JP2006315039A - タワー型金属部材修正装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 被修正対象が従来から用いられている鋼板はもとより、新素材の超高張力鋼板やアルミニウム合金などの金属部材であっても且つ経験に左右されるとこなく、簡単、迅速且つ正確に損傷した金属部材の修正を場所に制約されずに行えるようにする。
【解決手段】 このタワー型金属部材修正装置は、台部材2と、この台部材2上に立設された柱部材1と、この柱部材1に基端部が前記柱部材1にそれぞれ上下動可能に且つ所望の高さ位置で固定保持される作動アーム部材3、滑車保持部材4、第2の作動アーム部材5をもって主な構成要素としている。
作動アーム部材3と第2の作動アーム部材5は、油圧シリンダにより押し、引きの動作ができ、滑車保持部材4に掛け渡される索14(フック22)は、油圧シリンダ19によって引き動作のみが行える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、事故によって損傷した自動車ボディ等の金属部材を元のように修正するために、凹み個所を引き出して修正したり、膨出個所を押し込んで修正する機能と塑性変形部に押す力を加えながら支点を作り弾性変形部を引き出す機能を兼ね備えたタワー型金属部材修正装置に関するものである。
金属パネルなどに生じた凹み、例えば衝突や接触事故などで自動車のボディパネルのような金属部材に生じた凹みを修正するには、従来から行われているハンマーやドリーによる叩き出し作業に代って、ピン溶植法、ワッシャ溶植法による作業が多く行われるようになってきた。このピン溶植法、ワッシャ溶植法は、修正すべき凹み部分の裏面を露呈することなしに、当該凹み部分の表面側のみで修復処理を行うもので、当該凹み部分の表面にピンまたはワッシャと称される、引っ掛け係止部を有する金属チップを電気溶接によって溶植し、この溶植されたピンまたはワッシャの引っ掛け係止部にプーラーのチャックやフックを引っ掛けて当該凹み部を引張り出し、その後、溶植ピンやワッシャなどを取り除き、さらにこの引っ張り出したときに生じるパネルの伸びを点溶接電極棒で焼き絞りと称される加工または電極ハンマーで叩いて、凹み部分を復元させることが行われている。
修復すべき凹み部が大きな範囲である場合には、多数のワッシャまたはピンを列状に仮溶着し、仮溶着されたワッシャまたはピンの係止孔の全てにプーラーの引っ掛け金具を挿通しプーラーにて一括して多数のワッシャまたはピンを引き出すことが行われている。
このようなプーラーの一例として、特許文献1(実開昭61-36385号公報)に示されたプーラーがある。
このプーラーの使用に際して、修復金属板材の凹み部にワッシャ溶植を行う場合には、電極チップの先端にワッシャを保持させ、電極接続部に溶接機から溶接電流をケーブルを介して供給し、グリップ部を手で掴んでワッシャの先端を修復金属板材の凹み部に当接させ、自動溶接もしくは手動(リモートコントロールスイッチの操作)でもってワッシャの先端を溶植する。しかる後、錘をグリップ部側に勢いよく引上げ、グリップ部の端部に錘を衝突させる動作を何回か行うと溶植されたワッシャがその衝撃力により引き上げられ、当該凹み部が所定の復元位置まで引き上げられる。この状態でグリップ部を左右に回転させると溶植部からワッシャが分離される。
また、上記特許文献1のプーラーのように、手動の衝撃力により凹み部を復元位置まで引き上げる代りに、シリンダとピストンからなる往復運動機構により、凹み部を引き出す方式の凹み修復用プーラーが特許文献2(特開平9-85342号公報)に記載されている。この特許文献2に記載の凹み修復用プーラーは、2つのグリップ部を左右の手でそれぞれ把持し、点溶接電極棒を、金属材料の凹み部に接触させて、溶接電流を、電極接続端子、電極取付ボルトを介して該電極棒に供給して凹み部に仮溶着する。
次に、手動操作レバーをグリップ部側に引き、切換バルブを移動させると、エアー導入口から導入されたエアーが切換バルブを介してシリンダの一方の空間に供給され、ピストンが移動し、力伝達ロッド、電極ホルダ等を順次介して凹み部に仮溶着された電極棒に移動させるので、凹み部が引き出される。仮溶着された電極棒は、電極ホルダを回動させることにより凹み部から離されるように構成されている。
上述した特許文献1および2は、作業者が手に抱えて作業を行う、いわば携帯型のプーラーであるが、事故等で変形した自動車の車枠に矯正力を加えるために床上に固定して使用する自動車矯正用タワーなるものが特許文献3(実開平6−39216号公報)に示されている。
この特許文献3に係る自動車矯正用タワーにおいて、自動車は、水平な矯正作業台上に車輪を有した複数の保持馬を用いて車枠を固定し、一方その固定保持された自動車に対峙するように矯正用タワーを床に設置したアンカーナットにねじ込んだボルトに連結具を介して係留索で係留し、矯正用タワーの前柱に連結した手動牽引器または油圧装置により車枠に押し矯正力を加えることによって、車枠(骨格部)を修復するように構成されている。
しかしながら、上記特許文献1のプーラーは、錘をグリップ側に勢いよく移動させ、グリップ部の端部に錘を衝突させることによって凹み部を引き出す方法であるため、疲労が大きい上、熟練と多くの時間を要し、広範囲の損傷を修復することは困難であり、とりわけ、最近の自動車のパネル等に用いられつつある超高張力鋼板やアルミニウム合金板等の新素材からなるパネル等の修正には、上述のプーラーでは修復が不可能である。
また、上述の特許文献2に係る凹み修復用プーラーは、その構造上、小範囲の損傷の修正には好適であるが、例えば、ドアパネル全体に及ぶような広範囲の損傷に対しては、対応しにくく、仮に対応できるとしても修正作業を繰り返し行う必要があり、多くの作業時間を要すると共に、熟練した技能を有しない場合、適正な修正を行うことが困難であった。
また、上述の特許文献3の自動車矯正用タワーは、自動車の骨格部である車枠の矯正をするように構成されているのみであり、自動車のドアパネルのような一般に外板パネルと呼ばれる部位の修復は目的としておらず、それに対応した構成も示されていない。
仮に、この特許文献3に示す矯正用タワーを用いて外板パネルの修正をすべく、単に押したり、引いたりするだけではパネルを修正することはできない。
何となれば、上記矯正用タワーの牽引装置または押し装置により、損傷したパネル面に矯正力を加えて修正しようとした場合、損傷をさらに外に広げ、いわゆる二次損傷を与える虞が多分にある。
また、上記矯正用タワーを床等に係留するには、係留連結装置を用いる必要があり、その分、余分の設備を設けなければならないことから、設備費用が嵩む問題がある他、修正を要する自動車は、常にその係留連結装置に運び入れて設置しなければならないので、その段取りに多くの作業時間を要し、且つ場所の制約を受けるため、工場全体としての稼働率が低下せざるを得ないという問題もある。
ところで、近年、自動車に用いる素材が変化してきており、例えば、バンパービーム、ドアインパクトビーム、シートフレーム、フレームなどの骨格部位や最近に至り外板パネルに関しても、超高張力鋼板(Ultra High Tension Strength Steel)が採用されつつある。超高張力鋼板は、引張り強度が780MPa以上の鋼板を指称するものであり、自動車の構成部品に用いた場合、衝突変形時のエネルギー吸収性に優れ、従来よりも薄い板厚で高い強度が得られ、その結果大幅な軽量化(例えば33%)を実現できるという特徴がある。
しかしながら、この超高張力鋼板を用いた自動車が損傷を受け、これを修正するに際しては、次のような新たな問題点があることが判明した。
第1に、板厚が薄くなる程、また、鋼板強度が大きくなる程、いわゆるスプリングバックが生じ易くなり、成形が困難を極め、寸法精度が厳しくなり、修正の難易度が著しく高くなる、という問題がある。
第2に、熱による組成変形が生じ易く、成形性を確保した特別の溶接技術が必要とされる。
第3に、修正に伴う加工硬化が生じ易く、一旦塑性変形が起こると歪みの増加によりパネルの硬さが増し、変形抵抗が増加するという難点がある。
上述したところより、超高張力鋼板の修正には、特許文献1に係るプーラーのように、錘をスライディングして衝撃を与えて、凹部を引き出す従来の工法では、精度の高い修正を行うことは困難乃至は不可能であり、仮に可能であるとしても高度の技術を持った技術者が長時間に及ぶ作業を余儀なくされる。
また、広範囲に及ぶ損傷の場合、上記特許文献2に係る凹み修復用プーラーでは、対応が困難である。
また、最近、自動車のバンパービーム、ドアインパクトビーム、フレームなどの骨格部位や、ボンネットやフロントフェンダなどの外板パネルに、アルミニウム展伸合金(以下、「アルミ合金」と略称する)が採用されてきており、特に輸入車を中心にオールアルミニウムボディの車種が増えてきつつある。
このアルミ合金は、引張り強度が230〜285MPaであり、比強度が鋼板の約2倍あり、同一強度のものであれば、鋼板に比べて、重量が約半分になるという特徴がある。
しかしながら、アルミ合金を修正するに際しては、次のような点に留意する必要がある。
第1に、柔軟性があり、弾性係数が低いため、強い衝撃や大きな変形を与えると修正作業中に、二次損傷を受け易い。
第2に、融点が低く、加熱により歪や溶接剥れが生じ易く、さらに、酸化し易い性質をもっているため、母材に対する入熱管理と溶接順序を工夫するなど、高度な溶接技術が要求される。
第3に、アルミ合金は、異種金属である鋼板と接触させると接触面に電位差が生じアルミ合金表面を溶融させてしまうので、修正等にもそれを配慮しなければならない。
以上のことから、アルミ合金の板金修正には、従来の錘の衝撃、即ちスライディングハンマーなどによる従来の引き出し工法では、修理が不可能であり、結果的に高価な部品の交換を余儀なくされる。
このように、修理難易度が高いことから、部品の交換作業中心の修理手法がとられその結果、修理コストが引き上げられる要因となっている。
そして、事故車の修理費用に占める交換部品代は、約50%を占めている、といわれており、修理できるものは、極力修理して欲しいという要望は、特に、保険業界から出されており、また自動車ユーザの要望でもある。
しかしながら、パネル等を修理で修正するには、一般的に熟練者による高度な技術が必要であるが、当該業界においては、その熟練技能者が不足している現状にある。
よって高度な熟練技術を有していなくても修正が容易に、正確に且つ迅速に行い得る修正装置の出現が強く要望されるゆえん(所以)である。
実開昭61−36385号 公報 特開平9−85342号 公報 実開平6−39216号 公報
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、その第1の目的とするところは、従来から用いられている鋼板はもとより、新素材の超高張力鋼板やアルミニウム合金などの金属部材であっても且つ、経験の浅い技能者であっても、簡単にしかも迅速に損傷した金属部材の修正を行い得るタワー型金属部材修正装置を提供することにある。
第2の目的とするところは、移動が自由であり、床などへの係留装置を必要とせず、段取り作業時間が減少し、作業場所に制約されることなく、任意の位置に自由に設定し得るタワー型金属部材修正装置を提供することにある。
第3の目的とするところは、金属パネルの修正に限らず、車両の骨格部における軽度を損傷の修正にも使用し得るタワー型金属部材修正装置を提供することにある。
第4の目的とするところは、広範囲に亘る損傷に対しても容易に且つ精度の高い修正を短時間で行い得るタワー型金属部材修正装置を提供することにある。
第5の目的とするところは、特別の力を必要とせずに、長時間作業しても疲労が少ないタワー型金属部材修正装置を提供することにある。
請求項1に記載した発明に係るタワー型金属部材修正装置は、上述した第1、第3〜第5の目的を達成するために、
剛性大なる台部材と、
前記台部材上に立設された剛性大なる柱部材と、
第1の油圧シリンダによって横方向に進退し得るアームを有すると共にその基端部が前記柱部材に上下動可能に嵌合され且つ所望の高さ位置にて固定保持される剛性大なる作動アーム部材と、
第2の油圧シリンダによって引張り作用が与えられる索の移動を中継する滑車を支持し、その支持端が前記柱部材に上下動可能に嵌合され且つ所望の高さ位置に固定保持される滑車保持部材と、
を具備し、
自動車等の金属部材の損傷を前記作動アーム部材と前記滑車保持部材と前記索とを同時に用いて修正し得るように構成したことを特徴としている。
請求項2に記載した発明に係るタワー型金属部材修正装置は、上述した第1、第3〜第5の目的を達成するために、
第3の油圧シリンダによって横方向に進退し得るアームを有すると共にその基端部が前記柱部材の前記滑車保持部材を挟んで前記作動アーム部材とは反対側に上下動可能に嵌合され且つ所望の高さ位置にて固定保持される剛性大なる第2の作動アーム部材を有することを特徴としている。
請求項3に記載した発明に係るタワー型金属部材修正装置は、上述した第1、第3〜第5の目的を達成するために、
前記柱部材は、断面円形状を呈するパイプよりなることを特徴としている。
請求項4に記載した発明に係るタワー型金属部材修正装置は、特に、上述した第2の目的を達成するために、
前記台部材には、台部材内部を横方向に移動可能な油圧ジャッキを有し、より好ましくは、車両の損傷位置にとらわれることなく車両下部のフレーム等の強度大なる部位に任意の位置で固定することができると共に、前記台部材の低部には弾性支持された複数のキャスタが設けられており、ジャッキアップ前の無負荷状態では、前記キャスタが転動し、移動容易なる状態を呈するが、自動車等をジャッキアップした状態では自動車等の重量が前記弾性力に抗し前記キャスタを上方に押し上げ、前記台部材が直接床上に接触し移動が阻止された状態となるように構成したことを特徴としている。
請求項5に記載した発明に係るタワー型金属部材修正装置は、特に、上述した第2の目的を達成するために、
前記台部材は、互いに嵌合し合う二部材からなり、所望により伸長または短縮し得ると共に、その伸長または短縮の状態を保持し得るように構成したことを特徴としている。
請求項6に記載した発明に係るタワー型金属部材修正装置は、特に、上述した第2の目的を達成するために、
前記台部材に設けられた複数のキャスタのうち、前記柱部材が立設された一端側には大径のキャスタを設け、ジャッキが設けられた他端側には、小径のキャスタを設けてなることを特徴としている。
請求項7に記載した発明に係るタワー型金属部材修正装置は、上述した第1、第3〜第5の目的を達成するために、
前記柱部材に対し、上下動可能に可動滑車を取付け、且つ前記第2の油圧シリンダによって前記可動滑車を移動させて前記索に引張り作用を与えるように構成したことを特徴としている。
請求項8に記載した発明に係るタワー型金属部材修正装置は、上述した第1、第3〜第5の目的を達成するために、
前記作動アーム部材または前記第2の作動アーム部材の前記アームの中間部にボールジョイント部材を介在させ、前記アームの先端側を所定の角度範囲に亘って3次元方向に傾け得ると共に、所望の角度位置に固定保持し得るように構成したことを特徴としている。
請求項9に記載した発明に係るタワー型金属部材修正装置は、上述した第1、第3〜第5の目的を達成するために、
前記作動アーム部材または前記第2の作動アーム部材の前記アームの先端部に、被加工対象金属部材の表面形状に概ね添わせ得る可撓性を有した当接部材を着脱可能に装着することを特徴としている。
請求項10に記載した発明に係るタワー型金属部材修正装置は、上述した第1、第3〜第5の目的を達成するために、
前記当接部材は、
前記金属部材に当接すべき面から順に、低反発ウレタンフォーム材よりなる接触プレート、硬質ゴム材よりなり適宜の断面V字状の切り込みを形成してなる中間プレートおよび薄肉の弾性プレートとをもって層状に形成されたパット部材と、
前記弾性プレートに突設された複数の連結片と、
一端が前記連結片にピン結合され、他端には、長孔が形成された複数の連結レバーと、
前記複数の連結レバーの他端がそれぞれ所定の許容範囲に亘って緩くピン結合された調整板と、
一端が前記調整板と連結され他端が前記アームの先端に嵌合され且つ固定される連結アームと、
を具備し、
前記パット部材を被修正対象金属部材の形状に添わせるように湾曲した状態を形成するため、前記調整板に対する前記連結レバーの長さを調整し且つ、当該長さを固定保持し得るように構成したことを特徴としている。
請求項1に記載の発明によれば、
剛性大なる台部材と、
前記台部材上に立設された剛性大なる柱部材と、
第1の油圧シリンダによって横方向に進退し得るアームを有すると共にその基端部が前記柱部材に上下動可能に嵌合され且つ所望の高さ位置にて固定保持される剛性大なる作動アーム部材と、
第2の油圧シリンダによって引張り作用が与えられる索の移動を中継する滑車を支持し、その支持端が前記柱部材に上下動可能に嵌合され且つ所望の高さ位置に固定保持される滑車保持部材と、
を具備し、
自動車等の金属部材の損傷を前記作動アーム部材を前記滑車保持部材と前記索とを同時に用いて修正し得るように構成したので、修正すべき金属部材が従来から用いられている鋼板はもとより、新素材の超高張力鋼板やアルミニウム合金であっても且つ経験の浅い技能者であっても、簡単にしかも迅速に損傷した金属部材を元のように修正を行い得るタワー型金属部材修正装置を提供することができる。
また、請求項2に記載の発明によれば、
第3の油圧シリンダによって横方向に進退し得るアームを有すると共にその基端部が前記柱部材の前記滑車保持部材を挟んで前記作動アーム部材とは反対側に上下動可能に嵌合され且つ所望の高さ位置にて固定保持される剛性大なる第2の作動アーム部材を有する構成とし、差動アーム部材と第2の作動アーム部材と滑車保持部材に掛けられた索とにより、二次損傷を与えずに、簡単、迅速、且つ正確に損傷した金属部材の修正を行い得るタワー型金属部材修正装置を提供することができる。
また、請求項3に記載の発明によれば、
前記柱部材を、断面円形状を呈するパイプとしたので、方向に左右されず、剛性が一定で、且つ引き角度の自由度が高まり、設定位置を変えることなく、複数の損傷の修正に対応が可能なタワー型金属部材修正装置を提供することができる。
また、請求項4に記載の発明によれば、
前記台部材には、台部材内部を横方向に移動可能な油圧ジャッキを有すると共に、前記台部材の低部には弾性支持された複数のキャスタが設けられており、ジャッキアップ前の無負荷状態では、前記キャスタが転動し、移動容易なる状態を呈するが、自動車等をジャッキアップした状態では自動車等の重量が前記弾性力に抗し前記キャスタを上方に押し上げ、前記台部材が直接床上に接触し移動が阻止された状態となるように構成したので、移動が自由であり、床などへの係留装置を必要とせず、修正の段取作業が減少し、作業場所に制約されることなく、任意の空きスペースに自由に設定し得るタワー型金属部材修正装置を提供することができる。
また、請求項5に記載の発明によれば、台部材を、互いに嵌合し合う二部材からなり、所望により伸長または短縮し得ると共に、その伸長または短縮の状態を保持し得るように構成したので、修正作業時には台部材を伸長することで使い勝手がよくなり、不使用時には、短縮することで収納スペースを減少させ得るタワー型金属部材修正装置を提供することができる。
請求項6に記載の発明によれば、
前記台部材に設けられた複数のキャスタのうち、前記柱部材が立設された一端側には大径のキャスタを設け、ジャッキが設けられた他端側には、小径のキャスタを設けたので、特に、自動車の低い床下に台部材を挿入してジャッキアップするのに好都合なワー型金属部材修正装置を提供することができる。
請求項7に記載の発明によれば、
前記柱部材に対し、上下動可能に可動滑車を取付け、且つ前記第2の油圧シリンダによって前記可動滑車を移動させて前記索に引張り作用を与えるように構成したので、滑車保持部材を油圧シリンダで直接駆動することなく、柱部材の支障ない部位に可動滑車を設けるなど、配置の自由度が高いタワー型金属部材修正装置を提供することができる。
請求項8に記載の発明によれば、
前記作動アーム部材または前記第2の作動アーム部材の前記アームの中間部にボールジョイント部材を介在させ、前記アームの先端側を所定の角度範囲に亘って3次元方向に傾け得ると共に、所望の角度位置に固定保持し得るように構成したので、作業の際の位置決めが簡素化できると共に、無理な角度から起こる二次損傷を防止し得るタワー型金属部材修正装置を提供することができる。
請求項9に記載の発明によれば、
前記作動アーム部材または前記第2の作動アーム部材の前記アームの先端部に、被加工対象金属部材の表面形状に概ね添わせ得る可撓性を有した当接部材を着脱可能に装着するように構成したので、当接部材を用いた場合には、二次損傷を与えるおそれが減少し、より迅速に元通りに損傷部位を修正し得るタワー型金属部材修正装置を提供することができる。
請求項10に記載の発明によれば、
前記当接部材は、
前記金属部材に当接すべき面から順に、低反発ウレタンフォーム材よりなる接触プレート、硬質ゴム材よりなり適宜の断面V字状の切り込みを形成してなる中間プレートおよび薄肉の弾性プレートとをもって層状に形成されたパット部材と、
前記弾性プレートに突設された複数の連結片と、
一端が前記連結片にピン結合され、他端には、長孔が形成された複数の連結レバーと、
前記複数の連結レバーの他端がそれぞれ所定の許容範囲に亘って緩くピン結合された調整板と、
一端が前記調整板と連結され他端が前記アームの先端に嵌合され且つ固定される連結アームと、
を具備し、
前記パット部材を被修正対象金属部材の形状に添わせるように湾曲した状態を形成するため、前記調整板に対する前記連結レバーの長さを調整し且つ、当該長さを固定保持し得るように構成したので、
作動アーム部材または第2の作動アーム部材の先端により、被加工対象金属部材の表面に影響を与える虞れがなく、修正の仕上がりが極めて良好で、修正作業時間も大幅に短縮し得るタワー型金属部材修正装置を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態に基づき、図面を参照して、本発明に係るタワー型金属部材修正装置を詳細に説明する。
図1は、本発明の一つの実施の形態に係るタワー型金属部材修正装置の外観構成を示す正面図である。
図2は、図1のタワー型金属部材修正装置の平面図、図3は、図1に示すタワー型金属部材修正装置の一部を示す左側面図、図4は、図1に示すタワー型金属部材修正装置の一部を示す右側面図、図5は、本発明の作動部材または第2の作動部材の先端側に装着されて使用される当接部材の構成を示す正面図である。
図1〜図4において、本発明に係るタワー型金属部材修正装置は、その基本的構成は、柱部材(いわゆるタワー)1、台部材2、作動アーム部材3、滑車保持部材4、第2の作動アーム部材5からなっている。
台部材2は、平面略三角形板状を呈する剛性大なる第1基台2aと、断面コ字状を呈する剛性大なるビーム状の第2基台2bからなり、第1基台2aに第2基台2bが嵌合し、所定の範囲に亘り伸長させたり、伸長状態から短縮させ、且つその伸長状態および短縮状態を、締付けボルト、ロックレバー(いずれも図示せず)などにより、保持し得るように構成されている。
また、台部材2の一端側には、前記柱部材1が、溶接またはボルト結合などの手段により、略鉛直に立設されている。
さらに、台部材2の他端側、即ち、第2基台2bの内部(図1において右端部)には、台部材2の内部を横方向に移動可能な油圧ジャッキ6が配設され、この油圧ジャッキ6は、第2基台2bの右端部の支軸6aを回動中心として、上下方向に回動するジャッキアーム6bと、このジャッキアーム6bの先端(図1において左端)のヘッド6cと、このヘッド6cの下方と台部材2との間に介挿された油圧シリンダ(プランジャとシリンダよりなり、油圧ラムとも称される)とで構成される。
この油圧ジャッキ6に、油圧ポンプPから送出された油圧が切換バルブ、油圧パイプ等を介して、油圧シリンダに供給されると、油圧シリンダが上昇し、ヘッド6cを押し上げる。
油圧シリンダを上昇させた状態で、後述する油圧シリンダ19を作動させる場合には、油圧ジャッキの切換えバルブを閉じることで油圧ジャッキの上昇状態を維持できる。
この作用により、本発明に係るタワー型金属部材修正装置は、損傷車両の車体重量を利用した車両固定と、損傷部位の修正作業を同時に行える機能を有している。
また、台部材2の低部には、4個のキャスタ7および8が配設されている。
台部材2の基端側(図において左側)に取付けられた2個のキャスタ7は、比較的大径の車輪(脚輪)7aが用いられ、先端側(右側)に取付けられた2個のキャスタ8は、小径の車輪(球形状)8aが用いられ、この結果、台部材2の先端側は、接地面からの高さが低くなり、床下と地面との間隔が狭い(低い)車両であっても容易に挿入できるように配慮してある。
上記キャスタ7は、地面に接して転動する脚輪7aと、その脚輪7a(コロ)を支持する支持脚7bと、この支持脚7bの上側に一体に設けられた鍔7d付きの軸部7cとからなり、この軸部7cは、所定範囲に亘る上下方向運動および回転運動を許容するようにして、第1基台2a側に設けた軸受によって支持される。
そして、キャスタ7の鍔部7dと第1基台2aとの間には、常にキャスタ7を突出する方向、即ち、下方向に突出する付勢力を与えるコイルばね9が間挿されている。
また、先端側に配設したキャスタ8も同様に構成されるものとするが、この実施の形態の場合、脚輪7aのようなものの代りに円球体よりなる脚輪8aが用いられ、この脚輪8aを支持する支持脚8bを有する。支持脚8bの鍔部と第2基台2bとの間にも、常にキャスタ8を突出する方向、即ち、下方向に突出する付勢力を与えるコイルばね10が間挿されている。
図1において、台部材2には、油圧ポンプPが配設してあり、この油圧ポンプPからは、上記油圧ジャッキ6と、後述する動滑車機構15と第2の作動アーム部材5へ油圧マニホールド11および油圧パイプ12a,12b,12cをそれぞれ介して油圧が供給される。
さらに、台部材2の第2基台2bの中間部には、低部引出し用滑車13が設けてあり、後述する滑車保持部材4の引出し用滑車5aに掛け渡された索(この例の場合、鎖)14が、場合により、この低部引出し用滑車13に巻き掛けられることがある。
例えば、車両のドアの下端を、斜め下方向に引出す必要がある場合など上記低部引出し用滑車13が用いられる。
この引出し方向を変更し得るように、第2基台2bには、所定間隔で、複数の支軸孔2c、2c…が穿設されており、必要に応じ、低部引出し用滑車13の支軸13aを抜き、低部引出し用滑車13を他の支軸孔2cの部位へ移動し、然る後、支軸を、上記支軸孔2cと滑車13の中心孔に挿入することで、滑車13の位置を変更することができる。
尚、上記支軸孔2cのそれぞれに複数の滑車13を予め配設しておいてもよい。
次に、柱部材1に取付けられる作動アーム部材3、滑車保持部材4、第2の作動アーム部材5および動滑車機構15の構成について説明する。
作動アーム部材3は、柱部材1に上下動可能に嵌合され、且つ所望の高さ位置にて、図示省略のロックハンドルを締付ける方向に回すことによって、所望の位置に固定されるようになっている。この図1に示す実施の形態においては、ボールジョイント16付きの作動アーム部材3が用いられている。
このボールジョイント16のボール16aの可動(揺動)側には、複合ラム受口17が一体的に設けられており、この複合ラム受口17には、図示しない複合ラム(または油圧シリンダ、以下同じ)が装着され、油圧シリンダ(第3の油圧シリンダ)の先端側には、作動アームが連結され、油圧シリンダによって、作動アームがボールジョイント16によって設定された方向に向けて進退し得るようになっている。
滑車保持部材4は、その支持端が柱部材1に上下動可能に嵌合され、且つ所望(任意)の高さ位置に、図示しないロックハンドルによって緊締されて固定保持されるようになっている。
この滑車保持部材4の先端側には、引出し用滑車4aが回転自在に軸支されている。この引出し用滑車4aには、鎖よりなる索14が巻掛けられるようになっている。この索14の基端は、柱部材1の上端に嵌合・固定された動滑車機構取付アーム18に連結され、途中、動滑車(移動滑車)20および固定滑車21に順次巻掛けられ、さらに上記引出し用滑車4aに巻掛けられる。
索14の先端には、フック22が接続されており、このフック22は、例えば、背景技術の項で説明したように、凹み部分の表面に溶植されたピンまたはワッシャの引掛け係止部に引っ掛けるものである。この状態で、動滑車機構15の油圧シリンダ(第2の油圧シリンダ)19に所定の油圧を供給することで、油圧シリンダ19が動滑車20と共に下方に向って伸びるので、固定滑車21の左側の索14を押し下げる。その結果、固定滑車21の右側の索14は、引き上げられ、それによって引出し滑車4aより右の索14の部分は、左方に引っ張られたため、フック22に引っ掛けられたピンまたはワッシャを引き出し、その結果、被修正金属部材の凹みが元の位置まで引き出される。
第2の作動アーム部材5は、基端部が柱部材1の滑車保持部材4を挟んで作動アーム部材3とは反対側に上下動可能に嵌合され且つ所望の高さ位置にてロックハンドルにて固定保持される。
この第2の作動アーム部材5は、油圧シリンダ(第3の油圧シリンダ)23によって、横方向に進退し得るように構成されている。
この第2の作動アーム部材5は、複数段のアームで構成され、その先端部には、修正対象金属部材の表面形状に概ね添わせ得る可撓性を有した当接部材24を着脱可能に装着されている。
この当接部材24は、図5に拡大して詳しく示してあるように、修正対象金属部材に当接すべき面から順に、低反発ウレタンフォーム材よりなる接触プレート25、硬質ゴム材よりなり適宜の断面V字状の切り込みを形成してなる中間プレート26、薄肉の弾性プレート27とをもって層状に形成されたパット部材28を有する。
弾性プレート27には、複数の連結片29が突設され、この複数の 連結片29には、連結レバー30の一端がピン結合され、そして連結レバー30の他端には、長孔が形成されている。
この複数の連結レバー30の他端は、調整板31に対し、それぞれ所定の許容範囲に亘って緩くピン結合されているが、パット部材28を湾曲させる場合には、それぞれの連結レバー30の長さに設定した上で、ボルト結合されたナットを締付けて、長さを固定できるように構成されている。
また、調整板31には、連結アーム32の一端が、ボルトナット結合により連結されており、連結アーム32の他端は、上述した第2の作動アーム部材5の先端部に嵌入し、その後、止めピン33を第2の作動アーム部材5に穿設されたピン穴と、連結アーム32に穿設されたピン穴に挿入し、連結状態を保持し得るように構成されている。
尚、この当接部材24は、第2の作動アーム部材5のみに用いられるばかりでなく、作動アーム部材3に連結して使用することも可能である。
次に、このように構成された本発明に係る実施の形態の動作について説明する。
被修正対象車両を、板金工場の適宜の空きスペースに運び入れる。この場合係留装置などを用いる必要がないので、設備に伴う制約は全くない。
次に、タワー型金属部材修正装置の台部材2の先端側を修正すべき自動車の床下に進入させ、油圧ジャッキ6のヘッド6cを自動車のフレーム部に対応する位置に合わせた状態で、油圧ポンプPから送出される油圧を油圧マニホールド11の切替バルブ、油圧パイプ12aを介して、油圧ジャッキ6(フリージャッキ)に供給することにより、自動車をジャッキアップする。このジャッキアップにより自動車の重量がヘッド6c等の油圧ジャッキ6を介して、台部材2に負荷されるため、キャスタ7および8をその付勢力によって浮上させていたコイルばね9および10は、圧縮され、台部材2の底面が下降し、ついには地面と接触する。これにより、自動車のフレームは、油圧ジャッキ6と台部材2を介して地面に支えられ、自動車自身の重量の一部(1/4〜1/2)によって強力な摩擦力が発生し、移動は阻止される。
このときタワー型金属部材修正装置の作動アーム部材3や第2の作動アーム部材5が被修正対象パネルと対峙するように配置されることになる。また、油圧ジャッキ6が台部材2の内部を横方向に移動可能であるため、損傷部位に対して作業しやすい位置や間隔に柱部材1をセットすることができ、損傷修理を効率よく行うことができる。
ここで、作動アーム部材3の複合ラム受口17には、例えば、第2の作動アーム部材5と同様なアームおよび当接部材24が装着されているものとして以下説明する。
作動アーム部材3および第2の作動アーム部材5の先端に装着された当接部材24の当接面が被修正対象パネルの損傷、ここでは凹みが生じている周囲近傍の形状に概ね近い面形状となるように当接部材24を上述した要領にて設定し、且つ手動式油圧ポンプ(図示せず)およびエアー式油圧ポンプPの油圧をコントロールしながらパネル面を変形させないように当接する。
このような作業の後または前に、背景技術の項にて説明したように、凹み部が大きな範囲である場合には、多数のワッシャまたはピンを列状に仮溶着し、仮溶着されたワッシャまたはピンの係止孔の全てに引掛け金具を挿通し、その引掛け金具にフック22を引掛ける。
このように、作動アーム部材3および第2の作動アーム部材5の先端に装着された当接部材24で凹み部の周囲近傍、即ち、凹みの生じていない本来のパネル面に当接した状態で、動滑車機構15の油圧シリンダ19に対し、エアー式油圧ポンプPから油圧マニホールド11、油圧パイプ12bを介して、適宜圧力をかけることにより、油圧シリンダ19が図1において下方向に伸長し、動滑車20を押し下げ、固定滑車21、引出し滑車4aに順次掛け渡された索14を、引出し方向(左方向)に引張るため、フック22に係止された引掛け金具と共に仮溶着されたワッシャまたはピンが凹み部分を引出す。
このときの引き出しストロークは、被修正金属部材に生じた凹みの深さに、金属部材の引き出し後の戻り(スプリングバック)を加えた長さとなる。従来装置による修正では、前述の通り衝撃力を利用した修正方法が一般的であったため、引き出しストロークを一定にすることが困難であった。本発明のタワー型金属部材修正装置は、この引き出しストロークを自動的に制御するように構成することも可能であるが、ここでは、目視により、上記スプリングバックを考慮して若干、元の表面位置より多く、引き出したところで、油圧シリンダの移動を停止せしめ、その後、フック22や引掛け金具を取外し、仮溶着されたワッシャまたはピンを回動力を与えながら引張って金属パネル面から除去する。
このような凹み部の引き出しは、当接部材24の面(接触プレート25、中間プレート26、弾性プレート27)が被修正対象金属部材の凹み部の周囲近傍(外郭部)に当接した状態でなされるので、当該被修正対象金属部材、例えば、ドアパネルの全体には引張り力が掛からず、従来装置の難点とされていた当該ドアパネル全体が引き剥がされ、二次損傷を生じさせてしまうといった事態は、防止されると同時に、引出し作業に必要な力が軽減され、また作業時間を短縮化することができる。
図6は、上記タワー型金属部材修正装置による修正作業を原理的に説明するための図である。
図6(a)のように、被修正面の引出しポイントAを、正常面に修正しようとする場合、ポイントAにワッシャ等を溶植し、例えばフック22をワッシャ等の係止孔に引掛けて油圧シリンダの引張力をもって引出したときには、図6(b)のように塑性変形部Bを含む広範囲の部分が引出されるのみで、塑性変形部Bは何ら修正されることなく、むしろ、塑性変形部B以外の部分を変形させて、二次損傷を与えてしまう虞れがある。
これに対し、本発明にあっては、タワー型金属部材修正装置の第2の作動アーム部材5(または作動アーム部材3であってもよい)の先端に装着された当接部材24で塑性変形部Bを押すことで、引出しの支点を形成することになるので、塑性変形部Bであったものが平らな塑性変形部Cのように修正されるのである。
また、本発明に係るタワー型金属部材修正装置の作動アーム部材3および第2の作動アーム部材5は、押し・引き・戻しという3つの機能を兼ね備えているので、凹部の修正に限らず凸状の損傷にも対応することができる。
尚、本発明は、上述し且つ図面に示したところに限定されることなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形を行うことができる。
例えば、本発明に係るタワー型金属部材修正装置は、金属パネル面の修正だけに限らず、軽度の骨格部の修正にも使用することができる。
作動アーム部材3および第2の作動アーム部材5は、両方とも備える方が、より便宜であるが、どちらか一方、例えば作動アーム部材3を省略してもよい。
また、手動式油圧ポンプの油圧を供給する対象としては、作動アーム部材3と第2の作動アーム部材5のいずれであってもよい。
また、油圧ジャッキ6、油圧シリンダ19、油圧シリンダ23に適宜の油圧を供給・制御するのに油圧マニホールドを用いるか否かは任意であり、1つの油圧シリンダ毎に油圧ポンプを備える構成としてもよい。但し、1基の油圧ポンプで生成された油圧を選択的に、且つ時分割的に複数の油圧シリンダに供給するように構成した方がスペース効率、エネルギー効率が向上し、延いては経済効率が向上する。
また、索14として金属製の鎖を用いるのが一般的であるが、引張力が適合すれば、複数条に撚った金属ロープ、ピアノ線などを用いることもできる。
また、索の引張り機構として、図1に示したような動滑車機構15を用いる代わりに、柱部材1の内空に中柱を摺動可能に嵌合し、その中柱の頂部に動滑車を取り付け、中柱を油圧シリンダで上下するように構成して、索14を引張るようにすることもできる。
本発明の一実施形態に係るタワー型金属部材修正装置の外観構成を示す正面図である。 図1の外観構成を示す平面図である。 図1のタワー型金属部材修正装置を左側より見た部分の左側面図である。 図1のタワー型金属部材修正装置を右側より見た部分の右側面図である。 本発明の一実施形態に係るタワー型金属部材修正装置に用いられる当接部材の構成を示す拡大正面図である。 本発明に係るタワー型金属部材修正装置を用いて被修正対象金属部材の修正を行う際の作用を説明するための模式図である。
符号の説明
1 柱部材
2 台部材
3 作動アーム部材
4 保持部材
5 第2の作動アーム部材
6 油圧ジャッキ
7 キャスタ
8 キャスタ
9、10 コイルばね
11 マニホールド
13 低部引出し用滑車
14 索
15 動滑車機構
16 ボールジョイント
17 複合ラム受口
18 動滑車機構取付アーム
19 油圧シリンダ
20 動滑車
21 固定滑車
22 フック
23 油圧シリンダ
24 当接部材
25 接触プレート
26 中間プレート
27 弾性プレート
28 パット部材
29 連結片
30 連結レバー
2a 第1基台
2b 第2基台
2c 支軸孔
31 調整板
32 連結アーム
33 止めピン
4a、5a 引出し用滑車
6a 支軸
6b ジャッキアーム
6c ヘッド
7a 脚輪
7b 支持脚
7c 軸部
7d 鍔部
8a 脚輪
8b 支持脚
12a、12b 油圧パイプ
13a 支軸
16a ボール

Claims (10)

  1. 剛性大なる台部材と、
    前記台部材上に立設された剛性大なる柱部材と、
    第1の油圧シリンダによって横方向に進退し得るアームを有すると共にその基端部が前記柱部材に上下動可能に嵌合され且つ所望の高さ位置にて固定保持される剛性大なる作動アーム部材と、
    第2の油圧シリンダによって引張り作用が与えられる索の移動を中継する滑車を支持し、その支持端が前記柱部材に上下動可能に嵌合され且つ所望の高さ位置に固定保持される滑車保持部材と、
    を具備し、
    自動車等の金属部材の損傷を前記作動アーム部材と前記滑車保持部材と前記索とを同時に用いて修正し得るように構成したことを特徴とするタワー型金属部材修正装置。
  2. 第3の油圧シリンダによって横方向に進退し得るアームを有すると共にその基端部が前記柱部材の前記滑車保持部材を挟んで前記作動アーム部材とは反対側に上下動可能に嵌合され且つ所望の高さ位置にて固定保持される剛性大なる第2の作動アーム部材を有することを特徴とする請求項1に記載のタワー型金属部材修正装置。
  3. 前記柱部材は、断面円形状を呈するパイプよりなることを特徴とする請求項1に記載のタワー型金属部材修正装置。
  4. 前記台部材には、台部材内部を横方向に移動可能な油圧ジャッキを有すると共に、前記台部材の底部には弾性支持された複数のキャスタが設けられており、ジャッキアップ前の無負荷状態では、前記キャスタが転動し、移動容易なる状態を呈するが、自動車等をジャッキアップした状態では自動車等の重量が前記弾性力に抗し前記キャスタを上方に押し上げ、前記台部材が直接床上に接触し移動が阻止された状態となるように構成したことを特徴とする請求項1または2に記載のタワー型金属部材修正装置。
  5. 前記台部材は、互いに嵌合し合う二部材からなり、所望により伸長または短縮し得ると共に、その伸長または短縮の状態を保持し得るように構成したことを特徴とする請求項4に記載のタワー型金属部材修正装置。
  6. 前記台部材に設けられた複数のキャスタのうち、前記柱部材が立設された一端側には大径のキャスタを設け、ジャッキが設けられた他端側には、小径のキャスタを設けてなることを特徴とする請求項4に記載のタワー型金属部材修正装置。
  7. 前記柱部材に対し、上下動可能に可動滑車を取付け、且つ前記第2の油圧シリンダによって前記可動滑車を移動させて前記索に引張り作用を与えるように構成したことを特徴とする請求項1に記載のタワー型金属部材修正装置。
  8. 前記作動アーム部材または前記第2の作動アーム部材の前記アームの中間部にボールジョイント部材を介在させ、前記アームの先端側を所定の角度範囲に亘って3次元方向に傾け得ると共に、所望の角度位置に固定保持し得るように構成したことを特徴とする請求項1または2に記載したタワー型金属部材修正装置。
  9. 前記作動アーム部材または前記第2の作動アーム部材の前記アームの先端部に、被加工対象金属部材の表面形状に概ね添わせ得る可撓性を有した当接部材を着脱可能に装着することを特徴とする請求項1、2および8のいずれかに記載のタワー型金属部材修正装置。
  10. 前記当接部材は、
    前記金属部材に当接すべき面から順に、低反発ウレタンフォーム材よりなる接触プレート、硬質ゴム材よりなり適宜の断面V字状の切り込みを形成してなる中間プレートおよび薄肉の弾性プレートとをもって層状に形成されたパット部材と、
    前記弾性プレートに突設された複数の連結片と、
    一端が前記連結片にピン結合され、他端には、長孔が形成された複数の連結レバーと、
    前記複数の連結レバーの他端がそれぞれ所定の許容範囲に亘って緩くピン結合された調整板と、
    一端が前記調整板と連結され他端が前記アームの先端に嵌合され且つ固定される連結アームと、
    を具備し、
    前記パット部材を被修正対象金属部材の形状に添わせるように湾曲した状態を形成するため、前記調整板に対する前記連結レバーの長さを調整し且つ、当該長さを固定保持し得るように構成したことを特徴とする請求項1、2および8のいずれかに記載のタワー型金属部材修正装置。
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