JP2006322399A - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 NOX吸蔵還元触媒の吸蔵したNOXの還元浄化を効率的に行う。
【解決手段】 機関1の排気通路2に上流側から順に水素生成触媒9とNOX吸蔵還元触媒7とを配置するとともに、触媒7、9の間の排気通路に排気中の水素成分濃度を検出するH2センサ31を配置する。機関の電子制御ユニット(ECU)30は、触媒7にNOXが所定量吸蔵される毎に機関をリッチ空燃比で運転し、触媒9、7にリッチ空燃比の排気を供給する。水素生成触媒9は、リッチ空燃比の排気が流入すると排気空燃比に応じた量の水素を生成する。ECU30はH2センサ31で検出した排気中の水素成分濃度が予め定めた目標値になるように排気空燃比をフィードバック制御することにより水素生成触媒で生成される水素量を制御する。これにより、NOXの還元浄化時に適切な量の水素成分がNOX吸蔵還元触媒7に供給され、NOXの還元浄化が効率的に行われる。
【選択図】 図1

Description

本発明は内燃機関の排気浄化装置に関し、詳細にはNOX吸蔵還元触媒を用いた内燃機関の排気浄化装置に関する。
流入する排気の空燃比がリーン空燃比のときに排気中のNOX成分を吸蔵し、流入する排気の空燃比が理論空燃比またはリッチ空燃比になったときに排気中の還元成分を用いて吸蔵したNOXを還元浄化するNOX吸蔵還元触媒を用いた内燃機関の排気浄化装置が知られている。(なお、本明細書で使用する「吸蔵」なる語は、吸着と吸収との両方を含む概念として使用している。)
NOX吸蔵還元触媒は、空燃比がリーンのときに排気中のNOX成分を硝酸イオンの形でBaO等の吸蔵材中に吸蔵する。このため、NOX吸蔵還元触媒に吸蔵されたNOX量が増大すると吸蔵材がNOXで飽和してしまいそれ以上排気中のNOXを吸蔵できなくなる。
このため、NOX吸蔵還元触媒を用いた排気浄化装置では、NOX吸蔵還元触媒が吸蔵したNOXが増大する毎に、短時間機関をリッチ空燃比で運転するリッチスパイク操作を行い、NOX吸蔵還元触媒にリッチ空燃比の排気を供給することにより、NOX吸蔵還元触媒が吸蔵したNOXを還元浄化するようにしている(特許文献1参照)。
すなわち、排気空燃比が理論空燃比またはリッチ空燃比になると排気中のCO等の還元成分やHC成分量が急激に増大する。リッチ空燃比雰囲気下でNOX吸蔵還元触媒の吸蔵材から離脱するNOXはこれらのCO、HC等と反応してN2に還元され、これにより、NOX吸蔵還元触媒に吸蔵されたNOX量が低下し、NOX吸蔵還元触媒がリーン空燃比下において再度NOXを吸蔵できるようになる。
ところで、水素はCO等と比較しても高い還元能力を有する。このため、NOX吸蔵還元触媒の吸蔵NOXの還元浄化時にNOX吸蔵還元触媒に適量の水素を供給すると、NOX吸蔵還元触媒の吸蔵したNOXの還元速度が増大し、短時間で効率的にNOXの還元浄化を行うことができることが知られている。
水素は、空燃比がリッチ空燃比のときに機関の燃焼により発生することが知られている。また、通常の機関のリッチ空燃比運転で発生する水素の量は比較的少ないため、別の手段を用いて排気ガスに水素を添加する方法も知られている。
例えば特許文献2には、リッチ空燃比下で排気中のCO、H2O成分などから水素を生成可能な水素生成触媒をNOX吸蔵還元触媒の上流側の排気通路に配置した構成が開示されている。特許文献2の装置では、NOX吸蔵還元触媒の吸蔵したNOXを還元浄化するためにリッチスパイク運転が行われ、機関排気がリッチ空燃比になると水素生成触媒では水素が生成されるようになる。これにより、水素生成触媒の下流側のNOX吸蔵還元触媒には比較的多量の水素を含んだリッチ空燃比の排気が供給されるようになり、吸蔵したNOXが効率的に還元浄化されるようになる。
更に、特許文献3では水素成分の強力な還元剤としての能力を利用して、NOX吸蔵還元触媒のNOX吸蔵能力を判定する方法を開示している。
水素は還元剤としての能力が高いため、NOX吸蔵還元触媒の吸蔵NOX還元浄化時には、触媒に吸蔵されたNOXが残っている間はNOX吸蔵還元触媒に流入した排気中の水素成分はNOXと反応して消費され、NOX吸蔵還元触媒内のNOXの全量が還元されるまでNOX吸蔵還元触媒下流側には流出しない。
このため、NOX吸蔵還元触媒に水素を含んだリッチ空燃比の排気を供給をした場合に、NOX吸蔵還元触媒下流側の排気中に水素の流出が始まった時点は、NOX吸蔵還元触媒の吸蔵したNOXの全量が還元浄化された時点と考えることができる。従って、吸蔵NOXの還元浄化開始時から下流側で水素成分が検出されるようになるまでの時間はNOX吸蔵還元触媒が吸蔵したNOX量に対応しており、この時間が長いほどNOX吸蔵還元触媒が吸蔵したNOX量が多いと判断することができる。
特許文献3では上記を利用して、NOX吸蔵還元触媒の上流側と下流側の排気通路に排気中の水素を検出するH2センサを配置し、吸蔵NOXの還元浄化時に上流側のH2センサで水素が検出されてから下流側のH2センサで水素が検出されるまでの時間差に基づいてNOX吸蔵還元触媒が吸蔵したNOX量の低下の有無(すなわち、NOX吸蔵還元触媒の劣化の有無)を判定している。
特許第2600492号公報 特開2001−252563号公報 特開2002−47919号公報 特開2003−120383号公報
前述したように、NOX吸蔵還元触媒の吸蔵したNOXの還元浄化の際に、NOX吸蔵還元触媒に適量の水素を供給することにより、短時間で効率的なNOXの還元浄化を行うことができる。
ところが、実際に水素を利用してNOX吸蔵還元触媒の吸蔵したNOXの還元浄化を効率的に行うためには、NOX吸蔵還元触媒に供給する水素の量を適切な値に設定する必要がある。
例えば、還元すべきNOXの量に対して供給される水素の量が不足するとNOX吸蔵還元触媒の吸蔵したNOXの還元が不十分になるおそれがある。また、供給する水素の量が過剰であると、過剰な水素生成のためのリッチ空燃比運転により機関の燃料消費量が増大する等の問題が生じ、効率的なNOXの還元浄化が行えない。
上述した特許文献2では、水素生成触媒を用いて水素を生成しNOX吸蔵還元触媒に供給しているものの、NOX吸蔵還元触媒に供給する水素の量や濃度を制御することについては開示も示唆もされていない。
また、特許文献3ではH2センサを使用してはいるものの、単に排気中に水素が存在するか否かの判断のみにH2センサを利用しており、これもNOX吸蔵還元触媒に流入する排気中の水素の量や濃度を制御しようとする思想はない。
このため、例えば特許文献2、3等の従来技術ではNOX吸蔵還元触媒の吸蔵したNOXの還元浄化に水素を利用してはいても、必ずしも効率的なNOX浄化を行うことができない問題がある。
本発明は上記従来技術の問題に鑑み、NOX吸蔵還元触媒の吸蔵したNOXの還元浄化を水素を用いて効率的に行うことを可能とする内燃機関の排気浄化装置を提供することを目的としている。。
請求項1に記載の発明によれば、内燃機関の排気通路に配置した、流入する排気空燃比がリーン空燃比のときに排気中のNOXを吸収、吸着もしくはその両方により吸蔵し、流入する排気空燃比が理論空燃比またはリッチ空燃比のときに吸蔵したNOXを排気中の還元成分を用いて還元浄化するNOX吸蔵還元触媒と、前記NOX吸蔵還元触媒の上流側の排気通路に配置した、流入する排気空燃比がリッチ空燃比のときに排気中の炭化水素または一酸化炭素と水分とから水素を生成する水素生成触媒と、前記水素生成触媒下流側かつNOX吸蔵還元触媒上流側の排気通路に配置され、NOX吸蔵還元触媒に流入する排気中の水素成分濃度を検出するH2センサと、を備え、前記NOX吸蔵還元触媒が吸蔵したNOXを還元浄化すべきときに、前記H2センサで検出した水素成分濃度が予め定めた値になるように、排気空燃比を制御する水素量調整操作を行う、内燃機関の排気浄化装置が提供される。
すなわち、請求項1の発明では水素生成触媒とNOX吸蔵還元触媒との間の排気通路に配置されたH2センサで検出した、NOX吸蔵還元触媒に流入する排気中の水素成分濃度が予め定めた値になるように排気空燃比がフィードバック制御される。
水素生成触媒は排気中の一酸化炭素と水分とから水素を生成するものであり、排気中の一酸化炭素量(濃度)は排気空燃比に応じて変化する。このため、排気空燃比を変化させることにより、水素生成触媒で生成される水素量(濃度)を制御することができる。
本発明では、NOX吸蔵還元触媒に流入する排気中の実際の水素濃度を検出し、この水素濃度が予め定めた最適値になるように水素生成触媒で生成される水素量を制御するため、NOXの還元浄化時には、常にNOX吸蔵還元触媒には最適な量の水素が供給されるようになり、NOX吸蔵還元触媒に吸蔵されたNOXの還元浄化が効率的に行われるようになる。
請求項2に記載の発明によれば、前記水素量調整操作において、前記水素成分濃度が、前記NOX吸蔵還元触媒のNOX吸蔵量に応じて定まる値になるように排気空燃比を制御する、請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置が提供される。
すなわち、請求項2の発明ではNOX吸蔵還元触媒に流入する排気中の水素濃度がNOX吸蔵還元触媒のNOX吸蔵量に応じて定まる値に制御される。これにより、NOX吸蔵還元触媒が吸蔵したNOX量に応じて過不足のない適切な量の水素をNOX吸蔵還元触媒に供給することが可能となり、NOX吸蔵還元触媒に吸蔵されたNOXの還元浄化を効率的に行うことができる。
請求項3に記載の発明によれば、排気空燃比に基づいて、前記水素生成触媒出口における排気中の水素成分濃度の基準値を設定し、前記H2センサで検出した水素成分濃度と前記基準値との差が予め定めた値以上になったときに、前記水素生成触媒が劣化したと判定する、請求項1に記載の排気浄化装置が提供される。
すなわち、請求項3の発明では水素生成触媒出口における水素成分濃度、すなわち水素生成触媒の水素生成量の基準値が排気空燃比に応じて予め定められている。基準値は、劣化していない水素生成触媒が各排気空燃比において生成可能な標準的な水素生成量に対応する水素成分濃度である。水素生成触媒は劣化するにつれて同一条件下であっても生成する水素成分の量が低下する。本発明では、H2センサで検出した水素生成触媒出口における実際の水素成分濃度が、排気空燃比から定まる上記基準値より予め定めた値以上低下した場合には、水素生成触媒が許容できる範囲を超えて劣化したと判断する。
請求項4に記載の発明によれば、前記水素生成触媒が劣化したと判定されたときに、前記水素量調整操作を禁止する、請求項3に記載の内燃機関の排気浄化装置が提供される。
すなわち、請求項4の発明では、水素生成触媒が劣化したと判断された場合には、水素量調整作業を行うことを禁止する。劣化した水素生成触媒を用いたままで水素生成量を目標値に制御しようとすると、排気空燃比が過剰にリッチ側に制御される場合があり、逆に排気エミッションの悪化や燃料消費量の増大を招く場合がある。本発明では、水素生成触媒の劣化時には水素量調整制御は行わず、例えば排気空燃比は予め定めた予め定めた値に固定されるようになる。これにより、水素生成触媒の劣化時の排気エミッションの悪化や燃料消費量の増大が防止される。
各請求項に記載の発明によれば、NOX吸蔵還元触媒の吸蔵したNOXの還元浄化を水素成分を用いて効率的に行うことが可能となる共通の効果を奏する。
以下、添付図面を用いて本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明を自動車用内燃機関に適用した場合の、実施形態の概略構成を説明する図である。
図1において、1は自動車用内燃機関を示す。本実施形態では、機関1は#1から#4の4つの気筒を備えた4気筒ガソリン機関とされ、#1から#4気筒にはそれぞれの気筒の吸気ポートに燃料を噴射する燃料噴射弁111から114が設けられている。本実施形態では、機関1は、リッチ空燃比からリーン空燃比までの広い空燃比範囲での運転が可能であり、運転領域の大部分でリーン空燃比運転を行うリーンバーン機関とされている。
また、本実施形態では#1から#4の気筒は互いに点火時期が連続しないそれぞれ2つの気筒からなる2つの気筒群にグループ分けされている。(例えば、図1の実施形態では、気筒点火順序は1−3−4−2であり、#1、#4の気筒と#2、#3の気筒とがそれぞれ気筒群を構成している。)また、各気筒の排気ポートは気筒群毎に排気マニホルドに接続され、気筒群毎の排気通路に接続されている。
図1において、21aは#1、#4気筒からなる気筒群の排気ポートを個別排気通路2aに接続する排気マニホルド、21bは#2、#4気筒からなる気筒群の排気ポートを個別排気通路2bに接続する排気マニホルドである。本実施形態では、個別排気通路2a、2b上には、三元触媒からなるスタート触媒5aと5bがそれぞれ配置されている。また、個別排気通路2a、2bはスタート触媒下流側で共通の排気通路2に合流している。
共通排気通路2上には、後述する水素生成触媒9と、その下流側にNOX吸蔵還元触媒7と配置されている。
また、図1に31で示すのは、排気通路2のNOX吸蔵還元触媒7入口(水素生成触媒9出口)に配置された、排気中の水素(H2)成分の濃度を検出するH2センサである。
更に、図1に30で示すのは機関1の電子制御ユニット(ECU)である。ECU30は、本実施形態ではRAM、ROM、CPUを備えた公知の構成のマイクロコンピュータとされ、機関1の点火時期制御や燃料噴射制御等の基本制御を行っている。
また、本実施形態では、ECU30は上記の基本制御を行う他に、NOX吸蔵還元触媒7に吸蔵されたNOX量が所定量まで増大する毎に噴射弁111から114の燃料噴射量を増大して、短時間機関をリッチ空燃比で運転するリッチスパイク操作を行い、NOX吸蔵還元触媒7が吸蔵したNOXを脱離させ、還元浄化する。
更に、後述するように本実施形態では、ECU30は上記リッチスパイク操作時に上記H2センサ31で検出したNOX吸蔵還元触媒7入口排気中の水素成分濃度が所定の値になるように、機関1の運転空燃比をフィードバック制御する、水素量調整操作を行う。
これらの制御を行うため、ECU30の入力ポートには、機関の運転状態を表すパラメータとして、図示しない機関吸気マニホルドに設けられた吸気圧センサ33から機関の吸気圧力に対応する信号と、機関クランク軸(図示せず)近傍に配置された回転数センサ35から機関回転数に対応する信号、機関1のアクセルペダル(図示せず)近傍に配置したアクセル開度センサ37から運転者のアクセルペダル踏込み量(アクセル開度)を表す信号、がそれぞれ入力されている他、H2センサ31からNOX吸蔵還元触媒7入口での排気中のH2濃度が入力されている。
また、ECU30の出力ポートは、各気筒への燃料噴射量と燃料噴射時期を制御するために、図示しない燃料噴射回路を介して各気筒の燃料噴射弁111から114に接続されている。
次に、本実施形態のNOX吸蔵還元触媒7について説明する。
本実施形態のNOX吸蔵還元触媒7は、例えばハニカム状に形成したコージェライト等の担体を用いて、この担体表面にアルミナのコーティングを形成し、アルミナ層上に、例えばカリウムK、ナトリウムNa 、リチウムLi 、セシウムCs のようなアルカリ金属、バリウムBa 、カルシウムCa のようなアルカリ土類、ランタンLa 、セリウムCe、イットリウムYのような希土類から選ばれた少なくとも一つの成分と、白金Ptのような貴金属とを担持させたものである。NOX吸蔵還元触媒は流入する排気ガスの空燃比がリーンのときに、排気中のNOX(NO2、NO)を硝酸イオンNO3 -の形で吸蔵し、流入排気ガス中の酸素濃度が低下すると吸蔵したNOXを放出するNOXの吸放出作用を行う。
すなわち、機関1がリーン空燃比で運転されておりNOX吸蔵還元触媒7に流入する排気がリーン空燃比である場合には、排気中のNOX(NO)は例えば白金Pt上で酸化されてNO2になり、更に酸化されて硝酸イオンを生成する。この硝酸イオンは、例えば吸蔵材としてBaOが使用されている場合には吸蔵材中に吸蔵されて酸化バリウムBaOと結合しながら硝酸イオンNO3 -の形で吸蔵材内に拡散する。このため、リーン雰囲気下では排気中のNOXがNOX吸蔵材内に硝酸塩の形で吸蔵されるようになる。
また、流入排気中の酸素濃度が大幅に低下すると(すなわち、排気の空燃比が理論空燃比またはリッチ空燃比になると)、白金Pt上での硝酸イオンの生成量が減少するため、反応が逆方向に進むようになり、吸蔵材内の硝酸イオンNO3 -はNO2の形で吸蔵材から放出されるようになる。この場合、排気中にCOやH2等の還元剤として機能する成分やHC成分(以下、還元成分等)が存在すると白金Pt上でこれらの成分によりNO2が還元される。
NOX吸蔵還元触媒7はリーン空燃比下で上記のようなメカニズムで排気中のNOXを吸蔵材(例えばBaO)中に硝酸イオンの形で吸蔵する。このため、吸蔵材中の硝酸イオン濃度が増大するにつれて新たな硝酸イオンが吸蔵材中に吸蔵されにくくなり、排気中のNOXの浄化率が低下する。そして、NOX吸蔵還元触媒が吸蔵したNOX量がある上限値に到達すると(吸蔵材中の硝酸イオン濃度が増大し、飽和濃度に到達すると)排気中のNOXを全く吸蔵できなくなる。
本実施形態では、ECU30は機関吸気圧、回転数、アクセル開度などの機関運転状態を表すパラメータに基づいて、予め実験等により求めておいた関係を用いて機関1から発生する単位時間当たりのNOX量を推定する。そして、機関発生NOX量のうち所定割合の量をNOX吸蔵還元触媒7に吸蔵されるNOX量として一定時間毎に積算する。この積算値(NOXカウンタと称する)はNOX吸蔵還元触媒7に吸蔵されたNOX量に対応する値となる。
ECU30は更に、このNOXカウンタが所定値に到達する毎に機関1を短時間リッチ空燃比で運転してNOX吸蔵還元触媒7にリッチ空燃比の排気を供給するリッチスパイク操作を実行することにより、NOX吸蔵還元触媒7から吸蔵したNOXを脱離させるとともに脱離したNOXを排気中の還元成分により還元浄化する。これにより、NOX吸蔵還元触媒7は常にNOX吸蔵量が比較的低い状態でNOXを吸蔵するようになるため、NOX吸蔵還元触媒のNOX浄化率を高く維持することが可能となる。
なお、上記のようにNOXカウンタを用いてNOX吸蔵還元触媒7のNOX吸蔵量を推定する代わりに、NOX吸蔵還元触媒7下流側の排気通路に排気中のNOX濃度を検出するNOXセンサを配置し、下流側排気中のNOX濃度が所定値まで増大したときに(すなわち、NOX吸蔵還元触媒7のNOX吸蔵量が増大したためにNOX吸蔵還元触媒7のNOX浄化能力が低下し、NOX吸蔵還元触媒7に吸蔵されずに三元触媒下流側に到達するNOX成分が増大したと判断されるときに)上記リッチスパイクを実行するようにしても良い。
上記のように、リッチスパイク操作を実行するこによりNOX吸蔵還元触媒7に吸蔵されたNOXを還元浄化し、NOX吸蔵還元触媒7のNOX吸蔵能力を回復することができる。
しかし、例えばNOX吸蔵能力の大きい高吸蔵量タイプのNOX吸蔵還元触媒を使用した場合などでは、吸蔵したNOX量が多いため吸蔵NOXの全量を還元浄化するためには比較的長時間を要する場合がある。この場合、リッチスパイク操作では機関空燃比を理論空燃比またはリッチ空燃比で運転するため、リッチスパイク操作を長時間行うと機関の燃料消費量が増大してしまう問題がある。
一方、リッチスパイク操作時にNOX吸蔵還元触媒に水素成分を供給すると、NOX吸蔵還元触媒に吸蔵されたNOXの脱離、還元速度が大幅に高くなり、HC、COなどを用いた場合に較べて大幅に短い時間でNOXの還元浄化を行うことが可能であることが知られている。
本実施形態では、NOX吸蔵還元触媒7の上流側排気通路に水素生成触媒9を配置しリッチスパイク操作時にNOX吸蔵還元触媒7に水素を供給することにより、短時間で効率的なNOXの還元浄化を行っている。
本実施形態の水素生成触媒9は、例えば流入する排気の空燃比がリッチ空燃比のときに、水性ガスシフト反応(CO+H2O→CO2+H2)、或いは水蒸気改質(HC+H2O→CO2+H2)により、排気中の一酸化炭素や炭化水素などから水素を生成する触媒である。
水素生成触媒75としては、例えば酸性質担体またはゼオライト担体上に白金Ptを担持させたものが使用される。
NOX吸蔵還元触媒7に吸蔵されたNOXの還元浄化のためにリッチスパイク操作が行われると、水素生成触媒9にはリッチ空燃比の排気が流入する。排気空燃比がリッチ空燃比になると、排気中のCO、HC等の成分量が増大するため、水素生成触媒9上では上述の水性ガスシフト反応や水蒸気改質反応により、水素(H2)が生成されるようになる。
このため、水素生成触媒9を通過した排気には比較的多量の水素成分が含まれるようになる。
水素は還元能力が高いため、NOX吸蔵還元触媒に吸蔵された硝酸イオンを白金Pt成分を介さずに短時間でN2に還元することができる。このため、リッチスパイク操作時に同じリッチ空燃比の排気をNOX吸蔵還元触媒に供給する場合でも、排気中のHC、CO成分を水素成分に転換してからNOX吸蔵還元触媒に供給することにより短時間で効率的なNOXの還元が可能となる。
ところが、この場合NOX吸蔵還元触媒に供給する水素成分の量が問題となる。
例えば、本来NOX吸蔵還元触媒7に吸蔵されたNOX量が多い場合には還元に必要とされる水素成分量も多くなるが、本実施形態ではリッチスパイク操作はNOX吸蔵還元触媒の吸蔵NOX量が所定量に到達する毎に実行されるため、リッチスパイク操作中には一定量の水素成分をNOX吸蔵還元触媒7に供給する必要がある。
ところが、水素生成触媒9の生成する水素成分量は流入する排気空燃比に応じて変化するため、NOX吸蔵還元触媒7に供給される水素成分量もリッチスパイク操作中に機関の運転状態などに応じて変化する場合がある。
図2は、排気空燃比と水素生成触媒9におけるH2の生成量との関係を模式的に示す図である。水素生成触媒におけるH2生成量は、図2に示すように空燃比がリッチになるにつれて(空燃比が低くなるにつれて)ほぼ直線的に増大する変化を示す。
このため、リッチスパイク操作時には排気空燃比がリッチ空燃比範囲にあっても空燃比が変化すると水素生成触媒9で生成される水素成分量は大きく異なってくる。従って、リッチスパイク操作時の排気空燃比によっては、NOX吸蔵還元触媒のNOX吸蔵量に対してH2の供給量が不足してしまい、吸蔵NOXの還元浄化に長時間を要したり、逆に水素生成触媒9で本来必要な量以上の過剰なH2を生成してしまい機関の燃料消費量が増大するような問題が生じるのである。
本実施形態では、NOX吸蔵還元触媒7の入口に配置したH2センサ31により検出した排気中のH2濃度が予め定めた値になるように排気空燃比を制御することにより、リッチスパイク操作時にNOX吸蔵還元触媒7の吸蔵したNOXを還元するのに過不足のない量の水素を生成するようにしている。
本実施形態のH2センサ31としては、例えば水素のみに特異的に感応するPd/Ni合金をセンサーとして使用する形式のもの等を使用することができる。
この種のH2センサは、例えば「H2scan」の商品名で株式会社豊田マイクロシステム(東京都)から市販されているが、本実施形態で使用可能なセンサはこれに限定されるものではなく、排気中のH2濃度を応答性良好に連続モニターできるものであれば形式を問わず使用可能である。
図3は、本実施形態におけるリッチスパイク操作時の水素量調整の詳細を示すフローチャートである。
本操作は、ECU30により一定時間毎に実行されるルーチンとして行われる。
図3の操作が開始されると、ステップ301ではフラグXの値が1に設定されているか否かが判定される。Xはリッチスパイク操作実行可否を示すフラグであり、別途ECU30により一定時間毎に実行される図示しないリッチスパイク実行要否判定操作により、NOX吸蔵還元触媒7のNOX吸蔵量が所定値に到達したと判定されたときに1に設定され、図3のリッチスパイク操作が完了したときにゼロにリセットされる。
なお、本実施形態では、前述したようにNOXカウンタの値を用いて、又はNOX吸蔵還元触媒7下流側にNOXセンサを配置してNOX吸蔵還元触媒7から流出する排気中のNOX濃度を監視することにより、NOX吸蔵還元触媒7のNOX吸蔵量を推定しているが、他の適宜な方法を用いてリッチスパイク実行要否を判定しても良い。
ステップ301でリッチスパイク操作実行の必要なしと判定された場合(X≠1)には、次にステップ317に進み、機関の燃料噴射量FINをFINCに設定する。FINCは、別途ECU30により行われる図示しない燃料噴射量演算操作により、機関運転状態(アクセル開度、機関回転数など)に基づいて算出される通常運転(リッチスパイク操作実行中以外の運転)における燃料噴射量である。
一方、ステップ301でリッチスパイク操作実行が必要と判定された場合(すなわちX=1であった場合)には、ステップ303が実行され、機関の燃料噴射量FINは、通常運転時の燃料噴射(FINC)に較べて所定量FRだけ増量される。後述するように、増量値FRは、図3の操作が実行される毎にNOX吸蔵還元触媒7に流入する排気中の水素成分濃度HRに応じて増減されるが、リッチスパイク実行開始時にはFRの初期値は機関空燃比をリッチ空燃比にするのに十分な適宜な値として設定されている。
ステップ303で燃料噴射量FINを設定後、ステップ305ではNOX吸蔵還元触媒7に流入する排気中の水素成分濃度の目標値HR0が設定される。
そして、ステップ307ではNOX吸蔵還元触媒7入口側排気通路に配置したH2センサ31により、NOX吸蔵還元触媒7入口排気中の水素成分濃度HRを検出し、ステップ309から315では検出した水素成分濃度HRがステップ305で設定した目標値HR0に対して予め定めた範囲(HR±α)内になるように燃料噴射量の増量値FRが増減補正される。
図2で説明したように、水素生成触媒9で生成される水素成分量は排気空燃比に応じてほぼ直線的に増減する。そこで、ステップ309から311では、検出したH2濃度が目標値HRよりα以上高い場合には(ステップ309)、FRを一定量ΔFだけ減量して空燃比を増大することにより水素の生成量を低下させ(ステップ311)、逆にHRよりα以上低い場合には(ステップ313)、FRを一定量ΔFだけ増量して空燃比を低下させることにより、水素の生成量を増大させる。
αは制御のハンチングを防止するための不感帯に相当する適宜な小さい値である。
これにより、リッチスパイク操作時にはNOX吸蔵還元触媒7に流入する排気中の水素成分濃度HRは、目標値HR0近傍に維持されるようになる。
次に、本実施形態における水素成分濃度目標値HR0の設定について説明する。
前述したように、リッチスパイク操作実行時にはNOX吸蔵還元触媒7の吸蔵したNOXの全量を還元浄化可能な量の水素成分を、NOX吸蔵還元触媒に過不足なく供給することが好ましい。
本実施形態では、リッチスパイク操作はNOX吸蔵還元触媒7の吸蔵したNOX量が所定の値まで増大したときに実行されるため、リッチスパイク操作中に必要とされる水素成分の合計量はほぼ一定となる。
また、上記の量の水素成分量をNOX吸蔵還元触媒7に供給するために必要とされる排気中の水素成分濃度(H2濃度)は、排気流量とリッチスパイク操作の継続時間とにより定まる。
すなわち、単位時間当たりにNOX吸蔵還元触媒に供給される水素成分量は、排気流量に排気中のH2濃度を乗じた値に比例する。また、リッチスパイク操作中にNOX吸蔵還元触媒7に供給される水素成分の合計量は、更に上記の量にリッチスパイク操作継続時間を乗じた値に対応する。
本実施形態では、例えばリッチスパイク操作継続時間は予め一定の値に設定されている。この場合には、単位時間当たりに必要とされる水素成分量は必要とされる水素成分合計量をリッチスパイク操作継続時間で除した値となる。このため、目標H2濃度HR0は、単位時間当たりに必要とされる水素成分量を排気流量で除した値として定まる。
本実施形態では、リッチスパイク操作期間中に必要とされる水素成分量を供給するために必要とされるH2濃度HR0と排気流量との関係を予め求めてあり、ECU30のROMに排気流量毎の必要水素濃度HR0が数値テーブルの形で格納されている。
また、吸入空気量は、排気流量とほぼ等しいため、ステップ305では機関の吸入空気量Gを用いて、上記した数値テーブルから必要とされるH2濃度(目標H2濃度)HR0を算出する。
なお、吸入空気量GはECU30により別途実行される図示しない演算操作により、吸気圧センサ33で検出した吸気管圧力と回転数センサ35で検出した機関回転数とに基づいて算出される。
ところで、NOX吸蔵還元触媒の吸蔵可能なNOX量(NOX吸蔵能力)はNOX吸蔵還元触媒が劣化するにつれて低下する。このため、リッチスパイク操作を開始するNOX吸蔵量もNOX吸蔵還元触媒の劣化(NOX吸蔵能力の低下)に応じて変更することが好ましい。このため、例えば前述の特許文献3に記載されたように、NOX吸蔵還元触媒7下流側の排気通路にもH2センサを設け、上流側に配置したH2センサ31が排気中の水素成分の存在を検出した時期(リッチスパイク操作開始時期)とNOX吸蔵還元触媒7下流側に配置したH2センサが排気中の水素成分の存在を検出した時期(NOX吸蔵還元触媒に吸蔵されたNOXの全量が還元された時期)との時間差に基づいてNOX吸蔵還元触媒の劣化(NOX吸蔵能力の低下)を検出し、検出結果に応じてリッチスパイク操作を開始するNOX吸蔵量を低減することも可能である。
この場合、リッチスパイク操作開始時のNOX吸蔵還元触媒のNOX吸蔵量が触媒の劣化とともに小さくなるのに応じて、リッチスパイク操作期間中に必要とされる水素成分量(すなわち、NOX吸蔵還元触媒に吸蔵されたNOXの全量を還元浄化するのに必要とされる水素成分量)も少なくなる。
従って、この場合には、図3ステップ305で目標H2濃度HR0を設定する際に、上記リッチスパイク操作開始時のNOX吸蔵還元触媒のNOX吸蔵量(NOX吸蔵還元触媒の劣化)を考慮して、目標H2濃度HR0を設定するようにすることも(すなわち、HR0をNOX吸蔵還元触媒のリッチスパイク操作開始時のNOX吸蔵量、またはNOX吸蔵還元触媒の劣化程度に応じて低減するようにすることも)可能である。
次に、図4を用いて本発明の図3とは別の実施形態について説明する。
本実施形態では、水素生成触媒9の劣化状態を判定し、更に判定した劣化状態が所定の程度を越えた場合には図3のH2濃度に基づく空燃比制御を禁止するようにしている。
水素生成触媒は、図2に示すように排気空燃比がリッチ空燃比になったときに空燃比に応じた量の水素を生成する。しかし、水素生成触媒も使用とともに劣化し、劣化の程度が進むにつれて同一のリッチ空燃比であっても生成する水素成分量は低下する。
すなわち、水素生成触媒が劣化してくるとリッチ空燃比排気中のCO、HCのうちH2に転換されないものの割合が増大する。
このため、例えば図3の水素量調整操作のようにH2センサ31出力に基づいて排気空燃比をフィードバック制御していると、H2生成触媒が劣化した場合には目標H2濃度を維持するために過度に空燃比がリッチ側に制御されてしまうようになり、燃料消費量が増大するとともに排気中のHC、CO成分が増大し、その一部がNOX吸蔵還元触媒で消費されずにNOX吸蔵還元触媒を通過するためリッチスパイク操作時の排気エミッションが悪化する問題が生じる。
そこで、本実施形態では水素生成触媒9の劣化の有無を判定し、劣化が認められない場合には図3と同様な水素量調整操作を行うものの、水素生成触媒9に劣化が認められる場合には、図3の水素量調整操作の実行を禁止するようにしている。
図4は、本実施形態の上述した水素量調整操作を具体的に説明するフローチャートである。本操作はECU30により一定時間毎に実行されるルーチンとして行われる。
図4の操作がスタートすると、ステップ401ではリッチスパイク操作実行可否判定フラグXの値が1にセットされているか否かが判定される。ステップ401の操作は、図3ステップ301の操作と同一であり、ステップ401でX≠1であった場合(リッチスパイク操作を実行しない場合)には、機関の燃料噴射量FINがFINCに設定される(ステップ409)点も図3ステップ317と同様である。
しかし、本実施形態では、ステップ401でX=1(リッチスパイク操作実行要)であった場合には、次にステップ403に進み水素生成触媒9の劣化の有無を示す劣化判定フラグYの値が1にセットされているか否かを判定する点が図3の実施形態と相違している。劣化判定フラグYは、後述する劣化判定操作(図5)で、水素生成触媒9が劣化したと判定されたときに1に、正常と判定されたときに0に、それぞれセットされるフラグである。
ステップ403でY=0であった場合、すなわち水素生成触媒9が正常であった場合には、次にステップ405が実行される。
ステップ405は、実際には複数のステップをまとめて表示してあり、図3のステップ303から315の一連の操作と同一の操作を表している。これにより、水素生成触媒9が正常である場合には、本実施形態においても図3と同一の水素量調整操作が行われるようになる。
一方、ステップ403でY=1(劣化)であった場合には、ステップ405(図3、ステップ303から315)の操作は行わず、ステップ407が実行され、機関の燃料噴射量は通常の値FINCに対してFR0だけ増量される。
FR0は、機関の排気空燃比を所定のリッチ空燃比に維持するだけの燃料増量値である。すなわち、本実施形態では、水素生成触媒9が劣化していると判断された場合には、リッチスパイク操作時の排気空燃比は一定のリッチ空燃比に維持され、H2センサ31の出力に基づく空燃比のフィードバック制御は禁止される。
次に、図5は図4のステップ403で使用される劣化判定フラグYの値を設定する劣化判定操作を示すフローチャートである。図5の操作も、ECU30により一定時間毎に実行されるルーチンとして行われる。
図5の操作では、まずステップ501で現在の排気空燃比A/Fが算出される。空燃比A/Fは、例えば排気通路に空燃比を検出する空燃比センサを備えている場合には空燃比センサ出力に基づいて、空燃比センサを備えていない場合には燃料噴射FINと吸入空気量Gとを用いて、それぞれ算出される。
ステップ501でA/Fを算出後、ステップ503では現在の空燃比A/Fに対応する排気H2濃度(標準H2濃度)HRTが算出される。標準H2濃度HRTは、例えば図2に示した正常な水素生成触媒の水素生成量と排気空燃比との関係を用いて、現在の排気空燃比から求めた水素生成量と、現在の排気流量(吸気流量G)とに基づいて算出される。
ついで、ステップ505では、H2センサ31で検出したNOX吸蔵還元触媒7入口(水素生成触媒9出口)のH2濃度が読み込まれ、ステップ507では標準H2濃度HRTと実際のH2濃度HRとの差が許容値βを越えているか否かが判定される。
βは、水素生成触媒下流側でのH2濃度標準値HRTに対して実際の運転上許容可能なH2濃度の低下幅であり、実験などにより設定することが好ましい。
ステップ507でHRT−HR>βであった場合には、水素生成触媒9の劣化が大きく、水素生成量の低下が許容範囲を越えていると判断されるため、ステップ509に進み劣化判定フラグYの値を1(劣化)にセットする。また、HRT−HR≦βであった場合には、水素生成触媒9は実用上問題になる程は劣化していないため、ステップ511で劣化判定フラグYの値は0(正常)にセットされる。
本実施形態では、上記のように水素生成触媒の劣化の有無を判断し(図5)、水素生成触媒が劣化したと判定された場合には、H2センサ31出力に基づく空燃比のフィードバック制御を禁止(図4ステップ407)することにより、機関燃料消費量の増大やリッチスパイク操作時の排気エミッションの悪化を防止することが可能となっている。
本発明を自動車用内燃機関に適用した場合の、実施形態の概略構成を説明する図である。 水素生成触媒の水素生成量と排気空燃比との関係を模式的に示す図である。 本発明の水素量調整操作の一例を説明するフローチャートである。 本発明の水素量調整操作の図3とは別の例を説明するフローチャートである。 水素生成触媒の劣化判定操作を説明するフローチャートである。
符号の説明
1 機関本体
2 排気通路
5a、5b スタート触媒
7 NOX吸蔵還元触媒
9 水素生成触媒
30 ECU(電子制御ユニット)
31 H2センサ

Claims (4)

  1. 内燃機関の排気通路に配置した、流入する排気空燃比がリーン空燃比のときに排気中のNOXを吸収、吸着もしくはその両方により吸蔵し、流入する排気空燃比が理論空燃比またはリッチ空燃比のときに吸蔵したNOXを排気中の還元成分を用いて還元浄化するNOX吸蔵還元触媒と、
    前記NOX吸蔵還元触媒の上流側の排気通路に配置した、流入する排気空燃比がリッチ空燃比のときに排気中の炭化水素または一酸化炭素と水分とから水素を生成する水素生成触媒と、
    前記水素生成触媒下流側かつNOX吸蔵還元触媒上流側の排気通路に配置され、NOX吸蔵還元触媒に流入する排気中の水素成分濃度を検出するH2センサと、
    を備え、
    前記NOX吸蔵還元触媒が吸蔵したNOXを還元浄化すべきときに、前記H2センサで検出した水素成分濃度が予め定めた値になるように、排気空燃比を制御する水素量調整操作を行う、内燃機関の排気浄化装置。
  2. 前記水素量調整操作において、前記水素成分濃度が、前記NOX吸蔵還元触媒のNOX吸蔵量に応じて定まる値になるように排気空燃比を制御する、請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  3. 排気空燃比に基づいて、前記水素生成触媒出口における排気中の水素成分濃度の基準値を設定し、前記H2センサで検出した水素成分濃度と前記基準値との差が予め定めた値以上になったときに、前記水素生成触媒が劣化したと判定する、請求項1に記載の排気浄化装置。
  4. 前記水素生成触媒が劣化したと判定されたときに、前記水素量調整操作を禁止する、請求項3に記載の内燃機関の排気浄化装置。
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