JP2006326738A - 倒立振り子型台車ロボット - Google Patents

倒立振り子型台車ロボット Download PDF

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Abstract

【課題】補助輪およびその昇降機構を有することなく,安全に制御装置の停止が可能な倒立振り子型台車ロボットを提供すること。
【解決手段】本発明の倒立振り子型台車ロボット1は,同軸の車輪2,3の車軸4に回転可能に取りつけられた本体5と,本体5に取り付けられ角度変更と伸縮とが可能な両腕部14,15とを有する倒立振り子型台車ロボット1であって,全体の重心が同軸多輪台車の車軸4より上方にある倒立状態を維持する制御を行う倒立制御手段と,倒立制御手段による制御を開始する前に,腕を伸ばすことにより全体の重心を倒立制御手段による制御が可能な範囲内に入れる倒立開始動作手段とを有するものである。
【選択図】 図1

Description

本発明は,例えば同軸2輪の台車とその車軸上に回転可能に支持された本体とを有し,倒立姿勢を維持するよう制御される倒立振り子型台車ロボットに関する。さらに詳細には,本体に腕部を有し,腕部の関節をそれぞれ制御して各種の作業等を行うことのできる倒立振り子型台車ロボットに関するものである。
従来より,共通の車軸に取りつけられた一対の車輪と,その車軸上に回転可能に支持された台車本体とを有し,全体の重心が車軸より上方にある,いわゆる倒立振り子型台車ロボットがある。一般に,この倒立振り子型台車ロボットでは,台車本体にジャイロセンサ等を有し,台車本体の傾斜角度や傾斜角速度を検出して倒立姿勢を維持するように制御されている(例えば,特許文献1参照。)。
一般に,倒立振り子型台車ロボットでは,メイン電源がオフされる等によって倒立制御が停止されると姿勢が維持できず,転倒するおそれがある。そのため,上記の文献の倒立振り子型台車ロボットでは,一対の車輪の他に補助輪を有し,制御装置が停止された時にはこの補助輪を接地させることによって転倒が防止されている。すなわち,一対の車輪の周囲に上下に移動可能な4輪のキャスター輪を備え,さらに,このキャスター輪を上下動させるためのアクチュエータ等を有している。
特開2004−345030号公報
しかしながら,前記した従来の倒立振り子型台車ロボットでは,倒立制御動作中は補助輪を上げておく必要がある。そのため,補助輪に加えて,補助輪を上下に移動させるためのアクチュエータや各部のリンク等の装置が必要となる。従って,その分,ロボット全体の重量および外形サイズが大きいものとなるという問題点があった。これに対して,補助輪を無くして,ロボットの軽量化およびスリム化を図りたいという要望があった。
本発明は,前記した従来の倒立振り子型台車ロボットが有する問題点を解決するためになされたものである。すなわちその課題とするところは,補助輪およびその昇降機構を有することなく,安全に制御装置の停止が可能な倒立振り子型台車ロボットを提供することにある。
この課題の解決を目的としてなされた本発明の倒立振り子型台車ロボットは,同軸多輪台車と,同軸多輪台車に取り付けられ角度変更と伸縮とが可能な腕とを有する倒立振り子型台車ロボットであって,全体の重心が同軸多輪台車の車軸より上方にある倒立状態を維持する制御を行う倒立制御手段と,倒立制御手段による制御を開始する前に,腕を伸ばすことにより全体の重心を倒立制御手段による制御が可能な範囲内に入れる倒立開始動作手段とを有するものである。
本発明の倒立振り子型台車ロボットは,同軸多輪の車軸に対して回転可能に取りつけられた本体部分を有する同軸多輪台車と,その同軸多輪台車に取り付けられた腕とを有するものである。さらに,この台車ロボットは,メイン電源が入っている状態では,倒立制御手段によって車輪を接地して本体をその上方に保持した倒立状態を維持されることができる。さらに,メイン電源がオンされた時に,全体の重心が倒立制御手段による制御が可能な範囲内に入っていない場合でも,倒立開始動作手段によってその範囲内に入れられるので,倒立制御を開始することができる。従って,倒立制御可能な状態ではない姿勢でメイン電源をオフしても,メイン電源をオンした後に倒立状態に復帰させることができる。すなわち,補助輪によって倒立状態を保って停止させる必要がないので,補助輪が無くても良い。これにより,補助輪を有することなく,安全に制御装置の停止が可能な倒立振り子型台車ロボットとすることができる。なお,ここでの腕の伸縮とは腕の両端間の距離を変更することをいう。全体の長さ自体が変更されるいわゆる伸縮以外にも,屈曲や湾曲によるものをも含んでいる。
さらに本発明では,全体の重心が倒立制御手段による制御が可能な範囲内に入ってから倒立制御手段による制御を開始させる倒立制御移行手段を有することが望ましい。
全体の重心が倒立制御手段による制御が可能な範囲内に入れば,倒立制御が可能である。倒立制御移行手段を有していれば,倒立制御が可能となった時に倒立制御が開始されるので,その後は転倒しないように制御される。
さらに本発明では,倒立開始動作手段は,腕を伸ばすことにより同軸多輪台車を腕が伸びきった後も起きあがらせる動作を行わせることが望ましい。
このようにすれば,例えば本体が傾いて,全体の重心が中心から外れている場合でも,勢いを付けて腕を伸ばすことにより起きあがらせることができる。すなわち,腕を伸ばす方向に,腕の長さより以上に傾きを変更させることができるので,重心を倒立制御手段による制御が可能な範囲内に入れることができる。
さらに本発明では,腕を伸ばす動作の前に,腕を一旦縮める動作を行うとさらによい。
このようにすれば,腕を伸ばす動作による重心の移動距離がより大きくなるので,さらに勢いよく起きあがることができる。また,腕が伸びきった状態からでも,起きあがらせることができる。
さらに本発明では,腕の先端に設けられた手指と,床レベルより高い位置の対象物を手指で掴んだ状態から倒立制御手段による制御を開始した後に,手指で掴んでいる対象物を放す把持解除手段とを有することが望ましい。
このようにすれば,対象物によって姿勢を保持された状態で倒立制御手段による制御を開始できる。従って,例えば,重心位置を倒立制御手段による制御が可能な範囲内に保持しつつ,手指で対象物を掴んでいる状態でメイン電源をオフさせておけば,メイン電源をオンした後すぐに倒立制御を開始できる。
また,本発明の倒立振り子型台車ロボットは,同軸多輪台車と,同軸多輪台車に取り付けられ角度変更と伸縮とが可能な腕とを有する倒立振り子型台車ロボットであって,全体の重心が同軸多輪台車の車軸より上方にある倒立状態を維持する制御を行う倒立制御手段と,倒立制御手段による制御を終了する前に,腕の伸長または角度変更により全体の重心を倒立制御手段による制御が可能な範囲から外す倒立終了動作手段とを有するものである。
本発明の倒立振り子型台車ロボットでは,全体の重心を倒立制御手段による制御が可能な範囲内から外してから制御が終了される。従って,制御終了後は重力によって,その重心の方へ倒れる。床等に向かって倒れて接触した後は,安定して静止される。
さらに本発明では,倒立終了動作手段は,腕の動きによる重心移動と反対向きに同軸多輪台車の車輪を移動させることが望ましい。
このようにすれば,腕の動きと車輪の移動とによって,素早く重心を移動させ,安定して静止させることができる。
また,本発明の倒立振り子型台車ロボットは,同軸多輪台車と,同軸多輪台車に取り付けられ角度変更と伸縮とが可能な腕とを有する倒立振り子型台車ロボットであって,全体の重心が同軸多輪台車の車軸より上方にある倒立状態を維持する制御を行う倒立制御手段と,倒立制御手段による制御を終了する前に,腕の伸長または角度変更により,床レベルより高い位置の対象物に支持される状態とする倒立終了動作手段とを有するものである。
本発明の倒立振り子型台車ロボットでは,腕によって対象物に支持されるので,倒立制御手段による制御が終了されても倒れることはない。従って,制御終了後も安定して静止される。
さらに本発明では,腕の先端に設けられた手指を有し,倒立終了動作手段は,腕の伸長または角度変更とともにまたはこれに先立ち手指を開き,その後手指により対象物を掴むことが望ましい。
このようにすれば,対象物を手指で掴むので,確実に対象物に支持される姿勢を取ることができる。
さらに本発明では,倒立制御手段による制御が行われない時に,同軸多輪台車の位置を制御する位置制御手段を有することが望ましい。
このようにすれば,全体の重心が,倒立制御手段による制御が可能な範囲内になくても,位置制御手段によって制御されるので,手指や腕等の関節部の制御ができる。
本発明の倒立振り子型台車ロボットによれば,補助輪およびその昇降機構を有することなく,安全に制御装置の停止が可能となっている。
以下,本発明を具体化した最良の形態について,添付図面を参照しつつ詳細に説明する。本形態は,同軸2輪の台車とその車軸上に回転可能に支持された本体とを有し,倒立姿勢を維持するよう制御される倒立振り子型台車ロボットに本発明を適用したものである。
本形態に係る台車ロボット1は,その概略正面図を図1にしめすように,同軸の2つの車輪2,3と,その車軸4に回転可能に支持された本体5とを有している。本体5は,頭部11,胴部12,腰部13,右腕部14,左腕部15をそれぞれ有している。頭部11には,CCDカメラ等が搭載され,周囲の環境を検出できる。胴部12の上端左右位置(肩部)に各腕部14,15の基端部が取りつけられている。各腕部14,15は,それぞれ肩関節16,肘関節17,指関節18等の複数の関節を有し,肩部の回転や肘部の屈伸,物の把持等が可能である。
肩関節16,肘関節17等の各関節部には各自由度ごとにエンコーダ付きのモータが設けられ,それぞれ独立に駆動可能にされている。また,本体5の腰部13には,車輪2,3をそれぞれ個別に駆動するために,エンコーダ付きの駆動モータ21,22およびモータドライバ23,24が備えられている。さらに,本体5の内部には,各モータドライバ等を制御するための制御コンピュータ25,本体5の傾斜角速度を検出するためのジャイロセンサ26等が設けられている。
次に,本形態の台車ロボット1の制御モードについて説明する。台車ロボット1の各種制御は,図2に示すように,主に制御コンピュータ25によって行われる。ここで,台車ロボット1の制御モードには,倒立制御と位置制御とがある。倒立制御は,倒立姿勢を維持することを第1の目標とし,そのために多少の位置ずれが発生することを許容する制御モードである。一方,位置制御は,倒立姿勢を維持せず,台車ロボット1の各関節部の位置のみを制御する制御モードである。台車ロボット1が倒立姿勢で走行または静止し,さらには作業をする場合には,倒立制御によって制御される。
本形態では制御コンピュータ25は,車輪2,3の並進方向に関する指令値を算出する台車並進方向制御指令値算出部31,回転方向に関する指令値を算出する台車回転方向制御指令値算出部32,左右の腕部14,15に関する指令値を算出する腕部制御指令値算出部33をそれぞれ有している。さらに,あらかじめ設定されている動作プログラムや外部からのリモコン指示入力等による指令情報に応じて,各算出部31,32,33に目標値を入力する目標値入力部34も有している。また,車輪2,3に関する台車並進方向制御指令値算出部31による制御指令値と台車回転方向制御指令値算出部32による制御指令値とを加算する制御指令値加算部35をも有している。
制御コンピュータ25には車輪2,3のモータドライバ23,24が接続されている。そして,走行時等には,制御指令値加算部35で加算された両車輪2,3の制御指令値がそれぞれモータドライバ23,24に出力される。モータドライバ23,24は,各制御指令値を受けて駆動モータ21,22を駆動する。また,制御コンピュータ25には,駆動モータ21,22のエンコーダ21a,22aからの出力(各駆動モータ21,22の回転角度)がフィードバックされるようになっている。
また,両腕部14,15は,腕部制御指令値算出部33で算出された制御指令値が右腕部14と左腕部15との各関節部のモータドライバに入力されることにより制御されている。そして,両腕部14,15の各関節部のモータドライバによって,それぞれ肩関節16,肘関節17,指関節18等のエンコーダ付きモータが駆動される。また,これらの各関節のエンコーダからの出力も,制御コンピュータ25にフィードバックされる。
一方,台車ロボット1の姿勢制御のために,制御コンピュータ25にはジャイロセンサ26が接続され,ジャイロセンサ26の出力(本体5の傾斜角速度)が入力される。そして,制御コンピュータ25は,ジャイロセンサ26の出力を積分する角速度積分部36,角速度積分部36の結果から本体5の傾斜角を算出する傾斜角度算出部37,さらに,傾斜角度算出部37の結果から本体5の傾斜角が倒立制御可能な範囲内であるかどうかを判断する姿勢判定部38を有している。倒立制御時には,制御コンピュータ25によって,本体5の傾斜角度が常時チェックされており,転倒しないように制御されている。
次に,本形態の台車ロボット1のサーボオン・オフの切り替え時の制御について説明する。サーボオン時とは,台車ロボット1の電源が入り,各軸の制御が行われている状態である。上記のように制御コンピュータ25によって倒立制御あるいは位置制御がなされるのは,サーボオン時に限られている。サーボオフすると,制御コンピュータ25が動作されなくなり,すべての制御は行われない。その一方で,サーボオフ時には,各軸のモータはその位置に固定された状態となっており,重力等によって回転され姿勢を変えるということはない。そのため,所定の安定した姿勢となってからサーボオフすれば,その後ひとりでに転倒するといったおそれはない。そこで本形態では,台車ロボット1をサーボオフする前に,転倒するおそれのない安定した姿勢をとらせることにより,補助輪を使用せずに安全に停止させる。
例えば,図3に示すように,両腕部14,15を伸ばして,本体5を前傾あるいは後傾させることで,床に両手をついた姿勢をとらせてサーボオフする。この状態では,台車の車輪2,3と両手との4箇所が接地しており,安定した姿勢となっている。この姿勢から倒立制御へと移行する時には,まずサーボオンし,サーボオン後に腕を一旦深く曲げてから勢いよくのばすことにより,起きあがることができる。倒立制御可能な範囲内まで重心が移動したら,倒立制御に切り替えることにより,反対側へ倒れることが防止される。
この方法では,このサーボオン後の倒立制御へと移行するまでの動作が倒立開始動作である。また,両腕部14,15を前方または後方へと伸ばす動作が倒立終了動作である。両腕部14,15を伸ばして台車ロボット1の重心を倒立制御可能な範囲内から外しておけば,サーボオフ後でも重力によって,両腕部14,15を伸ばしている方向へと倒れこむ。その結果,図3の右図に示す姿勢となることができる。
あるいは,図4に示すように,柱などの片手または両手で把持することのできる構造物につかまって,倒立姿勢を維持したままサーボオフする。この場合は,サーボオン後に手を放して腕を引けばよい。この方法では,構造物を掴む動作が倒立終了動作である。倒立終了動作時に,全体の重心を倒立制御可能な範囲内に保持することとすれば,サーボオン時ににはそのまま倒立制御を開始することができる。従って,倒立開始動作は,構造物を掴んでいる手を放すだけでよい。
あるいは,壁などの面を有する構造物にやや寄りかかるように手をついて,サーボオフする。この場合は,壁などの面と台車ロボット1の車軸4とが略並行になるように位置させるとよい。サーボオン後は,腕をゆっくりと伸ばして本体5の傾きを調整してから倒立制御に移行する。この方法では,構造物に手を伸ばす動作が倒立終了動作である。図3の場合と同様に,台車ロボット1の重心を倒立制御可能な範囲内から外してサーボオフすればよい。
次に,上記のようにサーボオン・オフする時の処理について図5〜図8のフローチャートを参照して説明する。各フローチャートは,図5と図6とは,床に両手をついて停止する例のサーボオン・オフ時の処理を示し,図7と図8とは,柱や壁につかまって停止する例のサーボオン・オフ時の処理を示す。
初めに,図5に基づいて,図3の右図のように停止している台車ロボット1が,サーボオンされた時の処理を説明する。まず,人によって主電源がオンされることにより,全軸サーボオンする(S101)。このとき,台車ロボット1は,両手先を床について傾斜した姿勢で停止していることを認識する。この状態では,台車ロボット1の重心位置は倒立制御可能な範囲内にはなく,位置制御によって制御される。
次に,両腕部14,15の各関節を制御して,両腕部14,15を所定の角度まで曲げる(S102)。すなわち,肘関節17をさらに曲げ,さらに大きく倒れ込む姿勢をとる。この姿勢から,両腕部14,15を勢いよく伸ばす(S103)。これにより,本体5は勢いが付けられ,両腕部14,15が伸びきった後も起きあがるので,両腕部14,15が床から離れる。そこで,その起きあがる角速度をジャイロセンサ26によって計測する(S104)。そして,ジャイロセンサ26の出力を受けて,角速度積分部36によって,角速度を積分する。さらに角速度積分部36の結果を受けて,傾斜角度算出部37によって本体5の傾斜角度を算出する(S105)。
次に,傾斜角度算出部37で算出された傾斜角度が,所定の角度以下となったかどうかを判断する(S106)。傾斜角度が所定の閾値以下となったら(S106:Yes),車輪2,3の制御モードを位置制御から倒立制御へと切り替える(S107)。すなわち,ある程度以上起きあがったら位置制御から倒立制御に切り替えることにより,反対側へ倒れ込むことが防止される。これにより,倒立制御によってその場に立つことができる(S108)。これでこの処理の説明を終了する。
次に,図6に基づいて,図3の左図のように倒立制御されている台車ロボット1を,同右図のように停止させる時の処理を説明する。まず,停止させるべき場所に倒立姿勢で立たせ,両腕部14,15を前方または後方のやや下方に向けて伸ばすことにより,両手を床に近づける(S201)。次に,手を出した方とは逆方向へ車輪2,3を加速させ,本体5を傾ける(S202)。
次に,本体5の傾く角速度をジャイロセンサ26によって計測する(S203)。そして,ジャイロセンサ26の出力を受けて,角速度積分部36によって,角速度を積分する。さらに角速度積分部36の結果を受けて,傾斜角度算出部37によって本体5の傾斜角度を算出する(S204)。そして,傾斜角度算出部37で算出された傾斜角度が,所定の角度以上となったかどうかを判断する(S205)。傾斜角度が所定の閾値以上となったら(S205:Yes),車輪2,3の制御モードを倒立制御から位置制御へと切り替える(S206)。
これにより,倒立姿勢が維持されなくなる。このとき,上記のように本体5が傾斜し,手を出すことによって重心が偏っているので,重心のある方へさらに傾く。そして,手を出している方へ倒れ込む(S207)。その結果,両腕部14,15が着床する(S208)。これにより,車輪2,3と両手の4点が接地して,安定した姿勢となったので,全軸サーボオフする(S209)。これでこの処理の説明を終了する。
次に,図7に基づいて,図4の右図のように柱を把持して,あるいは壁に寄りかかって停止している台車ロボット1が,サーボオンされた時の処理を説明する。まず,人によって主電源がオンされることにより,全軸サーボオンする(S301)。このとき,台車ロボット1は,位置制御によって制御されている。次に,本体5の現状の傾き状態を把握し,傾斜角度が所定の角度以内であるかどうかを判断する(S302)。傾斜角度が所定の閾値以下でない場合は(S302:No),柱を把持している腕部,あるいは,壁に着いている腕部をゆっくり伸ばし,本体5を起こす(S303)。
傾斜角度が所定の閾値以下となったら(S302:Yes),車輪2,3の制御モードを位置制御から倒立制御へと切り替える(S304)。そして,柱を把持している手を開き,柱から手を放す。あるいは,壁から手を放す(S305)。これにより,倒立制御によってその場に立つことができる(S306)。これでこの処理の説明を終了する。
次に,図8に基づいて,図4の左図のように倒立制御されている台車ロボット1を,同右図のように停止させる時の処理を説明する。まず,把持する柱,あるいは寄りかかる壁などを決めて,そこに近づく(S401)。所定の距離まで近づいたら,把持するあるいは寄りかかる側の腕部を伸ばしながら,手を開く(S402)。このとき使用する腕部は,片手でも良いし両手でもよい。あるいは,柱の太さなど,対象物の形状によって判断しても良い。
次に,把持する柱,あるいは寄りかかる壁などの位置を正確に認識する(S403)。そして,その柱を把持する。あるいは,壁に手をついて寄りかかる(S404)。寄りかかる場合は,本体5がその壁の方へやや傾くように車輪2,3を少し後退させるとよい。このようにすれば,壁の反対側へと転倒するおそれが無くなるからである。そして,車輪2,3の制御モードを倒立制御から位置制御へと切り替える(S405)。これにより,車輪2,3が接地し,同時に本体5が柱や壁によって姿勢維持されているので,安定した姿勢となっている。そこで,全軸サーボオフする(S406)。これでこの処理の説明を終了する。
以上詳細に説明したように本形態の台車ロボット1の制御モードによれば,車輪2,3と両腕部14,15を利用して安定した姿勢となって停止する。例えば,両腕部14,15を着床させて,4点で接地する。あるいは,柱を把持して倒立姿勢で停止する。あるいは,壁などに手をついて寄りかかった姿勢で停止する。さらに,これらの停止状態から動作開始させる場合には,例えば,着床させている両腕部14,15をさらに曲げてから勢いよく伸ばし,反動で起きあがる。あるいは,柱や壁から手を放して,倒立制御する。これにより,補助輪およびその昇降機構を有することなく,安全に制御装置の停止が可能な倒立振り子型の台車ロボット1となっている。両腕部14,15は,作業等の必要上設けられているものを利用できるので,複雑化したことにはならない。
なお,本形態は単なる例示にすぎず,本発明を何ら限定するものではない。したがって本発明は当然に,その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良,変形が可能である。
例えば,上記の形態では,同軸2輪の台車としたが,同軸であれば,2輪に限らずさらに多数の車輪を有するものであっても良い。
また例えば,両腕部を着床させて停止させた状態から,起きあがるために両腕を伸ばす時に,同時に車輪を少し前進(あるいは後進)させてもよい。
また例えば,壁などに寄りかかる例では,手をつく代わりに,本体5のいずれかの部分でもたれかかってもよい。
本形態の台車ロボットの概略構成を示す正面図である。 台車ロボットの概略構成を示すブロック図である。 サーボオン・オフ切り替え方法の例を示す説明図である。 サーボオン・オフ切り替え方法の例を示す説明図である。 サーボオン時の処理を示すフローチャートである。 サーボオフ時の処理を示すフローチャートである。 サーボオン時の処理を示すフローチャートである。 サーボオフ時の処理を示すフローチャートである。
符号の説明
1 台車ロボット
2,3 車輪
5 本体
14 右腕部
15 左腕部
18 指関節
25 制御コンピュータ

Claims (8)

  1. 同軸多輪台車と,前記同軸多輪台車に取り付けられ角度変更と伸縮とが可能な腕とを有する倒立振り子型台車ロボットにおいて,
    全体の重心が前記同軸多輪台車の車軸より上方にある倒立状態を維持する制御を行う倒立制御手段と,
    前記倒立制御手段による制御を開始する前に,前記腕を伸ばすことにより全体の重心を前記倒立制御手段による制御が可能な範囲内に入れる倒立開始動作手段とを有することを特徴とする倒立振り子型台車ロボット。
  2. 請求項1に記載の倒立振り子型台車ロボットにおいて,
    全体の重心が前記倒立制御手段による制御が可能な範囲内に入ってから前記倒立制御手段による制御を開始させる倒立制御移行手段を有し,
    前記倒立開始動作手段は,前記腕を一旦縮める動作と,前記腕を伸ばすことにより前記同軸多輪台車を前記腕が伸びきった後も起きあがらせる動作とを行わせることを特徴とする倒立振り子型台車ロボット。
  3. 請求項1に記載の倒立振り子型台車ロボットにおいて,
    前記腕の先端に設けられた手指と,
    床レベルより高い位置の対象物を前記手指で掴んだ状態から前記倒立制御手段による制御を開始した後に,前記手指で掴んでいる対象物を放す把持解除手段とを有することを特徴とする倒立振り子型台車ロボット。
  4. 同軸多輪台車と,前記同軸多輪台車に取り付けられ角度変更と伸縮とが可能な腕とを有する倒立振り子型台車ロボットにおいて,
    全体の重心が前記同軸多輪台車の車軸より上方にある倒立状態を維持する制御を行う倒立制御手段と,
    前記倒立制御手段による制御を終了する前に,前記腕の伸長または角度変更により全体の重心を前記倒立制御手段による制御が可能な範囲から外す倒立終了動作手段とを有することを特徴とする倒立振り子型台車ロボット。
  5. 請求項4に記載の倒立振り子型台車ロボットにおいて,
    前記倒立終了動作手段は,前記腕の動きによる重心移動と反対向きに前記同軸多輪台車の車輪を移動させることを特徴とする倒立振り子型台車ロボット。
  6. 同軸多輪台車と,前記同軸多輪台車に取り付けられ角度変更と伸縮とが可能な腕とを有する倒立振り子型台車ロボットにおいて,
    全体の重心が前記同軸多輪台車の車軸より上方にある倒立状態を維持する制御を行う倒立制御手段と,
    前記倒立制御手段による制御を終了する前に,前記腕の伸長または角度変更により,床レベルより高い位置の対象物に支持される状態とする倒立終了動作手段とを有することを特徴とする倒立振り子型台車ロボット。
  7. 請求項6に記載の倒立振り子型台車ロボットにおいて,
    前記腕の先端に設けられた手指を有し,
    前記倒立終了動作手段は,前記腕の伸長または角度変更とともにまたはこれに先立ち前記手指を開き,その後前記手指により対象物を掴むことを特徴とする倒立振り子型台車ロボット。
  8. 請求項1から請求項7までのいずれか1つに記載の倒立振り子型台車ロボットにおいて,
    前記倒立制御手段による制御が行われない時に,前記同軸多輪台車の位置を制御する位置制御手段を有することを特徴とする倒立振り子型台車ロボット。
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