JP4557792B2 - 距離測定装置及び工作機械 - Google Patents

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Description

本発明は、回転軸を有する工作機械において、ツールホルダの装着状態の異常を判定するために、ツールホルダまでの距離を測定する距離測定装置、及びこのような距離測定装置を備える工作機械に関するものであり、特に、マシニングセンタ(以下、「MC」と略称でいう)のように、ツールホルダを自動的に交換する工作機械において使用される、ツールホルダまでの距離を測定する距離装置に関する。
MCは、加工工程に従って各種工具を自動的に選択し、主軸に自動で装着して多種類の加工を行う装置である。このMCにおいて、工具の交換は自動工具交換(ATC:オートツールホルダチェンジ)装置で行われる。このATC装置は、工具が取り付けられたツールホルダを、工具マガジンから自動で取り出し、主軸に自動で装着する装置である。
図15は、主軸4へツールホルダ3を装着した状態を示す断面図である。同図に示されるように、ツールホルダ3は、円錐状の嵌合部3Aを有しており、この嵌合部3Aを主軸4に形成された円錐状の被嵌合部4Aに嵌合させて装着される。
この手順は、以下のようになる。軸杆90を右方に引っ張ることにより、これに伴ってボール保持体91及びボール92が移動する。ボール92の移動により、プルスタッド(ドローイングボルト)93が引っ張られ、これによって、ツールホルダ3の円錐状の嵌合部3Aが主軸4の円錐状の被嵌合部4Aに押し付けられる。この押し付けられた圧力により、嵌合部3Aが被嵌合部4Aと密着して装着(チャッキング)がなされる。
図16は、工具2を把持するツールホルダ3の装着状態を示す説明図である。通常は、ツールホルダ3の装着が適正になされ、同図の(A)に示されるような状態となる。ところが、同図の(B)に示されるように、この嵌合部分に切り屑94などが付着すると、軸が曲がって装着される。そして、この状態で加工を行うと、工具2に振れが発生し、ワークの加工精度が低下するという欠点がある。
このようなツールホルダ3のチャックミスの有無を自動で検出する技術として、ツールホルダ3のツールフランジ3Bまでの距離を、渦電流センサなどの変位センサにより測定し、この測定データに基づいて、ツールホルダ3の主軸4への装着状態の異常を判定する提案が、本願出願人によりなされている(例えば、下記特許文献1〜4)。
特開2004−276145 特開2004−42208 特開2003−334742 特開2002−200542
上記特許文献1〜4に開示される異常判定方法では、ツールフランジ3Bまでの距離に応じて渦電流センサ10のインダクタンスが変化するので、交流信号を渦電流センサ10に印可して、この渦電流センサ10に現れる信号の電圧レベルの変化を検出することにより、ツールフランジ3Bまでの距離を測定する。
この渦電流センサ10は、コイルで構成され主にインダクタンス成分を有する電気的素子であるが、抵抗成分や容量成分も含まれ、この抵抗成分及び容量成分が測定を行う環境などによって変動する。例えば、渦電流センサ10により渦電流を生じる検査対象物内部の導電率の変動は、渦電流センサ10の抵抗成分に影響を与え、また、渦電流センサ10と検査対象物との間に存在する水分などの誘電体は、渦電流センサ10の容量成分に影響を与える。
これら抵抗成分や容量成分の変動は、渦電流センサ10に現れる信号の電圧レベルに変動をもたらすが、必ずしも測定対象までの距離の変化には起因しないので、測定結果の精度低下の原因となる。しかしながら、従来の測定方法では、このような測定環境により変動する渦電流センサ10の抵抗成分や容量成分の変動を考慮していなかった。
上記の問題点に鑑みて、本発明は、渦電流センサ10のような、被測定対象物との距離に応じてインダクタンスが変化する変位センサに現れる信号レベルを検出して、前記被測定対象物との距離を測定する距離測定装置において、高精度な距離測定を実現可能とすることを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明では、異なる周波数の交流信号を変位センサに印加して、変位センサに現れる信号レベルを検出し、それぞれ検出した信号レベルの違いから、変位センサのインピーダンスを測定する。そして、この取り出されたインピーダンスに基づき、被測定対象物との距離を算出する。
すなわち、本発明の第1形態に係る距離測定装置は、被測定対象物との距離に応じてインダクタンスが変化する変位センサを備え、駆動信号が印加された変位センサに現れる信号レベルを検出して被測定対象物との距離を測定する。この距離測定装置は、変位センサに駆動信号を供給する発振回路であって供給する駆動信号の周波数を可変とする発振回路と、駆動信号の周波数を可変とすることにより変位センサに現れる信号レベルの違いから、変位センサのインピーダンスを抽出するインピーダンス測定手段と、抽出されたインピーダンスに基づき、被測定対象物との距離を測定する距離算出手段と、を備えて構成される。
変位センサに印加される駆動信号の周波数が変化することにより、その周波数における変位センサの抵抗成分などのインピーダンスが変化するため、インピーダンス測定手段は、このインピーダンスの変化に応じた信号レベルの違いから変位センサのインピーダンスを抽出する。
インピーダンス測定手段によるインピーダンスの測定は、発振回路の供給交流信号の周波数を変更して、複数の周波数の交流信号を順次変位センサに供給し、このときに変位センサに現れる各々の信号レベルから、所定の算出方法に従って変位センサのインピーダンスを算出することとしてよい。
このとき、発振回路は複数の周波数の駆動信号を重畳させて変位センサに供給し、インピーダンス測定手段は、変位センサに現れる各々の周波数の信号をそれぞれ抽出して、それぞれの信号レベルから変位センサのインピーダンスを算出することとしてよい。そして、発振回路が供給する駆動信号には、直流信号が含まれることとしてもよい。
インピーダンス測定手段は、発振回路により変位センサに供給される駆動信号の周波数を掃引し、駆動信号の周波数変化に対する、変位センサに現れる信号レベルの変化から、所定の算出方法に従って変位センサのインピーダンスを算出することとしてもよい。
上記の変位センサに渦電流センサを使用することが可能である。
また、本発明による距離測定装置を、変位センサに接続されて、変位センサとともに共振回路を成すためのインピーダンス回路であって、その内部インピーダンス定数が制御信号(コントロール信号)によって調整可能なインピーダンス回路と、インピーダンス回路の内部インピーダンス定数を調整する制御信号を出力するインピーダンス調整回路と、を備えて構成してもよい。
これにより変位センサが含まれるアナログ回路を、共振状態で使用して、測定を要する全ての周波数にて変位センサの検出分解能を高めることが可能である。すなわち、インピーダンス調整回路は、変位センサとインピーダンス回路とから成る回路が、共振回路となるように調整することとしてよい。なお、上記インピーダンス調整回路は、上記インピーダンス回路の内部インピーダンス抵抗をディジタル制御してもよく、またはインピーダンス調整回路を同等の機能を有するアナログ回路で構成して、アナログ制御してもよい。
このとき、インピーダンス調整回路は、変位センサに現れる信号レベルを検出しながらインピーダンス回路の内部インピーダンス定数を調整して、内部インピーダンス定数の変化に対する信号レベルの変化率を所定の範囲内の値とするように調整するか、変位センサに現れる信号レベルが最大値又は最小値となるように調整する。変位センサに現れる信号レベルが最大値及び最小値のいずれとなるように調整するかは、変位センサとインピーダンス回路とから成る回路の回路構成に因る。
このとき、インピーダンス調整回路は、変位センサに現れる信号レベルを検出しながらインピーダンス回路の内部インピーダンス定数を調整して、変位センサに現れる信号レベルが所定の範囲内の値となるように調整してもよい。
また、インピーダンス回路を、容量値が上記制御信号によって調整可能な可変容量素子を備えて構成してもよい。
また、本発明の第2形態に係る工作機械は、回転駆動する主軸と、工具が取り付けられるツールホルダと、を備え、該ツールホルダが装着される前記主軸を回転駆動させてワークを加工する工作機械であって、上記第1形態に係る距離測定装置によって、前記主軸に装着した前記ツールホルダのフランジ外周面までの距離を測定して、前記ツールホルダの前記主軸への装着状態の異常を判定する。
本発明により、変位センサに現れる信号レベルから、変位センサのインダクタンス成分のみを抽出して測定することが可能となる。これにより変位センサの抵抗成分や容量成分が測定結果に及ぼす影響を除去し、高精度な距離測定を実現可能とする。
以下、添付する図面を参照して本発明の実施例を説明する。図1は、本発明に係る工作機械の第1実施例の概略構成図である。
工作機械1は、工具(ツール)2が取り付けられたツールホルダ3を装着するための主軸4と、ツールホルダ3のツールフランジ3Bの外周面との距離を測定するための変位センサ10と、変位センサに交流の駆動信号(励磁信号)を供給するためのアンプユニット20と、を備える。
アンプユニット20は、変位センサ10により得られた信号からツールフランジ3Bの外周面との距離を測定する動作を行うマイコン80と、マイコン80上で動作するプログラムや、このプログラムの実行のために使用される各種データや、その他作業データ等を保持するためのメモリ81と、を備える。
さらに、アンプユニット20は、変位センサ10に現れる信号レベルを検出するための検波回路70と、変位センサ10に交流の駆動信号を供給する発振回路60が設けられる。
変位センサ10としては、渦電流センサのような、測定対象との間の距離にしたがってインピーダンスが変化するセンサが使用される(以下、例として、変位センサ10はインダクタンスが変化する渦電流センサであるとして説明を行う)。変位センサ10は、主軸4が取り付けられたヘッド5にブラケット6を介して取り付けられる。
発振回路60は、後述のインダクタンス測定部82から出力される周波数設定信号に応じて、様々な周波数の駆動信号を渦電流センサ10に供給できるように、供給する交流電流の周波数を変更することが可能である。
このような発振回路60としては、周波数や振幅などの交流波形に関する情報を、ディジタル形式の信号で入力することにより、所望の発振波形を出力することが可能なプログラマブル波形発生器のようなディジタル発振回路を使用することとしてよく、又は信号値や符号が周期的に変化するディジタル信号を生成させるディジタル交流信号生成回路と、このディジタル信号をアナログ交流信号に変換するDA変換器(以下「DAC」と記す)やディジタルポテンショメータと、により構成してもよい。
また、発振回路60が生じる交流信号は、正弦波信号、方形波信号、鋸波信号などの様々な交流信号を採用することが可能である。
検波回路70は、渦電流センサに現れる信号電圧を整流する整流回路71と、整流された信号の高周波成分を取り除き直流成分を取り出すためのフィルタ回路72と、フィルタ回路72を通過したアナログ電圧信号をディジタル信号に変換するためのアナログ・ディジタル変換器(ADC)73とを備えて構成されており、渦電流センサ10に現れる交流の信号電圧の振幅値(又は信号レベル)を示すディジタル信号を生成して、後述のインダクタンス測定部82へ出力する。
図2に、図1に示すマイコン80及びメモリ81によって実現される機能モジュールを示す。これら機能モジュールは、検波回路70によって検出した上記信号レベルから渦電流センサ10のインダクタンスを測定するための、本発明に係るインピーダンス測定手段であるインダクタンス測定部82と、インダクタンス測定部82によって測定された渦電流センサ10のインダクタンスに基づき、渦電流センサ10からツールホルダ3のツールフランジ3Bの外周面までの距離を測定する距離算出部85と、距離算出部85の測定結果に基づきツールホルダ3の主軸4への装着状態の異常を判定して、工作機械1の動作を司る数値制御(NC)装置100へ出力する異常判定部86と、から成る。
さらに、インダクタンス測定部82は、アンプユニット20内の発振回路60に周波数設定信号を出力する周波数変更部83と、検波回路70が検出した渦電流センサ10に現れる交流の信号電圧の振幅値等から渦電流センサ10のインダクタンスを算出するインダクタンス算出部84と、を備えて構成する。
なお図1において、インダクタンス測定部82、距離算出部85、及び異常判定部86を、単一のプロセッシングユニットを備える単一のハードウエア回路により実行される機能モジュールとして示したが、これら構成要素をそれぞれ個別の回路に分けて構成してもよい。さらにこれらの構成要素は、ディジタル回路によって実現されるだけでなく、上記の機能を実現するアナログ回路で構成してもよい。
図3は、インダクタンス測定部82及び距離算出部85による距離測定方法の第1例を示すフローチャートである。
ステップS1において、図1に示すインダクタンス測定部82は、インクリメント変数iに1を設定し、次のステップS2において、予めメモリ81に記憶していたn個の周波数のうちからその第1番目の周波数f1を選択し、この周波数f1を周波数変更部83に指示する。周波数変更部83は、この周波数f1に対応する周波数設定信号を発振回路60に出力する。これにより発振回路60は周波数f1の交流信号を駆動信号として渦電流センサ10に印加する。
ステップS3において、インダクタンス測定部82は、検波回路70を介して、周波数f1の交流信号が印加された渦電流センサ10に現れる信号の振幅値(又は信号レベル)V1を読み込み、その値をメモリ81に記憶する。
ステップS4において、予めメモリ81に記憶していたn個の周波数fi(i=1〜n)の全てのそれぞれについて、周波数fの交流信号を駆動信号として渦電流センサ10に印加し、そのとき渦電流センサ10に現れる信号の振幅値等Viを測定したか否かを判定する。
その結果、まだ全て測定していない場合には、インクリメント変数iに1だけ増加して(ステップS6)、記憶していたn個の周波数のうちからその第i番目の周波数fiを選択し、この周波数fiを周波数変更部83に指示することにより、渦電流センサ10に印加する交流信号の周波数をfiに変更する(ステップS6)。
そして、予めメモリ81に記憶していたn個の周波数の全てについて、渦電流センサ10に現れる信号の振幅値Viの測定が完了するまで、周波数fiを掃引(スイープ)させながら、上記ステップS3〜S6を繰り返す。
このように、予めメモリ81に記憶していたn個の周波数の全てについて測定が完了すると、処理はステップS7に進み、ここで、インダクタンス測定部82は、異なる周波数f1〜fnの交流信号を印加された、渦電流センサ10のインダクタンスを測定する。
インダクタンス測定部82によるインダクタンス計算は、例えば、発振回路60による交流信号が印加される回路構成に基づいて、この交流信号が印加されたときに、未知のインダクタンスL、容量C及び抵抗Rを有する渦電流センサ10に現れる信号に関する数式を導出して、異なる周波数f1〜fnについて測定した渦電流センサ10に現れる各信号値と、そのときの周波数f1〜fnとを、上記数式に代入した連立方程式を解くことによって行うことができる。
例えば、渦電流センサ10の等価回路を、図4の等化回路図に示すように未知のインダクタンスL、容量C及び抵抗Rの直列接続であると仮定し、発振回路60により、振幅Eiで、角周波数がωi(=2πfi)の交流信号を渦電流センサ10に印加した場合、センサに振幅値V1〜Vnの信号が現れたとき、次式(1)、
i=|jωiL+1/(jωiC)+R|×Ei (i=1〜n) …(1)
で示される連立方程式を解くことにより、インダクタンスL、容量C及び抵抗Rの値を算出することが可能である。
上記算出式は、説明の簡単のため発振回路60に渦電流センサ10のみが接続される場合について説明した。実際のアンプユニット20では、後述するように、渦電流センサ10が含まれるアナログ回路を共振状態で使用して、渦電流センサ10の検出分解能を高めるために、渦電流センサ10と発振回路60との間に同調用回路40を接続する。このような場合においても、インダクタンスを算出するための連立方程式を、発振回路60及び渦電流センサ10が含まれる回路全体の回路構成に応じて容易に導出できることは、当業者に容易に理解できるであろう。
その後、ステップS8において、距離算出部85は、インダクタンス測定部82が測定した渦電流センサ10のインダクタンスに基づいて、渦電流センサ10からツールフランジ3Bの外周面との距離を測定する。
例えば、渦電流センサ10について予め知られている、ツールフランジ3Bと渦電流センサ10との間の間隔と、そのときのセンサ10が呈するインダクタンスと、の間の特性式を、メモリ81に予め保持しておき、距離算出部85がこの特性式に基づいて距離を算出することとしてよい。
また例えば、ツールフランジ3Bとセンサ10との間の間隔を変えて、そのときのセンサ10のインダクタンスを予め測定して、その測定結果をテーブル形式などでメモリ81に保持しておき、これを距離算出部85が読み出して距離を求めることとしてもよい。
ステップS9では、異常判定部86が、距離算出部85が測定した渦電流センサ10からツールフランジ3Bの外周面との距離に基づき、ツールホルダ3の主軸4への装着状態の異常を判定する。例えば、異常判定部86は、測定距離が所定の距離内であるか否かを判断して、ツールホルダ3の装着の有無を判定してもよく、または主軸4を回転させながら測定した距離の変動を検出して、ツールホルダ3の偏心の有無を判定してもよい。
また、図3に示す距離測定方法では、複数の周波数f1〜fnの駆動信号を順次渦電流センサ10に印加したが、これに代えて、上記発振回路60がこれら複数の周波数f1〜fnの信号を重畳した駆動信号を渦電流センサ10に印加することとしてもよい。
このとき、マイコン80は、渦電流センサ10に現れる交流信号をアナログ・ディジタル変換器(図示せず)を介して読み取り、各周波数f1〜fnの信号成分をそれぞれ抽出して、各周波数f1〜fn成分ごとの信号レベルを求めることにより、異なる周波数f1〜fnの交流信号を印加された、渦電流センサ10のインダクタンスを一度に測定することとしてもよい。
さらに、上記の複数の周波数f1〜fnの駆動信号には、直流信号(すなわち周波数f=0)を含めることとしてもよい。
図5は、インダクタンス測定部82及び距離算出部85による距離測定方法の第2例を示すフローチャートである。図5に示す方法では、交流信号の周波数の変化ステップを細かくして、ほぼ無段階に交流信号の周波数を掃引しながら、渦電流センサ10に現れる信号の振幅を検出する。
まずステップS11において、図1に示すインダクタンス測定部82は、予め設定された掃引範囲fs〜feの開始周波数fsに対応する周波数設定信号を、発振回路60に出力する。これにより発振回路60は周波数fsの交流信号を駆動信号として渦電流センサ10に印加する。
ステップS12において、インダクタンス測定部82は、検波回路70を介して、周波数fsの交流信号が印加された渦電流センサ10に現れる信号の振幅値(又は信号レベル)Vを読み込み、その値をメモリ81に記憶する。
ステップS13において、上記掃引範囲fs〜feの全てにおいて発振回路60の発振周波数fを掃引したか否かを判定する。
その結果、まだ掃引範囲fs〜feの全てにおいて掃引を完了していない場合には、ステップS14で所定のステップ幅だけ発振回路60の発振周波数fを変更しながらステップS12〜S14を繰り返し、発振回路60の発振周波数fを掃引する。
掃引範囲fs〜feの全てにおいて掃引を完了すると、処理はステップS15に進み、ここで、インダクタンス測定部82は、交流信号の周波数の変化に対する、渦電流センサ10に現れる信号レベルVの変化、すなわち微分値dV/dω(ω=2πf)を算出する。
ステップS16において、インダクタンス測定部82は、上記微分値から所定の算出式にしたがって渦電流センサ10のインダクタンスを算出する。このような算出式は、上記式(1)のような、発振回路60による交流信号が印加される回路構成に基づいて導出される、発振回路60による交流信号が印加されたときに渦電流センサ10に現れる信号を求める数式を、角周波数ωについて微分することによって導出することができる。
そして導出した算出式に、ステップS15で算出した微分値dV/dωを代入することによって、渦電流センサ10のインダクタンス成分Lを算出することができる。
ステップS17において、距離算出部85は、インダクタンス測定部82が測定した渦電流センサ10のインダクタンスに基づいて、渦電流センサ10からツールフランジ3Bの外周面との距離を測定する。
ステップS18において、異常判定部86が、距離算出部85が測定した渦電流センサ10からツールフランジ3Bの外周面との距離に基づき、ツールホルダ3の主軸4への装着状態の異常を判定する。
上述の通り、実際のアンプユニット20では、渦電流センサ10が含まれるアナログ回路を共振状態で使用して、渦電流センサ10の検出分解能を高めるために、渦電流センサ10と発振回路60との間に同調用回路40を接続する。図6は、このような同調用回路40を備える本発明に係る工作機械の第2実施例の概略構成図である。
図示するとおり、アンプユニット20は、渦電流センサ10に交流信号を供給する発振回路60と、変位センサ10と発振回路60との間に接続されて、交流信号に対して渦電流センサ10とともに共振回路を成すための、本発明に係るインピーダンス回路である同調用回路40とを、有するセンサ駆動回路21を、備えている。
図7は、渦電流センサ10が接続されたセンサ駆動回路21の第1構成例を示す構成図である。図示する構成例では、同調用回路40は、発振回路60及び渦電流センサ10と並列に接続される可変容量回路C1と、発振回路60及び渦電流センサ10と直列に接続される可変容量回路C2とを備えている。
同調用回路40は、渦電流センサ10に現れる信号の電圧レベルを所望の検出精度で検出するために、渦電流センサ10と同調用回路40とからなる回路を、発振回路60から印可される交流信号(駆動信号)に対して共振させる(同調する)ために用いられる。
そのため、可変容量回路C1及び可変容量回路C2は、渦電流センサ10と同調用回路40とから成る回路が、発振回路60が供給する交流信号に対して共振回路となるように適切な容量値に調整される。
例えば、同調用回路40の可変容量回路C1と可変容量回路C2は、渦電流センサ10の周囲に金属が無い状態にして(すなわちツールフランジ3Bの外周面までの距離=∞の状態にして)、そのときに、渦電流センサ10に現れる信号の電圧レベルVが距離に対して最大値または最小値となって共振し、かつそのときの電圧レベルが所望の電圧レベル範囲内となるように、調整される(図8参照)。
なお、調整時は周辺金属が無い状態以外でもよい。例えば所定の金属ブロックを取り付けて調整を行ってもよい。また、調整時の電圧レベルはd=∞時に最大でなくてもよい。例えばあるギャップ時に最大となるように調整してもよい。また、距離や調整容量の微分係数により調整してもよい。さらに、センサ駆動回路21の内部回路の構成によっては、渦電流センサ10に現れる信号の電圧レベルVの調整ポイントを最大値に限らず、最小値やある特定の電圧時としてもよい。
しかし、図1〜図5を参照して上記説明した本発明に係る工作機械1では、インダクタンス測定の際に発振回路60が供給する交流信号の周波数を掃引するため、周波数変更により渦電流センサ10の検出分解能が低下してしまう。
そこで、本発明に係る工作機械1におけるアンプユニット20のセンサ駆動回路21では、図6及び図7に示すとおり、同調用回路40の内部インピーダンス定数を自動的に調整するインピーダンス調整回路50を備えている。
そして、可変容量回路C1及びC2を、これらの素子の外部から入力されるディジタル信号によって、その容量値を制御できるように構成する。
インピーダンス調整部50は、インダクタンス測定部82によって発振回路60の発振周波数が変更されたとき、インダクタンス測定部82から発振回路60の発振周波数を取得する。そして取得した発振周波数に応じて、可変容量回路C1及びC2へ出力するディジタル信号の値を変更することにより、これら可変容量回路C1及びC2の各々の容量値を変更する。それにより渦電流センサ10と同調用回路40とから成る回路が、常に現在の発振回路60の発振周波数に対して共振状態になるように、センサ駆動回路21を調整する。なお、上記同調用回路の可変容量回路C1及びC2は、ディジタル信号だけでなく、アナログ信号によってインピーダンス定数の切り替えを行うように構成されてもよい。
なお、以下の説明において、インピーダンス調整部50が可変容量回路C1及びC2の容量値を変更するために出力するディジタル信号を、「容量値制御信号」とよぶことがある。容量値をアナログ信号で調整する場合も同様にインピーダンス調整部50が可変容量回路C1及びC2の容量値を変更するためのアナログ信号を「容量値制御信号」とよぶ。
インピーダンス調整部50による、発振回路60の現在の発振周波数に応じた可変容量回路C1及びC2の容量の制御を可能とするために、例えば、インピーダンス調整部50は、発振回路60の各発振周波数に対して変位センサ10と同調用回路40とから成る回路が共振状態となる可変容量回路C1及びC2の容量の調整値を、発振回路60の各発振周波数ごとに記憶することとしてもよい。発振回路60の発振周波数が変更された場合、変更後の周波数に応じて記憶していた可変容量回路C1及びC2の調整値を読み出して、可変容量回路C1及びC2を調整することとしてもよい。
このようなC1及びC2の容量の値は、以下に説明するフローチャートに従って予め取得して記憶しておくことが可能である。
以下、図9及び図10を参照して、発振回路60の各発振周波数fiに対して、共振状態となる可変容量回路C1及びC2を取得する動作について説明する。ここに、図9は可変容量回路C1及びC2の決定方法のフローチャートであり、図10は可変容量回路C1及びC2の決定方法の説明図である。
まず、ステップS21において、渦電流センサ10の周囲に金属がない状態にする。本ステップによりツールフランジ3Bの外周面までの距離=∞の状態が作られる。
次に、ステップS22において、予め設定された掃引範囲fs〜feの開始周波数fsに対応する周波数設定信号を、発振回路60に出力する。これにより発振回路60は周波数fsの交流信号を渦電流センサ10に印加する。
この状態で、インピーダンス調整部50は、電圧測定器51によって渦電流センサ10に現れる信号の振幅(または信号レベル)Vを測定する(ステップS23)。
ステップS24において、インピーダンス調整部50は、渦電流センサ10と同調用回路40とを含む回路が共振状態にあるか否かを判定する。
例えば、インピーダンス調整部50は、それまでに可変容量回路C1を変化させて測定した電圧レベルVの履歴から、今回測定した電圧レベルVの値が最大値や最小値であるか否かを判定する(電圧レベルVの値が最大値及び最小値のいずれであるかを判定するかは、渦電流センサ10と同調用回路40とを含む回路の回路構成に因る)。
従って、インピーダンス調整部50は、可変容量回路C1を変化させて測定した電圧レベルVの変化率が所定値以下であるか、予め回路が共振状態にあるときに測定されると予想される電圧レベルVの変化率の所定範囲であるか否かを判定する。
ステップS24における判定の結果、回路が共振状態にある場合は、処理はステップS26に進み、回路が共振状態にない場合は、ステップS25にて、インピーダンス調整部50は可変容量回路C1に容量値指示用のディジタル信号を出力することによりその容量値を変更する。そして回路が共振状態となるまでステップS23〜S25を繰り返す。図6は、可変容量回路C1に伴う電圧レベルVの変化を示すグラフである。可変容量回路C1は、上記ステップS23〜S25によって回路が共振状態となる場合の容量Cr1に調整される。
ステップS26において、電圧レベルVの値が所定の範囲内Vt1〜Vt2となるか否かを判定する。ステップS26における判定の結果、電圧レベルVの値が所定の範囲内Vt1〜Vt2となる場合は、処理はステップS28に進む。
電圧レベルVの値が所定の範囲内にない場合は、インピーダンス調整部50は、ステップS27にて可変容量回路C2に容量値指示用のディジタル信号を出力することによりその容量値を変更する。そして電圧レベルVの値の値が所定の範囲内Vt1〜Vt2となるまで、ステップS23〜ステップS27を繰り返す。このとき、可変容量回路C2の値が変化することにより回路の共振状態が変わるため、可変容量回路C2の値が変化する度にステップS23〜ステップS25が繰り返される。
なお、ステップS26において、電圧レベルVの値が所定の範囲内Vt1〜Vt2となるか否かを判定する代わりに、それまでに可変容量回路C2を変化させて測定した電圧レベルVの履歴から今回測定した電圧レベルVの値が最大値であるか否かを判定することにより、可変容量回路C2の変化について電圧レベルVの値が最大値となるように、可変容量回路C2を調整してもよい。
あるいは、それまでに可変容量回路C2を変化させて測定した電圧レベルVの履歴から今回測定した電圧レベルVの値が最小値であるか否かを判定することにより、可変容量回路C2の変化について電圧レベルVの値が最小値となるように、可変容量回路C2を調整してもよい。電圧レベルVの値を最大値及び最小値のいずれに調整するかは、渦電流センサ10と同調用回路40とを含む回路の回路構成に因る。
上記ステップS21〜S27によって調整が終了した後、ステップS28において、インピーダンス調整部50は、ステップS23〜S27で定めた可変容量回路C1及びC2の値(又は可変容量回路C1及びC2に出力)と、そのときの発振回路60の発振周波数fと、を関連づけて記憶する。
ステップS29において、上記掃引範囲fs〜feの全てにおいて発振回路60の発振周波数fを掃引したか否かを判定する。
その結果、まだ掃引範囲fs〜feの全てにおいて掃引を完了していない場合には、ステップS30で所定のステップ幅だけ発振回路60の発振周波数を変更しながらステップS22〜S30を繰り返し、発振回路60の発振周波数を掃引する。
このようにして、発振回路60の掃引範囲fs〜fe内の各発振周波数fに対して、変位センサ10と同調用回路40とから成る回路が共振状態となる可変容量回路C1及びC2を取得する。
またこのとき、掃引範囲fs〜fe内のいくつかの周波数においてのみ、共振状態となる可変容量回路C1及びC2を取得することとしてもよい。この場合、いくつかの周波数において取得されたこれら可変容量素子の値に基づいて、他の周波数に共振状態となるこれら可変容量素子の値を予測して算出する。
このような動作を実現するインピーダンス調整部50は、上記調整アルゴリズムを実現するソフトウェアを実行するためのマイコン並びにソフトウェアや上記C1、C2を記憶するためのメモリ素子で構成可能であり、またはこれらを内蔵したマイコンなどによって構成することも可能である。
また、ステップS21において、渦電流センサ10の周囲に金属がない状態にするのに変えて、渦電流センサ10から所定の距離に既知の形状の金属を設置するとともに、ステップS23〜S25において、可変容量回路C1を、回路が共振状態となる場合の容量Cr1に調整する代わりに、可変容量回路C1を、微分値(dV/dC1)が所定の範囲内となる容量Cr2に調整してもよい(図10参照)。
このように、インピーダンス調整部50が、センサ駆動回路21の同調用回路40の調整を自動的に行うことにより、インダクタンス測定部82によって発振回路60の発信周波数がスイープされても、常に変位センサ10と同調用回路40とから成る回路が共振状態に調整される。
なお、図7に示す同調用回路40の構成は例示であり、これに限定されるものではない。したがって同調用回路40は、変位センサ10と発振回路60との間に接続されて、内部インピーダンス定数の値を調整することにより、発振回路60が生じる交流信号に対して変位センサ10とともに共振回路を成すことが可能な回路であればいかなる構成で実現してもよい。
また、図9及び図10を参照して説明した可変容量回路C1及びC2の取得は、必ずしも変位センサ10のサンプリングの都度行う必要はない。例えば、異常発生時や、変位センサ10のサンプリング時間よりも長い所定の時間間隔ごと、もしくは測定環境の変更時などの特定の状況下でのみ行うこととしてよい。
以下、図11及び図12を参照して、可変容量回路C1、C2を実現する回路構成例を説明する。図11の(A)は可変容量回路の第1構成例を示す図であり、図11の(B)は可変容量回路の第2構成例を示す図であり、図11の(C)は可変容量回路の第3構成例を示す図である。また、図12の(A)は可変容量回路の第4構成例を示す図であり、図12の(B)は図12の(A)の可変誘導素子の第1構成例を示す図であり、図12の(C)は図12の(A)の可変誘導素子の第2構成例を示す図である。
図11の(A)に示すように、可変容量回路は、並列に接続された複数の容量素子C11、C12、C13…C1nと、これらを選択的に接続するためのアナログスイッチASWとから構成してよい。このとき、各容量素子の値を例えばC11=10pF、C11=20pF、C13=40pF…C1n=10×2(n-1)pFとし、アナログスイッチASWの各接点のON/OFF動作をインピーダンス調整部50から出力されるディジタル信号により制御することにより可変容量回路の値をディジタル的に変更することが可能である。
なお、可変容量回路の抵抗成分への影響を低減するために、アナログスイッチASWには、各接点抵抗が約10Ω以下の低い抵抗値を有するものを使用することが好適である。ただし、並列に接続される各容量素子C11、C12、C13…C1nのうち、比較的小さな容量値の容量素子に接続される接点については、低い接点抵抗のアナログスイッチを使用しなくともよい。すなわち、大きな容量値の容量素子のみに低い接点抵抗のアナログスイッチを使用することとしてもよい。これは容量が小さければ抵抗値に換算するインピーダンス値が大きくなるため、アナログスイッチASWの接点抵抗が影響しなくなるためである。また、アナログスイッチASWには、機械的なリレー素子を用いてもよく、また可変容量回路には値が切り替え可能なキャパシタやインダクタを用いてもよい。
また、可変容量回路は、図11の(B)及び(C)に示すような積分回路を用いた仮想容量回路によっても実現可能である。これらの仮想容量回路では、可変抵抗素子Rvの値をインピーダンス調整部50によって変更することにより、可変容量回路の容量値を変更することが可能である。
さらに、可変容量回路は、図12の(A)に示すように容量値固定の容量素子Cと、可変誘導素子Lvとを組み合わせて実現することも可能である。可変誘導素子Lvは、図12の(B)に示すように、並列に接続された複数の誘導素子L11、L12、L13…L1nと、これらを選択的に接続するためのアナログスイッチASWとから構成してよい。アナログスイッチASWの各接点のON/OFF動作をインピーダンス調整部50から出力されるディジタル信号により制御することにより可変容量回路の値をディジタル的に変更することが可能となる。
なお、可変誘導回路の抵抗成分への影響を低減するために、アナログスイッチASWには、各接点抵抗が約10Ω以下の低い抵抗値を有するものを使用することが好適である。ただし、並列に接続される各容量素子L11、L12、L13…L1nのうち、比較的大きな値の素子に接続される接点については、低い接点抵抗のアナログスイッチを使用しなくともよい。
また、可変誘導素子Lvは、図12の(C)に示すような積分回路を用いた仮想誘導回路によっても実現可能である。これらの仮想誘導回路では、可変抵抗素子Rvの値をインピーダンス調整部50によって変更することにより、可変誘導素子のインダクタンス値を変更することが可能である。
また、図11の(B)及び(C)、並びに図12の(C)において、積分回路に含まれる可変抵抗素子Rvを、FETやバイポーラトランジスタやアナログフォトカプラ等のディスクリートデバイスによって実現することとしてよい。図13は、図11の(B)に示す可変容量回路の可変抵抗素子RvにJFETを使用した場合の、可変容量回路の第5構成例を示す図である。図11の(C)に示す可変容量回路及び図12の(C)に示す可変誘導素子においても同様に構成することが可能である。
図13に示す構成例では、JFETであるディスクリートデバイスQのゲート電極Gに、インピーダンス調整部50から出力されるディジタル信号に応じた入力信号を印加することにより、ソースS−ドレインD間の抵抗値を、ディジタル信号に応じて変更することが可能となる。
しかし、このようにディスクリートデバイスを可変抵抗素子として使用する場合には、ディスクリートデバイスの温度などの要因によってその抵抗値が変動しやすく、その影響で可変容量回路の容量値が変動してしまうおそれがある。
したがって、この場合にはアンプユニット20を図14に示すように構成し、ディスクリートデバイスの抵抗値の変動を補償する補償回路を設けることが望ましい。
アンプユニット20の第2構成例を示す構成図である。図14において、可変容量回路C1及びC2には、図11の(B)もしくは(C)の可変容量回路、又は図12の(C)の可変誘導素子を有する可変容量回路が用いられ、その可変抵抗素子Rvには、図13を参照して説明したようにディスクリートデバイスが使用されている。
また、センサ駆動回路21には、渦電流センサ10に印加する交流信号を生成し供給するための第1発振回路61と、この第1発振回路61により生成される第1交流信号と異なる周波数の第2交流信号を生成し供給するための第2発振回路62と、第1交流信号と第2交流信号とを重畳して、この重畳信号を同調用回路40に供給する重畳回路63と、をさらに備える。なお、第1発振回路61及び第2発振回路62を、プログラマブル波形発生器にて実現することにより、これら第1発振回路61及び第2発振回路62を、同一の発振回路にて構成することとしてもよい。
さらに、センサ駆動回路21には、上記重畳信号をフィルタリングして第1交流信号のみを抽出して渦電流センサ10に印可するための第1フィルタ回路52を備え、また第1フィルタ回路52によるフィルタリング前の重畳信号から第1交流信号のみを抽出して検波回路70及び上記電圧測定器51に出力する第2フィルタ回路53と、を備える。この第2フィルタ回路53の働きによって、第2交流信号による検波回路70及び電圧測定器51の検出電圧への影響が除去される。
さらに、センサ駆動回路21には、また第1フィルタ回路52によるフィルタリング前の重畳信号から第2交流信号のみをモニタ信号として抽出する第3フィルタ回路54を備える。第1フィルタ回路52及び第3フィルタ回路54の働きによって、渦電流センサ10のインダクタンスの変動が、第3フィルタ回路54から抽出されるモニタ信号に影響を及ぼすことが回避され、モニタ信号の信号電圧レベルは、可変容量回路C1及びC2のインピーダンス定数のみに依存することになる。
そして、抽出されたモニタ信号は、比較器55及び56によって、インピーダンス調整部50から可変容量回路C1及びC2へ出力される容量値制御信号とそれぞれ比較され、この比較結果を示す信号によって、可変容量回路C1及びC2の容量値を変更させる。このように、モニタ信号の信号レベルに基づき、可変容量回路C1及びC2内の可変抵抗素子Rvの抵抗値を増減するフィードバック回路を構成することにより、可変抵抗素子Rvの抵抗値は、可変容量回路C1及びC2のインピーダンス定数が一定となるように制御され、ディスクリートデバイスの抵抗値の変動が補償される。なお、例えば、温度等の外部環境により不必要に抵抗値が変動した場合にも、本回路の構成を用いることにより、ディスクリートデバイスの抵抗値を安定させることができる。
また、重畳する周波数は2つに限られずそれ以上の周波数を重畳してモニタ信号に使用してもよい。
本発明は、回転軸を有する工作機械装置、特に、マシニングセンタ(以下、「MC」と略称でいう)等のツールホルダを使用する工作機械に好適に利用可能である。
本発明に係る工作機械の第1実施例の概略構成図である。 図1に示すマイコンによって実行される機能モジュールを示す図である。 図1に示すインダクタンス測定部及び距離算出部による距離測定方法の第1例を示すフローチャートである。 図1の渦電流センサの等価回路図である。 図1に示すインダクタンス測定部及び距離算出部による距離測定方法の第2例を示すフローチャートである。 本発明に係る工作機械の第2実施例の概略構成図である。 変位センサが接続された図6のセンサ駆動回路の第1構成例を示す構成図である。 図7に示す同調用回路の好適な調整状態を説明する図である。 可変容量回路C1及びC2の決定方法のフローチャートである。 可変容量回路C1及びC2の決定方法の説明図である。 (A)は可変容量回路の第1構成例を示す図であり、(B)は可変容量回路の第2構成例を示す図であり、(C)は可変容量回路の第3構成例を示す図である。 (A)は可変容量回路の第4構成例を示す図であり、(B)は(A)の可変誘導回路の第1構成例を示す図であり、(C)は(A)の可変誘導回路の第2構成例を示す図である。 可変容量回路の第5構成例を示す図である。 変位センサが接続された図6のセンサ駆動回路の第2構成例を示す構成図である。 ツールホルダの装着状態を示す断面図である。 ツールホルダの装着状態を示す説明図である。
符号の説明
1 工作機械
2 工具
3 ツールホルダ
3B ツールフランジ
4 主軸
10 変位センサ
20 アンプユニット
21 センサ駆動回路
70 検波回路
84 インダクタンス測定部
85 距離算出部

Claims (13)

  1. 被測定対象物との距離に応じてインダクタンスが変化する変位センサを備え、駆動信号が印加された前記変位センサに現れる信号レベルを検出して、前記被測定対象物との距離を測定する距離測定装置において、
    前記変位センサに駆動信号を供給する発振回路と
    前記発振回路が前記変位センサに供給する前記駆動信号の周波数を変更させる周波数変更手段と、
    複数の周波数の前記駆動信号が供給された前記変位センサにそれぞれ現れる信号レベルに基づき、前記変位センサのインダクタンス測定するインダクタンス測定手段と、
    測定された前記インダクタンスに基づき、前記被測定対象物との距離を測定する距離算出手段と、を備え
    前記インダクタンス測定手段は、前記変位センサの等価回路に従って定義される、前記変位センサに現れる信号強度と前記変位センサのインダクタンス、容量及び抵抗との間の関係式に、複数の周波数にて前記変位センサに現れる信号レベルを代入して得られる連立方程式を解くことにより前記インダクタンスを算出するインダクタンス算出手段を含むことを特徴とする距離測定装置。
  2. 前記発振回路は、複数の周波数の前記駆動信号を重畳させて前記変位センサに供給することを特徴とする請求項に記載の距離測定装置。
  3. 前記発振回路が供給する駆動信号には、直流信号が含まれることを特徴とする請求項に記載の距離測定装置。
  4. 前記変位センサは、渦電流センサであることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の距離測定装置。
  5. 前記変位センサに接続されて、前記変位センサとともに共振回路を成すためのインピーダンス回路であって、その内部インピーダンス定数が調整可能なインピーダンス回路と、
    前記インピーダンス回路の内部インピーダンス定数を調整する制御信号を出力するインピーダンス調整回路と、
    を備えることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の距離測定装置。
  6. 前記制御信号は、ディジタル信号であることを特徴とする請求項に記載の距離測定装置。
  7. 前記インピーダンス調整回路は、前記変位センサと前記インピーダンス回路とから成る回路が、共振回路となるように調整することを特徴とする請求項又はに記載の距離測定装置。
  8. 前記インピーダンス調整回路は、前記変位センサに現れる信号レベルを検出しながら前記インピーダンス回路の内部インピーダンス定数を調整して、前記内部インピーダンス定数の変化に対する前記信号レベルの変化率を所定の範囲内の値とすることを特徴とする請求項又はに記載の距離測定装置。
  9. 前記インピーダンス調整回路は、前記変位センサに現れる信号レベルを検出しながら前記インピーダンス回路の内部インピーダンス定数を調整して、前記変位センサに現れる信号レベルを最大値とすることを特徴とする請求項又はに記載の距離測定装置。
  10. 前記インピーダンス調整回路は、前記変位センサに現れる信号レベルを検出しながら前記インピーダンス回路の内部インピーダンス定数を調整して、前記変位センサに現れる信号レベルを最小値とすることを特徴とする請求項又はに記載の距離測定装置。
  11. 前記インピーダンス調整回路は、前記変位センサに現れる信号レベルを検出しながら前記インピーダンス回路の内部インピーダンス定数を調整して、前記変位センサに現れる信号レベルを所定の範囲内の値とすることを特徴とする請求項10のいずれか一項に記載の距離測定装置。
  12. 前記インピーダンス回路は、容量値が前記制御信号によって調整可能な可変容量回路を備える請求項11のいずれか一項に記載の距離測定装置。
  13. 請求項1〜12のいずれか一項に記載の距離測定装置と、回転駆動する主軸と、工具が取り付けられるツールホルダと、を備え、該ツールホルダが装着される前記主軸を回転駆動させてワークを加工する工作機械であって、
    前記距離測定装置によって、前記主軸に装着した前記ツールホルダのフランジ外周面までの距離を測定して、前記ツールホルダの前記主軸への装着状態の異常を判定することを特徴とする工作機械。
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