JP2006308810A - 吸収型多層膜ndフィルターとその製造方法 - Google Patents

吸収型多層膜ndフィルターとその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 吸収型多層膜が酸化物誘電体膜と金属膜とで構成され、酸化物誘電体膜と金属膜との付着力が改善された吸収型多層膜NDフィルターとその製造方法を提供する。
【解決手段】 基板1と、この片面若しくは両面に交互に積層された金属膜(Ni)3、5と酸化物誘電体膜(SiO)2、4で構成される吸収型多層膜とを有する吸収型多層膜NDフィルターであって、上記金属膜における酸化物誘電体膜との界面およびその近傍領域が酸化されて酸化金属部NiOx(x≦1)を構成し、酸化金属部の酸化程度が酸化物誘電体膜との界面から金属膜の非酸化部に向かって連続的に低下していることを特徴とする。
【選択図】 図9

Description

本発明は、可視光領域の透過光を減衰させる吸収型多層膜NDフィルターに係り、特に、耐摩耗性や付着力の改善が図れる吸収型多層膜NDフィルターとその製造方法の改良に関するものである。
NDフィルター(Neutral Density Filter)とは、光線の可視スペクトル域における各波長をほぼ均等に透過するような非選択性の透過率を有する光学フィルターで、透過光量を減衰させる目的でデジタルカメラ等のレンズに装着して用いられる。例えば、晴天下等の光量が多い条件下において、レンズを絞り込んでも露出過多になってしまうときに、光量を制限してより低速でシャッタを切れるようにする場合や、絞りを開放したいがシャッタ速度を最高にしても露出過多になってしまうときに、光量を制限して絞りを開けられるようにする場合に使用されるのが一般的である。
この種のNDフィルターには、入射光を反射して減衰させる反射型NDフィルターと、入射光を吸収して減衰させる吸収型NDフィルターがあり、反射光が問題となるレンズ光学系にNDフィルターを組み込む場合は一般に吸収型NDフィルターが用いられる。
そして、この吸収型NDフィルターには、基板自体に吸収物質を混ぜたり(色ガラスNDフィルター、樹脂フィルムNDフィルターと一般に称される)あるいは塗布するタイプと、基板自体に吸収はなくその表面に形成された薄膜に吸収があるタイプとが存在する。また、後者の場合は、薄膜表面の反射を防ぐため上記薄膜を多層膜で構成し、透過光を減衰させる機能と共に反射防止の効果を持たせている。
また、小型で薄型のデジタルカメラに用いられるNDフィルターは、デジタルカメラ内の組込みスペースが狭いため基板自体を薄くする必要があり、上記基板として厚みの非常に薄いガラス薄板や樹脂フィルム等が適用されている。
そして、上記薄膜が多層膜で構成された吸収型多層膜NDフィルターとして、特許文献1には誘電体膜と光吸収性を有するチタン酸化膜とを組合せた多層膜が、また、特許文献2には誘電体膜とニオブ膜(金属膜)とを組合せた多層膜がそれぞれ開示されている。更に、特許文献3には機械的接触によるキズが発生しないようにするため基板両面の最表面に誘電体の硬質膜を形成する手法が開示されている。また、これ等吸収型多層膜NDフィルターにおいて、上記誘電体膜としてはSiOを用いている場合が多い。
特開平7−63915号公報 特開2002−350610号公報 特開平10−133253号公報
ところで、厚みが非常に薄いガラス薄板や樹脂フィルム上に上記吸収型多層膜を形成した吸収型多層膜NDフィルターは、組込みスペースが狭い小型で薄型のデジタルカメラに用いるには最適である。
そして、吸収型多層膜を構成する膜材料としては、上述したようにSiO膜と金属膜(例えば、ニオブ膜)、あるいは、SiO膜と酸素欠損のある光吸収性を有する金属酸化物膜(例えば、チタン酸化膜)との組合せがほとんどでありそれぞれ長所と欠点を有している。
例えば、上記SiO膜と金属膜とを組み合わせた吸収型多層膜においては、金属膜における可視域の吸収が大きいため、上記金属膜については10nm程度の非常に薄い膜厚でよく生産性に優れている反面、SiO膜のような酸化物誘電体膜と金属膜とは付着力が弱いため、耐剥離性等の機械的強度に難がある。
一方、SiO層と酸素欠損のある光吸収性を有する金属酸化物膜(以下、吸収金属酸化物膜と略称する場合がある)とを組み合わせた吸収型多層膜においては、酸化物同士の組み合わせのため付着力は強い反面、上記金属酸化物膜における可視域の吸収が金属膜のように大きくないため、10nmを超える膜厚の金属酸化物膜を成膜する必要があり生産性に劣るという欠点を有している。
本発明はこのような問題点に着目してなされたもので、その課題とするところは、吸収型多層膜が酸化物誘電体膜と金属膜とで構成されかつ酸化物誘電体膜と金属膜との付着力が改善された吸収型多層膜NDフィルターを提供し、合わせてこの吸収型多層膜NDフィルターの製造方法を提供することにある。
そこで、上記課題を解決するため、酸化物誘電体膜と金属膜とで構成される吸収型多層膜の上記金属膜について、その酸化物誘電体膜との界面およびその近傍領域を酸化させて酸化金属部を形成したところ、上記酸化物誘電体膜と金属膜との付着力が改善されることを見出すに至った。本発明はこのような技術的発見に基づき完成されている。
すなわち、請求項1に係る発明は、
基板と、基板の片面若しくは両面に交互に積層された金属膜と酸化物誘電体膜で構成される吸収型多層膜とを有する吸収型多層膜NDフィルターを前提とし、
上記金属膜における酸化物誘電体膜との界面およびその近傍領域が酸化されて酸化金属部を構成し、酸化金属部の酸化程度が酸化物誘電体膜との界面から金属膜の非酸化部に向かって連続的に低下していることを特徴とし、
請求項2に係る発明は、
請求項1に記載の発明に係る吸収型多層膜NDフィルターを前提とし、
上記金属膜における基板との界面およびその近傍領域が酸化されて酸化金属部を構成し、酸化金属部の酸化程度が基板との界面から金属膜の非酸化部に向かって連続的に低下していることを特徴とするものである。
また、請求項3に係る発明は、
請求項1または2に記載の発明に係る吸収型多層膜NDフィルターを前提とし、
上記酸化物誘電体膜または基板との界面の金属膜における酸化金属部の組成が化学量論組成を有していることを特徴とし、
請求項4に係る発明は、
請求項1〜3のいずれかに記載の発明に係る吸収型多層膜NDフィルターを前提とし、
上記金属膜における酸化金属部の膜厚が、金属膜における非酸化部の膜厚より薄いか、あるいは、5nm以下であることを特徴とし、
請求項5に係る発明は、
請求項1〜4のいずれかに記載の発明に係る吸収型多層膜NDフィルターを前提とし、
上記金属膜がNiで構成され、酸化物誘電体膜がSiOで構成されることを特徴とするものである。
次に、請求項6に係る発明は、
真空成膜プロセスにより基板の片面若しくは両面に金属膜と酸化物誘電体膜とを交互に成膜して吸収型多層膜NDフィルターを製造する吸収型多層膜NDフィルターの製造方法を前提とし、
上記基板若しくは酸化物誘電体膜上に金属膜を成膜する際、成膜装置内に酸素プラズマ若しくは酸素イオンビームを発生させるか成膜装置内に酸素を導入しながら、基板若しくは酸化物誘電体膜上にその酸化程度が基板若しくは酸化物誘電体膜との界面から離れるに従い連続的に低下する金属膜の酸化金属部を形成する第一工程と、
上記成膜装置内における酸素プラズマ若しくは酸素イオンビームの発生を停止するか成膜装置内への酸素の導入を停止した状態で、上記酸化金属部上に金属膜の非酸化部を形成する第二工程と、
上記成膜装置内に酸素プラズマ若しくは酸素イオンビームを発生させるか成膜装置内に酸素を導入しながら、上記金属膜の非酸化部上にその酸化程度が非酸化部との界面から離れるに従い連続的に増大する酸化金属部を形成する第三工程、
を具備することを特徴とし、
請求項7に係る発明は、
請求項6に記載の発明に係る吸収型多層膜NDフィルターの製造方法を前提とし、
上記第一工程において基板若しくは酸化物誘電体膜上に形成される酸化金属部の上記基板若しくは酸化物誘電体膜との界面における組成が化学量論組成を有すると共に、第三工程において金属膜の非酸化部上に形成される酸化金属部の最表面における組成が化学量論組成を有することを特徴とするものである。
請求項1〜5に記載の発明に係る吸収型多層膜NDフィルターによれば、
金属膜と酸化物誘電体膜との界面およびその近傍領域に形成された酸化金属部の作用により、および、金属膜と基板との界面およびその近傍領域に必要に応じて形成された上記酸化金属部の作用により、金属膜と酸化物誘電体膜との間および金属膜と基板との間における付着力を増大させることが可能となる。
従って、SiO膜のような酸化物誘電体膜と金属膜とを組み合わせた吸収型多層膜の長所と、SiO層のような酸化物誘電体膜と酸素欠損のある光吸収性を有する金属酸化物膜とを組み合わせた吸収型多層膜の長所とを併せ持った吸収型多層膜NDフィルターとすることができる効果を有する。
また、請求項6〜7に記載の発明に係る吸収型多層膜NDフィルターの製造方法によれば、
基板若しくは酸化物誘電体膜上に金属膜を成膜する際、成膜装置内に酸素プラズマ若しくは酸素イオンビームを発生させるか成膜装置内に酸素を導入しながら、基板若しくは酸化物誘電体膜上にその酸化程度が基板若しくは酸化物誘電体膜との界面から離れるに従い連続的に低下する金属膜の酸化金属部を形成する第一工程と、
上記成膜装置内における酸素プラズマ若しくは酸素イオンビームの発生を停止するか成膜装置内への酸素の導入を停止した状態で、上記酸化金属部上に金属膜の非酸化部を形成する第二工程と、
上記成膜装置内に酸素プラズマ若しくは酸素イオンビームを発生させるか成膜装置内に酸素を導入しながら、上記金属膜の非酸化部上にその酸化程度が非酸化部との界面から離れるに従い連続的に増大する酸化金属部を形成する第三工程、
を具備しており、
金属膜と酸化物誘電体膜との界面およびその近傍領域、および、金属膜と基板との界面およびその近傍領域に金属膜の上記酸化金属部を形成することができるため、上記酸化物誘電体膜と金属膜とを組み合わせた吸収型多層膜の長所と、酸化物誘電体膜と酸素欠損のある光吸収性を有する金属酸化物膜とを組み合わせた吸収型多層膜の長所とを併せ持った吸収型多層膜NDフィルターを製造することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。
まず、本発明に係る吸収型多層膜NDフィルターは、基板の片面若しくは両面に金属膜と酸化物誘電体膜とが交互に積層されて構成された吸収型多層膜を具備し、上記金属膜における少なくとも酸化物誘電体膜との界面およびその近傍領域が酸化されて酸化金属部を構成し、この酸化金属部の酸化程度が酸化物誘電体膜との界面から金属膜の非酸化部に向かって連続的に低下していることを特徴としている。
尚、上記金属膜における基板との界面およびその近傍領域については必ずしも酸化する必要はなく、上記基板に対する金属膜とその酸化膜(酸化金属部)の付着力を考慮し、その付着力が高い方を選択すればよい。また、酸化物誘電体膜が基板上に直接成膜され、この酸化物誘電体膜上に金属膜が成膜される場合もあるからである。
ここで、例えばNi(ニッケル)の金属膜上に化学量論組成を有するNiO(酸化金属部)を成膜し、あるいは、化学量論組成を有するNiO(酸化金属部)上にNi(ニッケル)金属膜を成膜した場合、これ等Ni(ニッケル)金属膜とNiOとは酸化物同士の組み合わせでないため、両界面における付着力の改善は望めない。
このため、Ni(ニッケル)金属膜を成膜する際、成膜装置内の酸素プラズマアシスト、酸素イオンアシストのエネルギーを徐々に変化させ、あるいは、成膜装置内への酸素の導入量を変化させる等の操作を行い、成膜されるNi(ニッケル)金属膜における酸化金属部(NiOx)の酸化程度が、酸化物誘電体膜あるいは基板との界面から金属膜の非酸化部(Ni)に向かって連続的に低下するように調整することを要する。
図9は、本発明に係る吸収型多層膜NDフィルターの膜構成を示す説明図である。
すなわち、この吸収型多層膜NDフィルターは、基板(フィルム)1と、この片面に交互に成膜されたNiの金属膜5、酸化ケイ素(SiO)の酸化物誘電体膜4、Niの金属膜3および酸化ケイ素(SiO)の酸化物誘電体膜2とで構成されている。
また、Niの各金属膜5、3は、その膜中央がNiの非酸化部で構成され、この非酸化部から厚み方向へ離れるに従いその酸化程度が連続的に増加するNiOx(x<1)の酸化金属部を構成し、かつ、基板(フィルム)1または酸化ケイ素(SiO)の酸化物誘電体膜4、2との界面の上記酸化金属部は化学量論組成を有するNiOとなっている。
尚、交互に成膜されたNiの金属膜と酸化ケイ素(SiO)の酸化物誘電体膜とで構成される吸収型多層膜の積層数は、求められる光学特性によって適宜決められる。
また、上記Niの各金属膜5、3における膜厚は、通常、3〜20nm程度に設定されており、これ等金属膜5、3の上記酸化金属部NiOx(x≦1)の膜厚は、金属膜5、3の膜厚が比較的薄い場合にはこれ等金属膜5、3の上記非酸化部Niの膜厚より薄いことが好ましく、また、金属膜5、3の膜厚が比較的厚い場合には5nm以下であることが好ましい。各金属膜における上記酸化金属部NiOx(x≦1)の膜厚が非酸化部Niの膜厚より厚くなると、光吸収能に優れた金属膜を用いる利点が小さくなりかつ生産性も低下する場合があるからである。また、各金属膜における上記酸化金属部NiOx(x≦1)の膜厚が5nmを超えた場合も、NDフィルターの光学特性に与える上記酸化金属部NiOx(x≦1)の影響が大きくなり過ぎるため好ましくない。
ここで、上記酸化物誘電体膜としては、上記SiO以外にMgF、Al等を用いることができ、また、金属膜としては、Ni以外にTa、Ti、Nb、Hf、Zr、Y等を用いることができる。その中でも、硬質で耐環境特性に優れたSiOを適用することが好ましく、また、酸素親和力が弱いNiを選択した場合、真空成膜装置内の残留酸素の影響を受け難く上記酸化金属部NiOx(x≦1)の制御性に優れるため好ましい。
また、Niは酸化させると屈折率がほとんど変わらず透明なNiOになる。また、SiOとNiOのように酸化物層同士の付着力は強いという特徴がある。また、以下の実施例において酸化金属部NiOx(x≦1)の膜厚を1nmと5nmとした場合の膜構成を表1、表2に示すが、これ等吸収型多層膜NDフィルターの分光透過特性を測定するとそれぞれ図5、図7のグラフ図に示すようになり、分光反射特性を測定するとそれぞれ図6、図8のグラフ図に示すようになる。そして、表1、表2に示された膜構成を有する上記吸収型多層膜NDフィルターにおける分光透過特性並びに分光反射特性と、表3の膜構成を有する酸化物誘電体膜と金属膜との組み合わせに係る従来例に係る吸収型多層膜NDフィルターの分光透過特性(図1のグラフ図参照)並びに分光反射特性(図2のグラフ図参照)とを比較すると、上記酸化金属部NiOx(x≦1)の膜厚が5nm以下であれば分光特性はほとんど変わらないことが確認される。
次に、本発明に係る吸収型多層膜NDフィルターは、真空成膜プロセスにより基板の片面若しくは両面に金属膜と酸化物誘電体膜とを交互に成膜する以下の三工程を具備する製造方法により得ることができる。
すなわち、基板若しくは酸化物誘電体膜上に金属膜を成膜する際、成膜装置内に酸素プラズマ若しくは酸素イオンビームを発生させるか成膜装置内に酸素を導入しながら、基板若しくは酸化物誘電体膜上にその酸化程度が基板若しくは酸化物誘電体膜との界面から離れるに従い連続的に低下する金属膜の酸化金属部を形成する第一工程と、
上記成膜装置内における酸素プラズマ若しくは酸素イオンビームの発生を停止するか成膜装置内への酸素の導入を停止した状態で、上記酸化金属部上に金属膜の非酸化部を形成する第二工程と、
上記成膜装置内に酸素プラズマ若しくは酸素イオンビームを発生させるか成膜装置内に酸素を導入しながら、上記金属膜の非酸化部上にその酸化程度が非酸化部との界面から離れるに従い連続的に増大する酸化金属部を形成する第三工程、
を具備する製造方法により得ることができる。
尚、上記第一工程において基板若しくは酸化物誘電体膜上に形成される酸化金属部の上記基板若しくは酸化物誘電体膜との界面における組成が化学量論組成を有するように調整すると共に、第三工程において金属膜の非酸化部上に形成される酸化金属部の最表面における組成も化学量論組成を有するように製造条件を調整することが望ましい。
以下、図9に示した上記吸収型多層膜NDフィルターを例に挙げ、酸化金属部NiOx(x≦1)と非酸化部(Ni)とで構成される金属膜の成膜方法について具体的に説明する。
まず、成膜装置内において酸化ケイ素(SiO)から成る酸化物誘電体膜4の成膜が終了し、この酸化物誘電体膜4上にNiの金属膜3を成膜する際、上記酸化物誘電体膜4との界面の酸化金属部NiOxの組成が化学量論組成(x=1)を有しかつ界面から離れるに従い酸化金属部NiOxの酸化程度が連続的に低下(x<1)するようにするため、初期段階では酸素プラズマアシスト、酸素イオンアシストのエネルギーを高くしてNiOの酸化金属部を形成し、次の段階ではNiに近づけていくため酸素プラズマアシスト、酸素イオンアシストのエネルギーを順次低くしてNiOx(x<1)の酸化金属部を形成し、最終的にNiの非酸化部を形成するため、酸素プラズマアシスト、酸素イオンアシストのエネルギーを停止しながら成膜を継続し、必要とする膜厚の非酸化部を形成する。次に、酸素プラズマアシスト、酸素イオンアシストを再開して上記非酸化部上に酸化程度が連続的に増加(x<1)する酸化金属部NiOxを形成し、酸素プラズマアシスト、酸素イオンアシストのエネルギーを順次高くしていき最終的にNiOの酸化金属部を形成する。このNiOの酸化金属部上に再び酸化ケイ素(SiO)から成る酸化物誘電体膜2を成膜する。
尚、酸化の程度(酸化程度)を制御する方法としては、上述した酸素プラズマアシストあるいは酸素イオンアシストの他に酸素導入法を適用してもよい。そして、この酸素導入の場合も、初期段階は酸素導入量を多くして化学量論組成のNiOを形成する共に、次第に酸素導入量を減らしてNiOx(x<1)の酸化金属部を形成し、その後酸素導入を停止してNiの非酸化部を形成した後、再び酸素導入量を開始して徐々にその導入量を増やし最終的に化学量論組成のNiOになるようにすればよい。
ここで、本発明に係る吸収型多層膜NDフィルターの基板として、その材質は特に限定されないが透明であるものが好ましく、量産性を考慮した場合、後述する乾式のロールコーティングが可能となる可撓性を有する基板であることが好ましい。可撓性を有する基板は、従来のガラス基板等に比べて廉価・軽量・変形性に富むといった点においても優れている。特に、基板として、樹脂板若しくは樹脂フィルムが好ましい。
そして、上記基板の具体例として、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルスルフォン(PES)、ポリアリレート(PAR)、ポリカーボネート(PC)およびポリオレフィン(PO)の樹脂材料から選択される樹脂板若しくは樹脂フィルムの単体が挙げられ、更に、上記樹脂材料から選択される樹脂板若しくは樹脂フィルム単体とこの単体の片面または両面を覆うアクリル系有機膜との複合体が挙げられる。
また、上記基板にハードコート層をコーティングして基板強度を向上させることができる。例えばアクリル樹脂を用い、基板上に例えば5μmの厚さでコーティングして形成される。但し、ハードコート層を必ずしも設ける必要はない。
また、本発明に係る吸収型多層膜NDフィルターにおいては、上記基板と吸収型多層膜との間に、両者の密着性を向上させかつ吸収型多層膜に生じる応力を緩和させる作用を有する密着層を設けてもよい。この密着層は、Si、SiOx(但しx≦2)、SiNx(但しx≦1)、Ti、TiOx(但しx≦2)またはTiNx(但しx≦1)により構成されることが好ましい。また、密着層の厚みは1nm以上10nm以下の範囲内とすることが好ましい。1nm未満では、十分な密着性が得られず、両者の界面に膜はがれやクラックを生じる恐れがあるからである。他方、厚みが10nmを越えると透過率が減少し、可視光領域で平坦な光学的特性が得られなくなる恐れがあるためである。そして、上記密着性や光学的特性等を考慮した場合、密着層の厚みは2nm程度であることがより好ましい。尚、密着層は、例えば、DCスパッタリング法により形成することができる。
以下、本発明に係る吸収型多層膜NDフィルターの製造法の一例を具体的に説明する。
基板に50mm角に切断した厚さ100μmのPC(ポリカーボネート)フィルムを用い、酸化ケイ素(SiO)から成る酸化物誘電体膜とNiから成る金属膜を交互に積層した吸収型多層膜を得るには、例えば、成膜にアルバック製RFマグネトロンスパッタ装置を用い、ターゲットにはSiとNi金属を用いる。酸化ケイ素(SiO)から成る酸化物誘電体膜の成膜速度は0.2nm/秒程度、Niから成る金属膜の成膜速度は0.1nm/秒程度で行い、酸化ケイ素(SiO)から成る酸化物誘電体膜の成膜時のみ酸素を導入する。
また、Niから成る金属膜の上記酸化物誘電体膜との界面およびその近傍領域の酸化を行うため、上記金属膜のRFマグネトロンスパッタ成膜の際にDCイオンビーム法を併用する。例えば、イオン化ガスには酸素60%、アルゴン40%の混合ガスを用い、イオンビーム加速電圧200〜1000eV、イオンビーム電流10〜100mAの範囲の酸化条件で調整すれば、酸化金属部NiOx(x≦1)の酸化程度を制御できる。また、金属膜における非酸化部(Ni)の形成中はイオンビームの照射を停止しながら金属膜のRFマグネトロンスパッタ成膜を行う。
そして、酸化ケイ素(SiO)から成る酸化物誘電体膜との界面における化学量論組成を有するNiO酸化金属部と、このNiO酸化金属部からNiの非酸化部へその酸化の程度を次第に変化させるためのイオンビームの制御パターンと、Niの非酸化部からNiO酸化金属部へその酸化の程度を次第に変化させるためのイオンビームの制御パターンについて、図10と図11に示す。すなわち、NiO酸化金属部からNiの非酸化部へその酸化の程度を次第に変化させるためのイオンビームの制御については左から右へ向かう制御パターンが対応し、Niの非酸化部からNiO酸化金属部へその酸化の程度を次第に変化させるためのイオンビームの制御については右から左へ向かう制御パターンが対応する。
尚、図10と図11において実線の折れ線で示された制御パターンが「イオンビーム加速電圧」を示し、破線の折れ線で示された制御パターンが「イオンビーム電流」を示している。
そして、図10の左から右へ向かうイオンビームの制御パターンに従った条件で酸化金属部NiOx(x≦1)を成膜した場合、化学量論組成を有するNiO酸化金属部からNiの非酸化部へその酸化の程度が変化する膜厚は約1nmであり、また、図11の左から右へ向かうイオンビームの制御パターン従った条件で酸化金属部NiOx(x≦1)を成膜した場合、化学量論組成を有するNiO酸化金属部からNiの非酸化部へその酸化の程度が変化する膜厚は約5nmであった。
また、Niの非酸化部から化学量論組成を有するNiO酸化金属部へその酸化の程度を次第に変化させるためには、上述したように図10と図11において右から左へ向かうイオンビームの制御パターンに従った条件で成膜を行えばよい。尚、透過率を低減させるため上記吸収型多層膜を基板の両面に形成しても当然のことながらよい。
以下、本発明の実施例を具体的に説明する。
吸収型多層膜NDフィルターにおける酸化物誘電体膜にはSiO、金属膜にはNiを用いた。
そして、基板に50mm角に切断した厚さ100μmのPC(ポリカーボネート)フィルムを用い、SiOから成る酸化物誘電体膜とNiから成る金属膜を交互に積層して吸収型多層膜NDフィルターを得た。
尚、SiOから成る酸化物誘電体膜とNiから成る金属膜の成膜にはアルバック製RFマグネトロンスパッタ装置を用い、ターゲットにはSi[住友金属鉱山(株)社製:直径100mm、厚さ5mmのSi]とNi金属[住友金属鉱山(株)社製:直径100mm、厚さ5mmのNi]を用いた。また、SiOから成る酸化物誘電体膜の成膜速度は0.2nm/秒、Niから成る金属膜(すなわち、酸化金属部と非酸化部)の成膜速度は0.1nm/秒で行い、SiOから成る酸化物誘電体膜の成膜時のみ酸素を導入した。
一方、Niから成る金属膜の上記SiOから成る酸化物誘電体膜との界面およびその近傍領域に形成する酸化金属部NiOx(x≦1)の成膜には、DCイオンビーム法を併用した。その条件として、イオン化ガスには酸素60%、アルゴン40%の混合ガスを用い、イオンビーム加速電圧200〜1000eV、イオンビーム電流10〜100mAの酸化条件で調整して酸化金属部NiOx(x≦1)の酸化程度を制御し、金属膜におけるNiの非酸化部の形成中は、イオンビームの照射を停止しながらRFマグネトロンスパッタ成膜した。
そして、SiOから成る酸化物誘電体膜との界面における化学量論組成を有するNiO酸化金属部と、このNiO酸化金属部からNiの非酸化部へその酸化の程度を次第に変化させるためのイオンビームの制御パターンについて図10(図面左から右へ向かう制御パターン)に示す。この図10の左から右へ向かうイオンビームの制御パターンに従った条件で酸化金属部NiOx(x≦1)を成膜した場合、化学量論組成を有するNiO酸化金属部からNiの非酸化部へその酸化の程度が変化するNiOx(x≦1)の膜厚は約1nmであった。また、Niの非酸化部から化学量論組成を有するNiO酸化金属部へNiOx(x≦1)を次第に変化させるため、図10の右から左へ向かうイオンビームの制御パターンに従った条件で成膜を行った。
得られた実施例1に係る吸収型多層膜NDフィルターの膜構成を以下の表1に示し、また、この吸収型多層膜NDフィルターの分光透過特性を図5に、分光反射特性を図6にそれぞれ示す。
Figure 2006308810
図11に示すイオンビームの制御パターンに従った条件で酸化金属部NiOx(x≦1)を成膜している以外は実施例1と同様に行い、実施例2に係る吸収型多層膜NDフィルターを得た。
尚、化学量論組成を有するNiO酸化金属部からNiの非酸化部へその酸化の程度が変化するNiOx(x≦1)の膜厚は約5nmであった。
得られた実施例2に係る吸収型多層膜NDフィルターの膜構成を以下の表2に示し、また、この吸収型多層膜NDフィルターの分光透過特性を図7に、分光反射特性を図8にそれぞれ示す。
Figure 2006308810
[比較例1]
PC(ポリカーボネート)と、この片面に酸化物誘電体膜と金属膜の吸収型多層膜を形成した透過率36%程度の従来例(比較例1)に係る吸収型多層膜NDフィルターを設計した。
具体的には、酸化物誘電体膜と金属膜との組合せとしてSiOとNiとを組合せた吸収型多層膜NDフィルターを設計し、その膜構成を表3に示し、また、分光透過特性を図1に、分光反射特性を図2にそれぞれ示す。
Figure 2006308810
[比較例2]
PC(ポリカーボネート)と、この片面に酸化物誘電体膜と酸素欠損のある光吸収性を有する金属酸化物膜(吸収金属酸化物膜)の吸収型多層膜を形成した透過率36%程度の従来例(比較例2)に係る吸収型多層膜NDフィルターを設計した。
具体的には、酸化物誘電体膜と吸収金属酸化物膜との組合せとして、SiOと成膜中に十分酸素導入を行わずに酸素欠損のある消衰係数0.5程度のTa(X<5)とを組合せた吸収型多層膜NDフィルターを設計し、その膜構成を表4に示し、また、分光透過特性を図3に分光反射特性を図4にそれぞれ示す。
Figure 2006308810
[評 価]
(1)分光特性の評価について
実施例1と実施例2に吸収型多層膜NDフィルターの分光透過特性をそれぞれ図5、図7に示し、また、分光反射特性を図6、図8に示す。
そして、表3に示された膜構成を有する比較例1に係る吸収型多層膜NDフィルターの分光透過特性(図1のグラフ図参照)と分光反射特性(図2のグラフ図参照)との比較から確認されるように、化学量論組成を有するNiO酸化金属部からNiの非酸化部へその酸化の程度が変化するNiOx(x≦1)の膜厚が5nm程度までなら分光特性はほとんど変わらないことが理解される。
(2)付着力の評価について
柔らかいフィルムに成膜された吸収型多層膜NDフィルターの付着力を調べる方法として、従来から知られているテープテスト(MIL−M−13508−C)をモディファイしたテストを行った。
具体的には、各吸収型多層膜NDフィルターについて、基板であるフィルムを幅10mm、長さ100mmの短冊状に切断し、かつ、ゆるやかにU字型に折り曲げたまま、折り曲げ部を介し対峙する一対の両端面を直進ステージに固定された平行平板で挟み、直進ステージを移動させて一対の両端面の間隔を次第に狭くしていき、U字部分にひび割れが発生する間隔(ひび割れ発生最大曲率半径×2)を求めた。
そして、ひび割れが発生した部分にテープを貼り付け、このテープを引き剥がすテープテストを行った。ひび割れが発生して捲れ上がっている部分はすでにフィルムから浮き上がっているので付着力が強くとも膜は剥れてしまうが、付着力が強力であればひび割れとひび割れの浮き上がっていない間の膜はテープに張り付いて剥れることはない。
この結果を表5に示す。
Figure 2006308810
各実施例に係る吸収型多層膜NDフィルターのひび割れが発生し浮き上がってしまった部分はテープテストにより剥離してしまったが、ひび割れとひび割れの間の膜部分(すなわち、吸収型多層膜)はテープテストで剥れることは無かった。
このことから、金属膜における基板並びに酸化物誘電体膜との界面およびその近傍領域に形成された酸化金属部NiOx(x≦1)の作用によりその付着力が強力であることを示している。
一方、比較例1に係る吸収型多層膜NDフィルターのひび割れが発生し浮き上がってしまった部分はもちろんのこと、ひび割れとひび割れの間の膜部分もほとんどテープテストで剥れてしまった。100倍の顕微鏡で観察すると、膜が剥れているのは、基板と金属膜の間で剥れてしまった部分と金属膜と酸化物誘電体膜の間で剥れてしまっている部分があった。
このことから、従来例(比較例1)に係る吸収型多層膜NDフィルターと比較し、各実施例に係る吸収型多層膜NDフィルターは、基板と金属膜との間並びに金属膜と酸化物誘電体膜との付着力が著しく改善されていることが確認される。
本発明に係る吸収型多層膜NDフィルターは、酸化物誘電体膜と金属膜とを組み合わせた吸収型多層膜の長所と、酸化物誘電体膜と酸素欠損のある光吸収性を有する金属酸化物膜とを組み合わせた吸収型多層膜の長所とを併せ持った吸収型多層膜NDフィルターとすることができるので、組込みスペースが狭い小型で薄型のデジタルカメラに用いる吸収型多層膜NDフィルターとして好適に利用される可能性を有している。
比較例1に係る吸収型多層膜NDフィルターの裏面反射を考慮しない条件での分光透過特性を示すグラフ図。 比較例1に係る吸収型多層膜NDフィルターの裏面反射を考慮しない条件での分光反射特性を示すグラフ図。 比較例2に係る吸収型多層膜NDフィルターの裏面反射を考慮しない条件での分光透過特性を示すグラフ図。 比較例2に係る吸収型多層膜NDフィルターの裏面反射を考慮しない条件での分光反射特性を示すグラフ図。 実施例1に係る吸収型多層膜NDフィルターの裏面反射を考慮しない条件での分光透過特性を示すグラフ図。 実施例1に係る吸収型多層膜NDフィルターの裏面反射を考慮しない条件での分光反射特性を示すグラフ図。 実施例2に係る吸収型多層膜NDフィルターの裏面反射を考慮しない条件での分光透過特性を示すグラフ図。 実施例2に係る吸収型多層膜NDフィルターの裏面反射を考慮しない条件での分光反射特性を示すグラフ図。 本発明に係る吸収型多層膜NDフィルターの膜構成を示す説明図。 実施例1に係る吸収型多層膜NDフィルターの酸化金属部形成におけるイオンビームの制御パターンを示すグラフ図。 実施例2に係る吸収型多層膜NDフィルターの酸化金属部形成におけるイオンビームの制御パターンを示すグラフ図。
符号の説明
1 基板(フィルム)
2 酸化物誘電体膜
3 金属膜
4 酸化物誘電体膜
5 金属膜

Claims (7)

  1. 基板と、基板の片面若しくは両面に交互に積層された金属膜と酸化物誘電体膜で構成される吸収型多層膜とを有する吸収型多層膜NDフィルターにおいて、
    上記金属膜における酸化物誘電体膜との界面およびその近傍領域が酸化されて酸化金属部を構成し、酸化金属部の酸化程度が酸化物誘電体膜との界面から金属膜の非酸化部に向かって連続的に低下していることを特徴とする吸収型多層膜NDフィルター。
  2. 上記金属膜における基板との界面およびその近傍領域が酸化されて酸化金属部を構成し、酸化金属部の酸化程度が基板との界面から金属膜の非酸化部に向かって連続的に低下していることを特徴とする請求項1に記載の吸収型多層膜NDフィルター。
  3. 上記酸化物誘電体膜または基板との界面の金属膜における酸化金属部の組成が化学量論組成を有していることを特徴とする請求項1または2に記載の吸収型多層膜NDフィルター。
  4. 上記金属膜における酸化金属部の膜厚が、金属膜における非酸化部の膜厚より薄いか、あるいは、5nm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の吸収型多層膜NDフィルター。
  5. 上記金属膜がNiで構成され、酸化物誘電体膜がSiOで構成されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の吸収型多層膜NDフィルター。
  6. 真空成膜プロセスにより基板の片面若しくは両面に金属膜と酸化物誘電体膜とを交互に成膜して吸収型多層膜NDフィルターを製造する方法において、
    上記基板若しくは酸化物誘電体膜上に金属膜を成膜する際、成膜装置内に酸素プラズマ若しくは酸素イオンビームを発生させるか成膜装置内に酸素を導入しながら、基板若しくは酸化物誘電体膜上にその酸化程度が基板若しくは酸化物誘電体膜との界面から離れるに従い連続的に低下する金属膜の酸化金属部を形成する第一工程と、
    上記成膜装置内における酸素プラズマ若しくは酸素イオンビームの発生を停止するか成膜装置内への酸素の導入を停止した状態で、上記酸化金属部上に金属膜の非酸化部を形成する第二工程と、
    上記成膜装置内に酸素プラズマ若しくは酸素イオンビームを発生させるか成膜装置内に酸素を導入しながら、上記金属膜の非酸化部上にその酸化程度が非酸化部との界面から離れるに従い連続的に増大する酸化金属部を形成する第三工程、
    を具備することを特徴とする吸収型多層膜NDフィルターの製造方法。
  7. 上記第一工程において基板若しくは酸化物誘電体膜上に形成される酸化金属部の上記基板若しくは酸化物誘電体膜との界面における組成が化学量論組成を有すると共に、第三工程において金属膜の非酸化部上に形成される酸化金属部の最表面における組成が化学量論組成を有することを特徴とする請求項6に記載の吸収型多層膜NDフィルターの製造方法。
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