JP2006316927A - 縦管設置方法及び縦管交換方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】縦管の交換を、工期が長期化せずに行い得るようにすると共に、且つコストダウンを図ることができるようにする。
【解決手段】複数階層の各パイプシャフト4内に設置されている縦管を切断した管断材12を各パイプシャフト4内に仮置きする工程と、各階層のスラブ2の縦管の残存した部分6a’をカッタ14により切削して除去すると共に貫通孔を形成する工程と、各パイプシャフト4内に置かれた管断材12をスラブに形成した貫通孔から最下階のパイプシャフト4内に下降させて当該パイプシャフト4の点検口5aを通し搬出する工程と、最下階のパイプシャフト4の点検口5aから搬入した配管部材をスラブ1に形成した貫通孔から吊上げて、各階のパイプシャフト4内に仮置きする工程と、最上階から最下階に向けて、パイプシャフト4内に仮置きした配管部材を、前記貫通孔を通して設置する工程とを経る。
【選択図】図1
【解決手段】複数階層の各パイプシャフト4内に設置されている縦管を切断した管断材12を各パイプシャフト4内に仮置きする工程と、各階層のスラブ2の縦管の残存した部分6a’をカッタ14により切削して除去すると共に貫通孔を形成する工程と、各パイプシャフト4内に置かれた管断材12をスラブに形成した貫通孔から最下階のパイプシャフト4内に下降させて当該パイプシャフト4の点検口5aを通し搬出する工程と、最下階のパイプシャフト4の点検口5aから搬入した配管部材をスラブ1に形成した貫通孔から吊上げて、各階のパイプシャフト4内に仮置きする工程と、最上階から最下階に向けて、パイプシャフト4内に仮置きした配管部材を、前記貫通孔を通して設置する工程とを経る。
【選択図】図1
Description
本発明は縦管設置方法及び縦管交換方法に関するものである。
多階層構造物のパイプシャフト内に配置された空調用又は給排水用等の配管は、老朽化したり設備に変更がある場合、交換する必要がある。而して、斯かる配管の従来の交換方法は、図20〜図29に示されている。
図20〜図29中、1はビルや高層住宅の各階の床や天井を成すスラブ、2は上方が屋上となるスラブ、3は上面が床となり下面が地層に面する、例えば地下階の最下階のスラブ、4はスラブ1,2,3及び壁5に囲まれて各階ごとに形成されたパイプシャフト、5aは各階において壁5に設けた扉付きの点検口(約縦800mm、横600mm程度の大きさ)である。
既設の縦管の設置状態の一例は図20に示され、縦管である主配管6は、最下階のスラブ3を除き各階のスラブ1を貫通してパイプシャフト4内に設置されており、主配管6の上端は、最上方のパイプシャフト4内まで延在している。主配管6の、各パイプシャフト4内に位置する配管部材6aには所定の階(図示例では、地下のような最下階を除く各階)において、チー継手7が溶接接合されており、チー継手7には、開閉弁8を備えた配管9が接続されている。又、配管部材6aの最下階における下端部には、エルボ継手10が溶接されると共に、配管部材6aは水平に曲折されて所定の場所まで延在している。更に、主配管6における配管部材6a上端部には、盲板6bが取付けてある。
配管部材6aは下端において、支持部材11に支持されていると共に、最下階以外の各階においては、図示してないが、スラブ1に固設したブラケットにUボルトを介して固定されており、配管部材6aの高さ方向中間部は、例えば壁5から突設させたり天井部に吊下げ固設したブラケットにUボルトを介して固定されている。
主配管6を交換する際には、予め主配管6や配管9内の水を抜いておき、各階において配管9を固定している図示してないブラケット類を撤去し、カッターやガス切断機等を用いて、配管9をチー継手7の近傍で、例えば位置Aにおいて切断すると共に、主配管6を、搬送するに適した大きさに、例えば位置Bにおいて切断する。而して、適宜の大きさに切断した管断材12は、各階層の点検口5aからパイプシャフト4の外部へ搬送する(図21参照)。又、配管部材6aのスラブ1側に残存してスラブ1上面に突出した部分は、床上面の高さレベルと略同一となるように切断する。更に、スラブ1に配管部材6aが残存した部分には孔が開口するが、この部分には適宜の時期にモルタル13を充填する(図21参照)。各パイプシャフト4から撤去された管断材12は適宜、エレベータ等により地下階等へ搬送されて、多階層構造物から搬出される。
主配管6、配管9等がパイプシャフト4から撤去されたら、パイプシャフト4内の各スラブ1の主配管6が貫通していた場所とは異なる場所において、図21に示すような、ダイヤモンドカッタ本体を備えたカッタ14により、図22に示すようにスラブ1に貫通孔15を穿設する。又、最下階のパイプシャフト4内に、例えば、エルボ継手16付きの新たな曲折した配管部材17を点検口5aを通して搬入し、スラブ3に設置した支持部材18に固設する(図22参照)。
次に、最下階から1階上のパイプシャフト4内に、当該階の点検口5aから配管部材19を搬入すると共に、最上階の天井のスラブ2の下部に予め設置した滑車20に巻掛けられたロープ21を、ロープ21にセットされたチェーンブロック22を操作してスラブ1の貫通孔15を通し、配管部材19が搬入された、最下階よりも1階上のパイプシャフト4内まで垂下させ、ロープ21を配管部材19に固定して配管部材19を縦長に吊り、スラブ1の貫通孔15を通してその下端側を最下階のパイプシャフト4内に下降させ、配管部材19の下端を配管部材17の上端に、ボルト締結或は溶接等により接続する(図23参照)。
又、最下階から1階上のスラブ1の上面における貫通孔15の近傍に予めブラケット23を固定しておき、該ブラケット23に、図示してないUボルトを介して、貫通孔15を貫通した配管部材19を固定すると共に、配管部材19の貫通孔15から下方の階へ突出した部分を、最下階の階パイプシャフト4における壁5等に取付けたブラケット24に、図示してないUボルトを介して固定する。
次に、最下階から1階上のパイプシャフト4内に、当該階の点検口5aからチー継手25付きの配管部材26を搬入すると共に、前記滑車20に巻掛けられて下端が当該パイプシャフト4内に垂下しているロープ21を配管部材26に固定して配管部材26をチー継手25が下側へ向くよう吊り、スラブ1の貫通孔15を通って最下階よりも1階上のパイプシャフト4内に突出している配管部材19の上端に、配管部材26のチー継手25の下端を、ボルト締結或は溶接等で接続する(図24参照)。
又、当該パイプシャフト4の壁5等に取付けた上下2組のブラケット27に、図示してないUボルトを介して配管部材26を固定する(図24参照)。
続いて、最下階から2階上のパイプシャフト4内に、当該階の点検口5aから配管部材19を搬入すると共に、前記滑車20から配管部材19が搬入された階のパイプシャフト4内まで垂下されているロープ21を配管部材19に固定して配管部材19を吊り、スラブ1の貫通孔15を通してその下端を最下階から1階上のパイプシャフト4内に下降させ、配管部材19の下端を配管部材26の上端に、ボルト締結或は溶接等により接続する(図25参照)。
又、最下階から2階上のスラブ1の上面における貫通孔15の近傍に予めブラケット23を固定しておき、該ブラケット23に、図示してないUボルトを介して配管部材19を固定すると共に、配管部材19の貫通孔15から下方の階へ突出した部分を、最下階から1階上方のパイプシャフト4における壁5等に取付けたブラケット24に、図示してないUボルトを介して固定する。
次に、最下階から2階上のパイプシャフト4内に、当該階の点検口5aからチー継手25付きの配管部材26を搬入すると共に、前記滑車20に巻掛けられて下端が当該パイプシャフト4内に垂下しているロープ21を配管部材26に固定して配管部材26をチー継手25が下側へ向くよう吊り、スラブ1の貫通孔15を通って最下階よりも1階上のパイプシャフト4内に突出している配管部材19の上端に、配管部材26のチー継手25の下端を、ボルト締結或は溶接等で接続する(図26参照)。
又、当該パイプシャフト4の壁5等に取付けた上下2組のブラケット27に、図示してないUボルトを介して配管部材26を固定する(図26参照)。
以下、同様にして順次下方の階層から上方の階層に向かってパイプシャフト4内に配管部材19及びチー継手25付きの配管部材26を接続して、縦管を組付ける。
而して、最上階のパイプシャフト4内に配管部材を設置する場合においては、最上階のパイプシャフト4内に、当該階の点検口5aから配管部材19を搬入すると共に、滑車20に巻掛けられたロープ21を、最上階のパイプシャフト4内において配管部材19に固定して配管部材19を吊り、スラブ1の貫通孔15を通してその下端を1階下のパイプシャフト4内に下降させ、配管部材19の下端を配管部材17の上端に、ボルト締結或は溶接等により接続する(図27参照)。
又、最上階のスラブ1の上面における貫通孔15の近傍に予めブラケット23を固定しておき、該ブラケット23に、図示してないUボルトを介して配管部材19を固定すると共に、配管部材19の貫通孔15から下方の階へ突出した部分を、最上階から1階下のパイプシャフト4における壁5等に取付けたブラケット24に、図示してないUボルトを介して配管部材19を固定する(図27参照)。
次に、最上階のパイプシャフト4内に、当該階の点検口5aからチー継手25付きの配管部材26を搬入すると共に、前記滑車20に巻掛けられて下端が当該パイプシャフト4内に垂下しているロープ21を配管部材26に固定して配管部材26をチー継手25が下側へ向くよう吊り、スラブ1の貫通孔15を通って最上階のパイプシャフト4内に突出している配管部材19の上端にチー継手25の下端を、ボルト締結或は溶接等で接続する(図28参照)。
又、当該パイプシャフト4の壁5等に取付けた上下2組のブラケット27に、図示してないUボルトを介して配管部材26を固定する(図28参照)。最上部の配管部材26には、盲板26aが取付けられる。
パイプシャフト4内へ配管部材19,26を設置することにより、縦管が形成されたら、各階層のパイプシャフト4内に位置するチー継手25に開閉弁28付きの配管29を接続し、又、配管部材19とスラブ1の貫通孔15との隙間にはモルタル30を充填する(図29参照)。
縦管を設置するようにした先行技術文献としては、特許文献1、2、3がある。
特許文献1では、所望の長さを有する多数の管体をフレキシブル管継手により多層建築物の高さに応じた長さに順次連結して配管を構成し、この配管を、フレキシブル管継手部分より折畳んで多層建築物の敷設部位に配置し、この折畳まれた配管を多層建築物の上方から下方へ若しくは下方から上方へ順次繰出すことにより垂直に敷設するようにしている。
特許文献1では、所望の長さを有する多数の管体をフレキシブル管継手により多層建築物の高さに応じた長さに順次連結して配管を構成し、この配管を、フレキシブル管継手部分より折畳んで多層建築物の敷設部位に配置し、この折畳まれた配管を多層建築物の上方から下方へ若しくは下方から上方へ順次繰出すことにより垂直に敷設するようにしている。
特許文献2では、多階層構造物のパイプシャフト内に配管を縦に設置するにあたり、パイプシャフトの下方で且つ最下階の床面に、配管の振止め機能と落下止め機能とを持った配管ガイド装置を設置し、配管をパイプシャフトの上部に設置した電動ウインチにより吊上げ且つ前記配管ガイド装置により振れ止めした状態で、当該配管の下端に次の配管の上端を最下階において接続し、しかる後、継ぎ足した配管長さ分、これらの配管を前記電動ウインチにより吊上げ、以下、順次、接続しては吊り上げていくようにしている。
特許文献3では、住戸屋内または屋外に配設される縦排水主管が、階床スラブに貫通装着された管継手を介して接続される排水管装置において、前記管継手を階床スラブに貫通状に固着された外管の内側に貫通装着する。又、既設排水管装置の更生に際しては、既設管継手の階床スラブ上下面近傍を切断して残った直管部分を外管として再利用し、既設管継手を固着したモルタルのハツリ作業による撤去を不要とする。
特開平5−68720号公報
特開2003−56743号公報
特開2001−152501号公報
図20〜図29に示す縦管交換方法においては、管断材12や交換する新しい配管部材19,26等の部材は、各階層における点検口5aに対する搬出、搬入、建物内の搬送、各階層におけるエレベータに対する搭載、荷降ろしが必要である。このため、管断材12や新しい配管部材19,26等の部材の搬送中にこれらの部材によって建物内の通路やエレベータの床、壁面、天井等を損傷する虞があり、斯かる事態を防止するべく、パイプシャフト4外部からエレベータまでの通路やエレベータの床、壁、天井等にシートを設置して保護し、養生を行なう必要がある。しかし、斯かる作業は時間を要するうえ、コストアップを招来する虞がある。
新しい縦管は旧縦管が設けられていた場所とは異なる場所に設置されるため、スラブ1に貫通孔15を設ける必要があるが、スラブ1内には電線等が埋設されているため、その箇所を避けて貫通孔15を形成する必要があり、従って、新しい縦管を設置する予定の位置には、電線等が埋設されているか否か、予め検査する必要がある。而して、この検査にはX線装置が必要で、コストアップを招来すると共に時間を要する。又、各配管部材19,26は夫々2箇所ずつ固定する必要があるため、ブラケットやUボルトの数量が多くなる。
特許文献1では、管体をフレキシブル継手により接続して折り畳んだものを順次繰出すことにより、管体を垂直に敷設するようにしているため、作業がやり難く、しかもフレキシブル管継手は高価であるため、コストアップを招来する。
特許文献2では、パイプシャフトの最下階の床面に設置した配管ガイド装置によりガイドしつつ、パイプシャフトの上部に設置した電動ウインチにより配管を吊上げるようにしているため、配管の接続長さが長くなると電動ウインチの消費動力も大きくなり、省エネルギ上不利であり、しかも、電動ウインチが必要であるため、これもコストアップを招来する虞がある。
特許文献3では、階床スラブに残った直管部分を外管として再利用することができるが、これをパイプシャフト内に適用した場合には、切断した管の搬出や新しい管の搬入は、点検口を通じて行なわなければならず、従って、図20〜図29に示す従来の方法と同様の問題がある。
本発明は、上述の実情に鑑み、撤去する管断材や新しく敷設する配管部材等の部材を、養生の不必要な最下階以外はパイプシャフトの点検口を経ずとも搬出入し得るようにして、パイプシャフトの外の通路やエレベータ等にシートを設けなくとも、縦管の交換や新規の縦管の敷設を行い得るようにすること、工期が長期化せず且つコストダウンを図ることができるようにすること、作業を容易に行い得るようにすること、等を目的としてなしたものである。なお、多階層構造物の最下階においては、パイプシャフトは地下の駐車場等に繋がっているうえ、壁や床は建物への物品搬出入に伴う荷捌き時に物品が接触しても耐えられるバックヤード的な仕上げとなっており、従って、管断材や新しく敷設する配管部材等の部材を搬送する際に、床や壁等の養生が不要である。
請求項1の縦管設置方法は、最下階のパイプシャフトの点検口から搬入した配管部材をパイプシャフト内のスラブに形成した貫通孔を通し吊上げて、各階のパイプシャフト内に仮置きする工程と、最上階から最下階に向けて、パイプシャフト内に仮置きした配管部材を、各スラブに形成した貫通孔を通して設置する工程とを経るものである。
請求項2の縦管設置方法においては、パイプシャフト内に設置された上部の配管部材と下部の配管部材とを管継手により接続しており、請求項3の縦管設置方法においては、配管部材の長さは、最上部及び/又は最下部に設置するものを除いては、パイプシャフトの階高と略等しいものが用いられる。
請求項4の縦管交換方法は、複数階層の各パイプシャフト内に設置されている縦管を切断した管断材を各パイプシャフト内に仮置きする工程と、各階層のスラブの縦管が残存した部分を開孔手段により切削して当該縦管部分を除去すると共にスラブに貫通孔を形成する工程と、各パイプシャフト内に置かれた管断材をスラブに形成した貫通孔から最下階のパイプシャフト内に下降させて当該パイプシャフトの点検口を通し搬出する工程と、最下階のパイプシャフトの点検口から搬入した配管部材を各スラブに形成した貫通孔を通し吊上げて、各階のパイプシャフト内に仮置きする工程と、最上階から最下階に向けて、パイプシャフト内に仮置きした配管部材を、前記貫通孔を通して設置する工程とを経るものである。
請求項5の縦管交換方法は、最下階から最上階までのスラブに形成した貫通孔の心出しを行い、心が出ていない場合は、その部分の貫通孔を加工して心が通るようにするものであり、請求項6の縦管交換方法は、パイプシャフト内に設置された上部の配管部材と下部の配管部材とを管継手により接続するものであり、請求項7の縦管設置方法においては、配管部材の長さは、最上部及び/又は最下部に設置するもをの除いては、パイプシャフトの階高と略等しいものが用いられる。
本発明の請求項1〜7記載の縦管設置方法及び縦管交換方法によれば、上部階のパイプシャフトへの配管部材の搬入は、縦管を挿通させるためにスラブに形成した貫通孔から行なうようにしているため、各階のパイプシャフト外の屋内通路やエレベータ等にシートを設ける等の養生をしなくとも、縦管の交換や新規の縦管の設置を行うことができるため、工期を短縮でき且つコストダウンを図ることができ、又、交換する新しい縦管は、撤去した縦管と同一の場所に設けられるため、他の場所に貫通孔を設ける必要がなく、従って、新たな縦管設置場所にケーブル等が埋設されているか否か、X線検査を行なう必要がないため、この点からも、作業が簡単で工期の短縮を図ることができ且つコストダウンを図ることができ、更には、再上部及び/又は最下部に設置される配管部材以外の長さは、パイプシャフトの階高と略同一であるため、配管部材を階高間で複数とする場合に比べて、配管部材を支持するブラケットの数量も少なくなり、この点からも工期の短縮やコストダウンを図ることができ、更には作業を容易に行なうことができ、更に又、管継手は上部の配管部材の下端と、下部の配管部材の上端部との間に所定の隙間を自動的に確保することができるため、僅かな変位を許容する可撓性を確保して地震等の外力に対する免震性能を確保することができる、等種々の優れた効果を奏し得る。
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
図1〜図19は本発明を実施する形態の一例であって、図中、図20〜図29と同一の符号を付した部分は同一のものを表わしている。
而して、交換する縦管が設置された状態は従来の図20に示すものと同様である。すなわち、主配管6を交換する際には、予め主配管6や配管9内の水を抜いておき、各階において配管9を固定している図示してないブラケット類を撤去し、カッターやガス切断機等を用いて、配管9をチー継手の近傍で、例えば位置Aにおいて切断すると共に、主配管6を、搬送するに適した大きさに、例えば位置Bにおいて切断する。而して、適宜の大きさに切断した管断材12はパイプシャフト4内に仮置きされ、スラブ1には、縦管を形成していた配管部材6aの一部が配管部材部分6a’として残存する(図1参照)。
図1〜図19は本発明を実施する形態の一例であって、図中、図20〜図29と同一の符号を付した部分は同一のものを表わしている。
而して、交換する縦管が設置された状態は従来の図20に示すものと同様である。すなわち、主配管6を交換する際には、予め主配管6や配管9内の水を抜いておき、各階において配管9を固定している図示してないブラケット類を撤去し、カッターやガス切断機等を用いて、配管9をチー継手の近傍で、例えば位置Aにおいて切断すると共に、主配管6を、搬送するに適した大きさに、例えば位置Bにおいて切断する。而して、適宜の大きさに切断した管断材12はパイプシャフト4内に仮置きされ、スラブ1には、縦管を形成していた配管部材6aの一部が配管部材部分6a’として残存する(図1参照)。
主配管6、配管9等が切断されて管断材12としてパイプシャフト4内に仮置きされたら、カッタ14により、スラブ1に残存している配管部材部分6a’の略中心にカッタ14の回転中心を位置させ、カッタ14を回転させてスラブ1に貫通孔31を穿設させる(図1、図2参照)。この場合、図12に拡大して示すように、カッタ14の例えばダイヤモンド製の刃14aの内径D1はスラブ1に残存した配管部材部分6a’の外径D2よりも大径であるため、スラブ1に貫通孔31を形成すると、配管部材部分6a’もスラブ1と一緒に除去される。
スラブ1に貫通孔31が形成されたら、パイプシャフト4の最下階にレーザ発光器32を、又、パイプシャフト4の最上階にレーザ受光器33を設置して、レーザ発光器32からレーザ光34をレーザ受光器33に向かって投射して全ての貫通孔31の心が通っているか否かチェックする(図2参照)。而して、貫通孔31の心が通っていない場合は再度カッタ14により心の通っていない貫通孔31を拡げるよう加工する。なお、「心が通る」とは、新規配管の中心軸をレーザ光34によって空中に仮想で描いた軸に一致させた場合に、貫通孔31の内周に新規配管の外周面が干渉しない状態をいう。
スラブ1に形成した貫通孔31の心が通ったら、最下階のパイプシャフト4内の管断材12を当該階の点検口5aから外部へ搬出する。又、最上階の天井のスラブ2の下部に予め設置した滑車20に巻掛けられたロープ21に、例えば最上階において管断材12を1本固定し、吊下げて各階の貫通孔31を通し、最下階のパイプシャフト4まで下降させ、当該階の点検口5aから最下階のパイプシャフト4外部へ搬出する(図3参照)。次に、同様にして最上階の他の管断材12等の部材を撤去する。
最上階の管断材12の撤去が終了したら、順次下の階の管断材12をロープ21に吊下げて各階の貫通孔31を通し、最下階のパイプシャフト4まで下降させ、最下階の点検口5aから外部へ搬出する(図4参照)。
各階のパイプシャフト4における管断材12等の搬出が終了したら、最下階のパイプシャフト4の点検口5aから当該パイプシャフト4内に搬入した、新しく設置する配管部材35を、ロープ21に固定してチェーンブロック22を操作し、ロープ21に吊下げた配管部材35を各階の各階の貫通孔31を通して上方へ吊上げ、搬入し(図5参照)、例えば、最上階のパイプシャフト4内に仮置きする(図6参照)。
而して、配管部材35が最上階のパイプシャフト4内に仮置きされたら、同様にして順次、最下階のパイプシャフト4の点検口5aから当該パイプシャフト4内に搬入した配管部材35を各階のパイプシャフト4内に搬入して仮置きする(図7参照)。又、最下階の各階のパイプシャフト4内は曲管状の配管部材36である。
配管部材35は直管で、その軸心方向長さは最上階を除き、上側のスラブ1の床面とそれよりも1階下側のスラブ1の床面間の高さである階高Hと略同一長さである。又、配管部材35は図14に示すように中間部にチー継手37が溶接38により接続されていると共に、軸心方向両端部には、図13に分解して示すようなハウジングジョイント形の管継手39を取付けるために円周方向へ溝35aが形成されている。
ハウジングジョイント形の管継手39は、上下の配管部材35の下端部及び上端部に外嵌するゴムリング40と、半割り状でゴムリング40に外嵌されると共に、軸心方向両側に形成された縁部41a,42aが配管部材35の溝35aに嵌入し得るようにした半円弧状のハウジング41,42とを備えている。ハウジング42の円周方向両端には、ハウジング41,42をセットしたときにハウジング41の両側に設けたボルト孔41bを貫通するようにしたボルト43が固設され、ボルト43には、締め忘れ防止座44を嵌合し得るようになっていると共に、ナット45を螺合し得るようになっている。
各階のパイプシャフト4内への配管部材35や管継手39の搬入、最下階のパイプシャフト4内への配管部材36や支持部材18、管継手39の搬入が完了したら、最上階のパイプシャフト4から配管部材35の設置を開始する。すなわち、最上階のパイプシャフト4内の作業員は配管部材35を抱えてその下端側を各階の貫通孔31から1階下の階に突出させ(図7参照)、図15、図16に示すように、予め最上階のスラブ1の床面に貫通孔31に近接して設置されていたブラケット23の孔に、配管部材35の外周に外嵌したUボルト46の先端を挿入し、ナット47を螺合して、配管部材35をブラケット23に固定する。
又、最上階の1階下のパイプシャフト4内の作業員は、配管部材35が貫通孔31に挿通されて下端側が1階下のパイプシャフト4内に突出される際に、介助作業を行い、図17〜図19に示されているように、予め壁5から突出させてあるブラケット24の孔に、配管部材35の外周に外嵌したUボルト48の先端を挿入し、ナット49を螺合して、配管部材35をブラケット24に固定する。
ブラケット23,24やUボルト46,48は新しいものを用いても良いし、或は既設のものが使用可能ならそれを用いても良い。又、ブラケット23の位置決めは、貫通孔31に心が通っているか否か確認する際のレーザ発光器32、レーザ受光器33による検査時に、Uボルト46の中心をレーザ光34による心に合せて予め墨出しすることにより行なうことが望ましい。
上部側が最上階のパイプシャフト4内に位置し、下部側が最上階のパイプシャフト4の1階下のパイプシャフト4内に位置するよう、配管部材35を設置したら、次いで、最上階の1階下のパイプシャフト4内に仮置きしてある配管部材35を、前述の場合と同様にして、下部側が最上階の1階下のスラブ1に形成した貫通孔31を通り、最上階から2階下のパイプシャフト4内に位置し、上部側が最上階の1階下のパイプシャフト4内に位置するよう、配管部材35を設置する(図8参照)。
次いで、最上階から1階下のパイプシャフト4内のスラブ1の床に予め貫通孔31に近接して設置してあるブラケット23の孔に、最上部から下方へ2番目の配管部材35の外周に外嵌したUボルト46の先端を挿入し、ナット47を螺合して、配管部材35をブラケット23に仮固定し、上部の配管部材35下端と、下部の配管部材35上端とに、図13に示す管継手39を取付け、両配管部材35を連結する。連結の際は、上から2番目の配管部材35を高さ調整しつつ行なう。管継手39においては、下部の配管部材35の自重によりハウジング41,42の縁部41a,42aが配管部材35端部の溝35aの管端側内側壁に係合し、上部の配管部材35の下端と、下部の配管部材35の上端部の間に所定の隙間が自動的に確保される。これにより、この管継手39の特徴である僅かな変位を許容する可撓性を確保して地震等の外力に対する免震性能を確保することができる。又、管継手39を取付けた後でUボルト46は本固定する。
更に、最上階から2階下のパイプシャフト4内では、予め壁5から突出させてあるブラケット24の孔に、配管部材35の外周に外嵌したUボルト48の先端を挿入し、ナット49を螺合して、配管部材35をブラケット24に固定する。
以下同様にして、順次、設置した配管部材35の下に次の配管部材35を接続する。而して、上部側が最下階から1階上のパイプシャフト4内に位置し、下部側が最下階のパイプシャフト4内に位置するよう、配管部材35を設置したら(図9参照)、最下階のスラブ3の床面には、支持部材18に支持された配管部材36を設置し、配管部材35の下端と配管部材36の上端に管継手39を取付ける。支持部材18は新しいものでも、或は既設のものが使用可能な場合は既設のものを使用しても良い。
各パイプシャフト4内に配管部材35,36が設置されて縦管の設置作業が終了したら、各配管部材35のチー継手37に、開閉弁50を備えた配管51を溶接等で接続し、配管部材36に例えば、地下貯槽までの配管52を接続し、又、各貫通孔31と配管部材35との間の隙間には、モルタル53を充填する。以上で、縦管の交換は終了する。
本図示例によれば、撤去する管断材12や新しく設置する配管部材35等の部材を、シート等による養生の不必要な最下階の点検口5aやパイプシャフト4内のスラブ1に形成した既設の縦管が貫通していた貫通孔31から行なうようにしているため、各階のパイプシャフト4の外の屋内通路やエレベータ等にシートを設けなくとも、縦管の交換や新規の縦管の設置を行うことができるため、工期を短縮でき且つコストダウンを図ることができる。又、交換する新しい縦管は、撤去した縦管の設置位置に設けられるため、他の場所に貫通孔を設ける必要がなく、従って、新たな縦管設置位置にケーブル等が埋設されているか否か、X線検査を行なう必要がないため、この点からも、作業が簡単で工期の短縮を図ることができ且つコストダウンを図ることができる。
更には、配管部材35は、最上部に設置する配管部材35や最下部に設置する配管部材36以外は、パイプシャフト4の階高Hと略等しい長さであるため、従来のように設置する配管部材が階高よりも短い場合に比べて、配管部材36を支持するブラケット23,24の数量を少なくでき、この点からも工期の短縮及びコストダウンを図ることができ、又、容易に作業を行なうことができる。
なお、本発明の図示例においては、既設の縦管を交換する場合について説明したが、交換ではなく、新設する場合にも適用できること、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
1 スラブ
4 パイプシャフト
5a 点検口
12 管断材
14 カッタ(開孔手段)
31 貫通孔
35 配管部材
36 配管部材
39 管継手
H 階高
4 パイプシャフト
5a 点検口
12 管断材
14 カッタ(開孔手段)
31 貫通孔
35 配管部材
36 配管部材
39 管継手
H 階高
Claims (7)
- 最下階のパイプシャフトの点検口から搬入した配管部材をパイプシャフト内のスラブに形成した貫通孔を通し吊上げて、各階のパイプシャフト内に仮置きする工程と、最上階から最下階に向けて、パイプシャフト内に仮置きした配管部材を、各スラブに形成した貫通孔を通して設置する工程とを経ることを特徴とする縦管設置方法。
- パイプシャフト内に設置した上部の配管部材と下部の配管部材とを管継手により接続する請求項1に記載の縦管設置方法。
- 配管部材の長さは、最上部及び/又は最下部に設置するものを除いては、パイプシャフトの階高と略等しいものとする請求項1又は2記載の縦管設置方法。
- 複数階層の各パイプシャフト内に設置されている縦管を切断した管断材を各パイプシャフト内に仮置きする工程と、各階層のスラブの縦管が残存した部分を開孔手段により切削して当該縦管部分を除去すると共にスラブに貫通孔を形成する工程と、各パイプシャフト内に置かれた管断材をスラブに形成した貫通孔から最下階のパイプシャフト内に下降させて当該パイプシャフトの点検口を通し搬出する工程と、最下階のパイプシャフトの点検口から搬入した配管部材を各スラブに形成した貫通孔を通し吊上げて、各階のパイプシャフト内に仮置きする工程と、最上階から最下階に向けて、パイプシャフト内に仮置きした配管部材を、前記貫通孔を通して設置する工程とを経ることを特徴とする縦管交換方法。
- 最下階から最上階までのスラブに形成した貫通孔の心出しを行い、心が出ていない場合は、その部分の貫通孔を加工して心が通るようにする請求項4記載の縦管交換方法。
- パイプシャフト内に設置した上部の配管部材と下部の配管部材とを管継手により接続する請求項3に記載の縦管交換方法。
- 配管部材の長さは、最上部及び/又は最下部に設置するものを除いては、パイプシャフトの階高と略等しいものとする請求項4又は5記載の縦管交換方法。
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---|---|---|---|
JP2005141206A JP2006316927A (ja) | 2005-05-13 | 2005-05-13 | 縦管設置方法及び縦管交換方法 |
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- 2005-05-13 JP JP2005141206A patent/JP2006316927A/ja active Pending
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