JP2012187628A - 板金修復用引出し工法と補助具 - Google Patents

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Abstract

【課題】高張力鋼板で製作された自動車等の外板パネルの損傷部の修正において、損傷部周辺に二次的損傷を引き起こさずに修正する方法と引き出し補助具を提供することにある。
【解決手段】損傷部位ごとに、損傷形状の角度を見極め、突起溶接ワッシャーを活用し、修整面の引き出し角度が45〜135度の場合は突起ワッシャー4点、5点、6点、8点を使用し、引き出し角度が36〜144度の場合は突起ワッシャー5点、6点、8点を使用し、引き出し角度が30〜150度の場合は突起ワッシャー6点、8点を使用し、引き出し角度が18〜162度の場合は突起ワッシャー8点を使用することで、モーメント作用が発生する方向に引き出す事により、「てこの原理」を利用して損傷部位を引き起こしながら引き出すことである。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車等の外板パネルの損傷部位(凹んだ箇所)を修復する方法と、そのために使用する装置及び補助連結具に関する。
自動車のパネル材質の変遷上、鋼板の材質強度、特に引っ張り強度が一般的には280〜300N/mm2であったものが、外板パネルでは400〜600N/mm2、骨格パネルでは980〜1500N/mm2クラスの高張力鋼板が主流となりつつあり、従来の軟鋼板と比較した場合にその特徴として外的力(応力)により損傷面積が大きくなる特性から、板金作業の現場では非常に困難な作業となっている。
引き出す際にその損傷部の外側に二次的歪みが発生して板金不能となりパネル交換が余議なくなっている状態もあり、高張力鋼板対応の引き出し方法が確立されていないのが実情である。
損傷した板金面にワッシャーを溶接し、ワッシャーの穴に引き出し補助具を掛け引き出し装置と連結して引き出すのであるが、従来の引き出し装置では引き出し面に対し、垂直方向に引き出すのが一般的な構造となっている。しかし、自動車のパネルはほとんどの部分が曲面となっているため、引き出し面に対し垂直方向ではなくある角度をもたせて引き出すべきなのであるが、垂直方向にのみ引き出すため、二次的損傷を引き起こしているのが現状である。
また、簡易式な引き出し装置は、多数でているのであるが、引き出し応力に対する負荷、引き出し装置の固定方法は一般的なものしかなく、固定方法が大掛かりになるか、ある程度固定の浮き上がりはあるもとなっている。
引き出しワッシャーの補助具においても、損傷部に対して一部溶接突起箇所を溶接し、直線的にのみ使用する方法と成っている。
損傷面積が10cm×10cm以内の小さな歪みのき出し装置は多々あるがそれ以上大きい面積や鋼板の材質が軟鋼板ではなく高張力鋼板対応となると鋼板の特徴を捉えた引き出し工具と引き出し方法は見当たらない。
特開平11−33629号公報 特開2005−7941 特開平7−303920号公報 特開平9−190793号公報
自動車等の外板パネルの損傷部位(凹んだ箇所)を修整する際に、外板パネルの材質が、一般的な軟質鋼板から現在は高張力鋼板が主流となっているが、最近の高張力鋼板において、鈑金引き出し面の形成が簡単に損傷前の状態にほぼ復元でき、しかも引き出す際の引き出し力が凹んだ箇所以外の場所に影響を及ぼすことなく引き出す事が可能な引き出し方法、引き出し修整装置、引き出し補助具を提供すること。
引き出し角度を自動車の外板形状の角度によりその損傷部位ごとに、等間隔に突起のついた引き出し用溶接ワッシャーの種類においては、5点の溶接ワッシャーは市販されているが、一種類のみではいろいろな損傷に対応出来ない。突起の数が4・点・6点・8点を有する溶接ワッシャーを活用し、作業部位の形状に照らせ合わせ、角度の整合性を備えた溶接ワッシャーを作業部位ごとに選択する。
修整面に対して垂直な角度を90度として、引き出し角度が45度〜135度の場合は溶接接点が4点・5点・6点・8点タイプの中から選択使用し、引き出し角度が36度〜144度の場合は溶接接点が5点・6点・8点タイプの中から選択使用し、引き出し角度が30度〜150度の場合は溶接接点が6点・8点タイプの中から選択使用し、引き出し角度が18度〜162度の場合は溶接接点が8点タイプの中から選択使用する。
溶接した突起の隣の突起が外板パネルに当たるようにする事により、溶接した突起部が作用点、隣の突起が支点となりより小さな力で微妙に引き出すことが出来る。
上記溶接ワッシャーの角度を簡単に活用できるようにするため、自由に支点が変えられる滑車を装備するタワーをそなえ、下方方向に引き出す際には、下引き滑車の位置が自由に変えられるように補助孔がセットされたベースパイプと、前後に引き出す際には、ベースパイプの先端に自由に角度をかえることができる方向性フレキシブルストッパで構成された引き出し修整装置からなり、この補助孔はタワーの位置を移動させ固定するのにも使用出来、タワーの方向を前後左右に構成させることで熔接ワッシャーの引き出し角度と整合性を持たせることができる。
タワーにも補助孔があり溶接ワッシャーの引き出し角度に整合性をもたせると同時に、ベースパイプに具備した下引き滑車と連動させることで、引き出し応力を下方向に加圧させる仕組となり、力のモーメントにより引き出し装置の浮き上がり防止となる。
上記溶接ワッシャーと引き出し修整装置とを接続し損傷面を所定の角度を構成して直線的に引き出す、あるいは損傷面全体を一括して引き出すことができるように、連結金具をリンク式とし、同じリンクプレートを複数使用してトーナメント表の如く、第1の階層、第2の階層、第三の階層、第四の階層に組み合わせ連結金具として構成した自在連結金具を具備し、第一の階層は8分割、第二の階層は4分割、第三の階層は2分割、第四の階層は1分割に構成。それぞれがリンク式のため、この自在連結金具はフレキシブルに動く構造体となり、また、損傷面の状態に合わせて自由に組み合わせる事が可能である。
この自在連結金具により損傷面に溶接された熔接ワッシャーに対し損傷の深い部分から順に引き出し力を掛ける事が出来る。上記により外板パネルの形状の垂直面90度に対して下側・上側方向に18度〜162度の角度で自由に引き出す事が可能となり、引き出し力が損傷部位の外側に及ぼす影響力を削減する事で凹みの部位のみを引き出す事が可能となる。
自動車等の外板パネルの損傷部位の修復において、引出力の作用点、支点を自由に設定出来るため、二次的損傷を大幅に軽減して損傷部位のみを無理なく簡単に引き出せる事により、損傷前の状態にほぼ復元でき、引き出す際に発生する2次的歪みと連鎖しておこる鋼板の伸びも削減でき、こう数も大幅に削減される。その後従来通りパテ塗りを行うのであるが、損傷前に近い状態まで復元できているため、パテの量も少なくて済み、パテ塗り工程でも、工数が大幅に減少する。
本発明に係わる引き出し装置と引き出し方法の側面面図である。 本発明に係わる平面図である。 図2のR部拡大図で、本発明に係わるリンクユニット式の引き出し補助具の平面図である。 図1のP部拡大で、本発明に係わる溶接接点を6点具備したワッシャと引き出し側面図1。 図1のP部拡大で、引き出し角度による構成の側面図2。 突起付ワッシャー6点 突起付ワッシャー8点 突起付ワッシャー4点 角度つけた引き起こし引き出しの前後の形状 垂直な引き出しによる引き出しの前後の形状
図1及び図2において外板パネル(1)の損傷部(2)の引出す部分に、突起付溶接ワッシャー(3a)の突起1(3b)を溶接する。これを水平方向に損傷状態に応じて必要な数だけ溶接する。
この溶接した複数の突起付溶接ワッシャー(3a)の中心に明けられている穴にリンクユニット(5a)のリンクプレート(5b)をそれぞれ合わせてテンションロッド(4)を通し、リンクユニット(5a)と突起付溶接ワッシャー(3a)を連結する。
引き出し修整装置(6)のベースパイプ(12)に複数明けられている取付穴(13)の先端付近に取付られた方向性フレキシブルストッパ(14)を外板パネル(1)の下部に突き当て、引き出し修整装置(6)を設置する。リンクユニット(5a)の終端に取付けられているシャックル(5e)を引き出し修整装置(6)のチェーン(7)に連結する。
下方方向に引き出す際には、チェーン(7)の反対端は支持タワー(8)のローラー取付け穴(9)の適切な穴位置に取付けたローラー(10)の下側を通し、チェーン引張りタワー(16)に取付けられたチェーン掛け(15)に、チェーン(7)がたるまない程度に取り付ける。支持タワー(8)はタワープレート(11)により、ベースパイプ(12)の取付穴(13)に固定されている。
レバー(17)を円弧状に引くと、ラチェット式スライドユニット(18)によりチェーン引張りタワー(16)がベースパイプ(12)上を右方向に移動する。チェーン引張りタワー(16)が右方向に移動するとチェーン掛け(15)に取り付けられたチェーン(7)が引張られローラー(10)の下側から、リンクユニット(5a)を介して突起付溶接ワッシャー(3a)に接続された角度を保持したまま突起付溶接ワッシャー(3a)はその角度の方向へ引かれる。
図3においてリンクユニット(5a)は複数のリンクプレート(5b)を連結ピン(5c)とカラー(5d)によりトーナメント表の如く階層式に組み合わせ最終階層にシャックル(5e)が接続されている。図4及び図5において、突起付溶接ワッシャー(3a)が上記の角度方向へ引かれると、突起1(3b)のみが損傷部(2)に溶接されているため、突起1(3b)とテンションロッド(4)との間でモーメントが発生するため突起2(3c)が損傷部(2)に突き当たる。突起2(3c)が損傷部(2)に突き当たることにより、突起2(3c)が支点、突起1(3b)が作用点となる「てこの原理」を利用して突起1(3b)が溶接された部位を引き起こしつつ損傷部(2)を引き出す。
図1において、引き出す際に横方向に移動すると引き出し装置(6)の固定は方向性フレキシブルストッパ(14)だけでは、引き出し装置(6)引張りタワーに負荷が掛かり、引き出し装置(6)の後部が浮き上がり、適切な力が掛からなくなる。それを防ぐ方法として、シャクル(5e)に連結したチエーン(7)を下引き滑車(19a)下側を通し、次に、支持タワー(8)のローラー(10)の上側を通し、次に、下引き滑車(19b)の下側を通し、引張りタワーに連結する。レバー(17)を円弧状に引くと、支持タワー(8)引張りタワーの双方に下向きの加圧が掛かり、引き出し修整装置(6)が浮き上ることなく引き出しを行うことできる。
1 外板パネル
2 損傷部
3a 突起付溶接ワッシャー
3b 突起1
3c 突起2
4 テンションロッド
5a リンクユニット
5b リンクプレート
5c 連結ピン
5d カラー
5e シャックル
6 引き出し修整装置
7 チェーン
8 支持タワー
9 ローラー取付け穴
10 ローラー
11 タワープレート
12 ベースパイプ
13 取付穴
14 方向性フレキシブルストッパ
15 チェーン掛け
16 引張りタワー
17 レバー
18 ラチェット式スライドユニット
19a 下引き滑車
19b 下引き滑車

Claims (4)

  1. 自動車等の外板パネルの損傷部位(凹んだ箇所)を修整する工法として、修整面に対して垂直な角度90度方向に引き出すのではなく、4点・5点・6点・8点の4種類の突起付溶接ワッシャーを使用し、それぞれの突起付溶接ワッシャーにおいて、突起1箇所を修整部位に溶接し、その隣の突起部が外板パネルに当る方向に引っ張る事により外板パネルに当っている突起部が支点、溶接された突起部が作用点となり、「てこの原理」により作用点を引き起こすように作用するため、溶接部位付近のみを引き起こすことが出来る。
    突起部の数が多い程支点と作用点の距離が短くなるためより細い引き起こしが可能となる。修整面に対して垂直な角度90度として角度が45度〜135度の場合は溶接接点が4点・5点・6点・8点タイプの突起付溶接ワッシャーの中からそれぞれの溶接しようとする箇所の状態に合わせ、作用点と支点の距離が最適となるように選択し、溶接する。
    同様にして引き出し角度が36度〜144度の場合は溶接接点が5点・6点・8点タイプの突起付溶接ワッシャーの中から、引き出し角度が30度〜150度の場合は溶接接点が6点・8点タイプの突起付溶接ワッシャーの中から、引き出し角度が18度〜162度の場合は溶接接点が8点タイプの突起付溶接ワッシャーの中から選択して使用する。この溶接された突起付溶接ワッシャーと、引き出し修整装置との連結に、それぞれの突起付溶接ワッシャーの中穴に同じ形状サイズのリンクプレートを1個づつ取り付け、2個を一組にし、その中間に同じ形状サイズのリンクプレートを取り付け、トーナメント表の如く階層式にて、リンクプレートが1個となる最終階層まで組み合わせる。
    引き出し修整装置として、支点が変えられる滑車を装備するタワーと、下方方向に引き出す際には、下引き滑車の位置が自由に変えられるように補助孔がセットされたベースパイプと引き出し角度を自由に変える事ができる方向性フレキシブルストッパで構成し、この引き出し修整装置の引き出しフックへ上記最終階層のリンクプレートを接続する。これにより、溶接した溶接接点が作用点、その隣の突起が支点と成る事により、より小さい力で引き出す事が出来るとともに、損傷部位の最も深いから順に力が働くようにした、引き起こし作用の特徴を有する引き出し工法。
  2. 上記突起付溶接ワッシャーと引き出し修整装置とを接続し損傷面を直線的に引き出すことと損傷面全体を一括して引き出すことができるように、連結金具をリンク式とし同じリンクプレートを複数組み合わせてトーナメント表の如く階層式に構成した補助具。
  3. [請求項1]の引き出し工法における引き出し角度を構成する、突起付ワッシャー4点タイプ、突起付ワッシャー6点タイプ、突起付ワッシャー8点タイプの補助具。
  4. [請求項1]の引き出し角度で修整すると、引き出し力の引き出し応力の負荷により引き出し装置自体の浮き上がり対策として、下引き滑車をダブルに構成し、引き出し応力を支持タワーと引張りタワーの床面にダブルで加圧し固定力とすることにより、浮き上がり防止をなくすせることを特徴とする引き出し装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102304974B1 (ko) * 2020-08-06 2021-09-24 방재훈 휴대용 다중 인장장치

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