JP2020064260A - 光学フィルタ、及び光量調整装置、撮像装置 - Google Patents

光学フィルタ、及び光量調整装置、撮像装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2020064260A
JP2020064260A JP2018197778A JP2018197778A JP2020064260A JP 2020064260 A JP2020064260 A JP 2020064260A JP 2018197778 A JP2018197778 A JP 2018197778A JP 2018197778 A JP2018197778 A JP 2018197778A JP 2020064260 A JP2020064260 A JP 2020064260A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
film
thin film
film laminate
optical
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2018197778A
Other languages
English (en)
Inventor
安紘 佐藤
Yasuhiro Sato
安紘 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Electronics Inc
Original Assignee
Canon Electronics Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Electronics Inc filed Critical Canon Electronics Inc
Priority to JP2018197778A priority Critical patent/JP2020064260A/ja
Publication of JP2020064260A publication Critical patent/JP2020064260A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Diaphragms For Cameras (AREA)
  • Blocking Light For Cameras (AREA)
  • Optical Filters (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

【課題】反りやうねりを抑制しつつ、経時変化による密着性が良好な光学フィルタを提供する。【解決手段】本発明の光学フィルタは、基板上に応力方向の異なる光干渉薄膜積層体と光吸収薄膜積層体とを有し、光干渉薄膜積層体の端面を含む領域を光吸収薄膜積層体で覆う。もしくは光吸収薄膜積層体の端面を含む領域を光干渉薄膜積層体によって覆う。また、光学フィルタを撮像装置に用いてもよい。また、光学フィルタを光量調整装置に用いてもよい。【選択図】図1

Description

本発明は光学フィルタ及び光学フィルタを有する光量調整装置、撮像装置に関するものである。
ビデオカメラ或いはデジタルスチルカメラ等の撮像系には、CCDやCMOSセンサなどからなる撮像素子が搭載されている。これらの撮像素子は光に対して人の眼とは異なる感度を有しており、撮影状況に応じて最適な映像を取得できるように光学フィルタによって撮像素子に入射する光波長や光量を調整している。撮像系に搭載される光学フィルタとしては、赤外光カットフィルタや可視光カットフィルタなどの所望の光波長領域の透過を遮蔽するフィルタや、NDフィルタのように所望の光波長領域の透過率を減衰させるフィルタが挙げられる。これらの光学フィルタは、環境安定性を考慮し、一般的に無機薄膜の積層体を基板上に設けることで形成される。
近年は撮像系の小型・軽量化の需要が高まっており、単一の基板上に異なる光学機能を有する複数の積層体を形成した光学フィルタが開発されている。複数の光学機能を有する光学フィルタとすることで、光学フィルタの数や光学フィルタを駆動させる駆動系の数を減らすことができ、小型・軽量化に貢献している。
特開2012−37610号公報
特許文献1には光干渉薄膜積層体(赤外カット膜)と光吸収薄膜積層体(ND膜)とを積層した光学フィルタが開示されている。しかしながら、光干渉薄膜積層体や光吸収薄膜積層体は、所望の光学特性を得るには一定以上の積層数が必要であり、例えば赤外カット膜では、少なくとも20〜40層程度、ND膜では10層程度の積層数が必要となる。このため、複数の光学機能膜による膜応力は非常に大きなものとなり、光学フィルタの反りやうねりが大きくなる虞があった。
一方、積層される複数の光学機能膜の応力方向を反対にすると、フィルタ全体の反りを抑制することはできるが、光学機能膜間で剥離が起きやすくなり、大気中の水蒸気が光学機能膜間に侵入することで、顕著に密着力が低下するという問題があった。
本発明は、光干渉薄膜積層体と光吸収薄膜積層体を積層した光学フィルタにおいて、光学フィルタの反りを低減しつつ、光干渉薄膜積層体と光吸収薄膜積層体の密着性を長期にわたり良好なものとすることである。
上記課題を解決するために、本発明の光学フィルタは基板上に光吸収薄膜積層体と光干渉薄膜積層体とがこの順で形成されており、光干渉薄膜積層体と光吸収薄膜積層体の応力方向を反対方向とし、更に光干渉薄膜積層体と光吸収薄膜積層体との間に応力緩衝膜を配置している。ここで応力緩衝膜とは金属膜あるいは組成が連続的に変化する傾斜膜である。
また、上記課題を解決するために、本発明の光学フィルタは、光透過性の基板と、前記基板上に、吸収膜と前記光吸収膜とは異なる屈折率の無機膜を積層させた光吸収薄膜積層体と、前記光吸収薄膜積層体上に、屈折率の異なる複数の薄膜を積層させ、前記光吸収薄膜積層体の応力方向とは異なる方向に応力方向を有する光干渉薄膜積層体と、を備え、前記光干渉薄膜積層体によって、前記光吸収薄膜積層体の膜厚方向に交差する方向に面する前記光吸収薄膜積層体の端面が覆われていることを特徴とする。"
基板上に形成された光干渉薄膜積層体と光吸収薄膜積層体において、一方の積層体が他方の積層体の端面を含む領域を覆うように積膜することで、光干渉薄膜積層体と光吸収薄膜積層体との間に水蒸気が侵入するのを抑制することができ、密着強度を保つことができる。更に、包括する積層体は包括される積層体だけでなく基板との密着界面を有するため、密着強度が高くなる。
本発明に係わる光学フィルタの構成図 実施例1に係わる光学フィルタの構成図 本発明に係る赤外遮蔽膜の分光特性 本発明に係るND膜の分光特性 本発明に係る光学調整層を有する光学フィルタの構成図 光学調整層の有無による反射率比較 本発明に係わる赤外遮蔽膜を分割成膜した光学フィルタの構成図 分割成膜を行った赤外遮蔽膜の分光特性 本発明に係わる他の光干渉薄膜積層体の分光特性 実施例2に係わる光学フィルタの構成図 実施例3に係わる光学フィルタの構成図 本発明に係わる撮像光学系
図を基に本発明に係る光学フィルタについて詳細に説明する。
図1は本発明に係る光学フィルタの断面図を示したものである。本発明の光学フィルタは所望の光波長において透明な基板の少なくとも一方の面に、屈折率の異なる無機薄膜の積層体である光干渉薄膜積層体と光吸収膜と無機薄膜との積層体である光吸収薄膜積層体が形成されており、光干渉薄膜積層体は光吸収薄膜積層体によって、端面を含む領域が覆われている。また、光吸収薄膜構造体は光干渉薄膜積層体だけではなく、基板とも接着界面を有する。本発明に関わる光干渉薄膜積層体と光吸収薄膜積層体は異なる応力方向を有し、基板の一方の面に光干渉薄膜積層体と光吸収薄膜積層体を形成しても、光学フィルタの反りが大きくならないようになっている。具体的には光干渉薄膜積層体は圧縮応力、光吸収薄膜積層体は引張応力となっている。言い換えれば、透過性の基板上に、屈折率の異なる複数の薄膜を積層させた光干渉薄膜積層体と、光干渉薄膜積層体上に、光吸収膜と光吸収膜とは異なる屈折率の無機膜を積層させ、光干渉薄膜積層体の応力方向とは異なる方向に応力方向を有する光吸収薄膜積層体と、を備え、光吸収薄膜積層体によって、光干渉薄膜積層体の膜厚方向に交差する方向に面する光干渉薄膜積層体の端面が覆われていることを特徴としてもよい。または、光透過性の基板上に、光吸収膜と光吸収膜とは異なる屈折率の無機膜を積層させた光吸収薄膜積層体と、光吸収薄膜積層体上に、屈折率の異なる複数の薄膜を積層させ、光吸収薄膜積層体の応力方向とは異なる方向に応力方向を有する光干渉薄膜積層体と、を備え、光干渉薄膜積層体によって、光吸収薄膜積層体の膜厚方向に交差する方向に面する光吸収薄膜積層体の端面が覆われていることを特徴としてもよい。
図1では光薄膜吸収積層体により光干渉薄膜積層体を覆った構成となっているが、光干渉薄膜積層体によって光吸収薄膜積層体を覆う構成とすることもできる。
(基板)
本発明に使用する基板としては、所望の光波長領域において透明な基板であれば、任意の基板を使用することが可能である。例えばガラスや水晶などの無機材料からなる基板や、ポリエステル系、ノルボルネン系、ポリエーテル系、アクリル系、スチレン系、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PES(ポリエーテルスルホン)系、ポリスルホン系、PEN(ポリエチレンナフタレート)系、PC(ポリカーボネート)系、及びポリイミド系などの様々な合成樹脂基板を使用することができる。合成樹脂基板は、ガラスなどの無機基板に比べ、柔軟で軽く、加工性が良いが、膜応力や熱応力による変形や、水分による特性変化を起こしやすい。このため、合成樹脂基板を用いる場合は、高耐熱性(高ガラス転移温度Tg)、高曲げ弾性率、低吸水性の材料を用いることが望ましい。例えば、高耐熱性基板としてポリイミド系やPES系、曲げ弾性率が大きい基板としてはPET、低吸水性基材としてはノルボルネン系などが挙げられる。また、必要に応じて、例えばシルセスキオキサン骨格を有する有機‐無機ハイブリッド材料からなる基板などを用いてもよい。尚、本発明における所望の光波長領域において透明な基板とは、少なくとも光干渉薄膜積層体によって形成される透過帯域において透明であることを指す。例えば、光干渉薄膜積層体が紫外線や赤外線を遮蔽し、可視光を透過する機能を有する場合、基材は紫外線領域や赤外線領域のいずれか、もしくは両方に吸収を有するものでもよい。紫外線領域に吸収を有する基材としては、紫外線領域に光吸収特性を有する酸化亜鉛や酸化チタンなどの無機成分や既知の有機染料・顔料をガラスや樹脂に練り込んだ基材を用いることができる。赤外線領域に吸収を有する基板としては赤外線領域に光吸収特性を有する銅や鉄などの遷移金属イオンや、有機色素などを樹脂やガラスに練り込んだ基板を用いることができる。また、光干渉薄膜積層体が可視光線を遮蔽し、赤外線透過機能を有するものであれば、可視光領域に吸収を有する既知の染料や顔料を基材に練り込んだものを使用することもできる。
基板の厚みとしては、小型・軽量化を考慮すると、剛性を保てる範囲で、できるだけ薄い方が好ましく、具体的には20μm〜1mm、25μm〜400μm程度が好適である。尚、光干渉薄膜積層体によって形成される透過帯域以外に光吸収を有する基板を用いる場合は、基板の光吸収特性も考慮し、基材厚みを決定する。
(光干渉薄膜積層体)
本発明の実施例では、光干渉薄膜積層体は屈折率の異なる2つ以上の無機薄膜を複数層積層することで得る。光干渉薄膜積層体は蒸着やスパッタリングなどによって形成され、屈折率の異なる複数の無機薄膜によって光干渉を起こし、これを利用して任意の光学特性を得る。無機薄膜としては、MgF2、SiO2、SiO、Si3H4、Al2O3、MgO、LaTiO3、ZrO2、TiO2、Nb2O5、Ta2O5などを用いることができる。
光干渉薄膜積層体は例えば、所望の光波長領域に透過帯域を有し、紫外線領域、可視光線領域、赤外線領域の少なくとも1つの領域を遮蔽する遮蔽膜あるいは、反射防止膜である。
ここで、遮蔽膜について説明する。遮蔽膜によって遮蔽する光波長領域における中心波長をλとすると、遮蔽膜は、光学膜厚がλ/4程度、具体的には0.7〜1.3λ/4程度の屈折率の異なる無機薄膜が複数積層された構造を基本構成としている。但し、透過帯域のリップルを低減するためにλ/4から大きく離れた層を有していても良い。ここで光学膜厚とは、薄膜の屈折率をn、物理膜厚dとしたとき、n×dで表される。赤外線遮蔽膜のように、遮蔽する波長領域が広い場合や、複数の遮蔽領域が必要な場合は、遮蔽領域の波長を分割し、複数の遮蔽スタックを組み合わせてもよい。この時、例えば、基板の一方の面に第一遮蔽膜、もう一方の面に第二遮蔽膜を配置するように、基板の背反する面に遮蔽領域の異なる遮蔽膜を配置することで、合成樹脂基板や極薄のガラス基板等を用いても、膜応力による反りの小さい光学フィルタとすることができる。また遮蔽膜は比較的膜厚が厚く、積層数が多いため、蒸着源の輻射熱により成膜温度が高くなりやすい。このため、基板として合成樹脂基板を用いる場合は、成膜時に発生する熱による基板の変形を抑制するために、冷却機構を有する成膜装置を用いることが有効である。尚、遮蔽膜においては無機薄膜の屈折率差が大きい方が、所望の分光特性を得るのに必要な積層数が少なくなるため、極力屈折率差の大きい組み合わせとするのが好ましい。
反射防止膜は、一般に可視光線における反射率を低減するものであるが、近年は可視光線〜赤外線領域の全域において低反射率である広帯域反射防止膜の需要も高くなってきている。反射防止膜の最表層は低屈折率材料であることが好ましく、光学膜厚は中心波長をλとした時、λ/4程度であることが好ましい。
本発明において、光干渉薄膜積層体を形成する無機薄膜は圧縮応力であることが好ましい。一般的にイオンプレーティング法や、イオンアシスト法などでより緻密な膜となるようにアシストを加えて成膜することで多くの膜材料が圧縮応力を持つ。アシストを加えて成膜することで、成膜時の再現性が向上し、更に成膜後の環境安定性も向上させることができる。尚、スパッタリング法では真空蒸着法よりも成膜エネルギーが大きく、積極的にアシストを加えなくても成膜時の再現性や環境安定性の良好な光干渉薄膜積層体を得られることがある。しかるべく条件で成膜した際に圧縮応力である無機薄膜としては例えば、SiO2、Al2O3、TiO2、Nb2O5、Ta2O5などが挙げられるが、これらに限らず、既知の圧縮応力を持ちうる材料を用いることができる。
(光吸収薄膜積層体)
本発明の光吸収薄膜積層体は所望の光波長領域に光吸収特性を有する光吸収膜と無機薄膜とを複数積層することで得られる。光吸収薄膜積層体は蒸着やスパッタリング法などによって形成され、光吸収膜の光吸収特性や光吸収膜と無機薄膜との光干渉作用を利用して、所望の光波長領域における透過率が略同等となるように形成される。光吸収膜としては減衰したい波長領域に合わせてTi、Ni、Cr、Fe、Nb、Ta、等の金属や合金、酸化物、窒化物などを用いることができる。また、無機薄膜としては、MgF2、SiO2、SiO、Si3H4、Al2O3、MgO、LaTiO3、ZrO2、TiO2、Nb2O5、Ta2O5などを、光吸収膜の物性や必要とする分光特性に合わせて適宜選択することができる。なお、光吸収膜は金属の酸化物あるいは窒化物であることが好ましい。金属の酸化物や窒化物は金属膜と比較し消衰係数が小さく、比較的厚い膜厚を成膜することができるため、膜設計の自由度が増し、より分光特性の良好な光吸収薄膜積層体とすることができるためである。
光吸収薄膜積層体は例えば、所望の光波長領域において略均一な分光透過率特性を有するND膜である。所望の光波長領域において略均一な分光透過率を有することで、カラーバランスを良好に保ちつつ、光量を均一に減衰することができる。必要とされる光減衰量に合わせて光吸収膜の厚みや、光吸収膜と無機薄膜との干渉条件を調整することで、所望の透過率を得ることができる。一般的にND膜は可視光波長領域において所望の光減衰機能を有するものであるが、近年は赤外光を照射しながら撮影する撮像装置や赤外光における反射スペクトルと可視光における反射スペクトルの相関関係から赤外光で撮影した画像に疑似カラーを付与する撮像装置が開発されてきており、赤外線領域においても透過率を略均一に減衰させるND膜の需要も高くなってきている。本実施例でいうND膜とは可視光波長領域、あるいは赤外線領域の少なくとも一方の領域において透過率が略均一となっている光吸収薄膜積層体を指す。
光吸収薄膜積層体の成膜は真空蒸着法やスパッタリング法を用いることができるが、アシストは加えないことが好ましい。アシストを加える際に導入するガスの影響で光吸収膜の吸収特性が変化しやすく、光量の調整が難しくなるためである。アシストを加えないで成膜した場合、多くの蒸着材料で引張応力となる。例えば、しかるべき条件で成膜したときに引張応力を有する蒸着膜としては、MgF2、Al2O3、TiO2、Nb2O5、Ta2O5、TiOx(0<x<2)、NbOx(0<x<2.5)、TaOx(0<x<2.5)、TiNx(0<x<1)、Ti、Ni、Cr、Fe、Nb、Ta、等の金属や合金などが挙げられるが、これらに限らず、既知の引張応力を持ちうる蒸着材料を用いることができる。
(実施例1)
図2は本実施例に係る光学フィルタの構成図である。本実施例の光学フィルタは、赤外線吸収機能を有する赤外線吸収ガラス基板上に、赤外線遮蔽機能を有する光干渉薄膜積層体である赤外遮蔽膜と可視光波長領域において略均一な透過率を有する光吸収薄膜積層体(以下可視ND膜)とがこの順で形成されている。赤外遮蔽膜は可視ND膜によって端面を含めて覆われた構成となっており、可視ND膜は基板と赤外遮蔽膜の両方に密着界面を有する。可視ND膜と基板の密着性は、応力方向が反対であることに起因する密着阻害がないため、可視ND膜と赤外遮蔽膜との密着性と比較し良好である。このため、可視ND膜と基板との密着界面を設けることで、光学フィルタとしての密着性を向上させることができる。
可視ND膜が赤外遮蔽膜の端面を覆う厚みdは赤外遮蔽膜の基板と接している面を形成する辺の長さをDとした時、0.1D≦d≦Dを満たすことが好ましい。可視ND膜が赤外遮蔽膜の端面を覆う厚みdが0.1Dよりも薄いと水蒸気バリア機能や密着性向上効果が不十分となる。一方、Dよりも厚いと、光学フィルタ全体の大きさが大きくなり、小型軽量化を満たすことができなくなる。
本実施例に関わる光学フィルタの作製方法について、詳しく説明する。
まず、赤外線吸収ガラス基板に赤外遮蔽膜を成膜する。赤外線吸収ガラス上に、特定の領域にのみ蒸着膜が付着するように開口を設けた蒸着マスクを設け、これを蒸着ドームにセットする。蒸着機内に蒸着ドームをセットしたら、排気を行い、一定圧力以下となったら成膜を始める。本実施例の赤外遮蔽膜は低屈折率材料であるSiO2と高屈折率材料であるTiO2の交互積層膜であり、図3に示すような分光特性を有している。本実施例でSiO2とTiO2の組み合わせを選択したが、低屈折率材料としてMgF2、高屈折率材料としてSi3H4、LaTiO3、ZrO2、TiO2、Nb2O5、Ta2O5などを任意に選択可能であり、また、必要に応じてAl2O3、MgOなどの中間屈折率材料を挿入してもよい。
本実施例のように、赤外線吸収ガラス基板を用いる場合は、赤外遮蔽膜の透過領域から遮蔽領域へと遷移する透過不透過遷移波長領域内に存在する透過率が略50%となる波長(以下IR半値波長)が、赤外線吸収ガラス基板の有するIR半値波長よりも長波長側にあることが好ましい。より好ましくは、赤外線吸収ガラス基板の半値波長において、赤外遮蔽膜は高透過率であることが好ましい。一般に赤外遮蔽膜のIR半値波長に比べ、赤外線吸収ガラス基板のIR半値波長の方が、製造バラツキが小さいため、赤外線吸収ガラス基板によって光学フィルタのIR半値波長を決定することでより安定した特性の光学フィルタを提供可能となる。
次に可視ND膜を形成する。赤外遮蔽膜の成膜が終了したら、蒸着ドームを蒸着機から取り出し、蒸着マスクを外す。そして、赤外遮蔽膜を成膜する際に使用した蒸着マスクよりも開口の大きいマスクを被せて、再度蒸着機に投入し、所定の圧力以下となったら成膜を開始する。本実施例の可視ND膜は、光吸収膜であるTiOx(0<X<2)と無機薄膜であるAl2O3を複数層積層させ、図4に示すように可視光波長において光学濃度(OD)が0.6となるように成膜し、更に、最表層に反射防止膜であるMgF2膜を設けている。反射防止膜であるMgF2はλ=550nmとして、光学膜厚がλ/4程度となっている。本実施例の光学フィルタは、透過波長帯域である可視光波長において、低反射率であることが好ましい。赤外遮蔽膜上に応力緩衝膜や可視ND膜を成膜すると、赤外遮蔽膜と可視ND膜との間で光干渉作用により、透過波長帯域において反射が高くなることがある。この場合、図5に示すように、赤外遮蔽膜と可視ND膜との間に光学調整層を挿入することで透過波長帯域における反射を抑制することができる。光学調整層は透過波長帯域における反射を抑制するように任意の層数・膜厚を選択可能であるが、本実施例では赤外遮蔽膜の最表層であるSiO2上にSiO2とTiO2を形成した。この時、光学調整層のSiO2と赤外遮蔽膜の最表層であるSiO2と合わせて、λ/4程度の光学膜厚となるように成膜することが好ましい。ここで、λは赤外遮蔽膜の遮蔽領域の中心波長である。光学調整層のTiO2はリップルを抑制するための層であり、その膜厚は60〜300Å程度である。図6は光学調整層の有無により、透過波長領域における反射率を比較したグラフである。図6より、光学調整層を挿入することで、赤外遮蔽膜とND膜との光干渉条件を調整し、従来よりも透過波長領域における反射率を抑制することができることが分かる。光学調整層としては、SiO2やTiO2以外にもMgF2、SiO2、SiO、Si3H4、Al2O3、MgO、LaTiO3、ZrO2、TiO2、Nb2O5、Ta2O5などを任意に選択可能である。
赤外遮蔽膜は図7に示すように赤外線の遮蔽領域を2つ以上に分割し、形成してもよい。例えば、図8に示すように光波長700〜900nmの第一遮蔽領域を遮蔽する第一赤外遮蔽膜、光波長900〜1200nmの第二遮蔽領域を遮蔽する第二赤外遮蔽膜とし、基板の背反する面に配置することもできる。このように配置することで、赤外遮蔽膜の応力による光学フィルタの反りを抑制することができる。尚、第一赤外遮蔽膜と第二赤外遮蔽膜の物理膜厚は略同等とすることが好ましい。また、第一赤外遮蔽膜の遮蔽領域と第二赤外遮蔽膜の遮蔽領域が一部重なるようにすることが好ましい。このようにすることで、成膜時の制御バラつきによって多少分光特性がばらついても、赤外領域において十分に赤外線を遮蔽できるためである。更に、必要に応じて紫外線遮蔽膜を形成することもできる。尚、可視ND膜は基板の両面に配置されていてもよいし、一方の面のみに配置されていてもよい。
可視ND膜は、面方向に連続的に光学濃度が変化する領域を有していてもよい。面方向に連続的に光学濃度の異なる領域を形成する方法としては、例えば、光吸収膜を成膜時に導入するガス量を調整し、酸化数または窒化数を面内方向で連続的に変化させる方法や、少なくとも光吸収膜の物理膜厚が面内方向で連続的に変化するように形成する方法がある。この際、光学フィルタの一部に可視ND膜が形成されていない領域、すなわち基板上に赤外線遮蔽膜のみが形成されている領域を設けてもよい。
本実施例において、赤外遮蔽膜はイオンプレーティング法、可視ND膜に関しては真空蒸着法により成膜したが、これに限らず、求められる特性や用途に合わせてイオンアシスト法やスパッタリング法などを任意に選択することができる。
また、本実施例では光干渉薄膜積層体として赤外遮蔽膜、光吸収薄膜積層体として可視ND膜としているが、これらに限らず光干渉薄膜積層体としては図9に示すような分光特性を有する紫外線遮蔽膜や可視光線遮蔽膜、反射防止膜あるいは広帯域反射防止膜としてもよく、光吸収薄膜積層体としては赤外領域において略均一な透過率を有する赤外ND膜や可視光領域と赤外線領域の両方で略均一な透過率を有する可視赤外ND膜でもよい。
光干渉薄膜積層体として、紫外線遮蔽膜を設ける場合は、光吸収薄膜積層体は可視ND膜、赤外ND膜、可視赤外ND膜のいずれかを設けることが好ましく、光干渉薄膜積層体として可視光線遮蔽膜を設ける場合は、赤外ND膜を設けることが好ましい。光干渉薄膜積層体として反射防止膜を設ける場合は、反射防止の対象波長を考慮し、光吸収薄膜積層体は可視ND膜、赤外ND膜、可視赤外ND膜のいずれかを選択することができる。
尚、光干渉薄膜積層体として紫外線遮蔽膜を形成する場合は、基板として紫外線領域に吸収を有する材料を使用してもよい。また、光吸収薄膜積層体として可視光線遮蔽膜を形成する場合、可視光波長領域において光吸収特性を有する基板を用いることができる。このように光干渉薄膜積層体の遮蔽領域に光吸収特性を有する基板を用いることで、光薄膜干渉積層体の積層数を減らすことができ、光学フィルタの反りや製造コストを低減することができる。
本実施例では、赤外遮蔽膜を可視ND膜で覆う構成としているが、このような構成とすることで、光干渉薄膜積層体と光吸収薄膜積層体との界面に水分が侵入するのを防ぐだけではなく、光学フィルタの帯電を防止し、異物の付着を低減することができる。可視ND膜に使用される光吸収膜は金属・合金あるいはそれらの酸化物または窒化物であり、可視ND膜上に反射防止膜を設けていても、表面抵抗率は10×1010Ω/□程度以下であり、十分に帯電防止機能を有しているためである。一般的に表面抵抗が1010Ω/□台以下であれば、帯電防止効果を有する。なお、十分な帯電防止効果を得るには可視ND膜の光学濃度0.2以上とすることが好ましい。0.2よりも濃度が薄いと光吸収層の膜厚が薄くなり、十分な帯電防止機能を得ることができなくなってしまう。帯電防止機能については、可視ND膜ではなくとも、光吸収膜を金属・合金あるいはそれらの酸化物または窒化物としたND膜であれば、十分な帯電防止機能を得られる。
本実施例のように赤外遮蔽膜上に可視ND膜を形成する場合は、光学フィルタを作製後に、エージング処理等により光学特性を安定化させることが好ましい。可視ND膜は、大気中の水蒸気などに触れることで、光吸収膜の酸化が進み消衰係数が小さくなる。このため、光学フィルタの透過率が高くなってしまう。この変化は、不可逆的な変化であり、また、光吸収膜が水蒸気と反応し、一定量の酸化被膜を形成すると、それ以上ほとんど酸化は進行せずに比較的安定する。つまり、光学フィルタ成膜後に大気条件などの水蒸気が存在する状態で加熱などのエージング処理を行うことで、可視ND膜が表層に形成された構成の光学フィルタであっても、光学特性の安定したものとすることが可能である。なお、エージング処理を行う場合は、エージング処理により透過率が高くなることを考慮し、成膜時はあらかじめ所望の透過率よりも低くなるように成膜すると良い。
なお、本実施例では、開口径の異なるマスクを用いて、光吸収薄膜積層体で光干渉薄膜積層体を覆う構成としているが、この方法に限らず、フォトレジストを用いても作製することができる。具体的には、光干渉薄膜積層体を形成しない領域に予めフォトレジストを形成しておき、光干渉薄膜積層体成膜後にアセトンなどの溶剤でフォトレジストを取り除き、その後光吸収薄膜積層体を成膜することで作製できる。
(実施例2)
図10に本実施例に係る光学フィルタの構成図を示す。本実施例の光学フィルタは、ガラス基板上に、可視光波長領域において略均一な透過率を有する可視ND膜と赤外線遮蔽機能を有する赤外遮蔽膜とがこの順で形成されており、可視ND膜は赤外遮蔽膜によって端面を含め包括されている。赤外遮蔽膜は可視ND膜と基板の両方に接着界面を有する。
本実施例に関わる光学フィルタの作製方法について説明する。
まず、ガラス基板上に可視ND膜を成膜する。ガラス基板上に、特定の領域にのみ蒸着膜が付着するように開口を設けた蒸着マスクを設け、これを蒸着ドームにセットする。蒸着機内に蒸着ドームをセットしたら、排気を行い、一定圧力以下となったら無機薄膜と光吸収膜の成膜を始める。所望の透過率となったら成膜を止め、大気解放する。可視ND膜の最表層には反射防止膜を設けてもよいし、設けなくてもよい。可視ND膜の成膜が終了したら、蒸着ドームを蒸着機から取り出し、蒸着マスクを外す。そして、可視ND膜を成膜する際に使用した蒸着マスクよりも開口の大きいマスクを被せて、再度蒸着機に投入し、所定の圧力以下となったら成膜を開始する。このように成膜することで、可視ND膜が端面を含め、赤外遮蔽膜に覆われた構成となり、可視ND膜と赤外遮蔽膜との界面は大気からの水蒸気が侵入しにくい構成とすることができる。更に、赤外遮蔽膜は応力方向に起因する密着性阻害要素のない基板との密着界面も有することとなり、光学フィルタとしての密着性を向上させることができる。なお、実施例1で示したように、フォトレジストを用いて赤外遮蔽膜で可視ND膜を覆うように形成してもよい。また、可視ND膜の端面を覆う赤外遮蔽膜の厚みdは、実施例1と同じく可視ND膜の基板と接している面を形成する辺の長さをDとした時、0.1D≦d≦Dを満たすことが好ましい。
本実施例の光学フィルタは可視ND膜が赤外遮蔽膜によって端面を含め全体的に覆われている。このため、可視ND膜の光吸収層は、大気と直接的に接することがないため、経時変化による光吸収層の酸化が起きにくく、長期にわたり安定した光学フィルタとすることができる。
可視ND膜は実施例1と同様に、面内方向で光学濃度が連続的に変化する領域を有していてもよく、また、赤外線遮蔽膜と可視ND膜との間に光学調整層を形成してもよい。
また、本実施例では光干渉薄膜積層体として赤外遮蔽膜、光吸収薄膜積層体として可視ND膜としているが、実施例1同様、これらに限らず光干渉薄膜積層体としては紫外遮蔽膜や可視光線遮蔽膜、反射防止膜としてもよく、光吸収薄膜積層体としては赤外ND膜や可視赤外ND膜でもよい。用途に応じて、光干渉薄膜積層体と光吸収薄膜積層体の組み合わせを適宜選択すればよい。
本実施例において、赤外遮蔽膜はイオンプレーティング法、可視ND膜に関しては真空蒸着法により成膜したが、これに限らず、求められる特性や用途に合わせてイオンアシスト法やスパッタリング法などを任意に選択することができる。
本実施例では、可視ND膜の端面を含む領域を赤外遮蔽膜で覆う構成としているが、このような構成とすることで、光吸収薄膜積層体と光干渉薄膜積層体との界面に水分が侵入するのを防ぐだけではなく、光学特性のより安定した光学フィルタとすることができる。可視ND膜は、先述のように成膜時の光量制御を考慮すると、アシストを加えずに成膜することが好ましいが、この場合、膜密度が低下し、大気の水分を吸着しやすくなり、光吸収膜の酸化が進行しやすい。光吸収膜の酸化が進行すると、光吸収膜の消衰係数が小さくなり、光学フィルタの透過率が高くなってしまう。一方、赤外遮蔽膜は一般に誘電体膜からなり、構成する各膜の酸化あるいは窒化、弗化が十分に進んでいるため、大気中の水蒸気の影響を受けても大きな特性変化は起きにくい。更に赤外遮蔽膜は先述のようにアシストを加えて成膜することが好ましく、この場合、膜密度が高くなり水分を吸着しにくくなる。本実施例の光学フィルタは、比較的光学特性の変化しやすい可視ND膜の端面を含む領域を、光学特性の変化しにくい赤外遮蔽膜で覆っているため、長期にわたり光学特性の安定した光学フィルタとすることができる。
(実施例3)
図11に本実施例における光学フィルタの構成図を示す。本実施例の光学フィルタはガラス基板上に設けられた赤外遮蔽膜の端面を含む領域を応力緩衝膜と可視ND膜で覆った構成となっている。応力緩衝膜は赤外遮蔽膜と可視ND膜との間に設けられる。
本実施例の光学フィルタの作製方法について説明する。まず、ガラス基板上に赤外遮蔽膜を所望の開口を有する成膜マスクを用いて形成する。赤外遮蔽膜の成膜が完了したら、赤外遮蔽膜を形成した成膜マスクよりも開口の大きいマスクを用いて応力緩衝膜と可視ND膜を形成する。ここで、赤外遮蔽膜と可視ND膜は実施例1と同様である。本実施例では赤外遮蔽膜を可視ND膜で覆う構成としているが、反対に可視ND膜を赤外遮蔽膜で覆う構成としてもよい。なお、実施例1と同様、フォトレジストを利用した成膜によっても同様の構成を形成することが可能である。また、可視ND膜と応力緩衝膜が赤外遮蔽膜の端面を覆う厚みdは赤外遮蔽膜の基板と接している面を形成する辺の長さをDとした時、0.1D≦d≦Dを満たすことが好ましい。
応力緩衝膜について説明する。本実施例における応力緩衝膜とは赤外遮蔽膜と可視ND膜との応力方向が異なることに起因する密着低下の弊害を抑制するために設ける膜である。応力緩衝膜とは例えば、金属膜あるいは組成が連続的に変化する傾斜膜である。本実施例では応力緩衝機能を有する金属膜としてTi膜を形成しているが、これに限らず、Al、Ag、Ni、Cr、Ta、Nb、Feなど様々な金属あるいはその合金を用いることができる。金属膜は、共有結合やイオン結合からなる膜に比べ、延性が高く、比較的自由に変形可能である。このため、応力方向の異なる光干渉薄膜積層体と光吸収薄膜積層体との間に、金属膜を配置することで、光干渉薄膜積層体と光吸収薄膜積層体の応力エネルギーが金属膜の変形に使用され、光干渉薄膜積層体と光吸収薄膜積層体との間で剥離が発生するのを抑制することができる。金属膜の膜厚としては60Å以上の膜厚とすることが好ましい。60Åよりも薄いと、金属膜は完全な層を形成せず、応力緩衝機能が極端に低減するためである。更に金属膜は、プラズマ振動数が赤外遮蔽膜の透過帯域や可視ND膜のND領域の光の振動数よりも大きいことが好ましい。ここで、プラズマ振動数とは、金属の自由電子がプラズマ振動をする限界の振動数を指す。プラズマ振動数が光の振動数よりも大きい時、光が金属内へ侵入するのを防ぎ、反射させる。反対に、光の振動数がプラズマ振動数よりも大きいと、光は金属内に侵入し、金属によって吸収される。このため、金属膜のプラズマ振動数が対象とする光波長領域の光の振動数よりも大きい材料を選択することで、赤外遮蔽膜の透過帯域や可視ND膜のND領域における分光特性が金属膜の吸収特性による悪影響を極力受けにくく、所望の領域においてより平坦な分光特性を有する光学フィルタとすることができる。
本実施例では応力緩衝膜として金属膜であるTiを用いているが、組成が連続的に変化する傾斜膜を用いても、赤外遮蔽膜と可視ND膜の応力方向の異なることによる密着力低下を抑制することができる。傾斜膜は例えば、膜厚方向で連続的に膜密度が変化する膜密度傾斜膜、膜厚方向で酸素比が連続的に変化する化学組成傾斜膜、複数の蒸着材料の混合割合が連続的に変化する混合率傾斜膜を用いることができる。これらの傾斜膜は応力の膜厚方向で応力の大きさや方向が連続的に変化するため、赤外遮蔽膜と可視ND膜との間に配置することで、応力方向の異なる赤外遮蔽膜と可視ND膜との間で急激な応力またはその方向が変化するのを抑制し、密着性向上に貢献する。なお、膜密度傾斜膜や化学組成傾斜膜はアシストや成膜に導入するガス量を調整することで、混合率傾斜膜は共蒸着時の成膜レートを調整することで作製可能である。膜密度傾斜膜は例えば、TiO2において、成膜初期はアシストを加えて成膜し、徐々に加えるアシストを弱くしていくことで膜密度を連続的に低下させ応力の大きさや方向を変化させることができる。また、化学組成傾斜膜は例えば、TiOy成膜時に導入する反応ガスであるO2の導入量を調整しTiOy(0≦y≦2)のyの値を徐々に小さくしていくことで応力の大きさを連続的に変化させることができる。更に、混合率傾斜膜は例えば、SiO2とAl2O3の混合膜を共蒸着する際に、どちらか一方あるいは両方の成膜レートを調整して、徐々にSiO2とAl2O3の混合比率を変化させることで、応力方向や応力値を連続的に変化させることができる。混合膜傾斜膜を構成する材料は互いに応力方向の異なる材料であることが好ましい。なお、これらの傾斜膜は、光干渉薄膜積層体である赤外遮蔽膜に近い方から光吸収薄膜積層体であるND膜方向へ、徐々に圧縮応力が小さくなるもしくは圧縮応力から引張応力へ徐々に応力方向が変化するように構成されることが好ましい。膜密度傾斜膜、化学組成傾斜膜、混合率傾斜膜は先に挙げた例に限らず、それぞれMgF2、SiO2、SiO、Si3H4、Al2O3、MgO、LaTiO3、ZrO2、TiO2、Nb2O5、Ta2O5、Ti、Ni、Cr、Fe、Nb、Ta等の金属や合金、低級酸化物や低級窒化物など様々な材料を適宜用いることができる。
尚、本実施例では、応力緩衝膜は可視ND成膜時に使用する成膜マスクを用いて成膜しているが、赤外遮蔽膜を成膜する際に用いた成膜マスクを用いて成膜してもよい。また、本実施例では、赤外遮蔽膜が応力緩衝膜と可視ND膜とで覆われる構成となっているが、応力緩衝膜が赤外遮蔽膜の端面を覆わない構成としてもよい。
可視ND膜は実施例1と同様に、面内方向で光学濃度が連続的に変化する領域を有していてもよく、また、赤外線遮蔽膜と可視ND膜との間に光学調整層を形成してもよい。
本実施例では光干渉薄膜積層体として赤外遮蔽膜、光吸収薄膜積層体として可視ND膜としているが、実施例1同様、これらに限らず光干渉薄膜積層体としては紫外遮蔽膜や可視光線遮蔽膜、反射防止膜としてもよく、光吸収薄膜積層体としては赤外ND膜や可視赤外ND膜でもよい。用途に応じて、光干渉薄膜積層体と光吸収薄膜積層体の組み合わせを適宜選択すればよい。
本実施例において、赤外遮蔽膜はイオンプレーティング法、可視ND膜と応力緩衝膜に関しては真空蒸着法により成膜したが、これに限らず、求められる特性や用途に合わせてイオンアシスト法やスパッタリング法などを任意に選択することができる。
(比較例1〜3)
実施例1の光学フィルタにおいて、赤外遮蔽膜の膜厚方向に対し垂直をなす面上のみに可視ND膜を形成した光学フィルタを比較例1、実施例2の光学フィルタにおいて、可視ND膜の膜厚方向に対し垂直をなす面上のみに赤外遮蔽膜を形成した光学フィルタを比較例2、実施例3の光学フィルタにおいて、赤外遮蔽膜の膜厚方向に対し垂直をなす面上のみに可視ND膜を形成した光学フィルタを比較例3とした。
実施例1〜3と比較例1〜3において、恒温恒湿試験(60℃90%1000hr)前後の密着性についてクロスカット試験により評価を行った。その結果を表1に示す。クロスカット試験により100マス中剥離発生が0マスのものを○、カットの交差点において部分的に剥がれが発生もしくは剥離が1〜5マスのものを●、カットの線に沿って部分的に剥離が発生もしくは剥離が6〜11マス以下のものを△、剥離が11マス以上のものを×としている。なお、光学フィルタの用途としては○もしくは●の評価であれば密着性は許容できるレベルと判断できる。
表1より実施例1〜3の光学フィルタは恒温高湿試験の前後において、密着強度は許容できるレベルであり、恒温高湿試験により密着強度が低下することがないことが分かる。一方、比較例1、2は恒温高湿試験前にすでに必要な密着強度を有しておらず、恒温高湿試験後は更に密着強度が低下する。また、比較例3では、初期の密着強度は良好であるものの、恒温高湿試験後は著しく強度が下がり、必要となる密着強度を維持できなくなっている。
Figure 2020064260
図12は本発明に係る撮像光学系を示した図である。入射光はレンズ11、15〜17、絞り羽根12a、12bや光学フィルタ13等から形成される光量調整装置20を通り、CCDやCMOSセンサから成る撮像素子18へと入射して電気信号に変換され映像化される。絞り羽根12a、12bの位置情報は光量制御部19へと伝達され、光量制御部19は撮像素子18からの光量情報と絞り羽根12a、12bの位置情報から最適な開口となるように絞り羽根12a、12bを駆動させる。光学フィルタ13には、実施例1〜4で作製した光学フィルタが挿入され、光学フィルタ13は撮像素子18に入射する光量によって光学フィルタ13を自由に駆動させる光学フィルタ駆動部14によって、光路へ進退させられる。光学フィルタ13は光吸収薄膜積層体の光学濃度の異なる複数枚を有していることが好ましく、赤外遮蔽機能を有するIRカットフィルタや反射防止機能を有するARフィルタ、IRパスフィルタなどを有していることが更に好ましい。
また、光学フィルタ13の覆われる側の薄膜積層構造体(実施例1、3では赤外遮蔽膜、実施例2では可視ND膜)の成膜領域は、絞り羽根12a、12bなどによって形成される開口径よりも大きいことが好ましい。覆われる側の薄膜積層構造体が開口を覆うに十分な面積を持つことで、不要な光が撮像素子に入射することを抑制することができ、また、光学フィルタ13を通過した光が通過した領域による急激な透過率差を抑制することができる。
主に可視光を利用して撮影する撮像装置の撮像光学系では、光学フィルタの光干渉薄膜積層体として赤外遮蔽膜、光吸収薄膜積層体として可視ND膜が形成された光学フィルタ13を用いる。可視光線を利用する撮影の場合、撮像素子の感度特性の内、可視光領域の感度以外は不要であり、特に近赤外線領域近辺の感度は赤味の発生などの不都合を引き起こす。このため、赤外線遮蔽機能を有する光学フィルタ13を光路に挿入する。光学フィルタ13は可視光領域において光減衰機能を有しており、赤外線領域の光を遮蔽すると共に可視光線の光量を調整することができる。光吸収薄膜積層体の光学濃度の異なる複数枚の光学フィルタを有している場合は、光量に応じて最適な光学濃度を有しているフィルタを選択して光路に挿入する。尚、可視光波長領域において光減衰機能が不要な時は、IRカットフィルタを挿入すればよい。
監視カメラのように、赤外線領域の光も撮影に利用する撮像装置の撮像光学系では、光学フィルタの光干渉薄膜積層体として可視光遮蔽膜、光吸収薄膜積層体として赤外ND膜が形成された光学フィルタ13を用いてもよい。赤外線領域を利用して撮影する際は、可視光線領域の光がノイズとなって画質が劣化する虞があるため、可視光を遮蔽することが好ましい。被写体に赤外線輝度に合わせて、最適な光学濃度の赤外ND膜を有する光学フィルタ13を光路に挿入することで、撮影状況に応じて最適な画像を得ることが可能となる。尚、赤外線領域において光減衰機能が不要な時は、赤外領域のみを透過するIRパスフィルタを光路に挿入する。また、赤外線も可視光もともに遮蔽する必要のない時はARフィルタを光路に挿入させておくこともできる。ARフィルタの反射防止対象領域はカメラの用途に合わせて任意に選択可能である。
光干渉薄膜積層体を基板の両面に分割して成膜する場合、少なくとも光学フィルタの遮蔽領域と透過領域の境界を決定する光干渉薄膜積層体よりも撮像素子側に光吸収薄膜積層体を形成していることが好ましい。また、光学フィルタの基板として光干渉薄膜積層体の遮蔽領域に光吸収特性を有する基板を用いる場合、光学フィルタの遮蔽領域と透過領域の境界を有する光干渉薄膜積層体よりも撮像素子側に基板を配置するように光学フィルタを形成することが好ましい。このようにすることで、ゴーストなどの要因となりやすい光学フィルタの遮蔽領域と透過領域の境界領域の光反射を抑制することができ、より高画質な画像を得ることが可能となる。
本実施例1〜3の光学フィルタは、板厚0.3mmと比較的薄いガラス基板を用いているものの、光干渉薄膜積層体と光吸収薄膜積層体の応力方向が異なることで、反りが抑制されている。このため、光学フィルタの反りによる弊害、例えば反りによる配置スペースの増大や、光学フィルタに入射する光の入射角の違いによる分光特性変化が抑制されたものとなっている。
本実施例の撮像光学系に、実施例1〜3の光学フィルタを用いることで、小型軽量化に貢献しつつ、膜剥がれや異物付着による画質劣化を抑制した撮像光学系を提供することができる。
1 光学フィルタ
2 基板
3 光干渉薄膜積層体
3′ 赤外遮蔽膜
3′a 第一赤外遮蔽膜
3′b 第二赤外遮蔽膜
4 光吸収薄膜積層体
4′ ND膜
5 光学調整層
6 応力緩衝膜

Claims (12)

  1. 光透過性の基板と、
    前記基板上に、屈折率の異なる複数の薄膜を積層させた光干渉薄膜積層体と、
    前記光干渉薄膜積層体上に、光吸収膜と前記光吸収膜とは異なる屈折率の無機膜を積層させ、前記光干渉薄膜積層体の応力方向とは異なる方向に応力を有する光吸収薄膜積層体と、を備え、
    前記光吸収薄膜積層体によって、前記光干渉薄膜積層体の膜厚方向に交差する方向に面する前記光干渉薄膜積層体の端面が覆われていることを特徴とする光学フィルタ。
  2. 光透過性の基板と、
    前記基板上に、吸収膜と前記光吸収膜とは異なる屈折率の無機膜を積層させた光吸収薄膜積層体と、
    前記光吸収薄膜積層体上に、屈折率の異なる複数の薄膜を積層させ、前記光吸収薄膜積層体の応力方向とは異なる方向に応力を有する光干渉薄膜積層体と、を備え、
    前記光干渉薄膜積層体によって、前記光吸収薄膜積層体の膜厚方向に交差する方向に面する前記光吸収薄膜積層体の端面が覆われていることを特徴とする光学フィルタ。
  3. 前記光干渉薄膜積層体と前記光吸収薄膜積層体との間に金属膜あるいは組成が連続的に変化する傾斜膜からなる応力緩衝膜を有することを特徴とした請求項1または2に記載の光学フィルタ。
  4. 前記光干渉薄膜積層体が圧縮応力、前記光吸収薄膜積層体が引張応力であることを特徴とした請求項1〜3のいずれか一項に記載の光学フィルタ。
  5. 前記光干渉薄膜積層体を形成する全ての薄膜が圧縮応力、かつ、前記光吸収薄膜積層体を形成する全ての薄膜が引張応力であることを特徴とした請求項1〜4のいずれか一項に記載の光学フィルタ。
  6. 前記光干渉薄膜積層体は、所望の光波長領域の光を透過させ、紫外線、赤外線、可視光線の少なくとも1つを遮蔽する機能を有することを特徴とした請求項1〜5のいずれか一項に記載の光学フィルタ。
  7. 前記光干渉薄膜積層体の表面は、反射防止膜であることを特徴とした請求項1〜6のいずれか一項に記載の光学フィルタ。
  8. 前記光吸収膜が、金属の酸化物あるいは窒化物であり、
    前記光吸収薄膜積層体は、可視波長領域の光を減衰することを特徴とした請求項1〜7のいずれか一項に記載の光学フィルタ。
  9. 前記金属膜のプラズマ振動数が、
    前記光干渉薄膜積層体の透過帯域もしくは前記光吸収薄膜積層体の光を減衰する波長領域の光の振動数よりも大きいことを特徴とした請求項3〜8のいずれか一項に記載の光学フィルタ。
  10. 前記光吸収薄膜積層体が面内方向で連続的に透過率の異なる領域を有していることを特徴とした請求項1〜9のいずれか一項に記載の光学フィルタ。
  11. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の光学フィルタと、前記光学フィルタを通過した光を撮像する撮像素子とを備えたことを特徴とする撮像装置。
  12. 請求項1〜10に記載の光学フィルタを複数枚有し、前記光学フィルタが他の前記光学フィルタとは所望の波長領域において透過率が異なることを特徴とした光量調節装置。

JP2018197778A 2018-10-19 2018-10-19 光学フィルタ、及び光量調整装置、撮像装置 Pending JP2020064260A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018197778A JP2020064260A (ja) 2018-10-19 2018-10-19 光学フィルタ、及び光量調整装置、撮像装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018197778A JP2020064260A (ja) 2018-10-19 2018-10-19 光学フィルタ、及び光量調整装置、撮像装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2020064260A true JP2020064260A (ja) 2020-04-23

Family

ID=70387228

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018197778A Pending JP2020064260A (ja) 2018-10-19 2018-10-19 光学フィルタ、及び光量調整装置、撮像装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2020064260A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114262871A (zh) * 2021-11-08 2022-04-01 中国航空工业集团公司洛阳电光设备研究所 基于钛合金基底的吸收/渐变窄带负滤光膜的镀制方法
WO2023095827A1 (ja) * 2021-11-25 2023-06-01 三菱ケミカル株式会社 構造体及び固体撮像素子

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH063523A (ja) * 1992-03-04 1994-01-14 Boc Group Inc:The 耐久性のある低放射率日射制御薄膜コーティング
JPH08262224A (ja) * 1995-03-28 1996-10-11 Fujikura Ltd 光学多層膜フィルタ
JP2010175941A (ja) * 2009-01-30 2010-08-12 Canon Electronics Inc 光学フィルタ及び光学フィルタの製造方法、並びにこれらの光学フィルタを有する撮像装置
JP2012137650A (ja) * 2010-12-27 2012-07-19 Canon Electronics Inc 光学フィルタ
JP2013176018A (ja) * 2012-02-27 2013-09-05 Canon Electronics Inc 光量調整装置
JP2018092030A (ja) * 2016-12-05 2018-06-14 キヤノン電子株式会社 光学フィルタ及び撮像光学系

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH063523A (ja) * 1992-03-04 1994-01-14 Boc Group Inc:The 耐久性のある低放射率日射制御薄膜コーティング
JPH08262224A (ja) * 1995-03-28 1996-10-11 Fujikura Ltd 光学多層膜フィルタ
JP2010175941A (ja) * 2009-01-30 2010-08-12 Canon Electronics Inc 光学フィルタ及び光学フィルタの製造方法、並びにこれらの光学フィルタを有する撮像装置
JP2012137650A (ja) * 2010-12-27 2012-07-19 Canon Electronics Inc 光学フィルタ
JP2013176018A (ja) * 2012-02-27 2013-09-05 Canon Electronics Inc 光量調整装置
JP2018092030A (ja) * 2016-12-05 2018-06-14 キヤノン電子株式会社 光学フィルタ及び撮像光学系

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114262871A (zh) * 2021-11-08 2022-04-01 中国航空工业集团公司洛阳电光设备研究所 基于钛合金基底的吸收/渐变窄带负滤光膜的镀制方法
CN114262871B (zh) * 2021-11-08 2024-03-01 中国航空工业集团公司洛阳电光设备研究所 基于钛合金基底的吸收/渐变窄带负滤光膜的镀制方法
WO2023095827A1 (ja) * 2021-11-25 2023-06-01 三菱ケミカル株式会社 構造体及び固体撮像素子

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI380057B (en) Absorption type multi-layer film no filter
US9322965B2 (en) Optical member
JP6269665B2 (ja) 光学フィルタ、光学フィルタの製造方法
JP2013156619A (ja) Irカット機能付きndフィルタ
JP2004354735A (ja) 光線カットフィルタ
JP2020064260A (ja) 光学フィルタ、及び光量調整装置、撮像装置
JP6867148B2 (ja) 光学フィルタ及び撮像光学系
JP2006301487A (ja) 近赤外線カットフィルタ
JP2010032867A (ja) Irカットフィルタ
JP2000314808A (ja) 赤外線カットフィルタ
US11747520B2 (en) Optical thin film having metal layer containing silver and high standard electrode potential metal
JP2010175941A (ja) 光学フィルタ及び光学フィルタの製造方法、並びにこれらの光学フィルタを有する撮像装置
JP2007206136A (ja) Ndフィルタおよびその製造方法、それらを用いた光量絞り装置
JP5066644B2 (ja) 多層膜ndフィルター
JP4671410B2 (ja) Irカット機能付きndフィルタを備えた光量絞り装置及びカメラ
JPWO2005047940A1 (ja) Ndフィルタ及びこれを用いた光量絞り装置
JP2011081083A (ja) Ndフィルタ
JP4802770B2 (ja) 吸収型多層膜ndフィルター及びその製造方法
JP7271121B2 (ja) 光学フィルタ及び光学装置
JP5126089B2 (ja) 光線カットフィルタ
JP7194557B2 (ja) 光学フィルタ、及び光量調整装置、撮像装置
US11782200B2 (en) Polarizing plate having specified water contact angle of antireflection layer surface
JP2020064256A (ja) 光学フィルタ、及び光量調整装置、撮像装置
JP6727454B2 (ja) 反射防止膜、光学素子および光学系
JP2013174818A (ja) 光学フィルタ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20211015

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20211015

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220808

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220815

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20221013

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20221223