JP2006316914A - 転がり軸受 - Google Patents

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真一 河田
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久 河村
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Abstract

【課題】軸受周辺構造を複雑化させること無く、高速回転条件下において潤滑剤を円滑に供給する。
【解決手段】高速回転条件下で高速回転する回転軸20を支持する転がり軸受であって、回転軸に固定され且つ当該回転軸と共に回転する内輪22と、内輪の外側に対向配置された外輪24と、内外輪間に転動自在に配列された複数の転動体26とを備えており、内輪には、当該内輪が回転軸と共に回転する際に、潤滑剤を掻き込んで軸受内に供給する供給機構が設けられている。この場合、供給機構には、内輪の回転に従って潤滑剤を掻き込む掻込部(掻込用開口30)と、掻き込まれた潤滑剤を軸方向に導入する導入部(貯留路32、導入路34)と、導入された潤滑剤を軸受内に供給する供給部(供給路36)とが設けられている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えばジェットエンジンやガスタービンの主軸受や、これらのインターナル或いはエキスターナルギヤボックス用の軸受、又は減速機の高速ピニオン軸受などの高速回転条件下で用いられる転がり軸受に関し、このような軸受に潤滑剤を供給する技術に関する。ここで、高速回転条件とは、Dm・n=200万 min−1mm(Dm:転動体のピッチ円直径(mm)、n:内輪回転数(min−1))以上の回転条件である。なお、Dmは、呼び軸受外径D(mm)と呼び軸受内径d(mm)との合計(D+d)を2で除算することで算出される。即ち、Dm=(D+d)/2となる。
従来から、高速回転条件下で使用される転がり軸受には、軸受内部の摩擦や磨耗を減らし、焼付きを防止するために各種の潤滑方法が適用されている(例えば、特許文献1及び特許文献2)。その一例として図5(a)〜(c)には、鉱油や合成油をベースにした潤滑油による潤滑法(ジェット方式、アキシアルスクープ方式、ラジアルスクープ方式)が示されている。同図(a)〜(c)に示された軸受は、高速回転する回転軸2に内輪4が固定されており、回転軸2の回転に伴って内輪4が外輪6に対して相対的に回転する軸受構成となっている。なお、内外輪4,6間には複数の転動体8(例えば、玉)が転動自在に介在されており、これら複数の転動体8は、保持器10で回転自在に保持されている。
図5(a)に示すように、ジェット方式の潤滑法は、供給ノズル12に送られた潤滑油を噴射口12mから軸受内(内外輪4,6間)に直接供給する給油方式である。しかし、この給油方式では、高速回転条件Dm・nが200万 min−1mm を越えると、潤滑油を噴射口12mから軸受内に供給する際の供給流速が軸受周速(回転速度)に打ち勝つことができず、軸受内に潤滑油を円滑に供給することが困難になり、その結果、潤滑不良を引き起こしてしまう場合がある。
Dm・n=200万 min−1mm を越える高速回転条件下の給油方式として、図5(b)に示すようなアキシアルスクープ方式が知られている。この給油方式によれば、供給ノズル12の噴射口12mから回転軸2の溝部2gに噴射された潤滑油は、当該溝部2gに沿って内輪4の下側に順次送出され、その状態で回転軸2の回転に伴う遠心力を受けて導入部2dに導入された後、内輪4に形成された供給通路4sを経て軸受内(内外輪4,6間)に給油される。しかし、この給油方式では、軸受周辺の構造が軸方向に長くなると共に、複雑化するため、軸受周辺構造のコンパクト化を図ることが困難になると共に、部品点数の増加により製造コストが上昇してしまう。
そこで、軸受周辺構造の簡素化及びコンパクト化を図る給油方式として、図5(c)に示すようなラジアルスクープ方式が知られている。この給油方式には、軸受に併設された間座14に油掻込部16が形成されており、供給ノズル12の噴射口12mから噴射された潤滑油は、油掻込部16から導入経路18に送出され、その状態で回転軸2の回転に伴う遠心力を受けることで供給通路4sを経て軸受内(内外輪4,6間)に給油される。しかし、この給油方式では、間座14の周辺構造が複雑化するため、部品点数の増加により製造コストが上昇してしまう。
特開2000−192971号公報 実開平6−37624号公報
本発明は、このような問題を解決するためになされており、その目的は、軸受周辺構造を複雑化させること無く、高速回転条件下において潤滑剤を円滑に供給することが可能な低価格な転がり軸受を提供することにある。
このような目的を達成するために、本発明は、高速回転条件下で回転する回転軸を支持する転がり軸受であって、回転軸に固定され且つ当該回転軸と共に回転する内輪と、内輪の外側に対向配置された外輪と、内外輪間に転動自在に配列された複数の転動体とを備えており、内輪には、当該内輪が回転軸と共に回転する際に、潤滑剤を掻き込んで軸受内に供給する供給機構が設けられている。この場合、供給機構には、内輪の回転に従って潤滑剤を掻き込む掻込部と、掻き込まれた潤滑剤を軸方向に導入する導入部と、導入された潤滑剤を軸受内に供給する供給部とが設けられている。このような発明において、内輪が回転軸と共に回転している間、供給機構において掻込部から導入部に導入された潤滑剤は、内輪が回転することにより生じる遠心力を受けて供給部から軸受内に供給される。
具体的な構成として説明すると、掻込部は、内輪の一方側に周方向に沿って所定間隔で形成された掻込用開口を有し、当該掻込用開口は、内輪の回転方向に向けて所定角度で前傾しており、導入部は、掻込用開口で掻き込まれた潤滑剤を一時的に貯留する環状の貯留路と、貯留路から内輪の他方側に向って軸方向に延出した導入路とを備えていると共に、供給部は、導入路から内輪を径方向に経由して軸受内に連通した供給路を備えている。
また他の構成として、掻込部は、内輪の一方側に周方向に沿って所定間隔で設けられた掻込用翼を有し、当該掻込用翼は、内輪の回転方向に向けて所定角度で前傾しており、導入部は、掻込用翼で掻き込まれた潤滑剤を内輪の他方側に向って軸方向に導入する導入路を備えていると共に、供給部は、導入路から内輪を径方向に経由して軸受内に連通した供給路を備えている。
また別の構成として、掻込部は、内輪の一方側に周方向に沿って所定間隔で交互に形成された2系統の掻込用開口を有し、一方の掻込用開口は、内輪の正回転方向に向けて所定角度で前傾していると共に、他方の掻込用開口は、内輪の逆回転方向に向けて所定角度で前傾しており、導入部は、それぞれの掻込用開口で掻き込まれた潤滑剤を内輪の他方側に向って軸方向に導入する導入路を備えていると共に、供給部は、導入路から内輪を径方向に経由して軸受内に連通した供給路を備えている。
更に他の構成として、掻込部は、内輪の一方側に周方向に沿って所定間隔で形成された掻込用凹部と、掻込用凹部から2系統に振り分けられた掻込用通路とを有し、一方の掻込用通路は、内輪の正回転方向に向けて所定角度で前傾していると共に、他方の掻込用通路は、内輪の逆回転方向に向けて所定角度で前傾しており、導入部は、双方の掻込用通路に連通し、当該掻込用通路を経て掻き込まれた潤滑剤を一時的に貯留する貯留路と、貯留路から内輪の他方側に向って軸方向に延出した導入路とを備えていると共に、供給部は、導入路から内輪を径方向に経由して軸受内に連通した供給路を備えている。
本発明によれば、軸受周辺構造を複雑化させること無く、高速回転条件下において潤滑剤を円滑に供給することが可能な低価格な転がり軸受を実現することができる。
以下、本発明の転がり軸受について添付図面を参照して説明する。
本発明は、高速回転条件下で回転する回転軸を支持する転がり軸受を想定しており、この場合、高速回転条件とは、Dm・n=200万 min−1mm(Dm:転動体のピッチ円直径(mm)、n:内輪回転数(min−1))以上の回転条件である。なお、Dmは、呼び軸受外径D(mm)と呼び軸受内径d(mm)との合計(D+d)を2で除算することで算出される。即ち、Dm=(D+d)/2となる。
図1(a),(b)には、本発明の第1の実施の形態に係る転がり軸受の構成例が示されており、この構成例の転がり軸受は、回転軸20に固定され且つ当該回転軸20と共に回転する内輪22と、内輪22の外側に対向配置された外輪24と、内外輪22,24間に転動自在に配列された複数の転動体26と、これら各転動体26を回転自在に保持する保持器28とを備えている。
本実施の形態において内輪22には、当該内輪22が回転軸20と共に回転する際に、潤滑剤を掻き込んで軸受内に供給する供給機構が設けられている。供給機構には、内輪22の回転に従って潤滑剤を掻き込む掻込部と、掻き込まれた潤滑剤を軸方向(回転軸20及び転がり軸受の軸方向)に導入する導入部と、導入された潤滑剤を軸受内(内外輪22,24間)に供給する供給部とが設けられている。なお、潤滑剤としては、例えばグリースや油を適用することができるが、ここでは一例として油を想定する。
内輪22は、その一方側が外輪24よりも軸方向に突出しており、その突出した内輪22に掻込部が設けられており、当該掻込部は、内輪22の一方側に周方向に沿って所定間隔で掘り込み形成された掻込用開口30を有し、当該掻込用開口30は、内輪22の回転方向Fに向けて所定角度で前傾している。なお、内輪22を軸方向に突出させないで、例えば環状の掻込部を別体として内輪22の一方側に隣接して配置しても良い。
この場合、掻込用開口30の掘り込み形状は、例えば転がり軸受の形状や使用環境などに応じて任意の形状(例えば矩形或いは円筒形など)に設定することができるため、ここでは特に限定しない。また、掻込用開口30の前傾角度は、例えば内輪22(回転軸20)の回転速度や内輪22(回転軸20)の大きさなどに応じて最適な角度に設定されるため、ここでは特に限定しない。更に、掻込用開口30の深さは、例えば内輪22の厚さや回転軸22の径寸法或いは供給ノズルNの噴射口Mから噴射される潤滑剤量などに応じて設定されるため、ここでは特に限定しない。また、掻込用開口30の個数は、図面上では等間隔に4本示したが、これに限定されることは無く、4本以上或いはそれ以下でも良いし、等間隔でなくても良い。
また、導入部は、掻込用開口30で掻き込まれた潤滑剤を一時的に貯留する環状の貯留路32と、貯留路32から内輪22の他方側に向って軸方向に延出した導入路34とを備えている。この場合、環状の貯留路32は、掻込用開口30の最深部を回転軸20周りに連続して環状に形成されており、導入路34は、貯留路32から軸方向に沿って連通して延出している。
なお、貯留路32及び導入路34の内周形状は、例えば円形或いは楕円形又は矩形など種々の形状を適用することができるが、これ以外でも、潤滑剤を効率よく貯留及び導入することができれば、任意の形状に設定することができる。また、貯留路32の本数については図面上で1本のみ示したが、これに限定されることは無く2本以上でも良い。また、導入路34は、一例として掻込用開口30に沿って等間隔に4つ形成しているが、これに限定されることは無く、例えば4つ以上或いはそれ以下に形成しても良い。また、導入路34については、等間隔に1つずつ形成する代わりに、例えば複数本ずつ所定間隔(等間隔を含める)で形成しても良い。
また、供給部は、導入路34から内輪22を径方向に経由して軸受内に連通した供給路36を備えている。この場合、供給路36の内周形状は、例えば円形或いは楕円形又は矩形など種々の形状を適用することができるが、これ以外でも、潤滑剤を効率よく貯留及び導入することができれば、任意の内周形状に設定することができる。更に、供給路36の本数については図面上で3本示したが、これに限定されることは無く3本以上或いはそれ以下に形成しても良い。
以上、本実施の形態によれば、内輪22が回転軸20と共に高速条件下で回転している間、供給ノズルNの噴射口Mから噴射された潤滑剤は、供給機構の掻込部(掻込用開口30)で確実に掻き込まれた後、内輪22の回転に伴って導入部の貯留路32に貯留されつつ順次導入路34に導入される。そして、この状態で内輪22が回転することにより生じる遠心力を受けることで、潤滑剤を供給部の供給路36から軸受内に効率良く円滑に供給することができる。この結果、軸受内の潤滑性を良好に保持することが可能となる。
また、本実施の形態によれば、内輪22の一方側にのみ供給機構を構築すれば良い。このため、部品点数も少なくて済み、軸受周辺構造を複雑化させることは無い。この結果、軸受周辺構造のコンパクト化を図ることができると共に、製造コストを大幅に低減することができる。
次に、本発明の第2の実施の形態に係る転がり軸受について図2を参照して説明する。
本実施の形態は、供給機構の掻込部及び導入部の改良であり、他の構成は上述した第1の実施の形態と同様であるため、以下では改良部分の説明にとどめる。なお、第1の実施の形態と同一の構成には、図面上で同一符号を付して、その説明を省略する。また、本実施の形態において、潤滑剤として例えば油を想定する。
図2(a),(b)に示すように、本実施の形態の供給機構において、掻込部は、内輪22の一方側に周方向に沿って所定間隔で設けられた掻込用翼38を有し、当該掻込用翼38は、内輪22の回転方向に向けて所定角度で前傾している。なお、掻込用翼38は、内輪22の一方側を外輪24よりも軸方向に突出して一体的に形成しても良いし、環状の掻込用翼38を別体として内輪22の一方側に隣接して配置しても良い。
この場合、掻込用翼38の前傾角度は、例えば内輪22(回転軸20)の回転速度や内輪22(回転軸20)の大きさなどに応じて任意の角度に設定することができるため、ここでは特に限定しない。また、掻込用翼38の大きさは、例えば内輪22の厚さや回転軸22の径寸法或いは供給ノズルNの噴射口Mから噴射される潤滑剤量などに応じて設定されるため、ここでは特に限定しない。更に、掻込用翼38の個数は、図面上では等間隔に8本示したが、これに限定されることは無く、8本以上或いはそれ以下でも良いし、等間隔でなくても良い。
また、本実施の形態の導入部には、第1の実施の形態で示したような環状の貯留路32(図1(a),(b))は設けられておらず、各掻込用翼38の基端(回転軸20側の端部)から内輪22の他方側に向って軸方向に延出した導入路34が設けられている。なお、その他の構成は、第1の実施の形態と同様であるため、その説明は省略する。
以上、本実施の形態によれば、内輪22が回転軸20と共に高速条件下で回転している間、供給ノズルNの噴射口Mから噴射された潤滑剤は、供給機構の掻込部(掻込用翼38)で確実に掻き込まれた後、当該掻込用翼38の前傾スロープ38sに沿って回転軸20側に送り込まれて順次導入路34に導入される。そして、この状態で内輪22が回転することにより生じる遠心力を受けることで、潤滑剤を供給部の供給路36から軸受内に効率良く円滑に供給することができる。この結果、軸受内の潤滑性を良好に保持することが可能となる。なお、その他の効果は、第1の実施の形態と同様であるため、その説明は省略する。
次に、本発明の第3の実施の形態に係る転がり軸受について図3を参照して説明する。
本実施の形態は、供給機構の掻込部及び導入部の改良であり、他の構成は上述した第1の実施の形態と同様であるため、以下では改良部分の説明にとどめる。なお、第1の実施の形態と同一の構成には、図面上で同一符号を付して、その説明を省略する。
図3(a),(b)に示すように、本実施の形態の供給機構において、内輪22は、その一方側が外輪24よりも軸方向に突出しており、その突出した内輪22に掻込部が設けられている。この場合、掻込部は、内輪22の一方側に周方向に沿って所定間隔で交互に掘り込み形成された2系統の掻込用開口40,42を有し、一方の掻込用開口40は、内輪22の正回転方向Fに向けて所定角度で前傾していると共に、他方の掻込用開口42は、内輪の逆回転方向Hに向けて所定角度で前傾している。なお、内輪22を軸方向に突出させないで、例えば環状の掻込部を別体として内輪22の一方側に隣接して配置しても良い。
この場合、各掻込用開口40,42の掘り込み形状は、例えば転がり軸受の形状や使用環境などに応じて任意の形状(例えば矩形或いは円筒形など)に設定することができるため、ここでは特に限定しない。また、各掻込用開口40,42の前傾角度は、例えば内輪22(回転軸20)の回転速度や内輪22(回転軸20)の大きさなどに応じて最適な角度に設定されるため、ここでは特に限定しない。更に、各掻込用開口40,42の深さは、例えば内輪22の厚さや回転軸22の径寸法或いは供給ノズルNの噴射口Mから噴射される潤滑剤量などに応じて設定されるため、ここでは特に限定しない。また、各掻込用開口40,42の個数は、図面上では等間隔にそれぞれ4本示したが、これに限定されることは無く、4本以上或いはそれ以下でも良いし、等間隔でなくても良い。
また、各掻込用開口40,42の配置として、図面上において内輪22の一方側を周方向に沿って2列に配置構成しているが、このように2列に配置構成すると、供給ノズルNの噴射口Mの向きを切り換える必要がある。例えば内輪22を正回転方向Fに回転させる場合には、一方の掻込用開口40に潤滑剤を噴射する向きに噴射口Mの向きを切り換える。これに対して、内輪22を逆回転方向Hに回転させる場合には、他方の掻込用開口42に潤滑剤を噴射する向きに噴射口Mの向きを切り換える。
このような噴射口Mの向きの切換は、供給ノズルNを回動させることで制御することができる。例えば矢印R方向に供給ノズルNを回動制御することで、噴射口Mを一方の掻込用開口40に向けて切り換えることができる。これに対して、例えば矢印L方向に供給ノズルNを回動制御することで、噴射口Mを他方の掻込用開口42に向けて切り換えることができる。なお、各掻込用開口40,42の配置としては、2列に配置構成する代わりに、周方向に1列に配置構成しても良い。このような1列の配置構成とすれば、噴射口Mの向きは例えば図1(a)に示すように一方向に固定しておけば良い。
また、本実施の形態の導入部には、第1の実施の形態で示したような環状の貯留路32(図1(a),(b))は設けられておらず、それぞれの掻込用開口40,42で掻き込まれた潤滑剤を内輪22の他方側に向って軸方向に導入する導入路34が設けられている。ここで、仮に環状の貯留路32を設けた場合を想定すると、例えば一方の掻込用開口40から掻き込まれた潤滑剤が環状の貯留路32を逆流して他方の掻込用開口42から放出されてしまうため、潤滑剤を軸受内に効率良く円滑に供給することができなくなってしまう。そこで、本実施の形態では、第1の実施の形態で示したような環状の貯留路32を設けていない。なお、その他の構成は、第1の実施の形態と同様であるため、その説明は省略する。
以上、本実施の形態によれば、内輪22が回転軸20と共に高速条件下で正回転方向F又は逆回転方向Hのいずれの方向に回転しても、潤滑剤を軸受内に効率良く円滑に供給することができる。例えば、内輪22が正回転方向Fに高速回転している間、供給ノズルNの噴射口Mから噴射された潤滑剤は、供給機構の掻込部(一方の掻込用開口40)で確実に掻き込まれた後、順次導入路34に導入される。これに対して、内輪22が逆回転方向Hに高速回転している間、供給ノズルNの噴射口Mから噴射された潤滑剤は、供給機構の掻込部(他方の掻込用開口42)で確実に掻き込まれた後、順次導入路34に導入される。そして、この状態で内輪22が回転することにより生じる遠心力を受けることで潤滑剤を供給部の供給路36から軸受内に効率良く円滑に供給することができる。この結果、軸受内の潤滑性を良好に保持することが可能となる。なお、その他の効果は、第1の実施の形態と同様であるため、その説明は省略する。
次に、本発明の第4の実施の形態に係る転がり軸受について図4を参照して説明する。
本実施の形態は、供給機構の掻込部及び導入部の改良であり、他の構成は上述した第1の実施の形態と同様であるため、以下では改良部分の説明にとどめる。なお、第1の実施の形態と同一の構成には、図面上で同一符号を付して、その説明を省略する。
図4(a),(b)に示すように、本実施の形態の供給機構において、内輪22は、その一方側が外輪24よりも軸方向に突出しており、その突出した内輪22に掻込部が設けられている。この場合、掻込部は、内輪22の一方側に周方向に沿って所定間隔で掘り込み形成された掻込用凹部44と、掻込用凹部44から2系統に振り分けられた掻込用通路46,48とを有し、一方の掻込用通路46は、内輪22の正回転方向Fに向けて所定角度で前傾していると共に、他方の掻込用通路48は、内輪22の逆回転方向Hに向けて所定角度で前傾している。なお、内輪22を軸方向に突出させないで、例えば環状の掻込部を別体として内輪22の一方側に隣接して配置しても良い。
この場合、掻込用凹部44の内周面の形状は、当該掻込用凹部44に掻き込んだ潤滑剤をそれぞれの掻込用通路46,48に収集し易くするように、掻込用凹部44と各掻込用通路46,48に連通する部分(掻込用凹部44と各掻込用通路46,48との境界部分)が他の部分よりも低くなっている。即ち、符号44f及び44hで示す部分(以下、収集部という)が他の部分よりも低くなっているため、潤滑剤を効率良く円滑にそれぞれの掻込用通路46,48に収集させることができる。
また、掻込用凹部44の個数は、図面上では等間隔に4個示したが、これに限定されることは無く4個以上或いはそれ以下でも良いし、等間隔でなくても良い。また、掻込用凹部44の掘り込み形状については、本実施の形態では一例として、軸方向に突出した部分の表面を略矩形状に掘り込んで形成しているが、これ以外に、例えば転がり軸受の形状や使用環境などに応じて任意の形状に設定することができる。また、掻込用凹部44の深さは、例えば内輪22の厚さや回転軸22の径寸法或いは供給ノズルNの噴射口Mから噴射される潤滑剤量などに応じて設定されるため、ここでは特に限定しない。更に、各掻込用通路46,48の前傾角度は、例えば内輪22(回転軸20)の回転速度や内輪22(回転軸20)の大きさなどに応じて最適な角度に設定されるため、ここでは特に限定しない。
また、導入部は、双方の掻込用通路46,48に連通し、当該掻込用通路46,48を経て掻き込まれた潤滑剤を一時的に貯留する貯留路50と、貯留路50から内輪22の他方側に向って軸方向に延出した導入路34とを備えている。この場合、貯留路50は、1つの掻込用凹部44から振り分けられた2つの掻込用通路46,48に相互に連通しており、各貯留路50同士は互いに連通していない。これにより、貯留路50に貯留された潤滑剤が逆流して掻込用凹部44から放出されるといったことが防止されている。なお、その他の構成は、第1の実施の形態と同様であるため、その説明は省略する。
以上、本実施の形態によれば、内輪22が回転軸20と共に高速条件下で正回転方向F又は逆回転方向Hのいずれの方向に回転しても、潤滑剤を軸受内に効率良く円滑に供給することができる。例えば、内輪22が正回転方向Fに高速回転している間、供給ノズルNの噴射口Mから噴射された潤滑剤は、供給機構の掻込用凹部44で確実に掻き込まれ、収集部44fから一方の掻込用通路46に収集された後、内輪22の回転に伴って導入部の貯留路50に貯留されつつ順次導入路34に導入される。これに対して、内輪22が逆回転方向Hに高速回転している間、供給ノズルNの噴射口Mから噴射された潤滑剤は、供給機構の掻込用凹部44で確実に掻き込まれ、収集部44hから他方の掻込用通路48に収集された後、内輪22の回転に伴って導入部の貯留路50に貯留されつつ順次導入路34に導入される。そして、この状態で内輪22が回転することにより生じる遠心力を受けることで潤滑剤を供給部の供給路36から軸受内に効率良く円滑に供給することができる。この結果、軸受内の潤滑性を良好に保持することが可能となる。なお、その他の効果は、第1の実施の形態と同様であるため、その説明は省略する。
また、本実施の形態によれば、掻込用凹部44を比較的大きく設定することができるため、例えば図3(a)に示すような噴射口Mの切換制御を行う必要が無い。また、掻込用凹部44が周方向に沿って1つずつ設けられているため、供給ノズルNの噴射口Mをシンプルに構成することができるため、軸受の製造コストを大幅に低減することができる。
(a)は、本発明の第1の実施の形態に係る転がり軸受の構成例を示す部分断面図、(b)は、同図(a)のb−b線に沿う断面図。 (a)は、本発明の第2の実施の形態に係る転がり軸受の構成例を示す部分断面図、(b)は、同図(a)のb−b線に沿う断面図。 (a)は、本発明の第3の実施の形態に係る転がり軸受の構成例を示す部分断面図、(b)は、同図(a)のb−b線に沿う断面図。 (a)は、本発明の第4の実施の形態に係る転がり軸受の構成例を示す部分断面図、(b)は、同図(a)のb−b線に沿う断面図。 (a)は、ジェット方式の給油の構成例を示す部分断面図、(b)は、アキシアルスクープ方式の給油の構成例を示す部分断面図、(c)は、ラジアルスクープ方式の給油の構成例を示す部分断面図。
符号の説明
20 回転軸
22 内輪
24 外輪
26 転動体
28 保持器
30 掻込用開口(掻込部)
32 貯留路(導入部)
34 導入路(導入部)
36 供給路(供給部)

Claims (7)

  1. 高速回転条件下で回転する回転軸を支持する転がり軸受であって、
    回転軸に固定され且つ当該回転軸と共に回転する内輪と、内輪の外側に対向配置された外輪と、内外輪間に転動自在に配列された複数の転動体とを備えており、
    内輪には、当該内輪が回転軸と共に回転する際に、潤滑剤を掻き込んで軸受内に供給する供給機構が設けられていることを特徴とする転がり軸受。
  2. 供給機構には、内輪の回転に従って潤滑剤を掻き込む掻込部と、掻き込まれた潤滑剤を軸方向に導入する導入部と、導入された潤滑剤を軸受内に供給する供給部とが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の転がり軸受。
  3. 内輪が回転軸と共に回転している間、供給機構において掻込部から導入部に導入された潤滑剤は、内輪が回転することにより生じる遠心力を受けて供給部から軸受内に供給されることを特徴とする請求項2に記載の転がり軸受。
  4. 掻込部は、内輪の一方側に周方向に沿って所定間隔で形成された掻込用開口を有し、当該掻込用開口は、内輪の回転方向に向けて所定角度で前傾しており、
    導入部は、掻込用開口で掻き込まれた潤滑剤を一時的に貯留する環状の貯留路と、貯留路から内輪の他方側に向って軸方向に延出した導入路とを備えていると共に、
    供給部は、導入路から内輪を径方向に経由して軸受内に連通した供給路を備えていることを特徴とする請求項2又は3に記載の転がり軸受。
  5. 掻込部は、内輪の一方側に周方向に沿って所定間隔で設けられた掻込用翼を有し、当該掻込用翼は、内輪の回転方向に向けて所定角度で前傾しており、
    導入部は、掻込用翼で掻き込まれた潤滑剤を内輪の他方側に向って軸方向に導入する導入路を備えていると共に、
    供給部は、導入路から内輪を径方向に経由して軸受内に連通した供給路を備えていることを特徴とする請求項2又は3に記載の転がり軸受。
  6. 掻込部は、内輪の一方側に周方向に沿って所定間隔で交互に形成された2系統の掻込用開口を有し、一方の掻込用開口は、内輪の正回転方向に向けて所定角度で前傾していると共に、他方の掻込用開口は、内輪の逆回転方向に向けて所定角度で前傾しており、
    導入部は、それぞれの掻込用開口で掻き込まれた潤滑剤を内輪の他方側に向って軸方向に導入する導入路を備えていると共に、
    供給部は、導入路から内輪を径方向に経由して軸受内に連通した供給路を備えていることを特徴とする請求項2又は3に記載の転がり軸受。
  7. 掻込部は、内輪の一方側に周方向に沿って所定間隔で形成された掻込用凹部と、掻込用凹部から2系統に振り分けられた掻込用通路とを有し、一方の掻込用通路は、内輪の正回転方向に向けて所定角度で前傾していると共に、他方の掻込用通路は、内輪の逆回転方向に向けて所定角度で前傾しており、
    導入部は、双方の掻込用通路に連通し、当該掻込用通路を経て掻き込まれた潤滑剤を一時的に貯留する貯留路と、貯留路から内輪の他方側に向って軸方向に延出した導入路とを備えていると共に、
    供給部は、導入路から内輪を径方向に経由して軸受内に連通した供給路を備えていることを特徴とする請求項2又は3に記載の転がり軸受。
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