JP2006317736A - 光学フィルムおよび液晶表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 液晶表示装置の表示特性の改善に寄与する光学フィルム、および視野角の拡大された液晶表示装置やバックライト利用効率の向上された液晶表示装置を提供する。
【手段】 少なくとも液晶化合物を含有する組成物から形成した光学異方性層、支持体、およびコレステリック液晶層を有する光学フィルム、及び該光学フィルムを有する液晶表示装置である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、光学フィルムおよび液晶表示装置に関する。特に本発明は、反射型液晶表示装置、半透過型液晶表示装置、透過型液晶表示装置、GH−LCD、PS変換素子、光ディスクの書き込み用のピックアップ、輝度向上膜または反射防止膜に利用されるλ/4板として有効な光学フィルムに関する。
λ/4板は、非常に多くの用途を有しており、既に反射型LCD、半透過型LCD、輝度向上膜、光ディスク用ピックアップやPS変換素子に使用されている。それらに現在使用されている大部分のλ/4板は、ポリマーフィルムを延伸することで光学異方性を発現させた位相差板である。ポリマーフィルムの光学的な向きは、一般にシート状あるいはロール状フィルムの縦方向または横方向に相当するものであり、シートあるいはロールの斜め方向に光軸や遅相軸を有するポリマーフィルムは、製造が非常に困難である。位相差板を使用する場合の多くは、偏光板の透過軸に対して、平行でも直交でもない角度に配置される。また、2枚以上の位相差板と偏光板を各々が平行でも直交でもない角度に配置される場合も多い。一般に、偏光板の透過軸はロール状フィルムに対して直交方向であるため、位相差板と偏光板を貼り合わせるためには、それぞれのフィルムを所定の角度にカットして、得られるチップを貼り合わせる必要がある。チップの貼り合わせで位相差板と偏光板の積層体を製造しようとすると、粘着剤の塗布工程や、チップカットあるいはチップの貼り合わせ工程が必要となり、処理が煩雑であって、軸ズレによる品質低下が起きやすく、歩留まりが低下し、コストが増大し、汚染による劣化も起きやすい。また、ポリマーフィルムでは、三次元方向の屈折率異方性の発現が、延伸倍率、温度、延伸速度、ポリマーの分子量のような様々な条件に影響を受ける。そのため、ポリマーフィルムの光学異方性を精密に制御することも難しい。
かかる問題を解決するため、ロール状フィルムにディスコティック液晶性化合物や棒状液晶性化合物を含有する塗布液を塗布し、所定の方向に配向させることで光学異方性を発現させ、ロール状フィルムに対して平行でも直交でもない角度に遅相軸を有す位相差板が提案されている(特許文献1、2)。また、ディスコティック液晶性化合物の円盤面がフィルム面に対して実質的に垂直になるように配向固定化された位相差板が開示されている(特許文献3、4、5、6)が、従来の技術では、配向欠陥が生じたり、配向時にはじきが出てしまうなどの問題が発生した。さらに、垂直配向性を付与するためにポリマーを修飾したり、あるいは特殊なモノマーを用いてポリマーを合成することが必要となり、結果として配向膜が高価になってしまうことから、工業的にはより安価な配向膜を用いてディスコティック液晶性化合物を実質的に垂直に配向させる技術が求められていた。また、位相差板を液晶表示装置に用いる際、ディスコティック液晶性化合物が実質的に垂直配向した層のみからなる位相差板では、それぞれの液晶モードで最適になるように三次元方向の屈折率異方性を発現させることが困難であり、三次元方向の屈折率異方性を任意に制御できる技術が求められていた。
一方、コレステリック層と1/4波長板を積層した輝度向上フィルムが提案されている(特許文献7)。
特開2001−4837号公報 特開2004−53841号公報 特開平9−292522号公報 特開2000−56310号公報 特開2000−104073号公報 特開2000−105316号公報 特開2003−337221号公報
本発明は前記諸問題に鑑みなされたものであって、液晶表示装置の表示特性の改善に寄与する光学フィルムを提供することを目的とする。また、本発明は該光学フィルムを用いることにより、視野角の拡大された液晶表示装置やバックライト利用効率の向上された液晶表示装置を提供することを目的とする。
上記課題は、以下の手段に解決された。
(1) 少なくとも液晶化合物を含有する組成物から形成した光学異方性層、支持体、およびコレステリック液晶層を有する光学フィルム。
(2) 前記液晶化合物がディスコティック液晶である(1)の光学フィルム。
(3) 前記光学異方性層の面内レターデーションReが80nm〜200nmである(1)又は(2)の光学フィルム。
(4) 前記支持体がセルロースアセテートフィルムである(1)〜(3)のいずれかの光学フィルム。
(5) (1)〜(4)のいずれかの光学フィルムを少なくとも1枚有する液晶表示装置。
(6) 液晶セルと導光板とを有し、前記光学フィルムが前記導光板と前記液晶セルとの間に配置されている(5)の液晶表示装置。
(7) 第1の表示領域と第2の表示領域とを有し、第1の表示状態時では前記第1の表示領域および前記第2の表示領域のそれぞれに右目用画像および左目用画像を表示する3D表示を行い、第2の表示状態時では前記第1及び第2の表示領域を含む全画面領域で一つの画像を表示する2D表示を行う(5)又は(6)の液晶表示装置。
(8) (1)〜(4)のいずれかの光学フィルムと、直線偏光膜とを有する偏光板。
(9) 長尺上の支持体の表面又は表面上に少なくとも液晶化合物を含有する組成物を連続的に適用して、光学異方性層を形成して長尺状の第1のフィルムを作製する工程と、少なくともコレステリック液晶層を有する長尺状の第2のフィルムを作製する工程と、前記第1のフィルムと前記第2のフィルムとを貼り合わせる工程とを含む(1)〜(4)のいずれかの光学フィルムの作製方法。
本発明によれば、液晶表示装置の表示特性の改善に寄与する光学フィルムを提供することができる。また、本発明によれば、視野角の拡大された液晶表示装置やバックライト利用効率の向上された液晶表示装置を提供することができる。
発明の実施の形態
以下において、本発明の光学フィルムおよび液晶表示装置の実施形態について順次説明する。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
本明細書において、「平行」、「直交」とは、厳密な角度±10°未満の範囲内であることを意味する。この範囲は厳密な角度との誤差は、±5°未満であることが好ましく、±2°未満であることがより好ましい。また、「実質的に垂直」とは、厳密な垂直の角度よりも±20°未満の範囲内であることを意味する。この範囲は厳密な角度との誤差は、±15°未満であることが好ましく、±10°未満であることがより好ましい。また、「遅相軸」は、フィルム面内で屈折率が最大となる方向を意味する。さらに屈折率の測定波長は特別な記述がない限り、可視光域のλ=550nmでの値である。
本明細書において「偏光板」とは、特に断らない限り、長尺の偏光板及び液晶装置に組み込まれる大きさに裁断された(本明細書において、「裁断」には「打ち抜き」及び「切り出し」等も含むものとする)偏光板の両者を含む意味で用いられる。また、本明細書では、「偏光膜」及び「偏光板」を区別して用いるが、「偏光板」は「偏光膜」の少なくとも片面に該偏光膜を保護する透明保護膜を有する積層体を意味するものとする。
本明細書において、Re、Rthは各々、ある波長λnmにおける面内のレターデーションおよび厚さ方向のレターデーションを表す。ReはKOBRA 21ADH(王子計測機器(株)製)において波長λnmの光をフィルム法線方向に入射させて測定される。Rthは前記Re、面内の遅相軸(KOBRA 21ADHにより判断される)を傾斜軸(回転軸)としてフィルム法線方向に対して+40°傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて測定したレターデーション値、および面内の遅相軸を傾斜軸(回転軸)としてフィルム法線方向に対して−40°傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて測定したレターデーション値の計3つの方向で測定したレターデーション値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基にKOBRA 21ADHを算出する。ここで平均屈折率の仮定値はポリマーハンドブック(JOHN WILEY&SONS,INC)、各種光学フィルムのカタログの値を使用することができる。平均屈折率の値が既知でないものについてはアッベ屈折計で測定することができる。主な光学フィルムの平均屈折率の値を以下に例示する:セルロースアシレート(1.48)、シクロオレフィンポリマー(1.52)、ポリカーボネート(1.59)、ポリメチルメタクリレート(1.49)、ポリスチレン(1.59)である。
(光学フィルム)
本発明の光学フィルムは、少なくとも一種の液晶性化合物を含有する組成物からなる光学異方性層、支持体及びコレステリック液晶層を有する。前記光学異方性層及び/又はコレステリック液晶層を2層以上有していてもよい。また、前記支持体と前記光学異方性層との間及び/又は前記支持体と前記コレステリック液晶層との間に、配向膜を有していてもよい。前記支持体は、前記光学異方性層及び前記コレステリック液晶層の双方の支持体であってもよいし、又は前記光学異方性層を支持する支持体、及び前記コレステリック液晶層を支持する支持体をそれぞれ有していてもよい。
本発明の光学フィルムは、液晶表示装置に組み込まれる位相差板として有用である。本発明の光学フィルムを液晶表示装置の位相差板として用いる場合は、Reが50〜200nmであることが好ましく、70〜180nmであるのがより好ましく、90〜160nmであるのがさらに好ましい。
以下、本発明の光学フィルムの各構成部材について詳細に説明する。
(支持体)
本発明に用いる支持体は、透明であるのが好ましく、具体的には、光透過率が80%以上であるのが好ましい。ロール状の光学フィルムを製造する場合の円筒状に巻き取り可能である必要性を考慮すると、透明なポリマーフィルムが好ましい。支持体として使用可能なポリマーフィルムとしては、セルロースエステル(例、セルロースアセテート、セルロースジアセテート)、ノルボルネン系ポリマーおよびポリメチルメタクリレート等からなるポリマーフィルムが挙げられる。市販のポリマー(ノルボルネン系ポリマーでは、ARTON(日本合成ゴム(株)製)およびゼオネックス(日本ゼオン(株)製)(いずれも商品名))を用いてもよい。中でもセルロースエステルからなるフィルムが好ましく、セルロースの低級脂肪酸エステルからなるフィルムがさらに好ましい。低級脂肪酸とは、炭素原子数が6以下の脂肪酸を意味する。特に、炭素原子数が2(セルロースアセテート)、3(セルロースプロピオネート)または4(セルロースブチレート)が好ましい。セルロースアセテートからなるフィルムが特に好ましい。セルロースアセテートプロピオネートやセルロースアセテートブチレートのような混合脂肪酸エステルを用いることもできる。
なお、従来知られているポリカーボネートやポリスルホンのような複屈折の発現しやすいポリマーであっても、国際公開WO00/26705号明細書に記載のように、分子を修飾することで複屈折の発現性を制御すれば、本発明において、支持体として用いることもできる。
本発明の光学フィルムを、偏光板の保護フィルムまたは位相差フィルムとして使用する場合は、ポリマーフィルムとしては、酢化度が55.0〜62.5%であるセルロースアセテートを使用することが好ましい。酢化度は、57.0〜62.0%であることがさらに好ましい。ここで、酢化度とは、セルロース単位質量当たりの結合酢酸量を意味する。酢化度は、ASTM:D−817−91(セルロースアセテート等の試験法)におけるアセチル化度の測定および計算によって求められる。セルロースアセテートの粘度平均重合度(DP)は、250以上であることが好ましく、290以上であることがさらに好ましい。また、セルロースアセテートは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるMw/Mn(Mwは質量平均分子量、Mnは数平均分子量)の分子量分布が狭いことが好ましい。具体的なMw/Mnの値としては、1.0〜4.0であることが好ましく、1.0〜1.65であることがさらに好ましく、1.0〜1.6であることよりさらに好ましい。
セルロースアセテートでは、セルロースの2位、3位および6位のヒドロキシルが均等に置換されるのではなく、6位の置換度が小さくなる傾向がある。支持体として用いるポリマーフィルムでは、セルロースの6位置換度が、2位、3位に比べて同程度または多い方が好ましい。2位、3位および6位の置換度の合計に対する6位の置換度の割合は、30〜40%であることが好ましく、31〜40%であることがさらに好ましく、32〜40%であることが最も好ましい。6位の置換度は0.88以上であることが好ましい。なお、各位置の置換度は、NMRによって測定することできる。6位置換度が高いセルロースアセテートは、特開平11−5851号公報の段落番号0043〜0044に記載の合成例1、段落番号0048〜0049に記載の合成例2、そして段落番号0051〜0052に記載の合成例3の方法を参照して合成することができる。
本発明に用いる支持体のRthレターデーション値は、40nm〜400nmであるのが好ましく、Reレターデーション値は、0〜70nmであるのが好ましい。支持体としてセルロースアセテートフィルムを用いた本発明の光学フィルムを、液晶表示装置に組み込む場合は、前記セルロースアセテートフィルムのRthレターデーション値は、150〜400nmであることが好ましい。なお、セルロースアセテートフィルムの複屈折率(Δn:nx−ny)は、0.00025〜0.00088であることが好ましい。また、セルロースアセテートフィルムの厚み方向の複屈折率{(nx+ny)/2−nz}は、0.00088〜0.005であることが好ましい。
支持体にセルロースアセテートフィルムを用いる場合は、レターデーション上昇剤をフィルム中に含有させるのが好ましく、レターデーション上昇剤として好ましい化合物例、およびその製造方法に関しては、特開2000−154261号公報、および特開2000−111914号公報に記載されている。
(光学異方性層)
本発明の光学フィルムは、少なくとも液晶化合物を含有する組成物から形成された光学異方性層を少なくとも一層有する。前記光学異方性層は、支持体の表面に直接形成してもよく、支持体上に配向膜を形成し、該配向膜上に形成してもよい。
光学異方性層の形成に用いる液晶化合物としては、ディスコティック液晶化合物が挙げられる。ディスコティック液晶化合物は、高分子液晶でも低分子液晶でもよく、さらに、低分子液晶が架橋され液晶性を示さなくなったものも含まれる。
(ディスコティック液晶化合物)
ディスコティック液晶化合物には、C.Destradeらの研究報告、Mol.Cryst.71巻、111頁(1981年)に記載されているベンゼン誘導体、C.Destradeらの研究報告、Mol.Cryst.122巻、141頁(1985年)、Physics Lett,A,78巻、82頁(1990)に記載されているトルキセン誘導体、B.Kohneらの研究報告、Angew.Chem.96巻、70頁(1984年)に記載されたシクロヘキサン誘導体およびJ.M.Lehnらの研究報告、J.Chem.Commun.,1794頁(1985年)、J.Zhangらの研究報告、J.Am.Chem.Soc.116巻、2655頁(1994年)に記載されているアザクラウン系やフェニルアセチレン系マクロサイクルが含まれる。
前記ディスコティック液晶化合物には、分子中心の母核に対して、直鎖のアルキル基、アルコキシ基または置換ベンゾイルオキシ基が母核の側鎖として放射線状に置換した構造の、液晶性を示す化合物も含まれる。分子または分子の集合体が、回転対称性を有し、一定の配向を付与できる化合物であることが好ましい。ディスコティック液晶化合物から光学異方性層を形成した場合、最終的に光学異方性層に含まれる化合物は、もはや液晶性を示す必要はない。例えば、低分子のディスコティック液晶化合物が熱または光で反応する基を有しており、熱または光によって該基が反応して、重合または架橋し、高分子量化することによって光学異方性層が形成される場合などは、光学異方性層中に含まれる化合物は、もはや液晶性を失っていてもよい。ディスコティック液晶化合物の好ましい例は、特開平8−50206号公報に記載されている。また、ディスコティック液晶化合物の重合については、特開平8−27284号公報に記載がある。また、液晶化合物としてディスコティック化合物を用いた場合の詳細については、特開平11−316378号公報に記載されていて、本発明の実施形態にも適用することができる。
ディスコティック液晶化合物を重合により固定するためには、ディスコティック液晶化合物の円盤状コアに、置換基として重合性基を結合させる必要がある。ただし、円盤状コアに重合性基を直結させると、重合反応において配向状態を保つことが困難になる。そこで、円盤状コアと重合性基との間に、連結基を導入する。従って、重合性基を有するディスコティック液晶化合物は、下記式(III)で表わされる化合物であることが好ましい。
式(III) D(−L−Q)n
式(III)中、Dは円盤状コアであり、Lは二価の連結基であり、Qは重合性基であり、nは4〜12の整数である。
円盤状コア(D)の例を以下に示す。以下の各例において、LQ(またはQL)は、二価の連結基(L)と重合性基(Q)との組み合わせを意味する。
Figure 2006317736
Figure 2006317736
Figure 2006317736
Figure 2006317736
式(III)において、二価の連結基(L)は、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、−CO−、−NH−、−O−、−S−およびそれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基であることが好ましい。二価の連結基(L)は、アルキレン基、アリーレン基、−CO−、−NH−、−O−および−S−からなる群より選ばれる二価の基を少なくとも二つ組み合わせた二価の連結基であることがさらに好ましい。二価の連結基(L)は、アルキレン基、アリーレン基、−CO−および−O−からなる群より選ばれる二価の基を少なくとも二つ組み合わせた二価の連結基であることが最も好ましい。前記アルキレン基の炭素原子数は、1〜12であることが好ましい。前記アルケニレン基の炭素原子数は、2〜12であることが好まし。前記アリーレン基の炭素原子数は、6〜10であることが好ましい。
二価の連結基(L)の例を以下に示す。左側が円盤状コア(D)に結合し、右側が重合性基(Q)に結合する。ALはアルキレン基またはアルケニレン基、ARはアリーレン基を意味する。なお、アルキレン基、アルケニレン基およびアリーレン基は、置換基(例、アルキル基)を有していてもよい。
L1:−AL−CO−O−AL−
L2:−AL−CO−O−AL−O−
L3:−AL−CO−O−AL−O−AL−
L4:−AL−CO−O−AL−O−CO−
L5:−CO−AR−O−AL−
L6:−CO−AR−O−AL−O−
L7:−CO−AR−O−AL−O−CO−
L8:−CO−NH−AL−
L9:−NH−AL−O−
L10:−NH−AL−O−CO−
L11:−O−AL−
L12:−O−AL−O−
L13:−O−AL−O−CO−
L14:−O−AL−O−CO−NH−AL−
L15:−O−AL−S−AL−
L16:−O−CO−AR−O−AL−CO−
L17:−O−CO−AR−O−AL−O−CO−
L18:−O−CO−AR−O−AL−O−AL−O−CO−
L19:−O−CO−AR−O−AL−O−AL−O−AL−O−CO−
L20:−S−AL−
L21:−S−AL−O−
L22:−S−AL−O−CO−
L23:−S−AL−S−AL−
L24:−S−AR−AL−
式(III)の重合性基(Q)は、重合反応の種類に応じて決定する。重合性基(Q)は、不飽和重合性基またはエポキシ基であることが好ましく、不飽和重合性基であることがさらに好ましく、エチレン性不飽和重合性基であることが最も好ましい。式(III)において、nは4〜12の整数である。具体的な数字は、円盤状コア(D)の種類に応じて決定される。なお、複数のLとQの組み合わせは、異なっていてもよいが、同一であることが好ましい。
ハイブリッド配向では、液晶化合物の分子対称軸と支持体の面との角度が、光学異方性層の深さ方向でかつ支持体の面からの距離の増加と共に増加または減少している。角度は、距離の増加と共に減少することが好ましい。さらに、角度の変化としては、連続的増加、連続的減少、間欠的増加、間欠的減少、連続的増加と連続的減少を含む変化、あるいは、増加および減少を含む間欠的変化が可能である。間欠的変化は、厚さ方向の途中で傾斜角が変化しない領域を含んでいる。角度は、角度が変化しない領域を含んでいても、全体として増加または減少していればよい。さらに、角度は連続的に変化することが好ましい。
液晶化合物の分子対称軸の平均方向は、一般に液晶化合物もしくは配向膜の材料を選択することにより、またはラビング処理方法を選択することにより、調整することができる。また、表面側(空気側)の液晶化合物の分子対称軸方向は、一般に、液晶化合物または液晶化合物と共に使用する添加剤の種類を選択することにより調整することができる。液晶化合物と共に使用する添加剤の例としては、可塑剤、界面活性剤、重合性モノマーおよびポリマーなどを挙げることができる。分子対称軸の配向方向の変化の程度も、上記と同様に、液晶化合物と添加剤との選択により調整できる。
液晶化合物と共に使用する可塑剤、界面活性剤および重合性モノマーは、液晶化合物と相溶性を有し、液晶化合物の傾斜角の変化を与えられるか、あるいは配向を阻害しないことが好ましい。重合性モノマー(例、ビニル基、ビニルオキシ基、アクリロイル基およびメタクリロイル基を有する化合物)が好ましい。上記化合物の添加量は、液晶化合物に対して一般に1〜50質量%の範囲にあり、5〜30質量%の範囲にあることが好ましい。なお、重合性の反応性官能基数が4以上のモノマーを混合して用いると、配向膜と光学異方性層間の密着性を高めることができる。
液晶化合物としてディスコティック液晶化合物を用いる場合は、ディスコティック液晶化合物とある程度の相溶性を有し、ディスコティック液晶化合物に傾斜角の変化を与えられるポリマーを用いるのが好ましい。ポリマーの例としては、セルロースエステルを挙げることができる。セルロースエステルの好ましい例としては、セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、ヒドロキシプロピルセルロースおよびセルロースアセテートブチレートを挙げることができる。ディスコティック液晶化合物の配向を阻害しないように、上記ポリマーの添加量は、ディスコティック液晶化合物に対して0.1〜10質量%の範囲にあることが好ましく、0.1〜8質量%の範囲にあることがより好ましく、0.1〜5質量%の範囲にあることがさらに好ましい。
ディスコティック液晶化合物のディスコティックネマティック液晶相−固相転移温度は、50〜300℃が好ましく、50〜170℃がさらに好ましい。
本発明において、光学異方性層の厚さは、0.1〜20μmであることが好ましく、0.2〜18μmであることがさらに好ましく、0.3〜15μmであることがもっとも好ましい。
また、本発明の光学フィルムを位相差板として用いる場合は、前記光学異方性層の面内レターデーションReは、80nm〜200nmであるのが好ましく、85〜195nmであるのがより好ましく、90〜190nmであるのがさらに好ましい。
前記光学異方性層の液晶化合物を配向させるために、支持体または支持体上に形成された配向膜の表面がラビング処理されているのが好ましい。また、液晶化合物の配向を固定する方法であるが、これは配向と同時に行われることが好ましい。具体的に配向を固定する方法としては、不飽和結合を有するモノマーと低分子液晶を含有する組成物中に、光重合開始剤あるいは熱重合開始剤を添加して、低分子液晶の配向と同時に光あるいは熱により不飽和結合を有するモノマーを重合させ、低分子液晶の配向を固定する方法;反応性の置換基を有する低分子液晶と高分子マトリクスを熱、光又はpH変化により反応させて配向を固定化する方法;及び反応性の置換基を有する低分子液晶同士を個々の液晶ドメインの中で架橋することにより配向を固定する方法;があげられるが、これらの方法に限定されるものではなく、様々な公知技術を使用することができる。
この液晶の配向固定には、前述のように熱重合開始剤あるいは光重合開始剤を用いることができる。熱重合開始剤の例としては、アゾ化合物、有機過酸化物、無機過酸化物、スルフィン酸類等をあげることができる。これらの詳細については、高分子学会、高分子実験学編集委員会編「付加重合・開環重合」(1983年、共立出版)の6〜18ページ等に記載されている。
光重合開始剤の例としては、ベンゾフェノン類、アセトフェノン類、ベンゾイン類、チオキサントン類等をあげることができる。これらの詳細については、「紫外線硬化システム」(1989年、総合技術センター)の63〜147ページ等に記載されている。
(配向膜)
本発明の光学フィルムは、支持体と光学異方性層との間に配向膜を有していてもよい。
本発明において、前記配向膜は、架橋されたポリマーからなる層であるのが好ましい。配向膜に使用されるポリマーは、それ自体架橋可能なポリマーあるいは架橋剤により架橋されるポリマーのいずれも使用することができる。上記配向膜は、官能基を有するポリマーあるいはポリマーに官能基を導入したものを、光、熱またはpH変化等により、ポリマー間で反応させて形成する、または、反応活性の高い化合物である架橋剤を用いてポリマー間に架橋剤に由来する結合基を導入して、ポリマー間を架橋することにより形成することができる。
架橋されたポリマーからなる配向膜は、通常、上記ポリマーまたはポリマーと架橋剤との混合物を含む塗布液を、支持体上に塗布した後、加熱等を行うことにより形成することができる。後述のラビング工程において、配向膜の発塵を抑制するために、架橋度を上げておくことが好ましい。前記塗布液中に添加する架橋剤の量(Mb)に対して、架橋後に残存している架橋剤の量(Ma)の比率(Ma/Mb)を1から引いた値(1−(Ma/Mb))を架橋度と定義した場合、架橋度は50%〜100%が好ましく、65%〜100%が更に好ましく、75%〜100%が最も好ましい。
本発明において、前記配向膜に使用されるポリマーは、それ自体架橋可能なポリマーあるいは架橋剤により架橋されるポリマーのいずれも使用することができる。勿論双方の機能を有するポリマーを使用することもできる。上記ポリマーの例としては、ポリメチルメタクリレート、アクリル酸/メタクリル酸共重合体、スチレン/マレインイミド共重合体、ポリビニルアルコールおよび変性ポリビニルアルコール、ポリ(N−メチロールアクリルアミド)、スチレン/ビニルトルエン共重合体、クロロスルホン化ポリエチレン、ニトロセルロース、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、ポリイミド、酢酸ビニル/塩化ビニル共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレン、ポリプロピレンおよびポリカーボネート等のポリマーおよびシランカップリング剤等の化合物を挙げることができる。好ましいポリマーの例としては、ポリ(N−メチロールアクリルアミド)、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、ポリビニルアルコールおよび変性ポリビニルアルコール等の水溶性ポリマーであり、さらにゼラチン、ポリビニルアルコールおよび変性ポリビニルアルコールが好ましく、特にポリビニルアルコールおよび変性ポリビニルアルコールを挙げることができる。
上記ポリマーの中で、ポリビニルアルコールまたは変性ポリビニルアルコールが好ましい。ポリビニルアルコールとしては、例えば鹸化度70〜100%のものであり、一般に鹸化度80〜100%のものであり、より好ましくは鹸化度85〜95%のものである。重合度としては、100〜3000の範囲が好ましい。変性ポリビニルアルコールとしては、共重合変性したもの(変性基として、例えば、COONa、Si(OX)3、N(CH33・Cl、C919COO、SO3、Na、C1225等が導入される)、連鎖移動により変性したもの(変性基として、例えば、COONa、SH、C1225等が導入されている)、ブロック重合による変性をしたもの(変性基として、例えば、COOH、CONH2、COOR、C65等が導入される)等のポリビニルアルコールの変性物を挙げることができる。重合度としては、100〜3000の範囲が好ましい。これらの中で、鹸化度80〜100%の未変性または変性ポリビニルアルコールが好ましく、より好ましくは鹸化度85〜95%の未変性またはアルキルチオ変性ポリビニルアルコールである。
配向膜に用いる変性ポリビニルアルコールとして、下記一般式(1)で表わされる化合物とポリビニルアルコールとの反応物が好ましい。
Figure 2006317736
但し、R1は無置換のアルキル基、またはアクリロリル基、メタクリロイル基もしくはエポキシ基で置換されたアルキル基を表わし、Wはハロゲン原子、アルキル基またはアルコキシ基を表わし、Xは活性エステル、酸無水物または酸ハロゲン化物を形成するために必要な原子群を表わし、lは0または1を表わし、nは0〜4の整数を表わす。
また、配向膜に用いる変性ポリビニルアルコールとして、下記一般式(2)で表わされる化合物とポリビニルアルコールとの反応物も好ましい。
Figure 2006317736
但し、X1は活性エステル、酸無水物または酸ハロゲン化物を形成するために必要な原子群を表わし、mは2〜24の整数を表わす。
前記一般式(1)および一般式(2)により表される化合物と反応させるために用いられるポリビニルアルコールとしては、上記変性されていないポリビニルアルコールおよび上記共重合変性したもの、即ち連鎖移動により変性したもの、ブロック重合による変性をしたもの等のポリビニルアルコールの変性物、を挙げることができる。上記特定の変性ポリビニルアルコールの好ましい例としては、特開平8−338913号公報に詳しく記載されている。配向膜にポリビニルアルコール等の親水性ポリマーを使用する場合、硬膜度の観点から、含水率を制御することが好ましく、0.4%〜2.5%であることが好ましく、0.6%〜1.6%であることが更に好ましい。含水率は、市販のカールフィッシャー法の水分率測定器で測定することができる。なお、配向膜は、10μm以下の膜厚であるのが好ましい。
(コレステリック液晶層)
本発明においてコレステリック液晶層は、グランジャン配向の螺旋ピッチが厚さ方向に変化し、自然光を円偏光からなる反射光と透過光に分離する円偏光二色性が520nmの波長光を含む50nm以上の波長域に及ぶと共に、前記の反射光又は透過光を1/4波長板機能を有する光学異方性層を介して直線偏光とした場合に、偏光度の最大値を示す可視光域における直線偏光の波長が520nm以下である偏光度特性、又は前記円偏光二色性を示す波長域の可視光域における直線偏光の偏光度の積算が520nmの波長光を基準に短波長側が長波長側よりも高い偏光度特性を示すものである。
コレステリック液晶層の形成には、グランジャン配向性を示す低分子量体や高分子量体等の適宜なコレステリック液晶を用いうるが、取扱性等の実用性などの点よりはコレステリック液晶ポリマーが好ましく用いうる。そのコレステリック液晶ポリマーについては、1種又は2種以上の適宜なものを用いることができ、特に限定はない。
コレステリック液晶ポリマーの例としては、液晶配向性を付与する共役性の直線状原子団(メソゲン)がポリマーの主鎖や側鎖に導入された主鎖型や側鎖型のものなどがあげられる。取扱性や実用温度での配向の安定性などの点よりは、ガラス転移温度が30〜150℃のコレステリック液晶ポリマーが好ましく用いうる。
なお前記主鎖型のコレステリック液晶ポリマーの具体例としては、屈曲性を付与するスペーサ部を必要に応じ介してパラ置換環状化合物等からなるメソゲン基を結合した構造を有する、例えばポリエステル系やポリアミド系、ポリカーボネート系やポリエステルイミド系などのポリマーがあげられる。
また側鎖型のコレステリック液晶ポリマーの具体例としては、ポリアクリレートやポリメタクリレート、ポリシロキサンやポリマロネート等を主鎖骨格とし、側鎖として共役性の原子団からなるスペーサ部を必要に応じ介してパラ置換環状化合物等からなる低分子液晶化合物(メソゲン部)を有するもの、低分子カイラル剤含有のネマチック系液晶ポリマー、キラル成分導入の液晶ポリマー、ネマチック系とコレステリック系の混合液晶ポリマーなどがあげられる。
前記の如く、例えばアゾメチン形やアゾ形、アゾキシ形やエステル形、ビフェニル形やフェニルシクロヘキサン形、ビシクロヘキサン形の如きパラ置換芳香族単位やパラ置換シクロヘキシル環単位などからなるネマチック配向性を付与するパラ置換環状化合物を有するものにても、不斉炭素を有する化合物等からなる適宜なキラル成分や低分子カイラル剤等を導入する方式などによりコレステリック配向性のものとすることができる(特開昭55−21479号公報、米国特許明細書第5332522号等)。なおパラ置換環状化合物におけるパラ位における末端置換基は、例えばシアノ基やアルキル基、アルコキシ基などの適宜なものであってよい。
またスペーサ部としては、屈曲性を示す例えばポリメチレン鎖−(CH2n−やポリオキシメチレン鎖−(CH2CH2O)m−などがあげられる。スペーサ部を形成する構造単位の繰返し数は、メソゲン部の化学構造等により適宜に決定され、一般にはポリメチレン鎖の場合にはnが0〜20、好ましくは2〜12、ポリオキシメチレン鎖の場合にはmが0〜10、好ましくは1〜3である。
コレステリック液晶層の形成は、例えば配向膜の上にサーモトロピックな液晶ポリマーを展開し、それをガラス転移温度以上、等方相転移温度未満の液晶相を呈する温度に加熱して、液晶ポリマーをグランジャン配向させた状態でガラス転移温度未満に冷却してガラス状態とし、当該配向が固定化された固化層を形成する方法などにより行うことができる。
コレステリック液晶ポリマーをグランジャン配向させることにより、自然光を円偏光からなる反射光と透過光に分離する円偏光二色性を示すものとすることができる。円偏光二色性(選択反射)の波長域は、グランジャン配向の螺旋ピッチなどにより決定され、その波長域の広さなどの点よりは複屈折率差の大きいコレステリック液晶ポリマーが好ましく用いうる。
前記においてコレステリック液晶ポリマーの展開は、加熱溶融方式によってもよいし、溶剤による溶液として展開することもできる。その溶剤としては、例えば塩化メチレンやシクロヘキサノン、トリクロロエチレンやテトラクロロエタン、N−メチルピロリドンやテトラヒドロフランなどの適宜なものを用いうる。
液化したコレステリック液晶ポリマーの展開は、例えばスピンコート法やロールコート法、フローコート法やプリント法、ディップコート法や流延成膜法、バーコート法やグラビア印刷法等の適宜な方法で行うことができる。展開に際しては、必要に応じ配向膜を介した液晶ポリマー層の重畳方式なども採ることができる。なお液晶ポリマーの展開に際しては、その展開液に安定剤や可塑剤や金属類などからなる種々の添加剤を必要に応じて配合することができる。
コレステリック液晶をグランジャン配向させるための配向膜には、例えばポリイミドやポリビニルアルコール等の薄膜をレーヨン布等でラビング処理した膜やSiO2等を斜方蒸着してなる薄膜などからなる配向膜、あるいは延伸フィルム等からなる配向フィルムなどの、従来の低分子液晶の場合に準じた適宜な配向膜を利用することができる。
コレステリック液晶の展開層を支持する支持基材には単層又は複層の適宜な基材を用いることができ、その種類について特に限定はない。ちなみにその例としては、ポリエチレンやポリプロピレン、ノルボルネン構造を有するポリオレフィンやエチレン・プロピレン共重合体の如きオレフィン系ポリマー、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートの如きポリエステル系ポリマー、二酢酸セルロースや三酢酸セルロースの如きセルロース系ポリマー、ポリメチルメタクリレートの如きアクリル系ポリマー、ナイロンや芳香族ポリアミドの如きアミド系ポリマー、イミド系ポリマー、スルホン系ポリマー、ポリエーテルスルホン系ポリマー、ポリエーテルエーテルケトン系ポリマー、ポリフェニレンスルフィド系ポリマー、ビニルアルコール系ポリマー、塩化ビニル系ポリマー、塩化ビニリデン系ポリマー、ビニルブチラール系ポリマー、カーボネート系ポリマー、アリレート系ポリマー、ポリオキシメチレン系ポリマー、スチレン系ポリマー等のポリマーからなるフィルムやガラス板などがあげられる。
コレステリック液晶層を支持基材に付設した状態で一体的に用いる場合には、例えば三酢酸セルロースフィルムやガラス板の如く等方性に優れて複屈折が可及的に少ない透明基材が視角特性などの点より一般には好ましく用いうる。支持基材の厚さは、適宜に決定されるが、一般には光透過率や強度などの点より、500μm以下であるのが好ましく、5〜200μmであるのがより好ましく、10〜100μmであるのがさらに好ましい。
なお上記に配向膜として例示した配向フィルムは、例えばキャスティング法や押出法、2層又は3層以上の共押出法等の適宜な方式で形成した単層又は複層のフィルムを一軸や二軸等の適宜な方式で延伸処理したもの、あるいは結晶化による分子配向フィルムなどとして得ることができるが、かかる配向フィルムも前記の支持基材として用いうる。
配向膜上に形成するコレステリック液晶層の厚さは、配向の乱れや透過率低下の防止、円偏光二色性を示す波長域などの点より、50μm以下であるのが好ましく、0.5〜〜20μmであるのがより好ましく、1〜10μmであるのがさらに好ましい。前記コレステリック液晶層は、2層又は3層以上のコレステリック液晶ポリマー層の重畳層として形成されていてもよい。その重畳化は、円偏光二色性を示す波長域の拡大や斜め入射光の波長シフトに対処する点、従って視角特性の改善などより有利であり、その場合には円偏光二色性の中心波長が異なる組み合わせで重畳することが好ましい。
すなわち単層のコレステリック液晶層では通例、円偏光二色性を示す波長域に限界があり、その限界は約100nmの波長域に及ぶ広い範囲の場合もあるが、その波長域でも液晶表示装置等に適用する場合に望まれる可視光の全域には及ばないから、そのような場合に円偏光二色性の中心波長が異なるコレステリック液晶ポリマー層を重畳させて円偏光二色性を示す波長域を拡大させることができる。
ちなみに円偏光二色性の中心波長が300〜900nmのコレステリック液晶層を同じ偏光方向の円偏光を反射する組み合わせで、かつ円偏光二色性の中心波長が異なる組み合わせで用いて、その2〜6種類を重畳することで可視光域をカバーできるコレステリック液晶層を効率的に形成することができる。なお前記の同じ偏光方向の円偏光を反射するものの組み合わせとする点は、各層で反射される円偏光の位相状態を揃えて各波長域で異なる偏光状態となることを防止し、利用できる状態の偏光の増量を目的とする。
なお上記した如く、コレステリック液晶としては適宜なものを用いてよいが、複屈折率差の大きい液晶層ほど円偏光二色性の波長域が広くなり、層数の軽減や大視野角時の波長シフトに対する余裕などの点より好ましく用いうる。また視角変化による色変化の角度依存性を低減する点よりは、円偏光二色性の中心波長が短いものより順々に重畳配置することが好ましい。
上記したようにクランジャン配向したコレステリック液晶層は、その螺旋ピッチにより円偏光二色性の波長特性が相違するが、本発明におけるコレステリック液晶層は、厚さ方向に螺旋ピッチが変化するものであり、その円偏光二色性が50nm以上の波長域に及ぶと共に、その円偏光二色性の波長域に520nmの波長光を含むものである。なおクランジャン配向の螺旋ピッチが厚さ方向に変化するコレステリック液晶層は、円偏光二色性の波長域が大きい利点を有する。
螺旋ピッチが厚さ方向に変化するコレステリック液晶層の製造は、例えば配向処理したコレステリック液晶ポリマー層同士の2枚又は3枚以上の所定数を熱圧着により接着する操作などにより行うことができる。熱圧着処理には、ロールラミネータ等の適宜な加熱押圧手段を介してコレステリック液晶ポリマー層をガラス転移温度以上、等方相転移温度未満に加熱して圧着処理する方式などの適宜な方式を採ることができる。
支持基材との一体物からなる液晶ポリマーの固化層の場合には、その固化層同士が密接するように前記に準じて重畳処理する方式により、さらには必要に応じその重畳体における一方の支持基材を剥離してコレステリック液晶ポリマー層を露出させ、その露出層に別個の液晶ポリマーの固化層を前記に準じて重畳処理する操作を3層又は4層以上のコレステリック液晶ポリマー層に対して施す方式などにても厚さ方向に螺旋ピッチが変化するコレステリック液晶層を得ることができる。
なお支持基材上に形成したコレステリック液晶ポリマー層は、支持基材より剥離して液晶ポリマーフィルムとして用いることもできることより、その液晶ポリマーフィルムを上記の重畳処理に供して厚さ方向に螺旋ピッチが変化するコレステリック液晶層を得ることもできる。
厚さ方向に螺旋ピッチが変化するコレステリック液晶層は、連続した円偏光二色性の波長域を示すものであってもよいし、不連続な円偏光二色性の波長域を示すものであってもよい。虹ムラ防止等の点より好ましいコレステリック液晶層は、連続した円偏光二色性の波長域を示すものである。その製造は、例えば上記した熱圧着操作等で形成したコレステリック液晶ポリマー層の重畳体をガラス転移温度以上、等方相転移温度未満に加熱して、その密着界面に上下の層を形成するコレステリック液晶ポリマーが混合した層を形成する方法などにより行うことができる。
前記した上下の層のコレステリック液晶ポリマーが混合して形成されたコレステリック液晶ポリマー層は、螺旋ピッチが上下の層とも異なって厚さ方向に螺旋ピッチが多段階に変化したコレステリック液晶層を形成し、通例その螺旋ピッチは上下の層を形成するコレステリック液晶ポリマー層の中間値をとって、上下の層と共に連続した円偏光二色性の波長域を示す領域を形成する。
従って上下の層で円偏光二色性の波長域が重複しないコレステリック液晶ポリマー層の組み合わせ、すなわち円偏光二色性の波長域に不連続による欠落域が存在する組み合わせで用いた場合に、上下の層の混合により形成されたコレステリック液晶ポリマー層が前記欠落域を埋めて円偏光二色性の波長域を連続化することができる。
よって例えば、円偏光二色性の波長域が500nm以下のものと600nm以上のものの2種のコレステリック液晶ポリマー層を用いて、その波長域の不連続域である500〜600nmの波長域の光についても円偏光二色性を示すコレステリック液晶層を得ることができ、これは少ないコレステリック液晶ポリマー層の重畳で、広い帯域の円偏光二色性の波長域を示すコレステリック液晶層を形成しうることを意味する。
前記の如く螺旋ピッチが厚さ方向に変化する構造も円偏光二色性の波長域の拡大等に有効であるがその場合、コレステリック液晶層の螺旋ピッチは、視角特性などの点より上記したように厚さ方向に各コレステリック液晶層による円偏光二色性の中心波長に基づいて長短の順序通り配置されていることが好ましい。
なお本発明において、コレステリック液晶層は、円偏光二色性の波長域や視角特性などの点より厚さ方向の全体で螺旋ピッチが変化していることが好ましいが、例えば上記した厚さ方向に螺旋ピッチが変化するコレステリック液晶層の重畳体に必要に応じ支持基材を有する円偏光二色性の波長域が相違するコレステリック液晶層を必要に応じ接着層を介して接着したものの如く、厚さ方向の螺旋ピッチが変化する部分を部分的に有するものであってもよい。
本発明の光学フィルムを位相差板として用いる場合は、前記コレステリック液晶層は、液晶表示装置の輝度向上等の点より、円偏光二色性を示す波長域が520nmの波長光を含む状態で100nm以上であるのが好ましく、400〜700nmの可視光域を含むのがより好ましく、全可視光域を含むのがさらに好ましい。
本発明の光学フィルムは、ロール状態で製造することが好ましく、所望の形状に切断した後、光学フィルムとして液晶表示装置に組み込んでもよいし、また偏光板の保護フィルムとして用いる等、液晶表示装置の他の構成部材と一体化した後に、液晶表示装置に組み込むこともできる。また、支持体、光学異方性層及びコレステリック液晶層の配置については特に制限されないが、液晶表示装置の位相差板として用いる場合は、コレステリック液晶層、光学異方性層及び支持体の順であるのが好ましい。本発明の光学フィルムは、例えば、長尺状のポリマーフィルムである支持体上に、連続的に配向膜用塗布液を塗布し、且つ連続的にラビング処理を実施して配向膜を形成した後、光学異方性層形成用塗布液を連続的に塗布して、乾燥及び光照射により光学異方性層を形成して作製した長尺状の第1のフィルムと、別途コレステリック液晶層を長尺状のポリマーフィルム上に形成して作製した長尺状の第2のフィルムとを貼り合わせて作製することもできる。かかる場合は、光学異方性層の表面と、コレステリック液晶層の表面とを貼り合わせるのが好ましい。また、本発明の光学フィルムを直線偏光膜と貼り合せて位相差板一体型偏光板を作製する場合は、直線偏光膜、支持体、光学異方性層、及びコレステリック液晶層の順に配置するのが好ましい。
(液晶表示装置)
本発明の液晶表示装置は、本発明の光学フィルムを少なくとも一枚有するものであり、反射型、半透過型、透過型液晶表示装置等いずれの態様も含まれる。前記光学フィルムは、前記液晶表示装置において、位相差板として機能し得る。液晶表示装置は一般的に、偏光板、液晶セル、および必要に応じて位相差板、反射層、光拡散層、バックライト、フロントライト、光制御フィルム、導光板、プリズムシート、カラーフィルター等の部材から構成されるが、本発明においては前記位相差板を使用することを必須とする点を除いて特に制限は無い。また前記位相差板の使用位置は特に制限はなく、また、1カ所でも複数カ所でも良い。液晶セルと導光板との間に配置するのが好ましく、光学異方性層とコレステリック液晶層のうち、光学異方性層をより液晶セルに近くして配置するのが好ましい。
本発明の液晶表示装置が有する液晶セルとしては特に制限されず、電極を備える一対の透明基板で液晶層を狭持したもの等の一般的な液晶セルが使用できる。液晶セルを構成する前記透明基板としては、液晶層を構成する液晶性を示す材料を特定の配向方向に配向させるものであれば特に制限はない。具体的には、基板自体が液晶を配向させる性質を有していている透明基板、基板自体は配向能に欠けるが、液晶を配向させる性質を有する配向膜等をこれに設けた透明基板等がいずれも使用できる。また、液晶セルの電極は、公知のものが使用できる。通常、液晶層が接する透明基板の面上に設けることができ、配向膜を有する基板を使用する場合は、基板と配向膜との間に設けることができる。前記液晶層を形成する液晶性を示す材料としては、特に制限されず、各種の液晶セルを構成し得る通常の各種低分子液晶性化合物、高分子液晶性化合物およびこれらの混合物が挙げられる。また、これらに液晶性を損なわない範囲で色素やカイラル剤、非液晶性化合物等を添加することもできる。
前記液晶セルは、前記電極基板および液晶層の他に、後述する各種の方式の液晶セルとするのに必要な各種の構成要素を備えていても良い。前記液晶セルの方式としては、TN(Twisted Nematic)方式、STN(SuperTwisted Nematic)方式、ECB(Electrically Controlled Birefringence)方式、IPS(In−Plane Switching)方式、VA(Vertical Alignment)方式、MVA(Multidomain Vertical Alignment)方式、PVA(Patterned Vertical Alignment)方式、OCB(Optically Compensated Birefringence)方式、HAN(Hybrid Aligned Nematic)方式、ASM(Axially Symmetric Aligned Microcell)方式、ハーフトーングレイスケール方式、ドメイン分割方式、あるいは強誘電性液晶、反強誘電性液晶を利用した表示方式等の各種の方式が挙げられる。また、液晶セルの駆動方式も特に制限はなく、STN−LCD等に用いられるパッシブマトリクス方式、並びにTFT(Thin Film Transistor)電極、TFD(Thin Film Diode)電極等の能動電極を用いるアクティブマトリクス方式、プラズマアドレス方式等のいずれの駆動方式であっても良い。カラーフィルターを使用しないフィールドシーケンシャル方式であってもよい。
本発明の光学フィルムと一体化した偏光板は、反射型、半透過型、および透過型液晶表示装置に好ましく用いられる。また、前記偏光板は、輝度向上膜としても好ましく用いられる。反射型液晶表示装置は、反射板、液晶セルおよび偏光板を、この順に積層した構成を有する。位相差板は、反射板と偏光膜との間(反射板と液晶セルとの間または液晶セルと偏光膜との間)に配置される。反射板は、液晶セルと基板を共有していてもよい。半透過反射型液晶表示装置は、電液晶セルと、該液晶セルより観察者側に配置された偏光板と、前記偏光板と前記液晶セルの間に配置される少なくとも1枚の位相差板と、観察者から見て前記液晶層よりも後方に設置された半透過反射層を少なくとも備え、さらに観察者から見て前記半透過反射層よりも後方に少なくとも1枚の位相差板と偏光板とを有す。このタイプの液晶表示装置では、バックライトを設置することで反射モードと透過モード両方の使用が可能となる。
前記液晶表示装置において、本発明の光学フィルムと組み合わされた偏光板は楕円偏光板または円偏光板等として機能する。
(2D、3D切り替え表示)
本発明の光学フィルムは2D、3D切り替え表示が可能な液晶表示装置に用いることができる。
通常の視界において、人間の2つの目は、空間的に離れて頭部に位置していることから、2つの異なる視点から見た像を知覚しており、人間の脳は、これら2つの像の視差によって立体感を認識する。そして、この原理を利用し、観察者の左右それぞれの目に異なる視点から見た像を視認させることで視差を与え、3D(立体三次元)表示を行う液晶表示装置に有効に利用できる。
3D表示を行う液晶表示装置においては、視点の異なる像を観察者の左右の目に供給するために、表示画面上における左眼用の像および右目用の像を、例えば色、偏光状態または表示時刻によってエンコードし、観察者が着用する眼鏡状のフィルタシステムによってこれらを分離して、各々の目に対応する像のみを供給するようにしたものがある。
また、液晶表示装置の表示パネルに光の透過領域と遮断領域とがストライプ状に形成された視差バリアを組み合わせ、観察者側においてフィルタシステム等の視覚的補助具を使用しなくても3D画像が認識される(自動立体表示)ようにした液晶表示装置にも利用できる。すなわち、表示パネルにて生成される右目用画像および左目用画像に対して視差バリアによって特定の視野角が与えられ、空間上の特定の観察領域からであれば、各々の目に対応する像のみが視認され、観察者において3D画像が認識される。
また、上述のような視差バリアを備えた液晶表示装置において、視差バリアの効果を有効/無効を切り替える手段をスイッチング液晶層等で設けることにより、3D表示と2D表示(平面表示)とを電気的に切り替えることができる装置に利用できる。すなわち、スイッチング液晶層のON/OFFにより、視差バリアの効果を有効とした場合に3D表示を行い、視差バリアの効果を無効とした場合に2D表示を行う。具体的には、本発明の液晶表示装置の表示面を、第1の表示領域と第2の表示領域とに分割し、第1の表示状態時では前記第1の表示領域および前記第2の表示領域のそれぞれに右目用画像および左目用画像を表示する3D表示を行い、第2の表示状態時では前記第1及び第2の表示領域を含む全画面領域で一つの画像を表示する2D表示を行うことによって、3D表示と2D表示とを切り替え可能な液晶表示装置とすることができる。
本発明の光学フィルムは前記用途に限らず、その他の種々の用途に供することが出来る。例えば、ホスト−ゲスト型液晶表示装置、タッチパネル、エレクトロルミネッセンス(EL)素子などの反射防止膜、反射型偏光板などに用いることができる。
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、試薬、割合、操作などは本発明の精神から逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に制限されるものではない。
[実施例1]
(光学フィルムの作製)
(支持体の作製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、セルロースアセテート溶液を調製した。
(セルロースアセテート溶液組成)
酢化度60.9%のセルロースアセテート 100質量部
トリフェニルホスフェート(可塑剤) 7.8質量部
ビフェニルジフェニルホスフェート(可塑剤) 3.9質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 300質量部
メタノール(第2溶媒) 45質量部
染料(住化ファインケム(株)製 360FP) 0.0009質量部
別のミキシングタンクに、下記のレターデーション上昇剤16質量部、メチレンクロライド80質量部およびメタノール20質量部を投入し、加熱しながら攪拌して、レターデーション上昇剤溶液を調製した。
上記組成のセルロースアセテート溶液464質量部にレターデーション上昇剤溶液36質量部、およびシリカ微粒子(アイロジル製 R972)1.1質量部を混合し、充分に攪拌してドープを調製した。レターデーション上昇剤の添加量は、セルロースアセテート100質量部に対して、5.0質量部であった。また、シリカ微粒子の添加量は、セルロースアセテート100質量部に対して、0.15質量部であった。
Figure 2006317736
得られたドープを、幅2mで長さ65mの長さのバンドを有する流延機を用いて流延した。バンド上での膜面温度が40℃となってから、1分乾燥し、剥ぎ取った後、140℃の乾燥風で、テンターを用いて幅方向に28%延伸した。この後、135℃の乾燥風で20分間乾燥し、残留溶剤量が0.3質量%の支持体を製造した。得られた支持体の幅は1340mmであり、厚さは92μmであった。上記方法により、波長590nmにおけるレターデーション値(Re)を測定したところ、38nmであった。また、波長590nmにおけるレターデーション値(Rth)を測定したところ、175nmであった。
作製した支持体のバンド面側に、1.0Nの水酸化カリウム溶液(溶媒:水/イソプロピルアルコール/プロピレングリコール=69.2質量部/15質量部/15.8質量部)を10cc/m塗布し、約40℃の状態で30秒間保持した後、アルカリ液を掻き取り、純水で水洗し、エアーナイフで水滴を削除した。その後、100℃で15秒間乾燥した。また純水に対する接触角を求めたところ、42°であった。
(配向膜の作製)
この支持体上(アルカリ処理面)に、下記の組成の配向膜塗布液を#16のワイヤーバーコーターで28ml/m2塗布した。60℃の温風で60秒、さらに90℃の温風で150秒乾燥し、配向膜を作製した。
(配向膜塗布液組成)
下記の変性ポリビニルアルコール 10質量部
水 371質量部
メタノール 119質量部
グルタルアルデヒド(架橋剤) 0.5質量部
クエン酸エステル(三協化学製 AS3) 0.35質量部
Figure 2006317736
(ラビング処理)
この配向膜付き支持体を速度20m/分で搬送し、長手方向に対して45度の方向にラビング処理されるようにラビングロール(300mm直径)を設定し、500rpmで回転させて、配向膜設置表面にラビング処理を施した。ラビングロールと配向膜面の接触長さは、18mmとなるように設定した。
(光学異方性層の形成)
配向膜上に、下記のディスコティック液晶化合物41.01Kg、エチレンオキサイド変成トリメチロールプロパントリアクリレート(V#360、大阪有機化学(株)製)4.06Kg、セルロースアセテートブチレート(CAB531−1、イーストマンケミカル社製)0.35Kg、光重合開始剤(イルガキュアー907、チバガイギー社製)1.35Kg、増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製)0.45Kg、クエン酸エステル(三協化学製 AS3)0.45Kgを、102Kgのメチルエチルケトンに溶解した塗布液に、フルオロ脂肪族基含有共重合体(メガファックF780 大日本インキ(株)製)を0.1Kg加えて塗布液を調製した。
Figure 2006317736
#3.4のワイヤーバーを781回転でフィルムの搬送方向と同じ方向に回転させて、20m/分で搬送されている配向膜面に連続的に塗布した。
室温から100℃に連続的に加温する工程で、溶媒を乾燥させ、その後、130℃の乾燥ゾーンで約90秒間加熱し、ディスコティック液晶化合物を配向させた。次に50℃の乾燥ゾーンに搬送させて、フィルムの表面温度が約70℃の状態で、紫外線照射装置(紫外線ランプ:出力160W/cm、発光長1.6m)により、照度700mWの紫外線を4秒間照射し、架橋反応を進行させて、ディスコティック液晶化合物をその配向に固定した。その後、室温まで放冷し、円筒状に巻き取ってロール状の形態にした。このようにして、ロール状光学フィルムAを作製した。
(偏光板の作製)
ヨウ素水溶液中で連続して染色した厚さ80μmのロール状ポリビニルアルコールフィルムを搬送方向に5倍延伸し、乾燥して長尺の偏光膜を得た。この偏光膜の一方の面に、上記作製した光学フィルムAの光学異方性層が形成されていない面を、他方の面にトリアセチルセルロースフィルム(富士写真フイルム(株)製フジタック)を、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて連続して貼り合わせ、長尺の偏光板Bを作製した。偏光膜の吸収軸はフィルム長手方向に対して平行であった。
この偏光板Bの光学フィルムA側に粘着剤を介して、さらに3枚の光学フィルムAを積層して偏光板Cを作製した。なお、光学フィルムAの積層は、光学異方性層の表面と支持体の裏面(光学異方性層が形成されていない側の表面)とを貼り合わせて行った。
(コレステリック層の形成)
特開2003−337221号公報の実施例に記載(同公報の第0097欄に記載)の方法と同様にして、長尺状のコレステリック液晶フィルムを作製した。上記作製した偏光板Cの光学フィルムA側と、コレステリック液晶性フィルムを連続的に貼り合せ、長尺状の偏光板Dを作製した。
[比較例1]
(偏光板の作製)
ヨウ素水溶液中で連続して染色した厚さ80μmのロール状ポリビニルアルコールフィルムを搬送方向に5倍延伸し、乾燥して長尺の偏光膜を得た。この偏光膜の両方の面に、トリアセチルセルロースフィルム(富士写真フイルム(株)製フジタック)を、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて連続して貼り合わせ、長尺の偏光板Eを作製した。偏光膜の吸収軸はフィルム長手方向に対して平行であった。
(コレステリック層の形成)
上記作製した偏光板Eと、実施例1で作製したコレステリック液晶性フィルムを連続的に貼り合せ、長尺状の偏光板Fを作製した。
[実施例2]
(液晶表示装置)
偏光板D及び偏光板Fをそれぞれ、2D、3D切り変え型液晶表示装置のバックライト側偏光板として搭載し、表示特性を測定機(EZ−Contrast 160D、ELDIM社製)を用いて測定した。その結果を表1に示した。
Figure 2006317736

Claims (7)

  1. 少なくとも液晶化合物を含有する組成物から形成した光学異方性層、支持体、およびコレステリック液晶層を有する光学フィルム。
  2. 前記液晶化合物がディスコティック液晶である請求項1に記載の光学フィルム。
  3. 前記光学異方性層の面内レターデーションReが80nm〜200nmである請求項1又は2に記載の光学フィルム。
  4. 前記支持体がセルロースアセテートフィルムである請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学フィルム。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学フィルムを少なくとも1枚有する液晶表示装置。
  6. 液晶セルと導光板とを有し、前記光学フィルムが前記導光板と前記液晶セルとの間に配置されている請求項5に記載の液晶表示装置。
  7. 第1の表示領域と第2の表示領域とを有し、第1の表示状態時では前記第1の表示領域および前記第2の表示領域のそれぞれに右目用画像および左目用画像を表示する3D表示を行い、第2の表示状態時では前記第1及び第2の表示領域を含む全画面領域で一つの画像を表示する2D表示を行う請求項5又は6に記載の液晶表示装置。
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