり、その分だけサイクルタイムを短縮することができる。さらに、比較的高価である接着剤を使用しなくて済むので、その分コストダウンを図ることができる。
前記磁気エンコーダのリング状磁石が、Fe−Co−Cr磁石、Mn−Al磁石及びPr磁石のいずれかで作製されているのが好ましい。これらの磁石は、機械加工性(プレス加工性)に優れているので、芯金の端縁へのかしめを容易に且つ確実に行うことできる。
本発明の磁気エンコーダによれば、着磁パルサーリングを強固に芯金に固定することができるとともに、サイクルタイムを短縮することができる。
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の磁気エンコーダ及びこれを用いた転がり軸受装置の実施の形態を詳細に説明する。図1は本発明の一実施の形態に係る転がり軸受装置Bの断面説明図であり、図2は本発明の一実施の形態に係る磁気エンコーダEの説明図である。
転がり軸受装置Bは、車両における駆動輪側の車軸に用いられる複列アンギュラ玉軸受タイプの軸受を具備した軸受装置であり、車体取付用フランジ1を介してボルト2によりシャフトケース3に固定されるとともに、その内周面に複列の外輪軌道面4を有する、固定軌道輪である外輪部材5と、この外輪部材5の内径側において当該外輪部材5と同心に配置されるとともに、その外周面に複列の内輪軌道面6を有する、回転軌道輪である内輪部材7と、前記外輪部材5及び内輪部材7の各軌道面4、6間に転動自在に配設された複列の転動体であるボール8とを備えている。前記内輪部材7は、ハブ輪9と、このハブ輪9の車両インナ側(図1において右側)端部外径に嵌合された別体の内輪構成部材10とで構成されており、当該内輪部材5は、複列のボール6を介して前記外輪部材3に対し回転自在となっている。前記ボール8は保持器11によって内輪軌道面6において周方向に所定間隔で保持されており、また内輪部材7と外輪部材5との間の環状空間の両端はシール部12、13により密封されている。ドライブシャフト14外周のスプライン部14aを前記ハブ輪9内周のスプライン部9aに嵌合させるとともに、当該ドライブシャフト14の先端にナット15を締め付けることで、内輪部材7がドライブシャフト14に固定されている。なお、20は、ホイールやブレーキのロータ等の車輪側部材を車輪取付用フランジ21に取り付けるためのボルトである。
前記内輪構成部材10の車両インナ側端部の外周面には、断面略L字状の芯金16が固定されており、図2に示されるように、前記芯金16のリング状円輪部16aの車両インナ側表面には、S極とN極が円周方向に多極着磁されたリング状磁石17が配設されている。そして、このリング状磁石17と芯金16とで磁気エンコーダEが構成されている。また、前記リング状磁石17の車両インナ側には、センサ18が配設されており、このセンサ18は、その先端のセンサ素子18aが前記リング状磁石17と所定の間隔を隔てて対向するよう配置されている。磁気エンコーダEが内輪部材5とともに回転すると、前記センサ素子18aがリング状磁石17からの軸受回転に応じた磁界の変化を検出し、さらにECU等の制御部(図示せず)に検出信号を出力することにより、車輪の回転速度等が検知される。
本発明の特徴は、前記リング状磁石17がかしめにより芯金16に固定されていることである。より詳細には、リング状磁石17の外径側の端部17aが、前記芯金16のリング状円輪部16aの端縁16bにかしめにより固定されている。このため、従来の接着剤による固定とは異なり、温度変化や湿分の浸入等による経年変化により固定がゆるくなることがなく、長期に亘って強固にリング状磁石17を芯金16に固定することができる。その結果、リング状磁石17が芯金16から剥がれる等の惧れがなく、安定して回転速度等を検出することができる。また、接着剤を使用しないので、当該接着剤の硬化待ちの時間がなくなり、その分だけサイクルタイムを短縮することができる。さらに、比較的高価である接着剤を使用しなくて済むので、その分コストダウンを図ることができる。前記かしめ縁19は、リング状円輪部16aの車両アウタ側(図1において左側)に位置しているので、ほこり等が当該かしめ縁19近傍に付着することがほとんどなく、その結果、かしめ部分が劣化してかしめによる固着力が低下する惧れがない。なお、固着力をさらに高めるために、かしめとともに、従来より用いられている各種接着剤を併用することもできる。
前記リング状磁石17は、例えばフェライト磁石、Sm−Fe−N磁石、Nd−Fe−B磁石、Fe−Co−Cr磁石、Mn−Al磁石、Pr磁石等で作製することができるが、機械加工性(プレス加工性)に優れており、芯金156の端縁へのかしめを容易に且つ確実に行うことできるという点で、Fe−Co−Cr磁石、Mn−Al磁石及びPr磁石のいずれかで作製するのが好ましい。
なお、以上の説明では、複列アンギュラ玉軸受を具備した車両の駆動輪用軸受装置を例示しているが、本発明において転動体の種類や設置数等の軸受形式等はとくに限定されるものではなく、他のタイプの軸受を具備した転がり軸受装置に本発明を適用することができる。また、駆動輪に限らず、車両の従動輪用の軸受装置に適用することもできる。さらに、本発明の磁気エンコーダは、軸受装置以外の回転機器等の機械や装置に組み込むこともできる。
本発明の転がり軸受装置の一実施の形態の断面説明図である。 本発明の磁気エンコーダの一実施の形態の説明図である。
符号の説明
5外輪部材
7内輪部材
8ボール(転動体)
16芯金
17リング状磁石
18センサ
B転がり軸受装置
E磁気エンコーダ

Claims (4)

  1. S極とN極が円周方向に多極着磁されたリング状磁石と、このリング状磁石を支持する芯金とを備えた磁気エンコーダであって、前記リング状磁石の端部が、前記芯金の端縁にかしめにより固定されていることを特徴とする磁気エンコーダ。
  2. 前記リング状磁石が、Fe−Co−Cr磁石、Mn−Al磁石及びPr磁石のいずれかで作製されている請求項1に記載の磁気エンコーダ。
  3. 固定軌道輪及び回転軌道輪と、これら両軌道輪間に転動自在に配設される転動体とを備えた転がり軸受を有し、前記回転軌道輪の回転を検出するセンサが組み込まれた転がり軸受装置であって、請求項1に記載の磁気エンコーダが、前記回転軌道輪と一体回転可能に取り付けられていることを特徴とする転がり軸受装置。
  4. 前記磁気エンコーダのリング状磁石が、Fe−Co−Cr磁石、Mn−Al磁石及びPr磁石のいずれかで作製されている請求項3に記載の転がり軸受装置。
JP2005149600A 2005-05-23 2005-05-23 磁気エンコーダ及びこれを用いた転がり軸受装置 Pending JP2006329660A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1930995A2 (en) 2006-12-06 2008-06-11 Hirose Electric Co., Ltd. Electrical connector
US7812599B2 (en) 2007-03-01 2010-10-12 Jtekt Corporation Magnetized pulsar ring, and rolling bearing device with sensor using the same

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