JP2006329450A - 庫内ファンモータの制御方法 - Google Patents

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【課題】霜取り中の氷結により庫内ファンのファンモータがロックを起こさないようにする。
【解決手段】除霜後に通電して回転することが検出されなかった場合は、ファンモータにダメージを与えない範囲で、例えば、ファンモータへの印加電圧を高くしたり、ファンモータへの入力電流を多くしたりすることで、モータを発熱させて氷結を溶かし、庫内ファンモータが氷結によるロックを起こさないようにする。
【選択図】図3

Description

この発明は、冷蔵庫、冷凍庫及び冷凍冷蔵庫の除霜後の庫内ファンモータの制御方法に関するものである。
冷蔵庫、冷凍庫、冷凍冷蔵庫(以下、冷蔵庫)の冷却用庫内ファンのファンモータには、構造が簡単で、安価、堅牢、制御も容易という長所を有するクマトリモータが使われている。
反面、クマトリモータは、効率が悪いという短所を有する。例えば、庫内冷却用ファンモータ用のクマトリモータでは、効率は10%程度しかなく、1〜2W程度の軸出力を得る場合でも10〜20Wの電力を消費する。つまり、軸出力として消費される以外の約18〜19Wが損失(熱)として庫内へ放出されることになり庫内温度を上昇させる要因の1つになっていた。さらに、近年、冷蔵庫の大型化や冷却方法の高度化などにより、1台の冷蔵庫で複数個の庫内ファンを使用するので、庫内冷却の大きな妨げになっている。
そのため、現在の地球温暖化防止の観点からも庫内ファンモータは、効率の悪いクマトリモータから高効率で省エネ効果の高いブラシレスDCモータへの置き換えが進行している。
ところで、従来、冷蔵庫の庫内ファンのファンモータは、除霜時には、例えば、(特許文献1)に記載されたように制御されている。
この制御方法は、図7のように、除霜運転開始から所要時間経過後に、庫内ファンを一時的に所要時間だけ運転するというものである。
具体的には、除霜運転開始後に、除霜完了を検知してから所要時間T経過後に、圧縮機が運転を再開して除霜用のヒーターへの通電を遮断すると、庫内ファン一時運転タイマがカウントする間T、前記庫内ファンを一時的に運転する。こうすることで、除霜運転中に庫内ファンの羽根や羽根が臨む風洞部内に付着した霜の溶けた溶融水を吹き飛ばし、溶融水が冷却運転再開後(図7ではTの圧縮機が作動する期間)に再氷結して庫内ファンが回転不能となる事態を未然に回避しようとするものである。
特開平8−285441号公報
しかしながら、上記の制御方法では、特に、ファンモータがブラシレスDCモータの場合、以下のような問題を生じる。
すなわち、通常の冷却運転中は、庫内ファンモータも冷却される。このとき、ブラシレスDCモータは前述したとおり高効率なので、例えば、軸出力が1〜2W程度のものでは軸出力と同じ1〜2W程度の損失しかなく、モータのロータやステータは庫内温度と同じ位にまで冷却される。
この状態で除霜運転に入ると、庫内ファンモータは、元々、冷気の吹出口と冷却器間、あるいは吸込口と冷却器間のように、冷却器の近傍に配置しているので冷却器と一緒に除霜用のヒーターで加熱されることになる。このように、前記ヒーターによって冷却された庫内ファンモータの外装が温められるとモータ内部に結露を生じ、結露によって生じた水滴がモータのロータとステータの隙間(ギャップ)に付着する。この付着した水滴は、内部が冷えたままの状態のため、途端に氷結してロータとステータを固着してしまう。以降は圧縮機が働くので、この氷結したロータとステータは、水切り時間、庫内ファン運転開始遅延の時間が経過しても溶けずに両者を固定してしまう。
そのため、通常の冷却運転を開始すると、ファンモータが起動せずに庫内を冷却することができなくなるというものである。
そこで、この発明の課題は、庫内ファンが氷結によるロックを起こさないようにすることである。
上記の課題を解決するため、この発明では、除霜後に作動してDCブラシレスモータの回転の有無を検出し、その検出で回転を検出した場合は、冷却用に設定した回転数で作動し、一方、回転が検出されなかった場合は、あらかじめ設定した溶融期間通電したのち、冷却用に設定した回転数で作動するという方法を採用したのである。
このような方法を採用したことにより、モータの回転を検出したときは、モータが除霜時に氷結していなかったので冷却用に設定された回転数で作動する。回転が検出されなかったときはモータが氷結しているので、この氷結を、あらかじめ設定された溶融期間モータへ通電して発熱させることで溶かしたのち、冷却用に設定された回転数で作動する。
また、このとき、ブラシレスDCモータの回転が検出されなかった場合に、通電したのち回転することが検出されると、冷却用に設定した回転数で作動するという方法を採用することができる。
このような方法を採用することにより、回転が検出されなかった場合は、前記モータへ通電して発熱させたのち、再度、回転を検出する。その際、回転が検出されると冷却用に設定した回転数で作動する。また、回転が検出されなかった場合は、回転が検出されるまで通電を繰り返し、回転を検出して、回転が検出されると冷却用に設定した回転数で作動する。
この発明は、以上のように構成したことにより、除霜後に冷却運転ができなくなる問題を解決できる。
以下、この発明の最良の形態を図面に基づいて説明する。
この形態の冷蔵庫は、図1に示すように、冷蔵庫内の冷気の吹出口1と冷却器2間に庫内ファン3を設けた構造となっている。
吹出口1は、庫内上方に設けて、その下方に吸込口4を設け、その吹出口1と吸込口4とが連通する冷気の通路5の中に冷却器2を配置した構造となっている。このような構造とすることにより、冷却器2で冷却した冷気を吹出口1から庫内へ吹出して、吹出した冷気は庫内を循環させて吸込口4から吸い込む。そして、その吸い込んだ冷気を再び冷却器2で冷却して吹出口1から吹出して冷却する。
冷却器2は、図示はしていないが、圧縮機と凝縮機とに接続されており、冷凍サイクルを形成するものである。
また、冷却器2には、図1のように、第1と第2の2個の霜取り用のヒーター6、7が設けられている。第1のヒーター6は、冷却器2の側部に沿って設けたもので、冷却器2に直接付着した霜を溶かすためのものである。
一方、第2のヒーター2は、冷却器2の下方に設けたもので、排水皿8の上方に位置するように配置されている。この第2のヒーター7は、霜取り後の排水皿8での再氷結を防止するためのものである。
庫内ファン3は、ファンモータにブラシレスDCモータを使用したもので、例えば、図2に示すドライブ回路と接続されている。ドライブ回路は、6個の半導体スイッチにより3相フルブリッジ主回路10を構成するもので、各相のモータ出力線には、誘起電圧検出回路11を設けてロータ位置を検出して制御用マイコンへ出力する。
制御用マイコンは、各相の誘起電圧検出回路11の検出出力からロータ位置を算出し、算出したロータ位置に基づいてドライブ回路の半導体スイッチを順次作動してモータの回転を制御する。また、ドライブ回路を作動した際の各相の誘起電圧検出回路11の検出出力の有無からファンモータの回転の有無も検出できるようになっている。
また、この冷蔵庫には、水切りタイマと庫内ファン遅延タイマを備えている。この水切りタイマと庫内ファン遅延タイマは、例えば、先の制御用マイコンで構成するようにもできる。
前記水切りタイマは、第2のヒーター7への通電時間を制御するものである。すなわち、除霜完了を、例えば温度センサなどが検知して第1のヒーター6への通電を停止すると、排水皿8には、溶融したシャーベット状の霜が溜まっており、そのため、水切りタイマは、カウントを開始して第2のヒーター7への通電を開始する。そして、予め設定された時間でタイムアップして第2のヒーター7への通電を停止する。こうすることで、第2のヒーター7の加熱により排水皿に溜まったシャーベット状の霜を溶かして再氷結する前に排水路9から排水する。
庫内ファン遅延タイマは、冷却器2が充分冷えるまで庫内ファン3の作動を遅らせるためのタイマで、例えば、水切りタイマのタイムアップでカウントを開始し、所定時間(冷却器が充分冷える時間)経過後にタイムアップして庫内ファン3の運転を許可する。こうすることで、霜取り後の冷却器2が冷える前の温かい空気が庫内へ侵入するのを防止する。
この形態は、上記のように構成されており、図3に示すタイミングチャートに基づいて本願発明の庫内ファン3の制御方法を説明する。
いま、冷却期間の冷蔵庫は、圧縮機と庫内ファンモータが稼働し、図3のように、数度の温度幅で庫内が設定温度になるように制御する。このとき、電力損失の少ないファンモータも冷却され、庫内温度とほぼ同じ温度にまで冷却される。
次に、冷却を開始して一定時間が経過した冷蔵庫は除霜を行う。除霜は、まず、第1のヒーター6へ通電して冷却器2の霜を溶かす。このとき、冷却器2の近傍に位置する庫内ファン3も、前記ヒーター6の加熱によって外装が温められる。そのため、モータ内部に結露を生じる。また、この結露によって生じた水滴は、モータのロータとステータの隙間(ギャップ)に付着し、付着と同時に氷結してロータとステータを固着する。
一方、除霜の方は、例えば温度センサなどが除霜完了を検知して第1のヒーター6への通電を停止すると、水切りタイマがカウントを開始して第2のヒーター7への通電を開始する。そして、予め設定された時間でタイムアップして第2のヒーター7への通電を停止し、排水皿8に溜まったシャーベット状の霜を溶かして再氷結する前に排水路9から排水する。さらに、庫内ファン遅延タイマが水切りタイマのタイムアップでカウントを開始し、所定時間(冷却器が充分冷える時間)経過後にタイムアップして庫内ファン3の運転を許可する。
このとき、制御用マイコンは、図4に示すような処理を行って、まず、庫内ファン3のファンモータの氷結の有無を検出する。
すなわち、処理を開始すると(「処理」100:以下「処理」省略)、庫内ファン3のファンモータを作動し(110)、誘起電圧検出回路11から検出出力が入力するかどうかを検出する(120)。このとき、検出出力が入力した場合は、ロータが回転して誘起電圧が発生したことなので、氷結していないと判別して、ファンモータを冷却用に設定された回転数で回転させて(130)、処理を終了する(140)。一方、処理(120)で誘起電圧検出回路11からの検出出力が入力しない場合は、ロータが回転していないので、氷結を溶融させるための通電を行う(150)。
すなわち、ブラシレスDCモータは、同期モータでありながら、諸特性はDCモータと同じであり、電源電圧、電流及び誘起電圧は、
I=(V−E)/R
E=K
ここで、I:モータ電流(A) E:誘起電圧(V)
V:電源電圧(V) N:回転数(rpm)
R:コイル抵抗(Ω)
:誘起電圧定数(V/rpm)
で示される。
そのため、除霜後にロータとステータとが氷結して回転しない場合は、誘起電圧が発生しないので、
I=V/R
となり、このときのモータの消費電力Pは、
P=I×V=V/R
P:モータの消費電力(W)
となる。
したがって、先に述べたように、誘起電圧検出回路11からの検出出力が入力しない場合は、前記モータにダメージを与えない範囲で、例えば、前記モータへの印加電圧を高くしたり、前記モータへの入力電流を増やしたりする。こうすることで、この電圧や電流をモータに消費させると、この消費電力の大半は熱として消費されるので、ロータとステータとの氷結を溶融させることができる。
このときの、氷結を溶融させるための時間は、適宜な消費電力の下でロータがプラス温度となる時間を最大値として設定し、設定時間内にロータが回転すればそのまま通常の正常な運転に移行する(160)。
すなわち、氷結が溶融すると、ロータが回転を始めるため、誘起電圧も発生することになるので、前記モータを冷却用に設定された回転数で作動して(130)、処理を終了する(140)。
このように、モータの氷結を溶かすことができるので、確実に庫内ファンを起動できる。そのため、除霜後に冷却運転ができなくなる問題を解決できる。
この実施例は、図5に示すように、図4の処理「160」で設定時間に達した際に、誘起電圧の発生を再度検出するようにしたものである。
このような方法を採用することにより、氷結が溶けるまで通電を行うので、確実に庫内ファン3を起動できるというものである。
他の構成及び作用効果については、先の実施形態と同じなので説明は省略する。
なお、この氷結を溶融する制御は、実施形態及び実施例では、センサレスタイプのものについて述べたが、これに限定されるものではない。ロータの回転さえ検出できれば制御方法に拘束されるものではないので、センサ付(ホールセンサ)PWM制御のものにも適用できるものである。
また、実施形態及び実施例では、冷蔵庫について述べたが、同様の構造をもつ冷凍庫や冷凍冷蔵庫にも適用できることは明白である。
また、本願発明の制御方法は、例えば図6のように、吸込口4と冷却器2の間に庫内ファン3を設けた場合にも適用できることは明らかである。
実施形態の要部の断面図 実施形態の回路ブロック図 実施形態の作用説明図 実施形態のフローチャート 実施例1のフローチャート 実施形態の他の態様を示す断面図 従来例の作用説明図
符号の説明
1 吹出口
2 冷却器
3 庫内ファン
4 吸込口
11 誘起電圧検出回路

Claims (2)

  1. 冷蔵庫、冷凍庫及び冷凍冷蔵庫内の冷気の吹出し口と冷却器間に設けた庫内ファンあるいは吸込口と冷却器間に設けた庫内ファンのブラシレスDCモータを、除霜後に作動して回転の有無を検出し、その検出で回転を検出した場合は、冷却用に設定した回転数で作動し、一方、回転が検出されなかった場合は、あらかじめ設定した溶融期間通電したのち、冷却用に設定した回転数で作動する庫内ファンモータの制御方法。
  2. 上記ブラシレスDCモータの回転が検出されなかった場合に、通電したのち回転することが検出されると、冷却用に設定した回転数で作動する請求項1に記載の庫内ファンモータの制御方法。
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