JP2006334729A - 倒立振り子型台車ロボットとその制御方法 - Google Patents

倒立振り子型台車ロボットとその制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】走行開始時のタイムラグが小さく,停止時のオーバーシュートが小さく,外乱時の許容値が大きいとともに戻し時間が短い倒立振り子型台車ロボットとその制御方法を提供すること。
【解決手段】本発明の倒立振り子型台車ロボット1は,倒立振り子型台車と,倒立振り子型台車の車輪2,3を駆動する駆動モータ21,22と,倒立振り子型台車の前後方向に移動可能な右腕部14および左腕部15と,駆動モータ21,22により倒立振り子型台車の移動速度を増加させる際に,両腕部14,15を倒立振り子型台車の進行方向前向きに移動させる制御コンピュータ25とを有する。また,制御コンピュータ25は,駆動モータ21,22により倒立振り子型台車の移動速度を減少させる際には,両腕部14,15を倒立振り子型台車の進行方向後向きに移動させる。
【選択図】 図1

Description

本発明は,例えば同軸2輪の台車とその車軸上に回転可能に支持された本体とを有し,倒立姿勢を維持するよう制御される倒立振り子型台車ロボットとその制御方法に関する。さらに詳細には,例えば本体の両側面に前後方向に移動可能な腕部を有する倒立振り子型台車ロボットとその制御方法に関するものである。
従来より,共通の車軸に取りつけられた一対の車輪と,その車軸上に回転可能に支持された台車本体とを有し,全体の重心が車軸より上方にある,いわゆる倒立振り子型台車ロボットがある。一般に,この倒立振り子型台車ロボットでは,台車本体にジャイロセンサ等を有し,台車本体の傾斜角度や傾斜角速度を検出して倒立姿勢を維持するように制御されている(例えば,特許文献1参照。)。
このような倒立振り子型台車ロボットの走行時の制御方法としては,一般に,まず倒立姿勢から前傾姿勢へと本体の姿勢を変化させ,重心位置を車軸より前方に移動させる。そして,前傾姿勢を保って前進させるという順に行う。これは,倒立姿勢を維持したままで前進を開始すると,スタート時の加速度によって本体が後ろに倒れてしまうからである。そのために,倒立姿勢で静止している状態から前進指令を受けると,本体を前傾姿勢とするために,まず一旦少し後進させている。
次に,従来の台車ロボット100の一般的な制御方法を,図10のフローチャートを参照して説明する。台車ロボット100が移動等の指令を受けるとまず,移動目標位置および目標速度を取得する(S101)。次に,現在の位置および速度を取得する(S102)。これらは,外部からの入力を受ける場合も,台車ロボット100の内部に記憶されている場合もある。また,S101とS102の順序は逆でも良い。
次に,S101とS102との結果から,それらの差分を算出する(S103)。さらに,この差分値から目標位置および目標速度に到達するための移動トルクを算出する(S104)。あるいは,移動トルクに代えて,移動するための車輪の回転角度として算出しても良い。
次に,本体内に有しているジャイロセンサ等の値から,現在の倒れ角速度を取得する(S105)。そして,倒れ角速度=0となるように姿勢を補正するための倒れ補正トルクを算出する(S106)。これにより,移動によって前または後ろに本体が倒れてしまうことを防止する。この倒れ補正トルクも,トルク値に代えて車輪の回転角度としても良い。そして,S104で算出された移動トルクと,S106で算出された倒れ補正トルクとを合算して,出力トルクが得られる(S107)。以上が台車ロボット100の移動制御処理である。
例えば,倒立状態で静止している台車ロボット100にある所定の距離を移動させる場合,理想的な制御速度として,図11に破線で示したような速度制御指令が出される。すなわち,時刻T0から時刻T1まで等加速度で加速して,所定の速度に達したら時刻T2まで等速移動を行い,時刻T2から時刻T3まで等加速度で減速して目標地点にて速度が0となるものである。しかし,実際の移動速度はこの制御指令通りとすることは不可能であり,図11に実線で示したように行われている。
すなわち,台車ロボット100は,時刻T0にて移動指令を受けると,まず時刻s1まで後進させ,この加速度によって本体を前傾させる。次に,時刻s1までの分の遅れを取り戻すために,指令の加速度よりも大きい加速度で時刻s2まで加速する。さらに,指令速度に近づけるために速度をやや上下させながら次第に等速状態に近づく。目標地点に近づくと,一旦加速して本体を後傾させてから,時刻s3までの間に急減速する。さらに本体の傾きを調整して倒立状態に静止させるために,時刻s3から時刻s4まで加速し,その後再び減速する。このように制御されることにより,目標地点に停止させるとともに,停止時には倒立姿勢に戻すことができる。
また,例えば,倒立姿勢で静止している時に本体に何かが触れる等の原因により,外部から予想外の力を受けることもある。このような外乱時には,車輪を前後させてバランスをとり,再び倒立姿勢に戻るように制御される。図12に,外乱を受けた台車ロボット100における車輪トルク値の変化の例を示す。時刻P0において外乱を受けて本体が傾きかけたため,時刻P0から時刻s5の間に車輪に大きなトルクをかけ,車輪をその傾き方向へ素早く移動させる。しかし,そのままでは勢いがつきすぎて一般に逆方向へ傾くので,少し逆に動かしてバランスをとっている(時刻s6)。
特開2004−345030号公報
しかしながら,前記した従来の倒立振り子型台車ロボット100とその制御方法は,次のような問題点があった。まず,台車ロボット100を前進させる時には,上記のように,一旦後進させる必要がある。そのため,前進指令を受けてから実際に前進を開始するまでにタイムラグが発生するという問題点があった。さらに,停止前にも本体の姿勢調整のために加減速を繰り返す必要があり,その間にも位置が変化し続けるため,最終的に停止した位置が指示位置よりやや行き過ぎ(オーバーシュート)がちであるという問題点もあった。
さらには,倒立状態で静止している台車ロボット100に外乱が加えられた場合,姿勢を安定させるまでにやや時間がかかるという問題点もあった。許容できる外乱の大きさをより大きく,また外乱から戻るまでの時間をより短くすることも課題であった。
本発明は,前記した従来の倒立振り子型台車ロボットとその制御方法が有する問題点を解決するためになされたものである。すなわちその課題とするところは,走行開始時のタイムラグが小さく,停止時のオーバーシュートが小さく,外乱時の許容値が大きいとともに戻し時間が短い倒立振り子型台車ロボットとその制御方法を提供することにある。
この課題の解決を目的としてなされた本発明の倒立振り子型台車ロボットは,倒立振り子型台車と,倒立振り子型台車の車輪を駆動する駆動源と,倒立振り子型台車の前後方向に移動可能な移動部材と,駆動源により倒立振り子型台車の移動速度を増加させる際に,移動部材を倒立振り子型台車の進行方向前向きに移動させる増速時重心制御部とを有するものである。
本発明の倒立振り子型台車ロボットによれば,駆動源により倒立振り子型台車の移動速度が増加される際に,移動部材が倒立振り子型台車の進行方向前向きに移動されるので,ロボット本体の重心位置が前向きに移動される。なお,ここでいうロボット本体とは,倒立振り子型台車の車輪の車軸に載っている部分全体のことであり,移動部材はこのロボット本体に含まれる部分である。そのため,移動部材を前後方向に移動させると,移動部材の重心位置が前後方向に移動するとともに,ロボット本体の重心位置も前後方向に移動することになる。すなわち,移動部材は,その移動によってロボット本体の重心位置を移動させることができる部材であればよい。また,ロボットの車軸に載っている部分がロボットの上半身といえる場合は,ロボット本体の重心位置をロボットの上半身の重心位置といっても良い。一般に,倒立振り子型台車の移動速度を増加させると,慣性により本体は後ろ向きに倒れようとするが,本発明の倒立振り子型台車ロボットでは本体の重心位置の移動によってこの本体の倒れを相殺することができる。従って,本体の倒れ角をあらかじめ調整する必要がないので,走行開始時のタイムラグを小さいものとできる。
なお,ここでいう「移動速度を増加させる」には,停止からの発進と,一定速度からの加速とが含まれる。さらに,「移動速度を増加させる際に…移動させる」には,例えば停止からの発進の場合であれば,発進に先立ち移動させる場合と,発進しつつ移動させる場合とが含まれる。
また,本発明の倒立振り子型台車ロボットは,倒立振り子型台車と,倒立振り子型台車の車輪を駆動する駆動源と,倒立振り子型台車の前後方向に移動可能な移動部材と,駆動源により倒立振り子型台車の移動速度を減少させる際に,移動部材を倒立振り子型台車の進行方向後向きに移動させる減速時重心制御部とを有するものである。
このようなものであれば,移動速度を減少させることによる本体の前方への倒れを,ロボット本体の重心の移動によって相殺することができる。従って,停止時のオーバーシュートを小さいものとできる。なお,ここでいう「移動速度を減少させる」には,移動状態からの停止と,停止には至らない減速とが含まれる。
さらに本発明では,増速時重心制御部または減速時重心制御部は,倒立振り子型台車の車輪の目標加速度に基づいて移動部材の目標位置を決定する手段と,移動部材の現在位置と決定された目標位置とに基づいて,移動部材の移動量を決定する手段とを有することが望ましい。
本発明の倒立振り子型台車ロボットでは,移動部材の位置によって重心の位置が変化するので,本体の倒れ角が変化する。また,車輪の加速度によっても慣性により本体の倒れ角が変化する。従って,車輪の目標加速度に基づいて移動部材の目標位置を決定すれば,適切な倒れ角とすることができる。
さらに本発明では,倒立振り子型台車の倒れ角度または倒れ角速度またはそれらの両方を検出する倒れ角情報取得部と,倒立振り子型台車の車輪の回転速度または回転角速度またはそれらの両方を検出する車輪情報取得部とを有することが望ましい。
このようなものであれば,倒立振り子型台車の倒れ角情報を取得して,倒れ角を調整できる。倒立振り子型台車の車輪の車輪情報を取得して,速度や加速度を調整できる。
さらに本発明は,前後方向に移動可能な移動部材を有する倒立振り子型台車ロボットの移動制御方法であって,倒立振り子型台車の車輪の駆動により倒立振り子型台車の移動速度を増加させる際に,移動部材を倒立振り子型台車の進行方向前向きに移動させる倒立振り子型台車ロボットの移動制御方法にも及ぶ。
さらに本発明は,前後方向に移動可能な移動部材を有する倒立振り子型台車ロボットの移動制御方法であって,倒立振り子型台車の車輪の駆動により倒立振り子型台車の移動速度を減少させる際に,移動部材を倒立振り子型台車の進行方向後向きに移動させる倒立振り子型台車ロボットの移動制御方法にも及ぶ。
さらに本発明では,倒立振り子型台車の車輪の目標加速度に基づいて移動部材の目標位置を決定し,移動部材の現在位置と決定された目標位置とに基づいて,移動部材の移動量を決定し,決定された移動量に従って移動部材を移動させることが望ましい。
本発明の倒立振り子型台車ロボットとその制御方法によれば,走行開始時のタイムラグを小さく,停止時のオーバーシュートを小さく,外乱時の許容値を大きくできるとともに戻し時間を短くすることができる。
以下,本発明を具体化した最良の形態について,添付図面を参照しつつ詳細に説明する。本形態は,同軸2輪の台車とその車軸上に回転可能に支持された本体とを有する倒立振り子型台車ロボットの制御方法に本発明を適用したものである。
本形態に係る台車ロボット1は,その概略正面図を図1にしめすように,同軸の2つの車輪2,3と,その車軸4に回転可能に支持された本体5とを有している。本体5は,頭部11,胴部12,腰部13,右腕部14,左腕部15をそれぞれ有している。頭部11には,CCDカメラ等が搭載され,周囲の環境の情報を取得できる。胴部12の上端左右位置(肩部)に各腕部14,15の基端部が取りつけられている。各腕部14,15は,それぞれ肩関節16,肘関節17等の複数の関節を有し,回転や屈伸等が可能である。
肩関節16,肘関節17等の各関節には各自由度ごとにエンコーダ付きのモータが設けられ,それぞれ独立に駆動可能にされている。また,腰部13には,車輪2,3をそれぞれ個別に駆動するために,エンコーダ付きの駆動モータ21,22およびモータドライバ23,24が備えられている。さらに,本体5内部には,各モータドライバ等を制御するための制御コンピュータ25,本体5の傾斜角速度を検出するためのジャイロセンサ26等が設けられている。
次に,本形態の台車ロボット1の制御系について説明する。台車ロボット1の制御は,図2に示すように,主に制御コンピュータ25によって行われる。この台車ロボット1では,入力された指令に示される位置や速度等の目標状態となるように,制御コンピュータ25によって車輪2,3が駆動される。そのために,制御コンピュータ25は,車輪2,3の並進方向に関する指令値を算出する台車並進方向制御指令値算出部31,回転方向に関する指令値を算出する台車回転方向制御指令値算出部32,左右の腕部14,15に関する指令値を算出する腕部制御指令値算出部33をそれぞれ有している。さらに,あらかじめ設定されている動作プログラムや外部からのリモコン指示入力等による指令情報に応じて,各算出部31,32,33に目標値を入力する目標値入力部34と,車輪2,3に関する両算出部31,32の制御指令値を加算する制御指令値加算部35をも有している。
また,制御コンピュータ25にはジャイロセンサ26が接続され,ジャイロセンサ26の出力は制御コンピュータ25に入力されるようになっている。また,制御コンピュータ25には車輪2,3のモータドライバ23,24が接続され,両車輪2,3の制御指令値がそれぞれモータドライバ23,24に出力される。モータドライバ23,24は,それぞれ制御指令値を受けてモータ21,22を駆動する。また,制御コンピュータ25には,モータ21,22のエンコーダ21a,22aからの出力がフィードバックされるようになっている。
また,腕部制御指令値算出部33で算出された制御指令値は,右腕部14と左腕部15とのそれぞれに入力される。そして,その制御指令値に従って,各腕部14,15の各部のモータドライバがそれぞれ肩関節16,肘関節17等のエンコーダ付きモータを駆動する。これにより,各腕部14,15は目標値入力部34によって指定された姿勢を取る。また,これらの各関節のエンコーダからの出力も,制御コンピュータ25にフィードバックされている。
次に,本形態の台車ロボット1の前進開始時の制御方法について説明する。台車ロボット1の右側面図をごく簡略化して図3に示す。図中右方向が前進方向である。倒立静止状態(図3(a))では,両腕部14,15は折りたたまれて本体5の側面に配置されている。これにより,本体5の重心位置は車軸4の上方近傍に配置され,安定して倒立姿勢を維持できる。この姿勢で静止している時に前進指令を受けると,図3(b)に示すように,まず,肘関節17をのばすとともに肩関節16を回転させて,両腕部14,15を前方へ差し出す。これにより,両腕部14,15の重心位置が前方へと移動されるので,本体5全体の重心位置も図3(a)の時よりも前方(図中右方向)へ移動される。
すなわち,この両腕部14,15の移動により,本体5の重心位置は車軸4の上方より前方の位置へと移動される。従って,図3(c)に示すように,本体5が前傾姿勢となる。ここでは,両腕部14,15が移動部材に相当し,この制御を行っているとき制御コンピュータ25が増速時重心制御部として機能している。この状態で,図中に矢印で示したように車輪2,3を台車ロボット1の前進方向へ回転させれば,本体5が後ろに倒れるおそれなく前進開始できる。このようにすれば,本体5を前傾させるために一旦後進する必要がない。
一方,前進している台車ロボット1が停止指令を受けた場合は,図4に示すように,制御される。台車ロボット1は,その前進中には,図4(a)に示すように,前傾姿勢を取って本体5が倒れ込まないように制御されている。ここで,図4(a)のような姿勢で前進している状態から,停止指令を受けると,まず,両腕部14,15を図4(b)に示すように後ろにのばしつつ減速する。これにより,両腕部14,15の重心位置が後方へ移動されるので,本体5全体の重心位置も図4(a)の時よりも後方へ移動される。
すなわち,この両腕部14,15の移動により,本体5の重心位置は図4(a)の時より後方の位置へと移動される。従って,本体5は図4(c)に示すように起きあがる方向に姿勢が変化する。ここでは,両腕部14,15が移動部材に相当し,この制御を行っているとき制御コンピュータ25が減速時重心制御部として機能している。従って,車輪2,3を減速しても本体5が慣性により前方に倒れ込むことが防止される。十分に減速されたら,両腕部14,15を戻して,再び倒立姿勢を維持する。
次に,本形態の台車ロボット1が,例えば,背景技術で例示したような速度制御指令(等加速→等速→等減速)を受けた場合の制御について説明する。この速度制御指令に従って,目標位置まで前進する際の本体5の重心位置移動速度の変化を図5に,台車ロボット1の全体の進行速度の変化を図6に示す。これらの図で破線で示したのは,背景技術で例示したものと同様の速度制御指令値の変化である。すなわち,時刻T0に走行開始指示が入力され,時刻T0から時刻T1まで等加速度で加速して,所定の速度に達したら時刻T2まで等速移動を行い,時刻T2から時刻T3まで等加速度で減速して目標地点にて速度が0となるものである。この速度パターンは,例えば目標位置の指令を受けて制御コンピュータ25において算出される。
本形態の台車ロボット1では,この速度制御指令に応じて加速時と減速時にそれぞれ,図3と図4に示したように,両腕部14,15を駆動する。すなわち,走行開始する時刻T0から時刻t1までの間に,図3(b)に示すように両腕部14,15を差し出す。これにより,本体5の重心位置が前方へと移動される。また,減速開始する時刻T2から時刻t2までの間に,図4(b)に示すように両腕部14,15を後ろにのばす。これにより,本体5の重心位置が後方へと移動される。時刻T1から時刻T2の等速度区間では,本体5の重心位置は移動しない。これにより,図5に示すように,本体5の重心位置が移動される。
このような腕部の移動による本体5の重心位置制御を加えた制御方法によれば,図6に示すように,台車ロボット1の移動速度が制御される。すなわち,前傾のために後進する必要がないので,走行開始指示を受信後直ちに前進を開始することができる。さらに,急加速する必要が無く,速度が上がりすぎることはないので,指令値の等速速度に素早く収束させることができる。また,本体5の傾斜角度を調整しながら減速できるので,オーバーシュートをごく小さくできるとともに,停止までにかかる時間も短縮される。
次に,本形態の台車ロボット1の外乱時の制御方法について説明する。図7に本体5に前傾方向の外乱を受けた時の動作の例を示す。これは本体5に後ろ側から前方向の外力が加わった場合,または前進走行時の段差等により車輪2に後ろ向きの外力が加わった場合に相当する。このような外力を受けると,本体5の前傾方向の角速度が発生する。このような角速度をジャイロセンサ26で検出した場合,台車ロボット1は,図7(b)に示すように,両腕部14,15を振り上げる。これにより,図7(a)の時よりも本体5の重心位置が後方に移動する。さらに,車輪2を駆動して少し前進させることにより,図7(c)に示すように,本体5が起き上がる。
このように制御された場合の,車輪2,3にかかるトルクと,本体5の重心位置の移動速度とを図8に示す。この図において,実線で示したのは,車輪2,3にかけられるトルク値の変化であり,破線で示したのは,重心の移動速度である。すなわち,台車ロボット1では,時刻P0において外乱を受けて本体5が傾きかけた場合,時刻P0から時刻t3の間に,両腕部14,15の移動によって重心を移動させる。これにより,バランスを取るために車輪2,3にかけるトルク値は,従来のものに比較してかなり小さくてよいことが分かる(図12参照)。さらに,反動もほとんど無いので,素早く収束させることができる。
次に,本形態の台車ロボット1の制御方法について,図9のフローチャートを参照して説明する。この処理は,図10に示した従来の制御方法に,腕の移動を加えたものである。台車ロボット1が移動等の指令を受けるとまず,車輪の移動目標位置および目標速度を取得する(S11)。次に,車輪の現在の位置および速度を取得する(S12)。これらは,外部からの入力を受ける場合も,台車ロボット1の内部に記憶されている場合もある。また,S11とS12の順序は逆でも良い。ここでは,腕の移動と区別して,車輪の位置や速度であることを明確にしているが,従来のフローチャート(図10)のS101やS102と同じ内容の処理である。
次に,S11とS12との結果から,それらの差分を算出する(S13)。さらに,この差分値から目標位置および目標速度に到達するための車輪の移動トルクを算出する(S14)。あるいは,移動トルクに代えて,移動するための車輪の回転角度として算出しても良い。
次に,車輪用のモータにS14で算出されたトルクを出力させたときの,車輪の目標加速度を算出する(S15)。そして,S15で算出された目標加速度に対応する腕振りの目標位置を計算する(S16)。また,腕の現在位置も取得する(S17)。S16とS17との結果から,それらの差分を算出する(S18)。そして,S18で算出された差分だけ腕を移動させるべく,腕移動用のモータを駆動する(S19)。
次に,本体5内に有しているジャイロセンサ等の値から,現在の倒れ角速度を取得する(S20)。この倒れ角速度は,S19のモータ駆動による腕の移動によって従来のものとは変化している。そして,移動と腕振りとをともに行うことによる倒れ角速度=0となるように,姿勢を補正するための倒れ補正トルクを算出する(S21)。これにより,移動によって前または後ろに本体5が倒れてしまうことを防止する。この倒れ補正トルクも,トルク値に代えて車輪の回転角度としても良い。そして,S14で算出された移動トルクと,S21で算出された倒れ補正トルクとを合算して,車輪用モータの出力トルクが得られる(S22)。以上が台車ロボット1の移動制御処理である。
以上詳細に説明したように本形態の台車ロボット1の制御方法によれば,加速時,減速時,外乱時等の本体5の姿勢を変化させる場合に,両腕部14,15を駆動して重心の移動を行う。これにより,車輪2,3の駆動のみによって行う場合に比較して,速く適切な姿勢となることができる。従って,走行開始時のタイムラグが小さく,停止時のオーバーシュートが小さく,外乱時の許容値が大きいとともに戻し時間が短い倒立振り子型台車ロボット1の制御方法となっている。
なお,本形態は単なる例示にすぎず,本発明を何ら限定するものではない。したがって本発明は当然に,その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良,変形が可能である。
例えば,上記の形態では,移動部材に相当するものとして両腕部14,15を例示しているが,車輪2,3の移動とは別に台車ロボット1の前後方向へ移動できるものであれば何でも移動部材とすることができる。例えば,頭部分を前傾・後傾したり,本体の一部が前後方向へスライドするもの等であっても良い。
また例えば,上記の形態では,倒立姿勢を維持している時には両腕部14,15を折り畳んでいるとしたが,肘関節17をのばして下方へ下げた状態としてもよい。またあるいは,両腕部を上方へのばしていてもよい。いずれにしても,本体5の重心が車軸4のほぼ上方位置にあるようにすることが望ましい。
また例えば,上記の形態では,両腕部14,15を前後にのばすことにより本体5の重心位置を移動させるとしたが,本体5の重心位置を移動させる方法は他のものでもよい。例えば,胴部12や腰部13に重りを有して,内部で移動させてもよい。
また例えば,上記の形態では,両腕部14,15を同時に前方または後方に伸ばすことで,本体5の前後方向の傾きを制御するとしたが,本体5の方向を変える時には両腕部14,15を別々の方向へ伸ばしてもよい。
本形態の台車ロボットの概略構成を示す正面図である。 台車ロボットの概略構成を示すブロック図である。 台車ロボットの前進時の動作を示す説明図である。 台車ロボットの停止時の動作を示す説明図である。 台車ロボットの前進時の本体の重心位置変化を示すグラフ図である。 台車ロボットの前進時の速度変化を示すグラフ図である。 台車ロボットの外乱時の動作を示す説明図である。 台車ロボットの外乱時の車輪トルク変化を示すグラフ図である。 台車ロボットの前進時の動作を示すフローチャートである。 従来の台車ロボットの前進時の動作を示すフローチャートである。 従来の台車ロボットの前進時の速度変化を示すグラフ図である。 従来の台車ロボットの外乱時の車輪トルク変化を示すグラフ図である。
符号の説明
1 台車ロボット
2,3 車輪
14 右腕部
15 左腕部
21,22 駆動モータ
25 制御コンピュータ
26 ジャイロセンサ

Claims (7)

  1. 倒立振り子型台車と,
    前記倒立振り子型台車の車輪を駆動する駆動源と,
    前記倒立振り子型台車の前後方向に移動可能な移動部材と,
    前記駆動源により前記倒立振り子型台車の移動速度を増加させる際に,前記移動部材を前記倒立振り子型台車の進行方向前向きに移動させる増速時重心制御部とを有することを特徴とする倒立振り子型台車ロボット。
  2. 倒立振り子型台車と,
    前記倒立振り子型台車の車輪を駆動する駆動源と,
    前記倒立振り子型台車の前後方向に移動可能な移動部材と,
    前記駆動源により前記倒立振り子型台車の移動速度を減少させる際に,前記移動部材を前記倒立振り子型台車の進行方向後向きに移動させる減速時重心制御部とを有することを特徴とする倒立振り子型台車ロボット。
  3. 請求項1または請求項2に記載の倒立振り子型台車ロボットにおいて,
    前記増速時重心制御部または前記減速時重心制御部は,
    前記倒立振り子型台車の車輪の目標加速度に基づいて前記移動部材の目標位置を決定する手段と,
    前記移動部材の現在位置と決定された目標位置とに基づいて,前記移動部材の移動量を決定する手段とを有することを特徴とする倒立振り子型台車ロボット。
  4. 請求項1または請求項2に記載の倒立振り子型台車ロボットにおいて,
    前記倒立振り子型台車の倒れ角度または倒れ角速度またはそれらの両方を検出する倒れ角情報取得部と,
    前記倒立振り子型台車の車輪の回転速度または回転角速度またはそれらの両方を検出する車輪情報取得部とを有することを特徴とする倒立振り子型台車ロボット。
  5. 前後方向に移動可能な移動部材を有する倒立振り子型台車ロボットの移動制御方法において,
    倒立振り子型台車の車輪の駆動により倒立振り子型台車の移動速度を増加させる際に,移動部材を倒立振り子型台車の進行方向前向きに移動させることを特徴とする倒立振り子型台車ロボットの移動制御方法。
  6. 前後方向に移動可能な移動部材を有する倒立振り子型台車ロボットの移動制御方法において,
    倒立振り子型台車の車輪の駆動により倒立振り子型台車の移動速度を減少させる際に,移動部材を倒立振り子型台車の進行方向後向きに移動させることを特徴とする倒立振り子型台車ロボットの移動制御方法。
  7. 請求項5または請求項6に記載の倒立振り子型台車ロボットの移動制御方法において,
    倒立振り子型台車の車輪の目標加速度に基づいて移動部材の目標位置を決定し,
    移動部材の現在位置と決定された目標位置とに基づいて,移動部材の移動量を決定し,
    決定された移動量に従って移動部材を移動させることを特徴とする倒立振り子型台車ロボットの移動制御方法。
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