JP2006324774A - 通信装置および方法、並びにプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】利用環境に制約を受けない通信環境を提供することができるようにする。
【解決手段】 送信装置260の電極制御部261は、電極部262の電極271および電極272の周囲との静電結合の状態をそれぞれ調査し、その調査結果に応じて各電極と送信部263との接続を制御し、電極271および電極272を、送信信号電極または送信基準電極の互いに異なる方として機能させる。送信部263は、電極制御部261の制御に基づいて、電極271および電極272を増幅部に接続し、それらの電極のいずれか一方を介して通信媒体280に信号を送信する。本発明は、通信システムに適用することができる。
【選択図】図7

Description

本発明は、通信装置および方法、並びにプログラムに関し、特に、少なくとも二つ以上の電極を有する通信装置において、通信装置利用者と通信装置の物理的位置関係によらず、通信を可能にすることができるようにする通信装置および方法、並びにプログラムに関する。
従来、送信装置と通信媒体及び受信装置から成る通信システムにおいて、通信信号を伝達するための物理的な通信信号伝達経路と、その通信信号の高低差を判定するための基準点を送信装置と受信装置の間で共有するための、通信信号伝達経路とは別の物理的な基準点経路を設けることで通信を成していた(例えば、特許文献1または特許文献2参照)。
例えば、特許文献1や特許文献2では、人体を通信媒体とする通信技術に関して記述されており、いずれの方法においても、人体を第一の通信路とする以外に、大地や、空間における電極間同士の直接的静電結合を第二の通信路として設け、第一の通信路と第二の通信路からなる全体の通信経路が閉回路を形成するように成されている。
特開平10−229357号公報 特表平11−509380号公報
しかしながら、このような通信システムにおいては、送信装置と受信装置間で、通信信号伝達経路と基準点経路(第一の通信路と第二の通信路)の二つの通信路を、閉回路として設ける必要があるが、両経路は異なる経路であるため、これら二つの経路を安定的に両立しなければいけないことが、通信を行うための利用環境の制約となる恐れがあった。
例えば、基準点経路における送信装置と受信装置との静電結合の強さは、装置間の距離に依存するので、その距離によって経路の安定度も異なってくる。つまり、この場合、通信の安定度が送信装置と受信装置との間の基準点経路の距離に依存する恐れがあった。また、送信装置と受信装置との間の遮蔽物等の存在によっても、通信の安定度が変化する恐れがあった。さらに、例えば、大地を基準点とし、その大地を介して送信装置と受信装置が静電結合する場合(基準点経路に大地が含まれる場合)、大地と、送信装置、受信装置、および通信媒体(例えば人体)との間の位置関係によって基準点経路が変化するので通信の安定度が変化する恐れがあった。
以上のように、通信信号伝達経路と基準点経路の二つの経路を閉回路として形成する通信方法では、利用環境が大きく通信の安定度に影響するため、安定した通信を行うことが困難であった。
さらに、例えば、このような送信装置や受信装置をモバイル機器に適用、それらによって人体を介した通信を行う場合、これらの送信装置や受信装置の筐体の持ち方や装着のさせ方等がユーザによって異なる恐れがある。つまり、どのような状態であれ、送信装置や受信装置が人体に近接されていれば通信可能とするようにするのが望ましいが、上述したように、通信信号伝達経路と基準点経路の二つの経路を閉回路として形成する通信方法の場合、通信装置(送信装置や受信装置)と通信媒体の位置関係が定義されないと、二つの経路をそれぞれ確保することが困難であった。
従来においては、この二つの経路を確保するために、二電極からなる通信装置において、各電極の機能が固定化された技術があった。例えば、腕時計型のID保持装置と、それを読み出す読取装置から成る、接触型の人体通信装置がある。この人体通信装置においては、腕時計型のID保持装置に取り付けられた二つの電極と人体との装着位置関係が固定化されている。
しかしながら、このような通信装置においては、利用者と装置の位置関係がある特定の規則に従っている必要があり、利用環境の制約となっていた。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、電極の機能をダイナミックに制御することで、利用者と通信装置の位置関係に制約を与えず、通信を安定化し、高い利便性を提供することを目的とするものである。
本発明の通信装置は、通信処理を行う通信処理手段と、通信処理手段と複数の電極を接続する接続手段と、接続手段を制御して、複数の電極のうち、通信媒体と静電結合する第一の電極を、通信処理手段の第一の端子に接続させ、第一の電極と比較して、空間と強く静電結合する第二の電極を、通信処理手段の第二の端子に接続させる接続制御手段とを備えることを特徴とする。
前記接続制御手段は、複数の電極のそれぞれの周囲との静電結合の状態を調査するための信号が各電極に供給されたときの、信号の信号レベルを検出する信号レベル検出手段と、信号レベル検出手段により検出された信号レベルに基づいて、複数の電極の通信処理手段への接続を制御する制御手段とを備えるようにすることができる。
前記接続制御手段は、信号を供給する電極を選択する電極選択手段をさらに備え、信号レベル検出手段は、電極選択手段により選択された電極に信号が供給されたときの信号の信号レベルを検出するようにすることができる。
前記接続制御手段は、信号レベル検出手段により検出される信号レベルを、電極毎に保持する保持手段をさらに備え、制御手段は、保持手段により保持される電極毎の信号レベルに基づいて、複数の電極の通信処理手段への接続を制御するようにすることができる。
前記接続制御手段は、信号を全ての電極に同時に供給し、信号レベル検出手段は、全ての電極のそれぞれに対応する信号レベルを同時に検出するようにすることができる。
前記接続制御手段は、複数の電極のそれぞれに接続され、直列に接続された複数の負荷をさらに備え、信号レベル検出手段は、直列に接続された複数の負荷に生ずる信号レベルを検出するようにすることができる。
前記接続制御手段は、通信処理手段による通信処理を停止させてから、接続手段の制御を行うようにすることができる。
前記接続制御手段は、通信処理手段による通信処理の空き時間に、接続手段の制御を行うようにすることができる。
前記接続制御手段は、通信処理手段による通信処理に連続させて、接続手段の制御を行うようにすることができる。
前記接続制御手段は、通信処理手段に送信処理における送信信号を用いて、送信処理と同時に接続手段の制御を行うようにすることができる。
前記通信処理手段は、送信出力端子と受信入力端子を備え、接続制御手段は、接続手段を制御して、第一の電極を、通信処理手段の送信出力端子、もしくは受信入力端子に接続させるようにすることができる。
本発明の通信方法は、通信処理を行う通信処理部を制御する通信制御ステップと、通信制御ステップの制御により通信処理を行う通信処理部と複数の電極とを接続する接続部を制御して、複数の電極のうち、通信媒体と静電結合する第一の電極を、通信処理部の第一の端子に接続させ、第一の電極と比較して、空間と強く静電結合する第二の電極を、通信処理部の第二の端子に接続させる接続制御ステップとを含むことを特徴とする。
本発明のプログラムは、通信処理を行う通信処理部を制御する通信制御ステップと、通信制御ステップの制御により通信処理を行う通信処理部と複数の電極とを接続する接続部を制御して、複数の電極のうち、通信媒体と静電結合する第一の電極を、通信処理部の第一の端子に接続させ、第一の電極と比較して、空間と強く静電結合する第二の電極を、通信処理部の第二の端子に接続させる接続制御ステップとを含むことを特徴とする。
本発明の通信装置および方法、並びにプログラムにおいては、通信処理部が制御されて通信処理が行われ、その通信処理部と複数の電極との接続部が制御されて、複数の電極のうち、通信媒体と静電結合する第一の電極が、通信処理部の第一の端子に接続され、その第一の電極と比較して、空間と強く静電結合する第二の電極が、通信処理部の第二の端子に接続される。
本発明によれば、通信装置利用者と通信装置の物理的位置関係によらず、通信を可能にすることができる。
以下に本発明の実施の形態を説明するが、本明細書に記載の発明と、発明の実施の形態との対応関係を例示すると、次のようになる。この記載は、請求項に記載されている発明をサポートする実施の形態が本明細書に記載されていることを確認するためのものである。従って、発明の実施の形態中には記載されているが、発明に対応するものとして、ここには記載されていない実施の形態があったとしても、そのことは、その実施の形態が、その発明に対応するものではないことを意味するものではない。逆に、実施の形態が発明に対応するものとしてここに記載されていたとしても、そのことは、その実施の形態が、その発明以外の発明には対応しないものであることを意味するものでもない。
さらに、この記載は、本明細書に記載されている発明の全てを意味するものではない。換言すれば、この記載は、本明細書に記載されている発明であって、この出願では請求されていない発明の存在、すなわち、将来、分割出願されたり、補正により追加されたりする発明の存在を否定するものではない。
本発明においては、外部と静電結合する複数の電極(例えば、図7の電極)を有し、通信媒体を介して通信する通信装置(例えば、図7の送信装置)が提供される。この通信装置では、通信処理を行う通信処理手段(例えば、図7の送信部)と、通信処理手段と複数の電極を接続する接続手段(例えば、図9の接続部)と、接続手段を制御して、複数の電極のうち、通信媒体と静電結合する第一の電極を、通信処理手段の第一の端子に接続させ、第一の電極と比較して、空間と強く静電結合する第二の電極を、通信処理手段の第二の端子に接続させる接続制御手段(例えば、図7の電極制御部)とを備えることを特徴とする。
前記接続制御手段は、複数の電極のそれぞれの周囲との静電結合の状態を調査するための信号が各電極に供給されたときの、信号の信号レベルを検出する信号レベル検出手段(例えば、図8の検出部)と、信号レベル検出手段により検出された信号レベルに基づいて、複数の電極の通信処理手段への接続を制御する制御手段(例えば、図8の主制御部)とを備えるようにすることができる。
前記接続制御手段は、信号を供給する電極を選択する電極選択手段(例えば、図8の接続部)をさらに備え、信号レベル検出手段は、電極選択手段により選択された電極に信号が供給されたときの信号の信号レベルを検出するようにすることができる。
前記接続制御手段は、信号レベル検出手段により検出される信号レベルを、電極毎に保持する保持手段(例えば、図8の保持部)をさらに備え、制御手段は、保持手段により保持される電極毎の信号レベルに基づいて、複数の電極の通信処理手段への接続を制御するようにすることができる。
前記接続制御手段(例えば、図19の接続部)は、信号を全ての電極に同時に供給し、信号レベル検出手段(例えば、図19の検出部)は、全ての電極のそれぞれに対応する信号レベルを同時に検出するようにすることができる。
前記接続制御手段は、複数の電極のそれぞれに接続され、直列に接続された複数の負荷(例えば、図19の負荷抵抗)をさらに備え、信号レベル検出手段は、直列に接続された複数の負荷に生ずる信号レベルを検出するようにすることができる。
前記接続制御手段は、通信処理手段による通信処理を停止させてから、接続手段の制御を行う(例えば、図10)ようにすることができる。
前記接続制御手段は、通信処理手段による通信処理の空き時間に、接続手段の制御を行う(例えば、図18A)ようにすることができる。
前記接続制御手段は、通信処理手段による通信処理に連続させて、接続手段の制御を行う(例えば、図18B)ようにすることができる。
前記接続制御手段は、通信処理手段に送信処理における送信信号を用いて、送信処理と同時に接続手段の制御を行う(例えば、図18C)ようにすることができる。
前記通信処理手段(例えば、図16の送信信号発生部および受信信号取得部)は、送信出力端子と受信入力端子(例えば、図16の増幅部の端子)を備え、接続制御手段は、接続手段(例えば、図16の接続部)を制御して、第一の電極を、通信処理手段の送信出力端子、もしくは受信入力端子に接続させるようにすることができる。
本発明においては、外部と静電結合する複数の電極(例えば、図7の電極)を有し、通信媒体(例えば、図7の通信媒体)を介して通信する通信装置(例えば、図7の送信装置)の通信方法が提供される。この通信方法においては、通信処理を行う通信処理部(例えば、図7の送信部)を制御する通信制御ステップ(例えば、図10のステップS3)と、通信制御ステップの制御により通信処理を行う通信処理部と複数の電極とを接続する接続部(例えば、図9の接続部)を制御して、複数の電極のうち、通信媒体と静電結合する第一の電極を、通信処理部の第一の端子に接続させ、第一の電極と比較して、空間と強く静電結合する第二の電極を、通信処理部の第二の端子に接続させる接続制御ステップ(例えば、図10のステップS2)とを含むことを特徴とする。
本発明のプログラムにおいても、各ステップが対応する実施の形態(但し一例)は、本発明の通信方法と同様である。
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。はじめに、通信システムによる通信の原理について説明する。
図1は、本発明を適用した通信システムの一実施形態に係る構成例を示す図である。
図1において、通信システム1は、送信装置10、受信装置20、および通信媒体30により構成され、送信装置10と受信装置20が通信媒体30を介して信号を送受信するシステムである。つまり、通信システム1において、送信装置10より送信された信号は、通信媒体30を介して伝送され、受信装置20により受信される。
送信装置10は、送信信号電極11、送信基準電極12、および送信部13を有している。送信信号電極11は、通信媒体30を介して伝送させる信号を送信するために設けられた電極対の一方の電極であり、その電極対の他方の電極である送信基準電極12よりも通信媒体30に対して静電結合が強くなるように設けられる。送信部13は、送信信号電極11と送信基準電極12との間に設けられ、これらの電極間に受信装置20へ伝達したい電気信号(電位差)を与える。
受信装置20は、受信信号電極21、受信基準電極22、および受信部23を有している。受信信号電極21は、通信媒体30を介して伝送される信号を受信するために設けられた電極対の一方の電極であり、その電極対の他方の電極である受信基準電極22よりも通信媒体30に対して静電結合が強くなるように設けられる。受信部23は、受信信号電極21と受信基準電極22との間に設けられ、通信媒体30を介して伝送される信号によってこれらの電極間に生じた電気信号(電位差)を検知し、その電気信号を所望の電気信号に変換し、送信装置10の送信部13で生成された電気信号を復元する。
通信媒体30は、電気信号を伝達可能な物理的特性を有する物質、例えば、導電体や誘電体等により構成される。例えば、通信媒体30は、銅、鉄、またはアルミ等の金属に代表される導電体、純水、ゴム、ガラス等に代表される誘電体、または、これらの複合体である生体等や、食塩水等の電解液のように、導体としての性質と誘電体としての性質を併せ持つ素材により構成される。また、この通信媒体30の形状はどのようなものであってもよく、例えば、線状、板状、球状、角柱、または円柱等であってもよく、さらにこれら以外の任意の形状であってもよい。
このような通信システム1において、はじめに、各電極と、通信媒体または装置周辺空間との関係について説明する。なお、以下において、説明の便宜上、通信媒体30が完全導体であるものとする。また、送信信号電極11と通信媒体30との間、および、受信信号電極21と通信媒体30との間には空間が存在し、電気的な結合はないものとする。すなわち、送信信号電極11または受信信号電極21と、通信媒体30との間には、それぞれ、静電容量が形成される。
送信基準電極12は送信装置10周辺の空間に向くように設けられており、受信基準電極22は受信装置20周辺の空間に向くように設けられている。一般的に、導体球が空間に存在する場合、その導体球と空間との間には静電容量が形成される。例えば、導体の形状を半径r[m]の球としたとき、その静電容量Cは、以下の式(1)のように求められる。
Figure 2006324774
式(1)において、πは円周率を示す。また、εは誘電率を示し、以下の式(2)のように求められる。
Figure 2006324774
ただし、式(2)において、ε0は、真空中の誘電率を示し、8.854×10-12[F/m]である。また、εrは比誘電率を示し、真空の誘電率ε0に対する比率を示す。
上述した式(1)に示されるように半径rが大きい程、静電容量Cは大きくなる。なお、球以外の複雑な形状の導体の静電容量Cの大きさは、上述した式(1)のように、簡単に表現することはできないが、その導体の表面積の大きさに応じて変化することは明らかである。
以上のように、送信基準電極12は、送信装置10周辺の空間に対して静電容量を形成し、受信基準電極22は、受信装置20周辺の空間に対して静電容量を形成する。すなわち、送信装置10および受信装置20の外部の仮想無限遠点からみたとき、送信基準電極12や受信基準電極22の電位は、静電容量の増加に伴って変動のしにくさも増加することを示している。
なお、ここでは、説明の便宜上、または前後関係等から、コンデンサを単に静電容量と表現する場合もあるが、これらは同意である。また、図1の送信装置10と受信装置20は、装置間が十分な距離を保つように配置されており、相互の影響を無視できるものとする。さらに、送信装置10において、送信信号電極11は通信媒体30とのみ静電結合し、送信基準電極12は送信信号電極11に対して十分離されて設置され、相互の影響は無視できる(静電結合しない)ものとする。同様に、受信装置20において、受信信号電極21は通信媒体30とのみ静電結合し、受信基準電極22は受信信号電極21に対して十分な距離が置かれ、相互の影響は無視できる(静電結合しない)ものとする。さらに、実際には、送信信号電極11、受信信号電極21、および通信媒体30も、空間内に配置されている以上、それぞれ空間に対する静電容量を有することになるが、ここでは、説明の便宜上、それらを無視できるものとする。
図2は、図1の通信システム1を等価回路で表した図である。つまり、図2に示される通信システム50は、実質的に通信システム1と等価である。
すなわち、通信システム50は、送信装置60、受信装置70、および接続線80を有しているが、この送信装置60は図1に示される通信システム1の送信装置10に対応し、受信装置70は図1に示される通信システム1の受信装置20に対応し、接続線80は図1に示される通信システム1の通信媒体30に対応する。
図2の送信装置60において、信号源63−1および送信装置内基準点63−2は、図1の送信部13に対応する。信号源63−1は、送信用の信号として、特定周期ω×t[rad]の正弦波を生成する。ここで、t[s]は時間を示す。また、ω[rad/s]は角周波数を示し、以下の式(3)のように表すことができる。
Figure 2006324774
式(3)において、πは円周率、f[Hz]は信号源63−1が生成する信号の周波数を示す。送信装置内基準点63−2は、送信装置60内における回路のグランドに接続される点である。つまり信号源63−1の端子の一方は、送信装置60内における回路の、所定の基準電位に設定される。
Cte64は、コンデンサであり、図1の送信信号電極11と通信媒体30との間の静電容量を表すものである。つまり、Cte64は、信号源63−1の送信装置内基準点63−2と反対側の端子と、接続線80との間に設けられている。また、Ctg65は、コンデンサであり、図1の送信基準電極12の空間に対する静電容量を表すものである。Ctg65は、信号源63−1の送信装置内基準点63−2側の端子と、空間上の、送信装置60を基準とした無限遠点(仮想点)を示す基準点66との間に設けらている。
図2の受信装置70において、Rr73−1、検出器73−2、および受信装置内基準点73−3は、図1の受信部23に対応する。Rr73−1は、受信信号を取り出すための負荷抵抗(受信負荷)である。増幅器により構成される検出器73−2は、このRr73−1の両側の端子間の電位差を検出して増幅する。受信装置内基準点73−3は、受信装置70内における回路のグランドに接続される点である。つまりRr73−1の端子の一方(検出器73−2の入力端子の一方)は、受信装置70内における回路の、所定の基準電位に設定される。
なお、検出器73−2が、さらに、例えば、検出した変調信号を復調したり、検出された信号に含まれる符号化された情報を復号したりする等、その他の機能を備えるようにしてもよい。
Cre74は、コンデンサであり、図1の受信信号電極21と通信媒体30との間の静電容量を表すものである。つまり、Cre74は、Rr73−1の受信装置内基準点73−3と反対側の端子と、接続線80との間に設けられている。また、Crg75は、コンデンサであり、図1の受信基準電極22の空間に対する静電容量を表すものである。Crg75は、Rr73−1の受信装置内基準点73−3側の端子と、空間上の、受信装置20を基準とした無限遠点(仮想点)を示す基準点76との間に設けらている。
接続線80は、完全導体である通信媒体30を表している。なお、図2の通信システム50において、Ctg65とCrg75は、等価回路上、基準点66と基準点76を介して、互いに電気的に接続されているように表現されているが、実際には、これらは互いに電気的に接続されている必要はなく、それぞれが、送信装置60または受信装置70周辺の空間に対して静電容量を形成していればよい。導体があれば、周囲の空間に対して、必ずその表面積の大きさに比例した静電容量が形成されることを知ることが重要である。なお、基準点66と基準点76が電気的に接続されている必要はなく、互いに独立した電位であってもよい。
また、例えば、図1の通信媒体30が完全導体である場合、接続線80の導電率は無限大とみなせるので、図2の接続線80の長さは通信に影響しない。なお、通信媒体30が導電率の十分な導体であれば、実用上、送信装置と受信装置間との距離は通信の安定性に影響しない。従って、このような場合、送信装置60と受信装置70との距離はどんなに長くてもよい。
通信システム50において、信号源63−1、Rr73−1、Cte64、Ctg65、Cre74、およびCrg75から成る回路が形成されている。直列接続された四つのコンデンサ(Cte64、Ctg65、Creコンデンサ74、およびCrg75)の合成容量Cxは以下の式(4)で表すことができる。
Figure 2006324774
また、信号源63−1が生成する正弦波vt(t)を、以下の式(5)のように表す。
Figure 2006324774
ここで、Vm[V]は信号源電圧の最大振幅電圧を表しており、θ[rad]は初期位相角を表している。このとき、信号源63−1による電圧の実効値Vtrms[V]は以下の式(6)のように求めることができる。
Figure 2006324774
回路全体での合成インピーダンスZは、次の式(7)のように求めることができる。
Figure 2006324774
つまり、Rr73−1の両端に生じる電圧の実効値Vrrmsは式(8)のように求めることができる。
Figure 2006324774
従って、式(8)に示されるように、Rr73−1の抵抗値が大きい程、また、静電容量Cxが大きく、信号源63−1の周波数f[Hz]が高い程、1/((2×π×f×Cx)2)の項が小さくなり、Rr73−1の両端に、より大きな信号を生じさせることができる。
例えば、送信装置60の信号源63−1による電圧の実効値Vtrmsを2[V]に固定し、信号源63−1が生成する信号の周波数fを1[MHz]、10[MHz]、または100[MHz]とし、Rr73−1の抵抗値を10K[Ω]、100K[Ω]、または1M[Ω]とし、回路全体の静電容量Cxを0.1[pF]、1[pF]、または10[pF]としたときの、Rr73−1の両端に生じる電圧の実効値Vrrmsの計算結果は、その他の条件が同じ場合、周波数fが1[MHz]のときよりも10[MHz]のときの方が大きくなり、受信負荷であるRr73−1の抵抗値が10K[Ω]のときよりも1M[Ω]の時のほうが大きくなり、静電容量Cxが0.1[pF]のときよりも10[pF]の時のほうが大きな値をとる。すなわち、周波数fの値、Rr73−1の抵抗値、および静電容量Cxが大きいほど、大きな電圧の実効値Vrrms得られる。
なお、伝送される信号の信号レベルが微小な場合、受信装置60の検出器73−2によって検出した信号を増幅する等すれば、通信が可能となる。
次に、実際に本通信システムを物理的に構成する場合について説明する。図3は、以上において説明した通信システムの、実際に物理的に構成する場合における、システム上に発生する各パラメータの演算用モデルの例を示す図である。
つまり、通信システム100は、送信装置110、受信装置120、および通信媒体130を有しており、上述した通信システム1(通信システム50)に対応するシステムであり、評価するパラメータが異なるだけで、その構成は、通信システム1および通信システム50と基本的に同様である。
つまり、図1の通信システム1と対比して説明すると、送信装置110は送信装置10に対応し、受信装置120は受信装置20に対応し、通信媒体130は、通信媒体30に対応する。
送信装置110は、送信信号電極11に対応する送信信号電極111、送信基準電極12に対応する送信基準電極112、および送信部13に対応する信号源113を有している。つまり、信号源113の両側の端子の一方に送信信号電極111が接続され、他方に送信基準電極112が接続されている。送信信号電極111は、通信媒体130に近接するように設けられている。送信基準電極112は、送信装置110の外部の空間に対して静電容量を有するように構成されている。なお、図2においては、送信部13には、信号源63−1および送信装置内基準点63−2が対応するように説明したが、図3の場合、説明の便宜上、この送信装置内基準点が省略されている。
受信装置120も、送信装置110の場合と同様に、受信信号電極21に対応する受信信号電極121、受信基準電極22に対応する受信基準電極122、および受信部23に対応するRr123−1および検出器123−2を有している。つまり、Rr123−1の両側の端子の一方に受信信号電極121が接続され、他方に受信基準電極122が接続されている。受信信号電極121は、通信媒体130に近接するように設けられている。受信基準電極122は、受信装置120の外部の空間に対して静電容量を有するように構成されている。なお、図2において受信部23には、Rr73−1、検出器73−2、および受信装置内基準点73−3が対応するように説明したが、図3の場合、説明の便宜上、この受信装置内基準点が省略されている。
なお、通信媒体130は、図1や図2の場合と同様に完全導体であるものとする。送信装置110と受信装置120は、互いに十分な距離をおいて配置されており、相互の影響は無視できるものとする。
また、パラメータについて説明すると、送信信号電極111と通信媒体130との間の静電容量Cte114は図2のCte64に対応し、送信基準電極112の空間に対する静電容量(送信基準電極112と、送信基準電極112からの空間上の仮想的な無限遠点を示す基準点116−1との間の静電容量)Ctg115は図2のCtg65に対応し、送信装置110からの空間上の仮想的な無限遠点を示す基準点116−1および基準点116−2は図2の基準点66に対応する。また、送信信号電極111は、面積Ste[m2]の円板状の電極であり、通信媒体130から微小距離dte[m]だけ離れた位置に設けられる。送信基準電極112も円板状の電極であり、その半径は、rtg[m]である。
受信装置120側では、受信信号電極121と通信媒体130との間の静電容量Cre124は図2のCre74に対応し、受信基準電極122の空間に対する静電容量(受信基準電極122と、受信基準電極122からの空間上の仮想的な無限遠点を示す基準点126−1との間の静電容量)Crg125は図2のCrg75に対応し、受信装置120からの空間上の仮想的な無限遠点を示す基準点126−1および基準点126−2は図2の基準点76に対応する。また、受信信号電極121は、面積Sre[m2]の円板状の電極であり、通信媒体130から微小距離dre[m]だけ離れた位置に設けられる。受信基準電極122も円板状の電極であり、その半径は、rrg[m]である。
図3の通信システム100には、さらに、以下のような新たなパラメータが追加される。
例えば、送信装置110については、送信信号電極111と送信基準電極112との間に形成される静電容量Ctb117−1、送信信号電極111と空間との間に形成される静電容量(送信信号電極111と、送信信号電極111からの空間上の仮想的な無限遠点を示す基準点116−2との間の静電容量)Cth117−2、および、送信基準電極112と通信媒体130との間に形成される静電容量Cti117−3が新たなパラメータとして追加される。
また、受信装置120については、受信信号電極121と受信基準電極122との間に形成される静電容量Crb127−1、受信信号電極121と空間との間に形成される静電容量(受信信号電極121と、受信信号電極121からの空間上の仮想的な無限遠点を示す基準点126−2との間の静電容量)Crh127−2、および、受信基準電極122と通信媒体130との間に形成される静電容量Cri127−3が新たなパラメータとして追加される。
さらに、通信媒体130については、通信媒体130と空間との間に形成される静電容量(通信媒体130と、通信媒体130からの空間上の仮想的な無限遠点を示す基準点136との間の静電容量)Cm132が新たなパラメータとして追加される。また、実際には、通信媒体130は、その大きさや材質等によって電気抵抗を有するので、その抵抗成分として抵抗値Rm131およびRm133が新たなパラメータとして追加される。
なお、図3の通信システム100においては省略されているが、通信媒体が導電性だけでなく、誘電性を有する場合には、その誘電率に従った静電容量も併せて形成される。また、通信媒体に導電性がなく、誘電性のみで形成される場合には、送信信号電極111と受信信号電極121の間に、誘電体の誘電率、距離、大きさ、配置で決まる静電容量で結合されることになる。
また、ここでは、送信装置110と受信装置120が、互いに静電結合的な要素が無視できる程度に距離が離れている場合(送信装置110と受信装置120との間の静電結合の影響を無視することができる場合)を想定している。仮に、距離が近い場合には、上述した考え方に従い、送信装置110内の各電極と受信装置120内の各電極の位置関係によっては、それら電極同士の静電容量も考慮する必要が生じることもある。
このような各パラメータの通信システム100は以下のような性質を有する。
例えば、送信装置110は、Cte114の値が大きい(容量が高い)程、通信媒体130へ大きな信号を印加することができる。また、送信装置110は、Ctg115の値が大きい(容量が高い)程、通信媒体130へ大きな信号を印加することができる。さらに、送信装置110は、Ctb117−1の値が小さい(容量が低い)程、通信媒体130へ大きな信号を印加することが出来る。また、送信装置110は、Cth117−2の値が小さい(容量が低い)程、通信媒体130へ大きな信号を印加することが出来る。さらに、送信装置110は、Cti117−3の値が小さい(容量が低い)程、通信媒体130へ大きな信号を印加することが出来る。
受信装置120は、Cre124の値が大きい(容量が高い)程、通信媒体430から大きな信号を取り出すことが出来る。また、受信装置120は、Crg125の値が大きい(容量が高い)程、通信媒体130から大きな信号を取り出すことが出来る。さらに、受信装置120は、Crb127−1の値が小さい(容量が低い)程、通信媒体130から大きな信号を取り出すことが出来る。また、受信装置120は、Crh127−2の値が小さい(容量が低い)程、通信媒体130から大きな信号を取り出すことが出来る。さらに、受信装置120は、Cri127−3の値が小さい(容量が低い)程、通信媒体130から大きな信号を取り出すことが出来る。また、受信装置120は、Rr123の値が低い(抵抗が高い)程、通信媒体130から大きな信号を取り出すことが出来る。
通信媒体130の抵抗成分であるRm131およびRm133の値が低い(抵抗が低い)程、送信装置110は、通信媒体130へ大きな信号を印加することが出来る。また、通信媒体130の空間に対する静電容量であるCm132の値が小さい(容量が低い)程、送信装置110は、通信媒体130へ大きな信号を印加することが出来る。
コンデンサ容量の大小は、電極の表面積の大きさに略比例するから、一般には各電極の大きさが大きい程よいが、単純に電極の大きさを大きくすると、電極同士の間の静電容量も増加してしまう恐れもある。また、電極の大きさ比が極端な場合も効率が低下する恐れがある。従って、各電極の大きさやそれぞれの配置場所等は、全体のバランスの中で決定する必要がある。
なお、上述した通信装置100の性質は、信号源113の周波数が高い周波数帯域では、インピーダンス・マッチングの考え方で本等価回路を捉え、各パラメータを決定することで効率的な通信が可能となる。周波数を高めることにより、小さい静電容量でもリアクタンスが確保できるため、各装置を容易に小型化することができる。
また、一般的にコンデンサのリアクタンスは周波数の減少とともに上昇する。これに対して、通信システム100は静電容量結合に基づく動作をするので、信号源113が生成する信号の周波数の下限は、これによって決定される。また、Rm131、Cm132、およびRm133は、その配置から低域通過フィルタを形成することになるので、この特性により周波数の上限が定まる。
次に、各パラメータの具体的な数値を検討する。なお、以下において、説明の便宜上、通信システム100は空気中に設置されているものとする。また、通信システム100の送信信号電極111、送信基準電極112、受信信号電極121、および受信基準電極122は、いずれも、直径5cmの導体円板とする。
送信信号電極111と通信媒体130からなる静電容量Cte114は、互いの間隔dteが5mmとすると、その値は、以下の式(9)ように求められる。
Figure 2006324774
電極間の静電容量であるCtb117−1については、式(9)を適応することができるものとする。本来は上述したように電極の面積が間隔に比べて十分に大きい場合に成立する式であるが、ここでは、これで近似できるとして差し支えない。両電極間の間隔を5cmとすると、Ctb117−1は以下の式(10)ようになる。
Figure 2006324774
ここでの想定は、送信信号電極111と通信媒体130の間隔が狭いとすれば、空間との結合は弱くなるので、Cth117−2の値は、Cte114の値よりも十分小さく、式(11)のようにCte114の値の十分の一に設定されるものとする。
Figure 2006324774
送信基準電極112と空間で形成される静電容量を示すCtg115は次式(12)のように求めることができる。
Figure 2006324774
Cti117−3の値は、送信信号電極111と通信媒体130がほぼ同じ位置にあるので、以下のように、Ctb117−1と同等と考える。
Cti=Ctb=0.35[pF]
受信装置120の各パラメータに関しても、各電極の構成(大きさや設置位置等)を送信装置110の場合と同様にすれば、以下のように、送信装置110の各パラメータと同様に設定される。
Cre=Cte=3.5[pF]
Crb=Ctb=0.35[pF]
Crh=Cth=0.35[pF]
Crg=Ctg=1.8[pF]
Cri=Cti=0.35[pF]
また、説明の便宜上、以下において、通信媒体130は人体のサイズ程度の生体に近い特性を有する物体であるとする。そして、通信媒体130の送信信号電極111の位置から受信信号電極121の位置までの電気抵抗が1M[Ω]であるとし、Rm131およびRm133の値をそれぞれ500K[Ω]とする。また、通信媒体130と空間との間で形成する静電容量Cm132の値を100[pF]とする。さらに、信号源113−1は、最大値1[V]で周波数が10M[Hz]の正弦波とする。
以上のパラメータを使ってシミュレーションを行うと、受信信号の波形の最大値と最小値との差(ピーク値の差)が約10[μV]程度で観測される。従って、これを十分なゲインを持つ増幅器(検出器123−2)で増幅することによって、送信側の信号(信号源113−1において生成された信号)を受信側で復元することができる。
このように、以上において説明した、本発明を適用した通信システムは、物理的な基準点経路を不要とし、通信信号伝達経路のみによる通信を実現することができるので、利用環境の制約を受けない通信環境を容易に提供することができる。
次に、以上のような通信システムの具体的な適用例について説明する。例えば、以上のような通信システムは、生体を通信媒体とすることもできる。図4は、人体を介して通信を行う場合の通信システムの例を示す模式図である。図4において、通信システム150は、人体の腕部に取り付けられた送信装置160から音楽データを送信し、人体の頭部に取り付けられた受信装置170によってその音楽データを受信して音声に変換し、出力してユーザに視聴させるシステムである。この通信システム150は、上述した通信システム(例えば、通信システム1)に対応したシステムであり、送信装置160や受信装置170は、それぞれ、送信装置10や受信装置20に対応する。また、通信システム150において人体180は、通信媒体であり、図1の通信媒体30に対応する。
つまり、送信装置160は、送信信号電極161、送信基準電極162、および送信部163を有しており、それぞれ、図1の送信信号電極11、送信基準電極12、および送信部13に対応する。また、受信装置170は、受信信号電極171、受信基準電極172、および受信部173を有しており、それぞれ、図1の受信信号電極21、受信基準電極22、および受信部23に対応する。
従って、通信媒体である人体180に、送信信号電極161および受信信号電極171が接触または近接されるように、送信装置160および受信装置170が設置される。送信基準電極162および受信基準電極172は、空間に接していればよいので、周辺に大地との結合や、送受信装置(または電極)同士の結合も不要である。
図5は、通信システム150を実現する他の例について説明する図である。図5において、受信装置170は、人体180に対して足裏部において接触(または近接)し、人体180の腕部に取り付けられた送信装置160との間で通信を行う。この場合も、通信媒体である人体180に接触(または近接)されるように、送信信号電極161と受信信号電極171が設けられ、空間に向けて送信基準電極162と受信基準電極172が設けられている。特に、大地を通信経路の一つとしていた従来技術では実現不可能な応用例である。
つまり、以上のような通信システム150は、物理的な基準点経路を不要とし、通信信号伝達経路のみによる通信を実現することができるので、利用環境の制約を受けない通信環境を提供することができる。
以上のような通信システムにおいて、通信媒体に流す信号の変調方式としては、送信装置と受信装置の両方において対応可能であれば、特に制限はなく、通信システム全体の系の特性を踏まえた上で、最適な方式を選択することが出来る。具体的に変調方式としては、ベースバンド、または振幅変調、または周波数変調されたアナログ信号か、ベースバンド、または振幅変調、または周波数変調、または位相変調されたデジタル信号のうちのいずれか一つ、または複数の混合であってもよい。
さらに、以上のような通信システムにおいて、一つの通信媒体を利用して、複数の通信を成立させ、全二重通信や、単一の通信媒体による複数の装置同士による通信等を実行することができるようにしてもよい。
このような多重通信を実現する方法には、例えば、スペクトラム拡散方式、周波数帯域分割方式、または時分割方式等がある。このような各方式を用いて通信を行うことにより、通信システムは、例えば、多対一通信や、多対多通信等のように、複数の装置が同一の通信媒体を利用して同時通信を行うことができる。さらに、上述した各方法を二つ以上組み合わせるようにしてももちろんよい。
送信装置および受信装置が、同時に複数の他の装置と通信を行うことができるということは、特定のアプリケーションにおいては、特に重要になる。例えば、交通機関のチケットへの応用を想定すると、定期券の情報を有する装置Aと電子マネー機能を有する装置Bの両方を所持した利用者が、自動改札機を利用する際、上記のような方式を使用することで、装置A及び装置Bと同時に通信することで、例えば、利用区間が定期券外の区間も含まれていた場合に、不足金額分を装置Bの電子マネーから差し引くといった便利な用途に利用することが出来る。
以上のように、送信装置10および受信装置20は、基準電極を用いて閉回路を構築する必要がなく、信号電極を介して信号を送受信するのみで、環境に影響されずに安定した通信処理を容易に行うことができる。なお、通信処理の構造が単純化されることにより、通信システム1は、変調、符号化、暗号化、または多重化など、多様な通信方式を容易に併用することができる。
このような通信システムにおいて、例えば、図4に示されるように人体180を介して通信させるように利用する場合、送信装置や受信装置は、モバイル機器として小型化されている方が望ましく、また、例えばベルト等を用いて腕や足等に固定させ、装置と人体の位置関係を安定させる利用方法も考えられるが、例えば携帯型電話機のように、ユーザが自由に持ったり置いたりするような利用方法も想定されるため、装着方法(装置と人体との位置関係)の自由度が高いほうが望ましく、より適用範囲が広い。
例えば、図6に示されるように、図1の送信装置10の筐体を筐体200のようにする。この筐体200の外面には、送信信号電極11や送信基準電極12として利用される電極211乃至電極216が設けられている。このような送信装置10をユーザが手220で掴むことにより、送信装置10が図4や図5に示されるように人体を介した通信を行うことができるようにする。
なお、電極211乃至電極216は、いずれも、送信信号電極11としても、送信基準電極12としても使用することができるようになされている。つまり、送信装置10は、これらの電極211乃至電極216と内部回路の接続を制御する(切り替える)ことによって、任意の電極を送信信号電極11として使用し、他の任意の電極を送信基準電極12として使用することができる。
しかしながら、このような場合、ユーザ(ユーザの手220)が、筐体200をどのように把持するか予測はできないため、電極211乃至電極216が送信信号電極11または送信基準電極12のいずれかの役割として固定的に割り振られていたとすると、把持の状態によっては、送信信号電極11または送信基準電極12の両方が互いに同じように通信媒体となる手220に近接してしまう可能性があり、この場合、好ましい通信環境が得られない恐れがある。
そこで、図6の通信装置10は、手220の位置に応じて、電極211乃至電極216と内部回路の接続を制御することにより、送信信号電極(として使用される電極)および送信基準電極(として使用される電極)と、通信媒体(手220)との位置関係を最適にするように制御する。例えば、送信装置10は、図6において、手220で覆われている電極212、電極213、電極215、および電極216を送信信号電極11として使用するように内部回路と接続し、残りの電極211および電極214を送信基準電極12として使用するように内部回路と接続する。つまり換言すると、通信装置10は、通信媒体と、電極対(送信信号電極11および送信基準電極12からなる電極対)の位置関係を最適にするように制御する。
なお、送信装置10は、複数の電極を、送信信号電極11または送信基準電極12として使用するように接続を制御することも可能である。また、送信装置10は、全ての電極を送信信号電極11または受信基準電極12として使用するように接続する必要は無く、未接続の電極が存在するようにしてもよい。例えば、図6の場合、電極212、電極213、および電極215のように、電極の一部のみが手220に覆われている電極を未接続とするようにしてもよい。このように接続を制御することにより、送信装置10は、例えば、電極群のうち、通信媒体との静電結合の強弱を明確に区別することができる電極のみを送信信号電極11または送信基準電極12として使用し、通信媒体との静電結合が中程度の電極(送信信号電極11として使用するべきか送信基準電極として使用するべきかが明確でない電極)を未使用とすることができる。これにより、送信装置10は、通信媒体に対して最適な位置関係を有する送信信号電極11および送信基準電極を設定することができる。
図7は、その場合の送信装置の一実施形態の構成例を示すブロック図である。
図7において、送信装置260は、電極制御部261、電極部262、および送信部263を有している。電極部262は、外部と静電結合する、例えば円板状の電極対である電極271および電極272を有している。電極制御部261は、電極部262の各電極と送信部263の接続を制御する。送信部263は、電極部262を介して信号を送信する処理を行う。
送信装置260は、図1の送信装置10に対応する装置であり、通信媒体30に対応する通信媒体280に、静電誘導を利用して信号を出力することにより、導体や誘電体である通信媒体280を介して受信装置に信号を送信する。電極部262の電極271および電極272の電極対が、図1の送信信号電極11および送信基準電極12の電極対に対応する。また、送信部263が図1の送信部13に対応する。
つまり、電極271と電極272のいずれか一方が送信信号電極11として送信部263に接続され、他方が送信基準電極12として送信部263に接続される。電極制御部262は、電極271と電極272の外部との静電結合の状況(静電容量の大きさ)を調査し、その状況に応じて最適となるように、電極271および電極272と送信部263の接続を制御する。
例えば、図7に示されるように、通信経路となる導電性または誘電性を持った通信媒体280が電極271に近づいたとする。このとき、電極272は、自由空間に向かっており、その自由空間となす静電容量Ctg295を形成する。これに対して、電極271は通信媒体280が近づいたため、自由空間との静電接合は弱まり、通信媒体280との静電結合が支配的となる。通信媒体280が導体や空気よりも高い誘電率を有する物体の場合、電極271から見える静電容量Cte294は、静電容量Ctg295よりも大きくなる。従って、何らかの信号を電極に与え、その経路に取り付けた負荷の信号レベルの大きさによって、負荷の大きさが分かることになる。自由空間の場合には、静電容量が低いため、負荷の信号レベルは低く、導体や誘電体の場合には、静電容量が高いため、負荷の信号レベルはより高くなる。
このように電極からみた静電容量が変化することにより、その電極に対して信号を印加したときに検出される信号レベル(振幅の大きさ)が変化するので、電極制御部261は、その信号レベルを検出することにより、電極の状況(通信媒体280が近接されているか否か)を把握することができる。電極制御部261は、このように把握した各電極の状況に応じて送信部263と電極部262の接続を制御する。
送信部263は、電極制御部261の制御に基づいて、電極部262の電極271および電極272を、それぞれ送信信号電極または送信基準電極として接続する。
図8は、図7の電極制御部261の詳細な構成例を示すブロック図である。図8において、電極制御部261は、主制御部301、信号入力制御部302、保持部303、接続制御部304、切り替え制御部305、信号源311、スイッチ312、検出部313、および接続部314を有している。
主制御部301は、電極制御部261内の各部、例えば、信号入力制御部302、保持部303、接続制御部304、および切り替え制御部305を制御することにより、電極部262と送信部263の接続制御処理を行う。信号入力制御部302は、主制御部301に制御されてスイッチ312のオンオフの切り替えることにより、信号源311において発生した信号の電極部262の各電極への入力を制御する。
保持部303は、主制御部301に制御され、検出部313において検出された信号レベルを保持し、必要に応じてその値を主制御部301に供給する。接続制御部304は、主制御部301に制御され、接続部314による接続の切り替えを制御する。切り替え制御部305は、主制御部301に制御され、電極部262と送信部263の接続を制御する情報を送信部263に供給することにより、電極部262と送信部263の接続を制御する。
信号源311は、所定の周波数の信号をスイッチ312に供給する。スイッチ312は、信号入力制御部302に制御され、信号源311より供給される信号を検出部313に供給したり、その供給を停止したりする。検出部313は、内部に所定の抵抗値の負荷抵抗321を有しており、その負荷抵抗321の両端における電位を検出することができるようになされている。すなわち、保持部303には、この負荷抵抗321の両端の電位の情報が供給される。保持部303は、この負荷抵抗321の両端の電位の情報に基づいて、電極に印加される信号レベルを求め、その値を保持する。
接続部314は、多極スイッチの一種を有している。この多極スイッチは、検出部313が接続される端子322と、電極毎に設けられた複数の端子との接続を切り替えるスイッチである。例えば、図8の場合、端子323は電極271に接続され、端子324は電極272に接続されている。つまり、接続部314は、接続制御部304に制御され、端子322を端子323または端子324のいずれに接続するか、または、接続しないかを切り替えることにより、信号源311より供給される信号を電極271または電極272のいずれに供給するか、または供給しないかを切り替える。
主制御部301は、各電極の静電結合を調査するモードになると、接続制御部304を制御し、接続部314の端子322を、端子323および端子324のそれぞれに順次接続させ、最後に接続を解除し、開放状態にする。また、主制御部301は、それらの各状態(端子322が端子323と接続されている状態、端子322が端子324と接続されている状態、および端子322が未接続の状態のそれぞれ)において、信号入力制御部302を制御し、所定時間スイッチをオンに切り替えて信号を印加させる。検出部313は、そのように印加された各信号の信号レベルを検出し、それを保持部303に供給して保持させる。主制御部301は、その保持部303より信号レベルの検出結果を取得すると、それを、制御情報として、切り替え制御部305を介して送信部263に供給する。
図9は、図7の送信部263の詳細な構成例を示すブロック図である。
図9において、送信部263は、送信制御部351、送信信号発生部352、増幅部353、接続部354、および接続制御部355を有している。
送信制御部351は、送信部263内の各部を制御することにより、電極制御部261(の切り替え制御部305)より供給される制御情報に基づいて、電極部262との接続を制御したり、送信信号を出力したりする等の信号送信に関する制御処理を実行する。
送信信号発生部352は、例えば、予め複数種類の送信信号を発生することができるようになされており、送信制御部351により指示された送信情報に応じた送信信号を発生し、それを増幅部353に供給する。増幅部353は、オペアンプ等により構成され、送信制御部351の制御に基づいて、送信信号発生部352より供給される送信信号を増幅し、それを送信信号電極と送信基準電極に供給するために接続部354に供給する。接続部354は、増幅部353の出力端子と電極との接続を切り替える多極スイッチを有している。つまり、接続部354は、接続制御部355の制御に基づいて、増幅部353の出力端子361および出力端子362を、それぞれ、端子363または端子364のいずれか一方(互いに異なる端子)に接続するか、若しくは、両方を未接続にする(開放する)。図9の例の場合、接続部354は、増幅部353の送信信号電極用出力端子361を端子364(電極272)に接続し、送信基準電極用出力端子362を端子363(電極271)に接続している。つまり、この場合、電極271は送信基準電極として作用し、電極272は送信信号電極として作用する。
例えば、信号を送信するモードになると、送信制御部351は、各電極の静電結合を調査するモードにおいて電極制御部261において作成され、供給された制御情報に基づいて、接続制御部355を制御し、接続部354の各端子を接続させて送信信号電極と送信基準電極を決定させる。電極部262との接続が確立すると、送信制御部351は、送信信号発生部352を制御して送信信号を発生させ、増幅部353を制御し、その送信信号を増幅させ、それを、接続部354を介して電極部262より通信媒体280に出力させる。
以上のように、送信装置260は、各電極の静電結合状態に応じて送信信号電極と送信基準電極を切り替えて最適化してから、信号を送信するので、通信媒体となる利用者の人体との位置関係によらず、安定して信号を受信装置に送信することができる。
次に、このような電極の制御に関する処理の流れについて説明する。はじめに、図10のフローチャートを参照して、送信装置260により実行させる送信処理における電極制御処理の流れを説明する。
送信処理が実行されると、主制御部301は、所定のタイミングや処理をきっかけとし、ステップS1において、切り替え制御部305を介して送信部263の送信制御部351を制御し、信号の送信を停止させる。送信制御部351は、主制御部301からの指示に基づいて、送信信号発生部352を制御し、信号の発生を停止させる。
信号の送信が停止されると、主制御部301は、ステップS2に処理を進め、電極部262と送信部263との接続を制御する電極制御処理を実行する。電極制御処理の詳細については後述する。電極制御処理が終了すると、主制御部301は、処理をステップS3に進め、切り替え制御部305を介して送信部263の送信制御部351を制御し、信号の送信を開始させる。送信制御部351は、主制御部301からの指示に基づいて、送信信号発生部352を制御し、信号の発生を開始させる。
信号の送信が終了すると主制御部301は、送信処理を終了する。
以上のように、信号を送信するとともに、各電極の静電結合状態に応じて送信信号電極と送信基準電極を切り替えて最適化するので、主制御部301は、送信装置260と通信媒体280との位置関係によらず、安定して信号を受信装置に送信させることができる。
次に、図10のステップS2において実行される電極制御処理の詳細について図11のフローチャートを参照して説明する。
電極制御処理が開始されると、主制御部301は、ステップS21において、切り替え制御部305を介して、送信部263を制御し、電極と送信部との接続を切断させる。送信部263の送信制御部351は、その制御に基づいて、接続部354の各端子を開放させ、電極部262と送信部263との接続を切断する。
各電極と送信部263との接続が切断されると、主制御部301は、ステップS22において、接続制御部304を介して接続部314を制御し、電極部262と電極制御部261の接続を初期値に設定する。つまり主制御部301は、接続部314を制御し、はじめに調査する電極を検出部313に接続させる。そして、主制御部301は、ステップS23において、信号入力制御部302を制御し、スイッチ312をオン状態にすることにより、信号源311において発生する信号を検出部313に入力させる。その信号は、検出部313および接続部314を介して電極部262の電極に供給される。検出部313は、ステップS24において、負荷抵抗321の両端の電位差を信号レベルとして検出し、その情報を保持部303に供給する。保持部303は、ステップS25において、その電位差の情報を信号レベルとして保持する。
ステップS26において、主制御部301は、全てのパターンで信号レベルを検出したか否かを判定し、検出が完了したと判定した場合、処理をステップS27に進め、検出した信号レベルを保持部303より取得すると、それに基づいて、電極部262の全電極に対し、送信信号電極として使用する電極か、または、送信基準電極として使用する電極かを選定する。例えば、信号レベルが所定の閾値以上の場合、主制御部301は、電極の周囲との間に形成される静電容量が大きいので、通信媒体280が近接していると判定し、その電極を、送信信号電極として選定する。逆に、例えば、信号レベルが所定の閾値より小さい場合、主制御部301は、電極の周囲との間に形成される静電容量が小さいので、その電極は空間と静電結合されていると判定し、その電極を、送信基準電極として選定する。
主制御部301は、ステップS28において、接続制御部304を介して接続部314を制御して全ての端子を開放させ、電極部262と電極制御部261との接続を切断する。そして、主制御部301は、どの電極を送信信号電極または送信基準電極として使用するかを示す送信信号電極と送信基準電極の特定情報を、切り替え制御部305を介して送信部263の送信制御部351に供給する。送信制御部351は、ステップS29において、接続部354を制御し、供給された特定情報に基づいて電極部262の電極と送信部263を接続する。つまり、これにより、電極制御部261の調査に基づいて最適化された方法で電極262が送信部263に接続される。ステップS29の処理が終了すると、主制御部301は、電極制御処理を終了する。
なお、ステップS26において、全てのパターンで信号レベルを検出していない(全ての電極について信号レベルを検出していない)と判定した場合、主制御部301は、ステップS30において、接続制御部304を介して接続部314を制御し、電極部262と電極制御部261の接続パターンを再設定する。すなわち、接続部314は、検出部313に接続されている端子322を、次に調査する電極の端子に接続させる。ステップS30の処理を終了すると、主制御部301は、処理をステップS23に戻し、新たな電極についての処理を実行する。
つまり、電極制御部261の各部は、ステップS23乃至ステップS26、およびステップS30の処理を繰り返し実行して、全ての電極について一つずつ静電結合の状態を調査する。そして全ての電極についての調査が終了すると、主制御部301は、ステップS27以降の処理を行い、電極部262と送信部263の接続を最適化する。
以上のように電極制御処理を行うので、主制御部301は、全ての電極について、送信基準電極として使用するか否か、および、送信信号電極として使用するか否かを特定することができ、送信装置260と通信媒体280との位置関係によらず、安定して信号を受信装置に送信させることができる。
なお、電極部262の電極の数は三つ以上であってもよい。その場合、送信装置260は、接続部354の切り替えによって電極対の選択を制御するようにすることができる。すなわち、この場合、送信装置260は、送信信号電極として使用する電極と、送信基準電極として使用する電極とを互いに区別して特定しなくてもよく、電極部262の電極群のうち、どの複数の電極を送信信号電極および送信基準電極の対とするかを特定すればよい。つまり、この場合、出力端子361と出力端子362は、これらの端子に接続される各電極のうち、通信媒体280に近い方が結果として送信信号電極として作用し、通信媒体280に遠い方が結果として送信基準電極として作用するので、送信基準電極用の出力端子であるか、送信信号電極用の出力端子であるかを区別する必要はない。
また、送信装置260は、複数の電極を送信信号電極として使用するように特定してもよいし、複数の電極を送信基準電極として使用するように特定してもよい。また、送信装置260は、送信信号電極として使用される電極と、送信基準電極として使用される電極とを、それらの数が互いに異なるように特定するようにしてもよい。
以上においては送信装置について説明したが、この送信装置に対応する受信装置の場合も同様に本発明を適応することができる。つまり、受信装置においても、受信装置と通信媒体との位置関係に応じて、受信信号電極および受信基準電極と通信媒体との位置関係が最適となるように、電極と内部回路の接続を切り替える(制御する)ようにすることができる。従って、図6を参照して上述した送信装置における電極の接続制御に関する説明は、受信装置にも適用することができる。また、各電極の配置関係は任意である。さらに、各電極の表面積の大きさ、および形状は任意であり、互いに異なるようにしてももちろんよい。
図12は、そのような受信装置の一実施の形態の内部の構成例を示すブロック図である。
図12において、受信装置370は、送信装置260に対応する装置であり、送信装置260が通信媒体280を介して供給した信号を受信する装置である。受信装置370は、主に、電極制御部371、電極部372、および受信部373を有している。
電極制御部371は、図7に示される送信装置260の電極制御部261に対応する処理部であり、受信部373と電極部372の接続を制御する。つまり、電極制御部371は、電極部372の各電極の静電結合の状態を調査し、受信信号電極として使用する電極と、受信基準電極として使用する電極を特定し、その特定情報を制御情報として受信部373に供給する。電極制御部371の構成や動作は基本的に電極制御部261と同様であり、図7を参照して上述した説明、並びに、図8に示される電極制御部261のブロック図およびその説明は、電極制御部371にも適用することができるので、その説明は省略する。
電極部372は、図7に示される送信装置260の電極部262に対応し、電極部262の場合と同様に、外部と静電結合する、例えば円板状の電極対である電極381および電極382を有している。受信部373は、図7に示される送信装置260の送信部263に対応し、送信処理の代わりに、電極部372を介して信号を受信する処理を行う。
例えば、図12に示されるように、通信経路となる導電性または誘電性を持った通信媒体280が電極381に近づいたとする。このとき、電極382は、自由空間に向かっており、その自由空間となす静電容量Crg395を形成する。これに対して、電極381は通信媒体280が近づいたため、自由空間との静電接合は弱まり、通信媒体280との静電結合が支配的となる。通信媒体280が導体や空気よりも高い誘電率を有する物体の場合、電極381から見える静電容量Cre394は、静電容量Crg395よりも大きくなる。従って、何らかの信号を電極に与え、その経路に取り付けた負荷の信号レベルに大きさによって、負荷の大きさが分かることになる。自由空間の場合には、静電容量が低いため、負荷の信号レベルは低く、導体や誘電体の場合には、静電容量が高いため、負荷の信号レベルはより高くなる。
このように電極からみた静電容量が変化することにより、その電極に対して信号を印加したときに検出される信号レベル(振幅の大きさ)が変化するので、電極制御部371は、電極制御部261の場合と同様に、その信号レベルを検出することにより、電極の状況(通信媒体280が近接されているか否か)を把握することができる。電極制御部371は、このように把握した各電極の状況に応じて受信部373と電極部372の接続を制御する。
なお、図9に示される接続部354の端子接続パターンは、接続例の一つである。実際には、上述したように接続部制御部355に制御されて、図13に示される接続パターンを含む複数の接続パターンで各端子の接続が切り替えられる。
図13は、受信部373の詳細な構成例を示すブロック図である。図13において、受信部373は、受信制御部401、接続制御部402、接続部403、増幅部404、および受信信号取得部405を有している。
受信制御部401は、電極制御部371より供給される制御情報(電極部372の電極群に対して、受信信号電極として使用する電極と、受信基準電極として使用する電極とを特定する特定情報)に基づいて、接続制御部402を介して接続部403を制御し、増幅部404の受信信号電極用端子に接続される端子413を受信信号電極に接続し、増幅部404の受信基準電極用端子に接続される端子414を受信基準電極に接続する。図13の場合、接続部403は、端子413を電極382に接続される端子412に接続し、端子414を電極381に接続される端子411に接続している。すなわち、この場合、電極381が受信信号電極として作用し、電極382が受信基準電極として作用するように接続されている。
受信制御部401は、また、必要に応じて増幅部404を制御し、受信した受信信号を増幅させ、受信信号取得部404に供給させたり、必要に応じて受信信号取得部404を制御し、増幅された受信信号を取得させたりする。
以上のように受信装置370は、送信装置260と同様に電極を制御する。つまり、受信装置370は、図10のフローチャートに示される送信処理の場合と同様に受信処理を行い、信号の受信を停止してから電極制御処理を実行する。そして電極制御処理が終了すると、受信装置370は、信号の受信を再開する。また、受信装置370は、図11のフローチャートに示される電極制御処理の場合と同様に、電極制御処理を行い、各電極に信号を入力し、得られた信号レベルに基づいて、各電極の静電結合の状態を把握し、受信信号電極と受信基準電極を特定する。
以上のように、信号を受信するとともに、各電極の静電結合状態に応じて受信信号電極と受信基準電極を切り替えて最適化するので、主制御部301は、受信装置370と通信媒体280との位置関係によらず、安定して送信装置より伝送される信号を受信させることができる。
なお、この電極制御処理を、通信を行う送信装置260と受信装置370が互いに同期をとりながら実行するようにしてもよい。その場合の処理の流れを図14のフローチャートを参照して説明する。
送信処理を行っていた送信装置260は、はじめに、ステップS41において、送信停止通知信号を受信装置370に送信し、送信処理を停止することを通知する。通知が終了すると、送信装置260は、ステップS42に処理を進め、信号の送信を停止し、ステップS43において、図11のフローチャートを参照して説明した電極制御処理を実行する。
また、受信装置370は、ステップS61において、送信装置260がステップS41において送信した送信停止通知信号を受信すると、ステップS62に処理を進め、信号の受信を停止した後、ステップS63において、図11のフローチャートを参照して説明した電極制御処理を実行する。
ステップS43において電極制御処理を終了し、電極部262と送信部263の接続を最適化すると、送信装置260は、処理をステップS44に進め、信号の送信を開始し、処理を終了する。
また、受信装置370は、電極制御処理を終了し、電極部372と受信部373の接続を最適化すると、処理をステップS64に進め、信号の受信を開始し、処理を終了する。
以上のように、送信装置260および受信装置370は、互いに電極制御処理の実行タイミングを同期させる。これにより、送信装置260および受信装置370は、受信装置370が電極制御処理中に送信装置260が信号を送信するなどの通信の不具合を低減させ、より効率良く、より正確に通信処理を行うことができる。
なお以上において、電極部372は、それぞれ、二つの電極(電極381と電極382)を有するように説明したが、これに限らず、これらの電極の数は三つ以上であってもよい。その場合、受信装置370は、接続部403の切り替えによって電極対の選択を制御するようにすることができる。すなわち、この場合、受信装置370は、受信信号電極として使用する電極と、受信基準電極として使用する電極とを互いに区別して特定しなくてもよく、電極部372の電極群のうち、どの複数の電極を受信信号電極および受信基準電極の対とするかを特定すればよい。つまり、この場合、入力端子413と入力端子414は、これらの端子に接続される各電極のうち、通信媒体280に近い方が結果として受信信号電極として作用し、通信媒体280に遠い方が結果として受信基準電極として作用するので、受信基準電極用の出力端子であるか、受信信号電極用の出力端子であるかを区別する必要はない。また、各電極の配置関係は任意である。さらに、各電極の表面積の大きさ、および形状は任意であり、互いに異なるようにしてももちろんよい。
さらに、受信装置370は、複数の電極を受信信号電極として使用するように特定してもよいし、複数の電極を受信基準電極として使用するように特定してもよい。また、受信装置370は、受信信号電極として使用される電極と、受信基準電極として使用される電極を、それらの数が互いに異なるように特定してもよい。
なお、一つの装置が、上述した送信装置260の機能と受信装置370の機能の両方を有するようにしてももちろんよい。
図15は、図7の送信装置260および図13の受信装置370に対応する、本発明を適用した通信装置の一実施形態の構成例を示すブロック図である。
図15において、通信装置450は、通信媒体280を介した他の通信装置450と、送信装置260および受信装置370の行う通信と同様の通信を双方向に行う装置であり、電極制御部451、電極部452、および通信部453を有している。
電極制御部451は、電極制御部261(図7)や電極制御部371(図12)に対応する処理部であり、電極452と通信部453との接続を制御する。つまり、電極制御部451は、電極部452の各電極の静電結合の状態を調査し、送信信号電極となる電極、受信信号電極となる電極、送信基準電極となる電極、および受信基準電極となる電極を特定し、その特定情報を制御情報として通信部453に供給する。電極制御部451の構成や動作は基本的に電極制御部261や電極制御部371と同様であり、図8に示される電極制御部261のブロック図およびその説明を適用することができるので、その説明は省略する。ただし、電極制御部451の場合、電極部452が四つの電極を有するので、それら四つの電極全てについて静電結合の状態を調査するようになされている。より具体的に説明すると、図8において接続部314は、端子322を端子323または端子324に選択的に接続する一方が2極のスイッチであるように説明したが、端子322が接続を選択する端子の数は電極部の電極の数に相当するので、通信装置450の場合、接続部は、一方が4極のスイッチにより構成される。
電極部452は、図7に示される送信装置260の電極部262に対応し、電極部262の場合と同様に、外部と静電結合する、例えば円板状の電極対を有している。ただし、電極部452の場合、電極461乃至電極464の四つの電極を有している。通信部453は、図7に示される送信装置260の送信部263に対応し、送信処理だけでなく、電極部452を介して信号を受信する処理も行う。すなわち、通信部453は、他の通信装置450と双方向の通信を実現する通信処理を行う。
例えば、図15に示されるように、通信経路となる導電性または誘電性を持った通信媒体280が電極461および電極462に近づいたとする。このとき、電極463は、自由空間に向かっており、その自由空間となす静電容量(電極463と、電極463からの仮想的な無限遠点を表す基準点496−1との間の静電容量)Ccg473を形成する。同様に、電極464も自由空間に向かっており、その自由空間となす静電容量(電極464と、電極464からの仮想的な無限遠点を表す基準点496−2との間の静電容量)Ccg474を形成する。これに対して、電極461および電極462は通信媒体280が近づいたため、自由空間との静電接合は弱まり、通信媒体280との静電結合が支配的となる。通信媒体280が導体や空気よりも高い誘電率を有する物体の場合、電極461から見える静電容量Cce471と、電極462から見える静電容量Cce472は、静電容量Ccg473またはCcg474よりも大きくなる。従って、何らかの信号を電極に与え、その経路に取り付けた負荷の信号レベルに大きさによって、負荷の大きさが分かることになる。自由空間の場合には、静電容量が低いため、負荷の信号レベルは低く、導体や誘電体の場合には、静電容量が高いため、負荷の信号レベルはより高くなる。
このように電極からみた静電容量が変化することにより、その電極に対して信号を印加したときに検出される信号レベル(振幅の大きさ)が変化するので、電極制御部451は、その信号レベルを検出することにより、電極の状況(通信媒体280が近接されているか否か)を把握することができる。電極制御部451は、このように把握した各電極の状況に応じて通信部453と電極部452の接続を制御する。
通信部453は、電極制御部451の制御に基づいて、電極部452の電極461乃至電極462を、それぞれ、送信信号電極、送信基準電極、受信信号電極、または受信基準電極のいずれかとして接続するか、若しくは接続しない。
なお、図13に示される接続部403の端子接続パターンは、接続例の一つである。実際には、上述したように接続部制御部402に制御されて、図13に示される接続パターンを含む複数の接続パターンで各端子の接続が切り替えられる。
図16は、図15の通信部453の詳細な構成例を示すブロック図である。図16に示されるように、通信部453は、通信制御部501、送信信号発生部502、増幅器503、接続制御部504、接続部505、増幅部506、および受信信号取得部507を有している。
すなわち、通信部453は、双方向の通信を行うことができるように、図9に示される送信部263に対応する構成と、図13に示される受信部373に対応する構成の両方を有している。つまり、通信制御部501は図9の送信制御部351と図13の受信制御部401に対応し、電極制御部451より供給される制御情報に基づいて、送信処理および受信処理に関する制御処理を行う。送信信号発生部502は、図9の送信信号発生部352に対応し、通信制御部501に制御されて送信情報に対応する送信信号を生成し、増幅部503に供給する。増幅部503は、図9の増幅部353に対応し、通信制御部501に制御されて、送信信号発生部502より供給される送信信号を増幅し、接続部505に供給する。
接続制御部504は、図9の接続制御部355および図13の接続制御部402に対応し、通信制御部501に制御されて、接続部505の接続を制御する。接続部505は、図9の接続部354および図13の接続制御部402に対応し、増幅部503および増幅部506と電極461乃至電極464との接続を制御する。接続部505は、増幅部503の送信信号電極用端子に接続される端子511、増幅部503の送信基準電極用端子に接続される端子512、増幅部506の受信信号電極用端子に接続される531、および増幅部506の受信基準電極用端子に接続される532を有しており、これらの端子を、それぞれ、電極461に接続される端子521、電極462に接続される端子522、電極463に接続される端子523、または、電極464に接続される端子524のいずれか(互いに異なる端子)に接続する。つまり、接続部505は、電極461乃至電極464を、送信信号電極、送信基準電極、受信信号電極、または受信基準電極のいずれかに割り当てる処理を行う。
増幅部506は、図13の増幅部404に対応し、通信制御部501に制御され、接続部505を介して供給される受信信号を増幅し、それを受信信号取得部507に供給する。受信信号取得部507は、図13の受信信号取得部405に対応し、通信制御部501に制御され、増幅部506より供給される受信信号を取得する。
以上のように電極制御処理を行うので、通信装置450は、全ての電極について、送信基準電極として使用するか否か、送信信号電極として使用するか否か、受信基準電極として使用するか否か、受信信号電極として使用するか否か、または、未接続にするか否かを特定することができ、通信装置450と通信媒体280との位置関係によらず、安定して信号を送受信させることができる。
なお、電極部452の電極の数は五つ以上であってもよい。その場合、通信装置450は、接続部505の切り替えによって電極対の選択を制御するようにすることができる。すなわち、この場合、通信装置450は、送信信号電極として使用する電極と、送信基準電極として使用する電極とを互いに区別して特定しなくてもよく、また、受信信号電極として使用する電極と、受信基準電極として使用する電極とを互いに区別して特定しなくてもよい。通信装置450は、電極部452の電極群のうち、どの複数または一つの電極を信号送信用の電極対とし、どの複数または一つの電極を信号受信用の電極対とするかということを特定すればよい。
また、通信装置450は、信号送信用の電極対と信号受信用の電極対とで電極を共有するようにしてもよい。さらに、通信装置450は、複数の電極を送信信号電極として使用するように特定してもよいし、複数の電極を送信基準電極として使用するように特定してもよいし、複数の電極を受信信号電極として使用するように特定してもよいし、複数の電極を受信基準電極として使用するように特定してもよい。
また、通信装置450は、送信信号電極として使用される電極と、送信基準電極として使用される電極と、受信信号電極として使用される電極と、および受信基準電極として使用される電極とを、それらの数が互いに異なるように特定するようにしてもよい。また、各電極の配置関係は任意である。さらに、各電極の表面積の大きさ、および形状は任意であり、互いに異なるようにしてももちろんよい。
なお、図16に示される接続部505の端子接続パターンは、接続例の一つである。実際には、上述したように接続部制御部504に制御されて、図16に示される接続パターンを含む複数の接続パターンで各端子の接続が切り替えられる。
なお、このような通信装置450は、送信処理や受信処理を上述した送信装置260や受信装置370と同様に行う。従って、通信装置450は、各電極の静電結合状態を調査し、その状態に応じて各電極を、送信信号電極、送信基準電極、受信信号電極、または受信基準電極のいずれかに割り当てる電極制御処理を、図11のフローチャートを参照して説明した場合と同様に実行する。従って、それらの説明は省略する。
なお、通信を行う複数の通信装置450が、上述した送信装置260や受信装置370のように電極制御処理の実行タイミングの同期をとるようにしてもよい。その場合の処理の流れを図17のフローチャートを参照して説明する。
互いに通信を行っている二つの通信装置450の一方(通信装置450−1)が、所定のタイミングまたはイベントをきっかけとして、ステップS81において、通信相手に対して送受信処理の停止を通知する送受信停止通知信号を送信する。その通信装置450−1の通信相手である他方の通信装置450−2は、ステップS101において、その送受信停止通知信号を受信する。通信装置450−2は、ステップS102において、受信した送受信停止通信号に対する応答信号を送信する。
通信装置450−1は、ステップS82において、その応答信号を受信する。応答信号を受信した通信装置450−1は、ステップS83において信号の送受信を停止し、ステップS84において電極制御処理を実行する。この電極制御処理の詳細は、図11のフローチャートを参照して説明した場合と同様であるのでその説明を省略する。電極制御処理を終了すると、通信装置450−1は、ステップS85において信号の送受信を開始し、処理を終了する。
また、応答信号を送信した通信装置450−2は、ステップS103において信号の送受信を停止し、ステップS104において電極制御処理を実行する。この電極制御処理の詳細は、図11のフローチャートを参照して説明した場合と同様であるのでその説明を省略する。電極制御処理を終了すると、通信装置450−2は、ステップS105において信号の送受信を開始し、処理を終了する。
以上のように、通信を行っている通信装置450−1および通信装置450−2が、互いに電極制御処理の実行タイミングを同期させる。これにより、通信装置450は、一方が電極制御処理中に他方が信号を送信するなどの通信の不具合を低減させ、より効率良く、より正確に通信処理を行うことができる。
以上に説明した、各装置における検出部の判定は、あらかじめ比較信号レベルを定めておき、この比較信号レベルよりも高いか低いかで判定を行う方法が考えられる。また、比較信号レベルに近いレベルにある電極は、通信媒体30(例えば、図6の手220)が微妙な位置関係にある可能性があるので、送信部、受信部、および通信部の接続部により、どの電極にも接続しないようにすることによって、他の電極への悪影響を避けることが可能である。
なお、以上に説明した電極制御処理の実行タイミング(すなわち、各電極に割り当てる機能の更新)は、どのようなタイミングであってもよいが、例えば、通信装置450がモバイル機器等として構成され、人体(ユーザ)を通信媒体として通信を行うような場合、ユーザが通信装置450の持ち方を変える等して、ユーザ(通信媒体)と通信装置450(電極)との位置関係が通信中に変化する可能性がある。従って、通信装置450の起動時等のように初期状態だけでなく、通信中においても所定の頻度で繰り返し、電極制御処理を実行する方が望ましい。
例えば、通信装置450が、図18Aに示されるように、送信処理(送信552)や受信処理(受信553または受信555)が行われていない空き時間を利用して(例えば、所定の時間、送信処理や受信処理が行われない場合)、電極制御処理(制御551または制御554)を実行し、送信信号電極、送信基準電極、受信信号電極、または受信基準電極とする電極の割り当てを更新するようにしてもよい。このようにすることにより、通信装置450は、有効に時間を利用して通信を行うことができ、通信効率を向上させることができる。
また、例えば、通信装置450が、図18Bに示されるように、制御561、送信562、受信563や、制御564、送信565、受信566のように、電極制御処理、送信処理、および受信処理を連続して実行し、それを1周期として繰り返し実行するようにしてもよい。例えば、図18Bに示される例の場合、通信装置450は、周期T時間の繰返し周期として、T/3時間ずつ、電極制御処理、送信処理、および受信処理を連続して実行し、さらにその一連の処理を1周期として繰り返し実行する。このようにすることにより、各処理の実行タイミングが固定化されるので、通信装置450は、他の通信装置450との実行タイミングを容易に同期させることができる。
さらに、例えば、通信装置450が、図18Cに示されるように、送信信号を利用して電極制御処理を行うようにしてもよい。その場合、送信処理(送信571または送信574)と電極制御処理(制御572または制御575)は、同時に実行される。受信処理(受信573または受信576)は、それ以外の時間において実行される。この場合、通信装置450は、送信信号を電極に供給する際(すなわち、信号を送信する際)の信号レベルを計測し、その信号レベルに基づいて各電極の静電結合の状態を把握する。このようにすることにより、通信装置450は、処理のステップを簡略化し、負荷を軽減させるとともに、処理実行時間を短縮して繰返し周期を短くすることもできる。
なお、以上において電極制御部261、電極制御部371、および電極制御部451は、いずれも、各電極の静電結合の状態を一つずつ調査するように説明したが、これに限らず、例えば、全電極の静電結合の状態を同時に調査するようにしてもよい。
図19は、その場合の通信装置450の電極制御部451の内部の構成例を示すブロック図である。図19に示される電極制御部451は、図8に示される電極制御部261と検出部613および接続部614が異なる。
検出部613は、スイッチ312と基準点626との間に直列に接続された複数の負荷抵抗621乃至負荷抵抗624を有しており、各抵抗間(4箇所)に接続部614の端子631A乃至端子634Aがそれぞれ接続されており、それらの接続点の電位がそれぞれ保持部303に供給されるようになされている。
負荷抵抗621乃至負荷抵抗625は、いずれの抵抗値も既知である。また、接続部614の端子631A乃至端子634Aは、それぞれ、スイッチ631乃至スイッチ634の一方の端子である。スイッチ631乃至スイッチ634がオン状態になると、端子631A乃至端子634Aは、それぞれ、他方の端子631B乃至端子634Bに接続される。これらの端子631B乃至端子634Bは、それぞれ、電極部452の電極461乃至電極464に接続されている。
従って、例えば、電極461乃至電極464のいずれもが、通信装置450の周囲の空間と静電結合している場合(通信媒体が近接されていない場合)の各静電容量は既知であるので、接続部614の各スイッチがオンされたときの、負荷抵抗621乃至負荷抵抗624のそれぞれの間の電位も既知である。
これに対して、通信媒体が電極に近接されると、その電極の周囲の静電容量が変化するので、検出部613は、それによる負荷抵抗621乃至負荷抵抗624のそれぞれの間の電位変化(信号レベルの変化)を検出し、その検出結果を保持部303に保持させる。主制御部301は、この保持部303に保持される各電極へ入力される信号レベルの変化に基づいて、各電極への機能(送信信号電極、送信基準電極、受信信号電極、または受信基準電極)の割り当てを制御する。
このようにすることにより、複数の電極の静電結合の状態を1回の処理で調査することができるので、通信装置450は、より容易かつ高速にに各電極への機能の割り当てを制御することができる。なお、この時一度に調査する電極の数はいくつであってもよく、通信装置450が有する電極全てであってもよいし、その一部であってもよい。
また、以上においては、一つの検出部を用いて、全ての電極を調査するように説明したが、検出部を複数設けるようにしてもよい。例えば、検出部を電極の数だけ設け、各検出部が互いに異なる電極に接続されるようにしてもよい。その場合、各検出部は、それぞれ、互いに異なる電極に入力された信号(それぞれが対応する電極に入力された信号)を検出する。
以上のように、本発明を適用した通信装置450は、物理的な基準点経路を不要とし、通信信号伝達経路のみによる通信を実現することによって、利用環境の制約を受けない通信環境を実現するだけでなく、各電極への機能の割り当てを制御することにより、通信装置450と、その通信装置450に近接された通信媒体との位置関係に関わらず、安定した通信を行うことができる。
なお、以上において、本発明を適用した通信システムの各装置(送信装置、受信装置、および通信装置)は、所定の電位を基準とする信号を送受信するように説明したが、これに限らず、例えば、互いに位相が反転する二つの信号を二本の伝送路を介して伝送することで、各信号の差分によって表される情報を伝送する差分信号を送受信するようにしてもよい。その場合、通信媒体として、互いに通信を行う各装置間に二つの伝送路が設けられる。また、その場合、送信装置の送信部、受信装置の受信部、および通信装置の通信部は、それぞれ差動回路により構成される。
なお、上述した一連の処理(例えば、電極制御処理等)は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウエアにより実行させることもできる。この場合、例えば、上述した主制御部301は、図20に示されるようなパーソナルコンピュータとして構成されるようにしてもよい。
図20において、パーソナルコンピュータ700のCPU701は、ROM702に記憶されているプログラム、または記憶部713からRAM703にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM703にはまた、CPU701が各種の処理を実行する上において必要なデータなども適宜記憶される。
CPU701、ROM702、およびRAM703は、バス704を介して相互に接続されている。このバス704にはまた、入出力インタフェース710も接続されている。
入出力インタフェース710には、キーボード、マウスなどよりなる入力部711、CRT(Cathode Ray Tube)、LCD(Liquid Crystal Display)などよりなるディスプレイ、並びにスピーカなどよりなる出力部712、ハードディスクなどより構成される記憶部713、モデムなどより構成される通信部714が接続されている。通信部714は、インターネットを含むネットワークを介しての通信処理を行う。また、出力部712には、信号入力制御部302、保持部303、接続制御部304、および切り替え制御部305等も接続され、各部に対して制御情報が出力される。さらに、入力部711には、保持部303が接続され、保持部303に保持されている情報が保持部303より入力される。この情報はCPU701に供給される。
入出力インタフェース710にはまた、必要に応じてドライブ715が接続され、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリなどのリムーバブルメディア721が適宜装着され、それらから読み出されたコンピュータプログラムが、必要に応じて記憶部713にインストールされる。
上述した一連の処理をソフトウエアにより実行させる場合には、そのソフトウエアを構成するプログラムが、ネットワークや記録媒体からインストールされる。
この記録媒体は、例えば、図20に示されるように、装置本体とは別に、ユーザにプログラムを配信するために配布される、プログラムが記録されている磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク(CD-ROM(Compact Disk-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disk)を含む)、光磁気ディスク(MD(Mini-Disk)(登録商標)を含む)、もしくは半導体メモリなどよりなるリムーバブルメディア721により構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに配信される、プログラムが記録されているROM702や、記憶部713に含まれるハードディスクなどで構成される。
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
また、本明細書において、システムとは、複数のデバイス(装置)により構成される装置全体を表すものである。なお、以上において、一つの装置として説明した構成を分割し、複数の装置として構成するようにしてもよい。逆に、以上において複数の装置として説明した構成をまとめて一つの装置として構成されるようにしてもよい。また、各装置の構成に上述した以外の構成を付加するようにしてももちろんよい。さらに、システム全体としての構成や動作が実質的に同じであれば、ある装置の構成の一部を他の装置の構成に含めるようにしてもよい。
本発明を適用した通信システムの一実施形態に係る構成例を示す図である。 図1の通信システムの等価回路の例を示す図である。 図1の通信システムの物理的な構成のモデルの例を示す図である。 本発明を適用した通信システムの一実施形態に係る実際の利用例を示す図である。 本発明を適用した通信システムの一実施形態に係る他の利用例を示す図である。 通信装置の外部の構成例を示す斜視図である。 送信装置の内部の構成例を示すブロック図である。 図7の電極制御部の詳細な構成例を示すブロック図である。 図7の送信部の詳細な構成例を示すブロック図である。 送信処理の流れを説明するフローチャートである。 電極制御処理の流れを説明するフローチャートである。 受信装置の内部の構成例を示すブロック図である。 図12の受信部の詳細な構成例を示すブロック図である。 送受信処理の流れを説明するフローチャートである。 通信装置の内部の構成例を示すブロック図である。 図15の通信部の詳細な構成例を示すブロック図である。 通信処理の流れを説明するフローチャートである。 電極制御処理の実行タイミングの例を説明する図である。 図15の電極制御部の詳細な、他の構成例を示すブロック図である。 本発明の一実施形態を適用したパーソナルコンピュータの構成例を示す図である。
符号の説明
1 通信システム, 10 送信装置, 11 送信信号電極, 12 送信基準電極, 13 送信部, 20 受信装置, 21 受信信号電極, 22 受信基準電極, 23 受信部, 30 通信媒体, 63−1 信号源, 63−2 送信装置内基準点, 64 Cte, 65 Ctg, 66 基準点, 73−1 Rr, 73−2 検出器, 73−3 受信装置内基準点, 74 Cre, 75 Crg, 76 基準点, 117−1 Ctb, 117−2 Cth, 117−3 Cti, 127−1 Crb, 127−2 Crh, 127−3 Cri, 131 Rm, 132 Cm, 133 Rm, 136 基準点, 180 人体, 200 筐体, 211乃至216 電極, 220 手, 260 送信装置, 261 電極制御部,262 電極部, 263 送信部, 301 主制御部, 302 信号入力制御部, 303 保持部, 304 接続制御部, 305 切り替え制御部, 311 信号源, 312 スイッチ, 313 検出部, 314 接続部, 351 送信制御部, 352 送信信号発生部, 353 増幅部, 354 接続部, 355 接続制御部, 370 受信装置, 371 電極制御部, 372 電極部, 373 受信部, 401 受信制御部, 450 通信装置, 451 電極制御部, 452 電極部, 453 通信部, 501 通信制御部, 613 検出部, 614 接続部

Claims (13)

  1. 外部と静電結合する複数の電極を有し、通信媒体を介して通信する通信装置であって、
    通信処理を行う通信処理手段と、
    前記通信処理手段と前記複数の電極を接続する接続手段と、
    前記接続手段を制御して、前記複数の電極のうち、前記通信媒体と静電結合する第一の電極を、前記通信処理手段の第一の端子に接続させ、前記第一の電極と比較して、空間と強く静電結合する第二の電極を、前記通信処理手段の第二の端子に接続させる接続制御手段と
    を備えることを特徴とする通信装置。
  2. 前記接続制御手段は、
    前記複数の電極のそれぞれの周囲との静電結合の状態を調査するための信号が各電極に供給されたときの、前記信号の信号レベルを検出する信号レベル検出手段と、
    前記信号レベル検出手段により検出された前記信号レベルに基づいて、前記複数の電極の前記通信処理手段への接続を制御する制御手段と
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
  3. 前記接続制御手段は、
    前記信号を供給する電極を選択する電極選択手段をさらに備え、
    前記信号レベル検出手段は、前記電極選択手段により選択された前記電極に前記信号が供給されたときの前記信号の信号レベルを検出する
    ことを特徴とする請求項2に記載の通信装置。
  4. 前記接続制御手段は、
    前記信号レベル検出手段により検出される前記信号レベルを、前記電極毎に保持する保持手段をさらに備え、
    前記制御手段は、前記保持手段により保持される前記電極毎の信号レベルに基づいて、前記複数の電極の前記通信処理手段への接続を制御する
    ことを特徴とする請求項2に記載の通信装置。
  5. 前記接続制御手段は、前記信号を全ての前記電極に同時に供給し、
    前記信号レベル検出手段は、全ての電極のそれぞれに対応する前記信号レベルを同時に検出する
    ことを特徴とする請求項2に記載の通信装置。
  6. 前記接続制御手段は、前記複数の電極のそれぞれに接続され、直列に接続された複数の負荷をさらに備え、
    前記信号レベル検出手段は、前記直列に接続された複数の負荷に生ずる信号レベルを検出する
    ことを特徴とする請求項4に記載の通信装置。
  7. 前記接続制御手段は、前記通信処理手段による前記通信処理を停止させてから、前記接続手段の制御を行う
    ことを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
  8. 前記接続制御手段は、前記通信処理手段による前記通信処理の空き時間に、前記接続手段の制御を行う
    ことを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
  9. 前記接続制御手段は、前記通信処理手段による前記通信処理に連続させて、前記接続手段の制御を行う
    ことを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
  10. 前記接続制御手段は、前記通信処理手段に送信処理における送信信号を用いて、前記送信処理と同時に前記接続手段の制御を行う
    ことを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
  11. 前記通信処理手段は、送信出力端子と受信入力端子を備え、
    前記接続制御手段は、前記接続手段を制御して、前記第一の電極を、前記通信処理手段の前記送信出力端子、もしくは前記受信入力端子に接続させる
    ことを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
  12. 外部と静電結合する複数の電極を有し、通信媒体を介して通信する通信装置の通信方法であって、
    通信処理を行う通信処理部を制御する通信制御ステップと、
    前記通信制御ステップの制御により前記通信処理を行う前記通信処理部と前記複数の電極とを接続する接続部を制御して、前記複数の電極のうち、前記通信媒体と静電結合する第一の電極を、前記通信処理部の第一の端子に接続させ、前記第一の電極と比較して、空間と強く静電結合する第二の電極を、前記通信処理部の第二の端子に接続させる接続制御ステップと
    を含むことを特徴とする通信方法。
  13. 外部と静電結合する複数の電極を有し、通信媒体を介して通信する処理をコンピュータに行わせるプログラムであって、
    通信処理を行う通信処理部を制御する通信制御ステップと、
    前記通信制御ステップの制御により前記通信処理を行う前記通信処理部と前記複数の電極とを接続する接続部を制御して、前記複数の電極のうち、前記通信媒体と静電結合する第一の電極を、前記通信処理部の第一の端子に接続させ、前記第一の電極と比較して、空間と強く静電結合する第二の電極を、前記通信処理部の第二の端子に接続させる接続制御ステップと
    を含むことを特徴とするプログラム。
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