JP2006307045A - X線検知可能な印刷用インクおよびそれを用いたシート - Google Patents

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Abstract

【課題】重ね合わせてマッチング用照合記号が内部にあって見えなくても、外部から読み取りでき、この読み取り結果に基づいてマッチング検査できるようにするとともに、用いる色材の色が損なわれないインク、電子写真方式で用いられるトナーや電子写真方式用現像剤の提供およびそれらを用いたシートの提供。
【解決手段】ビヒクルに、用いる色材の色を損なわないとともにX線検知可能性を付与する微粒子を、インク(固形分)に対して所定量配合したX線検知可能な印刷用インクを用い、シート基材面の所定箇所に、X線検知可能な印刷部を設けてなるシートにより課題を解決できる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、X線検知可能な印刷用インクおよびそれを用いてX線検知可能な印刷部を設けてなるシートに関するものである。
従来、帳票をはじめとする各種書類を丁合してなる丁合物は、丁合する各書類に照合記号を一般的な印刷用インクで印刷し、丁合の前段階で前記照合記号をセンサで検出し、丁合すべき各書類を照合してマッチング検査をした後、重ね合わせ、あるいは包み込むなどして丁合しているので、前記照合記号が表面にでていて見えればセンサで検出可能だが、重ね合わせられたり、あるいは包み込むなどされて前記照合記号が内部にあって見えない場合はセンサで検出することができないという問題があった。
そこで、金属または金属粉入りインクを用いて前記照合記号を印刷する方法(特許文献1参照)や検査装置(特許文献2参照)提案されている。
特開平4−277164号公報 特開平4−277886号公報
これらの技術によれば、重ね合わせたり、あるいは包み込むなどしてマッチング用照合記号が内部にあって見えなくても、金属探知手段を用いて読み取りできるようになり、この読み取り結果に基づいてマッチング検査ができるようになったが、金属または金属粉を用いるとそれ自体が着色しているので、インクに用いる色材によっては色が損なわれるので、マッチング用照合記号の形成に用いるインクとマッチング用照合記号以外の記号や文字などの形成に用いるインクとを同じインクを用いるなどの場合は、使用できる色が制約されるという問題があった。
本発明の第1の目的は、従来の問題を解決し、重ね合わせたり、あるいは包み込むなどしてマッチング用照合記号が内部にあって外部からは見えなくても、読み取りできるようになり、この読み取り結果に基づいてマッチング検査ができるようにするとともに、インクなどに用いる色材の色が損なわれないようにしたインク、電子写真方式で用いられるトナーや電子写真方式用現像剤を提供することであり、
本発明の第2の目的は、このインク、電子写真方式で用いられるトナーや電子写真方式用現像剤を用いてマッチング検査ができるようにしたシートを提供することである。
すなわち、本発明の請求項1は、ビヒクルに、インクに用いる色材の色を損なわないとともにX線検知可能性を付与する微粒子を、インク(固形分)に対して所定量配合したことを特徴とするX線検知可能な印刷用インクである。
本発明の請求項2は、請求項1記載の印刷用インクにおいて、前記微粒子がガラス微粒子であることを特徴とする。
本発明の請求項3は、電子写真方式で用いられるトナーであって、バインダ樹脂成分に、トナーに用いる色材の色を損なわないとともにX線検知可能性を付与する微粒子を、バインダ(固形分)に対して所定量配合したことを特徴とするX線検知可能なトナーである。
本発明の請求項4は、請求項3記載のトナーにおいて、前記微粒子がガラス微粒子であることを特徴とする。
本発明の請求項5は、バインダ樹脂成分に、現像剤に用いる色材の色を損なわないとともにX線検知可能性を付与する微粒子を、バインダ(固形分)に対して所定量配合した線検知可能なトナーを含むことを特徴とするX線検知可能な電子写真方式用現像剤である。
本発明の請求項6は、請求項5記載の現像剤において、前記微粒子がガラス微粒子であることを特徴とする。
本発明の請求項7は、シート基材面の所定箇所に、請求項1から請求項6のいずれかに記載の印刷用インク、トナーあるいは現像剤を用いてX線検知可能な印刷部を設けてなることを特徴とするシートである。
本発明の請求項1記載のX線検知可能な印刷用インクは、ビヒクルに、インクに用いる色材の色を損なわないとともにX線検知可能性を付与する微粒子を、インク(固形分)に対して所定量配合した凸版印刷、グラビア印刷法などの凹版印刷、オフセット方式などの平板印刷、スクリーン印刷およびインクジェット方式その他の通常用いられる印刷方法で印刷可能なインクであるので、
重ね合わせたり、あるいは包み込むなどしてマッチング用照合記号が内部にあって外部からは見えなくても、例えば公知のX線異物検査装置などを用いて読み取りでき、この読み取り結果に基づいてマッチング検査ができるとともに、インクに用いる色材の色が損なわれないので、マッチング用照合記号の形成に用いるインクとマッチング用照合記号以外の記号や文字などの形成に用いるインクとを同じインクで行うことができるという、顕著な効果を奏する。
本発明の請求項2は、請求項1記載の印刷用インクにおいて、前記微粒子がガラス微粒子であるので、
マッチング検査を容易にでき、インクに用いる色材の色が確実に損なわれない上、安価で入手も容易であるという、さらなる顕著な効果を奏する。
本発明の請求項3記載のX線検知可能なトナーは、電子写真方式で用いられるトナーであって、バインダ樹脂成分に、トナーに用いる色材の色を損なわないとともにX線検知可能性を付与する微粒子を、バインダ(固形分)に対して所定量配合したので、
重ね合わせたり、あるいは包み込むなどしてマッチング用照合記号が内部にあって外部からは見えなくても、例えば公知のX線異物検査装置などを用いて読み取りでき、この読み取り結果に基づいてマッチング検査ができるとともに、トナーに用いる色材の色が損なわれないので、マッチング用照合記号の形成に用いるトナーとマッチング用照合記号以外の記号や文字などの形成に用いるトナーとを同じトナーで行うことができるという、顕著な効果を奏する。
本発明の請求項4は、請求項3記載のトナーにおいて、前記微粒子がガラス微粒子であるので、
マッチング検査を容易にでき、トナーに用いる色材の色が確実に損なわれない上、安価で入手も容易であるという、さらなる顕著な効果を奏する。
本発明の請求項5記載のX線検知可能な電子写真方式用現像剤は、バインダ樹脂成分に、現像剤に用いる色材の色を損なわないとともにX線検知可能性を付与する微粒子を、バインダ(固形分)に対して所定量配合した線検知可能なトナーを含むので、
重ね合わせたり、あるいは包み込むなどしてマッチング用照合記号が内部にあって外部からは見えなくても、例えば公知のX線異物検査装置などを用いて読み取りでき、この読み取り結果に基づいてマッチング検査ができるとともに、現像剤に用いる色材の色が損なわれないので、マッチング用照合記号の形成に用いる現像剤とマッチング用照合記号以外の記号や文字などの形成に用いる現像剤とを同じ現像剤で行うことができるという、顕著な効果を奏する。
本発明の請求項6は、請求項5記載の現像剤において、前記微粒子がガラス微粒子であるので、
マッチング検査を容易にでき、現像剤に用いる色材の色が確実に損なわれない上、安価で入手も容易であるという、さらなる顕著な効果を奏する。
本発明の請求項7記載のシートは、シート基材面の所定箇所に、請求項1から請求項6のいずれかに記載の印刷用インク、トナーあるいは現像剤を用いてX線検知可能な印刷部を設けてなることを特徴とするものであり、
重ね合わせたり、あるいは包み込むなどしてマッチング用照合記号が内部にあって外部からは見えなくても、例えば公知のX線異物検査装置などを用いて容易に読み取りでき、この読み取り結果に基づいて容易にマッチング検査ができるという、顕著な効果を奏する。
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は、本発明のX線検知可能な印刷部を設けたシートの一実施形態を示す説明図である。
図1において、1は1枚の文書が三つ折りされており、表面に本発明のインクあるいは電子写真方式で用いられるトナーあるいは電子写真方式用現像剤(以下これらをまとめて本発明のインクと称すことがある)を用いて形成されたX線検知可能な印刷部(バーコード)2を設けた本発明のシートを示し、3は表面に本発明のインクを用いて形成されたX線検知可能な印刷部(バーコード)4を設けた本発明の他のシート(封筒)を示し、封筒3内に本発明のシート1が封入・封緘されて丁合されている。封筒3内に本発明のシート1を封入・封緘後、公知のX線異物検査装置などを用いて封筒3内に封入された本発明のシート1のバーコード2を容易に読み取ることができ、これにより容易にマッチング検査ができる。
検知可能な印刷部はバーコードのほか、キャラクターコードなども使用可能である。
図2は、本発明のX線検知可能な印刷部を設けた他のシートの例を示す説明図である。
図2において、1Aは薬(イ)を封入・封緘した子袋、1Bは薬(ロ)を封入・封緘した子袋、1Cは薬(ハ)を封入・封緘した子袋、・・・・を示し、表面に本発明のインクを用いて形成されたX線検知可能な印刷部(バーコード)2(イ)、2(ロ)、2(ハ)・・・・がそれぞれ設けられている。3Aは表面に本発明のインクを用いて形成されたX線検知可能な印刷部(バーコード)4を設けた本発明の他のシート(封筒)を示し、封筒3A内に子袋1A、子袋1B、子袋1C・・・・が封入・封緘されて丁合されている。封筒3A内に子袋1A、子袋1B、子袋1C・・・・を封入・封緘後、公知のX線異物検査装置などを用いて封筒3A内に封入された子袋1A、子袋1B、子袋1C・・・・のバーコード2(イ)、2(ロ)、2(ハ)・・・・を容易に読み取ることができ、これにより容易にマッチング検査ができる。
本発明で用いる微粒子としては、色材の色を損なわないとともにX線検知可能性を付与する微粒子であれば、有機物でも無機物でもあるいはこれらの混合物でもよく特に限定されるものではない。
本発明で用いる微粒子の具体例としては、例えばガラスや5〜20μm程度あるいはこれらより微細なガラス微粒子を挙げることができる。またこれ以外にもアルミニウム粉、チタン粉、硬質プラスチック粉などを挙げることができる。本発明で用いる微粒子の配合量はX線異物検査装置などの検知手段のX線の強度とも関係があるので、X線異物検査装置などの検知手段で用いて本発明のインクを用いて形成された印刷部(バーコードやキャラクターコードなど)をX線検知可能な配合量とすることが肝要である。
一方、X線異物検査装置などの検知手段のX線の強度は、好ましくはX線管理思などX線を取り扱うための特定の資格を持たない人でも取り扱いできる弱い強度のものが好ましく使用できる。
本発明で用いるビヒクルは特に限定されず、一般インクに用いられるビヒクルを用いることができる。具体的には、例えば熱硬化型ビヒクル、紫外線硬化型ビヒクルおよび/または沸点100℃以上のグリコール系溶剤を例示できる。
ビヒクルとして紫外線硬化型ビヒクルおよび/または沸点100℃以上のグリコール系溶剤は好ましく用いることができる。
本発明で用いる紫外線硬化型ビヒクルとしては、公知のアクリル系光重合性モノマーおよび/またはアクリル系光重合性オリゴマーから任意に選んで用いることができる。
このような光重合性モノマーとしては、例えばアクリル酸やメタクリル酸などの不飽和カルボン酸又はそのエステル、例えばアルキル−、シクロアルキル−、ハロゲン化アルキル−、アルコキシアルキル−、ヒドロキシアルキル−、アミノアルキル−、テトラヒドロフルフリル−、アリル−、グリシジル−、ベンジル−、フェノキシ−アクリレート及びメタクリレート、アルキレングリコール、ポリオキシアルキレングリコールのモノ又はジアクリレート及びメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート及びメタクリレート、ペンタエリトリットテトラアクリレート及びメタクリレートなど、アクリルアミド、メタクリルアミド又はその誘導体、例えばアルキル基やヒドロキシアルキル基でモノ置換又はジ置換されたアクリルアミド及びメタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド及びメタクリルアミド、N,N′−アルキレンビスアクリルアミド及びメタクリルアミドなど、アリル化合物、例えばアリルアルコール、アリルイソシアネート、ジアリルフタレート、トリアリルイソシアヌレートなどを挙げることができる。
また、硬化収縮が支障となる用途の場合には、例えばイソボルニルアクリレート又はメタクリレート、ノルボルニルアクリレート又はメタクリレート、ジシクロペンテノキシエチルアクリレート又はメタクリレート、ジシクロペンテノキシプロピルアクリレート又はメタクリレートなど、ジエチレングリコールジシクロペンテニルモノエーテルのアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステル、ポリオキシエチレン若しくはポリプロピレングリコールジシクロペンテニルモノエーテルのアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルなど、ジシクロペンテニルシンナメート、ジシクロペンテノキシエチルシンナメート、ジシクロペンテノキシエチルモノフマレート又はジフマレートなど、3,9−ビス(1,1−ビスメチル−2−オキシエチル)−スピロ[5,5]ウンデカン、3,9−ビス(1,1−ビスメチル−2−オキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、3,9−ビス(2−オキシエチル)−スピロ[5,5]ウンデカン、3,9−ビス(2−オキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカンなどのモノ−、ジアクリレート又はモノ−、ジメタアクリレート、あるいはこれらのスピログリコールのエチレンオキシド又はプロピレンオキシド付加重合体のモノ−、ジアクリレート、又はモノ−、ジメタアクリレート、あるいは前記モノアクリレート又はメタクリレートのメチルエーテル、1−アザビシクロ[2,2,2]−3−オクテニルアクリレート又はメタクリレート、ビシクロ[2,2,1]−5−ヘプテン−2,3−ジカルボキシルモノアリルエステルなど、ジシクロペンタジエニルアクリレート又はメタクリレート、ジシクロペンタジエニルオキシエチルアクリレート又はメタクリレート、ジヒドロジシクロペンタジエニルアクリレート又はメタクリレートなどの光重合性モノマーを用いることができる。
これらの光重合性モノマーは単独で用いてもよいし2種以上組み合わせて用いてもよい。
アクリル系光重合性オリゴマーとしては、エポキシ樹脂のアクリル酸エステル例えばビスフェノールAのジグリシジルエーテルジアクリレート、エポキシ樹脂とアクリル酸とメチルテトラヒドロフタル酸無水物との反応生成物、エポキシ樹脂と2−ヒドロキシエチルアクリレートとの反応生成物、グリシジルジアクリレートと無水フタル酸との開環共重合エステル、メタクリル酸二量体とポリオールとのエステル、アクリル酸と無水フタル酸とプロピレンオキシドから得られるポリエステル、ポリビニルアルコールとN−メチロールアクリルアミドとの反応生成物、ポリエチレングリコールと無水マレイン酸とグリシジルメタクリレートとの反応生成物などのような不飽和ポリエステル系プレポリマーや、ポリビニルアルコールを無水コハク酸でエステル化した後、グリシジルメタクリレートを付加させたものなどのようなポリビニルアルコール系プレポリマー、メチルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体と2−ヒドロキシエチルアクリレートとの反応生成物又はこれにさらにグリシジルメタクリレートを反応させたものなどのポリアクリル酸又はマレイン酸共重合体系プレポリマーなど、そのほか、ウレタン結合を介してポリオキシアルキレンセグメント又は飽和ポリエステルセグメントあるいはその両方が連結し、両末端にアクリロイル基又はメタクロイル基を有するウレタン系プレポリマーなどを挙げることができる。
これらのアクリル系光重合性オリゴマーは、重量平均分子量凡そ2000〜30000の範囲のものが適当である。
本発明で用いる光重合開始剤は、従来公知のもので良く、例えば、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−メチル−1−プロパン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1−ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド−ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイドなどが挙げられる。
これらの光重合開始剤は、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。その含有量は、通常アクリル系光硬化性成分100質量部当り、5〜15質量部の範囲で選ばれるのが好ましい。
本発明で用いるグリコール系溶剤は、水と混合可能な中沸点および高沸点溶剤(沸点が100℃以上のもの)であり、具体的には、例えばグリコール(グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール)やグリコール誘導体(エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート)など、およびこれらの2つ以上の混合物を挙げることができる。
本発明の印刷用インクは、凸版印刷、グラビア印刷法などの凹版印刷、オフセット方式などの平板印刷、スクリーン印刷およびインクジェット方式その他の通常用いられる印刷方法で基材の少なくとも上面の所定部に塗工し、必要に応じて乾燥して、紫外線などの光を照射して硬化させ本発明のシートを形成することができる。
本発明で用いる基材としては、上質紙、アート紙、コート紙、ミラーコート紙、コンデンサー紙、パラフィン紙、その他の紙の他に、それにオーバーコート層(保護層)をもつ用紙やフィルムなどの他に、合成紙、あるいはポリエチレン、透明性を有するポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、塩化ビニルなどの合成フィルムを用いることもできる。これらの合成フィルムを用いる場合には基材の表面をマット処理、コロナ処理などの表面処理を施すのが好ましい。
また基材面への塗工量は、特に限定されないが、例えば1〜30g/m2 、好ましくは3〜20g/m2 、さらに好ましくは5〜15g/m2 とする。
電子写真方式印刷としては、一般的には光導電性絶縁体(フォトコンドラムなど)を利用し、コロナ放電などにより光導電性絶縁体上に一様な静電荷を与え、各種の手段により、この光導電性絶縁体上に光像を照射することによって静電潜像を形成し、次いで、潜像をトナー微粉末を用いて現像可視化し、紙などにトナー画像を転写した後、加圧、加熱、溶剤蒸発、光などの照射などの手段により紙などの記録媒体上にトナー画像を定着させて複写物を得る電子写真方式印刷や、光導電性絶縁体上に光像を照射する電子写真方式印刷などが広く用いられている。
電子写真方式印刷や、光導電性絶縁体上に光像を照射する電子写真方式印刷などで用いられるトナーとしては、天然または合成高分子よりなるバインダ樹脂成分中に発像成分としてカーボンブラックなどの有色顔料ないし有色染料を分散させたものを5〜20μm程度に微粉砕した粒子が用いられている。かかるトナーは通常トナー単体もしくは鉄粉、ガラスビーズなどの担体物質(キャリア)と混合して用いられる。
本発明で用いるバインダ樹脂成分としては、従来トナーのバインダ樹脂成分として用いられている天然および/または合成高分子を挙げることができる。
具体例としては、例えばポリエステル、ポリエチレン、ポリスチレンやスチレン共重合体(例えば、スチレン−アクリル樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂など)、アクリレートおよびメタクリレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル/マレイン酸共重合樹脂、ビニルブチラール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテル樹脂、エポキシ系樹脂などを挙げることができる。これらは2種以上混合し用いることもできる。
本発明のトナーには、特性を損なわない範囲で、さらに、所望に応じて慣用されている添加成分、例えば、第4級アンモニウム塩、アゾ系含金属錯体、サリチル酸類金属錯体、カリックスアレーン類、アミノ基含有フツ化物などの公知の帯電制御剤、オレフィン系ワックス、カルナバワックスなどの公知の離型剤、安定剤、滑剤、流動性改善のための未処理、あるいは公知のカップリング剤で表面処理したシリカ、アルミナ、チタニア、酸化チタン、樹脂微粒子などの外添剤、鉄粉、フェライト粉、磁性粉入り樹脂粒子などの公知の磁性粉、などを少量含有させることができる。
さらに特性を損なわない範囲で、必要に応じて、鉄粉、フェライト粉、磁性粉入り樹脂粒子などのコア材料、シリコーン型ポリマー、フツ素型ポリマーなどのコート材料、カーボンブラック、樹脂微粒子などの帯電制御剤からなる公知のキャリアを併用してもよい。キャリアの粒径は解像度の点から200μm以下が好ましく、100μm以下がより好ましい。
本発明のトナーは、粉砕法、重合法、粒子析出法などの従来公知の方法で製造できる。たとえば、バインダ樹脂成分、光重合開始剤、および要すれば帯電制御剤、離型剤などを、例えば加圧ニーダ、ロールミル、エクストルーダなどにより溶融混練して均一に分散し、例えばジェットミルなどにより微粉砕して、風力分級機などの分級機により分級して所望のトナーを得ることができる。
本発明のトナーの粒径は、解像度の点から15μm以下が好ましいが、8μm以下がより好ましい。
本発明のトナーの転写方法は、公知の方法で行うことができるが、例示すれば、静電潜像転写、静電コロナ転写、静電ベルト転写、静電ローラー転写、粘着転写、圧力転写、磁気転写などによるトナー転写を挙げることができる。
多色あるいは複数のトナーを使用する場合の方法は、多重現像方式や転写ドラム方式、中間転写方式、タンデム方式などの多重転写方式などが挙げられるがこの限りではない。
(トナー及び現像剤の製造方法)
乾式トナーは製造方法により、粉砕トナーと重合トナーとに大別される。
粉砕トナーの製造方法としては、例えば、結着樹脂、色材、電荷制御剤、離型剤、磁性剤などの必要なトナー成分を、ヘンシェルミキサー及びボールミル等の混合機で十分に混合する。
次に、得られた混合物を、加熱ロール、ニーダ、エクストルーダ等の熱混練機を用いて溶融混練し、樹脂成分を相溶させ、トナー成分を均一に分散させる。その後、得られた混練物を冷却固化し、ハンマーミル及びジェットミル等で粉砕し、サイクロン及びミクロンセパレーター等で分級して造粒し、所望のトナーを得る。
さらに必要に応じて表面処理剤などを、ヘンシェルミキサー等の混合機で混合することもできる。
一方、重合トナーの製造方法としては、例えば、ディスク及び多流体ノズル等を用いて溶融混合物を空気中に霧化し球状トナー粒子を得る方法;懸濁重合法を用いて直接トナー粒子を生成する方法;単量体には可溶で得られる重合体が不要な水系有機溶剤を用い直接トナー粒子を生成する分散重合法、水溶性極性重合開始剤存在下で直接重合しトナー粒子を生成するソープフリー重合法などの乳化重合法;予め一次極性乳化重合粒子を調製後、反対電荷を有する極性粒子を加え会合させるヘテロ凝集法等を用いる。
中でも、重合性モノマーと他のトナー成分とを含むモノマー組成物を直接重合してトナー粒子を生成する方法が好ましい。また、一旦得られた重合粒子に更に単量体を吸着させた後、重合開始剤を用い重合させるシード重合方法も好ましい。
以上の様にして得られたトナーは、必要に応じてキャリアと混合される。混合は、Vブレンダーなどを用いて行われる。
一方、湿式トナーの場合は、ボールミル及びアトライタ等の混合機にトナー成分とキャリア液体とを投入し、十分に分散させて、混合工程および造粒工程を同時に行う。
本発明のトナーや現像剤に用いるシートの素材としては、ガラス繊維、アルミナ繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維などの無機または有機繊維からなる織布、不織布、マット、紙(例えば、上質紙、中質紙、合成紙、各種再生紙、アート紙、コート紙、ミラーコート紙、コンデンサー紙、パラフィン紙、その他の紙の他に、それにオーバーコート層(保護層)をもつ用紙など)あるいはこれらを組み合わせたもの、あるいはこれらに樹脂ワニスを含浸させて成形した複合シート、ポリアミド系樹脂シート、ポリエステル系樹脂シート、ポリオレフィン系樹脂シート、ポリイミド系樹脂シート、エチレン・ビニルアルコール共重合体シート、ポリビニルアルコール系樹脂シート、ポリ塩化ビニル系樹脂シート、ポリ塩化ビニリデン系樹脂シート、ポリスチレン系樹脂シート、ポリカーボネート系樹脂シート、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合系樹脂シート、ポリエーテルスルホン系樹脂シートなどのプラスチックシート、あるいはこれらにコロナ放電処理、プラズマ処理、紫外線照射処理、電子線照射処理、フレームプラズマ処理およびオゾン処理などの表面処理を施したもの、などの公知のものから選択して用いることができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではないので、特許請求の範囲に記載の趣旨から逸脱しない範囲で各種の変形実施が可能である。
以下実施例および比較例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に何ら制約されるものではない。
(実施例1)
トリメチロールプロパントリアクリレート[商品名:V#295(大阪有機化学社製)]53質量部とエトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート[商品名:SR9035(日本化薬社製)]27質量部、それに光重号開始剤[商品名:VICURE55(アクゾノーベル社製)]を8質量部混合する。この混合液にガラス微粒子[商品名:UB−2224S(ユニオン社製)]12質量部を混練する。さらに添加剤としてメチルハイドロキノン(安定剤)を0.1質量部を加える。これに着色剤として赤色染料0.25質量部を添加混合した。これを三本ロールミルで混練し、マッチング用照合記号を形成するための本発明のインクを得た。
得られたインクを樹脂凸版によるオフセット印刷で、上質紙[Npi上質紙70kg(日本製紙社製)]上にバーコードからなるマッチング用照合記号の印刷を行い、350mJ/cm2 の紫外線を照射して硬化させ、本発明のシートを得た。得られた本発明のシートを下記の方法でX線感知性および色再現性について評価した。評価結果を表1に示す。
(X線感知性)
本発明のシートを茶封筒に封入・封緘し、X線異物検査装置(X線照射能力:0.001Gy、アンリツ社製)を用いてディスプレー上でのマッチング用照合記号の形状、鮮明性を下記の判定基準で判定する。
判定基準
○:画像認識が充分可能な範囲にある。
△:やや陰影が薄いが、実用上画像認識が可能な範囲にある。
×:差異が大きく実用上使用できない。
(色再現性)
X線検知可能性を付与する微粒子(ガラス微粒子)を使用しなかった場合に得られたシートの照合記号の着色の程度を目視により対比し下記の判定基準で判定する。
判定基準
○:全く変化が感じられない。
△:やや差異はあるが、実用上問題のない範囲にある。
×:差異が大きく実用上使用できない。
(実施例2)
スチレン800質量部およびアクリロニトリル200質量部をトルエン10000質量部に溶解し、これにAIBN3質量部と50質量%体積平均粒子径5μmのアゾジカーボンアミドを加えて分散させた後、重合反応させてバインダ樹脂を得た。得られたバインダ樹脂110質量部にステアリン酸1質量部、ポリプロピレン2質量部、赤色顔料[商品名:カヤセットRed130(日本化薬社製)]8質量部、およびガラス微粒子[商品名:EMB−10(ポッターズ・バロティーニ社製)]50質量部を混合し、これを時間処理量5kg/hrで2軸押出混練機(温度制御シリンダ数7、ベント数1)で第5シリンダまで樹脂温度130℃で混練し、第6シリンダにベントを設置して150℃で脱気し、第7シリンダで180℃で発泡させ、スポンジ状の混練物を得た。この混練物をジェットミルで圧力を5kg/cm2 に設定して粉砕し、風力分級機で分級して50%体積平均粒径10μmの電子写真方式用の本発明のトナーを得た。
得られたトナーを所定のカートリッジに充填し、電子写真プリンタで上質紙[Npi上質紙70kg(日本製紙社製)]上にバーコードからなるマッチング用照合記号の印刷を行い、本発明のシートを得た。得られた本発明のシートを実施例1と同様にしてX線感知性および色再現性について評価した。評価結果を表1に示す。
(実施例3)
ガラス微粒子[商品名:UB−2224S(ユニオン社製)]6質量部とエチレングリコールモノメチルエーテル15質量部、グリセリン5質量部、ジエチレングリコールモノブチルエーテル0.5質量部、イソプロピルアルコール3質量部、赤色染料[商品名:カヤフェクトRed B Liquid(日本化薬社製)]5質量部それに蒸留水57.5質量部を混合攪拌してインクジェットプリンタ用インクを得た。このインクは粘度5.7mPa・s、表面張力42×10−3N/m、pH9.1であった。
このインクジェットプリンタ用インクを用い、キャノン社製インクカートリッジ型番:BC121(バブルジェット(登録商標)方式のインクジェットプリンタ型番:BJC−430C用)に充填し、上質紙[Npi上質紙70kg(日本製紙社製)]上にバーコードからなるマッチング用照合記号の印刷を行った。
得られた本発明のシートを実施例1と同様にしてX線感知性および色再現性について評価した。評価結果を表1に示す。
(比較例1)
実施例1で使用したガラス微粒子の代わりにシリカ粒子[商品名:Nipsil E−220(東ソーシリカ社製)]を用いた以外は実施例1と同様に行い得られた比較のシートを実施例1と同様にしてX線感知性および色再現性について評価した。評価結果を表1に示す。
(比較例2)
実施例1で使用したガラス微粒子の代わりに磁性粉微粒子(鉄微粒子)[商品名:MC−127(戸田工業社製)]を用いた以外は実施例1と同様に行い得られた比較のシートを実施例1と同様にしてX線感知性および色再現性について評価した。評価結果を表1に示す。
(比較例3)
実施例2で使用したガラス微粒子の代わりにシリカ微粒子[商品名:サイホービック 704(富士シリシア化学社製)]を用いた以外は実施例2と同様に行い得られた比較のシートを実施例1と同様にしてX線感知性および色再現性について評価した。評価結果を表1に示す。
(比較例4)
実施例2で使用したガラス微粒子の代わりに磁性粉微粒子(鉄微粒子)[商品名:MC−127(戸田工業社製)]を用いた以外は実施例2と同様に行い得られた比較のシートを実施例1と同様にしてX線感知性および色再現性について評価した。評価結果を表1に示す。
(比較例5)
実施例3で使用したガラス微粒子の代わりにコロイダルシリカ42質量部[型番:PL−1の水分散液/固形分:20質量%]とエチレングリコールモノメチルエーテル15質量部、グリセリン5質量部、ジエチレングリコールモノブチルエーテル0.5質量部、イソプロピルアルコール3質量部、赤色染料[商品名:カヤフェクトRed B Liquid(日本化薬社製)]5質量部それに蒸留水32.3質量部を混合攪拌してインクジェットプリンタ用インクを得た。このインクを用い実施例3と同様にして印刷して得られた比較のシートを実施例1と同様にしてX線感知性および色再現性について評価した。評価結果を表1に示す。
(比較例6)
実施例3で使用したガラス微粒子の代わりに公知の方法で調製した金ナノコロイド14質量部(固形分:60質量%)とエチレングリコールモノメチルエーテル15質量部、グリセリン5質量部、ジエチレングリコールモノブチルエーテル0.5質量部、イソプロピルアルコール3質量部、赤色染料[商品名:カヤフェクトRed B Liquid(日本化薬社製)]5質量部それに蒸留水60.3質量部を混合攪拌してインクジェットプリンタ用インクを得た。このインクを用い実施例3と同様にして印刷して得られた比較のシートを実施例1と同様にしてX線感知性および色再現性について評価した。評価結果を表1に示す。
Figure 2006307045
表1から、実施例1(本発明の印刷用インク使用)、実施例2(本発明のトナー使用)および実施例3(本発明のインクジェットインク使用)のシートはX線感知性および色再現性いずれも優れていることが判る。
それに対して、比較例1〜6の比較のためのシートはX線感知性あるいは色再現性のいずれが劣ることが判る。
本発明のX線検知可能な印刷用インクは、ビヒクルに、用いる色材の色を損なわないとともにX線検知可能性を付与する微粒子を、インク(固形分)に対して所定量配合した凸版印刷、グラビア印刷法などの凹版印刷、オフセット方式などの平板印刷、スクリーン印刷およびインクジェット方式その他の通常用いられる印刷方法で印刷可能なインクであるので、
重ね合わせたり、あるいは包み込むなどしてマッチング用照合記号が内部にあって見えなくても、例えば公知のX線異物検査装置などを用いて読み取りでき、この読み取り結果に基づいてマッチング検査ができるとともに、用いる色材の色が損なわれないので、マッチング用照合記号の形成に用いるインクとマッチング用照合記号以外の記号や文字などの形成に用いるインクとを同じインクで行うことができるという、顕著な効果を奏するものであり、
本発明のシートは、シート基材面の所定箇所に、本発明の印刷用インク、トナーあるいは現像剤を用いてX線検知可能な印刷部を設けてなるものであり、
重ね合わせたり、あるいは包み込むなどしてマッチング用照合記号が内部にあって外部からは見えなくても、例えば公知のX線異物検査装置などを用いて容易に読み取りができ、この読み取り結果に基づいて容易にマッチング検査ができるという、顕著な効果を奏するので、産業上の利用価値が高い。
本発明のX線検知可能な印刷部を設けたシートの一実施形態を示す説明図である。 本発明のX線検知可能な印刷部を設けた他のシートの例を示す説明図である。
符号の説明
1、3、3A、1A、1B、1C 本発明のシート
2、2(イ)、2(ロ)、2(ハ)、4 X線検知可能な印刷部(バーコード)

Claims (7)

  1. ビヒクルに、インクに用いる色材の色を損なわないとともにX線検知可能性を付与する微粒子を、インク(固形分)に対して所定量配合したことを特徴とするX線検知可能な印刷用インク。
  2. 前記微粒子がガラス微粒子であることを特徴とする請求項1記載の印刷用インク。
  3. 電子写真方式で用いられるトナーであって、バインダ樹脂成分に、トナーに用いる色材の色を損なわないとともにX線検知可能性を付与する微粒子を、バインダ(固形分)に対して所定量配合したことを特徴とするX線検知可能なトナー。
  4. 前記微粒子がガラス微粒子であることを特徴とする請求項3記載のトナー。
  5. バインダ樹脂成分に、現像剤に用いる色材の色を損なわないとともにX線検知可能性を付与する微粒子を、バインダ(固形分)に対して所定量配合した線検知可能なトナーを含むことを特徴とするX線検知可能な電子写真方式用現像剤。
  6. 前記微粒子がガラス微粒子であることを特徴とする請求項5記載の現像剤。
  7. シート基材面の所定箇所に、請求項1から請求項6のいずれかに記載の印刷用インク、トナーあるいは現像剤を用いてX線検知可能な印刷部を設けてなることを特徴とするシート。
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