JP2020064260A - 光学フィルタ、及び光量調整装置、撮像装置 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、光干渉薄膜積層体と光吸収薄膜積層体を積層した光学フィルタにおいて、光学フィルタの反りを低減しつつ、光干渉薄膜積層体と光吸収薄膜積層体の密着性を長期にわたり良好なものとすることである。
本発明に使用する基板としては、所望の光波長領域において透明な基板であれば、任意の基板を使用することが可能である。例えばガラスや水晶などの無機材料からなる基板や、ポリエステル系、ノルボルネン系、ポリエーテル系、アクリル系、スチレン系、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PES(ポリエーテルスルホン)系、ポリスルホン系、PEN(ポリエチレンナフタレート)系、PC(ポリカーボネート)系、及びポリイミド系などの様々な合成樹脂基板を使用することができる。合成樹脂基板は、ガラスなどの無機基板に比べ、柔軟で軽く、加工性が良いが、膜応力や熱応力による変形や、水分による特性変化を起こしやすい。このため、合成樹脂基板を用いる場合は、高耐熱性(高ガラス転移温度Tg)、高曲げ弾性率、低吸水性の材料を用いることが望ましい。例えば、高耐熱性基板としてポリイミド系やPES系、曲げ弾性率が大きい基板としてはPET、低吸水性基材としてはノルボルネン系などが挙げられる。また、必要に応じて、例えばシルセスキオキサン骨格を有する有機‐無機ハイブリッド材料からなる基板などを用いてもよい。尚、本発明における所望の光波長領域において透明な基板とは、少なくとも光干渉薄膜積層体によって形成される透過帯域において透明であることを指す。例えば、光干渉薄膜積層体が紫外線や赤外線を遮蔽し、可視光を透過する機能を有する場合、基材は紫外線領域や赤外線領域のいずれか、もしくは両方に吸収を有するものでもよい。紫外線領域に吸収を有する基材としては、紫外線領域に光吸収特性を有する酸化亜鉛や酸化チタンなどの無機成分や既知の有機染料・顔料をガラスや樹脂に練り込んだ基材を用いることができる。赤外線領域に吸収を有する基板としては赤外線領域に光吸収特性を有する銅や鉄などの遷移金属イオンや、有機色素などを樹脂やガラスに練り込んだ基板を用いることができる。また、光干渉薄膜積層体が可視光線を遮蔽し、赤外線透過機能を有するものであれば、可視光領域に吸収を有する既知の染料や顔料を基材に練り込んだものを使用することもできる。
本発明の実施例では、光干渉薄膜積層体は屈折率の異なる2つ以上の無機薄膜を複数層積層することで得る。光干渉薄膜積層体は蒸着やスパッタリングなどによって形成され、屈折率の異なる複数の無機薄膜によって光干渉を起こし、これを利用して任意の光学特性を得る。無機薄膜としては、MgF2、SiO2、SiO、Si3H4、Al2O3、MgO、LaTiO3、ZrO2、TiO2、Nb2O5、Ta2O5などを用いることができる。
本発明の光吸収薄膜積層体は所望の光波長領域に光吸収特性を有する光吸収膜と無機薄膜とを複数積層することで得られる。光吸収薄膜積層体は蒸着やスパッタリング法などによって形成され、光吸収膜の光吸収特性や光吸収膜と無機薄膜との光干渉作用を利用して、所望の光波長領域における透過率が略同等となるように形成される。光吸収膜としては減衰したい波長領域に合わせてTi、Ni、Cr、Fe、Nb、Ta、等の金属や合金、酸化物、窒化物などを用いることができる。また、無機薄膜としては、MgF2、SiO2、SiO、Si3H4、Al2O3、MgO、LaTiO3、ZrO2、TiO2、Nb2O5、Ta2O5などを、光吸収膜の物性や必要とする分光特性に合わせて適宜選択することができる。なお、光吸収膜は金属の酸化物あるいは窒化物であることが好ましい。金属の酸化物や窒化物は金属膜と比較し消衰係数が小さく、比較的厚い膜厚を成膜することができるため、膜設計の自由度が増し、より分光特性の良好な光吸収薄膜積層体とすることができるためである。
図2は本実施例に係る光学フィルタの構成図である。本実施例の光学フィルタは、赤外線吸収機能を有する赤外線吸収ガラス基板上に、赤外線遮蔽機能を有する光干渉薄膜積層体である赤外遮蔽膜と可視光波長領域において略均一な透過率を有する光吸収薄膜積層体(以下可視ND膜)とがこの順で形成されている。赤外遮蔽膜は可視ND膜によって端面を含めて覆われた構成となっており、可視ND膜は基板と赤外遮蔽膜の両方に密着界面を有する。可視ND膜と基板の密着性は、応力方向が反対であることに起因する密着阻害がないため、可視ND膜と赤外遮蔽膜との密着性と比較し良好である。このため、可視ND膜と基板との密着界面を設けることで、光学フィルタとしての密着性を向上させることができる。
図10に本実施例に係る光学フィルタの構成図を示す。本実施例の光学フィルタは、ガラス基板上に、可視光波長領域において略均一な透過率を有する可視ND膜と赤外線遮蔽機能を有する赤外遮蔽膜とがこの順で形成されており、可視ND膜は赤外遮蔽膜によって端面を含め包括されている。赤外遮蔽膜は可視ND膜と基板の両方に接着界面を有する。
図11に本実施例における光学フィルタの構成図を示す。本実施例の光学フィルタはガラス基板上に設けられた赤外遮蔽膜の端面を含む領域を応力緩衝膜と可視ND膜で覆った構成となっている。応力緩衝膜は赤外遮蔽膜と可視ND膜との間に設けられる。
実施例1の光学フィルタにおいて、赤外遮蔽膜の膜厚方向に対し垂直をなす面上のみに可視ND膜を形成した光学フィルタを比較例1、実施例2の光学フィルタにおいて、可視ND膜の膜厚方向に対し垂直をなす面上のみに赤外遮蔽膜を形成した光学フィルタを比較例2、実施例3の光学フィルタにおいて、赤外遮蔽膜の膜厚方向に対し垂直をなす面上のみに可視ND膜を形成した光学フィルタを比較例3とした。
2 基板
3 光干渉薄膜積層体
3′ 赤外遮蔽膜
3′a 第一赤外遮蔽膜
3′b 第二赤外遮蔽膜
4 光吸収薄膜積層体
4′ ND膜
5 光学調整層
6 応力緩衝膜
Claims (12)
- 光透過性の基板と、
前記基板上に、屈折率の異なる複数の薄膜を積層させた光干渉薄膜積層体と、
前記光干渉薄膜積層体上に、光吸収膜と前記光吸収膜とは異なる屈折率の無機膜を積層させ、前記光干渉薄膜積層体の応力方向とは異なる方向に応力を有する光吸収薄膜積層体と、を備え、
前記光吸収薄膜積層体によって、前記光干渉薄膜積層体の膜厚方向に交差する方向に面する前記光干渉薄膜積層体の端面が覆われていることを特徴とする光学フィルタ。 - 光透過性の基板と、
前記基板上に、吸収膜と前記光吸収膜とは異なる屈折率の無機膜を積層させた光吸収薄膜積層体と、
前記光吸収薄膜積層体上に、屈折率の異なる複数の薄膜を積層させ、前記光吸収薄膜積層体の応力方向とは異なる方向に応力を有する光干渉薄膜積層体と、を備え、
前記光干渉薄膜積層体によって、前記光吸収薄膜積層体の膜厚方向に交差する方向に面する前記光吸収薄膜積層体の端面が覆われていることを特徴とする光学フィルタ。 - 前記光干渉薄膜積層体と前記光吸収薄膜積層体との間に金属膜あるいは組成が連続的に変化する傾斜膜からなる応力緩衝膜を有することを特徴とした請求項1または2に記載の光学フィルタ。
- 前記光干渉薄膜積層体が圧縮応力、前記光吸収薄膜積層体が引張応力であることを特徴とした請求項1〜3のいずれか一項に記載の光学フィルタ。
- 前記光干渉薄膜積層体を形成する全ての薄膜が圧縮応力、かつ、前記光吸収薄膜積層体を形成する全ての薄膜が引張応力であることを特徴とした請求項1〜4のいずれか一項に記載の光学フィルタ。
- 前記光干渉薄膜積層体は、所望の光波長領域の光を透過させ、紫外線、赤外線、可視光線の少なくとも1つを遮蔽する機能を有することを特徴とした請求項1〜5のいずれか一項に記載の光学フィルタ。
- 前記光干渉薄膜積層体の表面は、反射防止膜であることを特徴とした請求項1〜6のいずれか一項に記載の光学フィルタ。
- 前記光吸収膜が、金属の酸化物あるいは窒化物であり、
前記光吸収薄膜積層体は、可視波長領域の光を減衰することを特徴とした請求項1〜7のいずれか一項に記載の光学フィルタ。 - 前記金属膜のプラズマ振動数が、
前記光干渉薄膜積層体の透過帯域もしくは前記光吸収薄膜積層体の光を減衰する波長領域の光の振動数よりも大きいことを特徴とした請求項3〜8のいずれか一項に記載の光学フィルタ。 - 前記光吸収薄膜積層体が面内方向で連続的に透過率の異なる領域を有していることを特徴とした請求項1〜9のいずれか一項に記載の光学フィルタ。
- 請求項1〜10のいずれか一項に記載の光学フィルタと、前記光学フィルタを通過した光を撮像する撮像素子とを備えたことを特徴とする撮像装置。
- 請求項1〜10に記載の光学フィルタを複数枚有し、前記光学フィルタが他の前記光学フィルタとは所望の波長領域において透過率が異なることを特徴とした光量調節装置。
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