JP2006327038A - 筒状成形体の加工方法及び空気入りタイヤの製造方法 - Google Patents

筒状成形体の加工方法及び空気入りタイヤの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 筒状成形体の取り扱い性を損なうことなく該筒状成形体を巻き取る際にライナー材の使用を不要にし、それによって、筒状成形体の製造コストを低減し、環境への負荷を減らし、更には筒状成形体の品質を向上することを可能にした筒状成形体の加工方法及び空気入りタイヤの製造方法を提供する。
【解決手段】 熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマー組成物からなる空気透過防止層1と空気透過防止層1の少なくとも一方の面に積層された接着層2とを含む筒状成形体3を加工するに際し、接着層2の単位面積100mm2 当たりの自着力をx(g)としたとき、接着層2の表面に最上部2aを含む凹凸を形成し、接着層2の総面積に対する最上部2aの面積の比yを100/X≦y≦500/Xの関係にし、接着層2の最上部2aとそれ以外の部分との高低差hを接着層2の総厚さtに対して0.1t≦h≦0.5tの関係にする。
【選択図】 図2

Description

本発明は、空気入りタイヤの空気透過防止層の構成材料として好適な筒状成形体の加工方法に関し、更に詳しくは、筒状成形体の取り扱い性を損なうことなく該筒状成形体を巻き取る際にライナー材の使用を不要にした筒状成形体の加工方法及び空気入りタイヤの製造方法に関する。
空気入りタイヤは内面に空気透過防止層を備えている。このような空気透過防止層は、一般にブチルゴムに代表される低気体透過性ゴムを主成分としている。ところが、低気体透過性ゴムを主成分とする空気透過防止層は、通常、ヒステリシス損失が小さいタイゴムと呼ばれるゴムシートと積層されるため、タイゴムを含めた層全体の厚さが大きくなり、結果的に製品タイヤの重量を増大させる原因の一つになっている。
そこで、空気透過防止層の構成材料として、低気体透過性ゴムの替わりに樹脂材料を用いることが提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。空気透過防止層を構成する樹脂材料をフィルム化することで製品タイヤの重量を低減することが可能になる。
このような樹脂材料からなる空気透過防止層を採用する場合、筒状の空気透過防止層と筒状の接着層とを同時に押し出しながら積層して筒状成形体を加工し、その筒状成形体を平坦に潰して一旦巻き取ってからタイヤ成形工程に供給することが望ましい。しかしながら、平坦に潰した筒状成形体を接着層が露出した状態で巻き取ると、タイヤ成形工程において接着層の粘着性に起因して筒状成形体の取り扱いが難しくなる。そのため、筒状成形体を巻き取る際には、離型紙等のライナー材を筒状成形体に沿って巻き込むことが必要である。
ところが、ライナー材を用いた場合、余分な資材が必要になるため筒状成形体の製造コストが増大し、その一方で、廃棄されるライナー材は環境への負荷となる。また、ライナー材を用いた場合、筒状成形体に皺を生じ易くなり、空気入りタイヤの品質を低下させる要因となる。そのため、筒状成形体を巻き取る際にライナー材の使用を不要にすることが望まれている。
特許第3150561号公報 特許第3212470号公報 特許第3153093号公報
本発明の目的は、筒状成形体の取り扱い性を損なうことなく該筒状成形体を巻き取る際にライナー材の使用を不要にし、それによって、筒状成形体の製造コストを低減し、環境への負荷を減らし、更には筒状成形体の品質を向上することを可能にした筒状成形体の加工方法及び空気入りタイヤの製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明の筒状成形体の加工方法は、熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマー組成物からなる空気透過防止層と空気透過防止層の少なくとも一方の面に積層された接着層とを含む筒状成形体を加工するに際し、前記接着層の単位面積100mm2 当たりの自着力をx(g)としたとき、前記接着層の表面に最上部を含む凹凸を形成し、前記接着層の総面積に対する前記最上部の面積の比yを100/X≦y≦500/Xの関係にすると共に、前記接着層の最上部とそれ以外の部分との高低差hを前記接着層の総厚さtに対して0.1t≦h≦0.5tの関係にしたことを特徴とするものである。
また、上記目的を達成するための本発明の空気入りタイヤの製造方法は、熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマー組成物からなる空気透過防止層と該空気透過防止層の少なくとも一方の面に積層された接着層とを含む筒状成形体を加工するに際し、前記接着層の単位面積100mm2 当たりの自着力をx(g)としたとき、前記接着層の表面に最上部を含む凹凸を形成し、前記接着層の総面積に対する前記最上部の面積の比yを100/X≦y≦500/Xの関係にすると共に、前記接着層の最上部とそれ以外の部分との高低差hを前記接着層の総厚さtに対して0.1t≦h≦0.5tの関係にし、前記接着層に凹凸を付与した筒状成形体を平坦に潰した状態で巻き取り、その後、巻き解かれた筒状成形体を所定の長さに切断し、その切断された筒状成形体を用いて空気透過防止層を備えた未加硫タイヤを成形し、該未加硫タイヤを加硫することを特徴とするものである。
本発明では、熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマー組成物からなる空気透過防止層と空気透過防止層の少なくとも一方の面に積層された接着層とを含む筒状成形体を加工するに際し、接着層の表面に凹凸を形成する。このとき、接着層の総面積に対する最上部の面積の比yを接着層の単位面積100mm2 当たりの自着力xに対して100/X≦y≦500/Xの関係にすると共に、接着層の最上部とそれ以外の部分との高低差hを接着層の総厚さtに対して0.1t≦h≦0.5tの関係にする。
これにより、自着力が大きい接着層の粘着性を制御し、筒状成形体の取り扱い性を損なうことなく該筒状成形体を巻き取る際にライナー材の使用を不要にすることができる。その結果、筒状成形体の製造コストを低減し、環境への負荷を減らすことができる。また、筒状成形体を巻き取る際にライナー材を使用しない場合、筒状成形体に皺を生じ難くなるため、筒状成形体の品質、延いては、それを用いて製造される空気入りタイヤの品質を向上することができる。
上記接着層は、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体及びタッキファイヤーを含む接着剤から構成されることが好ましい。このような接着層は、熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマー組成物からなる空気透過防止層をゴム層に対して接着する際に良好な接着性を呈するものであるが、タイヤ成形工程での自着力が大きいという難点を解決することが望まれている。
本発明において、接着層の単位面積100mm2 当たりの自着力は下記測定試験に基づいて測定されたものである。測定装置としては、試料を固定する試料固定部と、該試料固定部の上方で鉛直方向に移動自在の圧着部とを備え、試料から圧着部を引き剥がすときの力を測定する粘着力測定手段とを備えた装置を用いる。より具体的には、株式会社東洋精機製作所製のPICMAタックテスターを使用することができる。そして、接着層を上向きにして試料固定部にセットする一方で圧着部に平滑なフィルムを取り付け、下記測定条件により、圧着部のフィルムを接着層に圧着し、これを引き剥がすときの粘着力(g)を測定する。本発明で言う接着層の単位面積100mm2 当たりの自着力とは上記の如く測定される粘着力を単位面積100mm2 当たりの力に換算したものである。
〔測定条件〕
試料圧着面の寸法:12.7mm×152mm
圧着荷重 :4.90N
圧着時間 :120mm/分
剥離速度 :0秒
測定環境温度 :20℃
測定環境湿度 :65%
以下、本発明の構成について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は本発明の実施形態からなる筒状成形体の加工装置を概略的に示し、図2は図1のX−X矢視断面を示し、図3は図2の要部を拡大して示すものである。図1において、内層となる筒状の空気透過防止層1と外層となる筒状の接着層2は不図示の押出装置から同軸的かつ同時に押し出されて積層されることで筒状成形体3となる。これら空気透過防止層1及び接着層2とを含む筒状成形体3は、一対のロール11,12間を通過する際に平坦に潰され、その潰された状態でセル13の周囲に連続的に巻き取られるようになっている。
上記筒状成形体3を加工する工程において、図2及び図3に示すように、接着層2の表面に最上部2a及び窪み部2bを含む凹凸を形成する。例えば、一対のロール11,12の外周面に凹凸を付与すれば、その凹凸が接着層2の表面に転写されることになる。その際、接着層2の単位面積100mm2 当たりの自着力をx(g)としたとき、接着層2の総面積(外周長と長さとの積)に対する最上部2aの面積の比yを100/X≦y≦500/Xの関係にすると共に、接着層2の最上部2aとそれ以外の部分との高低差hを接着層2の総厚さtに対して0.1t≦h≦0.5tの関係にする。
次いで、タイヤ成形工程においては、筒状成形体3をセル13から巻き解いて所定の長さに切断する。そして、所定の長さに切断された筒状成形体13を接着層2が外側となるように成形ドラムの周囲に被せ、更にその外側にカーカス材等のタイヤ構成部材を順次積層することにより、タイヤ内面に空気透過防止層1を備えた未加硫タイヤを成形する。この未加硫タイヤは加硫機の金型内で加硫される。
上述のように筒状成形体3を加工する工程において、接着層2の最上部2aに関する面積比yと高低差hを規定することにより、自着力が大きい接着層2の粘着性を制御し、筒状成形体3の取り扱い性を損なうことなく該筒状成形体3を巻き取る際にライナー材の使用を不要にすることができる。つまり、筒状成形体3をライナー材なしで巻き取った場合であっても、接着層2の自着や他の部材(例えば、巻き取り用のセル)との粘着を抑えることができる。そして、ライナー材を排除することにより、筒状成形体3の製造コストを低減し、環境への負荷を減らすことができる。また、ライナー材を使用しないで筒状成形体3を巻き取ることにより、筒状成形体3に皺を生じ難くなるため、筒状成形体3の品質、延いては、それを用いて製造される空気入りタイヤの品質を向上することができる。
ここで、接着層の総面積に対する最上部の面積の比yが上記範囲から外れると接着層の自着や他の部材との粘着を生じ易くなる。また、接着層の最上部とそれ以外の部分との高低差hが0.1tよりも小さいと接着層の自着や他の部材との粘着を生じ易くなり、逆に0.5tよりも大きいと上記凹凸が製品タイヤにおいてエア溜まりの原因となる。
上述した空気透過防止層は、熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマー組成物から構成される。好ましくは、熱可塑性樹脂をマトリックスとし、そのマトリックス中にエラストマー成分が分散している熱可塑性エラストマー組成物から構成される。
熱可塑性エラストマー組成物の熱可塑性樹脂成分としては、ヤング率が500MPa超、好ましくは500〜3000MPaの任意の熱可塑性樹脂を用いることができ、その配合量は樹脂及びエラストマーを含むポリマー成分の合計重量当り10重量%以上、好ましくは20〜85重量%である。
そのような熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリアミド系樹脂〔例えばナイロン6(N6)、ナイロン66(N66)、ナイロン46(N46)、ナイロン11(N11)、ナイロン12(N12)、ナイロン610(N610)、ナイロン612(N612)、ナイロン6/66共重合体(N6/66)、ナイロン6/66/610共重合体(N6/66/610)、ナイロンMXD6、ナイロン6T、ナイロン6/6T共重合体、ナイロン66/PP共重合体、ナイロン66/PPS共重合体〕、ポリエステル系樹脂〔例えばポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンイソフタレート(PEI)、ポリブチレンテレフタレート/テトラメチレングリコール共重合体、PET/PEI共重合体、ポリアリレート(PAR)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、液晶ポリエステル、ポリオキシアルキレンジイミドジ酸/ポリブチレンテレフタレート共重合体などの芳香族ポリエステル〕、ポリニトリル系樹脂〔例えばポリアクリロニトリル(PAN)、ポリメタクリロニトリル、アクリロニトリル/スチレン共重合体(AS)、メタクリロニトリル/スチレン共重合体、メタクリロニトリル/スチレン/ブタジエン共重合体〕、ポリ(メタ)アクリレート系樹脂〔例えばポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリメタクリル酸エチル、エチレンエチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレンアクリル酸共重合体(EAA)、エチレンメチルアクリレート樹脂(EMA)〕、ポリビニル系樹脂〔例えば酢酸ビニル(EVA)、ポリビニルアルコール(PVA)、ビニルアルコール/エチレン共重合体(EVOH)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリ塩化ビニル(PVC)、塩化ビニル/塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニリデン/メチルアクリレート共重合体〕、セルロース系樹脂〔例えば酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース〕、フッ素系樹脂〔例えばポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリクロルフルオロエチレン(PCTFE)、テトラフロロエチレン/エチレン共重合体(ETFE)〕、イミド系樹脂〔例えば芳香族ポリイミド(PI)〕などを挙げることができる。これら熱可塑性樹脂はエラストマー成分を含まない単独の材料として用いても良い。
熱可塑性エラストマー組成物のエラストマー成分としては、ヤング率が500MPa以下の任意のエラストマー又は該エラストマーの分散性や耐熱性などの改善のために補強剤、充填剤、架橋剤、軟化剤、老化防止剤、加工助剤などの配合剤を必要量添加したエラストマー組成物を用いることができ、その配合量は樹脂及びエラストマーを含むポリマー成分の合計重量当り10重量%以上、好ましくは10〜80重量%である。
そのようなエラストマーとしては、例えば、ジエン系ゴム及びその水素添加物〔例えばNR、IR、エポキシ化天然ゴム、SBR、BR(高シスBR及び低シスBR)、NBR、水素化NBR、水素化SBR〕、オレフィン系ゴム〔例えばエチレンプロピレンゴム(EPDM、EPM)、マレイン酸変性エチレンプロピレンゴム(M−EPM)〕、ブチルゴム(IIR)、イソブチレンと芳香族ビニル又はジエン系モノマー共重合体、アクリルゴム(ACM)、アイオノマー、含ハロゲンゴム〔例えばBr−IIR、Cl−IIR、イソブチレンパラメチルスチレン共重合体の臭素化物(Br−IPMS)、クロロプレンゴム(CR)、ヒドリンゴム(CHC,CHR)、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)、塩素化ポリエチレン(CM)、マレイン酸変性塩素化ポリエチレン(M−CM)〕、シリコーンゴム(例えばメチルビニルシリコーンゴム、ジメチルシリコーンゴム、メチルフェニルビニルシリコーンゴム)、含イオウゴム(例えばポリスルフィドゴム)、フッ素ゴム(例えばビニリデンフルオライド系ゴム、含フッ素ビニルエーテル系ゴム、テトラフルオロエチレン−プロピレン系ゴム、含フッ素シリコン系ゴム、含フッ素ホスファゼン系ゴム)、熱可塑性エラストマー(例えばスチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ウレタン系エラストマー、ポリアミド系エラストマー)などを挙げることができる。
熱可塑性エラストマー組成物には、上記必須成分に加えて第三成分として、相溶化剤などの他のポリマー及び配合剤を混合することができる。他のポリマーを混合する目的は、熱可塑性樹脂成分とエラストマー成分との相溶性を改良するため、材料のフィルム成形加工性を良くするため、耐熱性向上のため、コストダウンのため等であり、これに用いられる材料としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ABS、SBS、ポリカーボネート等が挙げられる。
熱可塑性エラストマー組成物は、予め熱可塑性樹脂とエラストマー(ゴムの場合は未加硫物)とを2軸混練押出機等で溶融混練し、連続相を形成する熱可塑性樹脂中にエラストマー成分を分散させることにより得られる。エラストマー成分を加硫する場合には、混練下で加硫剤を添加し、エラストマーを動的に加硫させても良い。また、熱可塑性樹脂またはエラストマー成分への各種配合剤(加硫剤を除く)は、上記混練中に添加しても良いが、混練の前に予め混合しておくことが好ましい。熱可塑性樹脂とエラストマーの混練に使用する混練機としては、特に限定はなく、スクリュー押出機、ニーダ、バンバリミキサー、2軸混練押出機等が挙げられる。中でも樹脂成分とゴム成分の混練およびゴム成分の動的加硫には2軸混練押出機を使用するのが好ましい。さらに、2種類以上の混練機を使用し、順次混練してもよい。溶融混練の条件として、温度は熱可塑性樹脂が溶融する温度以上であれば良い。また、混練時の剪断速度は2500〜7500sec-1であるのが好ましい。混練全体の時間は30秒から10分、また加硫剤を添加した場合には、添加後の加硫時間は15秒から5分であるのが好ましい。上記方法で作製された熱可塑性エラストマー組成物は、押出機による成形によってフィルム化される。
このようにして得られる熱可塑性エラストマー組成物の薄膜は、熱可塑性樹脂のマトリクス中にエラストマーが不連続相として分散した構造をとる。かかる状態の分散構造を採ることにより、ヤング率を50〜500MPaの範囲に設定し、タイヤ構成部材として適度な剛性を付与することが可能になる。
一方、空気透過防止層に積層される接着層は、接着用ポリマー及びタッキファイヤーを含む接着剤から構成される。接着用ポリマーの具体例としては、分子量100万以上、好ましくは300万以上の超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)、エチレンエチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレンメチルアクリレート樹脂(EMA)、エチレンアクリル酸共重合体(EAA)等のアクリレート共重合体類及びそれらの無水マレイン酸付加物、ポリプロピレン(PP)及びそのマレイン酸変性物、エチレンプロピレン共重合体及びそのマレイン酸変性物、ポリブタジエン系樹脂及びその無水マレイン酸変性物、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体(SBS)、スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレン共重合体(SEBS)、フッ素系熱可塑性樹脂、ポリエステル系熱可塑性樹脂などを挙げることができる。特に、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体(SBS)を用いることが好ましい。接着層の厚さは特に限定されないが、タイヤ軽量化のためには厚さが少ない方がよく、5μm〜150μmが好ましい。
タッキファイヤーとしては、クマロンインデン樹脂、テルペンフェノール樹脂、ロジン、ロジン誘導体、フェノールアセチレン樹脂などを挙げることができる。
熱可塑性エラストマー組成物からなる筒状の空気透過防止層と空気透過防止層の外周面に積層された筒状の接着層とを含む筒状成形体を加工するに際し、接着層の表面に凹凸を形成し、実施例1〜6及び比較例1〜2において、接着層の単位面積100mm2 当たりの自着力x(g)、接着層の総面積に対する最上部の面積の比y、接着層の最上部とそれ以外の部分との高低差h(μm)、接着層の総厚さt(μm)を表1のように種々異ならせた。
上記実施例1〜6及び比較例1〜2により得られた筒状成形体を平坦に潰した状態でセルに巻き取り、一旦保管した後、該筒状成形体をセルから巻き解き、その取り扱い性をそれぞれ評価した。評価結果は、筒状成形体の取り扱いが容易である場合を「○」で示し、接着層の自着や他の部材との粘着により筒状成形体の取り扱いが困難である場合を「×」にて示した。
Figure 2006327038
この表1から判るように、比較例1〜2の方法では筒状成形体の取り扱いが困難であったが、実施例1〜6の方法では、接着層の表面に形成する凹凸の条件を僅かに異ならせただけで筒状成形体の取り扱い性が大幅に改善されていた。
本発明の実施形態からなる筒状成形体の加工装置を概略的に示す側面図である。 図1のX−X矢視断面拡大図である。 図2の要部拡大断面図である。
符号の説明
1 空気透過防止層
2 接着層
2a 最上部
3 筒状成形体
11,12 ロール
13 セル

Claims (4)

  1. 熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマー組成物からなる空気透過防止層と空気透過防止層の少なくとも一方の面に積層された接着層とを含む筒状成形体を加工するに際し、前記接着層の単位面積100mm2 当たりの自着力をx(g)としたとき、前記接着層の表面に最上部を含む凹凸を形成し、前記接着層の総面積に対する前記最上部の面積の比yを100/X≦y≦500/Xの関係にすると共に、前記接着層の最上部とそれ以外の部分との高低差hを前記接着層の総厚さtに対して0.1t≦h≦0.5tの関係にしたことを特徴とする筒状成形体の加工方法。
  2. 前記接着層がスチレン−ブタジエン−スチレン共重合体及びタッキファイヤーを含む接着剤から構成される請求項1に記載の筒状成形体の加工方法。
  3. 熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマー組成物からなる空気透過防止層と該空気透過防止層の少なくとも一方の面に積層された接着層とを含む筒状成形体を加工するに際し、前記接着層の単位面積100mm2 当たりの自着力をx(g)としたとき、前記接着層の表面に最上部を含む凹凸を形成し、前記接着層の総面積に対する前記最上部の面積の比yを100/X≦y≦500/Xの関係にすると共に、前記接着層の最上部とそれ以外の部分との高低差hを前記接着層の総厚さtに対して0.1t≦h≦0.5tの関係にし、前記接着層に凹凸を付与した筒状成形体を平坦に潰した状態で巻き取り、その後、巻き解かれた筒状成形体を所定の長さに切断し、その切断された筒状成形体を用いて空気透過防止層を備えた未加硫タイヤを成形し、該未加硫タイヤを加硫することを特徴とする空気入りタイヤの製造方法。
  4. 前記接着層がスチレン−ブタジエン−スチレン共重合体及びタッキファイヤーを含む接着剤から構成される請求項3に記載の空気入りタイヤの製造方法。
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