JP2011140063A - 金属部材の凹み修復装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 小範囲から広範囲に亘る金属部材の凹み部を簡素な構成であり乍ら、能率よく修復し得るようにする。
【解決手段】 基台1上に固定枠2が立設されている。金属部材の凹み部に溶植された複数の溶植ピンと連結されるプーラジョイント19は、係合部材18にロープ8を介して連結されている。係合部材18の上下方向位置は、係合部材18の先端の係合部を適合する高さにあるフロントアーム6a上の被係合部材12に係合することで設定される。この係合部材18が係合されたフロントアーム6aは、連結アーム6c〜6eを介してリアアーム6bと一体となって、案内レール3に沿って固定枠2に対し、横方向に移動ができる。
電動ウインチ17に通電して起動すると、ロープ8が電動ウインチ17に巻取られ、ロープ8は、中間滑車9、中継滑車18b、プーラジョイント19の動滑車9b等を介して、プーラジョイント19を、固定枠2の方に引き寄せる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、事故によって損傷した自動車ボディ等の金属部材に生じた凹みを容易に、正確に且つ迅速に修復し得る金属部材の凹み修復装置に関するものである。
金属パネルなどに生じた凹み、例えば衝突や接触事故などで自動車のボディパネルのような金属部材に生じた凹みを修正するには、従来から行われているハンマーやドリーによる叩き出し作業に代って、ピン溶植法、ワッシャ溶植法による作業が多く行われるようになってきた。このピン溶植法、ワッシャ溶植法は、修復すべき凹み部分の裏面を露呈することなしに、当該凹み部分の表面側のみで修復処理を行うもので、当該凹み部分の表面にピンまたはワッシャと称される、引っ掛け係止部を有する金属チップを電気溶接によって溶植し、この溶植されたピンまたはワッシャの引っ掛け係止部にプーラーのチャックやフックを引っ掛けて当該凹み部を引張り出し、その後、溶植ピンやワッシャなどを取り除き、さらにこの引っ張り出したときに生じるパネルの伸びを点溶接電極棒で焼き絞りと称される加工または電極ハンマーで叩いて、凹み部分を復元させることが行われている。
修復すべき凹み部が大きな範囲である場合には、多数のワッシャまたはピンを列状に仮溶着し、仮溶着されたワッシャまたはピンの係止孔の全てにプーラーの引っ掛け金具を挿通しプーラーにて一括して多数のワッシャまたはピンを引き出すことが行われている。
このようなプーラーの一例として、特許文献1(実開昭61-36385号公報)に示されたプーラーがある。
このプーラーの使用に際して、修復金属板材の凹み部にワッシャ溶植を行う場合には、電極チップの先端にワッシャを保持させ、電極接続部に溶接機から溶接電流をケーブルを介して供給し、グリップ部を手で掴んでワッシャの先端を修復金属板材の凹み部に当接させ、自動溶接もしくは手動(リモートコントロールスイッチの操作)でもってワッシャの先端を溶植する。しかる後、錘をグリップ部側に勢いよく引上げ、グリップ部の端部に錘を衝突させる動作を何回か行うと溶植されたワッシャがその衝撃力により引き上げられ、当該凹み部が所定の復元位置まで引き上げられる。この状態でグリップ部を左右に回転させると溶植部からワッシャが分離される。
また、上記特許文献1のプーラーのように、手動の衝撃力により凹み部を復元位置まで引き上げる代りに、シリンダとピストンからなる往復運動機構により、凹み部を引き出す方式の凹み修復用プーラーが特許文献2(特開平9-85342号公報)に記載されている。この特許文献2に記載の凹み修復用プーラーは、2つのグリップ部を左右の手でそれぞれ把持し、点溶接電極棒を、金属材料の凹み部に接触させて、溶接電流を、電極接続端子、電極取付ボルトを介して該電極棒に供給して凹み部に仮溶着する。
次に、手動操作レバーをグリップ部側に引き、切換バルブを移動させると、エアー導入口から導入されたエアーが切換バルブを介してシリンダの一方の空間に供給され、ピストンが移動し、力伝達ロッド、電極ホルダ等を順次介して凹み部に仮溶着された電極棒に移動させるので、凹み部が引き出される。仮溶着された電極棒は、電極ホルダを回動させることにより凹み部から離されるように構成されている。
上述した特許文献1および2は、作業者が手に抱えて作業を行う、いわば携帯型のプーラーであるが、事故等で変形した自動車の車枠に矯正力を加えるために床上に固定して使用する自動車矯正用タワーなるものが特許文献3(実開平6−39216号公報)に示されている。
この特許文献3に係る自動車矯正用タワーにおいて、自動車は、水平な矯正作業台上に車輪を有した複数の保持馬を用いて車枠を固定し、一方その固定保持された自動車に対峙するように矯正用タワーを床に設置したアンカーナットにねじ込んだボルトに連結具を介して係留索で係留し、矯正用タワーの前柱に連結した手動牽引器または油圧装置により車枠に押し矯正力を加えることによって、車枠(骨格部)を修復するように構成されている。
また、修復すべき凹み部が大きな範囲である場合には、多数のワッシャまたはピンを列上に仮溶着し、仮溶着されたワッシャまたはピンの係止孔の全てにプーラーを挿通し、プーラーにて一括して多数のワッシャまたはピンを引き出すことも行われている。
例えば、特許文献4(特開2004−42093)に示されるように、ワッシャを金属パネル面に溶植するには、図示しない溶着ホルダを用いて貫通孔(係止孔)が一直線をなすように、ワッシャの下端部を次々に縦列状に任意間隔をもって溶着する。次いで、溶着された複数のワッシャにプーラーのフックを、作業場に立設されたタワーとの間に掛け渡されるチェーンの末端に係合する。
チェーンの中間部には、チェーンの長さを変えるためのレバーブロックが介挿されているので、このレバーブロックを往復操作して、チェーンの長さを短縮することで、プーラーがパネル上に溶植されたワッシャを引き出し、ワッシャが全体的に同一の長さになるまで、金属パネルを引き出すことができるように構成されている。
実開昭61−36385号公報 特開平9−85342号公報 実開平6−39216号公報 特開2004−42093号公報
しかしながら、上記特許文献1のプーラーは、錘をグリップ側に勢いよく移動させ、グリップ部の端部に錘を衝突させることによって凹み部を引き出す方法であるため、疲労が大きい上、熟練と多くの時間を要し、広範囲の損傷を修復することは困難であり、とりわけ、最近の自動車のパネル等に用いられつつある超高張力鋼板やアルミニウム合金板等の新素材からなるパネル等の修正には、上述のプーラーでは修復が不可能である。
また、上述の特許文献2に係る凹み修復用プーラーは、その構造上、小範囲の損傷の修正には好適であるが、例えば、ドアパネル全体に及ぶような広範囲の損傷に対しては、対応しにくく、仮に対応できるとしても修正作業を繰り返し行う必要があり、多くの作業時間を要すると共に、熟練した技能を有しない場合、適正な修正を行うことが困難であった。
また、上述の特許文献3の自動車矯正用タワーは、自動車の骨格部である車枠の矯正をするように構成されているのみであり、自動車のドアパネルのような一般に外板パネルと呼ばれる部位の修復は目的としておらず、それに対応した構成も示されていない。
また、上記矯正用タワーを床等に係留するには、係留連結装置を用いる必要があり、その分、余分の設備を設けなければならないことから、設備費用が嵩む問題がある他、修正を要する自動車は、常にその係留連結装置に運び入れて設置しなければならないので、その段取りに多くの作業時間を要し、且つ場所の制約を受けるため、工場全体としての稼働率が低下せざるを得ないという問題もある。
また、特許文献4に係る従来例においては、複数本の溶植ピン(または溶植ワッシャ)を、一列(直列)状に金属部材に溶植し、その溶植ピンをプーラーやウインチ等を使って引き出し作業を行っているので、凹み領域が広範囲である場合や、段差がある部分を引き出すときは、全体を同時に引き出すことができず、何度も溶植ピンを直列状に溶植し、これを引き出す作業を繰り返し牽引することを余儀なくされていた。
そのため、広い範囲の凹み部分の溶植ピンでの平面の板金作業は、多くの時間と、熟練者による作業が必要であった。のみならず、広い範囲を直列状に溶植された溶植ピンを複数列に亘って、引き出した場合には、歪が残るケースが多く発生していた。
また、従来のフレーム修正機における引き出し作業や市販の溶植ピン等による引き出し作業では、範囲全体を、適切な引き出し角度にセットできる方法がなかった。
上述したように、広い範囲の外板(パネル)部材に生じた曲面や段差のある部分に対しては、従来のハンマリングや溶植ピンによる修復方法では、熟練した技輌が要及されるケースが多かった。
そして、同様に、広い範囲の骨格(フレーム)部位への引き出し作業に関しても、同時に、所望の牽引方法や、牽引範囲、個所への牽引力の大きさ等が同時に確保できる修復工具が存在しなかった。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、第1の目的とするところは、小範囲から広範囲に亘る金属部材の凹み部を能率よく修復し得る金属部材の凹み修復装置を提供することにあり、
第2の目的とするところは、修復すべき金属部材は、薄肉の金属パネルに限られることなく、特に厚肉の剛性が大きい骨格部をなす枠体であっても電動により軽快に且つ迅速に引き出し得る金属部材の凹み修復装置を提供することができる。
第3の目的とするところは、金属部材の凹み部を引き出すための係合部材の上下・左右方向の位置を無段階で任意に設定し得る金属部材の凹み修復装置を提供することにある。
第4の目的とするところは、上記係合部材を左右方向へ移動させるための機構部分を簡素な構成で且つ移動を軽快に行い得る金属部材の凹み修復装置を提供することにある。
第5の目的とするところは、電動ウインチを用いて、金属部材の凹み部を引き出すときの引き出し速度を抑制し、作業性の向上を図り得る金属部材の凹み修復装置を提供することにある。
第6の目的とするところは、凹み修復装置は、作業場内での移動が容易であり、任意の位置でしっかり固定することが可能な金属部材の凹み修復装置を提供することになる。
請求項1に記載した発明に係る金属部材の凹み修復装置は、上述の第1の目的を達成するために、剛性大なる基台と、
全体形状が矩形状を呈し、前記基台上に立設された剛性大なる固定枠と、
前記固定枠を挟むように前方および後方に互いに連結アームを介して連結されたフロントアームおよびリアアームからなり、前記固定枠に直交する方向への移動を拘束され、前記固定枠に対し横方向への移動を可能とされた少なくとも1個のスライドアームと、
前記フロントアームに対し高さ位置を変更可能に係合し、金属部材の凹み部分を引き出すための引き出し用ロープに連結される係合部材と、
前記固定枠および前記基台の背面側に設けられ、金属部材の引っ張り力が作用した場合の反力を支持する係止部と、
を具備し、
前記固定枠の正面側全域に亘って前記係合部材を移動可能とし、引き出しを必要とする金属部材の凹み部と対応させ得るように構成したことを特徴としている。
請求項2に記載した発明に係る剛性大なる基台と、
全体形状が矩形状を呈し、前記基台上に立設された剛性大なる固定枠と、
前記固定枠を挟むように前方および後方に互いに連結アームを介して連結されたフロントアームおよびリアアームからなり、前記固定枠に直交する方向への移動を拘束され、前記固定枠に対し横方向への移動を可能とされた少なくとも1個のスライドアームと、
前記フロントアームに対し高さ位置を変更可能に係合する係合部を有すると共に、中継滑車を保持する係合部材と、
前記リアアームに固定された電動ウインチと、
前記電動ウインチに基端側が巻回され、前記係合部材に設けられた前記中継滑車を介して金属部材を引き出すためのプーラジョイントに連結されるロープと、
を具備し、
前記係合部材の前記中継滑車の位置を前記固定枠の範囲内において変更し、前記ウインチを駆動することにより、
前記プーラジョイントを前記スライドアーム側に引き寄せ得るように構成したことを特徴としている。
請求項3に記載した発明に係る金属部材の凹み修復装置は、上述した第1および第2の目的を達成するために、前記フロントアームの上下方向に沿って凹溝が形成され、前記凹溝に直交するように、上下方向に所定の間隔を開けて複数の棒状の被係合部材が設けられ、前記係合部材の前記係合部を前記被係合部材のいずれかに係合させることで、前記係合部材の高さ位置を設定し得るように構成したことを特徴としている。
請求項4に記載した発明に係る金属部材の凹み修復装置は、上述した第3の目的を達成するために、前記フロントアームの上下方向に沿って断面T字状溝が形成され、前記T字状溝に前記係合部材のT字状基部が摺動可能に嵌合され、前記基部を前記フロントアームの所望高さ位置に一時的に固定し得るような移動阻止手段が設けられていることを特徴としている。
請求項5に記載した発明に係る金属部材の凹み修復装置は、上述した第4の目的を達成するために、前記固定枠は、前記基台に対し、背面側に僅かに傾斜した状態で固定されていることを特徴としている。
請求項6に記載した発明に係る金属部材の凹み修復装置は、上述した第4の目的を達成するために、前記スライドアームの上端側は、前記固定枠の上端に形成された案内レール上を転動し得るように移動用滑車を介して、支持されており、前記スライドアームの下端側は、前記フロントアームの背面側に埋設されたボールベアリングが、前記固定枠の前面側に当接して横方向に移動可能に支持されていることを特徴としている。
請求項7に記載した発明に係る金属部材の凹み修復装置は、上述した第5の目的を達成するために、前記係合部材には、2個の中継滑車を有し、前記プーラジョイントには1個の動滑車を有し、前記スライドアームには、少なくとも1個の中間滑車を有し、
前記ウインチに基端が巻回された前記ロープは、前記中間滑車と前記係止手段の一方の前記中継滑車と前記動滑車と前記他方の前記中継滑車とを順次介し、その先端を前記プーラジョイントに連結されていることを特徴としている。
請求項8に記載した発明に係る金属部材の凹み修復装置は、上述した第6の目的を達成するために、前記基台の底面側には、キャスターが複数個設けられ床面上を移動可能なるように構成されていることを特徴としている。
本発明の請求項1の金属部材の凹み修復装置によれば、剛性大なる基台と、
全体形状が矩形状を呈し、前記基台上に立設された剛性大なる固定枠と、
前記固定枠を挟むように前方および後方に互いに連結アームを介して連結されたフロントアームおよびリアアームからなり、前記固定枠に直交する方向への移動を拘束され、前記固定枠に対し横方向への移動を可能とされた少なくとも1個のスライドアームと、
前記フロントアームに対し高さ位置を変更可能に係合し、金属部材の凹み部分を引き出すための引き出し用ロープに連結される係合部材と、
前記固定枠および前記基台の背面側に設けられ、金属部材の引っ張り力が作用した場合の反力を支持する係止部と、
を具備し、
前記固定枠の正面側全域に亘って前記係合部材を移動可能とし、引き出しを必要とする金属部材の凹み部と対応させ得るように構成したことにより、特に、小範囲から広範囲に亘る金属部材の凹み部を、容易且つ迅速に能率よく修復することが可能となる。
本発明の請求項2の金属部材の凹み修復装置によれば、剛性大なる基台と、
全体形状が矩形状を呈し、前記基台上に立設された剛性大なる固定枠と、
前記固定枠を挟むように前方および後方に互いに連結アームを介して連結されたフロントアームおよびリアアームからなり、前記固定枠に直交する方向への移動を拘束され、前記固定枠に対し横方向への移動を可能とされた少なくとも1個のスライドアームと、
前記フロントアームに対し高さ位置を変更可能に係合する係合部を有すると共に、中継滑車を保持する係合部材と、
前記リアアームに固定された電動ウインチと、
前記電動ウインチに基端側が巻回され、前記係合部材に設けられた前記中継滑車を介して金属部材を引き出すためのプーラジョイントに連結されるロープと、
を具備し、
前記係合部材の前記中継滑車の位置を前記固定枠の範囲内において変更し、前記ウインチを駆動することにより、
前記プーラジョイントを前記スライドアーム側に引き寄せ得るように構成したことにより、特に、広範囲に亘ると共に、薄肉の金属部材から厚肉の骨格部材であるフレームの凹み部を容易且つ迅速に能率よく修復することが可能となる。
本発明の請求項3の金属部材の凹み修復装置によれば、前記フロントアームの上下方向に沿って凹溝が形成され、前記凹溝に直交するように、上下方向に所定の間隔を開けて複数の棒状の被係合部材が設けられ、前記係合部材の前記係合部を前記被係合部材のいずれかに係合させることで、前記係合部材の高さ位置を設定し得るように構成したことにより、特に、広範囲に亘ると共に、薄肉の金属部材から厚肉の骨格部材であるフレームの凹み部を容易且つ迅速に能率よく修復することが可能となる。
本発明の請求項4の金属部材の凹み修復装置によれば、前記フロントアームの上下方向に沿って断面T字状溝が形成され、前記T字状溝に前記係合部材のT字状基部が摺動可能に嵌合され、前記基部を前記フロントアームの所望高さ位置に一時的に固定し得るような移動阻止手段が設けられていることにより、特に、金属部材の凹み部を引き出すための係合部材の上下・左右方向の位置を、無段階で任意に設定することが可能となる。
本発明の請求項5の金属部材の凹み修復装置によれば、前記固定枠は、前記基台に対し、背面側に僅かに傾斜した状態で固定されていることにより、上記係合部材を左右方向へ移動させるための機構部分が簡素な構成で実現することができる。
本発明の請求項6の金属部材の凹み修復装置によれば、前記スライドアームの上端側は、前記固定枠の上端に形成された案内レール上を転動し得るように移動用滑車を介して、支持されており、前記スライドアームの下端側は、前記フロントアームの背面側に埋設されたボールベアリングが、前記固定枠の前面側に当接して横方向に移動可能に支持されていることにより、特に、上記係合部材の左右方向へ移転させるための機構部分が簡素な構成で且つ軽快に移動を行えるようになる。
本発明の請求項7の金属部材の凹み修復装置によれば、前記係合部材には、2個の中継滑車を有し、前記プーラジョイントには1個の動滑車を有し、前記スライドアームには、少なくとも1個の中間滑車を有し、
前記ウインチに基端が巻回された前記ロープは、前記中間滑車と前記係止手段の一方の前記中継滑車と前記動滑車と前記他方の前記中継滑車とを順次介し、その先端を前記プーラジョイントに連結されていることにより、特に、電動ウインチを用いて金属部材の凹み部を引き出すときの引き出し速度を抑制し、引き出し力を増大させ、延いては作業性の向上を実現する。
本発明の請求項8の金属部材の凹み修復装置によれば、前記基台の底面側には、キャスターが複数個設けられ床面上を移動可能なるように構成されていることにより、特に、凹み修復装置を作業場内において自由に移動することが可能であると共に任意の位置での固定も可能となる。
本発明の第1の実施の形態に係る金属部材の凹み修復装置の構成を正面斜め右上方から見た斜視図である。 図1の金属部材の凹み修復装置の背面側の係止部に装置拘束用チェーンを連結した状態を正面斜めの右上方から見た斜視図である。 図1の金属部材の凹み修復装置の構成を示す正面図である。 図1の金属部材の凹み修復装置の構成を示す平面図である。 図1の金属部材の凹み修復装置の構成を示す右側面図である。 図1の金属部材の凹み修復装置の構成を示す左側面図である。 図1の金属部材の凹み修復装置の構成を示す背面図である。 図1の金属部材の凹み修復装置の構成を示す底面図である。 図1の金属部材の凹み修復装置のスライドアームに付随する関係部材を抽出して示す斜視図である。 図9のスライドアーム部分を分解して示す分解斜視図である。 図9のスライドアームに対し高さ位置を変更可能に係合し、金属部材の凹み部分を引き出すための引き出し用ロープに連結される係合部材と、フロントアームの背面側に埋設されるボールベアリングの構成を分解して示す分解斜視図である。 本発明の第2の実施の形態に係る金属部材の凹み修復装置の係合部材の構成を示す断面図である。 本発明の第3の実施の形態に係る金属部材の凹み修復装置の構成を正面斜め右上方から見た斜視図である。 本発明に係る金属部材の凹み修復装置に用いて好適な金属部材の凹み修復用引出し装置の構成を示す斜視図である。 本発明の作業要領の一例を説明するための図で、自動車のドアパネルが接触事故により損傷した凹み部に溶着部材を溶植し、別途用意される図14に示す金属部材の凹み修復用引き出し装置を装着して引き出し力を印加している状態を示す斜視図である。
以下、本発明の実施の形態に基づいて、図面を参照して本発明に係る金属部材の凹み修復装置を詳細に説明する。
図1〜図11は、本発明の第1の実施の形態に係るものであり、このうち、図1は、本発明の第1の実施の形態に係る金属部材の凹み修復装置の構成を正面斜め右上方から見た斜視図であり、図2は、図1の金属部材の凹み修復装置の背面側の係止部に装置拘束用チェーンを連結した状態を正面斜め右上方から見た斜視図である。
図3は、図1の金属部材の凹み修復装置の構成を示す正面図であり、図4は、図3の平面図であり、図5は、図3の右側面図であり、図6は、図3の左側面図であり、図7は、図3の背面図であり、図8は、図3の底面図である。
図9は、図1の金属部材の凹み修復装置のスライドアームに付随する関係部材を抽出して示す斜視図であり、図10は、図9のスライドアーム部分を分解して模式的に示す分解斜視図であり、図11は、図9のスライドアームに対し高さ位置を変更可能に係合し、金属部材の凹み部分を引き出すための引き出し用ロープに連結される係合部材と、フロントアームの背面側に埋設されるボールベアリングの構成を分解して模式的に示す分解斜視図である。
図1〜図8において、1は、剛性大なる基台であり、肉厚で上面から見て矩形状を呈している。
2は、正面から見て全体形状が矩形状を呈する剛性大なる固定枠であり、基台1上に一体または溶接等により一体的に立設されているが、この実施の形態においては、図5および図6の右側面図および左側面図に示されるように、背面側に所定の角度(例えば、5°〜7°程度の僅かな角度)傾斜した状態で固定されている。固定枠2の両端の下端は、三角形状を呈する補強リブ2aによって、前後方向の強度が増大されている。
この固定枠2は、門型を呈する外側フレーム2bと、この外側フレーム2bの内側に連設され、外側フレーム2bを補強する内側フレーム2cとで構成されている。
内側フレーム2cは、長尺の3本の横フレーム2chと、4本の縦フレーム2cvとからなり、中間領域の2個の長尺の横フレーム2ch−2ch間と、下端側領域の長尺の横フレーム2chと基台1の間には、縦フレーム2cvを設けないで、後述するスライドアームの連結アーム6dおよび6eが左右方向に移動するのを許容するようにするための、移動スペースS1およびS2が設けられている。
また、固定枠2の上端には、後述する移動用滑車を転動させ案内する案内レール3が設けられている。
また、固定枠2の左右の外側フレーム2bの背面側には、金属部材の引張り力が作用した場合の反力を支持する係止部4が設けられている。
基台1の背面側の左右両端にも、金属部材の引張り力が作用した場合の反力を支持する係止部5が同様に、設けられている。
6は、剛性大なるスライドアームであり、固定枠2を挟むようにして前方および後方に互いに3本の連結アーム6c、6d、6eを介して連結されたフロントアーム6aおよびリアアーム6bからなる。
上部の連結アーム6cの下側には、上記案内レール3の上を転動する2つの滑車7が取付けられており、上部の連結アーム6cの上側には、ロープを掛け渡し、方向を変換する中間滑車9を軸支する滑車支持部材10が取付けられている。フロントアーム6aは、図9に示すように、縦方向に細溝または細幅スリット(以下、「スリット」という)11が形成されており、フロントアーム6aには、一方の側面から前面側に伸び前面を横切り他方の側面に達する複数本の被係合部材12が一定間隔を隔てて設けられている。
フロントアーム6aとリアアーム6bとの連結の態様としては、図10および図11に示すように、フロントアーム6aに穿設された3つの貫通孔6f、6f、6fと、リアアーム6bに連接された3つの連結アーム6c、6d、6eに穿設された3つの貫通孔6g、6g、6gとを一致させるように組み合わせた状態で、先端に貫通孔13aを穿設された連結ピン13を上記貫通孔6g、6g、6gと貫通孔6f、6f、6fに挿通しその先端の貫通孔13aに、例えば、割りピン(図示せず)を挿通して、連結ピン13の抜け出しを防止するようにしてある。
もっとも、この連結ピン13に代えて、ボルトを挿通し、ボルトの先端側にナットを締め付けるようにしてもよい。
また、フロントアーム6aの背面側下方部に、図11に示すように、鋼球ボール14が、ボール受け金具15に嵌入され、鋼球ボール14の一部が露出するように且つ回転自在に組み込まれ、止めねじ16によって、取付けられたボールベアリングが設けられている。
さらに、リアアーム6bの背面側下方部には、電動モータと減速機と巻取りドラムとからなる電動ウインチ17が取付けられている。
本装置には、この電動ウインチ17への配線コード、起動スイッチを有するが、図示は省略してある。
18は、係合部材であり、上記被係合部材12に係合離脱が自由であり、フロントアーム6aに対し、高さ位置を変更可能に係合する鉤状を呈する係合部18と、ロープ8を掛け渡す2つの中継滑車18b、18bと、これらを支持する本体部18cとからなっている。
19は、金属部材を引き出すためのプーラジョイントであり、フック部19aと動滑車19bと本体部19cとから構成されている。
金属部材の凹み部を引き出すためのロープ(鋼索、金属ワイヤ、チェーンなどでもよい)。8は、その始端が電動ウインチ17の巻取ドラムに結合され、上記巻取ドラムから上方に引き出されたロープ8の中間部は連結アーム6cの上部に設けられた中間滑車9により、下方向に向けて導かれ、2つの中継滑車18b,18bのうち、上方の滑車18bを介して、前方に導かれ、プーラジョイント19の動滑車19bに掛け渡されて後方に導かれ、2つの中継滑車18bのうち、下方の滑車18bを介して再び前方に導かれ、プーラジョイント19の本体部19cに終端部が連結されている。
基台1の底面側には、複数のキャスター21が取り付けられている。キャスター21の数は、この第1の実施の形態の場合、図8に示されるように、前方寄りに4個、後方寄りに3個設けられているが、その個数に限定されるものではなく、前および後に各2個、合計4個であってもよいし、前および後に各4個、合計8個であってもよい。
上述のように構成され且つ図1〜図11に示した本発明の第1の実施の形態に係る金属部材の凹み修復装置の動作を説明する。
先ず、本装置を、修復の対象となる、例えば事故等で損傷した自動車のドアパネルに対峙するように、キャスター21を転動させ乍ら位置付け、然る後、装置拘束用チェーン20の一端を係止部4および5に連結し、装置拘束用チェーン20の他端を、例えば、作業場に予め設置してあるアンカーボルトまたは、竪固な柱などに連結する。
次いで、ドアパネルの凹んだ部分に、例えば、溶植ワッシャや溶植ピンを、別途用意されるワッシャ溶植用ホルダを用いて複数の溶植ワッシャを仮溶着する。
このようにして溶植された複数のワッシャ(ピン)の係合孔に複数の連結フックを連結してなる、例えば後述の「金属部材の凹み修復用引出し装置」(以下、「引出し装置」という)を用意する。
この引出し装置の左右位置に合わせるように、スライドアーム6を移動させる。
このとき、スライドアーム6は、その上端に設けられた2個の滑車7が固定枠2の上端の案内レール3上を転動し、スライドアーム6の下方部に設けた鋼球ボール14を有するボールベアリングが固定枠2の前面上を転動するので、摩擦力が極めて小さい状態となるため、スライドアーム6を軽快に移動させることができる。
次に、係合部材18の高さ位置をプーラジョイント19の高さ(修復すべき凹み部の高さ)に合わせるために、係合部材18の係合部18aを、上記高さ位置に最も近い被係合部材12に係合する。このとき、係合部18aの先端側は、フロントアーム6aのスリット11に差し込まれ、係合部18aが被係合部材12に係合する。
この状態から、図示しない起動スイッチをオンとすると、電動ウインチ17が一方向に回転し、ロープ8を、巻取り始めるため、ロープ8は、中間滑車9→上側の中継歯車18b→動滑車19b→下側の中継歯車18b→プーラジョイント19の本体部(終端)19cを順次介して引張り、変動ウインチ17の巻取りドラムに巻付けていく。その結果、プーラジョイント19は、後方側、即ち、スライドアーム6に接近する方向に引き寄せられるため、金属部材の凹み部が引張り出されることになる。
この引出し作業において、プーラジョイント19の滑車19は、動滑車であるため、電動ウインチ17によるロープ8の巻取り速度の1/2となるので、修復スピードが緩くなり、修復に好ましい速度で修復作業がし易くなるばかりでなく、金属の疲労が少なく、熟練者でなくても容易に引出し作業を行うことができる。
尚、上述したように、固定枠2は、全体が後方に僅かな角度傾斜しているので、引き出し作業を行っていないときは、スライドアーム6の下方に設けられたボールベアリングの鋼球ボール14が固定枠2の横フレーム2chの前面に当接し、スライドアーム6を軽快に移動させ得るが、凹み引き出し作業を行う際には、リアアーム6bの前面が固定枠2の背面側が当接し、そのときの摩擦力が著しく大きくなるので、スライドアーム6が横方向に移動することはなく、且つフロントアーム6aの背面側に設けられた鋼球ボール14は、固定枠2の横フレーム2chから離間されるため、鋼球ボール14に過大な圧力が負荷されることはない。
金属部材の凹み部が、原状に復帰するまで引き出されたとき、起動スイッチをオフとすることで、引き出し作業が完了するが、プーラジョイント19を係合環から取り外すには、電動ウインチ17の逆転スイッチを起動し、ロープ8を充分ゆるめた状態で、電動ウインチ17の逆転駆動を停止する。
次に、上述した「引出し装置」、即ち、「金属部材の凹み修復用引出し装置」について付加的に説明する。
図14を参照して本発明に係る金属部材の凹み修復用装置と共に使用して、好適な金属部材の凹み修復用引出し装置を詳細に説明する。
図14は、本件出願人が先に特願2009−225645号として提案した金属部材の凹み修復用引出し装置の全体構成を示す斜視図である。
図14において、31は、いわゆるプーラーやチェーンブロック、クレーン、ウインチ等の引張り装置等のフックを係合させ、引張力を導入するための基端係合部としての係合環であり、本発明の第1の実施の形態におけるプーラジョイント19の係合部19aが、これに係合する。
この係合環31は、天秤状を呈する基端天秤アーム32の一方側(図14において上端側)中央部に一体または、溶接等の手段によって一体的に連接されている。
この基端天秤アーム32の両側(図14においては、右端と左端)の等距離位置の他方側(図14において下端側)には、連結部材としての係脱フック33の連結リング部33aが基端天秤アーム32に穿設された貫通孔32aに挿通された状態で連結されている。
この係脱フック33には、上記連結リング部33aに連設される鉤部33bと、鉤部33bを開閉する可動爪33cを有している。
34は、中間係合部であり、上記係脱フック33の鉤部33bが係合するものである。
35は、中間天秤アームで、その一方側(図14において、上端側)の中央部に、上記中間係合部34が一体に、または溶接等の手段により一体的に連設され、下端側の両端(図14において右端と左端)には、それぞれ連結部35aが一体に、または溶接等の手段により一体的に連設されている。
36は、ターンバックルであり、本体部36aには、その一方側(図14において、上方側)と下方側に、互いに異なる雄ねじ(右ねじと左ねじ)が形成されたねじ棒36b、36cが自身の雌ねじ部に螺合され、それぞれのねじ棒36bと36cの上端と下端には、連結リング36dと36eが一体に設けられている。
37は、先端天秤アームであり、その一方側(図14において、上端側)の中央部に上記ターンバックル36の下方の連結リング部36eに連結されている。
先端天秤アーム37の他方側(図14において、下端側)の両端には、連結部39が一体にまたは溶接等の手段により一体的に連設されている。
この連結部39には、チェーン40の基端(上端)が連結されており、このチェーン40の先端(下端)には、溶着部材41としての溶植ピンが連結されている。
この溶着部材41は、市販の上記溶植ピンに限られることなく、円環状ワッシャ、小版形状ワッシャ、星形ワッシャ、その他形状は限定されない。
また、チェーン40に対する溶着部材41の連結方法としては、その中間に連結リングのようなものを介して、一体的に連結する方法と、チェーン40の端部に、係脱フック33を小型化したようなもの、または単に、鉤部をもったフックのようなものを中間に介して、チェーン40と溶着部材41との間を係脱可能なように構成してもよい。
この後者のフック形式の方法を採用した場合、溶着部材41を金属部材の凹み部(要修復部)に溶植する際、チェーン40が付随しないため、溶植作業が容易化されると共に、より溶植密度を高めることが可能となり、さらには、溶着部材41を溶植し、修復作業終了後、取り外す作業を繰り返し行う場合、溶着部材41の先端が消耗するので、チェーン40から溶接部材41を切り離し、交換したり、補修のための研削作業も容易となる。
次に、このように構成された本発明に係る金属部材の凹み修復用引出し装置の動作について、主として図15を参照しつつ説明する。
尚、図15における金属部材の凹み修復用引出し装置は、図14に図示したものに変形を加えてあるが、基本的構成は、同じであり、場合によっては、基端天秤アーム32や係脱フック33を取り外して、フック44を中間係合部34に係合したものが示されている。
さて、作業の開始として、溶着部材41として、例えば、溶植ワッシャを、別途用意されるワッシャ溶植用ホルダを用いて、事故等で損傷した自動車のドアパネル42の凹み部に、複数の溶植ワッシャを仮溶着する。このとき、溶植ワッシャは、チェーン40に連結されていてもよいが、チェーン40と溶植ワッシャ間に係脱フックを設けてある場合には、チェーン40を取り外して溶植作業をした方が効率がよい。
この溶植ワッシャの溶植作業に際しては、従来のように、一直線上に溶植しなければならないという制約はなく、配置的にはランダムであってもよく、隣接する溶植ワッシャとの間隔も、引出しを適正に行える間隔とすることができ、さらには、引き出し方向も適宜変えることができる。
但し、溶植作業は、下方位置から先に行い、順次、上方位置に移動するのが、効率的である。
上記溶植作業が終了した後、チェーン40を外した状態で溶植した場合には、チェーン40の端部と係脱フックを介して溶植ワッシャに係合して連結する。
この状態において、ワイヤロープ43(第1の実施の形態におけるロープ8に相当する)の一端部のフック44(第1の実施の形態のプーラジョイント19に相当する)を、連結環31(または中間係合部34)に係合して連結する。
ワイヤロープ43の他端は、第1の実施の形態の係合部材18を介して電動ウインチ17に連結されているものとして、電動ウインチ17を作動させ、適宜の張力(仮張力)を金属部材の凹み修復用引出し装置に与える。
この状態で、それぞれのターンバックル36の本体部36aを回動して、装置全体の張力を図15に示すように、ほぼ一定となるように調節する。
次いで、外力導入部としての連結環31(または、中間係合部34)に金属部材の凹み修復装置からの引出し力が印加されると、その引出し力は、係合環31→基端天秤アーム32→係脱フック33→中間係合部34→中間天秤アーム35→ターンバックル36→先端係合部38→先端天秤アーム37→チェーン40を順次に介して溶着部材41(溶植ワッシャ)へと伝達される。
この引出し過程において、先端の一対の溶着部材41、41の引出し力は、当初同一ではなく、アンバランスであることが通例であるが、引出し力に対する抵抗力(反力)が小さい方が先に引き出されることになり、先端天秤アーム37は、ある角度傾斜してバランスすることになる。
また、中間天秤アーム35の先端に連結されている一対のターンバックル36、36に加わる張力も均衡するように、中間天秤アーム35は、ある程度傾斜してバランスすることになる。
さらにまた、基端天秤アーム32も、一対の中間天秤アーム35、35に作用する張力が均衡するように、傾斜する。
このようにして、ランダムに溶植された溶着部材41によって、凹み部全体が平坦になるように、同時的に引出されて、(復原して)バランスする位置まで引出されたならば、電動ウインチ17の作動を停止させ、必要に応じて、ハンマリング、電気歪み取り、その他の手段で平滑作業を行う。
尚、溶着部材41の溶着要領として、凹み部分の外周の1〜3割程度を残した内側に溶着ピン41を溶植することが望ましい。
また、先願に係る金属部材の凹み修復用引出し装置の特徴は、凹み部に溶植された溶着部材41は、一斉の引出し作業途中において、必要に応じて、一部の溶着部材41のみを、引き出し方向を中心として、回動させることにより、容易に溶着部材41を、溶着個所(パネル)から取り外すことができることである。
このように、多数の溶着ピン41の引出し作業中に一部の溶着ピン41が引き出され過ぎたような事態が、目視により確認された場合は、一旦引出し作業を中断して、当該溶着部材31のみを、捩ってパネル面から切り離し、場合によっては、ハンマリングや電気歪取りによって、外板ならし作業を行うことも可能となる。
上記のように構成され且つ動作する本発明の第1の実施の形態に係る金属部材の凹み修復装置は、次のような効果を発揮する。
第1に、本発明は、固定枠2に対し、スライドアーム6が左右方向一杯に移動でき、係合部材18の係合部18aをスライドアーム6前面側に複数設けた任意の位置の被係合部材12のいずれかに係合することができるので、金属部材の凹み部の位置に正しく対峙させることで、特に、装置自体の移動を伴うことなく、小範囲から広範囲に亘る金属部材の凹み部を、容易且つ迅速に能率よく修復することができる。
第2に、第1の実施の形態に係る金属部材の凹み修復装置によれば、基台1、固定枠2、スライドアーム係合部材18等は、すべて剛性が高く構成されているので、薄肉の金属パネルは、勿論のこと、厚肉のフレームなど骨格部材であっても凹み部を容易且つ迅速に能率よく修復することができる。
第3に、第1の実施の形態に係る金属部材の凹み修復装置によれば、前記固定枠は、前記基台に対し、背面側に僅かに傾斜した状態で固定されていることにより、上記係合部材を左右方向へ移動させるための機構部分が簡素な構成で実現することができる。
第4に、第1の実施の形態に係る金属部材の凹み修復装置によれば、前記スライドアーム6の上端側は、前記固定枠2の上端に形成された案内レール3上を転動し得るように移動用滑車7を介して、支持されており、前記スライドアーム6の下端側は、前記フロントアーム6aの背面側に埋設されたボールベアリングが、前記固定枠2または前記内側フレーム2cの前面側に当接して横方向に移動可能に支持されていることにより、特に、上記係合部材18の左右方向へ移転させるための機構部分が簡素な構成で且つ軽快に移動を行えるようになる。
第5に、金属部材の凹み修復装置によれば、前記係合部材18には、2個の中継滑車18bを有し、前記プーラジョイント19には1個の動滑車19bを有し、前記スライドアーム6には、少なくとも1個の中間滑車9を有し、
前記ウインチ17に基端が巻回された前記ロープ8は、前記中間滑車9と前記係合部材18の一方の前記中継滑車18bと前記動滑車19bと前記他方の前記中継滑車18bとを順次介し、その先端を前記プーラジョイント19に連結されていることにより、特に、電動ウインチ17を用いて金属部材の凹み部を引き出すときの引き出し速度を抑制し、引き出し力を増大させ、延いては作業性の向上を実現する。
第6に、本実施の形態の金属部材の凹み修復装置によれば、前記基台1の底面側には、キャスター21が複数個設けられ床面上を移動可能なるように構成されていることにより、特に、凹み修復装置を作業場内において自由に移動することが可能であると共に任意の位置での固定も可能となる。
尚、本発明は、上述し且つ図示したものに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々に変更実施することができる。
例えば、図12に示す係合部材23は、第1の実施の形態の係合部材18の変形例であり、フロントアーム22に形成したT字状(横断面形状)溝22aと、T字状溝22aによって形成されたスリット22bに嵌合するように、係合部材23には、横断面形状が略T字形を呈するT字状嵌合部23aを有し、本体部23bの一端(図12において上端)側は、フロントアーム22の両側を挟むようにして配置される二叉アーム23cを有し、他端側(下端側)にも二叉アーム23dを有している。
上部の二叉アーム23cの一方のアーム部には、雌ねじ穴23eが形成されており、下部の二叉アーム23d間には、2個の中継滑車25が2個の支軸24によって、回動自在に軸支されている。(1個の中継滑車25は、図には現れていない。)上記二叉アーム23cの雌ねじ穴23eには、移動阻止手段としてのロックねじ26の雄ねじ部26aが螺合され、フロントアーム22の一方の壁面を押し付け、係合部材23の不用意な移動を阻止している。
このような構成よりなる係合部材23を用いることにより、特に、金属部材の凹み部を引き出すための係合部材23の上下方向位置を、無段階に、且つ任意の高さ位置に設定できるため、より適正な、引っ張りを行うことができ、至便である。
また、第1の実施の形態におけるスライドアーム6は、1本だけの例を示したが、図13に第3の実施の形態として示すように、別途のスライドアーム6を追加することもできる。
この第2の実施の形態の場合、電動ウインチ17と中間滑車9、滑車支持部材10を設けていない。これは、凹み部を引き出す力として、必ずしも電動ウインチを用いず、例えば、レバーブロック、クレーンなど他の引張り手段を用いることができるようにしたものである。勿論、追加したスライドアーム6(図13において左側のスライドアーム6)に、電動ウインチ17や中間滑車9等を設けてもよい。
また、本発明の上述した実施の形態においては、金属部材として、自動車の外板パネルの凹み修復のことを説明したが、自動車の骨格の凹みの修復においても適用が可能であるが、外板パネル修復用のものに比べ、製品強度をそれ相応に大きくする必要があることはいうまでもない。
また、本発明は、自動車の外板や骨格に凹みを生じた場合の使用例を示したが、金属製のパネルや骨格を有する各種製品にも応用は可能である。
1 基台
2 固定枠
2a 補強リブ
2b 外側フレーム
2c 内側フレーム
3 案内レール
4、5 係止部
6 スライドアーム
6a フロントアーム
6b リアアーム
6c、6d、6e 連結アーム
7 滑車
8 ロープ
9 中間滑車
10 滑車支持部材
11 スリット
12 被係合部材
13 連結ピン
14 鋼球ボール
15 ボール受け金具
17 電動ウインチ
18 係合部材
18a 係合部
18b 中継滑車
18c 本体部
19 プーラジョイント
19a フック部
19b 動滑車
19c 本体部
20 装置拘束用チェーン
21 キャスター
22 フロントアーム
22a T字状溝
22b T字状溝のスリット部
23 係合部材
23a T字状嵌合部
23b 本体部
24 支軸
25 中継滑車
26 ロックねじ

Claims (8)

  1. 剛性大なる基台と、
    全体形状が矩形状を呈し、前記基台上に立設された剛性大なる固定枠と、
    前記固定枠を挟むように前方および後方に互いに連結アームを介して連結されたフロントアームおよびリアアームからなり、前記固定枠に直交する方向への移動を拘束され、前記固定枠に対し横方向への移動を可能とされた少なくとも1個のスライドアームと、
    前記フロントアームに対し高さ位置を変更可能に係合し、金属部材の凹み部分を引き出すための引き出し用ロープに連結される係合部材と、
    前記固定枠および前記基台の背面側に設けられ、金属部材の引っ張り力が作用した場合の反力を支持する係止部と、
    を具備し、
    前記固定枠の正面側全域に亘って前記係合部材を移動可能とし、引き出しを必要とする金属部材の凹み部と対応させ得るように構成したことを特徴とする金属部材の凹み修復装置。
  2. 剛性大なる基台と、
    全体形状が矩形状を呈し、前記基台上に立設された剛性大なる固定枠と、
    前記固定枠を挟むように前方および後方に互いに連結アームを介して連結されたフロントアームおよびリアアームからなり、前記固定枠に直交する方向への移動を拘束され、前記固定枠に対し横方向への移動を可能とされた少なくとも1個のスライドアームと、
    前記フロントアームに対し高さ位置を変更可能に係合する係合部を有すると共に、中継滑車を保持する係合部材と、
    前記リアアームに固定された電動ウインチと、
    前記電動ウインチに基端側が巻回され、前記係合部材に設けられた前記中継滑車を介して金属部材を引き出すためのプーラージョイントに連結されるロープと、
    を具備し、
    前記係合部材の前記中継滑車の位置を前記固定枠の範囲内において変更し、前記ウインチを駆動することにより、
    前記プーラージョイントを前記スライドアーム側に引き寄せ得るように構成したことを特徴とする金属部材の凹み修復装置。
  3. 前記フロントアームの上下方向に沿って凹溝が形成され、前記凹溝に直交するように、上下方向に所定の間隔を開けて複数の棒状の被係合部材が設けられ、前記係合部材の前記係合部を前記被係合部材のいずれかに係合させることで、前記係合部材の高さ位置を設定し得るように構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の金属部材の凹み修復装置。
  4. 前記フロントアームの上下方向に沿って断面T字状溝が形成され、前記T字状溝に前記係合部材のT字状基部が摺動可能に嵌合され、前記基部を前記フロントアームの所望高さ位置に一時的に固定し得るような移動阻止手段が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の金属部材の凹み修復装置。
  5. 前記固定枠は、前記基台に対し、背面側に僅かに傾斜した状態で固定されていることを特徴とする請求項1または2に記載の金属部材の凹み修復装置。
  6. 前記スライドアームの上端側は、前記固定枠の上端に形成された案内レール上を転動し得るように移動用滑車を介して、支持されており、前記スライドアームの下端側は、前記フロントアームの背面側に埋設されたボールベアリングが、前記固定枠の前面側に当接して横方向に移動可能に支持されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の金属部材の凹み修復装置。
  7. 前記係合部材には、2個の中継滑車を有し、前記プーラージョイントには1個の動滑車を有し、前記スライドアームには、少なくとも1個の中間滑車を有し、
    前記ウインチに基端が巻回された前記ロープは、前記中間滑車と前記係止手段の一方の前記中継滑車と前記動滑車と前記他方の前記中継滑車とを順次介し、その先端を前記プーラージョイントに連結されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の金属部材の凹み修復装置。
  8. 前記基台の底面側には、キャスタが複数個設けられ床面上を移動可能なるように構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の金属部材の凹み修復装置。
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