JP3633349B2 - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の排気浄化装置に関し、詳細には流入する排気の空燃比がリーンのときに排気中のNOを吸収し、流入する排気中の酸素濃度が低下したときに吸収したNOを放出するNO吸蔵還元触媒を用いた内燃機関の排気浄化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種のNO吸蔵還元触媒を用いた排気浄化装置の例としては、例えば特開平7−166851号公報に記載されたものがある。
同公報の装置は、内燃機関の排気通路にNO吸蔵還元触媒を配置すると共に、NO吸蔵還元触媒下流側の排気中のNO濃度を検出するNOセンサを用いてNO吸蔵還元触媒を通過した排気中のNO濃度を監視するようにしたものである。同公報の装置ではNO吸蔵還元触媒下流側の排気中のNO濃度が予め定めた値を越えたときにNO吸蔵還元触媒に流入する排気の空燃比をリッチにしてNO吸蔵還元触媒から吸収したNOを放出させ、還元浄化している。
【0003】
NO吸蔵還元触媒は、吸収したNO量が増大するにつれてNOの吸蔵能力が低下していく。すなわち、NOを全く吸収していない状態ではNO吸蔵還元触媒のNO吸蔵能力は最も高くなっており、流入する排気中のNOの大部分がNO吸蔵還元触媒に吸収されるため、流入排気中のNO濃度が比較的高くなっていてもNO吸蔵還元触媒通過後の排気中のNO濃度は低くなる。しかし、NO吸蔵還元触媒内に吸収されたNO量(NO吸蔵量)が増大するにつれてNO吸蔵還元触媒のNO吸蔵能力は低下し、流入排気ガス中のNOのうちNO吸蔵還元触媒に吸収されずに触媒を通過するものの量が増大する。このため、NO吸蔵還元触媒のNO吸蔵量が増大するにつれて触媒通過後の排気中のNO濃度は増大し、流入排気中のNO濃度に近づくようになる。そして、NO吸蔵還元触媒が吸収したNOで飽和した状態になると、NO吸蔵還元触媒は排気中のNOを全く吸収できなくなるため、通過後の排気中のNO濃度は流入排気中のNO濃度と同じレベルになる。
【0004】
上述のように、NO吸蔵還元触媒のNO吸蔵能力はNO吸蔵量が増大するにつれて低下し、吸蔵量が飽和量に到達するとNO吸蔵還元触媒は排気中のNOを全く吸収しなくなる。このため、NO吸蔵還元触媒の飽和を防止するためにはNO吸蔵還元触媒のNO吸蔵量を常時監視して、吸蔵量が飽和量に到達する前にNO吸蔵還元触媒からのNOの放出と還元浄化とを行う必要がある。しかし、実際にはNO吸蔵還元触媒に吸蔵されたNO量を正確に求めることは困難な場合がある。また、NO吸蔵還元触媒の吸蔵可能な最大NO量(飽和量)はNO吸蔵還元触媒の劣化とともに低下する。このため、劣化した触媒では少ない吸蔵量でNO吸蔵能力が低下してしまう場合が生じるため、仮にNO吸蔵還元触媒のNO吸蔵量を正確に求めることができたとしても、NO吸蔵量のみに基づいて判断しただけではNO吸蔵還元触媒の飽和を防止できない場合がある。
【0005】
上記公報の装置では、NO吸蔵還元触媒通過後の排気中のNO濃度が所定値に到達する毎にNO吸蔵還元触媒に流入する排気空燃比をリッチ空燃比にしてNO吸蔵還元触媒から吸収したNOを放出させ、還元浄化することによりNO吸蔵還元触媒の吸蔵能力の低下を防止している。なお、以下の説明では、NO吸蔵還元触媒に流入する排気空燃比をリッチ空燃比にしてNO吸蔵還元触媒から吸収したNOを放出させ、還元浄化する操作をNO吸蔵還元触媒の「再生操作」と称することとする。
【0006】
NO吸蔵還元触媒の劣化が生じると、同一のNO吸蔵量であっても劣化のない場合に較べて吸蔵能力の低下が大きくなり、通過排気中のNO濃度は高くなる。このため、上記特開平7−166851号公報の装置のように、NOセンサを用いて検出したNO吸蔵還元触媒通過排気中のNO濃度が所定値に到達する毎に再生操作を行うことにより、NO吸蔵還元触媒の飽和を確実に防止するとともに、NO吸蔵還元触媒が吸蔵能力が低下した状態で継続的に使用されることを防止することが可能となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記特開平7−166851号公報の装置のようにNO吸蔵還元触媒通過排気中のNO濃度が所定値に到達する毎に再生操作を実行するようにすると問題が生じる場合がある。
NO吸蔵還元触媒では再生操作初期、すなわち流入する排気の空燃比がリーン空燃比からリッチ空燃比に変化した直後に比較的多量の未浄化のNOが下流側に放出される場合がある。後述するように、本明細書では、この再生操作初期に生じるNO吸蔵還元触媒からの未浄化NOの放出を便宜上「NOの吐き出し」と呼んでいる。この、NOの吐き出しは短時間で終了しその後は未浄化のNOが放出されることはないが、NO吸蔵還元触媒の再生操作開始直後はNOの吐き出しによりNO吸蔵還元触媒を通過した排気中のNO濃度は一時的に再生操作開始前より増大する場合がある。
【0008】
一方、NO吸蔵還元触媒の再生操作時にはNO吸蔵還元触媒からのNOの放出と還元浄化とは極めて短時間で終了するため、NO吸蔵還元触媒に流入する排気の空燃比は短時間リッチ空燃比になった後リーン空燃比に復帰する。
このため、前述の特開平7−166851号公報の装置のように触媒下流側に配置したNOセンサにより触媒通過排気中のNO濃度を検出していると、NOの吐き出しによる高濃度のNOを含む排気が再生操作終了後(触媒に流入する排気空燃比がリーン空燃比に復帰後)にNOセンサに到達するような場合が生じてしまう。上記公報の装置では、再生操作終了後に吐き出しによる高濃度のNOを含む排気がNOセンサに到達すると、実際にはNO吸蔵還元触媒の再生操作が完了してNO吸蔵還元触媒のNO吸蔵能力は回復しているにもかかわらず、再度再生操作が開始されてしまう場合が生じる。後述するように、NO吸蔵還元触媒の再生操作は一般的には機関運転空燃比をリッチ空燃比に切り換えて排気空燃比をリッチ空燃比にするか、NO吸蔵還元触媒上流側の排気通路に炭化水素等の還元剤を供給してNO吸蔵還元触媒に流入する排気の空燃比をリッチ空燃比にすることにより行われる。このため、上記のように本来必要のない再生操作が繰り返されると機関の燃費悪化や還元剤の消費量増大が生じたり、未浄化の還元剤やHC、CO等の放出により排気性状が悪化する問題がある。
【0009】
本発明は上記問題に鑑み、NO吸蔵還元触媒からの再生操作時のNOの吐き出しによる過剰な再生操作の実施を防止し、機関燃費や排気性状の悪化を防止することが可能な内燃機関の排気浄化装置を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載した発明によれば、内燃機関の排気通路に配置した、流入する排気空燃比がリーンのときに排気中のNOXを吸収し、流入する排気中の酸素濃度が低下したときに吸収したNOXを放出するNOX吸蔵還元触媒と、該NOX吸蔵還元触媒通過後の排気中のNOX濃度を検出するNOX濃度検出手段と、該NOX濃度検出手段が検出した排気中のNOX濃度が予め定めた値以上になったときに、前記NOX吸蔵還元触媒に流入する排気空燃比をリッチ空燃比にすることにより前記NOX吸蔵還元触媒から吸収したNOXを放出させ、還元浄化する再生手段と、前記NOX吸蔵還元触媒に流入する排気の空燃比がリッチ空燃比になったときに前記NOX吸蔵還元触媒から未浄化のNOXが下流側に放出されていることを判定するNOX放出判定手段と、前記未浄化のNOXの放出が生じていると判定されたときに、前記再生手段が排気空燃比をリッチ空燃比にすることを禁止する禁止手段と、を備え、更に、前記NO X 放出判定手段は、前記NO X 吸蔵還元触媒内の雰囲気空燃比がリッチ空燃比であるか否かを判定する触媒空燃比判定手段を備え、前記NO X 吸蔵還元触媒内の雰囲気空燃比がリッチ空燃比と判定され、かつ前記NO X 濃度検出手段で検出したNO X 濃度が所定の判定値以上であるときに前記NO X 吸蔵還元触媒から未浄化のNO X が放出されていると判定する内燃機関の排気浄化装置が提供される。
【0011】
すなわち、請求項1に記載の発明ではNO吸蔵還元触媒通過後の排気中のNO濃度が予め定めた値以上になったときにNO吸蔵還元触媒の再生操作が行われる。しかし、NO吸蔵還元触媒の再生初期には吐き出しによる未浄化のNOの放出が生じるため、NO濃度のみに基づいて再生操作を行っているとNO吸蔵還元触媒からの吐き出しによるNO濃度増大のため、再生操作完了後に再び再生操作が開始されてしまう場合がある。本発明では、NO放出判定手段によりNO吸蔵還元触媒再生時のNOの吐き出しを判定し、吐き出しが生じている場合には再生操作の開始を禁止する。これにより、吐き出しによる排気中のNO濃度増大が再生操作終了後に検出された場合にもNO吸蔵還元触媒の再生操作が繰り返されることが防止される。
【0013】
更に、本発明では、NOX放出判定手段はNOX吸蔵還元触媒内の雰囲気空燃比がリッチ空燃比になっており、かつNOX濃度検出手段で検出したNOX濃度が所定の判定値以上である場合に吐き出しが生じていると判定する。NOX吸蔵還元触媒からの未浄化NOXの吐き出しは、NOX吸蔵還元触媒の再生操作開始時、すなわちNOX吸蔵還元触媒内の雰囲気空燃比がリッチ空燃比になったときに生じるため、NOX濃度検出手段で検出したNOX濃度が判定値より高く、かつNOX吸蔵還元触媒内の雰囲気空燃比がリッチ空燃比になっている場合にはNOX吸蔵還元触媒からの未浄化NOXの吐き出しが生じていると判定することができる。
【0014】
請求項2に記載した発明によれば、前記触媒空燃比判定手段は、前記NOX吸蔵還元触媒上流側排気通路または下流側排気通路の少なくとも一方に配置され、排気空燃比を検出する空燃比センサを備え、前記空燃比センサにより検出された排気空燃比に基づいてNOX吸蔵還元触媒内の雰囲気空燃比がリッチ空燃比であるか否かを判定する請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置が提供される。
【0015】
すなわち請求項2に記載の発明では、NOX吸蔵還元触媒上流側排気通路または下流側排気通路の少なくとも一方に配置された空燃比センサ出力に基づいてNOX吸蔵還元触媒内の雰囲気空燃比がリッチ空燃比になっているか否かを判定する。NOX吸蔵還元触媒に流入する排気の空燃比がリッチになっているとき、及びNOX吸蔵還元触媒通過後の排気の空燃比がリッチになっているときにはいずれもNOX吸蔵還元触媒内の雰囲気空燃比はリッチになっている。このため、本発明では、空燃比センサを用いてNOX吸蔵還元触媒内の雰囲気空燃比が簡易に判定される。
【0016】
請求項3に記載した発明によれば、内燃機関の排気通路に配置した、流入する排気空燃比がリーンのときに排気中のNO X を吸収し、流入する排気中の酸素濃度が低下したときに吸収したNO X を放出するNO X 吸蔵還元触媒と、該NO X 吸蔵還元触媒通過後の排気中のNO X 濃度を検出するNO X 濃度検出手段と、該NO X 濃度検出手段が検出した排気中のNO X 濃度が予め定めた値以上になったときに、前記NO X 吸蔵還元触媒に流入する排気空燃比をリッチ空燃比にすることにより前記NO X 吸蔵還元触媒から吸収したNO X を放出させ、還元浄化する再生手段と、前記NO X 吸蔵還元触媒に流入する排気の空燃比がリッチ空燃比になったときに前記NO X 吸蔵還元触媒から未浄化のNO X が下流側に放出されていることを判定するNO X 放出判定手段と、前記未浄化のNO X の放出が生じていると判定されたときに、前記再生手段が排気空燃比をリッチ空燃比にすることを禁止する禁止手段と、を備え、前記NOX放出判定手段は、前記再生手段が前記NOX吸蔵還元触媒に流入する排気の空燃比をリッチ空燃比に変化させたときから予め定めた時間が経過するまでの間前記未浄化のNOX放出が生じていると判定する内燃機関の排気浄化装置が提供される。
すなわち、請求項3に記載の発明では、NOX放出判定手段は、NOX吸蔵還元触媒の再生操作開始後所定の時間内はNOX吸蔵還元触媒からの未浄化NOXの吐き出しが生じていると判定する。すなわち、本発明ではNOX吸蔵還元触媒の再生操作を開始してから所定時間が経過するまで次の再生操作の実行が禁止される。
【0017】
NO吸蔵還元触媒の再生操作時の未浄化のNOの放出は再生操作開始後短時間で終了し、その後は未浄化のNOが下流側に放出されることはない。このため、本発明では再生操作開始後所定時間は未浄化のNOの吐き出しが生じていると仮定し、この時間内はNO濃度検出手段の検出したNO濃度が増大しても再生操作を行わない。これにより、NO吸蔵還元触媒からの未浄化NOの吐き出しを簡易に判定することができる。なお、NOの吐き出しが生じていると判断する時間は実際にNO吸蔵還元触媒から未浄化NOの放出が生じている時間と、放出された未浄化NOがNO濃度検出手段に到達するまでの時間との合計より大きく設定される。
【0018】
請求項4に記載した発明によれば、更に、前記NOX吸蔵還元触媒の劣化の有無を判定する劣化判定手段を備え、該劣化判定手段は、前記NOX放出判定手段により前記未浄化のNOXの放出が終了したことが判定されたときの、前記NOX濃度検出手段の検出したNOX濃度が予め定めた劣化判定値以上である場合に、前記NOX吸蔵還元触媒が劣化したと判定する、請求項1または3に記載の内燃機関の排気浄化装置が提供される。
【0019】
すなわち、請求項4に記載の発明では、NOX吸蔵還元触媒の劣化の有無を判定する劣化判定手段が設けられている。NOX吸蔵還元触媒は再生操作完了直後(すなわち吸収したNOXの全量を放出した直後)の状態で最もNOX吸蔵能力が高くなる。このため、劣化していない触媒ではNOX吸蔵還元触媒からのNOXの吐き出し終了後はNOX吸蔵還元触媒通過後の排気中のNOX濃度は極めて低くなる。しかし、NOX吸蔵還元触媒では劣化が進むにつれて吸蔵能力が低下し、劣化の進行とともに再生操作完了後のNOX吸蔵能力も低くなる。このため、NOX吸蔵還元触媒の劣化が進むと再生操作時のNOXの吐き出し終了後もNOX吸蔵還元触媒通過後の排気中のNOX濃度は徐々に増大するようになる。すなわち、再生操作時のNOX吐き出し終了直後のNOX吸蔵還元触媒通過排気のNOX濃度を監視することによりNOX吸蔵還元触媒の劣化の程度を知ることができる。本発明では、NOX吸蔵還元触媒からの未浄化のNOX吐き出しの終了時のNOX吸蔵還元触媒通過排気のNOX濃度が予め定めた劣化判定値以上になったときにNOX吸蔵還元触媒が劣化したと判定するようにしている。これにより、正確にNOX吸蔵還元触媒の劣化を判定することが可能となる。
【0020】
請求項5に記載の発明によれば、更に、前記劣化判定手段により前記NOX吸蔵還元触媒が劣化したと判定されたときに、前記NOX吸蔵還元触媒のNOX吸蔵能力を回復させる回復操作を行う回復制御手段を備えた請求項4に記載の内燃機関の排気浄化装置が提供される。
すなわち、請求項5に記載の発明では請求項4の発明においてNOX吸蔵還元触媒が劣化したと判定された場合には、NOX吸蔵還元触媒のNOX吸蔵能力を回復させる回復操作を行う。例えば、NOX吸蔵還元触媒の劣化としては排気中のSOX (硫黄酸化物)を吸収することによるSOX 被毒が最も一般的である。また、NOX吸蔵還元触媒のSOX 被毒はNOX吸蔵還元触媒を一定時間高温かつリッチ空燃比雰囲気に保持することにより解消可能である。このため、本発明ではNOX吸蔵還元触媒が劣化したと判定された場合には、例えばNOX吸蔵還元触媒に流入する排気をリッチ空燃比にするとともに排気温度を上昇させる等の回復操作を行う。これにより、本発明ではNOX吸蔵還元触媒のNOX吸蔵能力を常に高く維持することが可能となる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を用いて本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明を自動車用内燃機関に適用した場合の実施形態の概略構成を示す図である。
図1において、1は自動車用内燃機関を示す。本実施形態では、機関1は#1から#4の4つの気筒を備えた4気筒ガソリン機関とされ、#1から#4気筒には直接気筒内に燃料を噴射する燃料噴射弁111から114が設けられている。後述するように、本実施形態の内燃機関1は、理論空燃比より高い(リーンな)空燃比で運転可能なリーンバーンエンジンとされている。
【0022】
また、本実施形態では#1から#4の気筒は互いに点火時期が連続しない2つの気筒からなる2つの気筒群にグループ分けされている。(例えば、図1の実施形態では気筒点火順序は1−3−4−2であり、#1、#4の気筒と#2、#3の気筒とがそれぞれ気筒群を構成している。)各気筒の排気ポートは気筒群毎に排気マニホルドに接続され、気筒群毎の排気通路に接続されている。図1において、21aは#1、#4気筒からなる気筒群の排気ポートを個別排気通路2aに接続する排気マニホルド、21bは#2、#4気筒からなる気筒群の排気ポートを個別排気通路2bに接続する排気マニホルドである。本実施形態では、個別排気通路2a、2b上には、三元触媒からなるスタートキャタリスト5aと5bがそれぞれ配置されている。また、個別排気通路2a、2bはスタートキャタリスト5a、5b下流側で共通の排気通路2に合流している。本実施形態のスタートキャタリスト5a、5bは公知の構成の三元触媒とされ、流入する排気の空燃比が理論空燃比近傍の狭い範囲にある場合に排気中のHC、CO、NOの三成分を同時に浄化する機能を有している。
【0023】
共通排気通路2上には、後述するNO吸蔵還元触媒7が配置されている。図1に29で示すのは、共通排気通路2のNO吸蔵還元触媒7上流側に配置された上流側空燃比センサ、31で示すのは、NO吸蔵還元触媒7下流側の排気通路2に配置された下流側空燃比センサである。本実施形態では、空燃比センサ29及び31は、排気中の酸素濃度に基づいて排気空燃比がリーン空燃比かリッチ空燃比かに応じて異なるレベルの出力信号を発生する、いわゆるOセンサとされている。
【0024】
また、本実施形態ではNO吸蔵還元触媒7下流側の排気通路2の下流側Oセンサ31近傍には排気中のNO濃度に応じた信号を出力するNOセンサ33が配置されている。NOセンサ33については後述する。
更に、図1に30で示すのは機関1の電子制御ユニット(ECU)である。ECU30は、本実施形態ではRAM、ROM、CPUを備えた公知の構成のマイクロコンピュータとされ、機関1の点火時期制御や燃料噴射制御等の基本制御を行なっている。また、本実施形態では、ECU30は上記の基本制御を行う他に、後述するようにNO吸蔵還元触媒7から吸収したNOを放出、還元浄化する再生操作を行う再生手段、NO吐き出しが生じているときにNOセンサ33出力に基づく再生操作の実行を禁止する禁止手段等の各手段としての機能を有している。
【0025】
ECU30の入力ポートには、Oセンサ29と31とからそれぞれNO吸蔵還元触媒7の上流側と下流側とにおける排気空燃比を表す信号が、また、NOセンサ33からNO吸蔵還元触媒7通過後の排気中のNO濃度を表す信号が、それぞれ図示しないAD変換器を介して入力されている。また、ECU30の出力ポートは、各気筒への燃料噴射量及び燃料噴射時期を制御するために、図示しない燃料噴射回路を介して各気筒の燃料噴射弁111から114に接続されている。
【0026】
次に、本実施形態のNO吸蔵還元触媒7について説明する。本実施形態のNO吸蔵還元触媒7は、例えばアルミナを担体とし、この担体上に例えばカリウムK、ナトリウムNa 、リチウムLi 、セシウムCs のようなアルカリ金属、バリウムBa 、カルシウムCa のようなアルカリ土類、ランタンLa 、セリウムCe、イットリウムYのような希土類から選ばれた少なくとも一つの成分と、白金Ptのような貴金属とを担持したものである。NO吸蔵還元触媒は流入する排気ガスの空燃比がリーンのときに、排気中のNO(NO、NO)を硝酸イオンNO の形で吸収し、流入排気ガスがリッチになると吸収したNOを放出するNOの吸放出作用を行う。
【0027】
この吸放出のメカニズムについて、以下に白金PtおよびバリウムBaを使用した場合を例にとって説明するが他の貴金属、アルカリ金属、アルカリ土類、希土類を用いても同様なメカニズムとなる。
流入排気中の酸素濃度が増大すると(すなわち排気の空燃比がリーン空燃比になると)、これら酸素は白金Pt上にO またはO2−の形で付着し、排気中のNOは白金Pt上のO またはO2−と反応し、これによりNOが生成される。また、流入排気中のNO及び上記により生成したNOは白金Pt上で更に酸化されつつ触媒中に吸収されて酸化バリウムBaOと結合しながら硝酸イオンNO の形で触媒内に拡散する。このため、リーン雰囲気下では排気中のNOが触媒内に硝酸塩の形で吸収されるようになる。
【0028】
また、流入排気中の酸素濃度が大幅に低下すると(すなわち、排気の空燃比が理論空燃比またはリッチ空燃比になると)、白金Pt上でのNO生成量が減少するため、反応が逆方向に進むようになり、触媒内の硝酸イオンNO はNOの形で触媒から放出されるようになる。この場合、排気中にCO等の還元成分やHC、CO等の成分が存在すると白金Pt上でこれらの成分によりNOが還元される。
【0029】
本実施形態では、リーン空燃比運転可能な機関1が使用されており、機関1がリーン空燃比で運転されているときには、NO吸蔵還元触媒は流入する排気中のNOを吸収する。また、機関1がリッチ空燃比で運転されると、NO吸蔵還元触媒7は吸収したNOを放出、還元浄化する。本実施形態では、リーン空燃比運転中にNO吸蔵還元触媒7に吸収されたNO量が増大し、後述するNOの染み出しによりNO吸蔵還元触媒7に吸収されずに通過する未浄化のNO量が増大すると、短時間機関空燃比をリーン空燃比からリッチ空燃比に切り換えるリッチスパイク運転を行い、NO吸蔵還元触媒からのNOの放出と還元浄化(NO吸蔵還元触媒の再生)を行なうようにしている。なお、機関1の実際の空燃比制御及びリッチスパイク制御については、公知のいずれの制御も使用可能であり本発明の本質部分とは関係しないため詳細な説明は省略する。
【0030】
次に、本実施形態のNOセンサ33のNO検出原理について説明する。
図2は、本実施形態のNOセンサ33の構成を模式的に示す図である。
図2において、NOセンサ33は、ジルコニア(ZrO)等の固体電界質331からなり、固体電解質内には、拡散律速部335を介して排気通路に連通する第1反応室340、第1反応室340と拡散律速部337を介して連通する第2反応室350及び、標準気体としての大気が導入される大気室360を備えている。拡散律速部335、337はそれぞれ第1反応室340、第2反応室350への酸素成分の拡散による流入を抑制し、排気通路内の排気と第1反応室、第1の反応室と第2反応室との間の酸素濃度差を維持可能とするものである。
【0031】
図2に341で示すのは第1反応室340内に配置された白金電極(陰極)、342で示すのは陰極341と固体電解質331を挟んでセンサ33外部に設けられた同様な白金電極(陽極)である。また、第2反応室350内には同様な白金電極350とNO検出用のロジウム(Rh)電極353が、大気室360内には参照用の白金電極361が、それぞれ配置されている。図に370で示すのは固体電解質加熱用の電気ヒータである。
【0032】
第1反応室340の電極341と外部電極342、及び第2反応室の電極351と外部電極342とは、それぞれ第1反応室340と第2反応室350内の排気中の酸素を外部に排出する酸素ポンプとして機能する。固体電解質331が一定の温度以上のときに電極341と342、及び電極351と342との間に電圧を印加すると陰極341、351上では排気中の酸素分子がイオン化され、イオン化した酸素分子が固体電解質331内を陽極342に向かって移動して陽極342上で再び酸素分子になる。このため、第1反応室340、第2反応室350内の排気中の酸素が外部に排出される。また、酸素イオンの移動に伴って、電極342と341及び351との間には単位時間に移動した酸素分子の量に比例する電流が流れる。このため、この電流を制御することにより各反応室から排出される酸素量を制御することができる。
【0033】
また、本実施形態では大気室360の電極361と各反応室内の電極341、351との間には酸素電池が形成される。第1と第2反応室内の排気は酸素濃度が大気に較べて低いため、大気室360内の大気と各反応室内の排気との間には酸素の濃度差が生じている。大気室360と各反応室340、350とを隔てる固体電解質の温度がある温度以上になると、外部から電極間に電圧を印加しない状態では酸素濃度差により大気室360内から固体電解質331を通って反応室340、350に酸素が移動するようになる。すなわち、大気室360内の大気中の酸素は電極361上でイオン化し、固体電解質331内を移動して酸素濃度の低い反応室340、350の電極341、351上で再び酸素になる。このため、電極361と各電極341、351との間には大気の酸素濃度と各反応室内の酸素濃度との差に応じた電圧が発生する。大気の酸素濃度は一定であるため、電極361と各電極341、351との電位差V0、V1(図2)はそれぞれ第1反応室340と第2反応室351内の排気の酸素濃度を表すようになる。
【0034】
本実施形態では、前述したように、各反応室から酸素を外部に排出する酸素ポンプ(電極341と342、電極351と342)が備えられており、それぞれの酸素ポンプの排出速度はそれぞれの電極間のポンプ電流Ip0、Ip1(図2)を調節することにより、各反応室内の排気の酸素濃度(すなわち、電圧V0、V1)が所定の一定値になるように制御される。本実施形態では第1反応室340内の酸素濃度は例えば1ppm程度に、また、第2の反応室350内の酸素濃度は例えば0.01ppm程度になるようにポンプ電流Ip0、Ip1が制御されている。このため、第2反応室350内は極めて酸素濃度の低い還元雰囲気に維持される。一方、排気中のNO(NO、NO)は酸素ポンプによっては外部に排出されないため第1、第2反応室中の排気のNO濃度は外部の排気と同一に維持される。ところが、第2反応室のNO検出電極353はロジウム(Rh)であるため還元触媒として機能し、還元雰囲気下でNO(NO、NO)を還元する。また、大気室360の参照電極361とNO検出用電極353との間には電圧が印加されているため、NO検出用電極353上では、NO→(1 /2)N+(1/2) O、またはNO→(1 /2)N+Oの反応が生じNOの還元により酸素が発生するようになる。この酸素は、電極353上でイオン化して大気室360の参照電極361に向かって固体電解質331中を移動し、参照電極361上で酸素分子を形成する。第2反応室350内の酸素濃度は極めて低いため、参照電極361に向かって固体電解質中を流れる酸素イオンはその全量が排気中のNOの還元により生じたことになる。すなわち、固体電解質中を単位時間あたりに流れる酸素イオンの量は、第2反応室内のNO濃度(排気通路内の排気のNO濃度)に応じた量になる。従って、この酸素イオンの移動に伴って発生する電流値(図2、Ip2)を計測することにより排気通路内の排気のNO濃度を検出することができる。本実施形態のNOセンサ33は、上記電流値Ip2を電圧信号に変換し、NO吸蔵還元触媒7通過後の排気中のNO濃度に応じた電圧信号VNOXを出力するものである。
【0035】
次に、NO吸蔵還元触媒7からのNOの「吐き出し」と「染み出し」と称する現象について説明する。
本明細書では、前述したようにNO吸蔵還元触媒の再生操作開始直後に未浄化のNOが触媒下流に放出される現象をNOの「吐き出し」と称している。NOの「吐き出し」は、NO吸蔵還元触媒に流入する排気の空燃比がリーン空燃比からリッチ空燃比に変化した直後に生じるが、このNOの「吐き出し」とは別に実際のNO吸蔵還元触媒ではNOの「染み出し」と称する現象が生じる。
【0036】
実際のNO吸蔵還元触媒では、NO吸蔵還元触媒が排気中のNOを吸収中(すなわち流入する排気空燃比がリーンのとき)にNO吸蔵還元触媒下流側に未浄化のNOが放出される現象が生じる。本明細書では、上記「吐き出し」と区別するために、このリーン排気空燃比下での未浄化のNOの放出をNOの「染み出し」と称している。
【0037】
NOの「吐き出し」と「染み出し」とが何故生じるかの理由については現在のところ明確には判明していないが、以下に説明する理由によるものと推測されている。
まず、NOの吐き出しの生じる理由について説明する。
前述のように、NO吸蔵還元触媒は吸収したNOを硝酸塩の形で保持する。このとき、硝酸イオンはNO吸蔵還元触媒中の吸収剤(例えばBaO)の表面から内部に拡散により移動して硝酸塩を形成する。このため、NOの吸収中には吸収剤表面の硝酸イオン濃度は内部の硝酸イオン濃度より高くなっている。この状態でNO吸蔵還元触媒の再生操作が開始され吸収剤表面の雰囲気酸素濃度が急激に低下すると、吸収剤表面近傍の高濃度の硝酸イオンがNOの形で一斉に吸収剤から放出されるようになる。このため、再生操作開始直後には短時間で比較的多量のNOがNO吸蔵還元触媒から放出されるようになり、排気中の還元成分の一時的な不足が生じ、放出されたNOの一部が未浄化のままNO吸蔵還元触媒下流側に放出されるようになると考えられる。
【0038】
また、上記とは別にリッチ空燃比の排気がNO吸蔵還元触媒に到達するとNO吸蔵還元触媒の上流側部分からNOが放出され、排気中のHC、CO等により還元されるが、この還元反応の熱によりNO吸蔵還元触媒表面が局所的に高温になり、高温になった部分の表面付近から急速にNOが放出されるために一時的な還元成分の不足が生じて未浄化のNOが下流側に放出され吐き出しが生じるとも考えられる。
【0039】
吸収剤表面近傍の硝酸イオンが放出された後は、吸収剤内部に保持された硝酸イオンが表面に移動してNOの形で放出されるようになるが、この場合には吸収剤からのNOの放出速度は吸収剤内部での硝酸イオンの移動速度に律速されるようになるため、放出速度は比較的低くなり、還元剤の不足は生じない。
このため、NO吸蔵還元触媒の再生操作開始直後に一時的に未浄化のNOが下流側に放出されるNOの「吐き出し」が生じるのである。
【0040】
吐き出しにより放出されるNOの量は、吸収剤表面の硝酸イオン濃度が高いほど大きくなる。このため、NO吸蔵還元触媒に吸収されたNO量(NO吸蔵量)が多いほど吐き出しにより放出される未浄化のNOが増大するようになる。
また、NOの「染み出し」はNO吸蔵還元触媒の吸収剤に吸収されたNO量の増大により吸収剤のNO吸蔵能力が低下するために生じると考えられる。上述したように、NO吸蔵還元触媒の白金Pt上で生成された硝酸イオンは吸収剤表面から内部に拡散により移動する。従って、NO吸蔵還元触媒のNO吸蔵量が増大して吸収剤内部の硝酸イオン濃度が増大すると、内部に硝酸イオンが拡散しにくくなり、吸収剤表面の硝酸イオン濃度が増大する。これにより、白金Pt上でのNO→NO の反応が生じにくくなり排気中のNOがNO吸蔵還元触媒に吸収されなくなる。このため、NO吸蔵還元触媒のNO吸収中にはNO吸蔵量が増大するにつれてNO吸蔵還元触媒に吸収されず下流側に流出する未浄化のNO量が増大するようになる。
【0041】
「染み出し」により放出される未浄化のNOは、NO吸蔵還元触媒の吸収したNO量が増大するほど、すなわちNOを吸収、保持できる吸収剤の量が少なくなるほど増大する。また、NO吸蔵還元触媒が吸収したNOで飽和すると(すなわち、NOを吸収、保持できる吸収剤が全くなくなると)NO吸蔵還元触媒は排気中のNOを全く吸収できなくなり、流入する排気中のNOの全量が「染み出し」により下流側に流出するようになる。
【0042】
「染み出し」によりNO吸蔵還元触媒から放出される未浄化のNO量は、NO吸蔵還元触媒の吸収したNO量が多いほど増大する。また、劣化等によりNO吸蔵還元触媒の吸収可能な最大NO量(飽和量)が低下すると、吸収したNO量が同一であっても染み出しにより放出される未浄化のNOの量は増大する。
【0043】
本実施形態では、上記「染み出し」によりNO吸蔵還元触媒から下流側に流出するNOの量(濃度)をNOセンサ33で検出し、検出したNO濃度が所定値に到達する毎に機関1を短時間リッチ空燃比で運転してNO吸蔵還元触媒の再生操作を行う。
図3は、再生操作実行によるNO吸蔵還元触媒7通過後の排気中のNO濃度の変化を示す図である。
【0044】
図3において、縦軸はNO吸蔵還元触媒7下流側のNOセンサ33出力VNOX、横軸は時間を表している。機関1がリーン空燃比で運転中NO吸蔵還元触媒7は排気中のNOを吸収するが、NO吸蔵還元触媒7に吸収されたNOの量が増大するにつれて染み出しによりNO吸蔵還元触媒7下流側に流出する未浄化のNO量が徐々に増大する。このため、NOセンサ33出力VNOXも徐々に増大する(図3、NS部分)。本実施形態では、染み出しによる流出NO濃度が所定値(図3、VNOX1)に到達すると、制御回路30は短時間機関1をリッチ空燃比で運転するリッチスパイク操作を行い、NO吸蔵還元触媒7の再生を行う(図3、時点RS)。リッチスパイク操作が行われてリッチ空燃比の排気がNO吸蔵還元触媒7に流入すると、NOの吐き出しが生じ、未浄化のNOがNO吸蔵還元触媒7から放出される。このため、NOセンサ33の出力VNOXは、リッチスパイクRS開始直後に比較的大きく増大する(図3、NH部分)。
【0045】
リッチスパイク直後のNOの吐き出しは極めて短時間で終了する。しかし、吐き出しにより放出された未浄化のNOは、NO吸蔵還元触媒7のサイズやNO吸蔵還元触媒7からNOセンサ33までの距離によっては、排気流前後方向に拡散してNOセンサ33に到達する際にはある程度の厚みの層を形成する。このため、NOセンサ33ではリッチスパイク後の一定期間(図3、期間NT)高い濃度のNOを検出するようになる。一方、リッチスパイクは比較的短時間で終了するため、上記期間NTがリッチスパイク期間より長い場合にはリッチスパイクが終了してNO吸蔵還元触媒7に流入する排気の空燃比がリーン空燃比に復帰した後もNOセンサ33の出力がリッチスパイク開始のための判定値VNOX1より高くなっている場合が生じることがある。このような場合には、リッチスパイク終了直後に再度リッチスパイクが行われることになり、機関のリッチ空燃比運転の頻度が増加することによる燃費や排気性状の悪化が生じる。
【0046】
本発明では、NO吸蔵還元触媒から吐き出しが生じていることを判定し、NO吸蔵還元触媒通過後の排気のNO濃度増大が吐き出しにより生じていると判断される場合にはNO吸蔵還元触媒の再生操作の実行を禁止することにより上記問題を解決している。すなわち、本発明では吐き出しによるNO濃度の増大と染み出しによるNO濃度増大とを判別し、染み出しによるNO濃度増大が生じた場合にのみ再生操作の実行を許可するようにしている。
【0047】
以下、NO吸蔵還元触媒からの吐き出しが生じていることの判定方法のいくつかの実施形態について説明する。
(1)第1の実施形態
本実施形態では、NO吸蔵還元触媒通過後の排気空燃比がリッチ空燃比になっているか否かにより通過排気中のNO濃度増大が吐き出しにより生じたものか否かを判定する。
【0048】
前述したように、NOの吐き出しはNO吸蔵還元触媒7に流入する排気の空燃比がリッチ空燃比になったときに発生する。このため、吐き出しにより放出されたNOはリッチ空燃比の排気とともにNOセンサ33に到達する。一方、染み出しによるNOの放出はリーン空燃比下で生じるため、染み出しにより放出されたNOはリーン空燃比の排気とともにNOセンサ33に到達する。このため、NOセンサ33でNO濃度の増大が検出されたときのNOセンサ33付近の排気空燃比がリーン空燃比かリッチ空燃比かを判定することにより、NO濃度の増大が吐き出しによるものか染み出しによるものかを判定することができる。本実施形態では、NOセンサ33近傍に配置した下流側Oセンサ31出力に基づいてNOセンサ33における排気の空燃比を判定し、排気空燃比がリッチになっているときには、NOセンサ33出力VNOXに基づくリッチスパイク操作の開始を禁止することにより、不要なリッチスパイク操作が行われることを防止している。
【0049】
なお、NOセンサ33における排気空燃比がリッチ空燃比になっているときにリッチスパイク操作の開始を禁止することは、吐き出しの有無の判定以外にも意味を有する場合がある。
例えば図2に示した構成のNOセンサ33を用いた場合には、排気空燃比がリーン空燃比である場合には安定したNO濃度の検出が行えるが、排気空燃比がリッチ空燃比になるとNOセンサ33の出力が不安定になり、NO濃度の検出精度がばらつくようになる場合がある。以前に説明したように、本実施形態のNOセンサ33は、第1反応室340と第2反応室350内で排気中の酸素を除去し、NOの還元により生じる酸素量を検出することによりNO濃度を検出している。ところが、第1反応室340または第2反応室350にHC、CO等の成分が多量に存在する場合、すなわち反応室内に流入する排気の空燃比がリッチ空燃比である場合には、反応室内でNOが排気中のHC、COと反応してしまいNに転換されてしまう。このため、排気空燃比がリッチ空燃比になると、第2反応室の電極351上で生成される酸素イオンの量が排気中の実際のNO濃度と対応しなくなる場合が生じNOセンサ33の出力が不安定になる場合が生じるのである。このため、リッチ空燃比下でのNOセンサ33出力に基づいてリッチスパイク開始の判断を行うとNOセンサ33検出精度の低下のために誤ってリッチスパイクが開始されてしまう場合が生じてしまう。
【0050】
本実施形態では、NOセンサ33における排気空燃比がリッチ空燃比のときにリッチスパイク実行を禁止するため、リッチ空燃比下におけるNOセンサ33の検出精度の低下による上記問題の発生をも同時に防止可能となっている。
図4は、本実施形態のNO吸蔵還元触媒7の再生操作開始の要否を判定するための再生判定操作を説明するフローチャートである。本操作はECU30により一定時間毎に実行されるルーチンにより行われる。
【0051】
図4の操作では、下流側Oセンサ31の出力がリッチ空燃比相当出力である場合には、NOセンサ33出力に基づく再生操作(リッチスパイク操作)の実行が禁止される。
すなわち、図4の操作ではステップ401でNOセンサ33出力VNOXと下流側Oセンサ31出力VODが読み込まれ、ステップ403ではNO吸蔵還元触媒の再生操作の要否がNOセンサ33出力VNOXに基づいて判定される。すなわち、出力VNOXが予め定めた値VNOX1(図3)に到達しているか否かが判定される。ステップ403でVNOX≧VNOX1である場合には、NO吸蔵還元触媒下流側に流出する未浄化のNO量が増大しているため、ステップ405に進みこのNOの増大が吐き出しにより生じたものか通常の染み出しにより生じたものかを判定する。
【0052】
すなわち、ステップ405では現在下流側Oセンサ31出力VODがリッチ空燃比相当出力か否かが判定される。現在VODがリッチ空燃比相当出力である場合には、NOの増大が吐き出しにより生じている可能性があり、また、NOセンサ33の出力が不安定になっている可能性がある。このため、この場合には再生操作を実行せずにそのまま今回の操作の実行を終了する。これにより、NO吸蔵還元触媒7からの未浄化NOの吐き出しにより不要な再生操作が開始されることが防止される。
【0053】
また、ステップ403でVNOX<VNOX1である場合も、染み出しによる未浄化NOの放出量は許容範囲内であり再生操作で実行する必要はないため、直ちに今回の操作の実行を終了する。
ステップ405でVODがリッチ空燃比相当出力でない場合(リーン空燃比または理論空燃比相当出力の場合)には、実際に染み出しによるNO量が増大しており、再生操作を直ちに開始する必要があると考えられるため、ステップ407に進みリッチスパイクフラグXRSの値を1に設定して操作を終了する。
【0054】
リッチスパイクフラグXRSの値が1にセットされると、別途ECU30により実行されるルーチンにより、一定時間機関1の運転空燃比はリッチ空燃比に切り換えられ、その後リーン空燃比に復帰する。また、リーン空燃比復帰時にフラグXRSの値は0にリセットされる。このリッチスパイク操作によりNO吸蔵還元触媒7に吸収されていたNOは放出され、リッチ空燃比排気中のHC、CO成分により還元浄化される。
【0055】
(2)第2の実施形態
次に本発明の第2の実施形態について説明する。前述の第1の実施形態では下流側Oセンサ31出力を用いてNO吸蔵還元触媒7からの吐き出しが生じているか否かを判定していたが、本実施形態では上流側Oセンサ29出力に基づいて吐き出しを判定している。
【0056】
前述のように、NOセンサ33における排気空燃比がリッチ空燃比になっている間はNOセンサ33出力VNOXはNO吸蔵還元触媒7からの未浄化NOの吐き出しとセンサ33出力の不安定化とのために高い値になっている可能性がある。本実施形態では、上流側Oセンサ29で検出した排気空燃比がリッチ空燃比からリーン空燃比に変化したときから所定の時間が経過するまではNOセンサ33出力に基づく再生操作実行を禁止する。すなわち、上流側Oセンサ29で排気空燃比がリーン空燃比になったことが検出された場合には、ある時間経過後にはこのリーン空燃比の排気がNOセンサ33に到達し、確実にNOセンサ33付近の排気空燃比はリーンになっている。この状態では、吐き出しによりNO吸蔵還元触媒7から放出された未浄化のNOは既にNOセンサ33を通過し終わっている。このため、上流側Oセンサ29出力がリッチ空燃比相当出力からリーン空燃比相当出力に変化してから所定時間(排気が上流側Oセンサ29の位置からNOセンサ33の位置に到達するまでの時間)が経過するまでの間NOセンサ33出力に基づく再生操作の実行を禁止すれば吐き出しの影響により不要な再生操作が実行されることを確実に防止することができる。これにより、NO吸蔵還元触媒7上流側にのみ空燃比センサを有する機関の場合にも簡易に不要な再生操作が実行されることを防止することが可能となる。
【0057】
図5は、本実施形態の再生判定操作を説明する図4と同様なフローチャートである。本操作もECU30により一定時間毎に実行されるルーチンにより行われる。
図5の操作が開始されると、ステップ501ではNOセンサ33出力VNOXと上流側Oセンサ29出力VOUとが読み込まれ、ステップ503ではVOUがリッチ空燃比相当出力か否かが判定される。そして、VOUがリッチ空燃比相当出力でない場合(リーンまたは理論空燃比相当出力の場合)にはステップ507で計時カウンタCTの値が1増大される。カウンタCTはステップ503でVOUがリッチ空燃比相当出力である間は操作実行毎に0にリセット(ステップ505)されるため上流側Oセンサ29の出力がリッチ空燃比相当出力からリーン空燃比(または理論空燃比)相当出力に変化した時点からの経過時間に対応した値となっている。
【0058】
ステップ509では、図4ステップ403と同様NOセンサ33出力VNOXがVNOX1以上になっているか否かが判定され、VNOX≧VNOX1であった場合には、ステップ511で前述のカウンタCTの値に基づいてVOUがリーン空燃比(または理論空燃比)相当出力に変化してから所定時間が経過したか否か(すなわちCT≧CTか否か)が判定される。ここで、CTは上流側Oセンサ29を通過した排気がNO吸蔵還元触媒7下流側のNOセンサ33に到達するまでの所要時間に相当するカウンタ値である。
【0059】
ステップ511でCT<CTであった場合には、まだNOセンサ33における排気空燃比はリッチ空燃比である可能性があるため、ステップ509でのNO濃度増大は吐き出しにより生じている可能性がある。そこで、この場合には、ステップ513の再生操作開始をスキップして今回の操作実行を終了する。これにより、NO吸蔵還元触媒7からの未浄化NOの吐き出しにより不要な再生操作が開始されることが防止される。
【0060】
また、ステップ511でCT≧CTであった場合には、NOセンサ33における排気空燃比は既にリーン空燃比になっており、吐き出しによりNO吸蔵還元触媒7から放出された未浄化NOはNOセンサ33を通過し終わっていると考えられる。このため、ステップ509でのNO濃度の増大は通常の染み出しにより生じており、NO吸蔵還元触媒の再生操作を直ちに開始する必要があるので、ステップ513に進みフラグXRSの値を1にセットする。フラグXRSの機能は、図4のものと同一である。
【0061】
これにより、真にNO吸蔵還元触媒7のNO吸蔵能力が低下した場合にのみ再生操作が開始されるようになり、不要な再生操作の実行が防止される。
(3)第3の実施形態
本実施形態では、Oセンサ29、31の出力を用いずにNO吸蔵還元触媒7の再生操作開始後の時間のみに基づいてNO吸蔵還元触媒7からの吐き出しが生じているか否かを判定する。
【0062】
NO吸蔵還元触媒7からの未浄化のNOの吐き出しは再生操作開始後短時間の間に終了する。このため、再生操作が開始されてから所定の時間が経過すればNO吸蔵還元触媒7からの未浄化NOの吐き出しは終了していると考えて良い。そこで、本実施形態ではNO吸蔵還元触媒7の再生操作開始時から所定時間が経過するまでの間のみNOセンサ33出力に基づく再生操作実行を禁止するようにしている。本実施形態では、これによりOセンサの出力を用いることなく簡易にNO吸蔵還元触媒7からの吐き出しが生じているか否かを判定することが可能となっている。
【0063】
図6は、本実施形態の再生判定操作を説明する図4、図5と同様なフローチャートである。本操作もECU30により一定時間毎に実行されるルーチンにより行われる。
図6の操作が開始されると、ステップ601ではNOセンサ33出力VNOXが読み込まれるとともに、ステップ603ではNOセンサ33出力VNOXがVNOX1に到達しているか否かが判定される。
【0064】
ステップ603でVNOX≧VNOX1であった場合には、すなわちNO濃度が所定値VNOX1以上に増大している場合には、次にステップ607に進みカウンタCTRの値に基づいてこのNOの増大が吐き出しにより生じているか否かが判定される。
ステップ607では、CTR<CTRの場合にステップ603でのNO濃度の増大が吐き出しにより生じたと判断される。カウンタCTRはステップ609でリッチスパイクフラグXRSの値が1にセットされると同時に、すなわち再生操作が開始されたときに0にリセットされ(ステップ611)、それ以外の場合(ステップ603でVNOX<VNOX1の場合、及びステップ607でCTR<CTRの場合)には操作実行毎に1ずつ増大(ステップ605)される。このため、カウンタCTRの値は前回再生操作が開始された時からの経過時間に対応する値になっている。また、所定値CTRは再生操作開始後NO吸蔵還元触媒7からの未浄化NOの吐き出しが終了し、放出された未浄化NOがNOセンサ33の位置を通過し終わるまでの時間に相当する値に設定される。
【0065】
ステップ607でCTR≧CTRの場合には、ステップ603におけるNOの増大は通常の染み出しにより生じているため直ちにNO吸蔵還元触媒の再生操作を行う必要がある。そこで、この場合にはステップ609でリッチスパイクフラグXRSの値が1にセットされ、ステップ611ではカウンタCTRの値が0にリセットされる。また、ステップ603で再生操作が不要(VNOX<VNOX1)と判断された場合、及びステップ607で現在吐き出しが生じている(CTR<CTR)と判断された場合には、フラグXRSのセットは行わず、カウンタCTRの値を1増大して今回の操作を終了する。
【0066】
上述のように、本実施形態ではOセンサの出力を用いることなくNO吸蔵還元触媒7からのNOの吐き出しを判定できるため、排気系にOセンサを備えていない機関でも簡易に不要な再生操作の実行を防止することが可能となっている。
(4)第4の実施形態
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。本実施形態においては、NO吸蔵還元触媒7からの未浄化NOの吐き出しの有無を第1の実施形態と同様に下流側Oセンサ31出力に基づいて判定するとともに、NOの吐き出しが終了したと判定されたときのNOセンサ33出力VNOXに基づいてNO吸蔵還元触媒7の劣化を判定する操作を行う。
【0067】
NO吸蔵還元触媒7は種々の原因によって劣化し、劣化とともにNO吸蔵能力が低下する。例えば、排気中に硫黄酸化物(SO)が含まれているとNO吸蔵還元触媒7は前述したNOの吸放出メカニズムと同様なメカニズムにより硫黄酸化物を硫酸塩の形で吸収する。しかし、吸収剤内の硫酸塩(例えばBaSO)は硝酸塩に較べて安定性が高く、通常のNO吸蔵還元触媒の再生操作では放出されない。このため、通常のNO吸蔵還元触媒再生操作を繰り返していると、NO吸蔵還元触媒内には徐々に硫酸塩が蓄積されてしまい、NOの吸収に関与できる吸収剤が減少しNOの吸蔵能力が低下する。本明細書では、この排気中のSOの吸収によるNO吸蔵還元触媒の劣化をSO被毒と呼ぶ。
【0068】
NO吸蔵還元触媒7の再生操作が終了すると、NO吸蔵還元触媒7に吸収されたNOの全量が放出されてNO吸蔵還元触媒7の吸蔵能力は最大になる。しかし、上述したSO被毒等のNO吸蔵還元触媒の劣化が生じると再生操作完了後のNO吸蔵能力も徐々に低下するようになる。
図7は、NO吸蔵還元触媒通過後の排気中のNO濃度の再生操作前後の変化を示す図3と同様な図であり、図中の実線は正常な(劣化していない)NO吸蔵還元触媒の場合を、点線はSO被毒などにより劣化が生じた触媒の場合を、それぞれ示している。
【0069】
図7点線に示すように、劣化したNO吸蔵還元触媒では、再生操作終了後のNO吸蔵能力が低下するため、NO吸蔵還元触媒からのNOの吐き出しが終了した時点の下流側排気中のNO濃度(図7、A点)は正常なNO吸蔵還元触媒に較べて高くなる。また、吐き出し終了後の下流側排気のNO濃度は流入する排気中のNO濃度が同一であってもNO吸蔵還元触媒の劣化が進むほど高くなる。
【0070】
本実施形態では、NO吸蔵還元触媒7からの未浄化NOの吐き出しが終了した時点(図7、A点)を下流側Oセンサ31出力VODに基づいて判定するとともに、このときのNOセンサ33出力に基づいて触媒が許容できない程度まで劣化しているか否かを判定する。
図8は、本実施形態の劣化判定操作を説明するフローチャートである。本操作は、ECU30により一定時間毎に実行されるルーチンにより行われる。
【0071】
なお、図示していないが、本実施形態においても、第1の実施形態と同様な操作が別途行われており、NO吸蔵還元触媒から未浄化のNOの吐き出しが生じている間は再生操作の実行が禁止されている。
図8の操作では、下流側空燃比センサ31で検出した排気空燃比がリッチ空燃比からリーン空燃比(または理論空燃比)に変化した時点を判定し(ステップ803、805、807)、このときのNOセンサ33で検出したNO濃度(すなわち、図7のA点のNO濃度)が予め定めた判定値VNOX2以上に増大している場合にNO吸蔵還元触媒7が劣化したと判定するようにしている。
【0072】
すなわち、図8で操作がスタートすると、ステップ801ではNOセンサ33出力VNOXと下流側Oセンサ31出力VODとが読み込まれ、ステップ803ではOセンサ31出力がリッチ空燃比相当出力か否かが判定される。
ステップ803で下流側Oセンサ31出力がリッチ空燃比相当出力であった場合には、ステップ805でフラグRの値を0にリセットして今回の操作実行を終了する。すなわち、フラグRの値は下流側Oセンサ31出力VODがリッチ空燃比相当出力である間は常に0にリセットされている。また、フラグRの値は空燃比がリーンになったときに後述するステップ815で1にセットされる。
【0073】
ステップ803で出力VODがリッチ空燃比相当出力でない場合、すなわちリーン空燃比または理論空燃比相当出力である場合には、次にステップ807で上記フラグRの値が0か否かが判定される。フラグRの値は、VODがリッチ空燃比相当出力の間はステップ805で0に設定され、VODがリーン空燃比または理論空燃比相当出力になるとステップ815で1にセットされる。このため、ステップ803でVODがリーン空燃比または理論空燃比相当出力であり、かつステップ807でR=0であった場合には、今回の操作はNO吸蔵還元触媒7通過後の排気空燃比がリッチ空燃比からリーン空燃比または理論空燃比に変化した後最初に実行されていること、すなわち、現在のNO吸蔵還元触媒7通過後の排気中のNO濃度は図7に示したA点(NO吸蔵還元触媒7の最大NO吸蔵能力に対応した値)にあることを意味している。
【0074】
そこで、この場合にはステップ809で現在のNOセンサ33出力VNOXが所定値VNOX2以上になっているか否かが判定される。VNOX≧VNOX2である場合には、NO吸蔵還元触媒7が劣化してNO吸蔵能力が許容できないほど低下しているために、再生操作終了後にも下流側排気のNO濃度が高くなっていることを意味する。そこで、この場合にはステップ813で劣化フラグXFの値を1にセットした後、ステップ815で前述のフラグRの値を1にセットして操作を終了する。また、ステップ809でVNOX<VNOX2である場合にはNO吸蔵還元触媒7は許容できない程度までは劣化していないため、ステップ811で劣化フラグXFの値を0にセットしてステップ815でフラグRの値を1にセットして操作を終了する。これにより、次回の操作実行時からはステップ807の後直ちに操作が終了するようになり、ステップ809の劣化判定は実行されない。本実施形態では、フラグXFの値が1にセットされると例えば別途ECU30により実行されるルーチンにより運転席の警告灯が点灯され運転者にNO吸蔵還元触媒7が劣化したことが報知される。
【0075】
図8の操作により、本実施形態ではNO吸蔵還元触媒7の劣化の有無が下流側Oセンサ出力VODとNOセンサ33出力VNOXとに基づいて正確に判定される。
(5)第5の実施形態
本実施形態では、上流側Oセンサ29出力VOUに基づいてNO吸蔵還元触媒7からのNOの吐き出し終了時を判定し、NO吐き出し終了時のNOセンサ33出力VNOXに基づいてNO吸蔵還元触媒7の劣化の有無を判定する。
【0076】
図9は、本実施形態の劣化判定操作を示すフローチャートである。本操作もECU30により一定時間毎に実行されるルーチンにより行われる。
図9の操作では、第2の実施形態(図5)と同じ計時カウンタCTと第4の実施形態(図8)と同じフラグRとを用いて、上流側Oセンサ29出力がリッチ空燃比相当出力からリーン空燃比または理論空燃比相当出力に変化した時点から所定時間(CT)経過後の時点のNOセンサ33出力VNOXに基づいてNO吸蔵還元触媒7の劣化を判定している。すなわち、上流側Oセンサ29の位置で排気空燃比がリッチ空燃比からリーン空燃比または理論空燃比に変化すると、変化後の空燃比の排気は所定時間(CT)経過後にNOセンサ33に到達する。このため、上流側空燃比センサ29の位置で空燃比がリッチからリーンに変化した時点から所定時間後のNOセンサ33出力は図7のA点に対応していることになる。ここで、上記所定時間(CT)は上流側Oセンサ29を通過した排気がNO吸蔵還元触媒7を通過してNOセンサ33に到達するのに必要な時間に相当する。
【0077】
図9の操作では、ステップ901でNOセンサ33出力VNOXと上流側Oセンサ29出力VOUとを読み込み、フラグRを用いて前述の第4の実施形態(図8)と同じ操作でVNOXがリッチ空燃比相当出力からリーン空燃比(または理論空燃比)相当出力に変化した時点を検出する(ステップ903、905、909、921)。そして、更に計時カウンタCTを用いて第2の実施形態(図5)と同じ操作(ステップ907、911、913)で、上流側Oセンサ29の出力の変化時期から所定時間CTが経過したときにNOセンサ33出力による劣化判定(ステップ915、917、919)を実行する。図9の各ステップの操作は、図5または図8の操作と同一であるのでここでは詳細な説明は省略する。
【0078】
なお、図示は省略するが本実施形態においても別途第2の実施形態(図5)と同一の操作が行われ、NO吸蔵還元触媒7からのNOの吐き出しが生じている間はNOセンサ33出力に基づく再生操作実行が禁止される。
なお、前述の第4の実施形態では下流側Oセンサ31出力に基づいて、また本実施形態では上流側Oセンサ29出力に基づいて、それぞれNOセンサ33出力に基づく劣化判定(図8ステップ809、図9ステップ915)の実行タイミングを判定しているが、第3の実施形態と同様にOセンサ29、31の出力を用いずに、再生操作開始後所定時間が経過したときにNOセンサ33出力に基づく劣化判定を実施することも可能である。
【0079】
(6)第6の実施形態
次に、本発明の第6の実施形態について説明する。本実施形態では、上記第4または第5の実施形態の操作のいずれかによりNO吸蔵還元触媒7の劣化を判定するとともに、NO吸蔵還元触媒7が許容できないほど劣化していると判定された場合にはNO吸蔵還元触媒7のNO吸蔵能力を回復させるための操作を行う。
【0080】
NO吸蔵還元触媒のNO吸蔵能力の回復操作は、劣化の種類に応じて種々の方法がとられるが、ここではNO吸蔵還元触媒のSO被毒による劣化からのNO吸蔵能力の回復操作に例をとって説明する。
前述したように、NO吸蔵還元触媒のSO被毒による劣化はNO吸蔵還元触媒中に硫酸塩が蓄積されることにより生じる。この硫酸塩を放出させるためには、通常の再生操作より高い温度でNO吸蔵還元触媒をリッチ空燃比雰囲気に一定時間保持することが効果的であることが判明している。
【0081】
そこで、本実施形態ではNO吸蔵還元触媒7の劣化が生じていると判定されたときには、機関1をリッチ空燃比で運転するとともに、機関の点火時期を遅角すること等により機関の排気温度を上昇させる。これにより、NO吸蔵還元触媒7には通常の再生操作時より高い温度のリッチ空燃比の排気が通過するようになり、高温リッチ空燃比雰囲気下でNO吸蔵還元触媒7から吸収したSOが放出されるようになる。
【0082】
図10は本実施形態の回復操作を示すフローチャートである。本操作はECU30により一定時間毎に実行される。
図10において操作がスタートすると、ステップ1001では、劣化フラグXFの値が1(劣化)にセットされているか否かが判定される。フラグXFの値は前述の第4または第5の実施形態の操作により設定される。フラグXFの値が1にセットされていた場合には、ステップ1005で操作実行毎に計時カウンタKTの値を1増大するとともに、ステップ1007でカウンタKTの値が所定値KTに到達するまでステップ1009の回復操作を実行する。カウンタKTの値は、ステップ1001で劣化フラグXFの値が0(正常)にセットされている場合には0にリセットされるため、KTの値はステップ1009の回復操作の実行開始からの時間に対応している。
【0083】
本実施形態のステップ1009の回復操作では、機関1はリッチ空燃比で運転されるとともに、機関点火時期が遅角され排気温度は通常の再生操作時より高い値に維持される。これにより、NO吸蔵還元触媒7からはNOのみならず吸収したSOが放出されるようになり、NO吸蔵還元触媒7のNO吸蔵能力が回復する。
【0084】
ステップ1009の回復操作は、カウンタKTの値が所定値KTに到達すると終了し(ステップ1011)、機関1は通常のリーン空燃比運転を再開する。ここで、所定値KTはNO吸蔵還元触媒7から吸収したSOの全量が放出されるのに必要な時間に相当し、NO吸蔵還元触媒7のサイズ、種類により異なってくるため詳細には実際のNO吸蔵還元触媒を用いた実験により決定することが好ましい。ステップ1011で回復操作終了後、ステップ1013では劣化フラグXFの値は0(正常)にセットされる。これにより、次回の操作実行時からは、次にXFの値が1にセットされるまで回復操作は実行されなくなる。
【0085】
なお、上述の第1から第6の実施形態は本発明をガソリン機関に適用した場合を例にとって説明しているが、本発明はディーゼル機関にも適用可能である。この場合、NO吸蔵還元触媒の再生操作としてはNO吸蔵還元触媒上流側の排気通路に還元剤(例えば燃料油等の炭化水素等)を噴射するか、或いは各気筒の排気行程中に追加の燃料噴射を行うことによりNO吸蔵還元触媒に流入する排気の空燃比を短時間リッチにする等の方法により行われる。
【0086】
【発明の効果】
各請求項に記載の発明によれば、NOX吸蔵還元触媒からの未浄化のNOXの放出により不要な再生操作の実行を防止することにより、機関の燃費や排気性状が悪化することが防止可能となる共通の効果を奏する。
請求項4に記載の発明では、更に上記共通の効果に加えてNOX吸蔵還元触媒の劣化を正確に判定することが可能となる効果を奏する。
【0087】
また、請求項5に記載の発明では、請求項4の効果に加えてNOX吸蔵還元触媒の劣化が判定されたときにNOX吸蔵還元触媒の吸蔵能力の回復操作を行うことにより、NOX吸蔵還元触媒の吸蔵能力を常に高く維持することが可能となる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の排気浄化装置を自動車用ガソリン機関に適用した場合の概略構成を説明する図である。
【図2】図1のNOセンサの構造の一例を示す模式図である。
【図3】NO吸蔵還元触媒からのNOの「吐き出し」と「染み出し」とを説明する図である。
【図4】本発明の第1の実施形態を説明するフローチャートである。
【図5】本発明の第2の実施形態を説明するフローチャートである。
【図6】本発明の第3の実施形態を説明するフローチャートである。
【図7】NO吸蔵還元触媒の劣化による下流側排気NO濃度の変化を説明する図である。
【図8】本発明の第4の実施形態を説明するフローチャートである。
【図9】本発明の第5の実施形態を説明するフローチャートである。
【図10】本発明の第6の実施形態を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
1…内燃機関
2…排気通路
7…NO吸蔵還元触媒
30…電子制御ユニット(ECU)
29、31…Oセンサ
33…NOセンサ

Claims (5)

  1. 内燃機関の排気通路に配置した、流入する排気空燃比がリーンのときに排気中のNOXを吸収し、流入する排気中の酸素濃度が低下したときに吸収したNOXを放出するNOX吸蔵還元触媒と、
    該NOX吸蔵還元触媒通過後の排気中のNOX濃度を検出するNOX濃度検出手段と、
    該NOX濃度検出手段が検出した排気中のNOX濃度が予め定めた値以上になったときに、前記NOX吸蔵還元触媒に流入する排気空燃比をリッチ空燃比にすることにより前記NOX吸蔵還元触媒から吸収したNOXを放出させ、還元浄化する再生手段と、
    前記NOX吸蔵還元触媒に流入する排気の空燃比がリッチ空燃比になったときに前記NOX吸蔵還元触媒から未浄化のNOXが下流側に放出されていることを判定するNOX放出判定手段と、
    前記未浄化のNOXの放出が生じていると判定されたときに、前記再生手段が排気空燃比をリッチ空燃比にすることを禁止する禁止手段と、
    を備え、
    更に、前記NO X 放出判定手段は、前記NO X 吸蔵還元触媒内の雰囲気空燃比がリッチ空燃比であるか否かを判定する触媒空燃比判定手段を備え、前記NO X 吸蔵還元触媒内の雰囲気空燃比がリッチ空燃比と判定され、かつ前記NO X 濃度検出手段で検出したNO X 濃度が所定の判定値以上であるときに前記NO X 吸蔵還元触媒から未浄化のNO X が放出されていると判定する内燃機関の排気浄化装置。
  2. 前記触媒空燃比判定手段は、前記NO X 吸蔵還元触媒上流側排気通路または下流側排気通路の少なくとも一方に配置され、排気空燃比を検出する空燃比センサを備え、前記空燃比センサにより検出された排気空燃比に基づいてNO X 吸蔵還元触媒内の雰囲気空燃比がリッチ空燃比であるか否かを判定する請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  3. 内燃機関の排気通路に配置した、流入する排気空燃比がリーンのときに排気中のNO X を吸収し、流入する排気中の酸素濃度が低下したときに吸収したNO X を放出するNO X 吸蔵還元触媒と、
    該NO X 吸蔵還元触媒通過後の排気中のNO X 濃度を検出するNO X 濃度検出手段と、
    該NO X 濃度検出手段が検出した排気中のNO X 濃度が予め定めた値以上になったときに、前記NO X 吸蔵還元触媒に流入する排気空燃比をリッチ空燃比にすることにより前記NO X 吸蔵還元触媒から吸収したNO X を放出させ、還元浄化する再生手段と、
    前記NO X 吸蔵還元触媒に流入する排気の空燃比がリッチ空燃比になったときに前記NO X 吸蔵還元触媒から未浄化のNO X が下流側に放出されていることを判定するNO X 放出判定手段と、
    前記未浄化のNO X の放出が生じていると判定されたときに、前記再生手段が排気空燃比をリッチ空燃比にすることを禁止する禁止手段と、
    を備え、
    前記NO X 放出判定手段は、前記再生手段が前記NO X 吸蔵還元触媒に流入する排気の空燃比をリッチ空燃比に変化させたときから予め定めた時間が経過するまでの間前記未浄化のNO X 放出が生じていると判定する請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  4. 更に、前記NO X 吸蔵還元触媒の劣化の有無を判定する劣化判定手段を備え、
    該劣化判定手段は、前記NO X 放出判定手段により前記未浄化のNO X の放出が終了したことが判定されたときの、前記NO X 濃度検出手段の検出したNO X 濃度が予め定めた劣化判定値以上である場合に、前記NO X 吸蔵還元触媒が劣化したと判定する、請求項1または3に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  5. 更に、前記劣化判定手段により前記NO X 吸蔵還元触媒が劣化したと判定されたときに、前記NO X 吸蔵還元触媒のNO X 吸蔵能力を回復させる回復操作を行う回復制御手段を備えた請求項4に記載の内燃機関の排気浄化装置。
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