JP2006321510A - パルプモールド製トレイ - Google Patents
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Abstract
【課題】強度が高く、ラッピングフィルムが付着しやすく、吸水シートの周囲の隙間をほとんどなくすことのできるパルプモールド製トレイを提供する。
【解決手段】平坦な矩形状の底部1と、その底部1の周囲から急なテーパで所定の高さで立ち上がる第1周壁2と、第1周壁2の上端の周囲から緩いテーパまたはアールで所定の高さで立ち上がる第2周壁3と、第2周壁3の上端の周囲から外側に曲げられた上枠部4とからなり、全体がパルプモールドで一体成形されたトレイである。底部1は、平坦であり、凹凸がないため、ラッピングフィルムの端部が付着しやすい。第1周壁2が、急なテーパで立ち上がっているので、吸水シートを接着することなく固定でき、また吸水シートの上に、肉や、刺身、明太子等の生鮮食品を盛って陳列や冷蔵したときに、ドリップが滲み出てトレイの底部に溜まってきても、吸水シートの周囲の隙間が小さいため、ドリップの赤い色が目立たない。
【選択図】 図1
【解決手段】平坦な矩形状の底部1と、その底部1の周囲から急なテーパで所定の高さで立ち上がる第1周壁2と、第1周壁2の上端の周囲から緩いテーパまたはアールで所定の高さで立ち上がる第2周壁3と、第2周壁3の上端の周囲から外側に曲げられた上枠部4とからなり、全体がパルプモールドで一体成形されたトレイである。底部1は、平坦であり、凹凸がないため、ラッピングフィルムの端部が付着しやすい。第1周壁2が、急なテーパで立ち上がっているので、吸水シートを接着することなく固定でき、また吸水シートの上に、肉や、刺身、明太子等の生鮮食品を盛って陳列や冷蔵したときに、ドリップが滲み出てトレイの底部に溜まってきても、吸水シートの周囲の隙間が小さいため、ドリップの赤い色が目立たない。
【選択図】 図1
Description
本発明は、パルプモールド製のトレイ、特に食品用トレイに関する。
土産店やスーパーマーケット等の店頭で、辛子明太子や刺身、肉、野菜等の生鮮食品を販売する場合、矩形のトレイに生鮮食品を盛り付け、中身が見えるように、また、空気に触れて鮮度が落ちないように、プラスチック製・紙製の蓋を被せたり、透明フィルムでラップして陳列、販売している。
従来の生鮮食品用トレイには、発泡スチロール(発泡ポリスチレン)製や、ポリスチレンシート成型品が多く用いられている。
これらの生鮮食品用トレイに収納される食品によっては、陳列中や持ち帰りの途中でドリップ(冷凍した魚や肉が解凍したときに流れ出る液汁)が流出し、トレイの底に溜まって、見た目も悪い上に、食品に付着して、鮮度を悪くする。そのため、ポリウレタンフォーム等の吸水シートをトレイの底に敷いて、その上に食品を載せるようにしている。
しかし、トレイの材質が発泡スチロールやポリスチレンシート等のプラスチックの場合、トレイと吸水シートの間に生じる静電気で、両者が反発しあって、トレイの底に吸水シートを置いても、吸水シートが浮いたり移動したりする。そのため、自動機械を用いて、または手作業でトレイに生鮮食品を収納するときに、作業性が悪いという問題があった。
これを解消するために、発泡スチロールやポリスチレンシート等のプラスチック製トレイに接着剤を用い吸水シートとトレイを接着するという余分な工程を行い使用しているが、廃棄やリサイクルのため分別しなければならない時に、吸水シートの一部がトレイ残ってしまう等の不都合が起こり、きれいに分別できないため非常に手間がかかるという問題があった。
これを解消するために、発泡スチロールやポリスチレンシート等のプラスチック製トレイに接着剤を用い吸水シートとトレイを接着するという余分な工程を行い使用しているが、廃棄やリサイクルのため分別しなければならない時に、吸水シートの一部がトレイ残ってしまう等の不都合が起こり、きれいに分別できないため非常に手間がかかるという問題があった。
このような食品用トレイとして、上述のプラスチック製の他に、パルプモールド製のトレイが注目されている。パルプモールド製のトレイは、木材を原料としたもののほか、草やサトウキビの絞りかす、ケナフ等の非木材を原料としたものもあり、廃棄しても環境汚染が少なく、リサイクルも可能である点で、環境負荷が小さい。しかも、パルプモールド製トレイの場合、プラスチックの吸水シートとの間で静電気が発生しにくく、発生しても放電し易いため、吸水シートが静電気で反発しにくくなるという利点があり、吸水シートを接着する工程も省け、また廃棄やリサイクルのための分別が容易に行える。
しかし、パルプモールド製トレイの場合、従来の発泡スチロール製のトレイと同じ形状であると、取扱中やラッピングフィルムでの包装時に外縁部にストレスが集中し、破れやすいという問題が生じる。
このような問題を解決するために、特許文献1には、パルプモールドトレイの外縁部の肉厚を他の部分の肉厚よりも厚く形成することが記載されている。
特許文献1に記載されたパルプモールドトレイでは、外縁部の肉厚を他の部分の肉厚よりも厚く形成して強度を上げているのみで、基本形状は、従来の発泡スチロール製のトレイとほとんど同じである。そのため、トレイを持ち上げるために片手でトレイの両側を摘むと、簡単に変形し、強度が不足するという問題がある。
強度を上げるために、パルプモールド製トレイの底部や側壁にリブを設けることが通常の成型品の手法であるが、底部に大きなリブを設けると、ラッピングフィルムで包装する際、ラッピングフィルムの端部がトレイの底部に付着しにくく、ラッピング不良になりやすいという問題がある。
さらに、一般的なトレイの形状では、周壁のテーパが緩いので、トレイの底部に吸水シートを敷いて、刺身や生肉、明太子を載せてラッピングした場合、矩形板状の吸水シートの外周とトレイの周壁との間の隙間が大きく、振動や衝撃により吸水シートと商品がずれる。また、赤いドリップが吸水シートの周囲から見えるため、見た目も悪いという問題がある。
そこで本発明は、パルプモールド製トレイの強度を向上させ、またラッピングフィルムが付着しやすく、さらに吸水シートの周囲の隙間を隠すことができるとともに、吸水シートを接着することなく固定ができるパルプモールド製トレイを提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明のパルプモールド製トレイは、平坦な矩形状の底部と、その底部の周囲から急なテーパで所定の高さで立ち上がる第1周壁と、前記第1周壁の上端の周囲から前記第1周壁のテーパよりも緩いテーパまたはアールで所定の高さで立ち上がる第2周壁と、前記第2周壁の上端の周囲から外側に曲げられた上枠部とからなり、全体がパルプモールドで一体成形された構成である。
本発明においては、トレイの周壁が、第1周壁と、第2周壁と、上枠部とで形成されており、それぞれの形状が異なり、底部の周囲から上枠部に到る周壁の断面が非直線状であるため、パルプモールド製であっても、トレイとしての強度が向上する。底部は、平坦であり、凹凸がないため、ラッピングフィルムの端部が付着しやすい。また、第1周壁が、急なテーパで立ち上がっているので、その第1周壁で囲まれた底部空間に矩形板状の吸水シートを敷いたとき、吸水シートの周囲と第1周壁との間の隙間がほとんどなくなる。したがって、振動や衝撃により吸水シートと商品がずれることもなくまた、吸水シートの上に、肉や、刺身、明太子等の生鮮食品を盛って陳列や冷蔵したときに、ドリップが滲み出て、トレイの底部に溜まってきても、吸水シートの周囲の隙間が小さいため、ドリップの赤い色が目立たない。
前記第1周壁には、外側に向かって突出する凹部が形成されている構成とすることができる。これにより、さらに、パルプモールド製トレイの強度が向上する。
前記上枠部には、内側に向かって突出する凸部が形成されている構成とすることができる。これにより、さらに、パルプモールド製トレイの強度が向上する。
本発明のパルプモールド製トレイは、平坦な矩形状の底部と、その底部の周囲から急なテーパで所定の高さで立ち上がる第1周壁と、前記第1周壁の上端の周囲から前記第1周壁のテーパよりも緩いテーパまたはアールで所定の高さで立ち上がる第2周壁と、前記第2周壁の上端の周囲から外側に曲げられた上枠部とからなり、全体がパルプモールドで一体成形された構成であるため、パルプモールド製トレイの強度を向上することができ、またラッピングフィルムが付着しやすく、さらに吸水シートの周囲の隙間を隠すことができるため、商品の外観を見栄え良くすることができる。
これにより、パルプモールド製品の特徴である、廃棄やリサイクルが可能で分別しやすく、発泡スチロール製品よりも環境負荷が小さい、というメリットが、食品用トレイにおいても享受できるようになる。
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施の形態1を示すものであり、(a)は平面図、(b)は(a)におけるA−A断面図、(c)は(a)におけるB−B断面図、(d)は(a)におけるC−C断面図、(e)は(a)におけるD−D断面図、(f)は(a)におけるE−E断面図である。また、図2は本実施の形態1の斜視図、図3は使用状態を示す断面図である。
これらの図において、本実施の形態1に係るパルプモールド製トレイは、平坦な矩形状の底部1と、その底部1の周囲から急なテーパで所定の高さで立ち上がる第1周壁2と、第1周壁2の上端の周囲から内アールで所定の高さで立ち上がる第2周壁3と、第2周壁3の上端の周囲から外側に逆U形に曲げられた上枠部4とからなる。第1周壁2、第2周壁3、上枠部4は、それぞれの形状が異なり、断面が非直線状であるため、パルプモールド製であっても、トレイとしての強度が向上する。なお、第2周壁3は、内アール以外にも、第1周壁2のテーパよりも緩いテーパでもよい。また、上枠部4の断面は、逆U形以外にも、単に外側に曲げた形状でもよい。
図1は、本発明の実施の形態1を示すものであり、(a)は平面図、(b)は(a)におけるA−A断面図、(c)は(a)におけるB−B断面図、(d)は(a)におけるC−C断面図、(e)は(a)におけるD−D断面図、(f)は(a)におけるE−E断面図である。また、図2は本実施の形態1の斜視図、図3は使用状態を示す断面図である。
これらの図において、本実施の形態1に係るパルプモールド製トレイは、平坦な矩形状の底部1と、その底部1の周囲から急なテーパで所定の高さで立ち上がる第1周壁2と、第1周壁2の上端の周囲から内アールで所定の高さで立ち上がる第2周壁3と、第2周壁3の上端の周囲から外側に逆U形に曲げられた上枠部4とからなる。第1周壁2、第2周壁3、上枠部4は、それぞれの形状が異なり、断面が非直線状であるため、パルプモールド製であっても、トレイとしての強度が向上する。なお、第2周壁3は、内アール以外にも、第1周壁2のテーパよりも緩いテーパでもよい。また、上枠部4の断面は、逆U形以外にも、単に外側に曲げた形状でもよい。
さらに、本実施の形態1では、第1周壁2の長辺側には、外側に向かって突出する凹部5が形成されており、上枠部4の長辺側には、内側に向かって突出する凸部6が形成されている。これらの凹部5および凸部6は、補強リブとしての機能を有する。
上枠部4の対向する長辺側の凸部6の位置を異ならせているのは、空のトレイを積み重ねる際に、1個ごとに180°向きを変えながら積み重ねることにより、上下のトレイの間に隙間を形成し、使用時に分離しやすくすることを考慮したものである。
これらの形状のトレイは、パルプを原料として成形することにより得られる。パルプの種類としては、木材パルプ系、非木材パルプ系があるが、森林伐採による環境破壊を考慮すると、成長が早く、成長の段階で二酸化炭素を吸収して酸素を放出するケナフ等の非木材パルプ系が望ましい。
本実施の形態1に係るパルプモールド製トレイを使用するとき、収容物が刺身、生肉、明太子等の生鮮食品の場合、図3に示すように、底部1と第1周壁2に囲まれた空間に、吸水シート7を敷き、その上に生鮮食品8を盛って、ラッピングフィルム9でラップする。ラッピングフィルム9の両端部は、トレイの底部1の平坦な下側で付着させる。
このように生鮮食品を包装すれば、第1周壁2が、急なテーパで立ち上がっているので、その第1周壁2で囲まれた底部空間に敷かれている矩形板状の吸水シート7の周囲と第1周壁2との間の隙間がほとんどなくなる。したがって、振動や衝撃により吸水シートと商品がずれることもなくまた、陳列時や持ち帰り時に、生鮮食品8からドリップが滲み出て、トレイの底部に溜まってきても、ドリップの赤い色が目立たないため、見た目が良くなる。さらに、第2周壁3は、第1周壁2の上端の周囲から内アールで所定の高さで立ち上がっているので、底部の広さよりも見える範囲が広くなり、商品を大きく見せることができる。なお、第2周壁3を、内アールではなく、第1周壁2のテーパよりも緩いテーパで形成した場合においても、同様に、底部の広さよりも見える範囲が広くなり、商品を大きく見せることができる。
図4は、本発明の実施の形態2を示すものであり、(a)は平面図、(b)は(a)におけるA−A断面図、(c)は(a)におけるB−B断面図、(d)は(a)におけるC−C断面図、(e)は(a)におけるD−D断面図、(f)は(a)におけるE−E断面図である。
図4において、本実施の形態2に係るパルプモールド製トレイは、平坦な矩形状の底部11と、その底部11の周囲から急なテーパで所定の高さで立ち上がる第1周壁12と、第1周壁12の上端の周囲から内アールで所定の高さで立ち上がる第2周壁13と、第2周壁13の上端の周囲から外側に逆U形に曲げられた上枠部14とからなる。
さらに、本実施の形態2では、第1周壁12の4辺には、外側に向かって突出する凹部15が形成されており、上枠部14の長辺側には、内側に向かって突出する凸部16が形成されている。これらの凹部15および凸部16は、補強リブとしての機能を有する。
この実施の形態2では、実施の形態1よりも底部11の短辺が長くなっており、その短辺の強度を上げるために、短辺にも凹部15を形成したものである。その他の構成および作用効果については、実施の形態1と同様であるので、説明を省略する。
本発明は、環境に優しく、強度の高いモールド製トレイとして、従来の発泡スチロール製のトレイが用いられていた各種の包装の分野で利用することができる。
1 底部
2 第1周壁
3 第2周壁
4 上枠部
5 凹部
6 凸部
7 吸水シート
8 生鮮食品
9 ラッピングフィルム
11 底部
12 第1周壁
13 第2周壁
14 上枠部
15 凹部
16 凸部
2 第1周壁
3 第2周壁
4 上枠部
5 凹部
6 凸部
7 吸水シート
8 生鮮食品
9 ラッピングフィルム
11 底部
12 第1周壁
13 第2周壁
14 上枠部
15 凹部
16 凸部
Claims (3)
- 平坦な矩形状の底部と、その底部の周囲から急なテーパで所定の高さで立ち上がる第1周壁と、前記第1周壁の上端の周囲から前記第1周壁のテーパよりも緩いテーパまたはアールで所定の高さで立ち上がる第2周壁と、前記第2周壁の上端の周囲から外側に曲げられた上枠部とからなり、全体がパルプモールドで一体成形されたパルプモールド製トレイ。
- 前記第1周壁には、外側に向かって突出する凹部が形成されている請求項1記載のパルプモールド製トレイ。
- 前記上枠部には、内側に向かって突出する凸部が形成されている請求項1または2に記載のパルプモールド製トレイ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005144614A JP2006321510A (ja) | 2005-05-17 | 2005-05-17 | パルプモールド製トレイ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005144614A JP2006321510A (ja) | 2005-05-17 | 2005-05-17 | パルプモールド製トレイ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006321510A true JP2006321510A (ja) | 2006-11-30 |
Family
ID=37541468
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005144614A Pending JP2006321510A (ja) | 2005-05-17 | 2005-05-17 | パルプモールド製トレイ |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2006321510A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009012814A (ja) * | 2007-07-05 | 2009-01-22 | Isamu Sato | 食品収納容器 |
-
2005
- 2005-05-17 JP JP2005144614A patent/JP2006321510A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009012814A (ja) * | 2007-07-05 | 2009-01-22 | Isamu Sato | 食品収納容器 |
JP4557295B2 (ja) * | 2007-07-05 | 2010-10-06 | 勇 佐藤 | 食品収納容器 |
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A977 | Report on retrieval |
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