JP2006309568A - 自転車用シェアリングシステム - Google Patents

Abstract

【課題】極めて簡単な操作と手続きで自転車のシェアリングが可能になる。駐輪場単位でシステムを簡単に増設することができる自転車用シェアリングシステムを提供する。
【解決手段】ユニット式駐輪場１０を設ける。該ユニット式駐輪場１０の入出庫データ及び使用管理データを管理する管理装置２０を設ける。各管理装置２０の各データを通信回線で結ぶ通信装置３０を設ける。ユニット式駐輪場１０にスタンド装置１１を設け、該スタンド装置１１にＩＣタグリーダー１２を装着する。各自転車ＰのキーＰ１にＩＣタグ１３を装着する。スタンド装置１１の入出庫情報を全てのユニット式駐輪場１０の管理装置２０で共有する。使用者はスタンド装置１１から取り出して、返却するまでの料金を支払うように設ける。シェアリング用の自転車Ｐは、自転車Ｐの所有者が提供する自転車Ｐとする。
【選択図】図１

Description

本発明は、自転車を共同利用する（以下、シェアリングと称する）のに好適な自転車用シェアリングシステムに関する。

駅前や繁華街など、公共の駐輪場を設けるスペースを十分確保できない地域にレンタル自転車を配置するレンタルサイクルシステムが特許文献１に記載されている。このシステムによると、特定地域にブロック毎のレンタル自転車用駐輪場を設け、これら駐輪場間において、一方の駐輪場で借り出したレンタル自転車を他方の駐輪場で乗り捨てることを可能としたものである。また、中央管理センターを設け、各駐輪場でのレンタル自転車の出入り情報をこの中央管理センターに集め、各駐輪場でのレンタル自転車の出入り情報を、各駐輪場内に設けたカードリーダーを備えるレンタルキーボックスと、各駐輪場入口に付設するカードリーダーを備えるポストステーションとで管理するシステムである。

特許文献２は、自転車利用仲介サービスに関するものである。このサービスは、駐車設備に収容された自転車が、退社又は下校により、駐車設備に戻るまで保管されたままになっているので、この駐輪設備内の自転車資源を有効に活用するようにしたものである。このサービスによると、住居とＡ駅との間の往復に自転車を使用する自転車の所有者と、Ａ駅と所定の目的地との間の往復に自転車を利用したい他の利用者とを仲介するもので、所有者がＡ駅の駐輪設備に預けた自転車をサーバの管理の下で所有者の使用時間外に他の利用者に貸与するサービスである。

特許文献３は、自転車等のシェアリングの仲介システムに関する。このシステムは、任意の個人や業者が、所有する自転車を不特定の相手に貸し出して、シェアリングが容易にできるようにするシステムである。このシステムでは、コンピュータネットワークに接続されたコンピュータシステムを利用するもので、自転車所有者が携帯電話やパソコンなど任意の端末から自転車の貸し出し条件を送信すると、コンピュータシステムがその貸し出し条件を記憶する。一方、自転車の利用希望者が端末より使用希望条件を送信すると、その希望条件に合う貸し出し条件の自転車をコンピュータシステムが検索・抽出し、その自転車の情報を使用希望者に送信する、というシステムである。
特開２００２−１５３７０号公報 特開２００２−２５９８５２号公報 特開２００４−９４６９９号公報

特許文献１に記載のレンタルサイクルシステムのように、一方の駐輪場で借り出したレンタル自転車を他方の駐輪場で乗り捨てるものでは、駐輪場の環境によって、自転車の利用が偏よる不都合は解消できない。そのため、自転車の出入り情報を中央管理センターで管理し余剰自転車が生じた場合は、その余剰自転車を配送する作業も必要になっている。したがって、システムを維持するのに、常駐の作業員や運搬設備などが必要になり、大掛かりなシステムになる不都合があった。

また、特許文献２では、サーバの管理の下で、所有者の自転車の使用時間外に、当該自転車を他の利用者に貸与する仲介サービスなので、自転車は一台ごとに所有者の使用時間を管理する必要があった。すなわち、このサービスでは、所有者が使用しない時間に限り他の使用者が利用可能になるので、各自転車の貸与可能な時間が制限されるという不都合が生じる。しかも、所有者は、予定している使用時間外の使用を希望しても、他の利用者が利用して使用できない可能性もあるなどの不都合も生じる。

更に、特許文献３に記載のシェアリングの仲介システムは、自転車所有者が携帯電話やパソコンなどを利用して貸し出し条件を登録する必要があるので、手続きが煩雑になる不都合がある。しかも、希望条件に合う自転車をコンピュータシステムが検索・抽出するシステムなので、目の前にある自転車を今すぐ利用したい場合でも、この検索作業を行わなければ利用できないので、利用者にとっても手続きが面倒である。

このように、自転車をレンタルし、あるいは共同利用することで、合理的な利用を目的とするシステムやサービスが種々工夫されているが、いずれもシステムが複雑になり、手続きが面倒なため、この種のサービスを実現するには未だ多くの課題が残されている。

そこで、本発明は上述の不都合を解消すべく創出されたもので、極めて簡単な操作と手続きで自転車のシェアリングが可能になり、しかも、駐輪場単位でシステムを簡単に増設することができる自転車用シェアリングシステムの提供を目的とするものである。

本発明の第１の手段は、複数台のシェアリング用の自転車Ｐを駐輪するユニット式駐輪場１０と、該ユニット式駐輪場１０の入出庫データ及び自転車の登録情報を管理する管理装置２０と、各管理装置２０の各データを通信回線で結ぶ通信装置３０とを備えた自転車用シェアリングシステムにおいて、ユニット式駐輪場１０は、前記管理装置２０と自転車Ｐを支持するスタンド装置１１とを有し、該スタンド装置１１にＩＣタグリーダー１２を装着すると共に、各自転車ＰのキーＰ１に装着したＩＣタグ１３の登録情報を読み取るように設け、スタンド装置１１における自転車Ｐの入出庫情報を全てのユニット式駐輪場１０の管理装置２０で共有するように設け、使用者はスタンド装置１１から取り出して、他のユニット式駐輪場１０のスタンド装置１１又は同じユニット式駐輪場１０のスタンド装置１１に返却するまでの料金を支払うように設けたことにある。

第２の手段における前記管理装置２０は、会員が所有する会員カードＣを読み取るカードリーダー２１と、自転車ＰのキーＰ１を個別に保管し、カード読取後に会員が選択した自転車ＰのキーＰ１を提供するキー管理ボックス２２と、該キー管理ボックス２２に使用後のキーＰ１を変換した際に、自転車Ｐ使用時間ごとの料金を表示する料金表示装置２３とを備えたシステムである。

第３の手段は、前記スタンド装置１１に支持する自転車Ｐは、自転車Ｐの所有者が提供する自転車Ｐとし、該自転車ＰのキーＰ１に前記ＩＣタグ１３を装着することで、シェアリング用の自転車Ｐとして登録するように設けたことを課題解消のための手段とする。

本発明の請求項１により、各自転車ＰのキーＰ１に装着したＩＣタグ１３の登録情報を全てのユニット式駐輪場１０の管理装置２０で共有し、使用者はスタンド装置１１から取り出して返却するまでの料金を支払うシステムであるから、極めて簡単な操作と手続きで自転車のシェアリングができる。

また、複数台のシェアリング用の自転車Ｐを駐輪するユニット式駐輪場１０と、該ユニット式駐輪場１０の入出庫データ及び使用管理データを管理する管理装置２０と、各管理装置２０の各データを通信回線で結ぶ通信装置３０とを備えるだけのシステムなので、従来のような複雑なシステムや常駐の作業員、あるいは運搬手段などは一切必要がなく、駐輪場単位でシステムを簡単に増設することが可能である。この結果、コンビニエンスストアの駐車場や病院、役所等の公共施設の駐車場の一部に設置することも可能になり、シェアリングとしてのインフラ基盤を構築することができる。

請求項２によると、使用者は会員になって会員カードＣを提示するだけで、目の前の自転車Ｐを簡単に利用することができる。しかも、使用後は、どこのユニット式駐輪場１０に返却しても良いので、合理的な使用が可能になる。

請求項３では、自転車Ｐの所有者が提供する自転車Ｐをシェアリング用の自転車Ｐとすることで、自転車Ｐをより合理的に使用することが可能になる。しかも、自転車Ｐの提供者には、料金上の特典を付すなどの選択も可能であり、自転車Ｐの募集を容易に行うことができる。

このように、本発明によると、極めて簡単な操作と手続きで自転車のシェアリングが可能になり、しかも、駐輪場単位でシステムを簡単に増設することができ、実現も容易であるなどといった優れた効果を奏するものである。

本発明の最良の形態は、複数台のシェアリング用の自転車Ｐを駐輪するユニット式駐輪場１０を設ける。該ユニット式駐輪場１０の入出庫データ及び使用管理データを管理する管理装置２０を設ける。各管理装置２０の各データを通信回線で結ぶ通信装置３０を備える。ユニット式駐輪場１０に、前記管理装置２０と自転車Ｐを支持するスタンド装置１１とを設ける。該スタンド装置１１にＩＣタグリーダー１２を装着すると共に、各自転車ＰのキーＰ１に装着したＩＣタグ１３の登録情報を読み取るように設ける。スタンド装置１１における自転車Ｐの入出庫情報を全てのユニット式駐輪場１０の管理装置２０で共有するように設ける。使用者はスタンド装置１１から自転車を取り出してスタンド装置１１に返却するまでの料金を支払うように設ける。管理装置２０に、会員が所有するカードリーダー２１を設ける。また、自転車ＰのキーＰ１を個別に保管し、カード読取後に会員が選択した自転車ＰのキーＰ１を提供するキー管理ボックス２２を設ける。更に、該キー管理ボックス２２に使用後のキーＰ１を変換した際に、自転車Ｐ使用時間ごとの料金を提示する料金表示装置２３を設ける。スタンド装置１１に支持する自転車Ｐは、自転車Ｐの所有者が提供する自転車Ｐとする。該自転車ＰのキーＰ１に前記ＩＣタグ１３を装着してシェアリング用の自転車Ｐとして登録することで当初の目的を達成するものである。

本発明システムの構成は、ユニット式駐輪場１０、管理装置２０、通信装置３０を基本構成とする（図１、図２参照）。

ユニット式駐輪場１０は、複数台のシェアリング用の自転車Ｐを駐輪するエリア内に、スタンド装置１１と管理装置２０を備えてユニット化した駐輪場である。スタンド装置１１は、シェアリング用の自転車Ｐを支持する装置であり、該スタンド装置１１にＩＣタグリーダー１２を装着する。一方、シェアリング用の自転車ＰにはＩＣタグ１３を装着している（図３参照）。このＩＣタグ１３は自転車ＰのキーＰ１に装着することにより、後述するようにキーＰ１の管理が容易になるものである。

図示のスタンド装置１１は１０台から２０台の自転車Ｐを支持するように設けている（図１参照）。そして、各スタンド装置１１を一体に連結すると共に、スタンド装置１１ごとの入出庫情報を管理装置２０に連携することで、駐輪場をユニット化している。また、スタンド装置１１の数は、ユニット式駐輪場１０を設置する土地の状況に応じて何台にも設定することが可能である。例えば、コンビニエンスストアーの駐車場を利用するような場合に、１〜２台分の駐車スペースに設置できるように設けることも可能である。

また、図示例では、駐輪スペースを省くために、前輪持ち上げ式のスタンド装置１１を示している（図５参照）。すなわち、スタンド装置１１は、側面略Ｌ字形状の基台１４と、この基台１４にスライド係止するスライド盤１５と、該スライド盤１５に載せた自転車Ｐを固定する固定体１６とで構成している。そして、スライド盤１５の上に自転車Ｐを載置し、固定体１６で自転車Ｐを固定すると、このスライド盤１５を電動又は手動にてスライド移動せしめて基台１４の上部に係止するものである。図示例では、基台１４に電動によるリフト装置１７を設けることで、自転車Ｐの入出庫を容易にしている（図４参照）。また、スタンド装置１１は図示例に限られず、他の構成によるスタンド装置１１を用いることもできる。

各スタンド装置１１には、ＩＣタグリーダー１２が備えられ、自転車ＰのキーＰ１にはＩＣタグ１３が設けられている（図４参照）。そして、スタンド装置１１に入出庫する自転車Ｐの入出庫情報及び自転車登録情報を、ＩＣタグ１３からＩＣタグリーダー１２を介して管理装置２０に送られるものである。

更に、全スタンド装置１１と管理装置２０とが連携されており、各スタンド装置１１のＩＣタグリーダー１２で読み取った自転車Ｐの入出庫情報は、管理装置２０が管理する。また、各管理装置２０には、通信装置３０が組み込まれており、各管理装置２０で管理する情報を全ての管理装置２０で共有する（図２参照）。

管理装置２０には、会員が所有するカードリーダー２１が備えられている。このカードリーダー２１は、使用者が予め会員登録をした会員カードＣを読み取るもので、個人情報の他、予めカードに保金している金額などを記録することもできる。更に、管理装置２０には、キー管理ボックス２２と料金表示装置２３と、各管理装置２０にＩＣタグ１３のデータを共有するため、通信装置３０が備えられている。

通信装置３０は、インターネットやケーブル回線など、各管理装置２０が連携可能な手段から選択することができる。図６では、インターネットを介して各管理装置２０のデータを共有するように設けている。このような通信装置３０によると、新たなユニット式駐輪場１０を増設する場合、各管理装置２０との連携作業を簡略化できる利点がある。また図７に示す如く、中央管理センター４０を介して、各通信装置３０のデータを集中管理することも可能である。この場合、多くのユニット式駐輪場１０を集中管理することができる。

キー管理ボックス２２は、自転車ＰのキーＰ１に装着したＩＣタグ１３の情報から個別に保管し、会員カードＣ読取後に会員が選択した自転車ＰのキーＰ１を提供する（図２参照）。例えば会員カードＣを読取ると、使用可能な自転車Ｐを支持しているスタンド装置１１の番号が点滅する。そこで、キー管理ボックス２２の点滅する番号の中から自転車Ｐを選択し、そのスタンド装置１１の番号ボタン２２Ａを押すと、会員カードＣに自転車Ｐの情報が記録され、キー管理ボックス２２から選択した自転車ＰのキーＰ１が出てくるようにする。このとき、自転車ＰのキーＰ１とは別に、スタンド装置１１と自転車Ｐとをロックするスタンド装置１１自体のロック機構が解除するように設けることで安全性の高い管理が可能になる。

一方、自転車Ｐを返却する際は、スタンド装置１１に自転車Ｐを固定すると、スタンド装置１１のＩＣタグリーダー１２がキーＰ１のＩＣタグ１３を読み取ってスタンド装置１１の番号ボタン２２Ａがキー管理ボックス２２で点滅する。使用者は、自転車ＰのキーＰ１をロックして取り外し、管理装置２０のキー管理ボックス２２内に返却すると共に、会員カードＣをカードリーダー２１に読み取らせる。すると、利用時間ごとの料金が料金表示装置２３に表示されるので、この料金を支払うとカードが返却される。このとき、カード内に保金した金額から相殺することも可能である。

本発明システムでは、使用するシェアリング用の自転車Ｐを、自転車Ｐの所有者が提供するものとし、該自転車ＰのキーＰ１にＩＣタグ１３を装着するだけでシェアリング用の自転車Ｐとして使用する。すなわち、使用者は、会員登録するのみで自転車Ｐを使用することができるが、自転車を所有している者は、この自転車を提供することで、提供者の使用料金を減額したり、あるいは逆に提供者に使用料金を支払ったりする選択もできる。このような選択を可能にすることで、本発明システムの拡大を図ることが容易になる。また全ての自転車Ｐを提供者による自転車Ｐで構成することも可能である。例えば、自転車Ｐの提供者募集が容易になる。また、駐車場を有する店舗などでは、集客用としての効果も期待できるので、ユニット式駐輪場１０を提供する側にとっても有効である。この結果、たとえ僅かなスペースでも本発明のシステムとして効率良く利用することができ、システムを合理的に拡充することが可能である。尤も、本発明システムの管理者が自転車Ｐを補充することも可能である。

尚、本発明における図示例の各構成は、本発明の一実施例に過ぎず、各形状や寸法等の設計変更、材質の転換及び使用態様の変更など、本発明の要旨を変更しない範囲において自由に変更することができるものである。

本発明の一実施例を示す概略図である。 本発明の管理装置の一実施例を示す概略図である。 本発明のキーに装着したＩＣタグの一実施例を示す概略正面図である。 本発明のスタンド装置を示す概略正面図である。 本発明のスタンド装置の支持状態を示す概略正面図である。 本発明の通信装置を示す概略図である。 本発明のネットワークを示す概略図である。

符号の説明

Ｃ 会員カード
Ｐ 自転車
Ｐ１ キー
１０ ユニット式駐輪場
１１ スタンド装置
１２ ＩＣタグリーダー
１３ ＩＣタグ
１４ 基台
１５ スライド盤
１６ 固定体
１７ リフト装置
２０ 管理装置
２１ カードリーダー
２２ キー管理ボックス
２２Ａ 番号ボタン
２３ 料金表示装置
３０ 通信装置
４０ 中央管理センター

Claims (3)

1. 複数台のシェアリング用の自転車を駐輪するユニット式駐輪場と、該ユニット式駐輪場の入出庫データ及び自転車の登録情報を管理する管理装置と、各管理装置の各データを通信回線で結ぶ通信装置とを備えた自転車用シェアリングシステムにおいて、ユニット式駐輪場は、前記管理装置と自転車を支持するスタンド装置とを有し、該スタンド装置にＩＣタグリーダーを装着すると共に、各自転車のキーに装着したＩＣタグの登録情報を読み取るように設け、スタンド装置における自転車の入出庫情報を全てのユニット式駐輪場の管理装置で共有するように設け、使用者はスタンド装置から取り出して、他のユニット式駐輪場のスタンド装置又は同じユニット式駐輪場のスタンド装置に返却するまでの料金を支払うように設けたことを特徴とする自転車用シェアリングシステム。
2. 前記管理装置は、会員が所有する会員カードＣを読み取るカードリーダーと、自転車のキーを個別に保管し、会員カード読取後に会員が選択した自転車のキーを提供するキー管理ボックスと、該キー管理ボックスに使用後のキーを返却した際に、自転車使用時間ごとの料金を表示する料金表示装置とを備えた請求項１記載の自転車用シェアリングシステム。
3. 前記スタンド装置に支持する自転車は、自転車の所有者が提供する自転車とし、該自転車のキーに前記ＩＣタグを装着することで、シェアリング用の自転車として登録するように設けた請求項１又は２記載の自転車用シェアリングシステム。
   
   

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