JP2006321953A - 酸変性エポキシ(メタ)アクリレート化合物及び該化合物を含有する感光性熱硬化性樹脂組成物並びにその硬化物 - Google Patents
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Abstract
【課題】ソルダーレジストインキ、ドライフィルムレジストの電子材料分野において、優れた皮膜形成に適した感光性熱硬化性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】三塩基酸及び又は四塩基酸の酸無水物(a−i)と不飽和基含有モノアルコール(a−ii)を反応させて得られる不飽和基含有ジカルボン酸化合物に、さらに1分子中に2個のエポキシ基を有するエポキシ化合物(a−iii)を反応させて得られる下記一般式で示される1分子中に2個のエポキシ基を有する不飽和基含有のエポキシ化合物(a)と、不飽和基含有モノカルボン酸(b)を反応させて得られる反応生成物に、さらに多塩基酸無水物(c)を反応させることにより得られる酸変性エポキシ(メタ)アクリレート化合物(A)と、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物(B)、光重合開始剤(C)、希釈剤(D)を必須成分として含有するアルカリ現像可能な感光性熱硬化性樹脂組成物。
【選択図】なし
【解決手段】三塩基酸及び又は四塩基酸の酸無水物(a−i)と不飽和基含有モノアルコール(a−ii)を反応させて得られる不飽和基含有ジカルボン酸化合物に、さらに1分子中に2個のエポキシ基を有するエポキシ化合物(a−iii)を反応させて得られる下記一般式で示される1分子中に2個のエポキシ基を有する不飽和基含有のエポキシ化合物(a)と、不飽和基含有モノカルボン酸(b)を反応させて得られる反応生成物に、さらに多塩基酸無水物(c)を反応させることにより得られる酸変性エポキシ(メタ)アクリレート化合物(A)と、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物(B)、光重合開始剤(C)、希釈剤(D)を必須成分として含有するアルカリ現像可能な感光性熱硬化性樹脂組成物。
【選択図】なし
Description
本発明は、民生用並びに産業用プリント配線板の分野、及びソルダーレジストを施したプリント配線板と封止樹脂を用いたBGA(ボール・グリッド・アレイ)やCSP(チップ・スケール・パッケージ)等のICパッケージ用プリント配線板の製造に用いられる希アルカリ現像液にて画像形成が可能な液状ソルダーレジストインキ、ドライフィルム型ソルダーレジストに有用な酸変性エポキシ(メタ)アクリレート化合物及び該化合物を含有する感光性熱硬化性樹脂組成物並びにその硬化物に関する。
現在のプリント配線板の製造は、配線(回路)パターン形成後、電子部品をプリント配線板へはんだ付けにて実装する際に、不必要な部分にはんだが付着しないように保護する目的や、塵、埃、湿気等から回路を保護する目的で、ソルダーマスクと呼ばれる保護層を被覆することが行われている。
上記のプリント配線板に用いられるソルダーレジストは、紫外線硬化型、又は熱硬化型、もしくは紫外線硬化と熱硬化を併用する写真現像型の液状ソルダーレジストインキをプリント配線板上にスクリーン印刷等の印刷法により塗布するタイプや、ポリエステルフィルムやポリエチレンフィルムを支持体とする有機溶剤を含まないドライフィルムレジストをプリント配線板に貼り付けて支持体を剥がすことにより皮膜を得るタイプがあるが、近年の高精度かつ高密度の観点、及び環境への配慮から希アルカリ水溶液を現像液とする写真現像型が主流であり、画像パターンを施したネガフィルムを皮膜上にのせ、紫外線照射による光硬化(仮硬化)後、希アルカリ現像液で現像することにより画像を形成し、熱硬化(本硬化)することにより皮膜を得ている。
上記のICパッケージ用プリント配線板に従来市販の希アルカリ現像型ソルダーレジストとして最も広く使用されているフェノールノボラック型の酸変性エポキシアクリレート化合物とエポキシ化合物を必須成分とするレジストインキ(例えば、特許文献1,2参照)を施した場合、その硬化皮膜はパッケージ実装におけるリフロー工程や、長期信頼性試験のひとつである冷熱サイクル試験(−65℃と125℃のサイクル試験)、またパッケージ製造における封止樹脂による金型成型の工程等において硬化皮膜にクラックが発生するという問題が生じており改善が求められている。このような問題は、上記実装技術の場合のみに限られるものではなく、一般のプリント配線板のソルダーレジストにおいても望ましくない。
このような問題に対し、これまで様々な試みが行われている。例えば、ノボラック型エポキシ化合物にフェノール化合物及び/又はナフトール化合物と不飽和基含有モノカルボン酸を反応させ、さらに多塩基酸無水物を反応させた反応生成物と、エポキシ化合物を必須成分とするレジストインキがある(例えば、特許文献3,4参照)。このレジストインキは形成される硬化皮膜に可とう性が付与され耐クラック性は解決しているが、アルカリ現像性が十分でなく、鮮明なレジストパターンの画像形成が困難になるという問題が生じている。また、ビスフェノールF型エポキシ化合物或いはゴム変性エポキシ化合物から選ばれるエポキシ化合物と不飽和基含有モノカルボン酸を反応させ、さらに多塩基酸無水物を反応させた反応生成物と、エポキシ化合物を必須成分とするレジストインキ(例えば、特許文献5参照)や、特定構造を有するビスフェノール型多官能エポキシ化合物と不飽和基含有モノカルボン酸を反応させ、さらに多塩基酸無水物を反応させた反応生成物と、エポキシ化合物を必須成分とするレジストインキがある(例えば、特許文献6参照)。これらのレジストインキは、形成される硬化皮膜に可とう性が付与され耐クラック性は解決しているが、いずれも紫外線(光)への感度が低いため、形成される画像の解像度が低く、次世代で要求されるさらなる高密度実装には十分に対応できないという問題が懸念されている。
さらに、ノボラック型エポキシ化合物及び/又はグリコール系エポキシ化合物と不飽和基含有モノカルボン酸と飽和モノカルボン酸を反応させ、さらに多塩基酸無水物を反応させた反応生成物と、エポキシ化合物を必須成分とするレジストインキ(例えば、特許文献7参照)、エポキシ化合物と1分子中にアルコール性水酸基1個とカルボキシル基及びアミノ基から選ばれる1個の官能基を有する化合物と不飽和基含有モノカルボン酸を反応させ、さらに多塩基酸無水物を反応させた反応生成物がある(例えば、特許文献8参照)。さらには三塩基酸以上の酸無水物と2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとの反応生成物単独又はそれと(メタ)アクリル酸との混合物を、カルボキシル基が未反応で残るようにエポキシ化合物又はエポキシ(メタ)アクリレートと反応させた反応生成物がある(例えば、特許文献9,10参照)が、いずれも形成される硬化皮膜に可とう性が付与され耐クラック性は解決しているものの、耐クラック性と同様に長期信頼性試験のひとつであるPCT(プレッシャー・クッカーテスト)耐性が十分でなく、皮膜の溶剤乾燥工程時における現像ライフが著しく短く、プリント配線板における配線パターンを形成することが困難であるなどの問題が生じている。さらに上記特許文献7において可とう性の程度を調整するために飽和モノカルボン酸を多量に配合した場合、皮膜の溶剤乾燥工程後の指触乾燥性が著しく低下するという問題が生じており、また前記特許文献9においては、現像ライフを維持するために高価なマイクロカプセル化された熱硬化触媒を必要とする等の問題が生じている。
このように、耐クラック性を解決するために形成される硬化皮膜に可とう性を付与した場合、一般にアルカリ現像性、もしくはPCT耐性のいずれかが大きく低下し、さらには溶剤乾燥工程における現像ライフや溶剤乾燥工程後の指触乾燥性が低下するなど、半導体パッケージのプリント配線板の製造に用いられるソルダーレジストインキとしての基本性能である皮膜の指触乾燥性、アルカリ現像性、現像ライフ、さらにはPCT耐性、はんだ耐熱性、基材との密着性、皮膜の硬度等をバランス良く両立させ、実装時及び長期信頼性試験の冷熱サイクル試験において発生する硬化皮膜のクラック問題を完全に解決することは極めて困難であり、これまで十分に満足するものがないのが現状である。
特開昭61−243869号公報
特開平3−253093号公報
特開平11−288091号公報
特開平11−315107号公報
特開平11−242331号公報
特開2001−278947号公報
特開2000−321765号公報
特開2002−90994号公報
特開平4−170480号公報
特開平4−170481号公報
従って、本発明の目的は、プリント配線板の製造、特にソルダーレジストを施したプリント配線板と封止樹脂を用いたBGA(ボール・グリッド・アレイ)やCSP(チップ・スケール・パッケージ)等のICパッケージの製造に使用される液状ソルダーレジストインキ、ドライフィルムレジストの電子材料分野において、実装時及び長期信頼性試験のひとつである冷熱サイクル試験において形成される硬化皮膜にクラックを生じることなく、指触乾燥性、アルカリ現像性、現像ライフ、PCT耐性、さらには、はんだ耐熱性、基材との密着性、硬度に優れた皮膜形成に適した酸変性エポキシ(メタ)アクリレート化合物及び該化合物を含有する感光性熱硬化性樹脂組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記のような課題を解決するために鋭意検討を行った結果、上記の目的を達成するのに好適な新しい構造を有する酸変性エポキシ(メタ)アクリレート化合物を見出し、該酸変性エポキシ(メタ)アクリレート化合物に、エポキシ化合物、光重合開始剤、及び希釈剤を必須成分として配合した感光性熱硬化性樹脂組成物が、上記のような多岐にわたる特性に対しバランスの良い特性を示し、かつ形成される硬化皮膜の耐クラック性が著しく優れた硬化物を与えることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明の第1の発明は、(1)下記一般式(1)で示される1分子中に2個のエポキシ基を有する不飽和基含有のエポキシ化合物(a)と、不飽和基含有モノカルボン酸(b)を反応させて得られる反応生成物に、さらに多塩基酸無水物(c)を反応させることを特徴とする酸変性エポキシ(メタ)アクリレート化合物に関する。
一般式(1)
(式中、Mは水素原子又は
を表し、Mの少なくとも一つは
であり、Xは二価の芳香族基及び/又はアルキル基及び/又はシクロヘキシル基、Yは三価及び/又は四価の芳香族基、Aは不飽和基含有モノアルコールの残基、nは1〜100である。)
一般式(1)
(2)また、上記の1分子中に2個のエポキシ基を有する不飽和基含有エポキシ化合物(a)が、三塩基酸及び又は四塩基酸の酸無水物(a−i)と不飽和基含有モノアルコール(a−ii)を反応させて得られる不飽和基含有ジカルボン酸化合物に、さらに1分子中に2個のエポキシ基を有するエポキシ化合物(a−iii)を反応させて得られることを特徴とする上記(1)記載の酸変性エポキシ(メタ)アクリレート化合物に関する。
また、本発明の第2の発明は、(3)上記の酸変性エポキシ(メタ)アクリレート化合物(A)、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物(B)、光重合開始剤(C)、希釈剤(D)を必須成分として含有することを特徴とする感光性熱硬化性樹脂組成物に関する。
(1)本発明における酸変性エポキシ(メタ)アクリレート化合物(A)は、分子中にラジカル重合し得る感光性の二重結合とカルボキシル基を有しており、紫外線(光)照射下で光重合開始剤によりラジカル重合して硬化物(仮硬化)を形成し、紫外線(光)照射されない部分は希アルカリ溶液により除去する現像性に優れており、さらに硬化物中に存在するカルボキシル基が、熱硬化工程(本硬化)において共存するエポキシ化合物(B)と反応して強固な結合を形成し優れた硬化皮膜を得ることができる。
(2)本発明の酸変性エポキシ(メタ)アクリレート化合物を含有する感光性熱硬化性樹脂組成物は、指触乾燥性、アルカリ現像性、感度のバランスに優れ、かつレジスト皮膜として必要な密着性、はんだ耐熱性、PCT耐性に高いレベルで優れた硬化皮膜を与えることができる。そのためプリント配線板の製造、特にBGA(ボールドグリットアレイ)や、CSP(チップ・スケール・パッケージ)などのICパッケージ製造の材料として最適である。
本明細書中において、(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸、メタクリル酸又はこれらの混合物を、エポキシ(メタ)アクリレートとは、エポキシアクリレート、エポキシメタクリレート、又はこれらの混合物を、(メタ)アクリル酸エステルとは、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル。又はこれらの混合物を意味する。
本発明は、三塩基酸及び又は四塩基酸の酸無水物(a−i)と不飽和基含有モノアルコール(a−ii)を反応させて得られる不飽和基含有ジカルボン酸化合物に、さらに1分子中に2個のエポキシ基を有するエポキシ化合物(a−iii)を反応させて得られる下記一般式(1)で示される1分子中に2個のエポキシ基を有する不飽和基含有のエポキシ化合物(a)と、不飽和基含有モノカルボン酸(b)を反応させて得られる反応生成物に、さらに多塩基酸無水物(c)を反応させることを特徴とする酸変性エポキシ(メタ)アクリレート化合物、及び該酸変性エポキシ(メタ)アクリレート化合物(A)、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物(B)、光重合開始剤(C)、希釈剤(D)を必須成分として含有することを特徴とする感光性熱硬化性樹脂組成物、並びに該感光性熱硬化性樹脂組成物を硬化させて得られる、優れた皮膜特性を有する硬化物を提供するものである。
一般式(1)
(式中、Mは水素原子又は
を表し、Mの少なくとも一つは
であり、Xは二価の芳香族基及び/又はアルキル基及び/又はシクロヘキシル基、Yは三価及び/又は四価の芳香族基、Aは不飽和基含有モノアルコールの残基、nは1〜100である。)
一般式(1)
上記一般式(1)におけるXは下記(d)〜(m2)の二価の芳香族基及び/又はアルキル基及び/又はシクロヘキシル基を表し、例えば、下記(d),(e),(l),(m)においてR1,R2,R3,R4,R10,R11,R12,R13は、水素原子、又は炭素数1〜4のアルキル基、又はハロゲン原子であり、a,b,c,d,i,j,k,lは、R1,R2,R3,R4,R10,R11,R12,R13がアルキル基のとき1〜4であり、ハロゲン原子のときは1又は2である。(f),(g)及び(j)において、R5,R6,R7,R8は水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基であり、e,f,gは1〜4、hは1〜4である。また、(k)におけるR9は、炭素数1〜12のアルキル基、(m)におけるR14,R15は同じ/又は異なる炭素数1〜3のアルキル基である。さらに、(e),(l),(m)におけるZ1,Z2,Z3は、アルキレン、シクロアルキレン、ハロゲン、シクロキル又はアリール置換アルキレン、硫黄原子、一酸化硫黄、又は二酸化硫黄である。
上記一般式(1)におけるYは下記(n)〜(u)の三価及び/又は四価の芳香族基、Aは不飽和基含有モノアルコールの残基を表し、例えば、下記(r)におけるZ4は、酸素原子、又はカルボニル基、炭素数1〜4のアルキル基、二酸化硫黄であり、下記(s)におけるZ5は炭素数1〜4のアルキル基である。
まず、本発明の第1の発明である酸変性エポキシ(メタ)アクリレート化合物(A)について説明する。本発明における酸変性エポキシ(メタ)アクリレート化合物(A)は、分子中にラジカル重合し得る感光性の二重結合とカルボキシル基を有する構造からなる化合物であり、紫外線(光)照射による光硬化工程で共存する光重合開始剤(C)の存在でラジカル重合して硬化物(仮硬化)を形成する。この時に紫外線(光)が照射されない部分は、分子中のカルボキシル基の存在で希アルカリ水溶液を用いた現像工程において除去され画像が描かれる。一方、アルカリ現像工程で除去されない硬化物(仮硬化)中のカルボキシル基は、熱硬化工程(本硬化)において共存するエポキシ化合物(B)と反応して強固な結合を形成する。
上記の酸変性エポキシ(メタ)アクリレート化合物(A)は、例えば、上記一般式(1)で示される1分子中に2個のエポキシ基を有する不飽和基含有のエポキシ化合物(a)と不飽和基含有モノカルボン酸(b)を公知の触媒、重合禁止剤を存在させて、不活性ガス気流中又は空気の存在下、60〜150℃で反応させて得られる反応生成物の分子中におけるアルコール性水酸基に、さらに多塩基酸無水物(c)を30〜150℃で反応させることにより製造することができる。
本発明の酸変性エポキシ(メタ)アクリレート化合物を一般式で示すと以下の通りである。すなわち、
本発明の酸変性エポキシ(メタ)アクリレート化合物は、
下記一般式、
(式中、Mは水素原子又は
を表し、Mの少なくとも一つは
であり、Xは二価の芳香族基及び/又はアルキル基及び/又はシクロヘキシル基、Yは三価及び/又は四価の芳香族基、Aは不飽和基含有モノアルコールの残基、Qは不飽和基含有モノカルボン酸の残基、Gは水素原子又は少なくともカルボキシル基を1個以上含有する多塩基酸の残基を表し、Gの少なくとも一つは多塩基酸の残基である。また、nは1〜100である。)で示される。
本発明の酸変性エポキシ(メタ)アクリレート化合物は、
下記一般式、
はじめに上記一般式(1)で示される1分子中に2個のエポキシ基を有する不飽和基含有のエポキシ化合物(a)について説明する。
上記1分子中に2個のエポキシ基を有する不飽和基含有のエポキシ化合物(a)は、三塩基酸及び/又は四塩基酸の酸無水物(a−i)と不飽和基含有モノアルコール(a−ii)を公知の触媒、重合禁止剤を存在させ、不活性気流中又は空気の存在下、30〜150℃で反応させて得られる上記(n)〜(u)に示す三価及び/又は四価の芳香族基を有する不飽和基含有のジカルボン酸化合物と、上記(d)〜(m)に示す二価の芳香族基及び/またはアルキル基及び/又はシクロヘキシル基を有し、かつ1分子中に2個のエポキシ基を有するエポキシ化合物(a−iii)を60℃〜150℃で反応させることにより得ることができる。上記三塩基酸及び/又は四塩基酸の酸無水物(a−i)と不飽和基含有モノアルコール(a−ii)の反応は、反応中の粘度を下げる目的で後述の不飽和基含有モノカルボン酸(b)の一部又は全量、及び/又は後述の希釈剤(D)を加えることができる。
なお上記三塩基酸及び/又は四塩基酸の酸無水物(a−i)と不飽和基含有モノアルコール(a−ii)の反応、及び上記一般式(1)で示される1分子中に2個のエポキシ基を有する不飽和基含有のエポキシ化合物(a)と不飽和基含有モノカルボン酸(b)を反応させた反応生成物と多塩基酸無水物(c)の反応は、IR測定から酸無水物特有の吸収波長(1780cm−1)の存在の有無により確認した。また、三塩基酸及び/又は四塩基酸の酸無水物(a−i)と不飽和基含有モノアルコール(a−ii)の反応生成物である不飽和基含有ジカルボン酸化合物と1分子中に2個のエポキシ基を有するエポキシ化合物(a−iii)及び不飽和基含有モノカルボン酸(b)の反応は、JIS K6901に記す酸価(単位はmgKOH/g)の測定により確認した。
上記、三塩基酸及び/又は四塩基酸の酸無水物(a−i)としては、例えば、無水トリメリット酸等の三塩基酸無水物、無水ピロメリット酸、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、ブタンテトラカルボン酸二無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、エチレングリコール−ビス(無水トリメリット酸)エステル等の四塩基酸無水物が挙げられる。これら三塩基酸無水物、四塩基酸無水物は単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記、不飽和基含有モノアルコール(a−ii)は、ラジカル重合性を示すモノアルコールであり、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキシルジメタノールモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸カプロラクトン付加物等が挙げられる。これらは単独又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
三塩基酸及び/又は四塩基酸の酸無水物(a−i)と不飽和基含有モノアルコール(a−ii)の反応は、公知の方法にて製造されるが、その配合は三塩基酸及び/四塩基酸の酸無水物(a−i)1当量に対して、不飽和基含有モノアルコール(a−ii)を、1〜5当量の範囲、好ましくは1〜2当量の範囲で仕込み、触媒の存在下又は非存在下、重合禁止剤を存在させ、さらに後述する希釈剤(D)の存在下又は非存在下で、不活性ガス気流中又は空気を存在させ、反応温度30〜150℃、好ましくは60〜100℃、より好ましくは80〜95℃で、反応時間は0.5〜30時間反応させる。該反応において反応温度が30℃未満の場合は未反応の酸無水物が残存し、その後の反応においてゲル化を起こすおそれがある。一方、反応温度が150℃を超える高い温度では、副反応としてマイケル付加反応が起き、その後の反応におけるモルバランスが崩れ、ゲル化を起こす要因となる場合がある。但し、ゲル化など抑制できれば、反応温度は特に限定されない。
上記、1分子中に2個のエポキシ基を有するエポキシ化合物(a−iii)は、特に限定はされないが、1分子中に2個のフェノール性水酸基を有するフェノール類を、単独又は2種以上を組み合わせて、公知の方法によりエピクロルヒドリンにてエポキシ化することにより製造することができる。
また、上記1分子中に2個のエポキシ基を有するエポキシ化合物(a−iii)は、市販のエポキシ化合物を使用することもできる。市販のエポキシ化合物としては、例えば、ジャパンエポキシレジン社製の商品名「エピコート828」、「エピコート834」、「エピコート1001」、「エピコート1004」、大日本インキ化学工業社製の商品名「エピクロン840」、「エピクロン850」、「エピクロン1050」、「エピクロン2055」、東都化成社製の商品名「エポトート128」、ダウケミカル社製の商品名「D.E.R.317」、「D.E.R.331」、「D.E.R.661」、「D.E.R.664」、旭化成ケミカルズ社製の商品名「AER250」、「AER260」、「AER2600」、住友化学工業社製の商品名「スミエポキシESA−011」、「スミエポキシESA−014」、「スミエポキシELA−128」等のビスフェノールA型エポキシ化合物、大日本インキ化学工業社製の商品名「エピクロン830S」、ジャパンエポキシレジン社製の商品名「エピコート807」、東都化成社製の商品名エポトートYDF−170」、「エポトートYDF−175」、「エポトートYDF−2004」、旭化成ケミカルズ社製の「アラルダイトXPY306」等のビスフェノールF型エポキシ化合物、日本化薬製の商品名「EBPS−200」、旭電化工業社製の商品名「EPX−30」、大日本インキ化学工業社製の商品名「エピクロンEXA1514」等のビスフェノールS型エポキシ化合物、大阪ガスケミカル社製の商品名「BPFG」等のビスフェノールフルオレン型エポキシ化合物、ジャパンエポキシレジン社製の商品名「YL−6056」、「YL−6021」、「YX−4000」、「YX−4000H」等のビキシレノール型、或いはビフェニル型エポキシ化合物、又はそれらの混合物、新日本理化社製の商品名「HBE−100」、東都化成社製の商品名「エポトートST−2004」、「ST−2007」、「ST−3000」等の水添ビスフェノールA型エポキシ化合物、ジャパンエポキシレジン社製の商品名「エピコートYL−903」、大日本インキ化学工業社製の商品名「エピクロン152」、「エピクロン165」、東都化成社製の商品名「エポトートYDB−400」、「エポトートYDB−500」、ダウケミカル社製の商品名「D.E.R542」、旭化成ケミカルズ社製の商品名「AER8018」、住友化学工業社製の商品名「スミエポキシESB−400」、「スミエポキシESB−700」等の臭素化ビスフェノールA型エポキシ化合物、新日鉄化学社製の商品名「ESN−190」、「ESN−360」、大日本インキ化学工業社製の商品名「HP−4032」、「EXA−4700」、「EXA−4750」等のナフタレン骨格を有するエポキシ化合物、共栄社化学社製の商品名「エポライト400E」、「エポライト400P」、「エポライト1600」等の脂肪族エポキシ化合物、共栄社化学社製の商品名「エポライト3002」等のエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイド付加のビスフェノールA型エポキシ化合物等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは単独、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
上記の酸変性エポキシ(メタ)アクリレート化合物(A)における三塩基酸及び/又は四塩基酸の酸無水物(a−i)と不飽和基含有モノアルコール(a−ii)の反応生成物である不飽和基含有のジカルボン酸化合物と1分子中に2個のエポキシ基を有するエポキシ化合物(a−iii)の反応の方法は、まず上記の不飽和基含有のジカルボン酸化合物のカルボキシル基と1分子中に2個のエポキシ基を有するエポキシ化合物(a−iii)のエポキシ基を反応させて上記一般式(1)に示す1分子中に2個の不飽和基含有のエポキシ化合物(a)を得、次いで不飽和基含有モノカルボン酸(b)を反応させ、さらに多塩基酸無水物(c)を反応させて酸変性エポキシ(メタ)アクリレート化合物(A)を得るが、不飽和基含有のジカルボン酸化合物のカルボキシル基と1分子中に2個のエポキシ基を有するエポキシ化合物(a−iii)のエポキシ基と反応させる際に、不飽和基含有モノカルボン酸(b)を仕込み、両反応を同時に行った後、多塩基酸無水物(c)をさらに反応させて酸変性エポキシ(メタ)アクリレート化合物(A)を得る方法のいずれでも良い。
上記三塩基酸及び/又は四塩基酸の酸無水物(a−i)と不飽和基含有モノアルコール(a−ii)の反応生成物である不飽和基含有のジカルボン酸化合物と1分子中に2個のエポキシ基を有するエポキシ化合物(a−iii)の反応は、下記の公知の触媒、及び重合禁止剤を存在させ、後述の希釈剤(D)の存在下又は非存在下、反応温度60〜150℃、好ましくは80〜130℃に加熱して、不活性ガスの存在下又は空気の存在下、反応時間は0.5〜30時間の範囲内で反応させる。反応温度が60℃より低い場合は、長時間反応が必要となり不経済であり、一方、150℃より高い場合は、反応中にゲル化を起こすおそれがあるが、ゲル化を防止等できれば、これらに限定して解釈される意図ではない。
また、上記三塩基酸及び/又は四塩基酸の酸無水物(a−i)と不飽和基含有モノアルコール(a−ii)の反応生成物である不飽和基含有のジカルボン酸化合物と1分子中に2個のエポキシ基を有するエポキシ化合物(a−iii)の反応物は、不飽和基含有のジカルボン酸化合物のカルボキシル基と1分子中に2個のエポキシ基を有するエポキシ化合物(a−iii)のエポキシ基の反応を進め、上記反応物の酸価として5mgKOH/g、好ましくは1mgKOH/g以下まで反応させ、不飽和基含有のジカルボン酸由来のカルボキシル基をできるだけ少なくすることが好ましい。上記範囲としたのは、酸価が5mgKOH/gよりも大きい場合は、感光性熱硬化性樹脂組成物の安定性、及びアルカリ現像性が低下する場合があるという観点からである。
次に、前記酸変性エポキシ(メタ)アクリレート化合物(A)における不飽和基含有モノカルボン酸(b)は、ラジカル重合性を示すモノカルボン酸であり、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートと無水コハク酸の付加物、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートと無水フタル酸の付加物、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとテトラヒドロ無水フタル酸の付加物、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートと無水コハク酸の付加物、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートと無水フタル酸の付加物、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートとテトラヒドロ無水フタル酸の付加物、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートと無水コハク酸の付加物、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートと無水フタル酸の付加物、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートとテトラヒドロ無水フタル酸の付加物、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレートと無水コハク酸の付加物、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレートと無水フタル酸の付加物、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレートとテトラヒドロ無水フタル酸の付加物、ペンタエリスリトール(トリ)アクリレートと無水コハク酸の付加物、ペンタエリスリトール(トリ)アクリレートと無水フタル酸の付加物、ペンタエリスリトール(トリ)アクリレートとテトラヒドロ無水フタル酸の付加物、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートと無水コハク酸の付加物、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートと無水フタル酸の付加物、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートとテトラヒドロ無水フタル酸の付加物、(メタ)アクリル酸カプロラクトン付加物と無水コハク酸の付加物、(メタ)アクリル酸カプロラクトン付加物と無水フタル酸の付加物、(メタ)アクリル酸カプロラクトン付加物とテトラヒドロ無水フタル酸の付加物等の水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルと二塩基酸無水物の付加物等が挙げられる。ここで特に好ましいのはアクリル酸、メタクリル酸である。これら不飽和基含有モノカルボン酸(b)は単独又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
上記、酸変性エポキシ(メタ)アクリレート化合物(A)における上記一般式(1)で示される1分子中に2個のエポキシ基を有する不飽和基含有のエポキシ化合物(a)と不飽和基含有モノカルボン酸(b)の反応における配合は、1分子中に2個のエポキシ基を有する不飽和基含有のエポキシ化合物(a)のエポキシ基1当量に対し、不飽和基含有モノカルボン酸(b)のカルボキシル基0.8〜1.5当量の範囲で、好ましくは1.0〜1.2当量の範囲、さらに好ましくは1.0〜1.05当量の範囲で配合される。カルボキシル基が0.8当量未満の場合は、反応中にゲル化を起こすおそれがある。一方、1.5当量を越える場合は、未反応の不飽和基含有モノカルボン酸(b)が酸変性エポキシ(メタ)アクリレート化合物(A)に多量に残存するおそれがある。
前記酸変性エポキシ(メタ)アクリレート化合物(A)における上記一般式(1)で示される1分子中に2個のエポキシ基を有する不飽和基含有のエポキシ化合物(a)と不飽和基含有モノカルボン酸(b)の反応は、上記の配合で、さらに後述の公知の重合禁止剤を存在させ、下記の希釈剤(D)の存在下又は非存在下で、反応温度60〜150℃、好ましくは80〜130℃に加熱して、好ましくは空気の存在下、反応時間は0.5〜30時間の範囲内で反応させる。反応温度が60℃より低い場合は、長時間反応が必要となり不経済であり好ましくない。一方、150℃より高い場合は、反応中にゲル化を起こすおそれがあるが、ゲル化等防止できれば特に限定されない。
また、上記一般式(1)で示される1分子中に2個のエポキシ基を有する不飽和基含有のエポキシ化合物(a)、不飽和基含有モノカルボン酸(b)の反応物は、エポキシ基とカルボキシル基の反応を進め、上記反応物の酸価として10mgKOH/g未満、好ましくは5mgKOH/g、より好ましくは1mgKOH/g以下まで反応させ、不飽和基含有モノカルボン酸(b)由来のカルボキシル基をできるだけ少なくすることが好ましい。上記範囲としたのは、酸価が10mgKOH/gよりも大きい場合は感光性熱硬化性樹脂組成物の安定性、アルカリ現像性が低下する観点からである。
前記酸変性エポキシ(メタ)アクリレート化合物(A)の製造における三塩基酸及び/又は四塩基酸の酸無水物(a−i)と不飽和基含有モノアルコール(a−ii)の反応、及び該反応生成物である不飽和基含有ジカルボン酸化合物と1分子中に2個のエポキシ基を有するエポキシ化合物(a−iii)の反応、及び該反応生成物である上記一般式(1)で示される1分子中に2個の不飽和基含有のエポキシ化合物(a)と不飽和基含有モノカルボン酸(b)の反応は、反応に際し、反応を円滑に進めるために公知の触媒を用いることが好ましい。このような触媒としては、例えば、トリエチルアミン、ジメチルベンジルアミン等の3級アミン又は4級アンモニウム塩、イミダゾール、2−メチルイミダゾール等のイミダゾール誘導体、トリフェニルホスフィン等の有機燐化合物、トリフェニルアンチモン等の有機アンチモン化合物を挙げることができる。
これらの触媒は、上記三塩基酸及び/又は四塩基酸の酸無水物(a−i)と不飽和基含有モノアルコール(a−ii)の合計100重量部、及び該反応生成物である不飽和基含有ジカルボン酸化合物と1分子中に2個のエポキシ基を有するエポキシ化合物(a−iii)の合計100重量部、さらに該反応生成物である上記一般式(1)で示される1分子中に2個のエポキシ基を有する不飽和基含有のエポキシ化合物(a)と不飽和基含有モノカルボン酸(b)の合計100重量部に対して、それぞれ0.01〜10重量部の範囲、好ましくは0.05〜5重量部の範囲で使用することができる。0.01未満の場合は、反応に長時間を要し不経済である場合がある。一方、10重量部を超える場合は、反応が早すぎるため、温度コントロールが難しく、発熱が高い場合はゲル化を起こすおそれもあるが、ゲル化などを防止できれば、限定されない。
上記三塩基酸及び/又は四塩基酸の酸無水物(a−i)と不飽和基含有モノアルコール(a−ii)の反応、及び該反応生成物である不飽和基含有ジカルボン酸化合物と1分子中に2個のエポキシ基を有するエポキシ化合物(a−iii)の反応、さらに該反応生成物である上記一般式(1)で示される1分子中に2個の不飽和基含有のエポキシ化合物(a)と不飽和含有モノカルボン酸(b)の反応は、反応中の安定性と反応生成物の貯蔵安定性を確保するため、公知の重合禁止剤が使用される。
このような重合禁止剤としては、例えば、ハイドロキノン、モノメチルエーテルハイドロキノン、トルハイドロキノン、ジ−t−4−メチルフェノール、モノメチルエーテルハイドロキノン、フェノチアジン、t−ブチルカテコール等を挙げることができる。これの使用量は、上記三塩基酸及び/又は四塩基酸の酸無水物(a−i)と不飽和基含有モノアルコール(a−ii)の合計100重量部、及び該反応生成物である不飽和基含有ジカルボン酸化合物と1分子中に2個のエポキシ基を有するエポキシ化合物(a−iii)の合計100重量部、さらに該反応生成物である上記一般式(1)で示される1分子中に2個のエポキシ基を有する不飽和基含有のエポキシ化合物(a)と不飽和基含有モノカルボン酸(b)の合計100重量部に対して、それぞれ0.0001〜1重量部の範囲、好ましくは0.001〜0.5重量部の範囲で使用することができる。0.0001重量部未満の場合は、重合禁止効果が小さく、反応途中でゲル化を起こし、目的とする化合物が得られない場合や、反応生成物の貯蔵安定性が著しく低下するおそれがある。一方、1重量部を超える場合は、前記酸変性エポキシ(メタ)アクリレート化合物(A)と1分子中に2個のエポキシ基を有するエポキシ化合物(B)を含有する感光性熱硬化性樹脂組成物の硬化反応を阻害し、未硬化物を含有する硬化物が得られ、各特性の要求性能を満足しないおそれがある。
本発明の酸変性エポキシ(メタ)アクリレート化合物(A)は、上記の反応によって得られる特定の1分子中に2個のエポキシ基を有する不飽和基含有のエポキシ化合物(a)に、不飽和基含有モノカルボン酸(b)を反応させて得られる反応生成物の分子中における2級アルコール性水酸基に、さらに多塩基酸無水物(c)を反応させ、分子中にカルボキシル基を導入したポリカルボン酸タイプのエポキシ(メタ)アクリレート化合物である。
上記多塩基酸無水物(c)としては、例えば、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水イタコン酸、オクテニル無水コハク酸、ペンタドデセニル無水コハク酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水ナジック酸、3,6−エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、テトラブロモ無水フタル酸等の二塩基酸の酸無水物、無水トリメリット酸等の三塩基酸の酸無水物、無水ピロメリット酸、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、ブタンテトラカルボン酸二無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、エチレングリコール−ビス(無水トリメリット酸)エステル、グリセリンα、α−ビス(無水トリメリット酸)エステルβ−モノ酢酸エステル、ナフタレンテトラカルボン酸二無水物等の四塩基酸の酸無水物が挙げられる。これらのうちインキの貯蔵安定性、現像ライフを保持させる面から無水コハク酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸等の脂肪族或いは脂環式構造を有する二塩基酸の酸無水物を選択することがより好ましい。また、上記多塩基酸無水物(d)は、単独又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明において酸変性エポキシ(メタ)アクリレート化合物(A)の酸価は30〜160mgKOH/gの範囲、好ましくは80〜120mgKOH/gの範囲であればよく、この酸価の範囲を満たすに足る量の多塩基酸無水物(c)が配合される。酸価が30mgKOH/g未満の場合は、現像液であるアルカリ水溶液に対して溶解性が悪くなり、形成した皮膜の現像が困難になるおそれがあり、また、はんだ耐熱性やPCT耐性などが低下するおそれがある。一方、160mgKOH/gを超える場合は、酸変性エポキシ(メタ)アクリレート化合物中に未反応の多塩基酸無水物(d)が残存し、光硬化(仮硬化)における露光の条件によらず露光部の表面まで現像されてしまうおそれがある。
本発明の酸変性エポキシ(メタ)アクリレート(A)の製造において上記の反応によって得られる特定の1分子中に2個のエポキシ基を有する不飽和基含有のエポキシ化合物(a)に、不飽和基含有モノカルボン酸(b)を反応させ、さらに該反応生成物の2級アルコール性水酸基に多塩基酸無水物(c)を反応させて製造するが、この多塩基酸無水物(c)を反応させる反応は、後記の希釈剤(D)の存在下又は非存在下で、反応温度30〜150℃、好ましくは70〜130℃に加熱して、好ましくは空気の存在下、反応時間は0.5〜30時間反応させる。反応温度が30℃より低い場合は、反応に長時間を要し不経済である。一方、150℃より高い場合は、反応中にゲル化を起こすおそれがあるが、ゲル化などを防止できれば、限定されない。また、反応においては、反応を円滑に進める目的や反応中の安定性と反応生成物の貯蔵安定性を確保する目的で、上記の公知の重合禁止剤及び触媒を追加して使用することができる。
上述のようにして製造することができる本発明の酸変性エポキシ(メタ)アクリレート化合物は、
下記一般式、
(式中、Mは水素原子又は
を表し、Mの少なくとも一つは
であり、Xは二価の芳香族基及び/又はアルキル基及び/又はシクロヘキシル基、Yは三価及び/又は四価の芳香族基、Aは不飽和基含有モノアルコールの残基、Qは不飽和基含有モノカルボン酸の残基、Gは水素原子又は少なくともカルボキシル基を1個以上含有する多塩基酸の残基を表し、Gの少なくとも一つは多塩基酸の残基である。また、nは1〜100である。)で示されるが、式中の、X、Yについて上述したとおりであり、Aは、上述した不飽和基含有モノアルコールの残基を、Qは、上述した飽和基含有モノカルボン酸の残基を、Gは水素原子又は少なくともカルボキシル基を1個以上含有する上述した多塩基酸の残基を表し、Gの少なくとも一つは多塩基酸の残基である。したがって、上記本発明の酸変性エポキシ(メタ)アクリレート化合物の製造方法において説明したものをそのまま適用することができる。
下記一般式、
次に、本発明の第2の発明である酸変性エポキシ(メタ)アクリレート化合物(A)と、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物(B)、光重合開始剤(C)および希釈剤(D)を含有する感光性熱硬化性樹脂組成物について説明する。
上記感光性熱硬化性樹脂組成物を構成する1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物(B)は、特に限定されないが、1分子中に2個以上の活性水素を有するフェノール類、カルボン酸類、グリコール類、又はアミン類を、単独又は2種以上を組み合わせて、公知の方法によりエピクロルヒドリンにてエポキシ化することにより得ることができる。また、1分子中に2個の活性水素を有するフェノール類、カルボン酸類、グリコール類、又はアミン類を、単独又は2種以上を組み合わせて、公知の方法によりエピクロルヒドリンにてエポキシ化し、さらに分子中の2級アルコール性水酸基を公知の方法によりエピクロルヒドリンにてエポキシ化して得られる1分子中に3個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物も使用することができる。さらには、フェノール、クレゾール等のフェノール類をホルムアルデヒドで付加縮合して得られる1分子中に3個以上のフェノール性水酸基を有するフェノールノボラック類を公知の方法によりエピクロルヒドリンにてエポキシ化することにより得られる1分子中に3個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物も使用することができる。
上記1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物(B)は、一般的な市販品も使用することができる。市販品としては、特に限定されないが、例えば、ジャパンエポキシレジン社製の商品名「エピコート828」、「エピコート834」、「エピコート1001」、「エピコート1004」、大日本インキ化学工業社製の商品名「エピクロン840」、「エピクロン850」、「エピクロン1050」、「エピクロン2055」、東都化成社製の商品名「エポトート128」、ダウケミカル社製の商品名「D.E.R.317」、「D.E.R.331」、「D.E.R.661」、「D.E.R.664」、旭化成ケミカルズ社製の商品名「AER250」、「AER260」、「AER2600」、住友化学工業社製の商品名「スミエポキシESA−011」、「スミエポキシESA−014」、「スミエポキシELA−128」等のビスフェノールA型エポキシ化合物、大日本インキ化学工業社製の商品名「エピクロン830S」、ジャパンエポキシレジン社製の商品名「エピコート807」、東都化成社製の商品名エポトートYDF−170」、「エポトートYDF−175」、「エポトートYDF−2004」、旭化成ケミカルズ社製の「アラルダイトXPY306」等のビスフェノールF型エポキシ化合物、日本化薬社製の商品名「EBPS−200」、旭電化工業社製の商品名「EPX−30」、大日本インキ化学工業社製の商品名「エピクロンEXA1514」等のビスフェノールS型エポキシ化合物、大阪ガスケミカル社製の商品名「BPFG」等のビスフェノールフルオレン型エポキシ化合物、ジャパンエポキシレジン社製の商品名「YL−6056」、「YL−6021」、「YX−4000」、「YX−4000H」等のビキシレノール型、或いはビフェニル型エポキシ化合物、又はそれらの混合物、東都化成社製の商品名「エポトートST−2004」、「ST−2007」、「ST−3000」、新日本理化社製の商品名「HBE−100」等の水添ビスフェノールA型エポキシ化合物、ジャパンエポキシレジン社製の商品名「エピコート152」、「エピコート154」、ダウケミカル社製の商品名「D.E.N.431」、「D.E.N.438」、大日本インキ化学工業社製の商品名「エピクロンN−680」、「エピクロンN−690」、「エピクロンN−695」、「エピクロンN−730」、「エピクロンN−770」、「エピクロンN−865」、東都化成社製の商品名「エポトートYDCN−701」、「エポトートYDCN−704」、旭化成ケミカルズ社製の商品名「AER ECN1235」、「AER ECN1273」、「AER ECN1299」、「AER XPY307」、日本化薬社製の商品名「EPPN−201」、「EOCN−1025」、「EOCN−1020」、「EOCN−104S」、「RE−306」、住友化学工業社製の商品名「スミエポキシESCN−195X」、「ESCN−220」等のフェノールノボラック又はクレゾールノボラック型エポキシ化合物、ジャパンエポキシレジン社製の商品名「エピコートYL−903」、大日本インキ化学工業社製の商品名「エピクロン152」、「エピクロン165」、東都化成社製の商品名「エポトートYDB−400」、「エポトートYDB−500」、ダウケミカル社製の商品名「D.E.R542」、旭化成ケミカルズ社製の商品名「AER8018」、住友化学工業社製の商品名「スミエポキシESB−400」、「スミエポキシESB−700」等の臭素化ビスフェノールA型エポキシ化合物、新日鉄化学社製の商品名「ESN−190」、「ESN−360」、大日本インキ化学工業社製の商品名「HP−4032」、「EXA−4700」、「EXA−4750」等のナフタレン骨格を有するエポキシ化合物、大日本インキ化学工業社製の商品名「HP−7200」、「HP−7200H」等のジシクロペンタジエン骨格を有するエポキシ化合物、ジャパンエポキシレジン社製の商品名「YL−933」、日本化薬社製の商品名「EPPN−501」「EPPN−502」等のトリスヒドロキシフェニルメタン型エポキシ化合物、日産化学社製の商品名「TEPIC」、三菱ガス化学社製の商品名「TGI」等の複素環式エポキシ化合物、ジャパンエポキシレジン社製の商品名「エピコート604」、東都化成社製の商品名「エポトートYH−434」、旭化成ケミカルズ社製の商品名「AER MY720」、住友化学工業社製の商品名「スミエポキシELM−120」等のグリシジルアミン型エポキシ化合物、ダイセル化学工業社製の商品名「セロキサイド2011」、旭化成ケミカルズ社製の商品名「AER CY175」、「AER CY179等の脂環式エポキシ化合物、共栄社化学社製の商品名「エポライト400E」、「エポライト400P」、「エポライト1600」等の脂肪族エポキシ化合物、共栄社化学社製の商品名「エポライト3002」等のエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイド付加のビスフェノールA型エポキシ化合物等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらエポキシ化合物は単独又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
前記1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物(B)は、レジストパターンの画像形成後、加熱して本硬化を行うことにより、酸変性エポキシ(メタ)アクリレート化合物(A)のカルボキシル基と1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物(B)のエポキシ基の間で反応して強固な結合を形成し、ソルダーレジストの硬化皮膜と基材との密着性、耐熱性等の特性を向上させる。その配合量は、酸変性エポキシ(メタ)アクリレート化合物(A)の分子中におけるカルボキシル基1当量に対して、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物(B)のエポキシ基が0.1〜1.5当量、好ましくは0.5〜1.3当量、より好ましくは1.0〜1.2当量の範囲内で配合される。0.1当量未満の場合は、硬化皮膜の吸湿性が高くなり電気絶縁性が低下するおそれがある。一方、1.5当量を超える場合は、紫外線(光)硬化性(仮硬化)やアルカリ現像性が低下し、レジストパターンの画像形成が困難になるおそれがある。
次に、本発明の感光性熱硬化性樹脂組成物における光重合開始剤(C)について詳細に説明する。本発明で用いる光重合開始剤(C)は、該感光性熱硬化性樹脂組成物を紫外線(光)にて硬化(仮硬化)させる際に紫外線(光)照射によりラジカルを発生し、ラジカル重合により硬化させる作用を有する。
このような光重合開始剤(C)としては公知のものを使用することができ、好ましい光重合開始剤(E)としては、例えば、ベンゾイン、ベンジル、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾイン類及びベンゾインアルキルエーテル類、アセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、N,N−ジメチルアミノアセトフェノン等のアエトフェノン類、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−アミノアントラキノン等のアントラキノン類、2,4−ジメチルチオキサントン等のチオキサントン類、アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタール、等のケタール類、ベンゾフェノン、メチルベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン類、及びキサントン類等が挙げられる。これらは単独又は2種以上を組み合わせて使用することができる。さらに、このような光重合開始剤(C)は、エチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、2−(ジメチルアミノ)エチルベンゾエート等の安息香酸エステル類、或いはトリエチルアミン、トリエタノールアミン等の三級アミン類のような公知の光増感剤を単独又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
上記の光重合開始剤(C)の使用量は、酸変性エポキシ(メタ)アクリレート化合物(A)100重量部に対して、0.1〜30重量部の範囲で使用することが好ましく、さらに1〜20重量部の範囲で使用することが好ましい。0.1重量部未満の場合は、紫外線(光)照射により重合が進まず、形成される皮膜は未硬化になりアルカリ現像性が低下するおそれがある。一方、30重量部を超える場合は、硬化皮膜の耐熱性、機械的特性が低下するおそれがある。
次に、本発明の感光性熱硬化性樹脂組成物における希釈剤(D)について詳細に説明する。
本発明の感光性熱硬化性樹脂組成物に使用する希釈剤(D)は、有機溶剤及び/又は(メタ)アクリル酸エステルが挙げられ、上記酸変性エポキシ(メタ)アクリレート化合物(A)を溶解し、ソルダーレジストインキとして適切な作業粘度を確保する作用と、(メタ)アクリル酸エステルのような反応性を有する希釈剤はラジカル重合する際にネットワーク中に取り込まれ、光硬化性、耐熱性、耐クラック性の向上、基板との密着性等を向上させる作用効果を有する。
また、希釈剤(D)は、上記酸変性エポキシ(メタ)アクリレート化合物(A)の製造において1分子中に2個のエポキシ基を有する不飽和基含有のエポキシ化合物(a)を得る際の三塩基酸及び/又は四塩基酸の酸無水物(a−i)と不飽和基含有モノアルコール(a−ii)の反応、及び該反応生成物である不飽和基含有のジカルボン酸化合物と1分子中に2個のエポキシ基を有するエポキシ化合物(a−iii)の反応、及び1分子中に2個のエポキシ基を有する不飽和基含有のエポキシ化合物(a)と不飽和基含有モノカルボン酸(b)の反応、さらにはこの反応生成物と多塩基酸無水物(c)の反応において、ゲル化を起こすことのない安定な反応生成物を得る目的で希釈剤(D)にて適切な粘度に調整することもできる。
このような希釈剤(D)としては、例えば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル、ブチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、カルビトールアセテート等のエステル類、エタノール、プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール類、オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素、石油エーテル、石油ナフサ、水添石油ナフサ、ソルベントナフサ等の石油系溶剤等の有機溶剤を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。これらは単独又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
また、希釈剤(D)は、上記有機溶剤の一部又は全量を、ラジカル重合性を有する(メタ)アクリル酸エステル類に置き換えて使用することができる。このような(メタ)アクリル酸エステル類としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルへキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノアルキル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、エチレングリコール、メトキシテトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール等のグリコールのモノ又はジ(メタ)アクリレート類、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド類、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノアルキル(メタ)アクリレート類、ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトール、トリス−ヒドロキシエチルイソシヌレート等の多価アルコール、又は、これらのエチレンオキサイド、もしくはプロピレンオキサイド付加物の多価(メタ)アクリレート類、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのポリエトキシジ(メタ)アクリレート等のフェノール類のエチレンオキサイド或いはプロピレンオキサイド付加物の(メタ)アクリレート類、グリセリンジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、トリグリシジルイソシアヌレート等のグリシジルエーテルの(メタ)アクリレート類、ε−カプロラクトン変性トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート等のε−カプロラクトン変性(メタ)アクリレート類、及びメラミン(メタ)アクリレート等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。これらは単独又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
上記希釈剤(D)の使用量は、酸変性エポキシ(メタ)アクリレート化合物(A)100重量部に対して1〜300重量部の範囲で配合される。また、上記希釈剤(D)として、(メタ)アクリル酸エステル類を使用する場合は、その使用量は、上記酸変性エポキシ(メタ)アクリレート化合物(A)100重量部に対して、3〜50重量部の範囲で、好ましくは5〜15重量部の範囲で使用することが好ましい。3重量部未満の場合は、光硬化性付与の効果は十分ではない場合があり、50重量部を超える場合は、乾燥皮膜の指触乾燥性が低下するおそれがある。
本発明の感光性熱硬化性樹脂組成物は、必要に応じて熱硬化工程(仕上げ硬化)における前記酸変性エポキシ(メタ)アクリレート化合物(A)の分子中におけるカルボキシル基と、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物(B)との反応を促進させる目的で、硬化促進剤を添加することができる。硬化促進剤としては、例えば、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、4−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール誘導体、グアナミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン等のグアナミン類、ジシアンジアミド、ベンジルジメチルアミン、4−(ジメチルアミノ)−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メチル−N,N−ジメチルベンジルアミン、メラミン等のアミン化合物などが挙げられる。これらは単独又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
このような硬化促進剤の使用量は、上記酸変性エポキシ(メタ)アクリレート化合物(A)100重量部に対して、0.1〜10重量部の範囲で、好ましくは0.5〜2重量部の範囲で使用することができる。0.1重量部未満の場合は、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物(B)の硬化反応を促進する効果が小さくなり、また、10重量部を超える場合は、硬化性樹脂組成物のライフが短くなるおそれがある。
本発明の感光性熱硬化性樹脂組成物には、必要に応じてプリント配線板との密着性を向上させることを目的に無機充填剤を添加することができる。例えば、タルク、シリカ、硫酸バリウム、チタン酸バリウム、酸化珪素、酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム等の無機充填剤を配合することができる。これら無機充填剤は、感光性熱硬化性樹脂組成物100重量部に対して最大150重量部の範囲で添加することができる。150重量部を超えると硬化性に悪影響を及ぼし、硬化皮膜の物性が低下する。
本発明の感光性熱硬化性樹脂組成物には、以上の成分の他に必要に応じて通常のソルダーレジスト樹脂組成物に添加されている種々の着色剤、レベリング剤及び消泡剤などを添加することができる。
本発明の感光性熱硬化性樹脂組成物は、以上述べた(A)、(B)、(C)及び(D)の配合成分、及び必要に応じて添加される配合成分をロールミル、サンドミル等により均一に混合して得ることができる。また、本発明の硬化性樹脂組成物のプリント配線板上への塗布は、通常スクリーン印刷法、静電塗装法、ロールコーター法、カーテンコーター法等で行われる。塗布後は、60〜90℃の範囲で10〜60分間乾燥し、紫外線等の活性エネルギー線を照射後、0.1〜5重量%の炭酸ナトリウム水溶液などの希アルカリ水溶液で未露光部分を除去し現像することでソルダーパターンの画像を形成する。その後、皮膜を完全に硬化させるために熱風乾燥機又は遠赤外線などを用いて仕上げ硬化として熱処理(100〜180℃で5〜60分間)することにより上記1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物(B)の硬化反応に加えて酸変性エポキシ(メタ)アクリレート化合物(A)及び希釈剤(D)として(メタ)アクリル酸エステル類を用いた場合、酸変性エポキシ(メタ)アクリレート化合物(A)、及び(メタ)アクリル酸エステル類の重合が促進され、密着性、耐熱性、機械特性の優れた硬化皮膜を得ることができる。さらに、必要に応じて、例えば、140〜180℃の温度に加熱して熱硬化させることにより、また、さらに酸変性エポキシ(メタ)アクリレート化合物(A)及び希釈剤(D)の(メタ)アクリル酸エステル類の重合を促進する目的で、再度、紫外線(光)にて露光することにより、優れた特性を有する硬化皮膜とすることもできる。
紫外線(光)硬化させるための照射光源としては、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノンランプ又はメタルハライドランプ等が使用できる。
以下に、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。本発明は、下記の実施例に限定されるものではない。本実施例において「部」は特に断らない限り重量部である。また、本実施例において、酸変性エポキシ(メタ)アクリレート樹脂とは、酸変性エポキシ(メタ)アクリレート化合物を有機溶剤及び/又は(メタ)アクリル酸エステル類の希釈剤に希釈されていることを意味する。
酸変性エポキシアクリレート樹脂の合成例
合成例1
ガス導入管、攪拌装置、冷却管、温度計を備えた反応容器に無水トリメリット酸70部と2−ヒドロキシエチルアクリレート48部、トリフェニルホスフィン0.5部、モノメチルエーテルハイドロキノン0.4部を仕込み、空気を吹き込みながら、撹拌下、加熱して温度を85〜95℃に保持して反応させた。反応はIRにて追跡し、未反応の無水トリメリット酸の存在を示す酸無水物の吸収(1780cm−1)が消失するまで継続した。反応には6時間を要した。次いで、ビスフェノールA型エポキシ化合物(旭化成ケミカルズ社製の商品名「AER260」)311部を仕込み、攪拌下、加熱して温度を110〜120℃に保持して4時間反応させ、酸価0.1mgKOH/gの不飽和基含有エポキシ化合物を得た。その後、アクリル酸62部、トリフェニルホスフィン1.6部、モノメチルエーテルハイドロキノン0.9部を仕込み、攪拌下、加熱して温度を110〜120℃に保持しながら15時間反応させ酸価0.2mgKOH/gの反応生成物を得た。次いで、テトラヒドロ無水フタル酸149部を加え、攪拌下、温度を100〜110℃に保持しながら、さらに10時間反応させ、酸価85mgKOH/gの酸変性エポキシアクリレート化合物を得た。この酸変性エポキシアクリレート化合物をソルベントナフサ70部、カルビトールアセテート280部に希釈して不揮発分65%の酸変性エポキシアクリレート樹脂(a−1)を得た。
合成例1
ガス導入管、攪拌装置、冷却管、温度計を備えた反応容器に無水トリメリット酸70部と2−ヒドロキシエチルアクリレート48部、トリフェニルホスフィン0.5部、モノメチルエーテルハイドロキノン0.4部を仕込み、空気を吹き込みながら、撹拌下、加熱して温度を85〜95℃に保持して反応させた。反応はIRにて追跡し、未反応の無水トリメリット酸の存在を示す酸無水物の吸収(1780cm−1)が消失するまで継続した。反応には6時間を要した。次いで、ビスフェノールA型エポキシ化合物(旭化成ケミカルズ社製の商品名「AER260」)311部を仕込み、攪拌下、加熱して温度を110〜120℃に保持して4時間反応させ、酸価0.1mgKOH/gの不飽和基含有エポキシ化合物を得た。その後、アクリル酸62部、トリフェニルホスフィン1.6部、モノメチルエーテルハイドロキノン0.9部を仕込み、攪拌下、加熱して温度を110〜120℃に保持しながら15時間反応させ酸価0.2mgKOH/gの反応生成物を得た。次いで、テトラヒドロ無水フタル酸149部を加え、攪拌下、温度を100〜110℃に保持しながら、さらに10時間反応させ、酸価85mgKOH/gの酸変性エポキシアクリレート化合物を得た。この酸変性エポキシアクリレート化合物をソルベントナフサ70部、カルビトールアセテート280部に希釈して不揮発分65%の酸変性エポキシアクリレート樹脂(a−1)を得た。
合成例2
ガス導入管、攪拌装置、冷却管、温度計を備えた反応容器に無水ピロメリット酸79部と2−ヒドロキシエチルメタクリレート99部、トリフェニルホスフィン0.5部、モノメチルエーテルハイドロキノン0.4部を仕込み、さらに反応液の粘度を下げる目的でアクリル酸40部を加え、空気を吹き込みながら、撹拌下、加熱して温度を85〜95℃に保持し反応させた。反応はIRにて追跡し、未反応の無水ピロメリット酸の存在を示す酸無水物の吸収(1780cm−1)が消失するまで継続した。反応には10時間を要した。次いで、ビスフェノールF型エポキシ化合物(大日本インキ化学工業社製の商品名「エピクロン830−S」)215部、トリフェニルホスフィン1.6部、モノメチルエーテルハイドロキノン0.9部を仕込み、反応液の粘度をさらに下げる目的でカルビトールアセテート100部を加え、攪拌下、加熱して温度を110〜120℃に保持しながら17時間反応させ固形分換算で酸価0.1mgKOH/gの反応生成物を得た。その後、テトラヒドロ無水フタル酸163部を加え、攪拌下、温度を100〜110℃に保持しながら、さらに10時間反応させ、固形分換算で酸価100mgKOH/gの酸変性エポキシ(メタ)アクリレート化合物を含む樹脂を得た。この酸変性エポキシ(メタ)アクリレート樹脂をさらにカルビトールアセテート300部に希釈して不揮発分60%の酸変性エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(a−2)を得た。
ガス導入管、攪拌装置、冷却管、温度計を備えた反応容器に無水ピロメリット酸79部と2−ヒドロキシエチルメタクリレート99部、トリフェニルホスフィン0.5部、モノメチルエーテルハイドロキノン0.4部を仕込み、さらに反応液の粘度を下げる目的でアクリル酸40部を加え、空気を吹き込みながら、撹拌下、加熱して温度を85〜95℃に保持し反応させた。反応はIRにて追跡し、未反応の無水ピロメリット酸の存在を示す酸無水物の吸収(1780cm−1)が消失するまで継続した。反応には10時間を要した。次いで、ビスフェノールF型エポキシ化合物(大日本インキ化学工業社製の商品名「エピクロン830−S」)215部、トリフェニルホスフィン1.6部、モノメチルエーテルハイドロキノン0.9部を仕込み、反応液の粘度をさらに下げる目的でカルビトールアセテート100部を加え、攪拌下、加熱して温度を110〜120℃に保持しながら17時間反応させ固形分換算で酸価0.1mgKOH/gの反応生成物を得た。その後、テトラヒドロ無水フタル酸163部を加え、攪拌下、温度を100〜110℃に保持しながら、さらに10時間反応させ、固形分換算で酸価100mgKOH/gの酸変性エポキシ(メタ)アクリレート化合物を含む樹脂を得た。この酸変性エポキシ(メタ)アクリレート樹脂をさらにカルビトールアセテート300部に希釈して不揮発分60%の酸変性エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(a−2)を得た。
合成例3
ガス導入管、攪拌装置、冷却管、温度計を備えた反応容器に無水ピロメリット酸89部と4−ヒドロキシブチルアクリレート124部、トリフェニルホスフィン0.6部、モノメチルエーテルハイドロキノン0.4部を仕込み、空気を吹き込みながら、撹拌下、加熱して温度を85〜95℃に保持して反応させた。反応はIRにて追跡し、未反応の無水ピロメリット酸の存在を示す酸無水物の吸収(1780cm−1)が消失するまで継続した。反応には6時間を要した。次いで、ビスフェノールF型エポキシ化合物(大日本インキ化学工業社製の商品名「エピクロン830−S」)216部を仕込み、攪拌下、加熱して温度を110〜120℃に保持して4時間反応させ、酸価0.1mgKOH/gの不飽和基含有エポキシ化合物を得た。その後、メタクリル酸41部、トリフェニルホスフィン1.7部、モノメチルエーテルハイドロキノン0.9部を仕込み、さらに反応液の粘度を下げる目的でカルビトールアセテート100部を加え、攪拌下、加熱して温度を110〜120℃に保持しながら18時間反応させ固形分換算で酸価0.2mgKOH/gの反応生成物を得た。次いで、テトラヒドロ無水フタル酸57部、無水コハク酸65部を加え、攪拌下、温度を100〜110℃に保持しながら、さらに10時間反応させ、固形分換算で酸価100mgKOH/gの酸変性エポキシ(メタ)アクリレート化合物を含む樹脂を得た。この酸変性エポキシ(メタ)アクリレート樹脂をさらにソルベントナフサ120部、カルビトールアセテート180部に希釈して不揮発分60%の酸変性エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(a−3)を得た。
ガス導入管、攪拌装置、冷却管、温度計を備えた反応容器に無水ピロメリット酸89部と4−ヒドロキシブチルアクリレート124部、トリフェニルホスフィン0.6部、モノメチルエーテルハイドロキノン0.4部を仕込み、空気を吹き込みながら、撹拌下、加熱して温度を85〜95℃に保持して反応させた。反応はIRにて追跡し、未反応の無水ピロメリット酸の存在を示す酸無水物の吸収(1780cm−1)が消失するまで継続した。反応には6時間を要した。次いで、ビスフェノールF型エポキシ化合物(大日本インキ化学工業社製の商品名「エピクロン830−S」)216部を仕込み、攪拌下、加熱して温度を110〜120℃に保持して4時間反応させ、酸価0.1mgKOH/gの不飽和基含有エポキシ化合物を得た。その後、メタクリル酸41部、トリフェニルホスフィン1.7部、モノメチルエーテルハイドロキノン0.9部を仕込み、さらに反応液の粘度を下げる目的でカルビトールアセテート100部を加え、攪拌下、加熱して温度を110〜120℃に保持しながら18時間反応させ固形分換算で酸価0.2mgKOH/gの反応生成物を得た。次いで、テトラヒドロ無水フタル酸57部、無水コハク酸65部を加え、攪拌下、温度を100〜110℃に保持しながら、さらに10時間反応させ、固形分換算で酸価100mgKOH/gの酸変性エポキシ(メタ)アクリレート化合物を含む樹脂を得た。この酸変性エポキシ(メタ)アクリレート樹脂をさらにソルベントナフサ120部、カルビトールアセテート180部に希釈して不揮発分60%の酸変性エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(a−3)を得た。
比較合成例1
ガス導入管、攪拌装置、冷却管、温度計を備えた反応容器にクレゾールノボラック型エポキシ化合物(大日本インキ化学工業社製の商品名「エピクロンN−690」)373部、アクリル酸126部、トリフェニルホスフィン2.5部、モノメチルエーテルハイドロキノン1部を仕込み、さらに反応液の粘度を下げる目的でカルビトールアセテート100を加え、空気を吹き込みながら、攪拌下、加熱して温度を110〜120℃に保持して15時間反応させ、固形分換算で酸価0.1mgKOH/gの反応生成物を得た。次いで、テトラヒドロ無水フタル酸149部を仕込み、攪拌下、温度を100〜110℃に保持しながら、さらに10時間反応させ固形分換算で酸価85mgKOH/gの酸変性エポキシアクリレート化合物を含む樹脂を得た。この酸変性エポキシアクリレート樹脂をさらにソルベントナフサ140部、カルビトールアセテート110部に希釈して不揮発分65%の酸変性エポキシアクリレート樹脂(b−1)を得た。
ガス導入管、攪拌装置、冷却管、温度計を備えた反応容器にクレゾールノボラック型エポキシ化合物(大日本インキ化学工業社製の商品名「エピクロンN−690」)373部、アクリル酸126部、トリフェニルホスフィン2.5部、モノメチルエーテルハイドロキノン1部を仕込み、さらに反応液の粘度を下げる目的でカルビトールアセテート100を加え、空気を吹き込みながら、攪拌下、加熱して温度を110〜120℃に保持して15時間反応させ、固形分換算で酸価0.1mgKOH/gの反応生成物を得た。次いで、テトラヒドロ無水フタル酸149部を仕込み、攪拌下、温度を100〜110℃に保持しながら、さらに10時間反応させ固形分換算で酸価85mgKOH/gの酸変性エポキシアクリレート化合物を含む樹脂を得た。この酸変性エポキシアクリレート樹脂をさらにソルベントナフサ140部、カルビトールアセテート110部に希釈して不揮発分65%の酸変性エポキシアクリレート樹脂(b−1)を得た。
比較合成例2
ガス導入管、攪拌装置、冷却管、温度計を備えた反応容器にクレゾールノボラック型エポキシ化合物(大日本インキ化学工業社製の商品名「エピクロンN−690」)309部、ナフトール42部、トリフェニルホスフィン1.8部を仕込み、窒素を吹き込みながら、攪拌下、加熱して温度を140〜150℃に保持しながら2時間反応させた後、アクリル酸83部、トリフェニルホスフィン1.2部、モノメチルエーテルハイドロキノン1.2部を仕込み、さらに反応液の粘度を下げる目的でカルビトールアセテート100部を加え、空気を吹き込みながら、攪拌下、温度を110〜120℃に保持して13時間反応させ、固形分換算で酸価0.2mgKOH/gの反応生成物を得た。その後、テトラヒドロ無水フタル酸162部を加え、攪拌下、温度を100〜110℃に保持しながら、さらに10時間反応させ、固形分換算で酸価100mgKOH/gの酸変性エポキシアクリレート化合物を含む樹脂を得た。この酸変性エポキシアクリレート樹脂をさらにカルビトールアセテート300部に希釈して不揮発分60%の酸変性エポキシアクリレート樹脂(b−2)を得た。
ガス導入管、攪拌装置、冷却管、温度計を備えた反応容器にクレゾールノボラック型エポキシ化合物(大日本インキ化学工業社製の商品名「エピクロンN−690」)309部、ナフトール42部、トリフェニルホスフィン1.8部を仕込み、窒素を吹き込みながら、攪拌下、加熱して温度を140〜150℃に保持しながら2時間反応させた後、アクリル酸83部、トリフェニルホスフィン1.2部、モノメチルエーテルハイドロキノン1.2部を仕込み、さらに反応液の粘度を下げる目的でカルビトールアセテート100部を加え、空気を吹き込みながら、攪拌下、温度を110〜120℃に保持して13時間反応させ、固形分換算で酸価0.2mgKOH/gの反応生成物を得た。その後、テトラヒドロ無水フタル酸162部を加え、攪拌下、温度を100〜110℃に保持しながら、さらに10時間反応させ、固形分換算で酸価100mgKOH/gの酸変性エポキシアクリレート化合物を含む樹脂を得た。この酸変性エポキシアクリレート樹脂をさらにカルビトールアセテート300部に希釈して不揮発分60%の酸変性エポキシアクリレート樹脂(b−2)を得た。
比較合成例3
ガス導入管、攪拌装置、冷却管、温度計を備えた反応容器にナフタレン変性のビスフェノールA型エポキシ化合物338部、アクリル酸98部、トリフェニルホスフィン2.2部、モノメチルエーテルハイドロキノン0.9部を仕込み、空気を吹き込みながら、攪拌下、加熱して温度を110〜120℃に保持して9時間反応させ、酸価0.2mgKOH/gの反応生成物を得た。次いで、テトラヒドロ無水フタル酸162部を仕込み、攪拌下、温度を100〜110℃に保持しながら、さらに10時間反応させ、酸価100mgKOH/gの酸変性エポキシアクリレート化合物を得た。この酸変性エポキシアクリレート化合物をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート400部に希釈して不揮発分60%の酸変性エポキシアクリレート樹脂(b−3)を得た。
ガス導入管、攪拌装置、冷却管、温度計を備えた反応容器にナフタレン変性のビスフェノールA型エポキシ化合物338部、アクリル酸98部、トリフェニルホスフィン2.2部、モノメチルエーテルハイドロキノン0.9部を仕込み、空気を吹き込みながら、攪拌下、加熱して温度を110〜120℃に保持して9時間反応させ、酸価0.2mgKOH/gの反応生成物を得た。次いで、テトラヒドロ無水フタル酸162部を仕込み、攪拌下、温度を100〜110℃に保持しながら、さらに10時間反応させ、酸価100mgKOH/gの酸変性エポキシアクリレート化合物を得た。この酸変性エポキシアクリレート化合物をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート400部に希釈して不揮発分60%の酸変性エポキシアクリレート樹脂(b−3)を得た。
感光性熱硬化性樹脂組成物の調製
実施例1〜3および比較例1〜3
上記の合成例1〜3、比較合成例1〜3にて得られた酸変性エポキシ(メタ)アクリレート化合物(A)を含む樹脂(a−1〜a−3、b−1〜b−3)を用い、表1の組成で配合し感光性熱硬化性樹脂組成物を調製した。
実施例1〜3および比較例1〜3
上記の合成例1〜3、比較合成例1〜3にて得られた酸変性エポキシ(メタ)アクリレート化合物(A)を含む樹脂(a−1〜a−3、b−1〜b−3)を用い、表1の組成で配合し感光性熱硬化性樹脂組成物を調製した。
上記、感光性熱硬化性樹脂組成物中の1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物(B)は、ビスフェノールA型エポキシ化合物(旭化成ケミカルズ社製の商品名「AER260」)、光重合開始剤(C)は、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製の商品名「イルガキュア907」)、希釈剤(D)は、トリメチロールプロパントリアクリレートを使用した。また、その他硬化促進剤として、ジシアンジアミド。また、消泡剤として、BYKケミー社製の商品名の「BYK−A555」、顔料として、大日精化工業社製の商品名「フタロシアニングリーン」を使用した。
表1記載の各感光性熱硬化性樹脂組成物の評価を下記記載の項目について行い、評価結果を表2に示した。
(1)指触乾燥性
表1記載の各感光性熱硬化性樹脂組成物を銅箔付き基板上にスクリーン印刷法にて全面塗布し、80℃の熱風乾燥炉にて30分間乾燥させた。その後、基板を乾燥炉より取り出して室温まで放冷し、塗膜の指触乾燥性を調べた。判定基準は以下の通りである。
○:タックが無い、△:タックは無いが、指紋が薄くつく、×:タックがある
表1記載の各感光性熱硬化性樹脂組成物を銅箔付き基板上にスクリーン印刷法にて全面塗布し、80℃の熱風乾燥炉にて30分間乾燥させた。その後、基板を乾燥炉より取り出して室温まで放冷し、塗膜の指触乾燥性を調べた。判定基準は以下の通りである。
○:タックが無い、△:タックは無いが、指紋が薄くつく、×:タックがある
(2)アルカリ現像性
表1記載の各感光性熱硬化性樹脂組成物を銅箔付き基板上にスクリーン印刷法にて全面塗布し、80℃の熱風乾燥炉にて20,30,40,50,60,70分間乾燥した。その後、基板を乾燥炉より取り出して室温まで放冷し、30℃の1重量%炭酸ナトリウム水溶液をスプレー圧0.2MPaの条件で60秒間現像を行い、乾燥塗膜の現像残りの有無を目視で確認した。判定基準は以下の通りである。
○:完全に現像されている、△:一部塗膜が残っている、×:塗膜が完全に残っている
表1記載の各感光性熱硬化性樹脂組成物を銅箔付き基板上にスクリーン印刷法にて全面塗布し、80℃の熱風乾燥炉にて20,30,40,50,60,70分間乾燥した。その後、基板を乾燥炉より取り出して室温まで放冷し、30℃の1重量%炭酸ナトリウム水溶液をスプレー圧0.2MPaの条件で60秒間現像を行い、乾燥塗膜の現像残りの有無を目視で確認した。判定基準は以下の通りである。
○:完全に現像されている、△:一部塗膜が残っている、×:塗膜が完全に残っている
(3)感度
表1記載の各感光性熱硬化性樹脂組成物を銅箔付き基板上にスクリーン印刷法にて全面塗布し、80℃の熱風乾燥炉にて30分間乾燥した。その後、基板を乾燥炉より取り出して室温まで放冷し、塗膜上にステップタブレット(コダック社製No.2、全21段)をのせ、減圧下、メタルハライドランプ(350nm)を光源として、紫外線積算光量600mJ/cm2の条件で露光し、ステップタブレットを外した後、30℃の1重量%炭酸ナトリウム水溶液をスプレー圧0.2MPa の条件で60秒間現像を行い、残存塗膜の段数を目視で数えることにより紫外線への感度を評価した。大きい段数のもの程、紫外線への感度が高いことを意味する。
表1記載の各感光性熱硬化性樹脂組成物を銅箔付き基板上にスクリーン印刷法にて全面塗布し、80℃の熱風乾燥炉にて30分間乾燥した。その後、基板を乾燥炉より取り出して室温まで放冷し、塗膜上にステップタブレット(コダック社製No.2、全21段)をのせ、減圧下、メタルハライドランプ(350nm)を光源として、紫外線積算光量600mJ/cm2の条件で露光し、ステップタブレットを外した後、30℃の1重量%炭酸ナトリウム水溶液をスプレー圧0.2MPa の条件で60秒間現像を行い、残存塗膜の段数を目視で数えることにより紫外線への感度を評価した。大きい段数のもの程、紫外線への感度が高いことを意味する。
(4)密着性
表1記載の各感光性熱硬化性樹脂組成物を銅箔付き基板上にスクリーン印刷法にて全面塗布し、80℃の熱風乾燥炉にて30分間乾燥させた。その後、基板を乾燥炉より取り出して室温まで放冷し、減圧下、メタルハライドランプ(350nm)を光源として、紫外線積算光量600mJ/cm2の条件で露光し、さらに150℃の熱風乾燥炉にて60分間熱硬化させた。その後、基板を乾燥炉より取り出し、室温まで放冷した。得られた硬化塗膜の密着性は、JIS D0202に従い評価した。判定基準は以下の通りである。
○:碁盤目の数が100個完全に残るもの、△:碁盤目の数が100個未満60個以上残るもの、×:碁盤目の数が60個未満しか残らなかったもの
表1記載の各感光性熱硬化性樹脂組成物を銅箔付き基板上にスクリーン印刷法にて全面塗布し、80℃の熱風乾燥炉にて30分間乾燥させた。その後、基板を乾燥炉より取り出して室温まで放冷し、減圧下、メタルハライドランプ(350nm)を光源として、紫外線積算光量600mJ/cm2の条件で露光し、さらに150℃の熱風乾燥炉にて60分間熱硬化させた。その後、基板を乾燥炉より取り出し、室温まで放冷した。得られた硬化塗膜の密着性は、JIS D0202に従い評価した。判定基準は以下の通りである。
○:碁盤目の数が100個完全に残るもの、△:碁盤目の数が100個未満60個以上残るもの、×:碁盤目の数が60個未満しか残らなかったもの
(5)鉛筆硬度
表1記載の各感光性熱硬化性樹脂組成物を銅箔付き基板上にスクリーン印刷法にて全面塗布し、80℃の熱風乾燥炉にて30分間乾燥させた。その後、基板を乾燥炉より取り出して室温まで放冷し、減圧下、メタルハライドランプ(350nm)を光源として、紫外線積算光量600mJ/cm2の条件で露光し、さらに150℃の熱風乾燥炉にて60分間熱硬化させた。その後、基板を乾燥炉より取り出し、室温まで放冷した。得られた硬化塗膜の鉛筆硬度は、JIS D0202に従い評価した。
表1記載の各感光性熱硬化性樹脂組成物を銅箔付き基板上にスクリーン印刷法にて全面塗布し、80℃の熱風乾燥炉にて30分間乾燥させた。その後、基板を乾燥炉より取り出して室温まで放冷し、減圧下、メタルハライドランプ(350nm)を光源として、紫外線積算光量600mJ/cm2の条件で露光し、さらに150℃の熱風乾燥炉にて60分間熱硬化させた。その後、基板を乾燥炉より取り出し、室温まで放冷した。得られた硬化塗膜の鉛筆硬度は、JIS D0202に従い評価した。
(6)はんだ耐熱性
表1記載の各感光性熱硬化性樹脂組成物を銅箔付き基板上にスクリーン印刷法にて全面塗布し、80℃の熱風乾燥炉にて30分間乾燥させた。その後、基板を乾燥炉より取り出して室温まで放冷し、減圧下、メタルハライドランプ(350nm)を光源として、紫外線積算光量600mJ/cm2の条件で露光し、さらに150℃の熱風乾燥炉にて60分間熱硬化させた。その後、基板を乾燥炉より取り出し、室温まで放冷した。得られた硬化塗膜は、260℃に温調したはんだ浴に10秒間浸漬して塗膜状態を評価する試験を1回とし、合計5回繰り返した。判定基準は以下の通りである。
○:膨れ、剥がれ、変色の無いもの、△:若干膨れ、剥がれ、変色が発生するもの、×:大部分で膨れ、剥がれ、変色が発生するもの
表1記載の各感光性熱硬化性樹脂組成物を銅箔付き基板上にスクリーン印刷法にて全面塗布し、80℃の熱風乾燥炉にて30分間乾燥させた。その後、基板を乾燥炉より取り出して室温まで放冷し、減圧下、メタルハライドランプ(350nm)を光源として、紫外線積算光量600mJ/cm2の条件で露光し、さらに150℃の熱風乾燥炉にて60分間熱硬化させた。その後、基板を乾燥炉より取り出し、室温まで放冷した。得られた硬化塗膜は、260℃に温調したはんだ浴に10秒間浸漬して塗膜状態を評価する試験を1回とし、合計5回繰り返した。判定基準は以下の通りである。
○:膨れ、剥がれ、変色の無いもの、△:若干膨れ、剥がれ、変色が発生するもの、×:大部分で膨れ、剥がれ、変色が発生するもの
(7)PCT(プレッシャー・クッカーテスト)耐性
表1記載の各感光性熱硬化性樹脂組成物を銅箔付き基板上にスクリーン印刷法にて全面塗布し、80℃の熱風乾燥炉にて30分間乾燥させた。その後、基板を乾燥炉より取り出して室温まで放冷し、減圧下、メタルハライドランプ(350nm)を光源として、600mJ/cm2の紫外線積算光量で露光し、さらに150℃の熱風乾燥炉にて60分間熱硬化させた。その後、基板を乾燥炉より取り出し、室温まで放冷した。得られた硬化塗膜のPCT耐性は、121℃、100%RH、2気圧の条件下に塗膜を連続50時間さらした後、塗膜状態を目視で評価した。評価基準は以下の通りである。
○:膨れ、剥がれ、変色の無いもの、△:若干膨れ、剥がれ、変色が発生するもの、×:大部分で膨れ、剥がれ、変色が発生するもの
表1記載の各感光性熱硬化性樹脂組成物を銅箔付き基板上にスクリーン印刷法にて全面塗布し、80℃の熱風乾燥炉にて30分間乾燥させた。その後、基板を乾燥炉より取り出して室温まで放冷し、減圧下、メタルハライドランプ(350nm)を光源として、600mJ/cm2の紫外線積算光量で露光し、さらに150℃の熱風乾燥炉にて60分間熱硬化させた。その後、基板を乾燥炉より取り出し、室温まで放冷した。得られた硬化塗膜のPCT耐性は、121℃、100%RH、2気圧の条件下に塗膜を連続50時間さらした後、塗膜状態を目視で評価した。評価基準は以下の通りである。
○:膨れ、剥がれ、変色の無いもの、△:若干膨れ、剥がれ、変色が発生するもの、×:大部分で膨れ、剥がれ、変色が発生するもの
(8)冷熱サイクル試験
表1記載の各感光性熱硬化性樹脂組成物を銅箔付き基板上にスクリーン印刷法にて全面塗布し、80℃の熱風乾燥炉にて30分間乾燥させた。その後、基板を乾燥炉より取り出して室温まで放冷した後、減圧下、メタルハライドランプを光源として、600mJ/cm2の紫外線積算光量で露光し、さらに150℃の熱風乾燥炉にて60分間熱硬化させた。その後、基板を乾燥炉より取り出し、室温まで放冷した。冷熱サイクル試験は、得られた硬化塗膜を−65℃の条件下に30分間、次いで125℃の条件下に30分間続けてさらす試験を1サイクルし、合計100サイクルの試験を連続して行い、塗膜へのクラック発生の有無を目視及び光学顕微鏡にて評価した。
○:クラック発生、剥がれが共に無いもの、×:クラック発生、又は剥がれのいずれか、或いは共にあるもの
表1記載の各感光性熱硬化性樹脂組成物を銅箔付き基板上にスクリーン印刷法にて全面塗布し、80℃の熱風乾燥炉にて30分間乾燥させた。その後、基板を乾燥炉より取り出して室温まで放冷した後、減圧下、メタルハライドランプを光源として、600mJ/cm2の紫外線積算光量で露光し、さらに150℃の熱風乾燥炉にて60分間熱硬化させた。その後、基板を乾燥炉より取り出し、室温まで放冷した。冷熱サイクル試験は、得られた硬化塗膜を−65℃の条件下に30分間、次いで125℃の条件下に30分間続けてさらす試験を1サイクルし、合計100サイクルの試験を連続して行い、塗膜へのクラック発生の有無を目視及び光学顕微鏡にて評価した。
○:クラック発生、剥がれが共に無いもの、×:クラック発生、又は剥がれのいずれか、或いは共にあるもの
表2の結果から明らかなように、本発明の酸変性エポキシ(メタ)アクリレート化合物を含有する感光性熱硬化性樹脂組成物は、指触乾燥性、アルカリ現像性、現像ライフ、感度のバランスがとれ、さらにレジスト塗膜として必要な密着性、硬度、はんだ耐熱性、PCT耐性、冷熱サイクル耐性に優れた硬化塗膜を与えることができる。一方、比較例の樹脂組成物は、各評価をバランスよく満たすことができないものであった。
Claims (5)
- 上記の1分子中に2個のエポキシ基を有する不飽和基含有エポキシ化合物(a)が、三塩基酸及び/又は四塩基酸の酸無水物(a−i)と不飽和基含有モノアルコール(a−ii)を反応させて得られる不飽和基含有ジカルボン酸化合物に、さらに1分子中に2個のエポキシ基を有するエポキシ化合物(a−iii)を反応させて得られることを特徴とする請求項1記載の酸変性エポキシ(メタ)アクリレート化合物。
- 上記の酸変性エポキシ(メタ)アクリレート化合物(A)、1分子に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物(B)、光重合開始剤(C)、希釈剤(D)を必須成分として含有することを特徴とする感光性熱硬化性樹脂組成物。
- 上記請求項3に記載の感光性熱硬化性樹脂組成物を硬化させて得られる硬化物。
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---|---|---|---|
JP2005148414A JP2006321953A (ja) | 2005-05-20 | 2005-05-20 | 酸変性エポキシ(メタ)アクリレート化合物及び該化合物を含有する感光性熱硬化性樹脂組成物並びにその硬化物 |
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JP2005148414A JP2006321953A (ja) | 2005-05-20 | 2005-05-20 | 酸変性エポキシ(メタ)アクリレート化合物及び該化合物を含有する感光性熱硬化性樹脂組成物並びにその硬化物 |
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Country | Link |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012052074A (ja) * | 2010-09-03 | 2012-03-15 | Sekisui Chem Co Ltd | インクジェット用硬化組成物及びプリント配線基板の製造方法 |
WO2018173679A1 (ja) * | 2017-03-22 | 2018-09-27 | Dic株式会社 | 酸基含有(メタ)アクリレート樹脂及びソルダーレジスト用樹脂材料 |
-
2005
- 2005-05-20 JP JP2005148414A patent/JP2006321953A/ja not_active Withdrawn
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WO2018173679A1 (ja) * | 2017-03-22 | 2018-09-27 | Dic株式会社 | 酸基含有(メタ)アクリレート樹脂及びソルダーレジスト用樹脂材料 |
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