JP2006317387A - 距離測定装置及び工作機械 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 距離測定装置1を、非測定対象物3Aとの距離に応じて誘導性インダクタンスが変化する変位センサ10と、変位センサに交流信号を供給する発振回路であって供給する交流信号の周波数を変更することが可能な発振回路20と、異なる周波数の交流信号を印加された変位センサに現れる信号レベルの違いから変位センサ10の誘導性インダクタンスを測定するインダクタンス測定手段80と、測定された誘導性インダクタンスに基づき非測定対象物との距離を測定する距離測定手段90と、を備える。
【選択図】 図1
Description
上記の変位センサに渦電流センサを使用することが可能である。
これにより変位センサが含まれるアナログ回路を、共振状態で使用して、測定を要する全ての周波数にて変位センサの検出分解能を高めることが可能である。すなわち、インピーダンス調整回路は、変位センサとインピーダンス回路とから成る回路が、共振回路となるように調整することとしてよい。なお、上記インピーダンス調整回路は、上記インピーダンス回路の内部インピーダンス抵抗をディジタル制御してもよく、またはインピーダンス調整回路を同等の機能を有するアナログ回路で構成して、アナログ制御してもよい。
このとき、インピーダンス調整回路は、変位センサに現れる信号レベルを検出しながらインピーダンス回路の内部インピーダンス定数を調整して、変位センサに現れる信号レベルが所定の範囲内の値となるように調整してもよい。
また、インピーダンス回路を、容量値が上記制御信号によって調整可能な可変容量素子を備えて構成してもよい。
工作機械1は、工具(ツール)2が取り付けられたツールホルダ3を装着するための主軸4と、ツールホルダ3のツールフランジ3Bの外周面との距離を測定するための変位センサ10と、変位センサに交流の駆動信号(励磁信号)を供給するためのアンプユニット20と、を備える。
さらに、アンプユニット20は、変位センサ10に現れる信号レベルを検出するための検波回路70と、変位センサ10に交流の駆動信号を供給する発振回路60が設けられる。
また、発振回路60が生じる交流信号は、正弦波信号、方形波信号、鋸波信号などの様々な交流信号を採用することが可能である。
ステップS1において、図1に示すインダクタンス測定部82は、インクリメント変数iに1を設定し、次のステップS2において、予めメモリ81に記憶していたn個の周波数のうちからその第1番目の周波数f1を選択し、この周波数f1を周波数変更部83に指示する。周波数変更部83は、この周波数f1に対応する周波数設定信号を発振回路60に出力する。これにより発振回路60は周波数f1の交流信号を駆動信号として渦電流センサ10に印加する。
ステップS4において、予めメモリ81に記憶していたn個の周波数fi(i=1〜n)の全てのそれぞれについて、周波数fiの交流信号を駆動信号として渦電流センサ10に印加し、そのとき渦電流センサ10に現れる信号の振幅値等Viを測定したか否かを判定する。
その結果、まだ全て測定していない場合には、インクリメント変数iに1だけ増加して(ステップS6)、記憶していたn個の周波数のうちからその第i番目の周波数fiを選択し、この周波数fiを周波数変更部83に指示することにより、渦電流センサ10に印加する交流信号の周波数をfiに変更する(ステップS6)。
そして、予めメモリ81に記憶していたn個の周波数の全てについて、渦電流センサ10に現れる信号の振幅値Viの測定が完了するまで、周波数fiを掃引(スイープ)させながら、上記ステップS3〜S6を繰り返す。
インダクタンス測定部82によるインダクタンス計算は、例えば、発振回路60による交流信号が印加される回路構成に基づいて、この交流信号が印加されたときに、未知のインダクタンスL、容量C及び抵抗Rを有する渦電流センサ10に現れる信号に関する数式を導出して、異なる周波数f1〜fnについて測定した渦電流センサ10に現れる各信号値と、そのときの周波数f1〜fnとを、上記数式に代入した連立方程式を解くことによって行うことができる。
例えば、渦電流センサ10について予め知られている、ツールフランジ3Bと渦電流センサ10との間の間隔と、そのときのセンサ10が呈するインダクタンスと、の間の特性式を、メモリ81に予め保持しておき、距離算出部85がこの特性式に基づいて距離を算出することとしてよい。
また例えば、ツールフランジ3Bとセンサ10との間の間隔を変えて、そのときのセンサ10のインダクタンスを予め測定して、その測定結果をテーブル形式などでメモリ81に保持しておき、これを距離算出部85が読み出して距離を求めることとしてもよい。
このとき、マイコン80は、渦電流センサ10に現れる交流信号をアナログ・ディジタル変換器(図示せず)を介して読み取り、各周波数f1〜fnの信号成分をそれぞれ抽出して、各周波数f1〜fn成分ごとの信号レベルを求めることにより、異なる周波数f1〜fnの交流信号を印加された、渦電流センサ10のインダクタンスを一度に測定することとしてもよい。
まずステップS11において、図1に示すインダクタンス測定部82は、予め設定された掃引範囲fs〜feの開始周波数fsに対応する周波数設定信号を、発振回路60に出力する。これにより発振回路60は周波数fsの交流信号を駆動信号として渦電流センサ10に印加する。
ステップS13において、上記掃引範囲fs〜feの全てにおいて発振回路60の発振周波数fを掃引したか否かを判定する。
掃引範囲fs〜feの全てにおいて掃引を完了すると、処理はステップS15に進み、ここで、インダクタンス測定部82は、交流信号の周波数の変化に対する、渦電流センサ10に現れる信号レベルVの変化、すなわち微分値dV/dω(ω=2πf)を算出する。
そして導出した算出式に、ステップS15で算出した微分値dV/dωを代入することによって、渦電流センサ10のインダクタンス成分Lを算出することができる。
ステップS18において、異常判定部86が、距離算出部85が測定した渦電流センサ10からツールフランジ3Bの外周面との距離に基づき、ツールホルダ3の主軸4への装着状態の異常を判定する。
図7は、渦電流センサ10が接続されたセンサ駆動回路21の第1構成例を示す構成図である。図示する構成例では、同調用回路40は、発振回路60及び渦電流センサ10と並列に接続される可変容量回路C1と、発振回路60及び渦電流センサ10と直列に接続される可変容量回路C2とを備えている。
そのため、可変容量回路C1及び可変容量回路C2は、渦電流センサ10と同調用回路40とから成る回路が、発振回路60が供給する交流信号に対して共振回路となるように適切な容量値に調整される。
なお、調整時は周辺金属が無い状態以外でもよい。例えば所定の金属ブロックを取り付けて調整を行ってもよい。また、調整時の電圧レベルはd=∞時に最大でなくてもよい。例えばあるギャップ時に最大となるように調整してもよい。また、距離や調整容量の微分係数により調整してもよい。さらに、センサ駆動回路21の内部回路の構成によっては、渦電流センサ10に現れる信号の電圧レベルVの調整ポイントを最大値に限らず、最小値やある特定の電圧時としてもよい。
そこで、本発明に係る工作機械1におけるアンプユニット20のセンサ駆動回路21では、図6及び図7に示すとおり、同調用回路40の内部インピーダンス定数を自動的に調整するインピーダンス調整回路50を備えている。
インピーダンス調整部50は、インダクタンス測定部82によって発振回路60の発振周波数が変更されたとき、インダクタンス測定部82から発振回路60の発振周波数を取得する。そして取得した発振周波数に応じて、可変容量回路C1及びC2へ出力するディジタル信号の値を変更することにより、これら可変容量回路C1及びC2の各々の容量値を変更する。それにより渦電流センサ10と同調用回路40とから成る回路が、常に現在の発振回路60の発振周波数に対して共振状態になるように、センサ駆動回路21を調整する。なお、上記同調用回路の可変容量回路C1及びC2は、ディジタル信号だけでなく、アナログ信号によってインピーダンス定数の切り替えを行うように構成されてもよい。
このようなC1及びC2の容量の値は、以下に説明するフローチャートに従って予め取得して記憶しておくことが可能である。
次に、ステップS22において、予め設定された掃引範囲fs〜feの開始周波数fsに対応する周波数設定信号を、発振回路60に出力する。これにより発振回路60は周波数fsの交流信号を渦電流センサ10に印加する。
この状態で、インピーダンス調整部50は、電圧測定器51によって渦電流センサ10に現れる信号の振幅(または信号レベル)Vを測定する(ステップS23)。
例えば、インピーダンス調整部50は、それまでに可変容量回路C1を変化させて測定した電圧レベルVの履歴から、今回測定した電圧レベルVの値が最大値や最小値であるか否かを判定する(電圧レベルVの値が最大値及び最小値のいずれであるかを判定するかは、渦電流センサ10と同調用回路40とを含む回路の回路構成に因る)。
従って、インピーダンス調整部50は、可変容量回路C1を変化させて測定した電圧レベルVの変化率が所定値以下であるか、予め回路が共振状態にあるときに測定されると予想される電圧レベルVの変化率の所定範囲であるか否かを判定する。
あるいは、それまでに可変容量回路C2を変化させて測定した電圧レベルVの履歴から今回測定した電圧レベルVの値が最小値であるか否かを判定することにより、可変容量回路C2の変化について電圧レベルVの値が最小値となるように、可変容量回路C2を調整してもよい。電圧レベルVの値を最大値及び最小値のいずれに調整するかは、渦電流センサ10と同調用回路40とを含む回路の回路構成に因る。
その結果、まだ掃引範囲fs〜feの全てにおいて掃引を完了していない場合には、ステップS30で所定のステップ幅だけ発振回路60の発振周波数を変更しながらステップS22〜S30を繰り返し、発振回路60の発振周波数を掃引する。
このようにして、発振回路60の掃引範囲fs〜fe内の各発振周波数fに対して、変位センサ10と同調用回路40とから成る回路が共振状態となる可変容量回路C1及びC2を取得する。
なお、図7に示す同調用回路40の構成は例示であり、これに限定されるものではない。したがって同調用回路40は、変位センサ10と発振回路60との間に接続されて、内部インピーダンス定数の値を調整することにより、発振回路60が生じる交流信号に対して変位センサ10とともに共振回路を成すことが可能な回路であればいかなる構成で実現してもよい。
なお、可変誘導回路の抵抗成分への影響を低減するために、アナログスイッチASWには、各接点抵抗が約10Ω以下の低い抵抗値を有するものを使用することが好適である。ただし、並列に接続される各容量素子L11、L12、L13…L1nのうち、比較的大きな値の素子に接続される接点については、低い接点抵抗のアナログスイッチを使用しなくともよい。
しかし、このようにディスクリートデバイスを可変抵抗素子として使用する場合には、ディスクリートデバイスの温度などの要因によってその抵抗値が変動しやすく、その影響で可変容量回路の容量値が変動してしまうおそれがある。
したがって、この場合にはアンプユニット20を図14に示すように構成し、ディスクリートデバイスの抵抗値の変動を補償する補償回路を設けることが望ましい。
また、重畳する周波数は2つに限られずそれ以上の周波数を重畳してモニタ信号に使用してもよい。
2 工具
3 ツールホルダ
3B ツールフランジ
4 主軸
10 変位センサ
20 アンプユニット
21 センサ駆動回路
70 検波回路
84 インダクタンス測定部
85 距離算出部
Claims (18)
- 被測定対象物との距離に応じてインダクタンスが変化する変位センサを備え、駆動信号が印加された前記変位センサに現れる信号レベルを検出して、前記被測定対象物との距離を測定する距離測定装置において、
前記変位センサに駆動信号を供給する発振回路であって、供給する駆動信号の周波数を可変とする発振回路と、
前記駆動信号の周波数を可変とすることにより前記変位センサに現れる信号レベルの違いから、前記変位センサのインピーダンスを抽出するインピーダンス測定手段と、
前記の抽出されたインピーダンスに基づき、前記被測定対象物との距離を測定する距離算出手段と、
を備えることを特徴とする距離測定装置。 - 前記インピーダンス測定手段は、前記駆動信号の周波数を可変とすることにより、該周波数における前記変位センサのインピーダンスを変化させることを特徴とする請求項1に記載の距離測定装置。
- 前記インピーダンス測定手段は、前記駆動信号の周波数を可変とすることにより、該周波数における前記変位センサの抵抗成分を変化させることを特徴とする請求項2に記載の距離測定装置。
- 前記インピーダンス測定手段は、
前記発振回路により前記変位センサに供給される前記駆動信号の周波数を、複数の周波数に変更する周波数変更手段と、
前記複数の周波数の各々が印加されたときに、前記変位センサに現れる前記信号レベルから、所定の算出方法に従って前記変位センサのインピーダンスを算出するインピーダンス算出手段と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の距離測定装置。 - 前記発振回路は、前記複数の周波数の駆動信号を重畳させて前記変位センサに供給することを特徴とする請求項4に記載の距離測定装置。
- 前記発振回路が供給する駆動信号には、直流信号が含まれることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の距離測定装置。
- 前記インピーダンス測定手段は、
前記発振回路により前記変位センサに供給される前記駆動信号の周波数を掃引する周波数変更手段と、
前記駆動信号の周波数変化に対する、前記変位センサに現れる前記信号レベルの変化から、所定の算出方法に従って前記変位センサのインピーダンスを算出する、インピーダンス算出手段と、
を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の距離測定装置。 - 前記変位センサは、渦電流センサであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の距離測定装置。
- 前記インピーダンス算出手段は、前記変位センサのインダクタンスを算出することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の距離測定装置。
- 前記変位センサに接続されて、前記変位センサとともに共振回路を成すためのインピーダンス回路であって、その内部インピーダンス定数が調整可能なインピーダンス回路と、
前記インピーダンス回路の内部インピーダンス定数を調整する制御信号を出力するインピーダンス調整回路と、
を備えることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の距離測定装置。 - 前記制御信号は、ディジタル信号であることを特徴とする請求項10に記載の距離測定装置。
- 前記インピーダンス調整回路は、前記変位センサと前記インピーダンス回路とから成る回路が、共振回路となるように調整することを特徴とする請求項10又は11に記載の距離測定装置。
- 前記インピーダンス調整回路は、前記変位センサに現れる信号レベルを検出しながら前記インピーダンス回路の内部インピーダンス定数を調整して、前記内部インピーダンス定数の変化に対する前記信号レベルの変化率を所定の範囲内の値とすることを特徴とする請求項10又は11に記載の距離測定装置。
- 前記インピーダンス調整回路は、前記変位センサに現れる信号レベルを検出しながら前記インピーダンス回路の内部インピーダンス定数を調整して、前記変位センサに現れる信号レベルを最大値とすることを特徴とする請求項10又は11に記載の距離測定装置。
- 前記インピーダンス調整回路は、前記変位センサに現れる信号レベルを検出しながら前記インピーダンス回路の内部インピーダンス定数を調整して、前記変位センサに現れる信号レベルを最小値とすることを特徴とする請求項10又は11に記載の距離測定装置。
- 前記インピーダンス調整回路は、前記変位センサに現れる信号レベルを検出しながら前記インピーダンス回路の内部インピーダンス定数を調整して、前記変位センサに現れる信号レベルを所定の範囲内の値とすることを特徴とする請求項10〜15のいずれか一項に記載の距離測定装置。
- 前記インピーダンス回路は、容量値が前記制御信号によって調整可能な可変容量回路を備える請求項10〜16のいずれか一項に記載の距離測定装置。
- 請求項1〜17のいずれか一項に記載の距離測定装置と、回転駆動する主軸と、工具が取り付けられるツールホルダと、を備え、該ツールホルダが装着される前記主軸を回転駆動させてワークを加工する工作機械であって、
前記距離測定装置によって、前記主軸に装着した前記ツールホルダのフランジ外周面までの距離を測定して、前記ツールホルダの前記主軸への装着状態の異常を判定することを特徴とする工作機械。
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