JP5699095B2 - 3d表示装置、及び3d表示システム - Google Patents

3d表示装置、及び3d表示システム Download PDF

Info

Publication number
JP5699095B2
JP5699095B2 JP2012009997A JP2012009997A JP5699095B2 JP 5699095 B2 JP5699095 B2 JP 5699095B2 JP 2012009997 A JP2012009997 A JP 2012009997A JP 2012009997 A JP2012009997 A JP 2012009997A JP 5699095 B2 JP5699095 B2 JP 5699095B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid crystal
film
group
crystal cell
carbon atoms
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012009997A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2012168516A (ja
Inventor
佐藤 寛
佐藤  寛
隆 米本
隆 米本
恵 関口
恵 関口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Corp
Original Assignee
Fujifilm Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujifilm Corp filed Critical Fujifilm Corp
Priority to JP2012009997A priority Critical patent/JP5699095B2/ja
Publication of JP2012168516A publication Critical patent/JP2012168516A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5699095B2 publication Critical patent/JP5699095B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B30/00Optical systems or apparatus for producing three-dimensional [3D] effects, e.g. stereoscopic images
    • G02B30/20Optical systems or apparatus for producing three-dimensional [3D] effects, e.g. stereoscopic images by providing first and second parallax images to an observer's left and right eyes
    • G02B30/22Optical systems or apparatus for producing three-dimensional [3D] effects, e.g. stereoscopic images by providing first and second parallax images to an observer's left and right eyes of the stereoscopic type
    • G02B30/25Optical systems or apparatus for producing three-dimensional [3D] effects, e.g. stereoscopic images by providing first and second parallax images to an observer's left and right eyes of the stereoscopic type using polarisation techniques
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04NPICTORIAL COMMUNICATION, e.g. TELEVISION
    • H04N13/00Stereoscopic video systems; Multi-view video systems; Details thereof
    • H04N13/30Image reproducers
    • H04N13/332Displays for viewing with the aid of special glasses or head-mounted displays [HMD]
    • H04N13/337Displays for viewing with the aid of special glasses or head-mounted displays [HMD] using polarisation multiplexing

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Multimedia (AREA)
  • Signal Processing (AREA)
  • Liquid Crystal (AREA)
  • Polarising Elements (AREA)

Description

本発明は、アクティブリターダー方式の3D表示装置及び3D表示システムに関する。
立体(3D)表示方法には従来からさまざまな方式が提案されており、その代表的なものとして、メガネを使用する方式と、メガネが不要の方式が提案されている。
メガネが不要の方式は、観察位置が制限され、最適位置からずれると左右の画像が混ざるクロストークが発生してしまい著しく画質が悪化する問題がある。これに対して、メガネを使用する方式は、観察位置の制限が無く、高品質な3D画像を提供可能である。
3D表示方法の一つに、TN型液晶表示板を2枚積層し、後方のTN型液晶表示板に左目及び右目用画像を重畳して表示し、前方側TN型液晶板で画素ごとにそれぞれの画像の偏光状態を制御し、偏光メガネを使用して左右画像を分離して視認させる方式がある。
特許文献1では、上記構成の立体視ディスプレイについて、前方側及び後方側TN型液晶板の双方をOモードに統一することで、左目用又は右目用画像がEモードになることに起因して生じる着色を軽減している。しかし、引用文献1では、前方側及び後方側の液晶板がいずれもTN型であることを前提とするものであり、しかも、双方の液晶板をOモードに統一する必要があり、ディスプレイの設計に制約を与えるものである。画像表示用の液晶セル及び偏光変換用の液晶セルのモードを制限することなく、しかも各部材の配置についての過度の制約もなく、3D表示特性に優れ、しかも視野角特性に優れた3D表示装置を提供できれば、実用化に有利である。
特開2010−134393号公報 特開2010−134394号公報
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであって、3D表示特性及び視野角特性に優れた、具体的には、クロストーク及び白表示時に斜め方向に生じるカラーシフトが軽減された3D表示装置及び3D表示システムを提供することを課題とする。
前記課題を解決するための手段は、以下の通りである。
[1] 画像表示用液晶セル、並びにその前方に、第1の偏光膜及び偏光変換用液晶セルをこの順序で含む3D表示装置であって、
前記偏光変換用液晶セルの後方であって前記第1の偏光膜との間、及び前記偏光変換用液晶セルの前方の少なくとも一方に、ポリマーフィルムからなる、又はポリマーフィルムを有する位相差板を有し、
前記ポリマーフィルムの波長550nmの面内レターデーションRe(550)が−30〜100nmであり、波長550nmの厚み方向レターデーションRth(550)が50〜180nmであることを特徴とする3D表示装置。
[2] 前記ポリマーフィルムの遅相軸が、前記第1の偏光膜の透過軸と直交、平行又は45度で交わる[1]の3D表示装置。
[3] 前記偏光変換用液晶セルの後方であって前記第1の偏光膜との間、及び前記偏光変換用液晶セルの前方に、それぞれ配置された前記位相差板を有する[1]又は[2]の3D表示装置。
[4] 前記ポリマーフィルムが、互いの遅相軸を直交にして配置されている[3]の3D表示装置。
[5] 前記画像表示用液晶セルと前記第1の偏光膜との間に、前記第1の偏光膜の透過軸と平行な透過軸を有する偏光膜をさらに有する[1]〜[4]のいずれかの3D表示装置。
[6] 前記画像表示用液晶セルの後方に、前記第1の偏光膜の透過軸と直交する透過軸を有する第2の偏光膜を有する[1]〜[5]のいずれかの3D表示装置。
[7] 前記位相差板が、ポリマーフィルムと、その上に液晶性化合物を含有する組成物から形成された光学異方性層とを有する[1]〜[6]のいずれかの3D表示装置。
[8] 前記ポリマーフィルムが、セルロースアシレートフィルムである[1]〜[7]のいずれかの3D表示装置。
[9] 前記ポリマーフィルムが、光学的に二軸性のポリマーフィルムである[1]〜[8]のいずれかの3D表示装置。
[10] 前記第1の偏光膜と前記偏光変換用液晶セルとが、Eモード及びOモードのいずれかである[1]〜[9]のいずれかの3D表示装置。
[11] 前記画像表示用液晶セルがVAモードであり、且つ前記第1の偏光膜の透過軸が、表示面の左右方向又は上下方向と平行である[1]〜[10]のいずれかの3D表示装置。
[12] 前記偏光変換用液晶セルがTNモードである[1]〜[11]のいずれかの3D表示装置。
[13] 前記偏光変換用液晶セルがVAモードである[1]〜[11]のいずれかの3D表示装置。
[14] [1]〜[13]のいずれかの3D表示装置と、
該3D表示装置に表示される映像を透過して、3D画像として視認させるための第3の偏光膜と、
を少なくとも有する3D表示システム。
本発明によれば、3D表示特性及び視野角特性に優れた、具体的には、クロストーク及び白表示時に斜め方向に生じるカラーシフトが軽減された3D表示装置及び3D表示システムを提供することができる。
本発明の3D表示装置の一例を示す断面模式図である。 本発明の3D表示装置の一例を示す断面模式図である。 本発明のEモード、Oモード、及び45°モードの態様の一例を示す図である。
以下、本発明について、実施の形態を挙げて詳細に説明する。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
まず、本明細書で用いられる用語について説明する。
Re(λ)、Rth(λ)は、各々、波長λにおける面内のレターデーション、及び厚さ方向のレターデーションを表す。Re(λ)はKOBRA 21ADH、又はWR(王子計測機器(株)製)において、波長λnmの光をフィルム法線方向に入射させて測定される。測定波長λnmの選択にあたっては、波長選択フィルターをマニュアルで交換するか、または測定値をプログラム等で変換して測定することができる。測定されるフィルムが、1軸又は2軸の屈折率楕円体で表されるものである場合には、以下の方法によりRth(λ)が算出される。
Rth(λ)は、前記Re(λ)を、面内の遅相軸(KOBRA 21ADH、又はWRにより判断される)を傾斜軸(回転軸)として(遅相軸がない場合には、フィルム面内の任意の方向を回転軸とする)のフィルム法線方向に対して法線方向から片側50°まで10度ステップで各々その傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて全部で6点測定し、その測定されたレターデーション値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基にKOBRA 21ADH又はWRが算出する。上記において、法線方向から面内の遅相軸を回転軸として、ある傾斜角度にレターデーションの値がゼロとなる方向をもつフィルムの場合には、その傾斜角度より大きい傾斜角度でのレターデーション値はその符号を負に変更した後、KOBRA 21ADH、又はWRが算出する。なお、遅相軸を傾斜軸(回転軸)として(遅相軸がない場合には、フィルム面内の任意の方向を回転軸とする)、任意の傾斜した2方向からレターデーション値を測定し、その値と平均屈折率の仮定値、及び入力された膜厚値を基に、以下の式(A)、及び式(B)よりRthを算出することもできる。
Figure 0005699095
なお、上記のRe(θ)は法線方向から角度θ傾斜した方向におけるレターデーション値をあらわす。また、式(A)におけるnxは、面内における遅相軸方向の屈折率を表し、nyは、面内においてnxに直交する方向の屈折率を表し、nzは、nx及びnyに直交する方向の屈折率を表す。dは膜厚である。
Rth=((nx+ny)/2−nz)×d・・・・・・・・・・・式(B)
測定されるフィルムが、1軸や2軸の屈折率楕円体で表現できないもの、いわゆる光学軸(optic axis)がないフィルムの場合には、以下の方法により、Rth(λ)は算出される。Rth(λ)は、前記Re(λ)を、面内の遅相軸(KOBRA 21ADH、又はWRにより判断される)を傾斜軸(回転軸)として、フィルム法線方向に対して−50°から+50°まで10°ステップで各々その傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて11点測定し、その測定されたレターデーション値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基にKOBRA 21ADH又はWRが算出する。また、上記の測定において、平均屈折率の仮定値は、ポリマーハンドブック(JOHN WILEY&SONS,INC)、各種光学フィルムのカタログの値を使用することができる。平均屈折率の値が既知でないものについては、アッベ屈折計で測定することができる。主な光学フィルムの平均屈折率の値を以下に例示する:セルロースアシレート(1.48)、シクロオレフィンポリマー(1.52)、ポリカーボネート(1.59)、ポリメチルメタクリレート(1.49)、ポリスチレン(1.59)である。これら平均屈折率の仮定値と膜厚を入力することで、KOBRA 21ADH又はWRはnx、ny、nzを算出する。この算出されたnx、ny、nzよりNz=(nx−nz)/(nx−ny)が更に算出される。
本明細書において、「平行」、「直交」とは、厳密な角度±10゜未満の範囲内であることを意味する。この範囲は厳密な角度との誤差は、±5゜未満であることが好ましく、±2゜未満であることがより好ましい。また、「遅相軸」は、屈折率が最大となる方向を意味する。
なお、屈折率の測定波長は、特に断らない限り、可視光域のλ=550nmでの値であり、Re及びRthの測定波長については、特に断らない限り、550nmとする。
偏光変換用液晶セルの後方であって第1の偏光膜との間にある位相差板については、第1の偏光膜の吸収軸に対して直交する方向に位相差板のポリマーフィルムの遅相軸がある場合をRe>0、平行に遅相軸がある場合をRe<0と定義する。一方、偏光変換用液晶セルの前方にある位相差板については、第1の偏光膜の吸収軸に対して平行方向に位相差板のポリマーフィルムの遅相軸がある場合をRe>0、直交する方向に遅相軸がある場合をRe<0と定義する。
また、本明細書では、「偏光膜」及び「偏光板」を区別して用いるが、「偏光板」は「偏光膜」の少なくとも片面に該偏光膜を保護する透明保護膜を有する積層体を意味するものとする。
図1に本発明の3D表示装置の一例の断面模式図を示す。なお、図中、各層の厚みの相対的関係は、実際の液晶表示装置の各層の厚みの相対的関係と必ずしも一致しているものではない。
図1に示す3D表示装置1は、画像表示用液晶セル10、及び偏光変換用液晶セル12を有し、バックライトは、画像表示用液晶セル10のさらに後方に配置され、表示面側に偏光変換用液晶セル12が配置される。観察者は、偏光メガネ2を使用して、偏光変換用液晶セル12側から画像を視認する。例えば、偏光変換用液晶セル12からの左目用及び右目用画像が、互いに直交する偏光軸を有する直線偏光画像である態様では、互いに直交する直線偏光メガネが用いられ、又は偏光変換用液晶セル12からの左目用及び右目用画像が、互いに逆向きの円偏光画像である態様では、互いに逆向きの円偏光メガネが用いられる。
画像表示用液晶セル10と偏光変換用液晶セル12との間には、第1の偏光膜14が配置されていて、第1の偏光膜14の透過軸14aは、バックライト側に配置される第2の偏光膜20の透過軸20aと直交関係、即ちクロスニコル配置になっている。
図1では、第1の偏光膜14は、画像表示用液晶セル10の画像表示機能のためにも利用され、且つ偏光変換用液晶セル12の偏光変換機能のためにも利用されているが、例えば、図2に示す様に、第1の偏光膜14とは別に、画像表示機能のために利用される偏光膜15を配置して、機能分離してもよい。但し、偏光膜15の透過軸15aは、第1の偏光膜14の透過軸14aと平行にする必要がある。図1の構成は、薄型化、正面輝度の観点で好ましいが、一方で図2の構成のほうが、画像表示機能と偏光変換機能とを分離でき、製造工程上有利な場合もある。なお、第1の偏光膜14と偏光膜15との間には、それぞれを保護する保護フィルムが配置されていてもよいが、当該保護フィルムは、低Re及び低Rthであり、光学的に等方性のポリマーフィルムを用いるのが好ましい。
偏光変換用液晶セル12と第1の偏光膜14との間には、ポリマーフィルムからなる、又はポリマーフィルムを有する位相差板16が配置されており、且つポリマーフィルムの遅相軸16aが透過軸14aと直交するように配置されており、偏光変換用液晶セル12の前方表面には、ポリマーフィルムからなる、又はポリマーフィルムを有する位相差板18が配置されており、且つポリマーフィルムの遅相軸18aが透過軸14aと平行となるように配置されている。位相差板16及び18それぞれのポリマーフィルムのRe(550)が−30〜100nm(好ましくは−10〜80nm)であり、且つそれぞれのポリマーフィルムのRth(550)が50〜180nm(好ましくは60〜150nm)である。この特性を満足する位相差板16及び18を、位相差板16及び18が有するポリマーフィルムの遅相軸16a及び18aを第1の偏光膜14の透過軸14aと直交及び平行にしてそれぞれ配置することにより、クロストークが軽減され、3D表示特性が改善されるとともに、白表示時に斜め方向に生じるカラーシフトが軽減され、視野角特性も改善される。
位相差板16及び18は、単層構造であっても、2層以上の積層構造であってもよい。一例は、1枚のポリマーフィルム、又は2枚以上のポリマーフィルムの積層体であり、他の例は、1枚又は2枚以上のポリマーフィルムと、その上に液晶化合物を含む組成物からなる光学異方性層とを有する積層体である。偏光変換用液晶セル12がTNモード液晶セルの態様では、位相差板16及び18として、ポリマーフィルムと、ディスコティック配向状態に固定された円盤状液晶を含有する光学異方性層との積層体を利用すると、クロストークの軽減効果が高まるので好ましい。特に、支持体であるポリマーフィルムとの界面側のチルト角(ディスコティック液晶の円盤面と層面との傾斜角)が大きく、反対側界面(層を形成する際は空気側界面になる)のチルト角が小さいハイブリット配向(以下、「逆ハイブリット配向」という場合がある)状態に固定された円盤状液晶を含有する光学異方性層を利用すると、正面(表示面に対して法線方向)コントラストの改善効果も得られるので好ましい。なお、本発明に利用可能な位相差板の詳細については、後述する。
なお、図1及び図2では、位相差板16及び18が有するポリマーフィルムの遅相軸16a及び18aを第1の偏光膜14の透過軸14aと直交及び平行にしてそれぞれ配置された構成を示したが、位相差板16及び18が有するポリマーフィルムの遅相軸16a及び18aを第1の偏光膜14の透過軸14aと平行及び直交にしてそれぞれ配置された構成でも、同様の効果が得られる。また、偏光変換用液晶セル12の駆動モード又はその光学特性によっては、位相差板16及び18の一方が配置されていなくても、同様の効果が得られる場合もある。1つの位相差板のみを利用する態様では、位相差板は、偏光変換用液晶セル12と第1の偏光膜14との間に配置するのが好ましい。
画像表示用液晶セル10及び偏光変換用液晶セル12の駆動モードについては特に制限はなく、同一の駆動モードであってもいいし、異なる駆動モードであってもよい。ツイステットネマチック(TN)、スーパーツイステットネマチック(STN)、バーティカルアライメント(VA)、インプレインスイッチング(IPS)、オプティカリーコンペンセイテットベンドセル(OCB)等の種々のモードを利用することができる。
液晶セル10は、左目用及び右目用画像を表示するために用いられるので、駆動モードは、表示特性の観点で選択される。例えば、VAモード及びIPSモードは視野角特性に優れているので、画像表示用液晶セル1のモードとして適する。液晶セル10の構成については特に制限はなく、一般的な液晶セル構成を採用することができる。液晶セル10は、例えば、図示しない対向配置された一対の基板と、該一対の基板間に挟持された液晶層とを含み、必要に応じて、カラーフィルタ層などを含んでいてもよい。また、図1及び図2中のバックライト側の第2の偏光膜20と液晶セル10との間や、図1中の第1の偏光膜14と液晶セル10との間、又は図2中の偏光膜15と液晶セル10との間には、視野角補償用の光学フィルムが配置されていてもよい。
一方、液晶セル12は、液晶セル10によって表示された左目用及び右目用画像を、画素ごとにその偏光状態を制御して、左目用及び右目用の偏光画像とするために用いられる。一例は、電圧印加時はレターデーションが0となり、電圧無印加時にはレターデーションがλ/2になる液晶セルである。この態様では、液晶セル10で左目用及び右目用画像を表示するのに同期させて、液晶セル12への印加電圧をON−OFFすれば、左目用及び右目用画像はそれぞれ互いに偏光軸が直交する直線偏光画像として、液晶セル12から出射させることができる。互いに直交する透過軸の偏光メガネを透過させることでこれらの直線偏光画像が分離され、左目用レンズには左目用画像のみが入射され、右目用レンズには右目用画像のみが入射され、立体視として視認することができる。
上記偏光変換用に用いられる液晶セル12には、応答速度が速いことが求められるので、液晶セル12に利用される駆動モードは、応答速度の観点で選択されるであろう。TNモードは、応答速度が速いので、液晶セル12に利用するのに適している。液晶セル12がTNモードの態様では、電圧無印加時には、液晶セル12の液晶分子は基板内面に施されたラビング処理の方向に沿って配向しているが、その配向状態は、第1の偏光膜14の透過軸14aとの関係で、Oモードであっても、Eモードであっても、45°モードであっても、同様な効果が得られる。その点で、本願発明は、2枚のTN型液晶板をいずれもOモードで積層することを必須とすることで効果を得ている特許文献1に記載の従来技術と異なる。即ち、本発明では、液晶セル12と第1の偏光膜14との関係は、図3(a)に示す通り、第1の偏光膜14の透過軸14aが、液晶セル12の電圧無印加時の液晶分子の配向方向、即ち、液晶セル12の基板12aの内面に施されたラビング処理の方向aと直交していても、図3(b)に示す通り、第1の偏光膜14の透過軸14aが、液晶セル12の電圧無印加時の液晶分子の配向方向、即ち、液晶セル12の基板12a’の内面に施されたラビング処理の方向a’と平行であってもよい。また、図3(c)に示す通り、第1の偏光膜14の透過軸14aが、液晶セル12の電圧無印加時の液晶分子の配向方向、即ち、液晶セル12の基板12a’’の内面に施されたラビング処理の方向a’’と45度に交わっていてもよい。なお、TNモードでは、液晶セル12の基板12a及び12a’、12a’’の対向基板12b及び12b’、12b’’の内面には、それぞれa及びa’、a’’と直交する方向b及びb’、b’’にラビング処理が施され、電圧無印加時には捩れ配向している。
偏光変換用液晶セル12についても、その構成は特に制限されない。具体的には、液晶表示装置部10の左目用及び右目用の画像表示の切り替えに同期させて電圧の印加により、液晶の配向状態が変化し、入射光の偏光状態を変換する機能を有していれば特に制限されない。一例は、一対の電極を有する基板で液晶層を狭持した構成が挙げられる。
第1の偏光膜14の透過軸14a、及び第2の偏光膜20の透過軸20aは、ノーマリーブラックモードでは、互いに直交にして配置され、互いに直交である限り、その方向については特に制限はない。液晶セル10がVAモード又はIPSモードの態様では、いずれか一方を表示面の左右方向に平行にし、且つ他方を上下方向に平行にして配置するのが好ましい。
本発明は、図1及び図2に示す様な、本発明の3D表示装置と、3D表示装置からの偏光画像を透過して視認する偏光メガネとを少なくとも備えた3D表示システムにも関する。偏光メガネとしては、3D表示装置が表示する左目用及び右目用偏光画像が互いに直交する偏光軸を有する直線偏光画像である態様では、互いに直交する直線偏光メガネが用いられ、又は偏光変換用液晶セル12からの左目用及び右目用画像が、互いに逆向きの円偏光画像である態様では、互いに逆向きの円偏光メガネが用いられる。また、偏光メガネは、3D表示装置の画像表示と同期するシャッター機能を備えていてもよい。
以下、本発明の3D表示装置に用いられる種々の部材について詳細に説明する。
1.位相差板
本発明の3D表示装置は、偏光変換用液晶セルの後方であって第1の偏光膜との間、及び偏光変換用液晶セルの前方の少なくとも一方に、ポリマーフィルムからなる、又はポリマーフィルムを有する位相差板を有する。図1及び図2に示す様に、双方に位相差板が配置されているのが好ましく、等しい光学特性の位相差板が配置されているのが好ましい。該位相差板は、ポリマーフィルムの遅相軸を、第1の偏光膜の透過軸に対して直交又は平行になるようにして配置される。前記位相差板がポリマーフィルムからなる、又はポリマーフィルムを含んでいると、第1の偏光膜の保護フィルムとしても機能させることができるので好ましい。
前記位相差板が有するポリマーフィルムの波長550nmの面内レターデーションRe(550)は−30〜100nmであり、波長550nmの厚み方向レターデーションRth(550)は50〜180nmである。前記位相差板の一例は、一枚のポリマーフィルムからなる態様である。位相差板が一枚のポリマーフィルムからなり、図1及び図2に示す通り、偏光変換用液晶セルの後方及び前方の双方に配置する態様では、位相差板が有するポリマーフィルムのRe(550)は−10〜80nmであるのが好ましく、Rth(550)は60〜150nmであるのがより好ましい。ポリマーフィルムは光学的に一軸性であっても二軸性であってもよいが、二軸性であるのがより好ましい。
ポリマーフィルムとしては、例えば、セルロースアシレート、ポリカーボネート系ポリマー、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステル系ポリマー、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系ポリマー、ポリスチレンやアクリロニトリル・スチレン共重合体(AS樹脂)等のスチレン系ポリマー等を利用することができる。また、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、エチレン・プロピレン共重合体の如きポリオレフィン系ポリマー、塩化ビニル系ポリマー、ナイロンや芳香族ポリアミド等のアミド系ポリマー、イミド系ポリマー、スルホン系ポリマー、ポリエーテルスルホン系ポリマー、ポリエーテルエーテルケトン系ポリマー、ポリフェニレンスルフィド系ポリマー、塩化ビニリデン系ポリマー、ビニルアルコール系ポリマー、ビニルブチラール系ポリマー、アリレート系ポリマー、ポリオキシメチレン系ポリマー、エポキシ系ポリマー、または前記ポリマーを混合したポリマー等から1種又は2種以上のポリマーを選択し、主成分として用いてポリマーフィルムを作製し、上記特性を満足する位相差板の作製に利用することができる。
位相差板として利用可能な位相差板の一例は、セルロースアシレートフィルムであり、中でも、アセチル基を有するセルロースアセテートを主成分として含むフィルムが好ましい。特に低置換度のセルロースアシレート(好ましくは低置換度のセルロースアセテート)であって、下記式(1)を満たすセルロースアシレートを主成分として含む低置換度層からなる、又は該低置換度層を含むポリマーフィルムが好ましい。
(1) 2.0<Z1<2.7
(式(1)中、Z1はセルロースアシレートの総アシル(好ましくはアセチル)置換度を表す。)
上記式(1)を満たすセルロースアシレートを主成分として利用したポリマーフィルムの製造方法については特開2010−58331号公報に詳細な記載があり、参照することができる。
・ポリマーフィルムの形成方法
ポリマーフィルムの一部又は全部として使用されるセルロースアシレートフィルムは、種々の方法で製造することができる。溶液キャスト法(溶液流延法)、溶融押出法、カレンダー法、圧縮成形法などが挙げられる。これらのフィルム成形方法のうち、溶液キャスト法(溶液流延法)、又は溶融押出法が好ましく、溶液キャスト法が特に好ましい。溶液キャスト法では、セルロースアシレートを有機溶媒に溶解した溶液(ドープ)を用いてフィルムを製造することができる。添加剤を使用する場合は、添加剤はドープ調製のいずれのタイミングで添加してもよい。本発明に利用可能なセルロースアシレートフィルムの製造方法については、特開2006−184640号公報の[0219]〜[0224]の記載を参照することができる。
本発明に使用するセルロースアシレートフィルムは、延伸処理によりレターデーションを調整されていてもよい。延伸処理は、一軸延伸処理であっても二軸延伸処理であってもよい。二軸延伸処理は、同時二軸延伸法又は逐次二軸延伸法により行うのが好ましい。連続製造には、逐次二軸延伸方法が適している。逐次二軸延伸方法では、バンドもしくはドラムにドープを流延した後、フィルムを剥ぎ取り、幅方向(又は長手方法)に延伸した後、長手方向(又は幅方向)に延伸する。
幅方向に延伸する方法は、特開昭62−115035号、特開平4−152125号、同4−284211号、同4−298310号、同11−48271号の各公報に記載されている。フィルムの延伸は、常温又は加熱条件下で実施する。加熱温度は、フィルムのガラス転移温度以下であることが好ましい。フィルムの延伸処理は、乾燥処理中に実施してもよい。溶媒が残存する状態でのフィルムの延伸は、特別な効果が得られる場合がある。
長手方向の延伸の場合、フィルムの搬送ローラーの速度を調節して、フィルムの剥ぎ取り速度よりもフィルムの巻き取り速度の方を速くすると、フィルムを容易に延伸できる。
幅方向の延伸の場合、フィルムの巾をテンターで保持しながら搬送して、テンターの巾を徐々に広げることによってもフィルムを延伸できる。
上記光学特性を満足するセルロースアシレートフィルムの製造方法の一例は、上記いずれかの製膜方法(好ましくは溶液製膜方法)で製膜後、得られたフィルムを、延伸倍率(元の長さに対する延伸による増加分の比率)0〜60%(より好ましくは0〜50%)で延伸処理する方法である。
本発明に利用可能な位相差板の他の例は、ポリマーフィルム(支持体)と、その上に液晶性化合物を含有する組成物から形成された光学異方性層とを有する積層体である。偏光変換用液晶セルがTNモードである態様では、図1及び図2に示す通り、該積層体を偏光変換用液晶セルの後方及び前方にそれぞれ配置するのが好ましく、光学異方性層側を液晶セル側にして、液晶セルを中心として対称的に配置するのが好ましい。この態様について、以下に詳細に説明する。
前記支持体として用いられるポリマーフィルムのRe及びRthの好ましい範囲についても上記と同様であるが、特にReは−10〜70nmであるのが好ましく、Rthは80〜180nmであるのがより好ましい。
前記光学異方性層は、液晶性化合物を含有する重合性組成物から形成するのが好ましい。前記光学異方性層の形成に用いられる液晶性化合物は、棒状液晶性化合物であっても、ディスコティック液晶性化合物であってもよい。偏光変換用液晶セルがTNモードの態様では、ディスコティック(円盤状)液晶性化合物が好ましい。ディスコティック液晶性化合物の例には、トリフェニレン化合物、及びベンゼンの1、3及び5位が置換された3置換ベンゼン化合物等が含まれる。
光学異方性層中の液晶分子の配向状態については特に制限はないが、偏光変換用液晶セルがTNモードの態様では、前記光学異方性層において、液晶性化合物の分子は、ハイブリッド配向状態に固定されているのが好ましい。ハイブリッド配向とは、棒状液晶性化合物では分子長軸と層面とのなす角度、ディスコティック液晶性化合物では、分子の円盤面と層面とのなす角度(以下、「チルト角」という)が、層厚み方向において変化(増加又は減少)している配向状態である。当該光学異方性層は、一般的には、配向膜の表面上でディスコティック液晶性化合物を含有する組成物を配向させて形成されるので、該層には配向膜界面と空気界面とが存在する。ハイブリッド配向には、前記チルト角が、配向膜界面側で大きく、空気界面側で小さくなっている態様(即ち、チルト角が配向膜界面から空気界面に向けて減少している態様、以下、「逆ハイブリッド配向」という)、及び前記チルト角が、配向膜界面側で小さく、空気界面側で大きくなっている態様(即ち、チルト角が配向膜界面から空気界面に向けて増加している態様、以下「正ハイブリッド配向」という)の2態様がある。クロストーク及び白表示時のカラーシフトの軽減の観点では、いずれの態様であってもよいが、逆ハイブリッド配向のほうが、正面コントラストの観点では好ましい。
本発明に利用可能なディスコティック化合物の例には、ベンゼン誘導体(C.Destradeらの研究報告、Mol.Cryst.71巻、111頁(1981年)に記載)、トルキセン誘導体(C.Destradeらの研究報告、Mol.Cryst.122巻、141頁(1985年)、Physics lett,A,78巻、82頁(1990)に記載)、シクロヘキサン誘導体(B.Kohneらの研究報告、Angew.Chem.96巻、70頁(1984年)に記載)及びアザクラウン系又はフェニルアセチレン系のマクロサイクル(J.M.Lehnらの研究報告、J.Chem.Commun.,1794頁(1985年)、J.Zhangらの研究報告、J.Am.Chem.Soc.116巻、2655頁(1994年)記載)が含まれる。
ディスコティック液晶性化合物は、重合により固定可能なように、重合性基を有するのが好ましい。例えば、ディスコティック液晶性化合物の円盤状コアに、置換基として重合性基を結合させた構造が考えられるが、但し、円盤状コアに重合性基を直結させると、重合反応において配向状態を保つことが困難になる。そこで、円盤状コアと重合性基との間に連結基を有する構造が好ましい。即ち、重合性基を有するディスコティック液晶性化合物は、下記式で表される化合物であることが好ましい。
D(−L−P)n
式中、Dは円盤状コアであり、Lは二価の連結基であり、Pは重合性基であり、nは1〜12の整数である。前記式中の円盤状コア(D)、二価の連結基(L)及び重合性基(P)の好ましい具体例は、それぞれ、特開2001−4837号公報に記載の(D1)〜(D15)、(L1)〜(L25)、(P1)〜(P18)であり、同公報に記載の内容を好ましく用いることができる。なお、液晶性化合物のディスコティックネマティック液晶相−固相転移温度は、30〜300℃が好ましく、30〜170℃が更に好ましい。
下記式(I)及び(I’)で表わされる3置換ベンゼン系ディスコティック液晶性化合物を利用して形成された光学異方性層を利用すると、より高い効果が得られるので好ましい。また、下記式(I)及び(I’)で表わされる3置換ベンゼン系ディスコティック液晶性化合物は、所望により配向膜や添加剤を選択することで、上記逆ハイブリッド配向状態を安定的に形成するので好ましい。更に該液晶性化合物を含有する塗布液は、その粘度が比較的低くなる傾向があり、塗布性が良好である点でも好ましい。
Figure 0005699095
式中、Y11、Y12及びY13は、それぞれ独立に置換されていてもよいメチン又は窒素原子を表す。
11、Y12及びY13がメチンの場合、メチンの水素原子は置換基で置き換わってもよい。メチンが有していてもよい置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ハロゲン原子及びシアノ基を好ましい例として挙げることができる。これらの置換基の中では、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、ハロゲン原子及びシアノ基が更に好ましく、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数2〜12アルコキシカルボニル基、炭素数2〜12アシルオキシ基、ハロゲン原子及びシアノ基がより好ましい。
11、Y12及びY13は、化合物の合成の容易さ及びコストの点において、いずれもメチンであることがより好ましく、メチンは無置換であることが更に好ましい。
1、L2及びL3は、それぞれ独立に単結合又は二価の連結基を表す。
1、L2及びL3が二価の連結基の場合、それぞれ独立に、−O−,−S−、−C(=O)−、−NR7−、−CH=CH−、−C≡C−、二価の環状基及びこれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基であることが好ましい。上記R7は炭素原子数1〜7のアルキル基又は水素原子であり、炭素原子数1〜4のアルキル基又は水素原子であることが好ましく、メチル基、エチル基又は水素原子であることが更に好ましく、水素原子であることが最も好ましい。
1、L2及びL3における二価の環状基とは、少なくとも1種類の環状構造を有する二価の連結基(以下、環状基と呼ぶことがある)である。環状基は5員環、6員環、又は7員環であることが好ましく、5員環又は6員環であることが更に好ましく、6員環であることが最も好ましい。環状基に含まれる環は、縮合環であってもよい。ただし、縮合環よりも単環であることがより好ましい。また、環状基に含まれる環は、芳香族環、脂肪族環、及び複素環のいずれでもよい。芳香族環としては、ベンゼン環及びナフタレン環が好ましい例として挙げられる。脂肪族環としては、シクロヘキサン環が好ましい例として挙げられる。複素環としては、ピリジン環及びピリミジン環が好ましい例として挙げられる。環状基は、芳香族環及び複素環がより好ましい。なお、本発明における2価の環状基は、環状構造のみ(但し、置換基を含む)からなる2価の連結基であることがより好ましい(以下、同じ)。
1、L2及びL3で表される二価の環状基のうち、ベンゼン環を有する環状基としては、1,4−フェニレン基が好ましい。ナフタレン環を有する環状基としては、ナフタレン−1,5−ジイル基及びナフタレン−2,6−ジイル基が好ましい。シクロヘキサン環を有する環状基としては1,4−シクロへキシレン基であることが好ましい。ピリジン環を有する環状基としてはピリジン−2,5−ジイル基が好ましい。ピリミジン環を有する環状基としては、ピリミジン−2,5−ジイル基が好ましい。
1、L2及びL3で表される二価の環状基は、置換基を有していてもよい。置換基としては、ハロゲン原子(好ましくは、フッ素原子、塩素原子)、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数1〜16のアルキル基、炭素原子数2〜16のアルケニル基、炭素原子数が2〜16アルキニル基、炭素原子数1〜16のハロゲン置換アルキル基、炭素原子数1〜16のアルコキシ基、炭素原子数2〜16のアシル基、炭素原子数1〜16のアルキルチオ基、炭素原子数2〜16のアシルオキシ基、炭素原子数2〜16のアルコキシカルボニル基、カルバモイル基、炭素原子数2〜16のアルキル基で置換されたカルバモイル基及び炭素原子数2〜16のアシルアミノ基が含まれる。
1、L2及びL3としては、単結合、*−O−CO−、*−CO−O−、*−CH=CH−、*−C≡C−、*−二価の環状基−、*−O−CO−二価の環状基−、*−CO−O−二価の環状基−、*−CH=CH−二価の環状基−、*−C≡C−二価の環状基−、*−二価の環状基−O−CO−、*−二価の環状基−CO−O−、*−二価の環状基−CH=CH−及び*−二価の環状基−C≡C−が好ましい。特に、単結合、*−CH=CH−、*−C≡C−、*−CH=CH−二価の環状基−及び*−C≡C−二価の環状基−が好ましく、単結合が最も好ましい。ここで、*は一般式(I)中のY11、Y12及びY13を含む6員環側に結合する位置を表す。
一般式(I)中、H1、H2及びH3は、それぞれ独立に一般式(I−A)又は(I−B)の基を表す。
Figure 0005699095
一般式(I−A)中、YA1及びYA2は、それぞれ独立にメチン又は窒素原子を表し;
XAは、酸素原子、硫黄原子、メチレン又はイミノを表し;
*は上記一般式(I)におけるL1〜L3側と結合する位置を表し;
**は上記一般式(I)におけるR1〜R3側と結合する位置を表す。
Figure 0005699095
一般式(I−B)中、YB1及びYB2は、それぞれ独立にメチン又は窒素原子を表し;
XBは、酸素原子、硫黄原子、メチレン又はイミノを表し;
*は上記一般式(I)におけるL1〜L3側と結合する位置を表し;
**は上記一般式(I)におけるR1〜R3側と結合する位置を表す。
一般式(I)中、R1、R2及びR3は、それぞれ独立に下記一般式(I−R)を表す。

一般式(I−R)
*−(−L21−Q2n1−L22−L23−Q1

一般式(I−R)中、*は、一般式(I)におけるH1〜H3側と結合する位置を表す。
21は単結合又は二価の連結基を表す。L21が二価の連結基の場合、−O−、−S−、−C(=O)−、−NR7−、−CH=CH−及び−C≡C−並びにこれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基であることが好ましい。上記R7は炭素原子数1〜7のアルキル基又は水素原子であり、炭素原子数1〜4のアルキル基又は水素原子であることが好ましく、メチル基、エチル基又は水素原子であることが更に好ましく、水素原子であることが最も好ましい。
21は単結合、***−O−CO−、***−CO−O−、***−CH=CH−及び***−C≡C−(ここで、***は一般式(I−R)中の*側を表す)のいずれかが好ましく、単結合がより好ましい。
2は少なくとも1種類の環状構造を有する二価の基(環状基)を表す。このような環状基としては、5員環、6員環、又は7員環を有する環状基が好ましく、5員環又は6員環を有する環状基がより好ましく、6員環を有する環状基が更に好ましい。上記環状基に含まれる環状構造は、縮合環であっても良い。ただし、縮合環よりも単環であることがより好ましい。また、環状基に含まれる環は、芳香族環、脂肪族環、及び複素環のいずれでもよい。芳香族環としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環が好ましい例として挙げられる。脂肪族環としては、シクロヘキサン環が好ましい例として挙げられる。複素環としては、ピリジン環及びピリミジン環が好ましい例として挙げられる。
上記Q2のうち、ベンゼン環を有する環状基としては、1,4−フェニレン基が好ましい。ナフタレン環を有する環状基としては、ナフタレン−1,4−ジイル基、ナフタレン−1,5−ジイル基、ナフタレン−1,6−ジイル基、ナフタレン−2,5−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイルナフタレン−2,7−ジイル基が好ましい。シクロヘキサン環を有する環状基としては1,4−シクロへキシレン基であることが好ましい。ピリジン環を有する環状基としてはピリジン−2,5−ジイル基が好ましい。ピリミジン環を有する環状基としては、ピリミジン−2,5−ジイル基が好ましい。これらの中でも、特に、1,4−フェニレン基、ナフタレン−2,6−ジイル基及び1,4−シクロへキシレン基が好ましい。
2は、置換基を有していてもよい。置換基の例には、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数1〜16のアルキル基、炭素原子数2〜16のアルケニル基、炭素原子数2〜16のアルキニル基、炭素原子数1〜16のハロゲンで置換されたアルキル基、炭素原子数1〜16のアルコキシ基、炭素原子数2〜16のアシル基、炭素原子数1〜16のアルキルチオ基、炭素原子数2〜16のアシルオキシ基、炭素原子数2〜16のアルコキシカルボニル基、カルバモイル基、炭素原子数2〜16のアルキル置換カルバモイル基及び炭素原子数2〜16のアシルアミノ基が含まれる。これらの中でも、ハロゲン原子、シアノ基、炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原子数1〜6のハロゲンで置換されたアルキル基が好ましく、ハロゲン原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のハロゲンで置換されたアルキル基がより好ましく、ハロゲン原子、炭素原子数が1〜3のアルキル基、トリフルオロメチル基が更に好ましい。
n1は、0〜4の整数を表す。n1としては、1〜3の整数が好ましく、1若しくは2が更に好ましい。
22は、**−O−、**−O−CO−、**−CO−O−、**−O−CO−O−、**−S−、**−NH−、**−SO2−、**−CH2−、**−CH=CH−又は**−C≡C−を表し、**はQ2側と結合する位置を表す。
22は、好ましくは、**−O−、**−O−CO−、**−CO−O−、**−O−CO−O−、**−CH2−、**−CH=CH−、**−C≡C−であり、より好ましくは、**−O−、**−O−CO−、**−O−CO−O−、**−CH2−である。L22が水素原子を含む基であるときは、該水素原子は置換基で置換されていてもよい。このような置換基として、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原子数1〜6のハロゲンで置換されたアルキル基、炭素原子数1〜6のアルコキシ基、炭素原子数2〜6のアシル基、炭素原子数1〜6のアルキルチオ基、炭素原子数2〜6のアシルオキシ基、炭素原子数2〜6のアルコキシカルボニル基、カルバモイル基、炭素原子数2〜6のアルキルで置換されたカルバモイル基及び炭素原子数2〜6のアシルアミノ基が好ましい例として挙げられ、ハロゲン原子、炭素原子数1〜6のアルキル基がより好ましい。
23は、−O−、−S−、−C(=O)−、−SO2−、−NH−、−CH2−、−CH=CH−及び−C≡C−並びにこれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基を表す。ここで、−NH−、−CH2−、−CH=CH−の水素原子は、置換基で置換されていてもよい。このような置換基として、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原子数1〜6のハロゲンで置換されたアルキル基、炭素原子数1〜6のアルコキシ基、炭素原子数2〜6のアシル基、炭素原子数1〜6のアルキルチオ基、炭素原子数2〜6のアシルオキシ基、炭素原子数2〜6のアルコキシカルボニル基、カルバモイル基、炭素原子数2〜6のアルキルで置換されたカルバモイル基及び炭素原子数2〜6のアシルアミノ基が好ましい例として挙げられ、ハロゲン原子、炭素原子数1〜6のアルキル基がより好ましい。これらの置換基に置換されることにより、本発明の液晶性化合物から液晶性組成物を調製する際に、使用する溶媒に対する溶解性を向上させることができる。
23は、−O−、−C(=O)−、−CH2−、−CH=CH−及び−C≡C−並びにこれらの組み合わせからなる群より選ばれることが好ましい。L23は、炭素原子を1〜20個含有することが好ましく、炭素原子を2〜14個を含有することがより好ましい。更に、L23は、−CH2−を1〜16個含有することが好ましく、−CH2−を2〜12個含有することが更に好ましい。
1は重合性基又は水素原子を表す。本発明の液晶性化合物を光学補償フィルムのような位相差の大きさが熱により変化しないものが好ましい光学フィルム等に用いる場合には、Q1は重合性基であることが好ましい。重合反応は、付加重合(開環重合を含む)又は縮合重合であることが好ましい。すなわち、重合性基は、付加重合反応又は縮合重合反応が可能な官能基であることが好ましい。以下に重合性基の例を示す。
Figure 0005699095
更に、重合性基は付加重合反応が可能な官能基であることが特に好ましい。そのような重合性基としては、重合性エチレン性不飽和基又は開環重合性基が好ましい。
重合性エチレン性不飽和基の例としては、下記の式(M−1)〜(M−6)が挙げられる。
Figure 0005699095
式(M−3)、(M−4)中、Rは水素原子又はアルキル基を表し、水素原子又はメチル基が好ましい。
上記式(M−1)〜(M−6)の中、(M−1)又は(M−2)が好ましく、(M−1)がより好ましい。
開環重合性基は、環状エーテル基が好ましく、エポキシ基又はオキセタニル基がより好ましい。
前記式(I)の化合物の中でも、下記一般式(I’)で表される化合物がより好ましい。
Figure 0005699095
一般式(I’)中、Y11、Y12及びY13は、それぞれ独立にメチン又は窒素原子を表し、メチンが好ましく、メチンは無置換であるのが好ましい。
11、R12及びR13は、それぞれ独立に下記一般式(I’−A)、下記一般式(I’−B)又は下記一般式(I’−C)を表す。固有複屈折の波長分散性を小さくしようとする場合、一般式(I’−A)又は一般式(I’−C)が好ましく、一般式(I’−A)がより好ましい。R11、R12及びR13は、R11=R12=R13であることが好ましい。
Figure 0005699095
一般式(I’−A)中、A11、A12、A13、A14、A15及びA16は、それぞれ独立にメチン又は窒素原子を表す。
11及びA12は、少なくとも一方が窒素原子であることが好ましく、両方が窒素原子であることがより好ましい。
13、A14、A15及びA16は、それらのうち、少なくとも3つがメチンであることが好ましく、すべてメチンであることがより好ましい。更に、メチンは無置換であることが好ましい。
11、A12、A13、A14、A15又はA16がメチンの場合の置換基の例には、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数1〜16のアルキル基、炭素原子数2〜16のアルケニル基、炭素原子数2〜16のアルキニル基、炭素原子数1〜16のハロゲンで置換されたアルキル基、炭素原子数1〜16のアルコキシ基、炭素原子数2〜16のアシル基、炭素原子数1〜16のアルキルチオ基、炭素原子数2〜16のアシルオキシ基、炭素原子数2〜16のアルコキシカルボニル基、カルバモイル基、炭素原子数2〜16のアルキル置換カルバモイル基及び炭素原子数2〜16のアシルアミノ基が含まれる。これらの中でも、ハロゲン原子、シアノ基、炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原子数1〜6のハロゲンで置換されたアルキル基が好ましく、ハロゲン原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のハロゲンで置換されたアルキル基がより好ましく、ハロゲン原子、炭素原子数が1〜3のアルキル基、トリフルオロメチル基が更に好ましい。
1は、酸素原子、硫黄原子、メチレン又はイミノを表し、酸素原子が好ましい。
Figure 0005699095
一般式(I’−B)中、A21、A22、A23、A24、A25及びA26は、それぞれ独立にメチン又は窒素原子を表す。
21及びA22は、少なくとも一方が窒素原子であることが好ましく、両方が窒素原子であることがより好ましい。
23、A24、A25及びA26は、それらのうち、少なくとも3つがメチンであることが好ましく、すべてメチンであることがより好ましい。
21、A22、A23、A24、A25又はA26がメチンの場合の置換基の例には、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数1〜16のアルキル基、炭素原子数2〜16のアルケニル基、炭素原子数2〜16のアルキニル基、炭素原子数1〜16のハロゲンで置換されたアルキル基、炭素原子数1〜16のアルコキシ基、炭素原子数2〜16のアシル基、炭素原子数1〜16のアルキルチオ基、炭素原子数2〜16のアシルオキシ基、炭素原子数2〜16のアルコキシカルボニル基、カルバモイル基、炭素原子数2〜16のアルキル置換カルバモイル基及び炭素原子数2〜16のアシルアミノ基が含まれる。これらの中でも、ハロゲン原子、シアノ基、炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原子数1〜6のハロゲンで置換されたアルキル基が好ましく、ハロゲン原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のハロゲンで置換されたアルキル基がより好ましく、ハロゲン原子、炭素原子数が1〜3のアルキル基、トリフルオロメチル基が更に好ましい。
2は、酸素原子、硫黄原子、メチレン又はイミノを表し、酸素原子が好ましい。
Figure 0005699095
一般式(I’−C)中、A31、A32、A33、A34、A35及びA36は、それぞれ独立にメチン又は窒素原子を表す。
31及びA32は、少なくとも一方が窒素原子であることが好ましく、両方が窒素原子であることがより好ましい。
33、A34、A35及びA36は、少なくとも3つがメチンであることが好ましく、すべてメチンであることがより好ましい。
31、A32、A33、A34、A35又はA36がメチンの場合、メチンは置換基を有していてもよい。置換基の例には、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数1〜16のアルキル基、炭素原子数2〜16のアルケニル基、炭素原子数2〜16のアルキニル基、炭素原子数1〜16のハロゲンで置換されたアルキル基、炭素原子数1〜16のアルコキシ基、炭素原子数2〜16のアシル基、炭素原子数1〜16のアルキルチオ基、炭素原子数2〜16のアシルオキシ基、炭素原子数2〜16のアルコキシカルボニル基、カルバモイル基、炭素原子数2〜16のアルキル置換カルバモイル基及び炭素原子数2〜16のアシルアミノ基が含まれる。これらの中でも、ハロゲン原子、シアノ基、炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原子数1〜6のハロゲンで置換されたアルキル基が好ましく、ハロゲン原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のハロゲンで置換されたアルキル基がより好ましく、ハロゲン原子、炭素原子数が1〜3のアルキル基、トリフルオロメチル基が更に好ましい。
3は、酸素原子、硫黄原子、メチレン又はイミノを表し、酸素原子が好ましい。
一般式(I’−A)中のL11、一般式(I’−B)中のL21、一般式(I’−C)中のL31はそれぞれ独立して、−O−、−C(=O)−、−O−CO−、−CO−O−、−O−CO−O−、−S−、−NH−、−SO2−、−CH2−、−CH=CH−又は−C≡C−を表す。好ましくは、−O−、−C(=O)−、−O−CO−、−CO−O−、−O−CO−O−、−CH2−、−CH=CH−、−C≡C−であり、より好ましくは、−O−、−O−CO−、−CO−O−、−O−CO−O−、−C≡C−である。特に、小さい固有複屈折の波長分散性が期待できる、一般式(DI’−A)中のL11は、−O−、−CO−O−、−C≡C−が特に好ましく、この中でも−CO−O−が、より高温でディスコティックネマチック相を発現できるため、好ましい。上述の基が水素原子を含む基であるときは、該水素原子は置換基で置き換わってもよい。このような置換基として、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原子数1〜6のハロゲンで置換されたアルキル基、炭素原子数1〜6のアルコキシ基、炭素原子数2〜6のアシル基、炭素原子数1〜6のアルキルチオ基、炭素原子数2〜6のアシルオキシ基、炭素原子数2〜6のアルコキシカルボニル基、カルバモイル基、炭素原子数2〜6のアルキルで置換されたカルバモイル基及び炭素原子数2〜6のアシルアミノ基が好ましい例として挙げられ、ハロゲン原子、炭素原子数1〜6のアルキル基がより好ましい。
一般式(I’−A)中のL12、一般式(I’−B)中のL22、一般式(I’−C)中のL32はそれぞれ独立して、−O−、−S−、−C(=O)−、−SO2−、−NH−、−CH2−、−CH=CH−及び−C≡C−並びにこれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基を表す。ここで、−NH−、−CH2−、−CH=CH−の水素原子は、置換基で置換されていてもよい。このような置換基として、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、水酸基、カルボキシル基、炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原子数1〜6のハロゲンで置換されたアルキル基、炭素原子数1〜6のアルコキシ基、炭素原子数2〜6のアシル基、炭素原子数1〜6のアルキルチオ基、炭素原子数2〜6のアシルオキシ基、炭素原子数2〜6のアルコキシカルボニル基、カルバモイル基、炭素原子数2〜6のアルキルで置換されたカルバモイル基及び炭素原子数2〜6のアシルアミノ基が好ましい例として挙げられ、ハロゲン原子、水酸基、炭素原子数1〜6のアルキル基がより好ましく、特にハロゲン原子、メチル基、エチル基が好ましい。
12、L22、L32はそれぞれ独立して、−O−、−C(=O)−、−CH2−、−CH=CH−及び−C≡C−並びにこれらの組み合わせからなる群より選ばれることが好ましい。
12、L22、L32はそれぞれ独立して、炭素数1〜20であることが好ましく、炭素数2〜14であることがより好ましい。炭素数2〜14が好ましく、−CH2−を1〜16個有することがより好ましく、−CH2−を2〜12個有することが更に好ましい。
12、L22、L32を構成する炭素数は、液晶の相転移温度と化合物の溶媒への溶解性に影響を及ぼす。一般的に炭素数は多くなるほど、ディスコティックネマチック相(ND相)から等方性液体への転移温度が低下する傾向にある。また、溶媒への溶解性は、一般的に炭素数は多くなるほど向上する傾向にある。
一般式(I’−A)中のQ11、一般式(I’−B)中のQ21、一般式(I’−C)中のQ31はそれぞれ独立して重合性基又は水素原子を表す。また、Q11、Q21、Q31は重合性基であることが好ましい。重合反応は、付加重合(開環重合を含む)又は縮合重合であることが好ましい。すなわち、重合性基は、付加重合反応又は縮合重合反応が可能な官能基であることが好ましい。以下に重合性基の例については、上記と同様であり、好ましい例も上記と同様である。
以下に、一般式(I)で表される化合物の具体例としては、特開2009−97002号公報[0038]〜[0069]記載の化合物や、以下の化合物が挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 0005699095
Figure 0005699095
Figure 0005699095
Figure 0005699095
Figure 0005699095
Figure 0005699095
Figure 0005699095
Figure 0005699095
Figure 0005699095
Figure 0005699095
Figure 0005699095
Figure 0005699095
Figure 0005699095
Figure 0005699095
Figure 0005699095
Figure 0005699095
Figure 0005699095
トリフェニレン化合物としては、特開2007−108732号公報の段落[0062]〜[0067]記載の化合物等が挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、上記逆ハイブリッド配向状態を達成可能な組成物の一例は、前記3置換ベンゼン又はトリフェニレン化合物とともに、下記一般式(II)(より好ましくは一般式(II’))で表されるピリジニウム化合物の少なくとも1種、及び下記一般式(III)で表されるトリアジン環基を含む化合物の少なくとも1種を含有する組成物である。前記ピリジニウム化合物の添加量は、ディスコティック液晶性化合物100質量部に対し、0.5〜3質量部であるのが好ましい。また、前記トリアジン環基を含む化合物の添加量は、ディスコティック液晶性化合物100質量部に対し、0.2〜0.4質量部であるのが好ましい。
Figure 0005699095
式中、L23及びL24はそれぞれ二価の連結基であり;R22は水素原子、無置換アミノ基、又は炭素原子数が1〜20の置換アミノ基であり;Xはアニオンであり;Y22及びY23はそれぞれ、置換されていてもよい5又は6員環を部分構造として有する2価の連結基であり;Z21はハロゲン置換フェニル、ニトロ置換フェニル、シアノ置換フェニル、炭素原子数が1〜10のアルキル基で置換されたフェニル、炭素原子数が2〜10のアルコキシ基で置換されたフェニル、炭素原子数が1〜12のアルキル基、炭素原子数が2〜20のアルキニル基、炭素原子数が1〜12のアルコキシ基、炭素原子数が2〜13のアルコキシカルボニル基、炭素原子数が7〜26のアリールオキシカルボニル基および炭素原子数が7〜26のアリールカルボニルオキシ基からなる群より選ばれる一価の基であり;pは1〜10の数であり;並びにmは1又は2である。
Figure 0005699095
式中、R31、R32及びR33は、末端にCF3基を有するアルキル基又はアルコキシ基を表し、但し、アルキル基(アルコキシ基中のアルキル基も含む)中の隣接していない2以上の炭素原子は、酸素原子又は硫黄原子に置換されていてもよい;X31、X32及びX33は、アルキレン基、−CO−、−NH−、−O−、−S−、−SO2−及びそれらの群より選ばれる二価の連結基を少なくとも二つ組み合わせた基を表し;m31、m32及びm33はそれぞれ、1〜5の数である。上記式(III)中、R31、R32及びR33はそれぞれ、下記式で表される基であるのが好ましい。
−O(Cn2nn1O(Cm2mm1−Ck2k+1
式中、n及びmはそれぞれ1〜3であり、n1及びm1はそれぞれ1〜3であり、kは1〜10であ
Figure 0005699095
式(II’)中、式(II)と同一の符号は同一の意義であり;L25はL24と同義であり;R23、R24及びR25はそれぞれ、炭素原子数が1〜12のアルキル基を表し、n23は0〜4、n24は1〜4、及びn25は0〜4を表す。
る。
前記光学異方性層の形成に用いられる重合性液晶性組成物は、少なくとも1種以上含有しており、また、前記組成物とともに添加剤の1種以上を含有していてもよい。使用可能な添加剤の例として、空気界面配向制御剤、ハジキ防止剤、重合開始剤、重合性モノマー等について説明する。
空気界面配向制御剤:
前記組成物は、空気界面においては空気界面のチルト角で配向する。このチルト角は、液晶性組成物に含まれる液晶性化合物の種類や添加剤の種類等で、その程度が異なるため、目的に応じて空気界面のチルト角を任意に制御する必要がある。
前記チルト角の制御には、例えば、電場や磁場のような外場を用いることや添加剤を用いることができるが、添加剤を用いることが好ましい。このような添加剤としては、炭素原子数が6〜40の置換もしくは無置換脂肪族基、又は炭素原子数が6〜40の置換もしくは無置換脂肪族置換オリゴシロキサノキシ基を、分子内に1本以上有する化合物が好ましく、分子内に2本以上有する化合物が更に好ましい。例えば、空気界面配向制御剤としては、特開2002−20363号公報に記載の疎水性排除体積効果化合物を用いることができる。
また、特開2009−193046号公報等に記載のフルオロ脂肪族基含有ポリマーも同様な作用があるので空気界面配向制御剤として添加することができる。
空気界面側の配向制御用添加剤の添加量としては、前記組成物(塗布液の場合は固形分、以下同様である)に対して、0.001質量%〜20質量%が好ましく、0.01質量%〜10質量%が更に好ましく、0.1質量%〜5質量%がより更に好ましい。
ハジキ防止剤:
前記組成物に添加し、該組成物の塗布時のハジキを防止するための材料としては、一般に高分子化合物を好適に用いることができる。
使用するポリマーとしては、前記組成物の傾斜角変化や配向を著しく阻害しない限り、特に制限はない。
ポリマーの例としては、特開平8−95030号公報に記載があり、特に好ましい具体的ポリマー例としてはセルロースエステル類を挙げることができる。セルロースエステルの例としては、セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、ヒドロキシプロピルセルロース及びセルロースアセテートブチレートを挙げることができる。
前記組成物の配向を阻害しないように、ハジキ防止目的で使用されるポリマーの添加量は、前記組成物に対して一般に0.1〜10質量%の範囲にあり、0.1〜8質量%の範囲にあることがより好ましく、0.1〜5質量%の範囲にあることがさらに好ましい。
重合開始剤:
前記組成物は、重合開始剤を含有しているのが好ましい。重合開始剤を含有する前記組成物を用いると、液晶相形成温度まで加熱した後、重合させ冷却することによって液晶状態の配向状態を固定化して、光学異方性層を作製することもできる。重合反応には、熱重合開始剤を用いる熱重合反応と光重合開始剤を用いる光重合反応と電子線照射による重合反応が含まれるが、熱により支持体等が変形、変質するのを防ぐためにも、光重合反応又は電子線照射による重合反応が好ましい。
光重合開始剤の例には、α−カルボニル化合物(米国特許2367661号、同2367670号の各明細書記載)、アシロインエーテル(米国特許2448828号明細書記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許2722512号明細書記載)、多核キノン化合物(米国特許3046127号、同2951758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許3549367号明細書記載)、アクリジン及びフェナジン化合物(特開昭60−105667号公報、米国特許4239850号明細書記載)及びオキサジアゾール化合物(米国特許4212970号明細書記載)等が挙げられる。
光重合開始剤の使用量は、前記組成物の0.01〜20質量%であることが好ましく、0.5〜5質量%であることがさらに好ましい。
重合性モノマー:
前記組成物には、重合性のモノマーを添加してもよい。本発明で使用できる重合性モノマーとしては、併用される液晶化合物と相溶性を有し、液晶性組成物の配向阻害を著しく引き起こさない限り、特に限定はない。これらの中では重合活性なエチレン性不飽和基、例えばビニル基、ビニルオキシ基、アクリロイル基及びメタクリロイル基などを有する化合物が好ましく用いられる。上記重合性モノマーの添加量は、併用される液晶化合物に対して一般に0.5〜50質量%の範囲にあり、1〜30質量%の範囲にあることが好ましい。また反応性官能基数が2以上のモノマーを用いると、配向膜との密着性を高める効果が期待できるため、特に好ましい。
前記組成物は、塗布液として調製してもよい。塗布液の調製に使用する溶剤としては、汎用の有機溶剤が好ましく用いられる。汎用の有機溶剤の例には、アミド系溶剤(例、N,N−ジメチルホルムアミド)、スルホキシド系溶剤(例、ジメチルスルホキシド)、ヘテロ環系溶剤(例、ピリジン)、炭化水素系溶剤(例、トルエン、ヘキサン)、アルキルハライド系溶剤(例、クロロホルム、ジクロロメタン)、エステル系溶剤(例、酢酸メチル、酢酸ブチル)、ケトン系溶剤(例、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン)、エーテル系溶剤(例、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン)が含まれる。エステル系溶剤及びケトン系溶剤が好ましく、特にケトン系溶剤が好ましい。二種類以上の有機溶媒を併用してもよい。
前記光学異方性層は、前記組成物を、配向状態とし、その配向状態を固定することで、作製することができる。以下に、製造方法の一例について説明するが、この方法に限定されるものではない。
まず、重合性液晶性化合物を少なくとも含有する組成物を支持体の表面上(配向膜を有する場合は配向膜表面)に塗布する。所望により加熱等して、所望の配向状態で配向させる。次に、重合反応等を進行させて、その状態を固定して、光学異方性層を形成する。この方法に用いられる前記組成物に添加可能な添加剤の例としては、前記した空気界面配向制御剤、ハジキ防止剤、重合開始剤、重合性モノマー等が挙げられる。
塗布は、公知の方法(例えば、ワイヤーバーコーティング法、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティング法)により行うことができる。
均一に配向した状態を実現するためには、配向膜を利用するのが好ましい。配向膜は、ポリマー膜(例えば、ポリビニルアルコール膜及びイミド膜等)の表面をラビング処理することで形成されるものが好ましい。本発明に利用するのに好ましい配向膜の例には、特開2006−276203号公報の[0130]〜[0175]に記載のあるアクリル酸コポリマー又はメタクリル酸コポリマーの配向膜が含まれる。当該配向膜を利用すると、液晶化合物のゆらぎを抑制でき高コントラスト化が達成できるので好ましい。
次に、配向状態を固定するために、重合を実施するのが好ましい。前記組成物中に光重合開始剤を含有させ、光照射により重合を開始するのが好ましい。光照射には、紫外線を用いることが好ましい。照射エネルギーは、10mJ/cm2〜50J/cm2であることが好ましく、50mJ/cm2〜800mJ/cm2であることがさらに好ましい。光重合反応を促進するため、加熱条件下で光照射を実施してもよい。また、雰囲気の酸素濃度は重合度に関与するため、空気中で所望の重合度に達しない場合には、窒素置換等の方法により酸素濃度を低下させることが好ましい。好ましい酸素濃度としては、10%以下が好ましく、7%以下がさらに好ましく、3%以下がよりさらに好ましい。
本発明で配向状態が固定化された状態とは、その配向が保持された状態が最も典型的、且つ好ましい態様ではあるが、それだけには限定されず、具体的には、通常0℃〜50℃、より過酷な条件下では−30℃〜70℃の温度範囲において、該固定化された組成物に流動性が無く、また外場や外力によって配向形態に変化を生じさせることなく、固定化された配向形態を安定に保ち続けることができる状態を指すものである。なお、配向状態が最終的に固定化され光学異方性層が形成された際に、前記組成物はもはや液晶性を示す必要はない。例えば、結果的に熱、光等による反応により重合又は架橋反応が進行し、高分子量化して、液晶性化合物が液晶性を失ってもよい。
前記光学異方性層の厚さについては特に制限されないが、一般的には、0.1〜10μm程度であるのが好ましく、0.5〜5μm程度であるのがより好ましい。
前記光学異方性層の形成には、配向膜を利用してもよく、配向膜としては、ポリビニルアルコール又は変性ポリビニルアルコールを主成分とする膜の表面をラビング処理したもの等を利用することができる。
2.液晶セル
本発明では、画像表示用と偏光変換用の2つの液晶セルを使用する。これらの液晶セルのモードについては特に制限はない。VAモード、IPSモード、OCBモード、TNモード、STNモードなど各種のモードの液晶セルを用いることが可能である。
画像表示用液晶セルは、表示性能の観点で選択されるであろうし、また偏光変換用液晶セルは、右目と左目の映像に対応した応答を行うので、応答速度の観点で選択され、速いTNモードの液晶セルを用いることが好ましい。
いずれの液晶セルについてもその構成については特に制限はない。一般的には、対向配置された一対の基板と、該一対の基板間に挟持された液晶層とを含み、電圧を印加可能な電極を一対の基板の少なくとも一方に有する構成である。また、所望により、液晶層の配向を制御する配向膜が配置されている。また、画像表示用液晶セルには、カラー画像表示を可能とするために、カラーフィルタ層が配置されていてもよい。
前記液晶セルを構成する基板としては、液晶層を構成する液晶性を示す材料を特定の配向方向に配向させるものであれば特に制限はない。具体的には、基板自体が液晶を配向させる性質を有している基板、基板自体は配向能に欠けるが、液晶を配向させる性質を有する配向膜等をこれに設けた基板等がいずれも使用できる。
前記画像表示用の液晶セルについては、そのΔnd(Δnは液晶層の複屈折、及びdは液晶層の厚みを意味する)の好ましい範囲は、通常の2D表示装置に用いられる各駆動モードの液晶セルのΔndと同様である。一方、偏光変換用液晶セルについては、そのΔndは透過率や明るさに影響するが、要求されるクロストークに応じて好ましい範囲が決定されるであろう。
3.偏光膜
本発明の3D表示装置に用いられる偏光膜については特に制限はなく、通常用いられている偏光膜を利用することができ、例えば、ヨウ素系偏光膜、二色性染料を利用した染料系偏光膜、及びポリエン系偏光膜のいずれも用いることができる。ヨウ素系偏光膜、及び染料系偏光膜は、一般に、ポリビニルアルコールにヨウ素又は二色性染料を吸着させ、延伸することで作製される。
なお、偏光膜は、その両面に保護フィルムが貼合された偏光板として用いられることが一般的である。本発明でも、偏光板を用いてもよいが、画像表示用液晶セル又は偏光変換用液晶セルと各偏光膜との間に配置される保護フィルムは、低Re且つ低Rthである、光学的に等方性のポリマーフィルムを用いることが好ましい。また、前記位相差板がポリマーフィルムからなる、又はポリマーフィルムを有する態様では、該ポリマーフィルムを、第1の偏光膜の保護フィルムとしても機能させてもよい。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、試薬、物質量とその割合、操作等は本発明の趣旨から逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下の具体例に制限されるものではない。
(ポリマーフィルムの作製)
特開平10−45804号公報、同08−231761号公報に記載の方法で、セルロースアシレートを合成し、その置換度を測定した。具体的には、触媒として硫酸(セルロース100質量部に対し7.8質量部)を添加し、アシル置換基の原料となるカルボン酸を添加し40℃でアシル化反応を行った。この時、カルボン酸の種類、量を調整することでアシル基の種類、置換度を調整した。またアシル化後に40℃で熟成を行った。さらにこのセルロースアシレートの低分子量成分をアセトンで洗浄し除去した。
(セルロースアシレート溶液「C01」〜「C05」の調製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、撹拌して、各成分を溶解し、セルロースアシレート溶液を調製した。各セルロースアシレート溶液の固形分濃度は22質量%、粘度は60Pa・sとなるように溶剤(メチレンクロライドおよびメタノール)の量は適宜調整した。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
・セルロースアセテート(置換度は下記表に示す) 100.0質量部
・下記表に記載の添加剤 下記表に記載の量
・メチレンクロライド 365.5質量部
・メタノール 54.6質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
下記の表に示したようにセルロースアシレートのアシル基の種類と置換度、添加剤量や添加剤種を変更した以外は「C01」と同様にしてその他の低置換度層用セルロースアシレート溶液を調製した。各セルロースアシレート溶液の固形分濃度が22質量%となるように溶剤(メチレンクロライドおよびメタノール)の量は適宜調整した。
Figure 0005699095
Figure 0005699095
(セルロースアシレート系フィルムの作製)
セルロースアシレート溶液の1種以上を用いて、以下の単流延又は共流延のいずれかにより、フィルムを作製した。延伸温度及び延伸倍率は、下記表に示す。
単流延(フィルム5〜11、14の作製):
上記表中のいずれかのセルロースアシレート溶液を60μmの膜厚になるようにバンド延伸機を用いて流延した。引き続き、得られたウェブ(フィルム)をバンドから剥離し、クリップに挟み、テンターを用いて横延伸した。延伸温度及び延伸倍率は下記の表に示す。その後、フィルムからクリップを外して130℃で20分間乾燥させ、フィルムを得た。
共流延(フィルム1〜4、12、13、15の作製):
上記セルロースアシレート溶液C01を、56μmの膜厚のコア層になるように、セルロースアシレート溶液C02を2μmの膜厚のスキンA層になるように、それぞれバンド延伸機を用いて流延した。その後、フィルムからクリップを外して130℃で20分間乾燥させ、引き続き、得られたウェブ(フィルム)をバンドから剥離し、クリップに挟み、テンターを用いて横延伸した。延伸温度及び延伸倍率は下記の表に示す。
以下の表に、得られたフィルムの構成、延伸条件、及びフィルムの特性をそれぞれ示す。
Figure 0005699095
位相差フィルム16の作製
環状オレフィン系樹脂として、日本ゼオン(株)社製の「ゼオノア1420R」のペレットを用いた。また、当該樹脂のガラス転移点は138℃であった。環状オレフィン系樹脂ゼオノア1420Rのペレットを用いて、100℃において2時間以上乾燥した。260℃で溶融し、製膜した。所望の光学特性を出す為に、自由端一軸延伸を行った。完成膜厚は25μm、Re(550)=80nm、Rth(550)=60nmだった。
(実施例1)
1.3D表示装置の作製
(1)画像表示用液晶セル
画像表示用液晶セルとして、市販の液晶表示装置(KDL−40J5000)に搭載されている垂直配向型(VAモード)液晶セルを利用した。具体的には、KDL−40J5000をそのまま利用して、図2中の、画像表示用液晶セル10、偏光膜15及び20を含む、画像表示部を構成した。
厚さ80μmのポリビニルアルコール(PVA)フィルムを、ヨウ素濃度0.05質量%のヨウ素水溶液中に30℃で60秒浸漬して染色し、次いでホウ酸濃度4質量%濃度のホウ酸水溶液中に60秒浸漬している間に元の長さの5倍に縦延伸した後、50℃で4分間乾燥させて、厚さ20μmの偏光膜を得た。
ポリマーフィルム1をアルカリ鹸化処理した後、偏光膜の片面にポリビニルアルコール系接着剤を用いて貼り合わせ、積層体1を得た。
また、別途ポリマーフィルム1をアルカリ鹸化処理した後、偏光膜のもう一方の片面にポリビニルアルコール系接着剤を用いてポリマーフィルム1を貼り合わせ、その面に、易接着剤を介して低反射フィルムのクリアLR(富士フイルム社製CVフィルムCV−LC)を貼り合わせ、積層体1’を作製した。
(偏光変換用液晶セル)
偏光変換用液晶セルとして、TNモード液晶セルを作製した。具体的には、正の誘電率異方層を持つ液晶材料を基板間に真空注入で封入し、液晶層のΔn・dが400nmである液晶セルを準備した。液晶材料は誘電異方性が正で、屈折率異方性、Δn=0.0854(589nm、20°C)、Δε=+8.5程度の液晶を使用した。液晶セルのツイスト角は90°であった。
この様にして作製したTNモード偏光変換用液晶セルの一方の基板表面に、上記積層体1を、ポリマーフィルム1を液晶セル側にして貼合し、他方の基板表面に、積層体1’を、ポリマーフィルム1を液晶セル側にして貼合した。なお、積層体1を貼合する際は、図3(b)に示す通り、偏光変換用液晶セルとの関係でEモードの配置とした。貼合時の各部材の軸の関係は、後述の表中に示した。
(3D表示装置の作製)
上記の画像表示部に、上記偏光変換用液晶セルの積層体1が貼合された面であって、偏光膜表面を、画像表示部の表示面側偏光板に貼合し、図2に示す構成の3D表示装置を作製した。この時、画像表示部の表示面側偏光板の透過軸と、積層体1の偏光膜の透過軸とを一致させて貼合した。
2.偏光メガネの準備
直線偏光メガネを準備して、図2中の偏光メガネとした。なお、この直線偏光メガネは、フレームを水平に置いたときに、一方のフレームの透過軸は、正面から見ると平行であり、他方のフレームの透過軸は、それに直交する方向であった。
(実施例2)
実施例1において、積層体1の貼り合わせ時に、偏光変換用液晶セルとの関係でOモードの配置とした以外は、実施例1と同様にして3D表示装置2を作製した。
(実施例3)
実施例1において、フィルム1をフィルム2に代えた以外は積層体1及び1’と同様にして作製した積層体2及び2’を用い、実施例1と同様にして3D表示装置3を作製した。
(実施例4)
実施例3において、積層体2の貼り合わせ時に、偏光変換用液晶セルとの関係でOモードの配置、即ち図3(a)に示す配置にした以外は、実施例3と同様にして3D表示装置4を作製した。
(実施例5)
実施例1において、フィルム1をフィルム3に代えた以外は積層体1及び1’と同様にして作製した積層体3及び3’を、偏光変換用液晶セルとの関係でOモード配置とした以外は、実施例1と同様にして3D表示装置5を作製した。
(実施例6)
実施例5において、積層体3の貼り合わせ時に、偏光変換用液晶セルとの関係でEモードの配置とした以外は、実施例5と同様にして3D表示装置6を作製した。
(実施例7)
実施例1において、フィルム1をフィルム4に代えた以外は積層体1及び1’と同様にして作製した積層体4及び4’を用い、実施例1と同様にして3D表示装置7を作製した。
(実施例8)
実施例7において、積層体4の貼り合わせ時に、偏光変換用液晶セルとの関係でOモードの配置とした以外は、実施例7と同様にして3D表示装置8を作製した。
(実施例9)
実施例2において、フィルム1を、以下の方法で作製した光学補償フィルム5に代え、貼り合わせ時の各部材の軸の配置を後述の表中に示す通りに変更し、後述のように光学異方性層を加えた以外は、積層体1及び1’と同様にして作製した積層体5及び5’を用い、実施例2と同様にして3D表示装置9を作製した。なお、積層体5の作製では、ポリマーフィルム5の表面(光学異方性層が形成されていない側の表面)を偏光膜と貼り合わせ、積層体5’の作製では、ポリマーフィルム5の貼られている偏光膜の面と反対側にポリマーフィルム5を貼合し、その面に低反射フィルムを形成した。積層体5及び5’を偏光変換用液晶セルと貼り合わせる際は、それぞれ光学異方性層を液晶セル側にして貼り合わせた。
1.配向膜の作製
作製したフィルム5上に、下記の組成の塗布液を#16のワイヤーバーコーターで28mL/m2塗布した。60℃の温風で60秒、さらに90℃の温風で150秒乾燥した。形成された膜表面に、ラビングロールで搬送方向に平行な方向に500回転/分で回転させてラビング処理を行い、配向膜を作製した。
────────────────────────────────────
(配向膜塗布液組成)
────────────────────────────────────
下記の変性ポリビニルアルコール 20質量部
水 360質量部
メタノール 120質量部
グルタルアルデヒド(架橋剤) 1.0質量部
────────────────────────────────────
Figure 0005699095
2.光学異方性層の作製
下記の組成の塗布液を調製した。
下記の組成物を98質量部のメチルエチルケトンに溶解して塗布液を調製した。
────────────────────────────────────
下記のディスコティック液晶性化合物(1) 41.01質量部
エチレンオキサイド変成トリメチロールプロパントリアクリレート
(V#360、大阪有機化学(株)製 4.06質量部
セルロースアセテートブチレート
(CAB551−0.2、イーストマンケミカル社製) 0.34質量部
セルロースアセテートブチレート
(CAB531−1、イーストマンケミカル社製) 0.11質量部
下記フルオロ脂肪族基含有ポリマー1 0.13質量部
下記フルオロ脂肪族基含有ポリマー2 0.03質量部
光重合開始剤(イルガキュアー907、チバガイギー社製) 1.35質量部
増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製) 0.45質量部
────────────────────────────────────
Figure 0005699095
Figure 0005699095
Figure 0005699095
上記塗布液を、#3.2のワイヤーバーを用いて、30m/分で搬送されている上記ロールフィルムの配向膜面に連続的に塗布した。室温から100℃に連続的に加温する工程で、溶媒を乾燥させ、その後、135℃の乾燥ゾーンで、ディスコティック液晶化合物層にあたる膜面風速がフィルム搬送方向に平行に1.5m/secとなるようにし、約90秒間加熱し、ディスコティック液晶化合物を配向させた。次に、80℃の乾燥ゾーンに搬送させて、フィルムの表面温度が約100℃の状態で、紫外線照射装置(紫外線ランプ:出力160W/cm、発光長1.6m)により、照度600mWの紫外線を4秒間照射し、架橋反応を進行させ、ディスコティック液晶化合物をその配向に固定した。その後、室温まで放冷し、円筒状に巻き取ってロール状の形態にした。
この様にして、位相差板(光学補償フィルム)を作製した。
(実施例10)
実施例9において、支持体をフィルム5からフィルム6に代え、フィルム6上に、以下の方法で光学異方性層を形成して光学補償フィルム6を作製し、これを光学補償フィルム5の代わりに用いてた以外は同様にして積層体6及び6’をそれぞれ作製し、積層体6及び6’をそれぞれ用いた以外は、実施例9と同様にして3D表示装置10を作製した。
1.配向膜の作製
作製したフィルム6上に、下記の組成の塗布液を#16のワイヤーバーコーターで28mL/m2塗布した。60℃の温風で60秒、さらに90℃の温風で150秒乾燥した。形成された膜表面に、ラビングロールで搬送方向に平行な方向に500回転/分で回転させてラビング処理を行い、配向膜を作製した。
────────────────────────────────────
(配向膜塗布液組成)
────────────────────────────────────
下記の変性ポリビニルアルコール 20質量部
水 360質量部
メタノール 120質量部
グルタルアルデヒド(架橋剤) 1.0質量部
────────────────────────────────────
Figure 0005699095
2.光学異方性層の作製
下記の組成のディスコティック液晶化合物を含む塗布液Bを上記作製した配向膜上に#2.7のワイヤーバーで連続的に塗布した。フィルムの搬送速度(V)は36m/minとした。塗布液の溶媒の乾燥及びディスコティック液晶化合物の配向熟成のために、120℃の温風で90秒間加熱した。続いて、80℃にてUV照射を行い、液晶化合物の配向を固定化し光学異方性層を形成し、位相差板(光学補償フィルム)を作製した。
光学異方性層塗布液(B)の組成
―――――――――――――――――――――――――――――――――
下記のディスコティック液晶化合物 100質量部
光重合開始剤(イルガキュアー907、チバガイギー社製) 3質量部
増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製) 1質量部
下記のピリジニウム塩 1質量部
下記のフッ素系ポリマー(FP2) 0.4質量部
メチルエチルケトン 252質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――
Figure 0005699095
Figure 0005699095
Figure 0005699095
(実施例11)
実施例1において、液晶層のΔn・dが400nmである液晶セルをΔn・dが460nmである液晶セルとした以外は、実施例1と同様にして3D表示装置11を作製した。
(実施例12)
実施例2において、液晶層のΔn・dが400nmである液晶セルをΔn・dが460nmである液晶セルとした以外は、実施例2と同様にして3D表示装置12を作製した。
(実施例13)
実施例9において、支持体であるフィルム5をフィルム7とし、液晶層のΔn・dが400nmである液晶セルをΔn・dが460nmである液晶セルとした以外は、実施例9と同様にして3D表示装置13を作製した。
(実施例14)
実施例10において、支持体であるフィルム6をフィルム8とし、液晶層のΔn・dが400nmである液晶セルをΔn・dが460nmである液晶セルとした以外は、実施例10と同様にして3D表示装置14を作製した。
(実施例15)
実施例1において、VAモードの液晶セル(画像表示用液晶セル)に元々貼合されていた表示面側偏光板を剥がした後に、偏光変換用液晶セルの積層体1が貼合された面であって、偏光膜の表面と貼り付けた以外は、実施例1と同様にして3D表示装置15を作製した。即ち図1の構成の3D表示装置15を作製した。
(実施例16)
実施例9において、VAモードの液晶セル(画像表示用液晶セル)に元々貼合されていた表示面側偏光板を剥がした後に、偏光変換用液晶セルの積層体1が貼合された面であって、偏光膜の表面と貼り付け、支持体であるフィルム5をフィルム9とした以外は、実施例9と同様にして3D表示装置16を作製した。即ち図1の構成の3D表示装置16を作製した。
(実施例17)
実施例10において、VAモードの液晶セル(画像表示用液晶セル)に元々貼合されていた表示面側偏光板を剥がした後に、偏光変換用液晶セルの積層体1が貼合された面であって、偏光膜の表面と貼り付け、支持体であるフィルム6をフィルム10とした以外は、実施例10と同様にして3D表示装置17を作製した。即ち図1の構成の3D表示装置17を作製した。
(実施例18)
実施例11において、VAモードの液晶セル(画像表示用液晶セル)に元々貼合されていた表示面側偏光板を剥がした後に、偏光変換用液晶セルの積層体1が貼合された面であって、偏光膜の表面と貼り付けた以外は、実施例11と同様にして3D表示装置18を作製した。即ち図1の構成の3D表示装置18を作製した。
(実施例19)
実施例13において、VAモードの液晶セル(画像表示用液晶セル)に元々貼合されていた表示面側偏光板を剥がした後に、偏光変換用液晶セルの積層体1が貼合された面であって、偏光膜の表面と貼り付けた以外は、実施例13と同様にして3D表示装置19を作製した。即ち図1の構成の3D表示装置19を作製した。
(実施例20)
実施例14において、VAモードの液晶セル(画像表示用液晶セル)に元々貼合されていた表示面側偏光板を剥がした後に、偏光変換用液晶セルの積層体1が貼合された面であって、偏光膜の表面と貼り付けた以外は、実施例14と同様にして3D表示装置20を作製した。即ち図1の構成の3D表示装置20を作製した。
(実施例21)
実施例15において、積層体1’を使用せず、積層体1の貼り合わせ時に、偏光変換用液晶セルとの関係でOモードの配置とした以外は、実施例15と同様にして3D表示装置21を作製した。
(実施例22)
実施例9において、支持体をフィルム5からフィルム16に代え、フィルム上に、実施例9と同様の方法で光学異方性層を形成して光学補償フィルム16を作製し、これを光学補償フィルム5の代わりに用いた以外は同様にして積層体16及び16’をそれぞれ作製し、積層体16及び16’をそれぞれ用いた以外は、実施例9と同様にして3D表示装置22を作製した。
(実施例23)
実施例9において、配向膜を作製するときに、作製したフィルム5上に形成された塗布膜表面に、ラビングロールで搬送方向と45°交わる方向に500回転/分で回転させてラビング処理を行い、配向膜を作製した。残りの工程は、実施例9と同様の方法で光学異方性層を形成して光学補償フィルム17を作製し、これを光学補償フィルム5の代わりに用いた以外は同様にして積層体17及び17’をそれぞれ作製した。
TNモード偏光変換用液晶セルの一方の基板表面に、上記積層体17を、光学異方性層を液晶セル側にして貼合し、他方の基板表面に、積層体17’を、光学異方性層を液晶セル側にして貼合した。なお、積層体17を貼合する際は、図3(c)に示す配置とし、3D表示装置23を作製した。
(実施例24)
実施例9において、支持体をフィルム5からフィルム16に代え、配向膜を作製するときに、作製したフィルム5上に形成された塗布膜表面に、ラビングロールで搬送方向と45°交わる方向に500回転/分で回転させてラビング処理を行い、配向膜を作製した。残りの工程は、実施例9と同様の方法で光学異方性層を形成して光学補償フィルム18を作製し、これを光学補償フィルム5の代わりに用いた以外は同様にして積層体18及び18’をそれぞれ作製した。TNモード偏光変換用液晶セルの一方の基板表面に、上記積層体18を、光学異方性層を液晶セル側にして貼合し、他方の基板表面に、積層体18’を、光学異方性層を液晶セル側にして貼合した。なお、積層体18を貼合する際は、図3(c)に示す配置とし、3D表示装置24を作製した。
(実施例25)
積層体5’の代わりに、ポリマーフィルム4を2枚積層したものをアルカリ鹸化処理した後、偏光膜の片面にポリビニルアルコール系接着剤を用いて貼り合わせて得た積層体19を作製した。2枚積層したポリマーフィルム4の偏光膜の貼られていない面に実施例9と同様に光学異方性層を形成した。実施例9において、TNモード偏光変換用液晶セルの一方の基板表面に、光学異方性層を形成していない積層体5を、ポリマーフィルム側を液晶セル側にして貼合し、他方の基板表面に、積層体19を、光学異方性層側を液晶セル側にして貼合した以外は実施例9と同様にして作製した。なお、積層体5を貼合する際は、図3(b)に示す配置とし、3D表示装置25を作製した。
(実施例26)
光学異方性層を形成していない積層体5を偏光膜の片面に貼り合わせて得た積層体20を作製した。実施例9において、TNモード偏光変換用液晶セルの一方の基板表面に、積層体20を、ポリマーフィルム側を液晶セル側にして貼合し、他方の基板表面に、積層体5’を、光学異方性層を液晶セル側にして貼合した。なお、積層体20を貼合する際は、Oモード配置とし、3D表示装置26を作製した。
(実施例27)
実施例2において、3D表示装置2の視認側にλ/4板としてピュアエース(帝人製)を貼合した以外は同様にして3D表示装置27を作製した。
(実施例28)
実施例2において、偏光変換用液晶セルとして使用したTNモード偏光変換用液晶セルの代わりに、市販の液晶表示装置(KDL−40J5000)に搭載されている垂直配向型(VAモード)液晶セルから、偏光板を剥してものを利用した以外は実施例2と同様にして3D表示装置28を作製した。
(比較例1)
実施例1において、フィルム1をフィルム11に代えた以外は積層体1及び1’と同様にして作製した積層体21及び21’を用い、貼り合わせ時の各部材の軸の配置を後述の表中に示す通りに変更した以外は実施例1と同様にして3D表示装置29を作製した。
(比較例2)
比較例1において、貼り合わせ時の各部材の軸の配置を後述の表中に示す通りに変更した以外は、比較例1と同様にして3D表示装置30を作製した。
(比較例3)
比較例1において、貼り合わせ時の各部材の軸の配置を後述の表中に示す通りに変更した以外は、比較例1と同様にして3D表示装置31を作製した。
(比較例4)
比較例1において、貼り合わせ時の各部材の軸の配置を後述の表中に示す通りに変更した以外は、比較例1と同様にして3D表示装置32を作製した。
(比較例5)
実施例1において、フィルム1をフィルム12に代え、貼り合わせ時の各部材の軸の配置を後述の表中に示す通りに変更した以外は、積層体1及び1’と同様にして作製した積層体22及び22’を用い、実施例1と同様にして3D表示装置33を作製した。
(比較例6)
実施例1において、フィルム1をフィルム13に代えた以外は積層体1及び1’と同様にして作製した積層体23及び23’を用い、実施例1と同様にして3D表示装置34を作製した。
(比較例7)
実施例1において、フィルム1をフィルム14に代えた以外は積層体1及び1’と同様にして作製した積層体24及び24’を用い、実施例1と同様にして3D表示装置35を作製した。
(比較例8)
実施例5において、貼り合わせ時の各部材の軸の配置を後述の表中に示す通りに変更した以外は、実施例5と同様にして3D表示装置36を作製した。
(比較例9)
実施例1において、フィルム1をフィルム15に代えた以外は積層体1及び1’と同様にして作製した積層体25及び25’を用い、実施例1と同様にして3D表示装置37を作製した。
(評価)
(1)クロストーク
偏光メガネを作製した3D表示装置1の正面から方位角方向45°、極角方向60°にし、さらに偏光メガネの左右のレンズ部分を結ぶ線と地面とが平行となるように配置した。暗室において、右目で白を、左目で黒を表示する3Dコンテンツを3D表示装置1で表示し、左目のみで官能評価を行い、本来黒色になるべき画像がどの程度の黒色になるのか、白浮きしないかを以下の基準で評価した。同様に、3D表示装置2〜28も評価した。結果を表に示す。なお、偏光メガネとして、3D表示装置27の評価時は円偏光メガネを、それ以外の表示装置は直線偏光メガネを使用して評価した。
[評価基準]
1.真っ黒で白浮きが全く気にならない。
2.白浮きがほとんど気にならない。
3.白浮きがやや気になる。
4.白浮きが大分気になる。
5.白浮きが非常に気になる。
(2)白カラーシフト
輝度計(BM−5A、トプコン社製)を用いて3D表示装置1の正面からの極角を60°に固定し、方位角を0〜360°に回転したときの各角度の色度u’v’の最大値(Δu’v’)を測定した。同様に、3D表示装置2〜37も評価した。結果を表に示す。
(3)正面輝度
輝度計(BM−5A、トプコン社製)を用いて、表示面に対して法線方向(正面)の輝度を測定し、実施例1の正面輝度を基準値である100として評価した。結果を表に示す。
Figure 0005699095
Figure 0005699095
Figure 0005699095
Figure 0005699095
Figure 0005699095
上記表に示す結果から、偏光変換用液晶セルの後方であって前記第1の偏光膜との間、及び前記偏光変換用液晶セルの前方の少なくとも一方に位相差板を有し、位相差板のポリマーフィルムの面内レターデーションRe(550)が−30〜100nmであり、厚み方向レターデーションRth(550)が50〜180nmであることで、クロストーク、白カラーシフト及び正面輝度が向上していることが理解できる。
1 3D表示装置
2 偏光メガネ
10 画像表示用液晶セル
12 偏光変換用液晶セル
12a 基板
12a’ 基板
14 第1の偏光膜
14a 第1の偏光膜の透過軸
15 偏光膜
15a 偏光膜15の透過軸
16 位相差板(ポリマーフィルム)
16a 位相差板(ポリマーフィルム)の遅相軸
18 位相差板(ポリマーフィルム)
18a 位相差板(ポリマーフィルム)の遅相軸
20 第2の偏光膜
20a 第2の偏光膜の透過軸

Claims (11)

  1. 画像表示用液晶セル、並びにその前方に、第1の偏光膜及び偏光変換用液晶セルをこの順序で含む3D表示装置であって、
    前記偏光変換用液晶セルがTNモード又はVAモードであり、
    前記偏光変換用液晶セルの後方であって前記第1の偏光膜との間、及び前記偏光変換用液晶セルの前方の少なくとも一方に、ポリマーフィルムからなる、又はポリマーフィルムを有する位相差板を有し、
    前記ポリマーフィルムの遅相軸が、前記第1の偏光膜の透過軸と直交又は平行であり、
    前記ポリマーフィルムの波長550nmの面内レターデーションRe(550)が−30〜100nmであり、波長550nmの厚み方向レターデーションRth(550)が50〜180nmであることを特徴とする3D表示装置。
  2. 前記偏光変換用液晶セルの後方であって前記第1の偏光膜との間、及び前記偏光変換用液晶セルの前方に、それぞれ配置された前記位相差板を有する請求項1に記載の3D表示装置。
  3. 前記ポリマーフィルムが、互いの遅相軸を直交にして配置されている請求項に記載の3D表示装置。
  4. 前記画像表示用液晶セルと前記第1の偏光膜との間に、前記第1の偏光膜の透過軸と平行な透過軸を有する偏光膜をさらに有する請求項1〜のいずれか1項に記載の3D表示装置。
  5. 前記画像表示用液晶セルの後方に、前記第1の偏光膜の透過軸と直交する透過軸を有する第2の偏光膜を有する請求項1〜のいずれか1項に記載の3D表示装置。
  6. 前記位相差板が、ポリマーフィルムと、その上に液晶性化合物を含有する組成物から形成された光学異方性層とを有する請求項1〜のいずれか1項に記載の3D表示装置。
  7. 前記ポリマーフィルムが、セルロースアシレートフィルムである請求項1〜のいずれか1項に記載の3D表示装置。
  8. 前記ポリマーフィルムが、光学的に二軸性のポリマーフィルムである請求項1〜のいずれか1項に記載の3D表示装置。
  9. 前記第1の偏光膜と前記偏光変換用液晶セルとが、Eモード及びOモードのいずれかである請求項1〜のいずれか1項に記載の3D表示装置。
  10. 前記画像表示用液晶セルがVAモードであり、且つ前記第1の偏光膜の透過軸が、表示面の左右方向又は上下方向と平行である請求項1〜のいずれか1項に記載の3D表示装置。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の3D表示装置と、
    該3D表示装置に表示される映像を透過して、3D画像として視認させるための第3の偏光膜と、
    を少なくとも有する3D表示システム。
JP2012009997A 2011-01-24 2012-01-20 3d表示装置、及び3d表示システム Active JP5699095B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012009997A JP5699095B2 (ja) 2011-01-24 2012-01-20 3d表示装置、及び3d表示システム

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011012276 2011-01-24
JP2011012276 2011-01-24
JP2012009997A JP5699095B2 (ja) 2011-01-24 2012-01-20 3d表示装置、及び3d表示システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012168516A JP2012168516A (ja) 2012-09-06
JP5699095B2 true JP5699095B2 (ja) 2015-04-08

Family

ID=46580828

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012009997A Active JP5699095B2 (ja) 2011-01-24 2012-01-20 3d表示装置、及び3d表示システム

Country Status (4)

Country Link
US (1) US20130308078A1 (ja)
JP (1) JP5699095B2 (ja)
TW (1) TWI551893B (ja)
WO (1) WO2012102262A1 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20140029087A1 (en) * 2012-07-25 2014-01-30 Lg Display Co., Ltd. Switchable lens device, method of manufacturing the same, and 2-dimensional and 3-dimensional image display device using the same
US20220229315A1 (en) * 2019-05-17 2022-07-21 Nippon Kayaku Kabushiki Kaisha Optical Element Or Polarizing Plate, And Eyewear Using Same

Family Cites Families (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000275575A (ja) * 1999-03-24 2000-10-06 Sharp Corp 立体映像表示装置
JP2003259395A (ja) * 2002-03-06 2003-09-12 Matsushita Electric Ind Co Ltd 立体表示方法及び立体表示装置
TW200428268A (en) * 2002-07-15 2004-12-16 Fuji Photo Film Co Ltd Internal touch panel, and process for producing it and display device
TWI245133B (en) * 2004-08-31 2005-12-11 Wintek Corp Three-dimensional displaying architecture
JP4667109B2 (ja) * 2005-04-12 2011-04-06 富士フイルム株式会社 光学補償フィルム及び液晶表示装置
JP5072393B2 (ja) * 2006-03-20 2012-11-14 富士フイルム株式会社 セルロースアシレートフィルムおよびその製造方法、並びに、それを用いた位相差フィルム、偏光板および液晶表示装置
KR100796992B1 (ko) * 2006-06-02 2008-01-22 (주)비노시스 3d 디스플레이의 얼룩무늬 발생 방지 장치
KR100852758B1 (ko) * 2006-09-14 2008-08-18 한국과학기술연구원 영상 디스플레이 장치
US7898603B2 (en) * 2006-11-30 2011-03-01 Reald Inc. Double-shutter lenses with compensators
JP5018222B2 (ja) * 2007-05-09 2012-09-05 セイコーエプソン株式会社 指向性表示ディスプレイ
JP2010134393A (ja) * 2008-12-03 2010-06-17 Susumu Nishikawa 立体視ディスプレイおよび偏光めがね
TW201027125A (en) * 2009-01-13 2010-07-16 Chi Mei Optoelectronics Corp Display device

Also Published As

Publication number Publication date
WO2012102262A1 (ja) 2012-08-02
US20130308078A1 (en) 2013-11-21
TW201245777A (en) 2012-11-16
JP2012168516A (ja) 2012-09-06
TWI551893B (zh) 2016-10-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6216323B2 (ja) 円偏光板およびその製造方法、光学積層体
JP4900963B2 (ja) 光学補償フィルム、偏光板および液晶表示装置
TWI409509B (zh) 光學補償膜、其製法、及使用它之偏光板與液晶顯示裝置
WO2012111703A1 (ja) バリア素子及び3d表示装置
JP2007163894A (ja) 液晶表示装置
TWI427336B (zh) 光學補償片、其製法及使用它之偏光板和液晶顯示裝置
JP2007156459A (ja) 光学フィルム、偏光板、および液晶表示装置
WO2017057316A1 (ja) 光学フィルム、輝度向上フィルム、輝度向上フィルム付きバックライトユニット及び液晶表示装置
JP2006317736A (ja) 光学フィルムおよび液晶表示装置
JP2004226591A (ja) 液晶表示装置および偏光板
JP2005099236A (ja) 液晶表示装置
JP4832796B2 (ja) 光学補償シート、偏光板および液晶表示装置
TWI421597B (zh) 光學膜、光學補償膜、與使用它之偏光板及液晶顯示器
JP2007079347A (ja) 光学フィルムならびに、これを用いた偏光板および液晶表示装置
JP4684047B2 (ja) 光学補償フィルム、偏光板および液晶表示装置
JP2004233872A (ja) 偏光フィルム、楕円偏光フィルム、円偏光フィルム、及び液晶表示装置
JP5699095B2 (ja) 3d表示装置、及び3d表示システム
TWI412843B (zh) 光學補償膜、偏光板及液晶顯示裝置
JP5295691B2 (ja) 光学補償フィルム、偏光板及び液晶表示装置
JP2006293315A (ja) 光学異方性膜及び液晶表示装置
JP2006124368A (ja) 液晶性化合物、光学異方性膜及び液晶表示装置
JP2006258854A (ja) 光学異方性膜、その製造方法及び液晶表示装置
JP2007304256A (ja) 光学補償フィルム、偏光板及び液晶表示装置
JP2005321527A (ja) 液晶表示装置
JP4429122B2 (ja) 光学異方性膜、その製造方法及び液晶表示装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140115

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20141023

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20141111

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150108

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150127

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150216

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5699095

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250