JP2010134393A - 立体視ディスプレイおよび偏光めがね - Google Patents

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Abstract

【課題】立体表示におけるコントラストの向上を図る。
【解決手段】1.偏光めがねの左眼すなわちノーマリー・ブラック側の偏光板に光学軸を合わせて90°逆旋光フィルムを張り合わせる。2.前面の液晶板の入射光側ラビング方向を後面の液晶板の入射光側ラビング方向に対し直交させて形成する。すなわち前後の液晶板ともO−モードに統一する。3.前面の液晶板の裏面に視角補償フィルム付き偏光板を張り合わせる。4.前面の液晶板の表面に視角補償フィルムを張り合わせる。5.拡散板のヘイズ値をモアレ発生限界に設定する。
【選択図】図6

Description

発明の詳細な説明
本発明は2枚重ねのTN液晶板と偏光めがねを用いた立体視ディスプレイに関する。
2枚重ねのTN液晶板と偏光めがねを用いたiZ3D方式の立体視ディスプレイが上市されている。この方式は後面の液晶表示板に左右画像を重畳して表示し、前面の液晶板で画素毎に液晶の旋光角を制御し左右の眼への分配率を決め、互いに直交する左右の偏光めがねで左右画像を分離して立体視を得るものである。
発明が解決しようとする課題
1.iZ3D立体視方式では偏光めがねの偏光軸が左右直交の関係にあるので、右眼画像をノーマリー・ホワイトとした時、左眼画像はノーマリー・ブラックになる。ノーマリー・ブラックの画像は強い着色と視角変化による色変化を示し、このままでは使用に耐えない。
2.後面TN液晶板は入射偏光軸と配向膜のラビング方向は直交の関係すなわちO−モードであるが、前面液晶板は同じ仕様の液晶板を使用しているため入射偏光軸とラビング方向が平行の関係すなわちE−モードになっている。このためノーマリー・ホワイトの画像に弱い着色がある。
3.前面の液晶セルは裸なので視角が変わると画質が劣化する。
4.2枚の液晶板は重ねるとモアレを生じる。これを避けるため拡散板を挿入しているが、ぼけとコントラストの劣化を招いている。
課題を解決するための手段
本発明はかかる課題に鑑みなされたものであって、以下の構成によって上記課題を解決する。
1.偏光めがねの左眼すなわちノーマリー・ブラック側の偏光板に光学軸を合わせて90°逆旋光フィルムを張り合わせる。
2.前面の液晶板のラビング方向を後面の液晶板のラビング方向に対し直交させて形成する。すなわち前後の液晶板ともO−モードに統一する。
3.前面の液晶板の裏面に視角補償フィルム付き偏光板を張り合わせる。
4.前面の液晶板の表面に視角補償フィルムを張り合わせる。
5.拡散板のヘイズ値をモアレ発生限界に設定する
本発明の土台となるiZ3D立体視方式について若干の説明を加える。その中でiZ3D方式の持つ欠陥を述べ、それを解決する方法を述べる。
図1はiZ3D立体視方式の構成である。これはディスプレイとしてバックライト(1)、後面液晶表示板(2)、モアレ防止拡散板(3)、前面TN液晶セル(4)からなり、互いに直交する偏光めがね(5)で立体視するものである。
後面液晶表示板(2)には左眼画像Lと右眼画像Rを以下の式で重畳し印加する。
Figure 2010134393
前面液晶セル(4)には次式の角度情報が印加される。
Figure 2010134393
その結果前面TN液晶セルによる旋光角は電圧無印加時が入射偏光軸を基準として90°左旋なので(90°−Ang)になる。
図2に具体例として画面手前に灰色の円盤がある場合を示す。背景は黒とする。後面液晶表示板(2)にはLR重畳画像(2LR)が表示される。本画像はめがねなしで通常の液晶ディスプレイ画面として見ることができる。後面液晶表示板(2)の出射光は画面全体で一方向の直線偏光(2P)である。前面液晶セル(4)では画素毎に旋光角(4a)が決められる。これを左右が互いに直交する偏光めがねを介して左眼画像(6L)、右眼画像(6R)として分離して見る設計になっている。
図3は実際に見える画像である。左眼画像(6L’)は特に着色が著しく、LRの分離も悪い。これはNB(Normally Black)モード特有の問題である。視角を変えると色が大幅に変化する。これはNW(Normally White)モードでも起こる視角による画像劣化がより顕著に現れたものと考えられる。右眼画像(6R’)にも左眼画像ほどではないが着色、分離不良が認められる。
図4にiZ3D立体視ディスプレイの詳細構造を示しその欠陥の原因を調べる。後面液晶表示板自体は一般に使用されているものでそれ自体に問題はないがあえて分解図を示した。後面TN液晶セルと前面液晶セルは同一の部材である。図4の構成では前面液晶セルへの入射偏光軸は後面液晶セルへのそれと90°違っている。
図5はNBモードに現れる画質劣化を解決する手段を示す。すなわち90°逆旋光フィルム(7)と元の向きから90°回転させた偏光板を張り合わせ、これを左眼画像すなわちNB画像のためのめがねとする。逆旋光フィルムは液晶を材料としておりTN液晶セルの捩れに起因する複屈折を見事に相殺する。
次に右眼画像(6R’)の着色に注目する。前面液晶セルの入射光側に光軸を合わせて90°逆旋光フィルムを置くと右眼画像の着色現象は解消する。これは入射偏光軸と液晶板のラビング方向の関係を平行から直交に変えること(すなわちO−モードにすること)と等価である。
偏光めがねなしで見る画像は奥の液晶表示板(2)の画像であるが、この画像には「ぼけ」が存在する。これは拡散板(3)の影響である。拡散板(3)は重ねた液晶セルによって生じるモアレを打ち消すために挿入されているが、モアレ抑制限界のヘイズ値を探さねばならない。拡散板はコントラストも低下させる。これは偏光を乱すためである。この対策はもう一枚偏光板を追加する事で解決する。
偏光めがねをかけないで見たときの奥の液晶画像は視角による画像劣化はほとんどない。しかるに偏光めがねをかけたときの画像(前面画像+後面画像)は視角による影響が大きい。図4を見れば理由は明らかである。奥の液晶セルは視角補償フィルムで挟まれているのに対し前面の液晶セルには何の対策もされていないからである。このような構造になった理由の1つとして視角補償フィルムは単体では入手が困難で通常偏光板メーカーから複合品として購入せざるをえない事がある。その複合品もO−モード用しか生産されていないのである。
図6に本発明の構成を示す。〔0012〕で拡散板を省略できる方法について述べたが本図では入れておいた。拡散板のヘイズ値にこだわる時、拡散板を使用した方が簡単ということもある。偏光板(+45°)(4a)はコントラスト改善用である。視角補償フィルム(4b,4d)の塗布方向および前面TN液晶セル(4c)のラビング方向は後面液晶表示板のそれらに対して直交の関係にある。偏光めがねは左の偏光板に90°逆旋光フィルムを光軸を合わせて貼り合わせる。
発明の効果
本発明は以下の効果を生み出す。
1.ノーマリー・ブラック画像(左眼画像)の強い着色現象を解消する。
2.ノーマリー・ホワイト画像(右眼画像)の弱い着色現象を解消する。
3.視角による画質劣化を解決する。
4.コントラスト劣化を改善する。
iZ3D立体視方式の構成 画面手前に表示した円盤 偏光めがねで見た実際の左右の画像 iZ3Dディスプレイの詳細構造 ノーマリー・ブラック・モードの画質改善 改良した立体視ディスプレイの構成
符号の説明
1.バックライト
2.後面液晶表示板
2LR.後面液晶表示板に表示したLR重畳画像(裸眼画像)
2P.後面液晶表示板の偏向の向き
2a.偏光板(−45°)
2b.視角補償フィルム(+45°)
2c.後面TN液晶セル
2d.視角補償フィルム(−45°)
2e.偏光板(+45°)
3.モアレ防止拡散板
4.前面TN液晶セル
4a.偏光板(+45°)
4b.視角補償フィルム(−45°)
4c.視角補償フィルム(−135°)
4r.前面TN液晶セルの旋光角(入射偏光軸に対して)
5.偏光めがね
5L.左(NB)
5R.右(NW)
5L’.偏光めがね(左眼)の偏光の向き
5R’.偏光めがね(右眼)の偏光の向き
6L.設計上の左眼画像
6R.設計上の右眼画像
6L’.左眼画像(NB)
6R’.右眼画像(NW)
7.90°逆旋光フィルム

Claims (4)

  1. 2枚重ねで構成されるTN(Twisted Nematic)型液晶板において、前面の液晶板の入射光側配向膜のラビング方向を入射偏光軸と直交させた立体視ディスプレイ。
  2. 前面のTN液晶板の裏面に視角補償フィルム付き偏光板を張り合わせた上記立体視ディスプレイ。
  3. 前面のTN液晶板の表面に視角補償フィルムを張り合わせた上記立体視ディスプレイ。
  4. めがねの片方の偏光板に光学軸を合わせて90°逆旋光フィルムを張り合わせた偏光めがね。
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