JP2006327886A - アルミナコンポジット前駆体、アルミナコンポジットおよびアルミナコンポジット焼結体 - Google Patents

アルミナコンポジット前駆体、アルミナコンポジットおよびアルミナコンポジット焼結体 Download PDF

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Abstract

【課題】 ナノカーボンを均一に分散させたアルミナコンポジット前駆体、アルミナコンポジット、およびアルミナコンポジット焼結体を提供すること。
【解決手段】 液体状アルミニウム化合物にナノカーボンを分散させることにより、ナノカーボンを均一に分散させたアルミナコンポジット前駆体を得る。アルミニウム化合物としては、例として、塩基性塩化アルミニウム、ベーマイトを用いる。ナノカーボンとしては、例として、カーボンナノファイバーを用いる。得られたアルミナコンポジット前駆体を熱分解することにより、固体状のアルミナコンポジットを調製する。得られたアルミナコンポジット前駆体を500℃で熱分解させ、アルミナコンポジットを得る。
【選択図】 図1

Description

本発明は、アルミナコンポジット前駆体、アルミナコンポジットおよびアルミナコンポジット焼結体に関するものである。より詳しくは、本発明は、アルミニウム化合物にナノカーボンを分散させたアルミナコンポジット前駆体、それから得られるアルミナコンポジットおよびアルミナコンポジット焼結体に関するものである。
カーボンナノチューブに代表されるナノカーボンは、様々な材料に添加し複合材料とすることでマトリックスの機械的性能の向上、および電気伝導性、熱伝導性など各種の機能性の付与に期待されている材料である。これらのナノカーボンをマトリックス中に分散させて利用する場合、マトリックス中にナノカーボンを均一に分散させることは、ナノカーボンの添加効果を確実に発揮させ、かつ、その効果を増大させるという観点から重要な課題である。従って、マトリックス中にナノカーボンを均一分散させるために、ナノカーボンが均一に分散させる溶媒を利用することは有益であるが、ナノカーボンは親水性液体にも疎水性液体にも容易には分散しない。特にナノカーボンは炭素から構成されており、基本的に疎水性であるため、水系への分散は困難とされている。
それ故、ナノカーボンを混合したセラミックスコンポジットとしては、カーボンナノチューブとセラミック粒子とを溶媒中に配合したスラリーを乾燥して混合粉体を形成した後、この混合粉体をプレスにより成形し、しかる後に、焼成してセラミック焼結体を得ることが提案されているだけである(例えば、特許文献1参照)。
一方、種々の方法でナノカーボンを分散させる試みが行われている。例えば、カーボンナノチューブを電気化学的に酸化および/または還元可能な界面活性剤によりミセル化して水性媒体中に分散または可溶化する技術が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
また、分散剤および疎水部−親水部−疎水部の構造を有する化合物を用いてカーボンナノチューブを親水性溶媒中に分散させる方法が開示されている(例えば、特許文献3参照)。
特開2004−244273号公報 特開2001−48511号公報 特開2003−238126号公報
しかしながら、特許文献1に開示のセラミックスコンポジット成形体は、セラミック粉体の粉子間にカーボンナノチューブが保持されているだけであるため、カーボンナノチューブの保持力が極めて弱いなどの問題点がある。
一方、特許文献2、3に開示の分散方法は、操作が煩雑であり、しかも、加えた添加剤などをその後除去する必要があるなどの問題点がある。
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、ナノカーボンを均一に分散させたアルミナコンポジット前駆体、この前駆体から得られたアルミナコンポジット、およびアルミナコンポジット焼結体を提供することにある。
本発明者らは上記問題点を解決するために、検討を行った結果、アルミニウム化合物の液状物にナノカーボンが容易に分散することを見出し、本発明に至った。具体的には、本発明では、アルミニウム化合物を含む液状物にナノカーボンを加え分散処理を行って液状のアルミナコンポジット前駆体とすることを特徴とする。
また、本発明では、ナノカーボンを分散させた前記液状物を固化させることによってナノカーボンをアルミニウム化合物中に固定させて、ナノカーボンが均一に分散した固体状のアルミナコンポジット前駆体を調製することを特徴とする。
さらに、本発明では、このアルミナコンポジット前駆体を焼成し、熱分解させることによって、ナノカーボンが均一に分散したアルミナコンポジットを調製することを特徴とする。このようにして得たアルミナコンポジットでは、アルミナとナノカーボンとの混合粉体と違って、バルク状のアルミナからなるマトリクス中にナノカーボンが混在している状態にある。なお、本願において「バルク状」とは、アルミナとナノカーボンとの混合粉体のようにアルミナ粒子の間にナノカーボンが保持されている形態と違って、ナノカーボンがアルミナに埋まっている状態のことを意味する。ナノカーボンがアルミナに埋まっている状態とは、例えば、アモルファスアルミナや中間アルミナなどのアルミナ連続体中にナノカーボンが極めて良好に密着して存在している状態である。
さらにまた、本発明では、このアルミナコンポジットの粉体をパルス通電焼結法などにより焼結させることによりアルミナコンポジット焼結体を調製することを特徴とする。
本発明において、アルミニウム化合物の液状物は、水系であることが好ましい。
本発明において、アルミニウム化合物は、例えば、アルミニウム塩類である。このようなアルミニウム塩類としては塩基性塩化アルミニウムを挙げることができ、この塩基性塩化アルミニウムは、例えば、一般式Al2(OH)nCl6-n(但し、n≧3)で表すことができる。
本発明において、前記アルミニウム化合物としてはベーマイトを用いてもよい。
本発明において、前記ナノカーボンはシングルウォールカーボンナノチューブ、マルチウォールカーボンナノチューブ、カーボンナノファイバーまたはフラーレンである。
本発明では、アルミニウム化合物の液状物にナノカーボンを分散させて液状のアルミナコンポジット前駆体、あるいはこの液状のアルミナコンポジット前駆体を固化させて固体状のアルミナコンポジット前駆体とする。このようなアルミナコンポジット前駆体では、煩雑な操作を行わなくてもナノカーボンが均一に分散しているので、それを焼成するだけで、ナノカーボンが均一に分散したアルミナコンポジットを調製することができ、このようなアルミナコンポジットでは、バルク状のアルミナからなるマトリクス中にナノカーボンが混在している。従って、本発明に係るアルミナコンポジットの粉体をパルス通電焼結法などにより焼結させれば、電気伝導性および防静電気性、熱伝導性に優れたアルミナコンポジット焼結体を得ることができ、このようなアルミナコンポジット焼結体は、例えば、導電性部材、放熱性部材など、各種の用途に用いることができる。また、アルミナ焼結体に導電性を与えることによって放電加工が可能になり、焼結体の微細加工ができるようになる。さらに、本発明のアルミナコンポジットを例えば潤滑性部材として用いれば、その部材の摩擦係数の低減、機械的強度の向上などの効果が期待される。しかも、アルミナとナノカーボンとを直接、焼結したコンポジットと違って、本発明に係るアルミナコンポジットでは、バルク状のアルミナからなるマトリクス中にナノカーボンが混在しているので、ナノカーボンの保持力が高く、かつ、均一に分散しているので、ナノカーボンを添加したことによる機械的強度、熱伝導性、導電性などに関する効果を確実に発揮し、かつ、大きな効果が期待できる。
以下、本発明を適用したアルミナコンポジット前駆体、アルミナコンポジット前駆体から得られるアルミナコンポジット、このアルミナコンポジットを用いた焼結体について詳細に説明する。
(アルミナコンポジット前駆体の説明)
本発明では、アルミニウム化合物を含む液状物にナノカーボンを均一に分散させて液状のアルミナコンポジット前駆体を得る。ナノカーボンは、基本的に疎水性であるため、水系への分散は困難とされているが、液体状アルミニウム化合物を含む液状物に対しては良好に分散する。
このようにして得られた液状のアルミナコンポジット前駆体を固化させると、固体状のアルミナコンポジット前駆体が得られ、かかるアルミナコンポジット前駆体において、ナノカーボンはアルミニウム化合物固体に固定される。なお、ナノカーボンがアルミニウム化合物、およびそれを含む液状物に良好に分散することは発明者らにも予期せぬことであり、その理由は現時点では明確ではない。
アルミニウム化合物としては、各種のアルミニウム塩類を用いることができる。例えば、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硝酸アルミウム等の無機アルミニウム塩、各種のアルミニウムアルコキシドおよび塩基性のアルミニウム塩を好適に用いることができる。特に塩基性のアルミニウム塩は、脱水により容易にゲルを形成して固化するため、分散処理によって分散させたナノカーボンを良好な分散状態のまま固定することができる点で極めて有利である。
塩基性のアルミニウム塩としては、一般式Al2(OH)nCl6-nにおいてn≧3である塩基性塩化アルミニウムが良好なゲル形成能を有するため好適に用いられる。
また、アルミニウム化合物としてベーマイトを用いることもできる。ベーマイトはAlO(OH)の組成式で示される水酸化酸化アルミニウムであり、ナノメートルサイズの微細な粒子を調製することができる。この微細粒子のベーマイトは分散剤を加えた水に分散させ、安定なベーマイトゾルを調製することができる。ベーマイトゾルは、脱水により容易にゲルを形成し固化することができるため、分散処理によって分散させたナノカーボンを良好な分散状態のまま固定することができる点で極めて有利である。
ナノカーボンとしては、カーボンナノチューブ類またはフラーレン類を用いることができる。カーボンナノチューブの形状は、炭素原子の六員環で構成されるグラフェンシートを巻いた1次元性を有する筒状である。グラフェンシートが1枚の構造のカーボンナノチューブはシングルウォールナノチューブと呼ばれ、直径は1nm程度である。グラフェンシートが多層のものはマルチウォールカーボンナノチューブと呼ばれ直径は数十nm程度であり、より直径が大きなものとしてカーボンナノファーバーなどが知られている。本発明にはいずれのカーボンナノチューブを用いても良く、ナノチューブの直径、長さ、アスペクト比などについても特に限定されない。
フラーレン類としては、炭素原子60個からなるC60や70個からなるC70、またC60が2つまたは3つが結合したダイマー、トリマーなどの数多くの種類があるが、本発明に用いるものとしては特に限定はない。これらのナノカーボンを2種類以上組み合わせて用いることもできる。
また、ナノカーボン類とともに種々の結晶度の微粉グラファイト、活性炭、窒化ホウ素(h−BN)を添加することも有効である。
カーボンナノチューブ類およびフラーレン類ともにコスト、添加目的、用途などの諸条件に応じて適宜用いればよい。
ナノカーボンを分散させる方法としては、液体状アルミニウム化合物にナノカーボンを添加したのちビーズミリング(ボールミリング)によって分散させる方法が好適に用いられる。ミリングの方法としては、転動ミル、遊星ミル、振動ミル、媒体攪拌型ミルなどを用いることができる。ビーズ(ボール)の径は、小さいほど分散効果が高く、分散時間を短縮することができる。分散に用いるビーズの材質は特に限定しないが、ビーズの摩耗粉の混入を考えるとアルミナビーズが好適に用いられる。超音波分散によって液体状アルミニウム化合物にナノカーボンを分散させる方法も用いることができる。超音波による分散処理はバッチ式でも連続式でも良い。照射する超音波の出力を大きくすると分散効果が高くなり、分散時間の短縮になる。ビーズミリングによる分散と超音波照射による分散を組み合わせることもできる。
また、ビーズミリングまたは超音波照射の時間を変えることによってナノカーボンの分散程度を目的などに応じて任意に変えることができる。ナノカーボンの分散は、マクロ的に見れば均一分散がよいが、目的によってはミクロ的には微細な凝集がある方がよい場合がある。例えば、導電性がないマトリックス材料にナノカーボンを加えて導電性を付与する場合、ナノカーボンが完全分散しているとマトリックス中でナノカーボンが単離し、ナノカーボン同士の接触が偶発的にしか起こらないために導電性が発現しないか、または、導電性を与えるためには多量のナノカーボンを添加する必要がある。一方、ミクロ的に微細な凝集体が生成している場合は凝集粒子同士のネットワークができやすく、少ない添加量でも導電性を付与することができる。
また、ナノカーボンをアルミニウム化合物の溶液に分散させる際に、水溶性有機化合物等を分散剤として添加することもできる。分散剤を添加することにより、分散性がより向上し、分散時間を短縮する効果がある。分散剤としては、界面活性剤、ポリビニルアルコール類、水溶性セルロース、グリセリン、グリコール、ポリエチングリコール、乳酸、酢酸、硝酸、塩酸などを用いることができる。
さらに、第3成分として、Mg、Zr、Ca、Yなどを含む化合物を添加しても良い。これらのイオンはアルミナコンポジット焼結体を調製した際、焼結体の強度、靱性を向上させるのに極めて有効である。
分散処理によりナノカーボンを分散させたアルミニウム化合物水溶液は、固化することによって、分散したナノカーボンが固定化され、アルミナコンポジット前駆体が得られる。固化の方法としては、例えば、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硝酸アルミウム等の無機アルミニウム塩の場合は、加熱濃縮による固化方法、また、アンモニアなどのアルカリを加えることによってゲル化によって固化する方法などによる。アルミニウムアルコキシドの場合は、加熱による脱アルコールや水を加えて加水分解する方法で固化またはゲル化することができる。塩基性のアルミニウム塩の場合は、アンモニアなどのアルカリを加えゲル化する方法、ゲル化剤として、硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウムなどを加えて、溶液の容積を保ったままゲル化する方法、あるいは、加熱脱水によって濃縮し、ゲル化して固化する方法などが挙げられる。
また、ベーマイトゾルの場合は、加熱脱水などによりゲル化させ固化することができる。
脱水の方法としては、バットなどの容器に入れて送風乾燥機を用いて乾燥させる方法やスプレードライによって乾燥させる方法、フリーズドライによって乾燥させる方法などが挙げられる。
固化方法の中で脱水によるゲル化はアルカリやゲル化剤を加える必要がない点で簡便であるとともに、アルミナコンポジット前駆体のマトリックスとナノカーボンの接合界面の密着度が高い点で有利である。
(アルミナコンポジットの説明)
本発明に係るアルミナコンポジット前駆体は、必要に応じて粉砕処理をしたのち、熱分解を行うことによってアルミナコンポジットが得られる。アルミナコンポジット前駆体を熱分解させる際の温度は、大気雰囲気下であればナノカーボンの酸化、分解が起こらない500℃以下で行うことが望ましい。また、非酸化雰囲気であれば500℃より高温で処理を行うこともできる。
また、熱分解時の温度をαアルミナが生成しない温度で行うとナノカーボンが均一分散したアルミナ質多孔体を調製することもできる。
(アルミナコンポジット焼結体の説明)
アルミナコンポジットを成形したのち焼結させることによって、緻密なアルミナナノカーボンコンポジット焼結体を得ることができる。焼結体を調製する際には真空下および窒素、アルゴン、水素などの非酸化雰囲気下で焼結を行うことが好ましい。焼結方法としてはホットプレス焼結、熱間等方加圧焼結(HIP)、真空焼結、パルス通電焼結(PECS)などを用いることができる。
本発明のアルミナコンポジット、およびその焼結体は電気伝導性および防静電気性、熱伝導性を有するため、例えば、導電性部材、放熱性部材として用いるのに好適である。また、本発明のアルミナコンポジットを例えば潤滑性部材として用いることにより、その部材の摩擦係数の低減、機械的強度の向上などの効果が期待される。
[実施例1]
塩基性塩化アルミニウム水溶液(Al2(OH)5Cl、Al23換算濃度23.0mass%)250gに直径150nmのカーボンナノファイバー2gを添加し、直径3mmのアルミナボール280gを加えて48時間、ポットミル分散処理を行った。このようにして分散処理した溶液が液状のアルミナコンポジット前駆体である。
次に、液状のアルミナコンポジット前駆体を60℃の温度で加熱、脱水することによって塩基性塩化アルミニウムをゲル化させ、固体状のアルミナコンポジット前駆体を調製した。
次に、アルミナコンポジット前駆体を500℃の温度で熱分解させ、アルミナコンポジットを得た。アルミナコンポジットの破断面を電子顕微鏡で拡大した様子を図1に示す。図1から分かるように、カーボンナノファイバーがバルク状のアルミナ中に均一に分散していることが判る。
[実施例2]
実施例1で得られたアルミナコンポジットを乳鉢で粉砕したのち、75μmの篩でふるい分け75μm以下の粉体を金型を用いて成型圧4ton/cm2で成形したのち、N2雰囲気中で温度700℃、1時間の条件で焼成した。得られた成形体の結晶型は中間アルミナであり、中間アルミナコンポジット成形体が得られた。
次に、得られた中間アルミナコンポジット成形体を乳鉢で粉砕したのち、75μmの篩でふるい分け75μm以下の粉体をパルス通電焼結により焼結して、アルミナコンポジット焼結体を得た。パルス通電焼結条件は、温度が1350℃、昇温時間は17分、加圧力は80MPaとした。得られた焼結体は緻密化率99.4%であり、緻密な焼結体となった。
[実施例3]
ベーマイトゾル(AlO(OH)、Al23換算濃度20.1mass%)250gに直径90nmのカーボンナノファイバー2gを添加し、直径3mmのアルミナボール280gを加えて48時間、ポットミル分散処理を行った。このようにして分散処理した溶液が液状のアルミナコンポジット前駆体である。
次に、液状のアルミナコンポジット前駆体を60℃の温度で加熱、脱水することによってベーマイトゾルをゲル化させ、固体状のアルミナコンポジット前駆体を生成した。
次に、得られたアルミナコンポジット前駆体を500℃で熱分解させ、アルミナコンポジットを得た。このようにして得たアルミナコンポジットの破断面も、図1と同様な形態を示し、カーボンナノファイバーがバルク状のアルミナ中に均一に分散している。
このようにして得たアルミナコンポジットについても、実施例2と同様な操作を行えば、アルミナコンポジット焼結体を得ることができる。
[実施例4]
硫酸アルミニウム水溶液(Al2(SO4)3、Al23換算濃度8.0mass%)390gに直径150nmのカーボンナノファイバー1gを添加し、超音波を1時間、照射してカーボンナノファイバーを分散させた。このようにして分散処理した溶液が液状のアルミナコンポジット前駆体である。
次に、液状のアルミナコンポジット前駆体(カーボンナノファイバーを分散させた硫酸アルミニウム水溶液)に5%のアンモニア水を加え、硫酸アルミニウムをゲル化させたのち、ろ過により脱水、その後乾燥させ、固体状のアルミナコンポジット前駆体を得た。
このようにして得たアルミナコンポジット前駆体についても、実施例1と同様な焼成を行えば、アルミナコンポジットを得ることができる。また、このアルミナコンポジットについても、実施例2と同様な操作を行えば、アルミナコンポジット焼結体を得ることができる。
[実施例5]
アルミニウムトリイソプロポキシド100gをイソポロピルアルコール500mlに溶解させた溶液に直径90nmのカーボンナノファイバー2.5gを添加し、超音波を1時間、照射してカーボンナノファイバーを分散させた。このようにして分散処理した溶液が液状のアルミナコンポジット前駆体である。
次に、液状のアルミナコンポジット前駆体を80℃の温度で加熱、脱アルコールすることによってアルミニウムトリイソプロポキシドを固化させ、固体状のアルミナコンポジット前駆体を調製した。
このようにして得たアルミナコンポジット前駆体についても、実施例1と同様な焼成を行えば、アルミナコンポジットを得ることができる。また、このアルミナコンポジットについても、実施例2と同様な操作を行えば、アルミナコンポジット焼結体を得ることができる。
本発明を適用したアルミナコンポジットを電子顕微鏡で拡大して得た破断面図である。

Claims (12)

  1. アルミニウム化合物を含む液状物にナノカーボンを分散させたことを特徴とするアルミナコンポジット前駆体。
  2. 前記液状物は、水系であることを特徴とする請求項1に記載のアルミナコンポジット前駆体。
  3. 前記アルミニウム化合物は、アルミニウム塩類であることを特徴とする請求項1または2に記載のアルミナコンポジット前駆体。
  4. 前記アルミニウム化合物は、塩基性塩化アルミニウムであることを特徴とする請求項3に記載のアルミナコンポジット前駆体。
  5. 前記塩基性塩化アルミニウムは、一般式Al2(OH)nCl6-nにおいてn≧3であることを特徴とする請求項4に記載のアルミナコンポジット前駆体。
  6. 前記アルミニウム化合物は、ベーマイトであることを特徴とする請求項1または2に記載のアルミナコンポジット前駆体。
  7. 前記ナノカーボンはシングルウォールカーボンナノチューブ、マルチウォールカーボンナノチューブ、カーボンナノファイバーまたはフラーレンであることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか一項に記載のアルミナコンポジット前駆体。
  8. ナノカーボンを分散させた前記液状物を固化させてなることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか一項に記載のアルミナコンポジット前駆体。
  9. 請求項1ないし8のいずれか一項に記載の前記アルミナコンポジット前駆体を焼成してなることを特徴とするアルミナコンポジット。
  10. バルク状のアルミナからなるマトリクス中にナノカーボンが混在していることを特徴とするアルミナコンポジット。
  11. 請求項9または10に記載の前記アルミナコンポジットを焼結してなることを特徴とするアルミナコンポジット焼結体。
  12. 前記アルミナコンポジットをパルス通電焼結法により焼結してなることを特徴とする請求項11に記載のアルミナコンポジット焼結体。
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