JP2006328951A - 床の遮音性能に優れた変断面コンクリート床スラブ構造 - Google Patents
床の遮音性能に優れた変断面コンクリート床スラブ構造 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2006328951A JP2006328951A JP2006232343A JP2006232343A JP2006328951A JP 2006328951 A JP2006328951 A JP 2006328951A JP 2006232343 A JP2006232343 A JP 2006232343A JP 2006232343 A JP2006232343 A JP 2006232343A JP 2006328951 A JP2006328951 A JP 2006328951A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- slab
- floor
- sound insulation
- insulation performance
- section
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Abstract
【解決手段】梁1と繋がるスラブの端部2は構造性能上必要とされる最小の厚さとされ、当該スラブを床支持スパン方向に見ると水平面6aと傾斜面6b及び段差7の組合せでスラブ厚さと形状が異なる変断面に構成する。
【選択図】図1
Description
しかし、特に超高層集合住宅になると、床スラブの重量アップの影響は非常に大きく、柱・梁断面の拡大や基礎及び支持杭の増強などを余儀なくされ、建設費が嵩む結果となっている。また、同じ階高だと天井高さを下げることになり、天井高さを高くしようとすれば、建物全体の高さを高くするか、或いは階層を減らす等の制約を受けることになる。
一方、国内では床重量衝撃音対策として、一番の問題とされてきた60〜100Hzの低周波数領域の遮音性能の向上が種々検討されてきたが、未だに満足できる解決策は無く、手図まり状況である。
特許文献2には、居住性を犠牲にすることなく階高を小さくする目的で、床を無梁のフラットプレートで構成し、外周フレームの梁を逆梁として設けた建物が開示されている。
特許文献4には、開放的な居住性と、プランニングの自由度、将来の更新性に優れ、天井高さを出来るだけ大きくすることを目的として、採光面側の床スラブの天端レベルよりも、水場床スラブの天端レベルを、段差を設けて低く形成した床スラブ構造が開示されている。前記段差は、採光面側の床スラブと水場床スラブとの境界部位にPC鋼材によるプレストレスを導入した梁の如く造成した連結部によって形成され、この連結部に吊り上げ力を生じさせて大スパンスラブを形成している。しかし、水勾配の傾斜面については一切考慮されておらず、前記段差を利用して排水管を横引きすることで機能上必要な排水勾配を確保するとの説明が段落番号[0044]〜[0045]に認められるにすぎない。
住戸をバルコニー側から奥行き方向に見たスラブの断面として、スラブ下端面3は奥行き方向に直線的に下る傾斜面に形成され、梁1と繋がるスラブの端部2は構造性能上必要とされる最小の厚さとされ、当該スラブを前記奥行き方向に見ると水平面6aと傾斜面6b及び段差7の組合せでスラブ厚さと形状が異なる変断面の構成とされていることを特徴とする。
住戸をバルコニー側から奥行き方向に見たスラブの断面として、スラブ下端面3は奥行き方向に直線的に下る傾斜面に形成され、梁1と繋がるスラブの端部2は構造性能上必要とされる最小の厚さとされ、当該スラブを床支持スパン方向に見ると水平面6aと傾斜面6b及び段差7の組合せでスラブ厚さと形状が異なる変断面の構成とされ、更に口径が大小に異なるボイド20又は形状が様々に異なるボイド21の組合せによりスラブ厚さと形状が異なる変断面の構成とされていることを特徴とする。
住戸をバルコニー側から奥行き方向に見たスラブの断面として、スラブ下端面3は奥行き方向に直線的に下る傾斜面に形成され、バルコニー5側のリビング部分のスラブ上端面6aは水平面として形成され、奥側の水場部分は段差7により一段下げてから水勾配に対応する傾斜面6bに形成されていることを特徴とする。
水場部分は、設備配管8の水勾配と長さに応じて段差と水平面を繰り返す多段の傾斜に形成されていることを特徴とする。
コンクリート床スラブは、孔明きプレキャストコンクリート合成床版、半プレキャストコンクリート合成床版、プレストレスを導入したプレキャストコンクリート板、現場打ちコンクリート床板、又はプレストレスを導入した現場打ちコンクリート床板などで構成されていることを特徴とする。
その上、水平面6aと傾斜面6b及び段差7の組合せでスラブ厚さと形状が異なる変断面の構成とするので、床の遮音性能として従来重量衝撃音レベルの中で最も低減化が困難とされてきた60〜100Hzの低周波数領域を飛躍的に削減できる(例えば図3〜図7、および図10〜図12参照)。床重量、床剛性を規則的に調整することで、床の遮音性能の向上を図ることが可能である。こうして床の遮音性能がランクアップされる結果、床スラブをはじめ、柱、梁等の主要構造(構造躯体)の断面を数10%縮小化することが可能であり、躯体工事費用を数10%削減することが可能である。また、スラブ端部の厚さや床剛性を小さくすることによる床重量の低減化と、柱、梁等の主要構造躯体の断面縮小化に伴い、建物を支持する基礎工事、杭工事の費用も数10%削減することが可能である。こうして建築の嵩が小さくなる分だけ工期の短縮化も期待できるのである。
請求項2に記載した発明のように、中空ボイド構造の床スラブにすると、床重量の軽減化は一層進み、上述の効果が倍増する。
バルコニー5側のリビング部分のスラブ上端面6aは水平面として形成し、奥側の水場部分は段差7により一段下げてから水勾配に対応する傾斜面6bに形成する。
図2が分かりやすいように、本発明の変断面コンクリート床スラブ構造は、梁1と繋がるスラブの端部2は構造性能上必要とされる最小の厚さ(例えば180mm)とされ、その他の部分は以下に説明するように厚く形成されている。
図1、2に示した実施例の場合、紙面の左右方向である住戸のバルコニー5側から奥行き方向に見たスラブの断面において、スラブ下端面3は奥行き方向(右方向)へ水勾配に等しく直線的に下る傾斜面に形成されている。例えば水平な床仕上げ面4を基準に見ると、スラブ左端の下端面は310mm下がった位置であるが、スラブ右端の下端面は480mmも下がった位置になっている。
したがって、水場部分のスラブ上端面6bへ排水管8を直置きしても、そのままで必要な排水勾配を確保できる。よって、水場プランの自由度が高いし、設備配管の更新性を確保できる。図2中に点線6a’で示したようにリビング部分の水平なスラブ上端面及び段差7’の位置は自由に設計でき、ひいては水場の設計自由度を住戸内全域に可能ならしめスケルトンインフィル(SI)への対応要求にも容易に応じられるのである。
図1、図2において、符号13は間仕切り壁を指す。
図3は、試験体としての変断面スラブ(ハンチタイプ=6.4m×8.0m)の断面形状のモデル(スラブ端部厚さ150mm、中央部厚さ250mm)を示す。中央部の水平面6aからその両側部分は対称的にスラブの端部2の最小厚さに向かう傾斜面6bとして形成されている。
図4は、図3の試験体における重量衝撃音レベル=アクセランス(床の揺れ易さ)の検出ポイント1、4の位置を示している。図3の試験体と比較するべき従来例モデルは、厚さ200mmの均一断面のRCスラブである。
図5は、ポイント1、4における各床スラブの遮音性能(揺れ易さ)の比較図を示す。図中の実線Xが本発明の試験体に関する振動特性図で、点線Yが従来例モデルの振動特性を示している。図5から明白な事実は、本発明の試験体の振動特性Xは、いずれのポイントにおいても60〜100Hzの低周波数領域における遮音性能レベルが従来例モデルのそれの約半分と言えるほど大きく減少しており、床の遮音性能に換算すると1ランク以上の床衝撃音レベルが低下するということである。これは正に、図3のようにスラブ端部2の厚さを小さくし、中央部の水平面6aとその両側部分を対称的に端部2の最小厚さに向かう傾斜面6bとして形成した変断面スラブは、遮音効果が非常に大きいことを示している。
図7は、上記図4の例と同じ検出ポイント1、4における各床スラブの遮音性能(揺れ易さ)の比較図を示している。図中の実線Xが図3の試験体に関する振動特性図で、点線Yが従来例モデルの振動特性を示している。図7から明白な事実は、やはり本発明の試験体の振動特性Xは、いずれのポイントにおいても、60〜100Hzの低周波領域における床の振動性能レベルが従来例モデルのそれの約半分に近く大きく減少しており、床の遮音性能に換算すると1ランク以上の床衝撃音レベルが低下するということである。
上記の結果に基づいて、水平面6aと傾斜面6b及び段差7の組合せによる、遮音性能に優れた変断面コンクリート床スラブ構造の種々な実施可能モデルを具体的に例示すると、例えば図8(a)〜(e)に示す変断面形状の床スラブを実施可能である。
発明者らの実験結果によれば、図9(a)、(b)に例示したように、梁1と繋がるスラブの端部2は構造性能上必要とされる最小の厚さとされ、その他の部分は、水平面6aと傾斜面6b及び段差7の組合せにより、床支持スパン方向に見ると種々異なる変断面の構成であり、更に口径が大小に異なるボイド20のランダムな配置と組合せによりスラブ厚さと形状が種々に異なる変断面の構成とした実施例も、やはり床の遮音性能が飛躍的に向上する。
図11は各モデルの検出ポイント1、4の位置を示している。
要するに、図10に示すように、厚さがスパン方向に等しい均等断面のスラブに、口径が大小に異なるボイド20をランダムに配置した構成により、床支持スパン方向に見ると実質変断面形状に形成された変断面床スラブであっても、上記のように振動特性に優れ、60〜100Hzの低周波数領域における遮音性能に優れたコンクリート床スラブとして確認できたのである。
施工法としては、5m〜15mクラスの床スラブスパンならば、プレキャストコンクリート合成床版(ハーフPC床版、孔明きPC床版、オムニア版など)を採用して施工することが出来る。かくすれば、工場生産化を拡大して生産性の向上を図ることが出来る。
さらに大きな床スラブスパンならば、プレストレスを導入した現場打ち又はプレキャストコンクリート製のスラブ、若しくはボイドをランダムに配置した軽量化スラブを適用して施工することができる。
2 スラブの端部
3 スラブ下端面
6a 水平面
6b 傾斜面
7 段差
20 ボイド
21 異形ボイド
5 バルコニー
Claims (5)
- 梁と繋がるスラブの端部は構造性能上必要とされる最小の厚さとされ、当該スラブを床支持スパン方向に見ると水平面と傾斜面及び段差の組合せでスラブ厚さと形状が異なる変断面の構成とされていることを特徴とする、床の遮音性能に優れた変断面コンクリート床スラブ構造。
- 梁と繋がるスラブの端部は構造性能上必要とされる最小の厚さとされ、当該スラブを床支持スパン方向に見ると水平面と傾斜面及び段差の組合せでスラブ厚さと形状が異なる変断面の構成とされ、更に口径が大小に異なるボイド又は形状が様々に異なるボイドの組み合わせによりスラブ厚さと形状が異なる変断面の構成とされていることを特徴とする、床の遮音性能に優れた変断面コンクリート床スラブ構造。
- 住戸をバルコニー側から奥行き方向に見たスラブの断面として、スラブ下端面は奥行き方向に直線的に下る傾斜面に形成され、バルコニー側のリビング部分のスラブ上端面は水平面として形成され、奥側の水場部分は段差により一段下げてから水勾配に対応する傾斜面に形成されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載した床の遮音性能に優れた変断面コンクリート床スラブ構造。
- 水場部分は、設備配管の勾配と長さに応じて段差と水平面を繰り返す多段の傾斜に形成されていることを特徴とする、請求項3に記載した床の遮音性能に優れた変断面コンクリート床スラブ構造。
- コンクリート床スラブは、孔明きプレキャストコンクリート合成床版、半プレキャストコンクリート合成床版、プレストレスを導入したプレキャストコンクリート板、現場打ちコンクリート床板、又はプレストレスを導入した現場打ちコンクリート床板などで構成されていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一に記載した床の遮音性能に優れた変断面コンクリート床スラブ構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006232343A JP4393487B2 (ja) | 2006-08-29 | 2006-08-29 | 床の遮音性能に優れた変断面コンクリート床スラブ構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006232343A JP4393487B2 (ja) | 2006-08-29 | 2006-08-29 | 床の遮音性能に優れた変断面コンクリート床スラブ構造 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004183358A Division JP4031469B2 (ja) | 2004-06-22 | 2004-06-22 | 床の遮音性能に優れた変断面コンクリート床スラブ構造 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006328951A true JP2006328951A (ja) | 2006-12-07 |
JP4393487B2 JP4393487B2 (ja) | 2010-01-06 |
Family
ID=37550908
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006232343A Expired - Fee Related JP4393487B2 (ja) | 2006-08-29 | 2006-08-29 | 床の遮音性能に優れた変断面コンクリート床スラブ構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4393487B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112780018A (zh) * | 2019-11-01 | 2021-05-11 | 陕西建工第六建设集团有限公司 | 一种缩口型楼承板-混凝土组合楼板的施工方法 |
-
2006
- 2006-08-29 JP JP2006232343A patent/JP4393487B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112780018A (zh) * | 2019-11-01 | 2021-05-11 | 陕西建工第六建设集团有限公司 | 一种缩口型楼承板-混凝土组合楼板的施工方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP4393487B2 (ja) | 2010-01-06 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Prajapati et al. | Study of seismic and wind effect on multi storey RCC, steel and composite building | |
JP2004211288A (ja) | 建物の構造 | |
JP4031469B2 (ja) | 床の遮音性能に優れた変断面コンクリート床スラブ構造 | |
JP4393487B2 (ja) | 床の遮音性能に優れた変断面コンクリート床スラブ構造 | |
JP2007107367A (ja) | 柱・梁架構 | |
RU2441965C1 (ru) | Многоэтажное здание каркасно-стеновой конструктивной системы из сборно-монолитного железобетона | |
JP4606282B2 (ja) | 床の遮音性能に優れた鋼板付き変剛性コンクリート床スラブ | |
JP2006138127A (ja) | 建物の構造 | |
JP2006045962A (ja) | 建築物 | |
JP2009155868A (ja) | 建築構造物 | |
JP2007332663A (ja) | 集合住宅建物の構造 | |
KR102209700B1 (ko) | 벽식 구조 공동주택의 프리캐스트형 중공슬래브 시공방법 및 프리캐스트 중공슬래브 시스템 | |
JP2974026B2 (ja) | 高層建物の構造 | |
JP2002180679A (ja) | 集合住宅 | |
JP3558283B2 (ja) | 集合住宅の床スラブ構造 | |
KR102143453B1 (ko) | 공동주택의 안전도를 향상시킨 내진 설계 시스템 | |
CN216142251U (zh) | 一种钢梁与楼板在等高度范围内设置的装配式楼板 | |
JP7331631B2 (ja) | 基礎断熱構造 | |
JP7120700B2 (ja) | 構造物 | |
JP5800570B2 (ja) | 偏平逆梁を利用した中間免震構造 | |
JP4016759B2 (ja) | 高層建物 | |
JPH11336341A (ja) | 混構造の戸建コンクリート建物 | |
JP6730102B2 (ja) | 建物 | |
JPH0813820A (ja) | 集合住宅 | |
Pronk et al. | Slimline floor an invention by Pronk and Lichtenberg |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060829 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20060831 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20080723 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20090929 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20091013 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 4393487 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121023 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131023 Year of fee payment: 4 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |