JP4059189B2 - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の排気浄化装置に関し、詳細には流入する排気の空燃比がリーンのときに排気中のNOXを吸着、吸収またはその両方により吸蔵し、流入する排気の空燃比がリッチのときに排気中の還元成分を用いて吸蔵したNOXを還元浄化するNOX吸蔵還元触媒を備えた内燃機関の排気浄化装置に関する。
この種のNOX吸蔵還元触媒を用いた内燃機関の排気浄化装置としては、例えば特許文献1に記載されたものがある。
NOX吸蔵還元触媒は吸蔵したNOX量が増大するにつれて、触媒に流入する排気中のNOXのうちNOX吸蔵還元触媒に吸蔵されずに触媒を通過するNOXの量が増大する。また、NOX吸蔵還元触媒には吸蔵可能な最大NOX量(飽和NOX量)が存在し、NOX吸蔵還元触媒のNOX吸蔵量が飽和NOX量まで増大するとNOX吸蔵還元触媒はそれ以上排気中のNOXを吸蔵できなくなり、排気中のNOXは触媒に吸蔵されることなくそのまま触媒を通過して下流側に排出されるようになるため、NOX浄化率が低下する。
特許文献1の装置では、これを防止するためにリーン排気を供給している間、NOX吸蔵還元触媒の吸蔵したNOX量(NOX吸蔵量)を推定し、推定したNOX吸蔵量が予め定めた量に到達する毎に、NOX吸蔵還元触媒にリッチ空燃比の排気を供給し、吸蔵したNOXを還元浄化する再生操作を行っている。再生操作を行うことにより、NOX吸蔵還元触媒のNOX吸蔵量はほぼゼロまで減少し、触媒のNOX浄化率が回復する。
特許文献1では、上記のNOX吸蔵量の推定に際してNOXカウンタを使用した推定を行っている。
すなわち、特許文献1では、機関がリーン空燃比で運転されている時に回転数、負荷などの機関運転条件に基づいて機関の単位時間当たりNOX発生量を推定し、この単位時間当たりNOX発生量に所定の割合を乗じた値をNOXカウンタ増分として算出する。そして、単位時間毎にNOXカウンタの値を上記カウンタ増分だけ増大させている。特許文献1の装置では、上記操作によりリーン空燃比運転中にNOX吸蔵還元触媒が吸蔵したNOX量に対応する量だけNOXカウンタが増大するようにしている。
また、特許文献1の装置ではリッチ排気をNOX吸蔵還元触媒に供給してNOX吸蔵還元触媒の再生操作を行う際に、NOX吸蔵還元触媒の温度やNOXの浄化の際に還元剤として働く排気中の未燃HC、CO等(以下、「還元剤成分等」と言う)の量等の再生操作の条件に基づいて単位時間当たりにNOX吸蔵還元触媒から放出されるNOX量を推定する。そして、この値を単位時間当たりのNOXカウンタ減量分として用い、再生操作実行中に単位時間毎にNOXカウンタの値を上記減量分だけ低減する。
これにより、NOXカウンタの値はNOX吸蔵中、再生操作中を問わず実際のNOX吸蔵量に対応することとなり、実際のNOX吸蔵量に対応した適切なタイミングで再生操作を実行することが可能となる。
特開平7−139340号公報 特開2000−38942号公報 特開2000−110616号公報
特許文献1の装置では、NOX吸蔵還元触媒からのNOXの放出速度がNOX吸蔵還元触媒の温度や再生操作時の排気中の還元剤成分等の条件に応じて変化することに着目し、再生操作時のNOXカウンタの減少速度を一律に設定するのではなく上記再生条件に応じて変化させており、それによってNOXカウンタの値がより正確に実際のNOX吸蔵量を表すようにしている。
ところが、特許文献1の装置では、機関のリーン空燃比運転中にNOX吸蔵還元触媒が単位時間当たりに吸蔵するNOX量は機関が単位時間毎に発生するNOX量に所定の割合を乗じた値として設定しており、排気中のNOX量のうちNOX吸蔵還元触媒に吸蔵されるNOX量をNOX浄化率と定義するなら、リーン空燃比運転中にはNOX吸蔵還元触媒のNOX浄化率は一定であると仮定している。
しかし、後に詳述するように、NOX吸蔵還元触媒が吸蔵可能なNOX量(飽和NOX量)は触媒に流入する排気中のNOX成分濃度に大きく影響を受けて変化することがその後の研究で判明している。飽和NOX量が増大した場合には、同一のNOX吸蔵量であっても触媒にはNOXが吸蔵されやすくなる。この結果、飽和NOX量が増大すると流入するNOX量が同一であり、しかも触媒のNOX吸蔵量が同一であっても単位時間当たりにNOX吸蔵還元触媒に吸蔵されるNOX量(NOX吸蔵速度)は大きくなる。また、逆に流入排気のNOX濃度が低下すると、流入するNOX量と触媒のNOX吸蔵量が同一であってもNOX吸蔵還元触媒の飽和NOX量は小さくなる。
このため、特許文献1の装置のようにリーン空燃比ではNOX吸蔵還元触媒のNOX浄化率を一律に設定していると、推定したNOX吸蔵量が実際の吸蔵量と異なる値になり、真のNOX吸蔵量に応じた適切な再生操作を実行することが困難になる問題が生じ、NOX吸蔵量の増大により未浄化NOXが触媒下流に排出される場合もある。
本発明は上記従来技術の問題に鑑み、より正確にNOX吸蔵還元触媒のNOX吸蔵量を推定することにより、NOX吸蔵還元触媒のNOX吸蔵能力低下による未浄化NOXの排出を未然に防止するとともに、NOX吸蔵還元触媒のNOX吸蔵状態に応じた適切な再生操作を実行することを可能とする内燃機関の排気浄化装置を提供することを目的としている。
請求項1に記載の発明によれば、流入する排気の空燃比がリーンのときに排気中のNOXを吸着、吸収またはその両方により吸蔵し、流入する排気の空燃比がリッチのときに排気中の還元成分を用いて吸蔵したNOXを還元浄化するNOX吸蔵還元触媒と、機関の運転状態に基づいて、前記NOX吸蔵還元触媒に吸蔵されたNOX量を推定する推定手段とを備えた内燃機関の排気浄化装置であって、更に、前記NOX吸蔵還元触媒に流入する排気中のNOX成分濃度を検出するNOX濃度検出手段と、前記NOX濃度検出手段で検出したNOX吸蔵還元触媒入口NOX成分濃度に基づいて、前記推定手段の推定したNOX吸蔵量を補正する補正手段と、を備えた、内燃機関の排気浄化装置が提供される。
請求項2に記載の発明によれば、前記推定手段は、前記NOX濃度検出手段で検出したNOX吸蔵還元触媒入口NOX成分濃度が増大した場合には、前記推定手段の推定したNOX吸蔵量を増大補正する、請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置が提供される。
請求項3に記載の発明によれば、前記推定手段は、前記NOX濃度検出手段で検出したNOX吸蔵還元触媒入口NOX成分濃度が減少した場合には、前記推定手段の推定したNOX吸蔵量を減少補正する、請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置が提供される。
すなわち、請求項1から3の発明では、推定手段は、例えば特許文献1と同様なNOXカウンタ等を用いて機関の運転状態に基づいてNOX吸蔵還元触媒のNOX吸蔵量を推定する。しかし前述のように、実際にはNOX吸蔵還元触媒のNOX吸蔵量は機関の運転状態(NOX発生量、空燃比等)に基づいただけでは一律に算出することはできず、排気中のNOX成分濃度に応じて変化する。
例えば、触媒に流入する排気中のNOX濃度が高くなると、それにつれてNOX吸蔵還元触媒が吸蔵可能なNOX量(飽和NOX量)も増大し、NOX吸蔵還元触媒は排気中のNOXを吸収しやすくなり、単位時間当たりに吸蔵されるNOX量が増大する。このため、他の条件が同一でも排気中のNOX濃度が高くなるとNOX吸蔵量は他の場合より大きくなる。
また、逆に流入排気中のNOX濃度が低くなると、それにつれて触媒の飽和NOX量は小さくなりNOX吸蔵還元触媒にNOXが吸蔵されにくくなる。このため、流入排気中のNOX濃度が低くなると、他の条件が同一でも単位時間当たりにNOX吸蔵還元触媒に吸蔵されるNOXの量が低下し、触媒に吸蔵されずに通過するNOX量が増大する。すなわち、排気中のNOX濃度が低下するとNOX吸蔵還元触媒のNOX吸蔵量の増大速度は低下するとともに出口排気中のNOX量は増大する。
従って、NOXカウンタ等を用いてNOX吸蔵還元触媒のNOX吸蔵量を推定する際には流入排気のNOX成分濃度を考慮せずにNOX吸蔵速度を一律に設定していると、推定した吸蔵量と実際の吸蔵量との間に差が生じてしまう。
請求項1から3の発明では、推定手段が推定した推定吸蔵量を流入排気のNOX濃度に基づいて、たとえばNOX濃度が高いときには吸蔵量の増大速度が大きく、NOX濃度が低いときには増大速度が小さくなるように補正する。これにより、NOXカウンタの値は現在吸蔵されているNOX量に正確に対応するようになる。
請求項4に記載の発明によれば、更に、前記補正後のNOX吸蔵量推定値が予め定めた値以上になったときに、NOX吸蔵還元触媒にリッチ空燃比の排気を供給する再生手段を備えた、請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置が提供される。
すなわち、請求項4の発明では請求項1から3の方法でNOX吸蔵還元触媒のNOX吸蔵量を推定し、この推定値が所定の値以上になったときに再生操作を行う。このように、正確なNOX吸蔵量の推定値に基づいて再生操作を行うことにより、NOX吸蔵還元触媒のNOX吸蔵量は常に正確に所定値以下に維持されるようになり、NOX吸蔵量の増大によるNOX吸蔵還元触媒の浄化能力の低下が確実に防止される。
請求項5に記載の発明によれば、流入する排気の空燃比がリーンのときに排気中のNOXを吸着、吸収またはその両方により吸蔵し、流入する排気の空燃比がリッチのときに排気中の還元成分を用いて吸蔵したNOXを還元浄化するNOX吸蔵還元触媒を備えた内燃機関の排気浄化装置であって、前記NOX吸蔵還元触媒に流入する排気中のNOX成分濃度を検出するNOX濃度検出手段と、NOX吸蔵還元触媒に流入する排気の空燃比を検出する空燃比検出手段とを備え、前記空燃比検出手段で検出した排気空燃比が、予め定めた特定リーン空燃比領域内に移行したときに、前記NOX濃度検出手段により検出されたNOX成分濃度が低下した場合には、前記NOX吸蔵還元触媒に流入する排気空燃比を前記特定リーン空燃比領域外の空燃比に変更する、内燃機関の排気浄化装置が提供される。
請求項6に記載の発明によれば、前記特定リーン空燃比領域は、理論空燃比から空燃比20までの空燃比領域である、請求項5に記載の内燃機関の排気浄化装置が提供される。
すなわち、請求項5と6に記載の発明では流入排気空燃比が特定のリーン空燃比領域に入り、しかも流入排気中のNOX成分濃度が低下したときには空燃比を上記特定のリーン空燃比領域外の空燃比に変更する。
特定の空燃比領域、例えば理論空燃比から20程度の空燃比領域では機関のNOX発生量が増大し触媒に流入する排気中のNOX成分量が増大する。また、この領域では排気中の還元成分等の量は少ないためNOX吸蔵還元触媒上では排気中のNOXを浄化することはできない。従って、この空燃比領域の排気が流入したときに、NOX吸蔵還元触媒がNOXを吸蔵しにくい状態になっていると排気中のNOXの大部分が触媒に吸蔵されず未浄化のままで触媒下流側に流出してしまう可能性がある。
また、前述のようにNOX吸蔵還元触媒の飽和NOX量は流入排気のNOX濃度が高いほど大きいため、NOX成分濃度が低下するとNOX吸蔵還元触媒は排気中のNOXを吸蔵しにくくなる。
このため、特定空燃比領域での運転とNOX成分濃度の低下とが同時に生じると比較的多量のNOXが未浄化のまま触媒を通過してしまう可能性が高くなる。
このため、請求項5と請求項6との発明では流入排気の空燃比が特定のリーン空燃比領域内に移行したときに、流入排気のNOX成分濃度が低下した場合には、排気空燃比を前記特定リーン空燃比領域外の空燃比、例えば理論空燃比やリッチ空燃比に変更することにより未浄化のNOXが触媒下流側に排出されること防止している。
各請求項に記載の発明によれば、より正確にNOX吸蔵還元触媒のNOX吸蔵量を推定することにより、NOX吸蔵還元触媒のNOX吸蔵量の増大による未浄化NOXの排出を未然に防止するとともに、NOX吸蔵還元触媒のNOX吸蔵状態に応じた適切な再生操作を実行することを可能とする共通の効果を奏する。
以下、添付図面を用いて本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明を自動車用内燃機関に適用した場合の、実施形態の概略構成を説明する図である。
図1において、1は自動車用内燃機関を示す。本実施形態では、機関1は#1から#4の4つの気筒を備えた4気筒ガソリン機関とされ、#1から#4気筒には直接気筒内に燃料を噴射する燃料噴射弁111から114が設けられている。後述するように、本実施形態の内燃機関1は、理論空燃比より高い(リーンな)空燃比で運転可能なリーンバーンエンジンとされている。
また、本実施形態では#1から#4の気筒は互いに点火時期が連続しない2つの気筒からなる2つの気筒群にグループ分けされている。(例えば、図1の実施形態では、気筒点火順序は1−3−4−2であり、#1、#4の気筒と#2、#3の気筒とがそれぞれ気筒群を構成している。)また、各気筒の排気ポートは気筒群毎に排気マニホルドに接続され、気筒群毎の排気通路に接続されている。
図1において、21aは#1、#4気筒からなる気筒群の排気ポートを個別排気通路2aに接続する排気マニホルド、21bは#2、#4気筒からなる気筒群の排気ポートを個別排気通路2bに接続する排気マニホルドである。本実施形態では、個別排気通路2a、2b上には、三元触媒からなるスタートキャタリスト(以下「SC」と呼ぶ)5aと5bがそれぞれ配置されている。また、個別排気通路2a、2bはSC下流側で共通の排気通路2に合流している。
共通排気通路2上には、後述するNOX吸蔵還元触媒7をケーシングに収納したコンバータ70が配置されている。
また、図1に31で示すのは、排気通路2のコンバータ70入口側に配置された、排気中のNOX成分の濃度を検出するNOXセンサである。
更に、図1に30で示すのは機関1の電子制御ユニット(ECU)である。ECU30は、本実施形態ではRAM、ROM、CPUを備えた公知の構成のマイクロコンピュータとされ、機関1の点火時期制御や燃料噴射制御等の基本制御を行っている。また、本実施形態では、ECU30は上記の基本制御を行う他に後述するように機関運転状態に応じてNOXカウンタを積算するとともに、NOXセンサ31で検出したコンバータ70入口の排気NOX成分濃度に基づいて、上記NOXカウンタの積算値を補正することにより、NOX吸蔵還元触媒7のNOX吸蔵量を推定するNOX吸蔵量推定操作を行う。
また、ECU30は、リーン空燃比運転中に上記推定したNOX吸蔵量が予め定めた所定値に到達する毎に筒内噴射弁111から114の燃料噴射量を変更して、短時間機関をリッチ空燃比で運転するリッチスパイク操作を行う。
これらの制御を行うため、ECU30の入力ポートには、図示しない機関吸気マニホルドに設けられた吸気圧センサ33から機関の吸気圧力に対応する信号と、機関クランク軸(図示せず)近傍に配置された回転数センサ35から機関回転数に対応する信号、機関1のアクセルペダル(図示せず)近傍に配置したアクセル開度センサ37から運転者のアクセルペダル踏込み量(アクセル開度)を表す信号、がそれぞれ入力されている他、NOXセンサ31からNOX吸蔵還元触媒7入口での排気NOX濃度が入力されている。
また、ECU30の出力ポートは、各気筒への燃料噴射量と燃料噴射時期を制御するために、図示しない燃料噴射回路を介して各気筒の燃料噴射弁111から114に接続されている。
次に、本実施形態のNOX吸蔵還元触媒7について説明する。
本実施形態のNOX吸蔵還元触媒7は、例えばハニカム状に形成したコージェライト等の担体を用いて、この担体表面にアルミナのコーティングを形成し、アルミナ層上に、例えばカリウムK、ナトリウムNa 、リチウムLi 、セシウムCs のようなアルカリ金属、バリウムBa 、カルシウムCa のようなアルカリ土類、ランタンLa 、セリウムCe、イットリウムYのような希土類から選ばれた少なくとも一つの成分と、白金Ptのような貴金属とを担持させたものである。NOX吸蔵還元触媒は流入する排気ガスの空燃比がリーンのときに、排気中のNOX(NO2、NO)を硝酸イオンNO3 -の形で吸収し、流入排気ガス中の酸素濃度が低下すると吸収したNOXを放出するNOXの吸放出作用を行う。
例えば、機関1がリーン空燃比で運転されNOX吸蔵還元触媒7に流入する排気がリーン空燃比である場合には、排気中のNOX(NO)は例えば白金Pt上で酸化されてNO2になり、更に酸化されて硝酸イオンを生成する。この硝酸イオンは、例えば吸収剤としてBaOが使用されている場合には吸収剤中に吸収されて酸化バリウムBaOと結合しながら硝酸イオンNO3 -の形で吸収剤内に拡散する。このため、リーン雰囲気下では排気中のNOXがNOX吸収剤内に硝酸塩の形で吸蔵されるようになる。
また、流入排気中の酸素濃度が大幅に低下すると(すなわち、排気の空燃比が理論空燃比またはリッチ空燃比になると)、白金Pt上での硝酸イオンの生成量が減少するため、反応が逆方向に進むようになり、吸収剤内の硝酸イオンNO3 -はNO2の形で吸収剤から放出されるようになる。この場合、排気中にCOやH2等の還元剤として機能する成分やHC成分(以下、還元成分等)が存在すると白金Pt上でこれらの成分によりNO2が還元される。
ところで、NOX吸蔵還元触媒が吸蔵可能なNOX量には上限(飽和NOX量)が存在する。また、流入排気中のNOXのうちNOX吸蔵還元触媒に吸蔵されるものの割合、すなわちNOXの浄化率はNOX吸蔵還元触媒内に吸蔵されたNOX量が増大するにつれて、すなわち触媒のNOX吸蔵量が飽和NOX量に近づくにつれて低下し、未浄化のまま触媒を通過するNOXの割合が増加する。そして、NOX吸蔵量が飽和NOX量に到達するとNOX吸蔵還元触媒は全くNOXを吸蔵することができなくなり、流入する排気中のNOXはその全量が未浄化のまま触媒を通過するようになる。
本実施形態では、NOX吸蔵量の増大によるNOX浄化率の低下を防止するために、以下に説明する方法でNOX吸蔵還元触媒の吸蔵したNOX量を推定し、この推定NOX吸蔵量が予め定めた値に到達する毎に機関1を短時間リッチ空燃比で運転するリッチスパイク操作(再生操作)を行う。これにより、NOX吸蔵還元触媒にはリッチ空燃比の排気が供給され、NOX吸蔵還元触媒からは吸蔵NOXが放出され、還元浄化される。この再生操作によりNOX吸蔵還元触媒のNOX吸蔵量は低下するため、触媒のNOX浄化率が回復する。
しかし、適切なタイミングで再生操作を行うためには、NOX吸蔵還元触媒が吸蔵したNOX量を正確に推定する必要がある。
本実施形態では、以下に説明する方法でNOX吸蔵還元触媒の吸蔵NOX量を推定している。
すなわち、本実施形態では、ECU30はまず、前述の特許文献1に記載されたと同様な方法でNOXカウンタの値を増減することによりNOX吸蔵還元触媒7が吸蔵しているNOX量を推定する。NOX吸蔵還元触媒7に単位時間当たりに吸収されるNOXの量はNOX吸蔵還元触媒に単位時間当たりに流入する排気中のNOX量、すなわち機関1で単位時間当たりに生成されるNOX量に比例すると考えられる。一方、機関で単位時間当たりに発生するNOXの量は機関の運転条件、例えば機関負荷(燃料噴射量)と回転数とによって定まるため、機関運転条件が定まればNOX吸蔵還元触媒に吸蔵されるNOX量を知ることができる。
本実施形態では、予め機関運転条件(機関負荷、回転数)を変えて機関が単位時間当たりに発生するNOX量(すなわち、NOX吸蔵還元触媒7に単位時間当たりに流入するNOX量)を実測し、例えば機関負荷(燃料噴射量)と機関回転数とを用いた数値マップの形でECU30のROMに格納している。
ECU30は一定時間毎(上記の単位時間毎)に機関負荷(燃料噴射量)と機関回転数とからこのマップを用いて単位時間当たりにNOX吸蔵還元触媒に流入するNOX量を算出し、この流入NOX量に所定の割合を乗じた値として単位時間当たりのNOX吸蔵量を算出する。
この単位時間当たりのNOX吸蔵量をNOXカウンタに加算することによりNOXカウンタの値は常にNOX吸蔵還元触媒7に吸収されているNOXの量を表すようになるはずである。
ところが、実際にはこのように単にNOX発生量に所定の割合を乗じた量のNOXがNOX吸蔵還元触媒に吸蔵されると仮定していると、実際に吸蔵されるNOX量を正確に推定することができないことが判明している。
すなわち、上記のようにNOX発生量に所定の割合を乗じた量のNOXが単位時間内に吸蔵されると仮定した場合には、NOX発生量が同一であれば常に同一速度でNOX吸蔵量が増大することになる。しかし、実際には触媒のNOX浄化率はNOX吸蔵還元触媒が吸蔵可能な最大NOX量(飽和NOX量)と実際のNOX吸蔵量とにより定まる。しかも、後述するように飽和NOX量は触媒に流入する排気のNOX成分濃度に応じて増減する。
このため、たとえNOX発生量(触媒に流入するNOX量)と触媒のNOX吸蔵量が同一であったとしても、流入排気中のNOX濃度が変化すると、触媒のNOX吸蔵速度は変化してしまい、上記したように流入排気中のNOX濃度にかかわらずNOXの吸蔵速度を一定と仮定していると推定したNOX吸蔵量が実際の値から大きく外れてしまう場合が生じるのである。
流入排気中のNOX濃度によりNOX吸蔵還元触媒の吸蔵可能な最大NOX量(飽和NOX量)が変化する理由は現在のところ明確には解明できていないが、触媒内部と外部のNOX濃度平衡のためではないかと考えられる。
すなわち、NOX吸蔵還元触媒のNOX吸蔵メカニズムで説明したように、排気中のNOXがNOX吸蔵還元触媒に吸蔵されるためには、NOXが白金Pt上で酸化されて硝酸イオンとなり、この硝酸イオンが吸収剤BaO等と結合しながらNO3 -の形で吸収剤内に拡散する必要がある。
しかし、白金Pt上の硝酸イオンが吸収剤BaOに吸収されるため、また吸収剤BaO表層に吸収された硝酸イオンが吸収剤内部に拡散するためには白金Pt上と吸収剤BaOの表層、及び吸収剤BaO表層と内部との間に硝酸イオンの濃度勾配が生じている必要がある。
例えば、白金Pt上の硝酸イオン濃度が一定に維持されたとすると、硝酸イオンは吸収剤BaOに吸収され、その表層から内部に拡散する。しかし、吸収を続けると次第に吸収剤BaO表層の硝酸イオン濃度が上昇し白金Pt上の硝酸イオン濃度との間の濃度差が縮小するため、白金Ptから吸収剤BaOに硝酸イオンが移動しにくくなる。また、更に吸収剤BaO表層と白金Pt上の硝酸イオンの濃度差が縮小すると、硝酸イオンは白金Ptから吸収剤に移動しなくなる。すなわち、この状態では局所的にNOX吸蔵還元触媒が吸蔵NOXで飽和した状態になり、排気中のNOXを吸蔵できなくなるのである。そして、このときのNOX吸蔵量が飽和NOX量に相当する。
しかし、この局所的な飽和状態が生じていても白金Pt上の硝酸イオン濃度が更に上昇した場合には、白金Ptと吸収剤BaOとの間には再度硝酸イオンの濃度差が生じ、硝酸イオンが白金Ptから吸収剤BaOに移動するようになる。
すなわち、白金Pt上に生成される硝酸イオンの濃度は排気中のNOX濃度に比例すると考えられるため、NOX吸蔵還元触媒の飽和NOX量は触媒に流入する排気のNOX濃度に応じて増大するのである。
図2は、触媒入口のNOX濃度とNOX吸蔵還元触媒の飽和NOX量との実測結果の一般的傾向を示す図である。図2に示すように、触媒入口排気NOX濃度が増大するにつれて飽和NOX量も概略直線的に増大する。
上述のように、NOX吸蔵還元触媒の飽和NOX量は流入排気のNOX濃度に応じて変化するが、単位時間内にNOX吸蔵還元触媒に吸蔵されるNOX量も白金Pt上の硝酸イオン濃度と吸収剤BaO表層の硝酸イオン濃度との差が大きいほど大きくなる。このため、NOX吸蔵量(吸収剤BaO表層のNOX濃度)が同一であっても、流入排気のNOX濃度が高いほどNOX吸蔵速度は大きくなるのである。
従って、例えば機関がNOX発生量同一の状態でリーン空燃比運転されていた場合に排気NOX濃度が上昇したとすると、NOX吸蔵還元触媒のNOX吸蔵速度は増大しNOX濃度が上昇する前よりNOX吸蔵量の増大速度は大きくなる。
また、逆に排気NOX濃度が低下した場合にはNOX吸蔵還元触媒のNOX吸蔵速度は低下するようになる。また、この場合にはNOX濃度低下前に飽和NOX量近くまでNOX吸蔵量が増大していた場合には、排気NOX濃度の低下による飽和NOX量の低下のために、飽和NOX量を越えた分の吸蔵NOXが触媒から放出されるようになる。
本実施形態では、上記を考慮して触媒に流入する排気のNOX濃度の増減に応じてNOXカウンタの値を補正することにより、正確にNOX吸蔵量を推定することを可能としている。
図3は、本実施形態におけるNOX吸蔵量推定操作を説明するフローチャートである。
図3の操作はECU30により一定時間間隔で実効されるルーチンとして行われる。
図3の操作では、まずステップ301で機関負荷(燃料噴射量)と機関回転数とが読み込まれる。本実施形態では燃料噴射量は、ECU30により別途実行される燃料噴射量算出操作により、アクセル開度センサ37で読み込んだアクセル開度と回転数センサ35で読み込んだ機関回転数とから、予めECU30のROMに格納された数値マップを用いて算出される。
次いでステップ303では、現在機関がリーン空燃比で運転されているか否かがステップ301で読み込んだ機関負荷、回転数から判定される。機関の運転空燃比は、機関負荷(燃料噴射量)と機関回転数とを用いた数値マップの形でECU30のROMに格納されている。ステップ303で現在機関がリーン空燃比運転されていない場合(すなわち、リッチまたは理論空燃比運転されている場合)には、NOX吸蔵還元触媒7のNOX吸蔵量は増大することはないため、ステップ305以下の操作は実行しないままで今回の操作は直ちに終了する。
ステップ303で現在機関がリーン空燃比運転されていた場合には、次にステップ305に進み、ステップ301で読み込んだ機関負荷と回転数とに基づいて、NOX吸蔵還元触媒に単位時間当たりに流入するNOX量(g/秒)(すなわち、機関のNOX発生量)が算出される。
機関のNOX発生量NAは、予め実際の機関を回転数と負荷を変えて運転し排気中のNOX量を計測することにより求められており、NOX発生量と機関負荷、回転数との関係は、図4に示すグラフ(または数値マップ)の形でECU30のROMに格納されている。
図4に示すように、NOX発生量NAは、機関回転数が高くなるほど、また機関負荷が高くなるほど増大する。
そして、ステップ307ではNOXカウンタCTの値が、ステップ305で算出したNOX発生量NAに所定の比率K(K<1)を乗じた値だけ増大される。
NOXカウンタCTは、NOX吸蔵還元触媒7のNOX吸蔵量に対応する値として用いられるが、ステップ307で算出したNOXカウンタCTの値は単に機関のNOX発生量に所定の比率を乗じた値を積算する事によって求められているため、前述したように流入排気中のNOX濃度変化による飽和NOX量の変化を考慮していない。
そこで、図3の操作ではステップ309から319でNOXカウンタCTの値を流入排気NOX量に基づいて補正する操作を行う。
すなわち、ステップ309では触媒流入排気中のNOX濃度NRがNOXセンサ31から読み込まれ、ステップ311では本操作を前回実行したときよりNOX濃度NRが上昇したか否かが判定される。ステップ311において、NRi-1は前回本操作を実行したときにNOXセンサ31で検出した触媒流入排気中のNOX濃度である。また、αは検出誤差や微少な変動などによる誤判定を防止するための不感帯設定用の定数であり、比較的小さい値に設定されている。
ステップ311で、NR≧NRi-1+αであった場合、すなわち前回より触媒流入排気中のNOX濃度が上昇している場合には、前回よりNOX吸蔵還元触媒7の飽和NOX量が増大しているため単位時間当たりにNOX吸蔵還元触媒7に吸蔵されるNOX量もステップ307で加算されたK・NAより増大しているはずである。そこで、この場合にはステップ313に進み、補正量ΔCTを所定の一定値β(β>0)に設定する。そして、ステップ319で、ステップ307で算出されたNOXカウンタCTの値にΔCTを加算する補正を行う。
また、ステップ311で、NR<NRi-1であった場合、すなわちNOX濃度NRが増大していない場合には、ステップ315に進み、触媒流入排気NOX濃度NRが前回より低下しているか否かが判定される。NRi-1及びαはステップ311で使用したものと同一である。
ステップ317で、NR≦NRi-1−α、すなわち触媒流入排気NOX濃度NRが前回より低下していた場合にはステップ317に進み、補正量ΔCTの値を−βに設定してステップ319でCTにΔCTを加算する。
これにより、前回よりNOX濃度が上昇している場合にはNOXカウンタCTの値がβだけ増大補正され、低下している場合にはβだけCTの値が減少補正される。
なお、ステップ311、315でNOX濃度が上昇も低下もしていない場合、すなわち、NRi-1−α<NR<NRi-1+αであった場合には、ΔCTの値は前回設定されたものを使用してステップ319の補正を行う。これにより、排気中のNOX濃度が上昇すると、次にNOX濃度が低下するまではNOXカウンタの値は増大補正されるようになり、補正後のNOXカウンタの値は流入排気中のNOX濃度の変化にかかわらず正確にNOX吸蔵還元触媒のNOX吸蔵量を表すようになる。
ステップ321、323は上記により推定したNOX吸蔵還元触媒のNOX吸蔵量に基づく再生操作実行要否の判断操作である。本実施形態では、上記により算出した補正後のNOXカウンタの値が予め定めた判定値CT0に到達する毎にリッチスパイク操作を行ってNOX吸蔵還元触媒を再生する。
すなわち、ステップ321でNOXカウンタCTの値が、CT≧CT0になった場合には、ステップ323に進みフラグRSの値を1にセットする。フラグRSの値が1にセットされると、別途ECU30により実行されるリッチスパイク操作により、所定の時間機関がリッチ空燃比で運転され、NOX吸蔵還元触媒7にはリッチ空燃比の排気が供給される。また、所定時間のリッチスパイク操作が終了すると、NOXカウンタCT及びその補正量ΔCTの値はゼロにセットされ、再度図3のNOX吸蔵量の推定操作が開始される。
なお、上記実施形態ではリッチスパイク操作は一定時間行われ、その後NOXカウンタCTとその補正量ΔCTとの値は共にゼロにリセットされるが、前述の特許文献1の装置のように、リッチスパイク時のNOXカウンタCTをNOX吸蔵還元触媒温度やリッチスパイク操作中の排気中の過剰HC、CO成分量に応じた速度で減少させ、NOXカウンタの値が0になった時点でリッチスパイク操作を終了するようにしても良い。
またステップ313と317とでは補正量ΔCT=βは一定値に設定されているが、NOX濃度の変化が大きければそれだけNOX吸蔵還元触媒の飽和NOX量の変化も大きくなるため、例えばNOX濃度の変化量が大きいほどβの値を大きく設定する等のようにNOX濃度の変化幅に応じてNOXカウンタ補正量ΔCTの値を設定するようにしても良い。
上述のように、本実施形態では触媒流入排気のNOX濃度に応じてNOXカウンタの値を補正することによりNOX吸蔵還元触媒7のNOX吸蔵量を正確に推定し、更に推定したNOX吸蔵量に応じてNOX吸蔵還元触媒の再生操作を行っている。これにより、触媒のNOX吸蔵状態に応じた適切な再生操作を行うことが可能となる。
ところで、上記のように適切な再生操作を実行していても特定の条件下ではNOX吸蔵還元触媒7から流出するNOX量が増大する場合がある。例えば、機関が理論空燃比から空燃比20程度までの空燃比領域(いわゆる弱リーン空燃比領域)で運転されているような場合には、機関のNOX発生量は他の空燃比領域における発生量よりかなり増大する。
このため、機関の運転空燃比が上記の弱リーン空燃比領域に移行したときに、NOX吸蔵還元触媒のNOX飽和量が低下した場合には、比較的多量のNOXが触媒を未浄化のまま通過する場合がある。従って、NOX吸蔵還元触媒のNOX飽和量が低下する状況下、言い換えれば流入排気中のNOX濃度が低下するときには、上記弱リーン空燃比領域での機関の運転は避けることが好ましい。
そこで、本実施形態では図3の操作とは別に、触媒流入排気のNOX濃度に基づいて弱リーン空燃比運転の回避、すなわちNOX排出を防止制御を行っている。
図5は、本実施形態の上記したNOX排出防止制御操作を説明するフローチャートである。本操作は、ECU30により一定時間毎に実行されるルーチンとして行われる。
図5の操作では、ステップ501で機関負荷(燃料噴射量)、回転数などの機関運転条件が読み込まれ、ステップ503では現在の目標空燃比AFTが設定される。現在の目標空燃比は、ステップ501で読み込んだ機関運転条件に基づいて予め定めた関係に基づいて設定される。
そして、ステップ505ではステップ503で算出された現在の目標空燃比AFTが、特定空燃比範囲γ〜δに入っているか否かが判定される。空燃比γ及びδはそれぞれ理論空燃比と20程度の空燃比に相当する空燃比であり、γ〜δは前述の弱リーン空燃比領域である。
ステップ505で、現在空燃比が弱リーン空燃比領域に入っていない場合には、NOX排出防止操作を行う必要はないので、そのまま今回の操作を終了する。
ステップ505で、現在の目標空燃比AFTが弱リーン領域にあった場合には、次にステップ507で、前回の本操作実行時の目標空燃比AFTi-1が弱リーン空燃比領域よりリーンな空燃比であったか否か(すなわち、AFTi-1>δか否か。ここで、δ≒20。)が判定される。
ステップ507でAFTi-1>δであった場合には、すなわち、NOX吸蔵還元触媒は前回の操作までNOXを吸蔵しており、NOX吸蔵量が比較的多くなっている可能性がある。そこで、この場合にはステップ509に進み、現在の触媒流入排気のNOX濃度NRをNOXセンサ31から読み込み、ステップ511では、前回本操作実行時から排気NOX濃度が低下したか否かを判断する。
ステップ511で、前回から排気NOX濃度が低下していた場合(NR<NRi-1−α)には、機関運転空燃比が前回本操作実行時のリーン空燃比から今回実行時に弱リーン空燃比領域に移行し、しかも流入排気のNOX濃度が低下しているため、未浄化のNOXがNOX吸蔵還元触媒下流に流出しやすい状況になっている。
従って、この状態での弱リーン空燃比領域運転は回避する必要があるため、この場合にはステップ513でステップ503で設定された目標空燃比AFTを理論空燃比相当の空燃比AFSTに書き換えて今回の操作を終了する。
なお、ステップ505、507、511のいずれか1つでも条件が成立しなかった場合には、ステップ503で設定した目標空燃比AFTは書き換えられることなくそのまま使用される。
図5の操作が行われ、ステップ503またはステップ513で目標空燃比AFTが設定されると、別途ECU30により実行される燃料噴射量設定操作では、設定された目標空燃比AFTが得られる量に各気筒の燃料噴射弁からの燃料噴射量が設定される。
これにより、排気空燃比がリーン空燃比から弱リーン空燃比領域に移行し、しかも触媒流入排気中のNOX濃度が低下した場合には排気空燃比が理論空燃比になるように機関の燃料噴射量が調節されるため、NOX吸蔵還元触媒から未浄化のNOXが下流側に流出することが防止される。
本発明を自動車用内燃機関に適用した場合の、実施形態の概略構成を説明する図である。 NOX吸蔵還元触媒の飽和NOX量の触媒入口NOX濃度による変化の一般的傾向を示す図である。 NOX吸蔵量推定操作の一例を説明するフローチャートである。 機関運転条件によるNOX発生量の変化を説明する図である。 NOX排出防止制御操作の例を説明するフローチャートである
符号の説明
1…機関本体
2…排気通路
7…NOX吸蔵還元触媒
9…三元触媒
30…ECU(電子制御ユニット)
31…NOXセンサ
70…コンバータ

Claims (6)

  1. 流入する排気の空燃比がリーンのときに排気中のNOXを吸着、吸収またはその両方により吸蔵し、流入する排気の空燃比がリッチのときに排気中の還元成分を用いて吸蔵したNOXを還元浄化するNOX吸蔵還元触媒と、
    機関の運転状態に基づいて、前記NOX吸蔵還元触媒に吸蔵されたNOX量を推定する推定手段とを備えた内燃機関の排気浄化装置であって、
    更に、前記NOX吸蔵還元触媒に流入する排気中のNOX成分濃度を検出するNOX濃度検出手段と、
    前記NOX濃度検出手段で検出したNOX吸蔵還元触媒入口NOX成分濃度に基づいて、前記推定手段の推定したNOX吸蔵量を補正する補正手段と、
    を備えた、内燃機関の排気浄化装置。
  2. 前記推定手段は、前記NOX濃度検出手段で検出したNOX吸蔵還元触媒入口NOX成分濃度が増大した場合には、前記推定手段の推定したNOX吸蔵量を増大補正する、請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  3. 前記推定手段は、前記NOX濃度検出手段で検出したNOX吸蔵還元触媒入口NOX成分濃度が減少した場合には、前記推定手段の推定したNOX吸蔵量を減少補正する、請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  4. 更に、前記補正後のNOX吸蔵量推定値が予め定めた値以上になったときに、NOX吸蔵還元触媒にリッチ空燃比の排気を供給する再生手段を備えた、請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  5. 流入する排気の空燃比がリーンのときに排気中のNOXを吸着、吸収またはその両方により吸蔵し、流入する排気の空燃比がリッチのときに排気中の還元成分を用いて吸蔵したNOXを還元浄化するNOX吸蔵還元触媒を備えた内燃機関の排気浄化装置であって、
    前記NOX吸蔵還元触媒に流入する排気中のNOX成分濃度を検出するNOX濃度検出手段と、NOX吸蔵還元触媒に流入する排気の空燃比を検出する空燃比検出手段とを備え、
    前記空燃比検出手段で検出した排気空燃比が、予め定めた特定リーン空燃比領域内に移行したときに、前記NOX濃度検出手段により検出されたNOX成分濃度が低下した場合には、前記NOX吸蔵還元触媒に流入する排気空燃比を前記特定リーン空燃比領域外の空燃比に変更する、内燃機関の排気浄化装置。
  6. 前記特定リーン空燃比領域は、理論空燃比から空燃比20までの空燃比領域である、請求項5に記載の内燃機関の排気浄化装置。
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